JP2007534579A - 安定化された理想的酸素析出シリコンウエハを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

この発明は、単結晶チョクラルスキー型シリコンインゴットウエハ、及び安定化された酸素析出核形成中心の不均一な分布を有するそのような単結晶チョクラルスキー型シリコンインゴットウエハの製造方法に関する。特に、ピーク濃度はウエハバルク部に位置しており、析出物のない領域は表面から内側へ延びている。

Description

発明の詳細な説明
(発明の背景)
本発明は、一般に、電子部品の製造に用いられる半導体材料基材、特にシリコンウエハの製造に関する。特に、本発明は、安定化された酸素析出物、即ち1150℃を越えない温度へ急速に加熱されることに十分に耐える酸素析出物の寸法の理想的な不均一な深さ分布を形成するようにシリコンウエハを処理する方法に関する。
半導体電子部品の製造のための大部分の方法についての出発物質である単結晶シリコンは、一般に、種単結晶を溶融シリコンに浸漬し、次いでゆっくりと引き上げて成長させる、いわゆるチョクラルスキー法(Czochralski process)によって製造されている。溶融シリコンは、石英ルツボに収容されているので、種々の不純物、中でも主として酸素によって汚染されている。シリコン溶融塊の温度では、酸素濃度が、固化シリコンにおける酸素の実際の偏析係数(segregation coefficient)によって、及び、溶融塊の温度におけるシリコン中の酸素の溶解度(solubility)によって決まる濃度に達するまで、酸素が結晶格子の中に入る。その濃度は、電子デバイスを製造する方法について典型的な温度における、固体シリコン中の酸素の溶解度よりも高い。結晶が溶融塊から成長し、冷却されると、従ってその中の酸素溶解度が急速に低下すると、それによって得られるウエハまたはスライス中において、酸素は過飽和濃度にて存在する。
電子デバイスの製造において一般的に使用される熱処理サイクルは、酸素が過飽和となっているシリコンウエハに酸素の析出を生じさせる。ウエハにおけるそれら酸素の析出位置によって、析出物は有害となったり、有益となったりし得る。ウエハの活性デバイス領域に位置する酸素析出物は、デバイスの動作を損なう可能性がある。しかしながら、ウエハのバルク部に位置する酸素析出物は、ウエハに接触するようになり得る望ましくない金属不純物を捕捉することができる。ウエハのバルク部に位置する酸素析出物を金属を捕捉するために用いることは、一般に、インターナル(internal)又はイントリンシック(intrinsic)・ゲッタリング(IG)と称される。
歴史的に、電子デバイス製造方法は、ウエハの表面近くに、(一般に、「デヌーデッドゾーン(denuded zone)」または「無析出領域(precipitate free zone)」と称される)酸素析出物の無い領域又は部位を有し、ウエハの残りの部分、即ちウエハバルクはIGのために十分な数の酸素析出物を有するシリコンを製造するように設計された一連の工程を有していた。デヌーデッドゾーンは、例えば(a)不活性雰囲気において、少なくとも約4時間にわたる高温(>1100℃)で酸素を外方拡散(out-diffuse)させる工程、(b)低温(600〜750℃)で酸素析出核を生成させる工程、及び(c)高温(1000〜1150℃)で酸素析出物(SiO)を成長させる工程のような高温−低温−高温の熱処理シークエンスによって形成することができる。例えば、F.Shimuraの「Semiconductor Silicon Crystal Technology」、Academic press, Inc., San Diego California (1989)、第361〜367頁及びそれに引用された文献を参照されたい。
しかしながら、ごく最近、先進の電子デバイス製造方法、例えばDRAM製造方法では、高温プロセス工程の使用を最小限にする取組みが始められている。これらのプロセスの中のいくつかのものは、十分なバルク析出物密度およびデヌーデッドゾーンを形成するように十分な高温プロセス工程を維持しているが、材料を商業的に実施可能な生成物にするためには、材料に対する許容度が厳密過ぎる。他の現在の高度に先進的な電子デバイス製造法は、外方拡散工程(out-diffusion steps)を全く有していない。従って、活性デバイス領域における酸素析出物に付随する問題のために、これら電子デバイスの製造業者は、それらのプロセス条件下でウエハのいずれかの領域に酸素析出物を形成できないシリコンウエハを使用する必要がある。結果として、すべてのIGポテンシャルが失われる。
(発明の概要)
従って、本発明の目的には、1150℃を越えない温度へ急速に加熱されることに耐える酸素析出核形成中心の理想的な不均一深さ分布を有する単結晶シリコンウエハを製造する方法を提供すること;ウエハを核形成させ、酸素析出核形成中心を成長させるための独立した熱処理に付することなく、酸素析出核形成中心の理想的な不均一な深さの分布を有するウエハを製造する方法を提供すること;そのようなウエハにおいて析出物の無い領域の深さを調節する方法を提供すること;そのようなウエハにおいて安定化された酸素析出核形成中心の濃度プロファイルを制御するための方法を提供することが含まれる。
従って、簡単には、本発明は、制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハを製造するための方法に関する。この方法は、チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、及び中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層を有するウエハを選択することを含んでなる。選択されたウエハは、アニーリング温度Tに加熱され、ウエハの前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成する。加熱されたウエハは、温度Tから、上方核形成温度Tへ速度Rで冷却されて、ウエハに空孔濃度プロファイルを形成し、そこでは、空孔のピーク濃度がバルク層にあり、濃度はピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する。空孔プロファイルされたウエハは、核形成時間tの間、温度T及び下側核形成温度Tによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持され、表面層中の酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させる。バルク層における酸素析出核形成中心の濃度は、空孔濃度に依存する。
本発明は、制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハを製造する方法にも関する。本発明の方法は、チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、及び中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層を有するウエハを選択することを含んでなる。ウエハは、少なくとも1300℃であるアニーリング温度Tに加熱されて、ウエハの前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成する。加熱されたウエハは、温度Tから、約1020℃〜約1090℃の範囲である上方核形成温度Tへ、約40〜50℃/秒の範囲の速度Rで冷却されて、ウエハに空孔濃度プロファイルを形成し、そこでは、バルク層中の空孔のピーク密度は、濃度と共に、ピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する。空孔濃度プロファイルされたウエハは、温度T及び(約1000℃〜約1080℃の範囲である)下側核形成温度Tによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持され、その場合にTとTとの温度差は約20℃以下であり、T及びTが上昇すると、一般に小さくなる。ウエハは、約10秒〜約30秒の範囲の核形成時間tの間、核形成温度範囲に維持され、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させ、バルク層における酸素析出核形成中心の濃度は、空孔濃度に依存する。
