JP2007279681A - 電界形成素子と光偏向素子及び画像表示装置 - Google Patents

電界形成素子と光偏向素子及び画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大型化しないで基板面内の各電極ライン間に均一な電界を安定して生じさせることができるとともに電界を発生するときの応答の遅れを抑制して均一な光偏向量を得る。
【解決手段】基板4の一方の面上に電界形成用抵抗体5を形成し、形成した電界形成用抵抗体5の両端部に電気的に接続された1対のライン状電極6に電圧を印加して、電界形成用の外部抵抗を設けずに基板4の面に沿った電界を発生し、電界形成用素子全体を大型化しないで済むとともにライン状電極6間で電界の向きや大きさにばらつきが生じることを防ぐ。
【選択図】 図2

Description

この発明は、抵抗体に電流を流すことで発生する電位勾配を利用して面内電界を形成する電界形成素子と、それを使用して光の方向を変える光偏向素子及び光偏向素子を使用したプロジェクションディスプレイやヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置に関するものである。
液晶分子の配列を電極基板面内に沿って生じる電界により変化させて広視野角特性を有する画像表示装置が、例えば特許文献1に開示されている。この画像形成装置に使用している光偏向素子は、液晶層を挟んだ透明基板の一方の基板表面にだけ複数の平行なライン状電極を設け、外部には電源から供給される電圧を分割する複数の抵抗を設け、各抵抗間を各ライン状電極に接続し、各ライン状電極に段階的な電圧値を印加して各ライン状電極間の電位差により各ライン状電極間に基板面内に沿った電界を生じさせて、液晶層の内部に強制的に電位勾配を作り、素子の全面で比較的均一な電界強度を得るようにしている。
また、特許文献2には、ガラスや樹脂などの誘電体層を液晶層とライン状電極形成面との間に設けて不連続な電位分布を鈍らせ、液晶層内での電界を均一にする方法が示されている。
特開2004−286938号公報 特開2003−98502号公報
特許文献1に示された光偏向素子において、素子の有効面積を広く取る場合、ライン状電極間の距離が増し、各ライン状電極間で均一な電界が得られない場合がある。特に、平行に配置されたライン状電極間の中央部分における電界の向きや大きさにばらつきが生じて均一な光偏向量を得られなくなる。
また、外部に設けた複数の抵抗により分割された電圧を各ライン状電極に供給して基板面内に沿った電界を生じさせているため、外部に設けた複数の抵抗により素子全体が大型化してしまうという短所もある。
また、特許文献2に示された光偏向素子は、誘電体層で液晶層とライン状電極形成面との間に設けて不連続な電位分布を鈍らせて液晶層内での電界を均一にしているから、光偏向素子を駆動したとき、通過する光の回折は低減されるが、駆動時に光の散乱が生じやすくコントラストが激しく劣化するという短所がある。
この発明は、電界形成素子に設けられた任意のライン状電極に対して電気的な接続を行い、電気制御を施すことにより、より良い光偏向を行う光偏向素子及び光偏向素子を使用した画像表示装置を提供することを目的とする。
特に、前記短所を改善し、大型化しないで基板面内の各電極ライン間に均一な電界を安定して生じさせることができるとともに電界を発生するときの応答の遅れを抑制することができる電界形成素子と、それを使用して均一な光偏向量を得ることができるとともにコントラストを劣化させずに回折を抑制できる光偏向素子及び光偏向素子を使用した画像表示装置を提供することを目的とするものである。
また、電界形成素子の発熱を抑制するとともに温度や周囲条件の影響を受けずに均一な電界を生じさせることも目的とする。
さらに、電界形成素子における抵抗の不均一性から生じる影響を軽減することを目的とする。
この発明の電界形成素子は、電界を形成する電界形成部を有する電界形成素子において、前記電界形成部は、基板と、複数のライン状電極と、電界形成用抵抗体とを有し、前記複数のライン状電極は、少なくとも前記基板の一方の面を複数の区間に分割するように前記基板の面上に平行に形成され、前記電界形成用抵抗体は、前記各ライン状電極の一部に接するように帯状に配置され、前記複数のライン状電極のうち任意のライン状電極は、電気的な接続に用いる接続部を設けたことを特徴とする。
前記接続部を有するライン状電極は、接続部を有しないライン状電極よりも電極が長く形成されていることを特徴とする。
また、前記接続部を有するライン状電極は、他の接続部を有するライン状電極との間に少なくとも1つのライン状電極を有する位置に配置され、前記電界形成用抵抗体を複数区間に分割するライン状電極であることを特徴とする。
前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体は、薄膜状の抵抗体であることを特徴とする。
