JP2007309509A - オイルシール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取付部2の先端部位に、付着する油を集めて軸23上へ滴下させる潤滑油補給部11を設ける。潤滑油補給部11は、取付部2の内周面に円周上複数設けられた突起12を有し、突起12の表面にて油を集める。突起12の表面には、油を一時的に貯える凹部13、または油を集中させるガイド突起もしくは傾斜面を設ける。また取付部2の先端面2aに、該先端面2a上を円周方向に沿って流下する油を堰き止めて突起12の方へ案内する堰部を設ける。
【選択図】図3
Description
(A)取付筒部が機器のハウジングの内周面に密嵌され、この取付筒部の内周から密封対象空間側へ向けて延在されたシールリップの先端近傍の内周部が、前記ハウジングに挿通された軸の外周面に摺動可能に密接され、軸心が横向きのオイルシールにおいて、前記取付筒部の内周に、液を保持し前記シールリップの先端部の正面に滴下させる集液突起が形成されたことを特徴とするオイルシール。
(B)集液突起が多数のフィンからなり、各フィン間に毛細管現象により液を保持するものであることを特徴とする上記(A)に記載のオイルシール。
(C)集液突起の下面が、液の滴下位置をシールリップの先端部の正面と対応する位置に規定する傾斜面をなすことを特徴とする上記(A)に記載のオイルシール。
(D)集液突起に、液の滴下位置をシールリップの先端部の正面と対応する位置に誘導する案内溝、案内突条又はダム部が形成されたことを特徴とする上記(A)に記載のオイルシール。
(E)シールリップに、集液突起から滴下した液を受けて前記シールリップの先端部の正面へ誘導する液受け突起が形成されたことを特徴とする上記(A)に記載のオイルシール。
図1は、本発明の第一実施例に係るオイルシール1を軸方向一方から見た半裁正面図を示しており、そのA−A線断面図が図2に示されるとともに、B−B線断面図が図3に示されている。図4は潤滑油補給部11の斜視図である。
図5および図6に示すように、突起12の先端面12aに溝状の凹部13を設けるとともにこれに加えて突起12の先端面12aであって凹部13の内周側の幅方向中央部位に切欠状を呈する油の注ぎ口(凹状注ぎ口)14を設ける。この構成によると、凹部13に貯えられた油が切欠状の注ぎ口14から軸23上へ滴下されることになり、注ぎ口14の切欠の大きさ如何によって、滴下される油滴Uの大きさ等を管理できるメリットがある。尚、この図5および図6の例では、突起12の先端面12aが取付部2の先端面2aと段差なく面一状に設定されていることからも、多くの油を集めることが可能とされている。
図7および図8に示すように、突起12を多数(図では11枚)の平行フィン(薄板状突起)15によって形成し、互いに隣り合うフィン15間の間隙(間隙空間)を油貯め用の凹部13として利用する。この場合、フィン15間の間隙すなわち凹部13は軸方向一方に開口するとともに径方向内方にも開口したものとなる。フィン15間の間隙すなわち凹部13の大きさ如何によっては該部に毛細管現象が発生するので、油を多量に貯えられる等のメリットがある。フィン15間の間隙すなわち凹部13の軸方向他方の側には、この方向への油の流れを堰き止めるために奥端壁(軸方向端壁)13aが設けられている。またこの図7および図8の例では、突起12すなわち各フィン15の内周面12bに上記第一実施例と同様の、付着した油を集中させるための傾斜面が設けられていることからも多くの油を集めることが可能とされている。
図9および図10に示すように、突起12の先端面12aに、油を集中させるためのガイド突起16を設ける。この図9および図10の例では、突起12の先端面12aにリブ状のガイド突起16が複数(図では3本)設けられ、互いに隣り合うガイド突起16間の間隔が径方向内方へ向けて漸次狭くなるように設定されている。したがってこの構造によると、突起12の先端面12aに付着した油がガイド突起16に沿って流れて徐々に集束するので、より多くの油を集めることが可能とされている。尚、この図9および図10の例では、突起12の先端面12aの内周縁が円弧状でなく円弧の両端を結ぶストレート状に設定され、突起12の先端面12aが取付部2の先端面2aと段差なく面一状に設定され、また各ガイド突起16の外周端部が突起12の先端面12aからはみ出して取付部2の先端面2aまで達している(ガイド突起16の外周端部が請求項9記載の堰部を構成している)ことからも、多くの油を集めることが可能とされている。
図11および図12に示すように、突起12の先端面12aに、油を集中させるためのガイド突起17,18を設ける。この図11および図12の例では、突起12の先端面12aの内周縁に沿ってガイド突起(一段目ガイド突起)17が軸方向一方へ向けて突出形成され、その幅方向中央に比較的幅狭のガイド突起(二段目ガイド突起、凸状注ぎ口)18が同じく軸方向一方へ向けて突設され、この軸方向二段に亙るガイド突起17,18によって油を段階的に集束させることが可能とされている。図上、突起12はこれを軸方向一方から見て略半円形(径方向内方へ向けて凸状の半円形)に形成されているので、その先端面12aの内周縁に沿って設けられた一段目ガイド突起17は略円弧状に形成され、この円弧状の一段目ガイド突起17の円弧の中央部位に二段目ガイド突起18が設けられている。円弧は油が溜まりやすい形状である。尚、この図11および図12の例では、突起12の内周面12bに第一実施例と同様の、付着した油を集中させるための傾斜面が設けられ、突起12の先端面12aが取付部2の先端面2aと段差なく面一状に設定され、また円弧状のガイド突起17の左右外周端部が突起12の先端面12aからはみ出して取付部2の先端面2aまで達している(ガイド突起17の左右外周端部が請求項9記載の堰部を構成している)ことからも、多くの油を集めることが可能とされている。