更に、本発明は、制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハの製造方法に関する。本発明の方法は、チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、及び中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層を有するウエハを選択することを含んでなる。ウエハは、少なくとも1350℃であるアニーリング温度Tに加熱されて、ウエハの前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成する。加熱されたウエハは、温度Tから、約1060℃〜約1090℃の範囲である上方核形成温度Tへ、約40〜50℃/秒の範囲の速度Rで冷却されて、ウエハに空孔濃度プロファイルを形成し、そこでは、バルク層中の空孔のピーク密度は、濃度と共に、ピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する。空孔濃度プロファイルされたウエハは、温度T及び(約1050℃〜約1080℃の範囲である)下側核形成温度Tによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持され、その場合にTとTとの温度差は約15℃以下であり、T及びTとともに一般に小さくなる。ウエハは、約10秒〜約15秒の範囲の核形成時間tの間、核形成温度範囲に維持され、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させ、バルク層における酸素析出核形成中心の濃度は、空孔濃度に依存する。
更にもう1つの態様例では、本発明は、制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハの製造方法に関する。本発明の方法は、チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層、並びに、前方表面及び後方表面の自然な酸化物層を有するウエハを選択することを含んでなる。ウエハを窒素又は窒化性気体を含んでなる雰囲気にさらしながら、ウエハをアニーリング温度Tに加熱して、前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成する。加熱されたウエハは、温度Tから上方核形成温度Tへ速度Rで冷却されて、ウエハに空孔濃度プロファイルを形成し、そこでは、バルク層中の空孔のピーク密度は、濃度と共に、ピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する。空孔濃度プロファイルされたウエハは、核形成時間tの間、温度T及び下側核形成温度Tによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持され、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させ、バルク層における酸素析出核形成中心の濃度は、空孔濃度に依存する。
本発明のその他の目的及び特徴は、以下の記載によって一部は明らかとなるであろうし、一部は以下に記載する。
(発明についての詳細な説明)
本発明によって、本質的にいずれかの電子デバイスを製造する方法の間に、イントリンシック・ゲッタリングのために十分な密度の酸素析出物を含むウエハバルク及び十分な深さのデヌーデッドゾーン(又は酸素析出物のない領域)を形成し得る、理想的な析出を行うウエハが見出された。有利なことに、この理想的な析出ウエハは、半導体シリコン製造工業において共通して用いられるツールを用いて、数分間で(又は短時間で)調製することができる。この方法によって、シリコン中に、酸素が最終的に析出することになる様式を決定又は「プリント」する「テンプレート(template)」が形成される。本発明において、このテンプレートを形成する方法は、ウエハバルク部に生成した酸素析出核形成中心が、間に熱安定化アニーリングを介在させることなく、その後の急速な熱処理(例えば、エピタキシャルデポジション及び/又は酸素注入)の後でも残存する(survive)ことができるように安定化されるように、制御される。換言すれば、ウエハが約1150℃を越えない温度へ急速に加熱されたとしても、本願発明の方法の間に生成した酸素析出核形成中心は、溶解しない程度に十分な大きさを有している。
A.出発物質
本発明の理想的析出ウエハのための出発物質は、常套のチョクラルスキー結晶成長方法に従って成長させた単結晶インゴットからスライスされた単結晶シリコンウエハである。そのような方法は、シリコンのスライス、ラッピング、エッチング及びポリッシングの標準的な技術を含めて、F.Shimuraの「Semiconductor Silicon Crystal Technology」、Academic press, Inc., 1989年及びSilicon Chemical Etching(J. Grabmaier編)、Springer-Verlag, New York, 1982年(引用することによって本明細書に含めることとする)に開示されている。本発明のための出発物質は、ポリッシングされたシリコンウエハ、又は、ラッピング及びエッチングされているが、ポリッシングされていないシリコンウエハであってよい。更に、ウエハは、優勢な真性点欠陥として空孔又は自己格子間点欠陥を有することができる。例えば、ウエハは、中央部から周縁部にかけて空孔が優勢に存在していてもよいし、又は中央部から周縁部にかけて自己格子間原子が優勢に存在していてもよいし、あるいは、軸対称的なリングの形態の自己格子間原子優勢材料によって囲まれた空孔優勢材料の中央コアを有していてもよい。
チョクラルスキー法成長シリコンは、一般に、約5×1017〜約9×1017原子/cm(ASTM標準規格F−121−83)の範囲内の酸素濃度を有している。ウエハの酸素析出物挙動は理想的析出ウエハ中の酸素濃度から切り離されているので、出発物質のウエハは、チョクラルスキー法によって達成される範囲内又はその外側のこともあり得るいずれかの範囲内の酸素濃度を有している。
窒素及び/又は炭素を典型的不純物レベル程度以下で含むシリコン単結晶インゴットの成長の間、シリコンはその融点(約1410℃)から冷却され、約700℃〜約350℃の温度範囲を通ってシリコンが冷却される際に、空孔及び酸素は相互作用して、インゴット中に酸素析出核形成中心を生成させ得る。特定の熱処理、例えば約800℃の温度にて約4時間のシリコンのアニーリングによって、その酸素析出核形成中心が約1150℃を越えない温度にて溶解し得ないように、安定化させることができる。本発明によれば、酸素析出核形成中心は、約1150℃〜約1300℃の範囲の温度にてシリコンを熱処理することによって溶解させることができるので、出発物質中に核形成中心が存在すること又は存在しないことはあまり重要ではない。今日利用できる技術を用いて酸素析出核形成中心の存在(又は密度)を直接的に測定することはできないが、その存在は、シリコンウエハを酸素析出熱処理、例えばウエハを800℃の温度にて4時間、その後、1000℃の温度にて16時間アニーリングする熱処理に付することによって検出することができる。酸素析出物についての検出限界は、今日では約5×10析出物/cmである。
単結晶シリコン中に不純物として存在する場合、置換炭素は、酸素析出核形成中心の生成を促進する(catalyze)ことができる。従って、この理由及びその他の理由から、単結晶シリコン出発物質は低い炭素濃度を有することが好ましい。即ち、単結晶シリコンは、約5×1016原子/cm以下、好ましくは約1×1016原子/cm以下、そしてより好ましくは約5×1015原子/cm以下の炭素濃度を有すべきである。