また、前記電界形成素子は、さらに調整抵抗部を有し、前記調整抵抗部は、前記電界形成用抵抗体の各分割区間と並列に接続するように前記接続部に接続された調整用抵抗を有することを特徴とする。
さらに、前記電界形成用抵抗体の各分割区間と並列に接続された各調整用抵抗と前記電界形成用抵抗体の各分割区間の抵抗値の合成抵抗が各分割区間の幅に比例するように前記各調整抵抗の抵抗値が選定されていることを特徴とする。
また、前記調整抵抗部の前記調整用抵抗は、抵抗値が可変であることを特徴とする。
また、前記調整抵抗部は、複数の調整用抵抗と、前記複数の調整用抵抗の接続を切り替える切替手段を有することを特徴とする。
前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体近傍の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段で測定した温度に応じて前記調整用抵抗の抵抗値を切り替えるコントローラとを有することを特徴とする。
また、前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体に流れる電流を測定する電流測定手段と、前記電流測定手段で測定した電流に応じて前記調整用抵抗の抵抗値を切り替えるコントローラとを有することを特徴とする。
さらに、前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体近傍の温度を測定する温度測定手段と、前記電界形成用抵抗体に流れる電流を測定する電流測定手段と、前記温度測定手段で測定した温度及び前記電流測定手段で測定した電流に応じて前記調整用抵抗の抵抗値を切り替えるコントローラとを有することを特徴とする。
この発明の光偏向素子は、前記いずれかの電界形成素子を任意に組み合わせて1対とし、前記1対の電界形成素子を一定間隔で対向させて配置した前記1対の電界形成素子の間隔内にキラルスメクチックC相を形成する液晶層を有することを特徴とする。
前記1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極は、略対向する位置に配置されているライン状電極であることを特徴とする。
また、前記1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極の接続部は、対向する他の電界形成素子に形成されたライン状電極との導通に用いられることを特徴とする。
さらに、前記1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極以外のライン状電極は、異なる光路上に設けられていることを特徴とする。
また、前記1対の電界形成素子における接続部を有するライン状電極の接続には、流動性のある導通材料を1対の電界形成素子間に充填して固めた導通部により電気的に接続することを特徴とする。
この発明の画像表示装置は、前記いずれかに記載の光偏向素子を有する画像表示装置であって、画像情報にしたがって光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する照明光学系と、前記光偏向素子と、前記画像表示素子から出射された画像光を偏向して投影する投影光学系とを有し、前記光偏向素子は、画像表示素子と投影光学計との間に設けられていることを特徴とする。
この発明は、電界形成素子に設けられた任意のライン状電極に対して電気的な接続を行なって電気的な制御を施すことにより、より良く光偏向を制御することができる光偏向素子及び光偏向素子を使用した画像表示装置を提供することができる。
また、複数のライン状電極を、基板の一方の面を複数の区間に分割するように基板の面上に形成し、電界形成用抵抗体を各ライン状電極の一部に接するように帯状に配置して任意のライン状電極に電圧を印加して基板に沿った電界を発生させることにより、電界を発生させたい領域が広い面積であっても均一な電界を得ることができるとともに基板全体の温度上昇を抑制することができる。
また、複数のライン状電極のうち任意のライン状電極に、電気的な接続に用いる接続部を設けることにより、任意のライン状電極に対する電気的な接続を容易にすることができる。
さらに、接続部を有するライン状電極は、接続部を有しないライン状電極よりも電極を長く形成することにより、より電気的な接続を容易にすることができるとともに間違って接続することを防ぐことができる。
さらに、接続部を有するライン状電極の間には、少なくとも1本以上のライン状電極が含まれていことにより、接続部を有するライン状電極の間で電位勾配を等しくすることができ、安定した電界を発生することができる。