図13および図14に示すように、突起12の内周面12bに、油を集中させるための傾斜面を設ける。また、突起12の先端面12aを取付部2の先端面2aと段差なく面一状に設定する。これらは何れもその構成および作用の詳細を既述したところであるが、何れも多くの油を集めるのに有効である。尚、可及的に多くの油を集められるよう、突起12はその軸方向長さをできるだけ長く設定するのが好ましい。
図15および図16(A)に示すように、突起12の先端面12aの内周縁12cを円弧状でなくストレート形状に設定する。すなわち、比較例として示す図16(B)のように突起12の先端面12aの内周縁12cをオイルシール1の中心軸線0を中心とする円弧状に設定するのではなく、同図(A)に示すようにこの円弧の両端12d,12eを直線で結んだ形状のストレート形状に設定する。これにより前者よりも後者の方が突起12の先端面12aの表面積が大きく設定されるので、油滴Uの保持性が向上し、より多くの油を集めることが可能とされる。尚、比較例として示す図16(B)のように突起12の先端面12aの内周縁12cが円弧の場合には、形成された油滴Uが円弧に沿って左右方向(円周方向)に流れる力Fがかかる可能性があるが、ストレートであればこのような力Fは生じることがなく、よって滴下する可能性が高くなると考えられる。
図17および図18に示すように、取付部2の先端面2aに、この取付部2の先端面2a上を円周方向に沿って流下する油を堰き止めて突起12の方へ案内するための堰部19を設ける。
また、図20に示すように、上記各実施例における突起12による潤滑油補給機能を補助するものとして、シールリップ4の外周部位に油伝い片20を径方向外方へ向けて一体成形し、突起12に集められる油をこの油伝い片20を介してシールリップ4の方へ案内し、シールリップ摺動部へ供給する。このようにシールリップ4の外周部位に油伝い片20を径方向外方へ向けて一体成形すると、突起12に集められる油がこの油伝い片20を伝ってシールリップ4の方へ案内され、シールリップ4の先端面4aを伝ってシールリップ摺動部へ供給されるために、油の供給を円滑化することが可能とされる。
また、この油伝い片20の形成位置は、突起12から滴下される油を受け止めることができれば特に限定されるものではない。図21の例では、シールリップ4の先端面4aであってその最外周部位から若干径方向内方へ変位した位置にこの油伝い片20が設けられている。
2 取付部
2a,4a,12a 先端面
3 連結部
4 シールリップ
5 金属環
6 ゴム状弾性体
7 ガータースプリング
8 サブリップ
11 潤滑油補給部
12 突起
12b 内周面
12c 内周縁
12d,12e 内周縁両端
12f 突出部
12g 側面
13 凹部
13a 奥端壁
14 注ぎ口
15 フィン
16,17,18 ガイド突起
19 堰部
20 油伝い片
21 ハウジング
22 軸孔
23 軸
U 油滴
Claims (10)
- ハウジングに取り付けられる環状の取付部と、軸の周面に摺動自在に密接するシールリップとを有するオイルシールにおいて、
前記取付部の先端部位に、付着する油を集めて前記軸上へ滴下させる潤滑油補給部を有することを特徴とするオイルシール。 - ハウジングに取り付けられる環状の取付部と、軸の周面に摺動自在に密接するシールリップとを有するオイルシールにおいて、
前記取付部の先端部位に、付着する油を集めて前記軸とシールリップとの摺動部へ供給する潤滑油補給部を有することを特徴とするオイルシール。 - 請求項1または2記載のオイルシールにおいて、
潤滑油補給部は、取付部の内周面に円周上複数設けられた突起を有し、前記突起の表面にて油を集めることを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
突起の表面に、油を一時的に貯えるための凹部を設けたことを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
突起の表面に、油を集中させるためのガイド突起を設けたことを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
突起の表面に、油を集中させるための傾斜面を設けたことを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
突起の先端面を取付部の先端面と段差なく面一状に設定したことを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
突起の先端面の内周縁を円弧状でなく前記円弧の両端を結ぶストレート状に設定したことを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
取付部の先端面に、前記取付部の先端面上を円周方向に沿って流下する油を堰き止めて突起の方へ案内するための堰部を設けたことを特徴とするオイルシール。 - 請求項3記載のオイルシールにおいて、
シールリップの外周部位に油伝い片を径方向外方へ向けて一体成形し、突起に集められる油を前記油伝い片を介してシールリップの方へ案内することを特徴とするオイルシール。
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