ここで図1を参照すると、本発明の理想的析出ウエハのための出発物質である単結晶シリコンウエハ1は、前方表面3,後方表面5、及び前記前方表面と前記後方表面との間の仮想的中央平面7を有している。本明細書において、「前方」および「後方」という用語は、全体として平板状であるウエハの2つの主たる表面を区別するために使用される;ウエハの前方表面は、この用語を本明細書中で使用する場合に、必ずしもその後に電子デバイスを組み立てる表面ではなく、また、ウエハの後方表面は、この用語を本明細書中で使用する場合に、必ずしも電子デバイスを組み立てる表面と反対側のウエハの主表面ではない。更に、シリコンウエハは、典型的には、ある程度の全体的な厚みの変動(TTV(total thickness variation))、反り(warp)および湾曲(bow)を有するので、前方表面の各点と後方表面の各点との中間点は、正確に1つの平面内に含まれ得るとは限らないが、しかしながら実際の問題として、TTV、反りおよび湾曲の程度は一般に非常にわずかであるので、近い近似では、そのような中間点は、前方表面と後方表面との間のほぼ等しい距離にある仮想的な中央平面に含まれると表現することができる。
B.シリコンウエハ中における空孔の生成
本発明によれば、ウエハを熱処理工程、工程S2(場合によって行う工程S1については、より後段の部分にて説明する)に付することによって、ウエハを高温に加熱して、ウエハ1内において結晶格子空孔13を形成させ、及びそれによってその数密度を増大させる。この熱処理工程は、ウエハを目標温度Tへ急速に加熱し、その温度にて比較的短時間でアニーリング処理することが好ましい。例えば、ラピッド・サーマル・アニーラー(rapid thermal annealer)は、ウエハを室温から1200℃の温度へ数秒間で加熱することができる。そのような市販のRTA炉の1つには、STEAG AST Electronic GmbH(Dornstadt、ドイツ)から市販されているモデル2800炉がある。一般に、ウエハは、1150℃を越える温度であって、約1400℃以下の温度に付される。一般に、ウエハは、約1200℃〜1400℃の範囲の温度、より典型的には約1250℃〜1400℃の温度に加熱される。1つの態様では、温度Tは、約13000℃〜約1400℃の範囲の温度である。もう1つの態様では、温度Tは、約13500℃〜約1400℃の範囲の温度である。
内因性点欠陥(空孔及びシリコン自己格子間原子)は、温度に依存する拡散速度にて、単結晶シリコンの中を拡散することができる。従って、内因性点欠陥(intrinsic point defect、又は真性点欠陥)の濃度プロファイルは、温度の関数としての再結合速度と内因性点欠陥の拡散率(diffusivity)との関数である。例えば、内因性点欠陥は、ラピッドサーマルアニーリング工程において、ウエハがアニーリング処理される温度付近の温度では比較的移動し得るが、約700℃以下の温度ではいずれかの商業的に実用的な間隔の時間では本質的に移動し得ない。これまでに得られた実験的証拠によれば、空孔の有効拡散速度は、800℃、900℃あるいは1000℃程度の温度ではかなりの程度遅いことが示唆されている。
結晶格子空孔の生成を引き起こすことに加えて、ラピッド・サーマル・アニーリング工程は、シリコン出発物質中に存在する既存の酸素析出核形成中心の溶解を引き起こす。上述したように、これら核形成中心は、例えば、ウエハをスライスされた単結晶シリコンインゴットの成長の間に形成し得るし、又は、ウエハ若しくはウエハがスライスされたインゴットのそれまでの熱履歴(thermal history)におけるいくつかの他の事象(event)の結果として形成されたりし得る。
熱処理の間、ウエハを、比較的均一である空孔濃度プロファイルを形成するように選択された1種又はそれ以上の気体を含む雰囲気に曝すことができる。1つの態様では、ウエハ1を、非窒化的/非酸化的雰囲気(non-nitriding/non-oxidizing atmosphere)(即ち、不活性雰囲気)において熱処理することができる。サーマル・アニーリング工程及び冷却工程において、環境又は雰囲気として非窒化的/非酸化的雰囲気を用いる場合、直ぐではないとしても、アニーリング温度を達成した後、速やかに、ウエハ全体について空孔濃度の上昇が達成される。熱処理の間のウエハ中について得られる空孔濃度(数密度)は、ウエハの前方側からウエハの後方側へかけて比較的一定である。ウエハは、少なくとも1秒間、一般に少なくとも数秒間(例えば、少なくとも3秒間)、好ましくは数十秒間(例えば、20秒間、30秒間、40秒間又は50秒間)、又はウエハの所望の特性に応じて、約60秒までの間(この時間は商業的に利用できるラピッド・サーマル・アニーラーについての限界に近い)、この温度に維持されることになる。それ以上の時間で、その達成された温度にウエハを維持すると、今日得られている実験的証拠に基づいて、空孔濃度の増大には結びつかないようである。好適な気体には、アルゴン、ヘリウム、ネオン、二酸化炭素、及びその他の不活性元素及び化合物の気体、又はそれら気体の混合物が含まれる。
今日までに得られた実験的証拠に基づけば、非窒化的/非酸化的雰囲気は、酸素、水蒸気および他の酸化性気体の比較的小さな分圧を有するに過ぎないことが好ましいということが示唆されている。すなわち、その雰囲気は、酸化性気体が全く存在しないか、または空孔濃度の成長を抑制するシリコン自己格子間原子の充分量を注入するのに不充分であるそのような気体の分圧を有している。酸化性気体濃度の下限は正確には決定されていないが、0.01気圧(atm)、又は10000部/百万原子(ppma(parts per million atomic))の酸素分圧に関して、空孔濃度の増大および効果が認められないことが認められている。従って、雰囲気は、酸素および他の酸化性気体の分圧が0.01atm(10000ppma)以下であることが好ましい;より好ましくは、雰囲気中におけるこれらの気体の分圧は約0.002atm(2000ppma)以下であり、より好ましくは約0.005atm(5000ppma)以下であり、最も好ましくは約0.001atm(1000ppma)以下である。
もう1つの態様では、工程S2の前に、工程S1において、酸素含有雰囲気にてウエハ1を熱処理して、ウエハ1を包み込む表面酸化物層9を成長させることによって、比較的均一な空孔濃度プロファイルを形成することができる。一般に、酸化物層は、シリコン表面に生成する自然の酸化物層(約15Å)よりも大きな厚さを有することになる。この第2の態様において、酸化物層の厚さは、一般に少なくとも約20Åである。いくつかの態様において、ウエハは、少なくとも約25又は30Åの厚さを有する酸化物層を有することになる。今日までに得られた実験的証拠により、約30Åを越える厚さを有する酸化物層は、更なる利点は全く又はほとんどもたらさないことが示されている。
酸化物層を形成した後、ラピッド・サーマル・アニーリング工程は、典型的に、窒化性雰囲気、即ち窒素気体(N)又は窒素含有化合物気体であって、曝されるシリコン表面を窒化することができる気体、例えばアンモニアの存在下で行われる。別法として、又は追加して、雰囲気は非酸化性及び非窒化性気体、例えばアルゴンを含むことができる。アニーリング温度に達すると、迅速ではないとしても、その後速やかに、ウエハ全体の空孔濃度の増大が達成され、ウエハ中の空孔濃度プロファイルは比較的一様になる。
C.不均一な空孔濃度プロファイルを形成するための冷却
工程S2が完了すると、ウエハは工程S3aにて、ウエハ中に不均一な空孔濃度プロファイルを形成するために、単結晶シリコン中で結晶格子空孔が比較的移動し得る温度範囲を通り、急速冷却される。この温度範囲は、プロファイル形成温度範囲(profile-formation temperature range)と称することができ、一般に、アニーリング温度Tから、移動し得る結晶格子空孔が酸化され、酸化された結晶格子空孔が核形成して、酸素析出核形成中心を形成し、酸素析出核形成中心が寸法を増大する(以下において詳細に説明する)ことができるような、核形成温度範囲内の温度にわたっている。
ウエハの温度がプロファイル形成温度範囲を通って降下すると、空孔はウエハの表面へおよび/またはウエハ表面の酸化物層へ拡散して消滅し、従ってこの範囲内の温度にウエハを維持する時間的長さに応じた変化の程度で、空孔濃度プロファイルの変化がもたらされる。仮にウエハを無限の時間的長さでこの範囲の温度に保つとすると、空孔濃度プロファイルは再び工程S2の初期プロファイルと同様に(例えば、均一に)なるであろうが、平衡濃度は熱処理工程が完了した直後の濃度よりも低くなるであろう。しかしながら、ウエハを急速に冷却することによって、表面近くの領域における結晶格子空孔の分布は著しく低下し、それによって変性された空孔濃度プロファイルが得られる。例えば、最初は均一なプロファイルを有しているウエハを急速に冷却することによって、最大空孔濃度が中央平面7にあるか又は中央平面7の近くに存在しており、ウエハの前方表面3及び後方表面5の方向へ空孔濃度が低下する不均一なプロファイルが得られる。