また、電界形成部の電界形成用抵抗体を薄膜状の抵抗体で形成することにより、膜を構成する結晶粒の粒界に容量成分が発生しやすく、電界の立ち上がりの遅れが顕著になるとともに薄膜抵抗体は成膜条件等を極力一定に保ても個体差が大きく歩留まりの悪化につながっていたが、調整用抵抗を設けることにより電界の立ち上がりの遅れと固体差を改善することにより、電界形成用抵抗体を薄膜状の抵抗体で形成することができ、電界形成用抵抗体の材料選択の自由度を増して作成時の歩留まりを向上することができる。
また、電界形成素子に調整抵抗部を有し、調整抵抗部は電界形成用抵抗体の各分割区間と並列に接続するようにライン状電極の接続部に接続された調整用抵抗を有することにより、電界形成用抵抗体の各分割区間の合成抵抗の抵抗値を小さくすることができ、電界の立ち上がりの応答速度を改善することができる。
また、電界形成用抵抗体の各分割区間と並列に接続された各調整用抵抗と電界形成用抵抗体の各分割区間の抵抗値の合成抵抗が各分割区間の幅に比例するように各調整抵抗の抵抗値を選定することにより、各分割区間の電位勾配を等しくして均一な電界を発生することができる。
さらに、調整用抵抗の抵抗値が可変にしたり、複数の調整用抵抗と複数の調整用抵抗の接続を切り替える切替手段を設けることにより、電界形成用抵抗体の面ないの抵抗むらがあっても各分割区間における合成抵抗を等しくすることができ、各分割区間の電位勾配を等しくして均一な電界を発生することができる。
また、電界形成部の電界形成用抵抗体近傍の温度を測定したり、電界形成用抵抗体に流れる電流を測定し、測定した温度や電流に応じて調整用抵抗の抵抗値を切り替えることにより、温度や周囲環境の変化に影響されずに応答速度の早い安定した電界を発生することができる。
この電界作成素子の1対でキラルスメクチックC相を形成する液晶層を挟み込んで光偏向素子を構成することにより、応答速度が速く安定した動作で光路を偏向させることができる。
また、1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極を略対向する位置に配置されているライン状電極とし、このライン状電極の接続部を対向する他の電界形成素子に形成されたライン状電極との導通に用いて1対の電界形成素子の対向するライン状電極の電位を一致させことにより、1対の電界形成素子の各分割区間の電位の差を小さくすることができ、全体にわたって回折が生じることを抑制することができるとともに垂直電界の発生を抑えて効率の良い水平電界の発生及び液晶の駆動を行うことができる。
また、1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極以外のライン状電極を異なる光路上に設けることにより、電界の水平方向の均一性をより高めることができ、液晶を安定して駆動することができる。
また、1対の電界形成素子における接続部を有するライン状電極を、流動性のある導通材料を1対の電界形成素子間に充填して固めた導通部により電気的に接続することにより、接続部を導線などで接続する等の対応が不要となり、製造工程を簡略化し、素子の大きさを軽減させることができる。
この光変偏向素子を画像表示装置に使用し、画像情報にしたがって光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子から出射された画像光を偏向して投影することにより、画素数の少ない画像表示素子を用いても高精細で性能の安定した画像を表示することができる。
図1はこの発明の電界形成素子の構成図である。図に示すように、電界形成素子1は電界形成部2と調整抵抗部3を有する。電界形成部2は基板4と電界形成用抵抗体5と1対の平行なライン状電極6a,6b及び複数の低抵抗層7a,7b,7cを有する。基板4は絶縁性材料、例えばガラス等の透明な材料、ゴム、プラスチック、セラミックで形成されている。電界形成用抵抗体5は基板4の表面に成膜された金属膜、金属酸化物膜、金属窒化物膜、サーメット膜及び金属や金属酸化物等の半導体材料の導電性粉末や微粒子を有する薄膜で形成され、1対のライン状電極6a,6bは電界形成用抵抗体5のX方向の両端部に電気的に接続されている。複数の低抵抗層7a〜7cはライン状電極6a,6b間の電界形成用抵抗体5の表面に、ライン状電極6a,6bと平行に配置されるように積層され、ライン状電極6a,6bの間の電界形成用抵抗体5を複数区間8a〜8dに分割している。この低抵抗層7a〜7cはライン状電極6a,6bと同じ材料で同時に形成しても良い。尚、ライン状電極や電界形成用抵抗体は基板4の両方の面に設けても良い。なお、図示しないが、ライン状電極6a,6bには調整抵抗部3と電気的に接続するための接続部が設けられている。また、低抵抗層7a〜7cにも調整抵抗部3と電気的に接続するための接続部が設けられている。
調整抵抗部3は電界形成用抵抗体5の分割区間8a〜8dに応じた数の調整用抵抗9a〜9dが直列に接続され、調整抵抗部3の両端部はそれぞれライン状電極6a,6bに接続され、調整用抵抗9aと調整用抵抗9bの接続部は低抵抗層7aに接続され、調整用抵抗9bと調整用抵抗9cの接続部は低抵抗層7bに接続され、調整用抵抗9cと調整用抵抗9dの接続部は低抵抗層7cに接続されて、調整用抵抗9a〜9dは電界形成用抵抗体5の分割区間8a〜8dと並列に接続されている。