便宜上、冷却工程は、加熱工程を実施するのと同じ雰囲気にて行うことができる。しかしながら、冷却工程を異なる雰囲気にて実施することもできるし(例えば、以下のF.不均一な空孔濃度プロファイルのRTA生成を参照のこと)、それによって空孔濃度プロファイルの形状を変化させることもできる。選択した雰囲気とは無関係に、ウエハの急速冷却の効果は、雰囲気ファクターに優り、表面近くの領域における空孔濃度の著しい低下がもたらされる。
一般に、この温度範囲における平均冷却速度Rは、少なくとも約5℃/秒であり、好ましくは少なくとも約20℃/秒である。所望のデヌーデッドゾーンの深さに応じて、平均冷却速度は好ましくは少なくとも約50℃/秒であり、より好ましくは少なくとも約100℃/秒であり、いくつかの用途については、約100℃〜約200℃/秒の冷却速度が好ましい。一般に、今日の処理装置によれば、約30℃〜約80℃の範囲、より典型的には約40℃〜約50℃の範囲の冷却速度がもたらされる。
D.安定化された酸素析出核形成中心の形成
ウエハを急速冷却して、工程3aにおいて不均一な空孔濃度プロファイルを形成した後、工程3bは、移動し得る結晶格子空孔が酸化され、酸化された結晶格子空孔が核形成して、酸素析出核形成中心を形成し、酸素析出核形成中心が寸法を増大するような温度範囲内にウエハを維持すること、および/またはその温度範囲を通してウエハの冷却を制御することを含んでいる。工程3bの間、ウエハは、酸素析出物を安定化させるのに十分な時間tで、いわゆる核形成温度範囲Tに維持される、および/または、その範囲を通して冷却される(即ち、酸素析出物は、約1150℃までの温度にて溶解することができない寸法である)。
いずれか特定の理論にとらわれるのではないが、本発明の方法は、以下の説明に従って、安定化された酸素析出物核形成中心を形成すると考えられる。ラピッド・サーマル・アニーリングに組み入れられる空孔濃度CVOは、温度(T)における2つの平衡濃度である、空孔の平衡濃度(CVe)と、自己格子間原子の平衡濃度(Cie)との差:
Figure 2007534579

である。ラピッド・サーマル・アニーリング工程の間、Tは、シリコンの融点に近づくようにならず、CVOの値は比較的低い(1013cm−3以下)、例えば(1014cm−3のオーダーである)結晶成長によって組み入れられる値よりも実質的に低い。低いCVOでは、主として酸素によって空孔が結合され、酸化物粒子(酸素原子と空孔との結合凝集物)を形成することによって、空孔の生成が抑制される。工程S3bを除いて本発明と同様の方法に付されたシリコンにおいて、酸化物粒子の寸法は、空孔の外方拡散を防止するための高い冷却速度(例えば、20〜50℃/秒)によって、単に数原子程度である。対照的に、工程S3aの間にウエハを急速冷却することによって空孔濃度プロファイルを形成した後、本発明の工程S3bは、空孔がウエハ表面へ外方拡散しようとする傾向に反して、初期空孔濃度がCVOに近いウエハバルク部では、成長と酸化物粒子核形成の現象とを調和させる。従って、シリコン内の空孔濃度とアニーリング温度とに応じて、核形成温度範囲及び核形成持続時間tは、導入された空孔濃度プロファイルが実質的に緩和されることなく、空孔に関連する反応(例えば、酸化、核形成及び成長)が進行するように選択される。例えば、核形成温度範囲及び核形成持続時間は、方法のこの核形成/成長部分の間における酸化された空孔および/または空孔の拡散長さが約200μm以下であるように、一般に制御される。
空孔外方拡散現象及び酸化物粒子核形成の半定量的な推定を求めるために用いられた数学的モデルについて、以下に説明する。最初に、空孔の何らかの外方拡散を無視するウエハバルク部について、酸化物粒子の寸法及び密度を計算した。核形成はある程度特徴的時間τだけ続き、より長い時間では、成長する粒子により空孔が消費されることによって、核形成速度は著しく低下する。この方法によれば、特定の密度の酸素粒子が生成し、酸素粒子の生成によって、空孔の実質的なフラクションが消費される。保持時間tは、τよりも実質的に長く選択され、残存する空孔は成長する粒子によって消費され、粒子は何らかの最大寸法(maximum size)に到達することになる。しかしながら、流出物の成長を続行するためには、時間τよりも実質的に長い時間でウエハを保持する必要はない。それは、その後の熱処理(例えば、エピタキシャル成長(epitaxial deposition))の間に、続いて成長が起こることになるからである。従って、核形成温度Tにおける保持時間tは、τと同様に選択された。
工程S3bの間に生成する粒子の寸法及び密度は、組み込まれた空孔濃度CVO及び保持時間Tに依存する。粒子の寸法は、続く急速高温熱処理、例えばエピタキシャル成長において粒子が残存するのに十分なものであることが必要である。今日では、この寸法は、粒子1個あたり、消費された空孔約1000個であると考えられており、これは約8×1017cm−3の酸素濃度を有するシリコン中で、約1150℃における非拘束酸化物粒子の臨界的寸法に対応する。比表面エネルギー値(specific surface energy value)は、酸化物粒子核形成の刊行物の分析に基づいて、約850エルグ/cmとなるように選択された。粒子寸法m(消費された空孔の数)が空孔濃度CVO/Nに等しいので、粒子寸法の条件は、あまり高くない粒子密度Nの要求(要件)に変換することができる。換言すると、Nは、CVO/1000以下となるように選択された。あまりに低過ぎる保持温度は、高過ぎる粒子密度をもたらし、従って、その後の急速熱処理に耐えるには小さ過ぎる粒子を生じる。従って、寸法の条件を満足するため、Tは少なくとも多少なりともより低い温度限界と同じ程度に高いことが必要である。
得られた粒子密度Nは、初期空孔濃度CVO及びTに依存するが、粒子成長速度は酸素の球状粒子への拡散によって制限されると仮定して、空孔損失の式:
Figure 2007534579

を解くことによって求められる。この式において、Iはある瞬間t’における核形成速度であり、Rはある瞬間t’において核形成された粒子の半径であり、瞬間t’から現在の瞬間tへの間の時間で成長し、DVOは酸素拡散率であり、γは消費された酸素原子1個あたりの消費された空孔の数である(γは約0.5である)。式(2)において、時間についての積分は、0からtまでである。酸化物粒子の核形成速度Iは、定常状態核形成速度について常套の表現によって特定される。この場合に、核形成は、寸法軸n(クラスター中の酸素原子の数)に沿ったランダム・ウォークであるが、その時点で消費された空孔の数はn、T及びCの関数である。今日の空孔濃度Cは、すべての形態の空孔−遊離した空孔及び空孔−酸素種VO(結合空孔)の両者によって構成される。核形成は、Tに依存し及び酸素濃度COXに依存するCの一部を構成する遊離空孔によって制御される。COXについては、固定された値の8×1017cm−3が採用された。
式(2)を積分した後、時間に依存するC及び核形成速度Iの両者が得られる。粒子密度Nは、Iを時間について積分することによって見出される。特徴的核形成時間τは、I(t)曲線の形状によって同時に規定される。核形成温度Tがより低い核形成温度Tと同程度である場合に限り、特定のアニーリング温度T(従って、対応する空孔濃度CVO)について、十分に大きな最大寸法(N/1000 < CVO)の条件が満足される。温度Tが温度Tよりも低い場合には、寸法条件を満足するには、粒子寸法は小さすぎるようになる。この計算された核形成温度Tを、図21の寸法限界曲線によって示す。
他方で、保持温度Tは、適度の量の粒子核形成が起こり得る前にウエハバルク部からの空孔の実質的な外方拡散を防止するのに十分低くあるべきである。保持温度についてのこの(第2の)条件は、(核形成時間τに等しい)保持時間の間における空孔外方拡散長さは、実質的にウエハの半値幅(幅の半分値(half-width))以下であるべきであるという意味を含んでいる。この条件を定量化するため、空孔外方拡散長さ(2Deffτ)1/2は200μm以下であるべきであるということが採用される。ここでDeffは、移動性の高い遊離空孔及び不移動性の捕捉された(又は結合された)空孔種VOからなる空孔集団の有効拡散率である。従って、Deffは、空孔種の中でも、遊離空孔の拡散率Dに遊離空孔フラクション(割合)を乗じた値に等しい。比較的低いTでは、遊離空孔割合は低く、従って、Deffも低く、空孔外方拡散はあまり著しいものではない。しかしながら、比較的高いTでは、外方拡散は速い。空孔の実質的な外方拡散を含まない上記の条件を満足するため、保持温度は最高でも上側核形成温度Tである。算出された温度Tによって、図2に示す外方拡散限界曲線(out-diffusion limitation curve)を描いている。
従って、核形成温度範囲は、上側核形成温度Tを有しており、該上側核形成温度Tは、空孔が移動性であって、不均一な空孔濃度プロファイルが実質的に維持され得ないような(即ち、濃度プロファイルの形状(又は形態)がアニーリング工程S2の間におけるプロファイルに近づくか又は近似するように、急速冷却によって生じる不均一なプロファイルが緩和する)温度に対応する。また、核形成温度範囲は、下側核形成温度Tを有しており、該下側核形成温度Tは、安定であると認められるのに十分な大きさの酸素析出核形成中心を形成するのに十分な移動性を、空孔及び/又は酸化された空孔が有する最も低い温度である。
図2を参照すると、上側及び下側の核形成温度は主として、アニーリング温度Tに基づく空孔濃度CVOの関数である。一般に、空孔濃度及びアニーリング温度が上昇すると、上側及び下側核形成は上昇する。同様に、アニーリング温度が上昇すると、上側限界と下側限界との差は小さくなる傾向がある。それは、温度とともに、空孔の長い距離での移動が増大し、それによって核形成の前に、プロファイル緩和する傾向が増大するためである。図2のプロットは、約1150℃以上の温度へ急速加熱されることに耐えるのに十分な大きさの酸素析出核形成中心を形成すること、それには少なくとも約1000個の空孔が必要であると現在考えられていること;8×1017cm−3の酸素濃度COX;及び中性であるプロセスの間の雰囲気(即ち、上述した非窒化的/非酸化的雰囲気のような、ウエハ中に空孔を形成したり又は注入したりしない雰囲気)を含めて、上述したような推論に基づいている。しかしながら、約1150℃以下の温度への急速加熱に耐えることのみが酸素析出核形成中心に必要とされるのであれば、下側核形成温度は低下させることができる。
上述した事項を考慮すると、工程S3bの間に、ウエハ中におて空孔と格子間酸素との相互作用が生じ、酸素析出核形成中心が形成される。酸素析出核形成中心の濃度は、主として空孔濃度に依存し、従って、酸素析出核形成中心のプロファイルは空孔プロファイルに近似したものとなる。特に、高い空孔領域(ウエハバルク部の領域)では酸素析出核形成中心が形成されて、低い空孔領域(ウエハ表面近くの領域)では酸素析出核形成中心は形成されない。 従って、ウエハを空孔濃度の種々の領域に分割することによって、酸素析出核形成中心のテンプレートが形成される。更に、ウエハバルク部中における酸素析出核形成中心の分布は、空孔の分布に対応している。すなわち、それは均一でなく、例えばバルク部中のあるポイントにて最大であって、前方表面及び後方表面の方へ向かって低下する濃度(例えば、「上下逆転したU字形状(upside down U-shaped)」として特徴付けることができるプロファイルを有し得る。
更なる計算において、核形成温度Tは、図2中に示されるように、TとTとの中間であると推論することができる。例えば、図3に示される核形成時間は、TとTとの中間である温度Tにて、約1150℃へ安定化された酸素析出核形成中心が成長するのに必要な時間である。核形成時間tは、空孔濃度CVOにも基づいている。T及びCVOは、アニーリング温度Tの関数であると特徴付けることができ、従って、図3において、tはTの関数として示されている。しかしながら、仮に、酸素析出物が約1150℃以下の温度へ急速加熱されることにのみ耐えることが必要であれば、核形成時間は減少し得る。
本発明の1つの態様例において、Tは、約1200℃〜約1400℃の間の温度であり、Tは約920℃〜約1090℃の間の温度であり、Tは約890℃〜約1080℃の間の温度であり、TとTとの差は約40℃以下であって、tは約10秒〜約6分の間の時間である。もう1つの態様例において、Tは約1250℃〜約1400℃の温度であり、Tは約970℃〜約1090℃の温度であり、Tは約950℃〜約1080℃の温度であり、TとTとの差は約25℃より小さく、tは約10秒〜約90秒の間の時間である。更にもう1つの態様例において、Tは約1300℃〜約1400℃の間の温度であり、Tは約1020℃〜約1090℃の間の温度であり、Tは約1000℃〜約1080℃の間の温度であり、TとTとの差は約20℃より小さく、tは約10秒〜約30秒の間の時間である。更にもう1つ別の態様例において、Tは約1350℃〜約1400℃の間の温度であり、Tは約1060℃〜約1090℃の間の温度であり、Tは約1050℃〜約1080℃の間の温度であり、TとTとの差は約15℃より小さく、tは約10秒〜約15秒の間の時間である。
工程S3bの後、ウエハは、前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した所定の距離との間のウエハの領域を有する表面層であって、酸素析出核形成中心を有していない表面層と、中央平面と第1の面との間のウエハの第2の領域を含むバルク層であって、安定した酸素析出核形成中心を有するバルク層を有している。従って、安定化された酸素析出核形成中心は、その後の熱処理、例えばエピタキシャル成長に耐えることができる。図1を参照すると、工程S3bの後で、ウエハ中において酸素析出核形成中心の得られる深さ分布は、前方表面3及び後方表面5からそれぞれ深さt、t’へ延びており、酸素析出核形成中心を有さない領域15及び15’、並びに、安定化された酸素析出核形成中心を有する領域15と15’との間の領域17によって特徴付けられる。
E.酸素析出物の成長
工程S4において、ウエハを酸素析出物成長熱処理に付して、酸素析出物の中に酸素析出核形成中心を成長させる。例えば、ウエハは、約800℃〜約1000℃の範囲の温度にて16時間でアニーリングすることができる。別法として及び好ましくは、ウエハは、電子デバイス製造方法の最初の工程として、約800℃〜約1000℃の範囲の温度に加熱される炉の中に装入することができる。温度を800℃又はそれ以上に上昇させる場合、酸素析出核形成中心は空孔及び格子間酸素を消費することによって酸素析出物の中で成長し続ける一方で、表面近くの領域では、酸素析出核形成中心は形成されず、何も起こらない。
図1に示すように、得られるウエハ中の酸素析出物の深さ分布は、前方表面3及び後方表面5からそれぞれ深さt、t’へ延びる、酸素析出物を含まない材料の領域(又はデヌーデッドゾーン)15及び15’によって特徴付けられる。酸素析出物を含まない材料の領域15と15’との間には、上述したような空孔のプロファイルに依存する不均一なプロファイルを有する酸素析出物の濃度プロファイルを有する領域17が存在する。
領域17における酸素析出物の濃度は、第1に加熱工程の関数であり、第2に冷却速度の関数である。一般的に、加熱工程におけるアニーリング時間の増大及び温度の上昇とともに、酸素析出物の濃度は増大し、約1×10析出物/cm〜約1×1010析出物/cmの範囲の析出物密度が通常得られる(図4を参照すると、コンピュータ処理された粒状物又は析出物密度が、アニーリング温度Tの関数として提供されており、図2に示すようにTとTとの中間の核形成温度にウエハを維持することを含めて、上述した推論に基づいている)。本発明の方法は、酸素析出物の密度が少なくとも約1×10析出物/cmであって、約1×1011析出物/cm以上ではないように一般に行われる。もう1つの態様では、酸素析出物の濃度は、(今日、イントリンシック・ゲッタリングの閾値と考えられている)少なくとも約1×10析出物/cm以上である。更にもう1つの態様では、密度は少なくとも約1×10析出物/cmである。
酸素析出物を含まない材料の領域(デヌーデッドゾーン)15及び15’それぞれの前方表面3及び後方表面5からの深さt、t’は、第1に結晶格子空孔がシリコン中で比較的移動性である温度範囲を通る冷却速度の関数である。一般に、少なくとも約10、20、30、40、50、70または100マイクロメートルのことさえあるデヌーデッドゾーンの深さとともに、冷却速度が増大すると、深さt、t’は増大する。デヌーデッドゾーンの深さは、本質的に、電子デバイス製造工程の詳細な事項から独立であって、更に、一般的に行われるように、酸素の外方拡散には依存しない。しかし、実際的な事項として、浅いデヌーデッドゾーン深さを得るために必要とされる冷却速度は多少極端であって、熱的衝撃によってウエハが破損するおそれが生じ得る。従って、別法として、ウエハの極端な冷却速度での冷却を許容しながら、ウエハをアニーリングする(上記を参照のこと)環境(周囲条件)を選択することによって、デヌーデッドゾーンの厚さを制御することができる。別の表現をすれば、所定の冷却速度について、深いデヌーデッドゾーン(例えば、50ミクロン以上)、中間的な深さのデヌーデッドゾーン(例えば、30〜50ミクロン)、並びに浅いデヌーデッドゾーン(例えば、約30ミクロン以下)についてのテンプレートを形成する周囲条件を選択することができる。この点に関して、アニーリング及び冷却工程の詳細な条件は、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書に記載する事項以外のものであってもよい。更に、そのような条件は、例えば、tおよび/またはt’の所望の深さを最適化するように、アニーリングの温度及び時間、雰囲気の条件(例えば、雰囲気の組成及び酸素分圧)を調節することによって、経験的に求めることができる。
本発明の方法において用いる急速熱処理はウエハの前方表面及び後方表面における表面から少量の酸素の外方拡散(out-diffusion)を生じ得るが、その外方拡散の程度はデヌーデッドゾーンを生じさせるための常套の方法において観察される程度よりも著しく小さいものである。その結果、本発明の理想的な析出ウエハは、シリコン表面からの距離の関数として、実質的に均一な格子間酸素濃度を有する。例えば、酸素析出熱処理の前に、ウエハは、ウエハの中央部からシリコン表面の約15ミクロン以内にあるウエハの領域へ、より好ましくはシリコンの中央部からシリコン表面の約10ミクロン以内にあるウエハの領域へ、更により好ましくはシリコンの中央部からシリコン表面の約5ミクロン以内にあるウエハの領域へ、最も好ましくはシリコンの中央部からシリコン表面の約3ミクロン以内にあるウエハの領域へ格子間酸素の実質的に均一な濃度を有することになる。ここで、実質的に均一な酸素濃度とは、酸素濃度の変動が約50%以下、好ましくは約20%以下、最も好ましくは約10%以下であることを意味する。
一般に、酸素析出物熱処理は、熱処理したウエハから実質的な量の酸素の外方拡散を生じさせない。その結果、ウエハ表面から数ミクロンを越える距離におけるデヌーデッドゾーン内の格子間酸素の濃度は、析出物熱処理の結果として、あまり変化することにはならない。例えば、ウエハのデヌーデッドゾーンが、シリコンの表面と、前方表面から中央平面へ向かって測定して距離D(少なくとも10マイクロメートルである)の部分との間のウエハの領域からなる場合、シリコン表面から距離Dの半分に等しい距離におけるデヌーデッドゾーン内の位置における酸素濃度は、一般に、デヌーデッドゾーン内のいずれかの部分の格子間酸素濃度のピーク濃度の少なくとも約75%になる。ある酸素析出熱処理については、この位置における格子間酸素濃度は多少なりとも高くなって、デヌーデッドゾーン内の最高酸素濃度の少なくとも85%、少なくとも90%、又は場合によっては少なくとも95%にもなり得る。
F.均一でない空孔濃度プロファイルのRTA形成
比較的均一な空孔濃度プロファイルを形成するように選択された1種またはそれ以上の気体からなる雰囲気にウエハをさらす上述した態様例の別法として、工程2,3aおよび/または3bの間に、均一でない空孔濃度プロファイルを与えるように、ウエハをさらす雰囲気の1種またはそれ以上の気体を選択することができる。例えば、1つの態様例において、わずかに自然の酸化物層を有する出発ウエハを窒化性雰囲気中で熱処理することによって、均一でない空孔濃度プロファイルを形成することもできる。特にそのようなウエハの前方表面及び後方表面を窒素にさらすことによって、ウエハの断面について一般に「U字形状」である、空孔濃度(数密度)プロファイルが得られる。すなわち、空孔の最大濃度は、前方表面及び後方表面の数マイクロメートルのところ又はそれ以内で生じることになり、比較的一定でより小さい濃度がウエハバルク部全体にわたって生じ、ウエハバルク部の最小濃度は、最初は、向上した酸化物層を有するウエハにおいて得られる濃度にほぼ等しいことになる。更に、アニーリング時間の増加は、自然な酸化物層以上のものを欠いて、ウエハ中の空孔濃度の増加を生じるであろう。
従って、再び図1を参照すると、自然の酸化物層のみを有するセグメントを、本発明の方法に従って、窒化性雰囲気でアニーリングする場合、得られる空孔のピーク濃度又は最大濃度は、最初は、一般に領域15及び15’内に位置することになり、一方、シリコンセグメントのバルク部17は空孔及び核形成中心の比較的低い濃度を有することになる。一般にピーク濃度のこれらの領域は、シリコンセグメント表面から、数ミクロン(例えば、約5若しくは10ミクロン)又は数10ミクロン(例えば、約20若しくは30ミクロン)の範囲内であって、約40〜約60ミクロンまでの範囲内に位置することになる。
他の態様例において、ウエハの前方表面と後方表面とを異なる雰囲気に、例えば窒化性、非窒化性、酸化性、非酸化性気体の1種またはそれ以上のものを含むことができる雰囲気にさらすことができる。例えば、前方表面を非窒化性雰囲気にさらす場合に、ウエハの後方表面を窒化性雰囲気にさらすことができる。異なる雰囲気を有する熱処理を受けたウエハは、さらされる雰囲気及び各表面の条件に応じて、非対称な空孔濃度プロファイルを有することができる。例えば、前方表面が自然な酸化物層以上のものを欠き、後方表面が向上した酸化物層を有しており、ウエハが窒化性雰囲気の中で熱処理される場合には、ウエハの前方部分の空孔濃度は「U字形の」プロファイルにより近づくことになり、一方、ウエハの後方部分は本質的により均一になるであろう。別法として、複数のウエハ(例えば、2枚、3枚又はそれ以上の枚数のウエハ)を向かい合わせに配置して積み重ねながら、同時にアニーリングすることができる;このようにしてアニーリングする場合、向かい合わせに接触している面は、アニーリングの間に雰囲気から機械的にシールドされている。別法として、並びに、ウエハの所望される酸素析出物プロファイル及びラピッドサーマルアニーリング工程の間に用いる雰囲気に応じて、酸化物層をウエハの1つの表面(例えば前方表面3)上のみに形成することもできる。
ウエハの温度が工程3aのプロファイル形成温度範囲を通って降下すると、空孔はウエハの表面へおよび/またはウエハ表面の酸化物層へ拡散して消滅し、従ってこの範囲内の温度にウエハを維持する時間的長さに応じた変化の程度で、空孔濃度プロファイルの変化がもたらされる。仮にウエハを無限の時間的長さでこの範囲の温度に保つとすると、空孔濃度プロファイルは再び工程S2の初期プロファイルと同様に(例えば、雰囲気および/またはウエハ表面の酸化物の程度に応じて非対称又は「U字形状」に)なるであろうが、平衡濃度は熱処理工程が完了した直後の濃度よりも低くなるであろう。しかしながら、ウエハを急速に冷却することによって、表面近くの領域における結晶格子空孔の分布は著しく低下し、それによって変性された空孔濃度プロファイルが得られる。例えば、最初は「U字形状」プロファイルを有しているウエハを急速に冷却することによって、「M字形状」プロファイルを有するようになる。即ち、空孔濃度プロファイルは、ウエハを急速冷却する前に、「U字形状」プロファイルと同様に、中央平面7の近くの局部的最小濃度と、2つの最大濃度とを有するようになり、1つの最大濃度は前方表面3と中央平面7との間に存在し、もう1つの最大濃度は後方表面5と中央平面7との間に存在するようになり、これは表面領域における空孔の抑制に起因する。最後に、冷却前の空孔濃度が非対称である場合、最終濃度は、「M字形状」プロファイルと同様に、1つの表面3又は5と中央平面7との間に局部的最大を有するようになり、均等な濃度プロファイルを冷却した後に形成されるプロファイルと同様に、中央平面7から他方の表面5又は3へ全体として低下することになる。
以上詳細に説明したように、工程S3bの間に、ウエハは、酸素析出物が安定化される(即ち、酸素析出物が、約1150℃までの温度で溶解することが不可能な寸法を有する)のに十分な時間tで、核形成温度範囲に維持されおよび/または核形成温度範囲を通して冷却される。安定した酸素析出物のプロファイルは、急速冷却によって形成されたプロファイルに近づくことになる。すなわち、プロファイルは均一でなく、例えば、バルク部のある部分にて最大濃度を有しており、前方表面及び後方表面の方へ低下するものとして特徴付けることができる。
工程S3bにおいて、空孔濃度の増加が安定した酸素析出物の核形成及び成長を向上させ得るので、窒化性雰囲気中で自然な酸化物層ウエハをアニーリングすることは、特定の周囲条件では特に好ましい。特定の理論に支持されるのではないが、(例えば、温度、時間、および窒素含有気体の分圧に依存して)空孔濃度が増加すると、以下に記載する工程S3bの核形成に必要な時間の短縮(減少)をもたらす傾向があると考えられる。特に、空孔濃度の増加は、酸化物粒子核形成のための温度の上昇をもたらし、酸素析出核形成中心を形成するために必要な時間を減少させる傾向がある。図2を参照すると、空孔濃度の増大は、非酸化性/非窒化性雰囲気を表す「外方拡散限界」曲線の上方へのシフトを生じる傾向がある。図3を参照すると、空孔濃度の増大は、曲線の下方へのシフトを生じる傾向がある。
自然な酸化物層のみを有するウエハと、向上した酸化物層を有するウエハとの挙動の差は、分子状の酸素またはその他の酸化性気体を雰囲気の中に含ませることによって防止することができることが、実験的な証拠によって示唆されている。言い方を変えると、自然な酸化物層のみを有するウエハを小さな酸素分圧を有する窒素雰囲気においてアニーリングすると、ウエハは向上した酸化物層を有するウエハと同様の挙動を示す(即ち、熱処理されたウエハの中に比較的均一な濃度プロファイルが形成される)。いずれかの理論に拘束されるのではないが、自然の酸化物層よりも厚さが大きい表面的酸化物層は、シリコンの窒化を防止するシールドとして機能する。この酸化物層は、出発ウエハ上に存在しているか、又は、アニーリング工程の間に向上した酸化物層を成長させることによって、その場で(in situ)形成することができる。このことを所望する場合、急速熱アニーリング工程の間の雰囲気は、少なくとも約0.0001気圧(100ppma)の分圧、より好ましくは少なくとも約0.0002気圧(200ppma)の分圧を有することが好ましい。しかし、上述の理由から、酸素の分圧は、0.01気圧(10000ppma)を越えないことが好ましく、0.005気圧(5000ppma)以下であることが好ましく、0.002気圧(2000ppma)以下であることが更に好ましく、0.001気圧(1000ppma)以下であることが最も好ましい。
G.エピタキシャル層
本発明の1つの態様例において、理想的析出ウエハの表面にエピタキシャル層を析出させることができる。本発明の上述した酸素析出物核形成及び安定化プロセスは、エピタキシャル析出の前または後のいずれかに実施することができる。安定した酸素析出核形成中心を形成することによって、導入された析出物プロファイルを熔融させることなく、エピタキシャル析出プロセスを実施することができることが有利である。
エピタキシャル層は、従来知られている方法によって形成することができ、気相のシリコン含み含有組成物の分解などの技術分野において、当業者に用いられている。この発明の好適な態様例において、ウエハの表面は、ケイ素を含有する揮発性気体(例えば、SiCl、SiHCI、SiHCI、SiHClまたはSiH)を含む雰囲気にさらされる。雰囲気は、キャリヤーガス(好ましくはH)を含むことも好ましい。1つの態様例では、エピタキシャル析出の間のケイ素源は、SiHCl又はSiHである。SiHClを使用する場合、析出の間の反応器真空圧力は、約500〜約760Torrの範囲が好ましい。他方で、SiHを使用する場合、反応器真空圧力は、約100Torrが好ましい。最も好ましくは、析出の間のケイ素源はSiHClである。これは、他のケイ素源よりも遙かに安価である傾向がある。更に、SiHClを使用するエピタキシャル析出は、大気圧にて実施することもできる。このことは、真空ポンプを必要とせず、崩壊することを防止するために反応器チャンバーが頑強である必要がないので、有利である。更に、安全上の問題はより少なくなり、反応器チャンバーの中に空気又はその他の気体が漏れて入る可能性も低下する。
エピタキシャル析出の間に、ウエハ表面は、シリコン含有雰囲気が表面に多結晶シリコンを析出することを防止するために十分な温度、少なくとも約800℃、好ましくは約900℃、最も好ましくは約1100℃に維持することが好ましい。エピタキシャル析出の成長の速度は、約0.5〜約7.0μm/分であることが好ましい。例えば、約1気圧の圧力及び1150℃の温度にて、本質的に約2.5モル%SiHCl及び約97.5モル%Hからなる雰囲気を用いることによって、約3.5〜4.0μm/分の速度を達成することができる。
所望する場合、エピタキシャル層はp−型又はn−型のドーパントを更に含むことができる。例えば、エピタキシャル層がホウ素を含むことはしばしば望ましい。そのような層は、例えば析出の間にBを雰囲気に含ませることによって形成することができる。所望の特性(例えば、抵抗率(resistivity))を得るために用いられる雰囲気中のBのモル分率は、いくつかのファクター、例えば、エピタキシャル析出の間の、特定の基材からのホウ素外方拡散の量、コンタミナントとして基材及び反応器中に存在するp型ドーパント及びn型ドーパントの量、並びに反応器圧力及び温度に依存することになる。高い抵抗率の用途のために、エピタキシャル層中のドーパント濃度は実用的であるのと同程度に低くあるべきである。
H.結晶格子空孔の測定
単結晶シリコン中の結晶格子空孔の測定は、白金拡散分析(platinum diffusion analysis)によって実施することができる。一般に、白金拡散においてFrank-Turnbull機構が優勢となるが、白金原子によって空孔修飾の安定状態に到達するのに十分であるように選択されるのが好ましい拡散の時間及び温度で、サンプルに蒸着し、水平表面に拡散する。本発明について典型的な空孔濃度を有するウエハについては、730℃及び20分間の拡散温度及び時間を使用することができるが、より低い温度、例えば約680℃でもより正確なトラッキングが達成できるようである。白金拡散技術は、例えばJacobら、J. Appl. Phys., vol. 82, 第182頁 (1997年); Zimmermann及びRyssel、"The Modeling of Platinum Diffusion In Silicon Under Non-Equilibrium Conditions, "J. Electrochemical Society, vol. 139, 第256頁(1992年); Zimmermann, Goesele, Seilenthal及びEichiner,"Vacancy Concentration Wafer Mapping InSilicon,"Journal of Crystal Growth, vol. 129, 第582頁(1993年)、Zimmermann 及び Falster,"Investigation Of The Nucleation of Oxygen Precipitates in Czochralski Silicon At An EarlyStage,"Appl. Phys. Lett., vol. 60, 第3250頁(1992年);並びにZimmermann及びRyssel, Appl. Phys. A, vol. 55, 第121頁(1992年)に説明されている。
上記の説明は、説明のためのものであって、発明者を限定するためのものではないということを理解されたい。本明細書の説明を読むことによって、当業者に多くの態様例があきらかになるであろう。発明の範囲は、上記の明細書の説明のみによって決まるのではなく、本願の特許請求の範囲の記載及びその特許請求の範囲に記載された発明と同等の範囲全体によって、決められるべきである。
図1は、本発明の方法の模式図である。 図2は、結晶格子空孔を形成するために用いられたRTA温度の関数として、結晶格子空孔が酸化及び核形成する本発明の核形成温度範囲を示すグラフである。 図3は、安定化された酸素析出物を形成するために、本発明の核形成温度範囲に必要とされる時間を示すグラフである。 図4は、結晶格子空孔を形成するために用いられたRTA温度の関数として、本発明によって処理されたシリコンウエハのバルクに形成された析出物の密度を示すグラフである。

Claims (22)

  1. 制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハを製造する方法であって、
    チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、及び中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層を有するウエハを選択する工程;
    前記ウエハを、アニーリング温度Tに加熱し、前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成させる工程;
    加熱したウエハを温度Tから上方核形成温度Tへ速度Rで冷却して、空孔のピーク濃度はバルク層にあり、濃度はピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する空孔濃度プロファイルをウエハに形成する工程;並びに、
    空孔プロファイルされたウエハを、核形成時間tの間、温度T及び下側核形成温度Tによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持し、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させる工程
    を含んでなる方法。
  2. は約1150℃以上である請求項1記載の方法。
  3. は約1200℃以上である請求項1記載の方法。
  4. は約1250℃〜約1400℃の範囲である請求項1記載の方法。
  5. は約1300℃〜約1400℃の範囲である請求項1記載の方法。
  6. は約1350℃〜約1400℃の範囲である請求項1記載の方法。
  7. Rは少なくとも約5℃/秒である請求項1記載の方法。
  8. Rは少なくとも約20℃/秒である請求項1記載の方法。
  9. Rは少なくとも約50℃/秒である請求項1記載の方法。
  10. Rは少なくとも約100℃/秒である請求項1記載の方法。
  11. Rは約100℃/秒〜約200℃/秒の範囲である請求項1記載の方法。
  12. Rは約30℃/秒〜約80℃/秒の範囲である請求項1記載の方法。
  13. Rは約40℃/秒〜約50℃/秒の範囲である請求項1記載の方法。
  14. は約920℃〜約1090℃の範囲であり、Tは約890℃〜約1080℃の範囲であり、TとTとの差は約40℃であって、T及びTが増加すると一般に減少し、tは約10秒〜約360秒の範囲である請求項1記載の方法。
  15. は約970℃〜約1090℃の範囲であり、Tは約950℃〜約1080℃の範囲であり、TとTとの差は約25℃であって、T及びTが増加すると一般に減少し、tは約10秒〜約90秒の範囲である請求項1記載の方法。
  16. は約1020℃〜約1090℃の範囲であり、Tは約1000℃〜約1080℃の範囲であり、TとTとの差は約20℃であって、T及びTが増加すると一般に減少し、tは約10秒〜約30秒の範囲である請求項1記載の方法。
  17. は約1060℃〜約1090℃の範囲であり、Tは約1050℃〜約1080℃の範囲であり、TとTとの差は約15℃であって、T及びTが増加すると一般に減少し、tは約10秒〜約15秒の範囲である請求項1記載の方法。
  18. 結晶格子空孔を形成する熱処理の前に、酸素含有雰囲気内でウエハを少なくとも約700℃の温度に加熱して、結晶格子空孔のためのシンクとして機能することができる表面二酸化ケイ素層を形成する請求項1記載の方法。
  19. バルク層に安定化された酸素析出核形成中心が形成された後、ウエハの少なくとも1つの表面にエピタキシャル層を析出させる請求項1記載の方法。
  20. 制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハを製造する方法であって、
    チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、及び中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層を有するウエハを選択する工程;
    前記ウエハを、少なくとも1300℃であるアニーリング温度Tに加熱し、前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成させる工程;
    加熱したウエハを温度Tから、約1020℃〜約1090℃の範囲である上方核形成温度Tへ約40〜50℃/秒の範囲の速度Rで冷却して、空孔のピーク密度はバルク層にあり、濃度はピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する空孔濃度プロファイルをウエハに形成する工程;並びに、
    空孔濃度プロファイルされたウエハを、約10秒〜約30秒の範囲である核形成時間tの間、温度Tと、約1000℃〜約1080℃の範囲である下側核形成温度Tとによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持し、その場合に、温度TとTとの差は、約20℃以下であって、T及びTが上昇すると、一般に減少しており、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させる工程
    を含んでなる方法。
  21. 制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハを製造する方法であって、
    チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、及び中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層を有するウエハを選択する工程;
    前記ウエハを、少なくとも1350℃であるアニーリング温度Tに加熱し、前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成させる工程;
    加熱したウエハを温度Tから、約1060℃〜約1090℃の範囲である上方核形成温度Tへ約40〜50℃/秒の範囲の速度Rで冷却して、空孔のピーク密度はバルク層にあり、濃度はピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する空孔濃度プロファイルをウエハに形成する工程;並びに、
    空孔濃度プロファイルされたウエハを、約10秒〜約15秒の範囲である核形成時間tで、温度Tと、約1050℃〜約1080℃の範囲である下側核形成温度Tとによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持し、その場合に、温度TとTとの差は、約15℃以下であって、T及びTが上昇すると、一般に減少しており、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させる工程
    を含んでなる方法。
  22. 制御された酸素析出物挙動を有する単結晶シリコンウエハを製造する方法であって、
    チョクラルスキー法によって成長させた単結晶シリコンインゴットからスライスされたウエハであって、前方表面、後方表面、前記前方表面及び後方表面の間の中央平面、該前方表面と、該前方表面から中央平面の方へ測定した距離Dとの間のウエハの領域を有する前方表面層、中央平面と前方表面層との間のウエハの領域を含んでなるバルク層、及び前方表面及び後方表面の自然な酸化物層を有するウエハを選択する工程;
    前記ウエハを窒素又は窒化性気体を含んでなる雰囲気にさらしながら、ウエハをアニーリング温度Tに加熱し、前方表面及びバルク層に結晶格子空孔を形成させる工程;
    加熱したウエハを温度Tから上方核形成温度Tへ速度Rで冷却して、バルク層中の空孔のピーク密度は、濃度と共に、ピーク密度の位置からウエハの前方表面の向きに全体として減少する空孔濃度プロファイルをウエハに形成する工程;並びに
    空孔濃度プロファイルされたウエハを核形成時間tで温度Tと下側核形成温度Tとによって境界が設けられる核形成温度範囲に維持して、表面層中に酸素析出核形成中心のない領域、及び、約1150℃以下の温度では溶解し得ないバルク層中に酸素析出核形成中心を生成させる工程
    を含んでなる方法。
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