この電界形成素子1で電界を発生する状態を説明するにあたり、まず、基板4の表面に成膜した電界形成用抵抗体5を使用して基板4の面に沿った電界を発生する状態を説明する。
図2に示すように、基板4の表面に成膜された電界形成用抵抗体5に設けた1対のライン状電極6a,6b間に電源10から電圧を印加すると、ライン状電極6a,6bの間の電界形成用抵抗体5に電流が流れ、その内部と表面に、図3(a)に示すような電位勾配が発生する。この電位勾配は、理想的な状態では電位は平行なライン状電極6a,6bに垂直な方向であるX方向に対して線形に変化するため、電界形成用抵抗体5の表面近傍には基板4の面に沿ったX方向の水平電界が発生する。そしてライン状電極6a,6bに印加する電圧の極性を切り替えると電界の方向を反転することができる。この電界の強度は、ライン状電極6a,6b間の距離と印加する電圧及び電界形成用抵抗体5の抵抗値で定まる。
このように基板4の表面に電界形成用抵抗体5を形成することにより、電界形成用の外部抵抗を設けずに基板4の面に沿った電界を発生することができ、電界形成用素子1全体を大型化しないで済む。また、電界形成用抵抗体5によりライン状電極6a,6b間に電界を発生させるから、ライン状電極6a,6b間で電界の向きや大きさにばらつきが生じることを防ぐことができる。
この電界形成用抵抗体5の抵抗値が低過ぎると、消費電力が増加して発熱が生じるおそれがある。また、電界形成用抵抗体5として抵抗温度係数が負の材料を用いると熱暴走を起こす可能性もある。この消費電力及び発熱量の増加を十分抑制できるように、電界形成用抵抗体5の抵抗値の下限を設定する必要がある。また、電界形成用抵抗体5の表面抵抗率が高すぎると、電界形成用抵抗体5以外を流れるリーク電流が増加して電界形成用抵抗体5としての機能を果たさなくなり、基板4の面に沿った均一な電界が形成できなくなる。そこで電界形成用抵抗体5の表面抵抗率は、10Ω/□以上で1011Ω/□以下、特に10Ω/□以上で1010Ω/□以下が望ましい。
この電界形成用抵抗体5を複数の低抵抗層7a〜7cで複数の分割区間8a〜8dに分割した電界形成素子1でライン状電極6a,6b間に電源10から電圧を印加すると、電界形成用抵抗体5の分割区間8a〜8dに電位差が生じてライン状電極6a,6b間に基板4の面に沿ったX方向の電界が発生する。この電界を発生させるとき、低抵抗層7a〜7cで分割した分割区間8a〜8dで電界を発生させるから、ライン状電極6a,6b間で電界の向きや大きさにばらつきが生じることをより確実に防ぐことができる。このライン状電極6a,6b間に生じた電位勾配は低抵抗層7a〜7cが形成されている個所では、図3(b)に示すように電位勾配が変化してしまう。そこで低抵抗層7a〜7cの幅を極力狭くしてライン状電極6a,6b間に均一な電界が形成されるようにすると良い。
また、ライン状電極6a,6b間に均一な電界を形成するためには、電界形成用抵抗体5を極力均一に形成してX方向の距離に比例した電圧降下を生じさせることが必要である。電解形成素子1では、電界形成用抵抗体5の分割区間8a〜8dに調整用抵抗9a〜9dが並列に接続されているため、分割区間8a〜8dの抵抗値をRi(i=a〜d)、調整用抵抗9a〜9dの抵抗値をriとすると、図1(b)の等価回路に示すように、分割区間8a〜8dの電圧降下量は抵抗値Riと抵抗値riの合成抵抗により定まる。このため調整用抵抗9a〜9dの抵抗値を不適切に選択すると各分割区間8a〜8dにおける電位勾配すなわち電界強度が異なってしまう。これを防止するため、各分割区間8a〜8dにおける抵抗値Riと抵抗値riの合成抵抗の値が各分割区間8a〜8dの幅ΔXiに比例するように調整用抵抗9a〜9dの抵抗値を選択すると良い。このように各分割区間8a〜8dの抵抗値の合成抵抗が各分割区間8a〜8dの幅と比例するように設けることにより、各分割区間8a〜8dの電位勾配を等しくして均一な電界を発生することができる。最も簡単な構成としては、各分割区間8a〜8dの抵抗値が全て等しくなるようΔXiを等間隔にして調整用抵抗9a〜9dの抵抗値を全て同じにすれば良い。また、電界形成用抵抗体5に面内の抵抗ムラが存在して各分割区間8a〜8dの抵抗値Riが等しくならないような場合は、調整用抵抗9a〜9dにより各分割区間8a〜8dの合成抵抗の抵抗値を調整すれば良い。
一般に薄膜で形成された電界形成用抵抗体5は、材料によって幅広い抵抗率を持ち、成膜条件によっても抵抗率が異なり、個体差が大きく、また、作製後に時間や温度・環境によって抵抗値が変動する場合が多い。このような場合でも、調整用抵抗9a〜9dにより各分割区間8a〜8dの合成抵抗の抵抗値を調整することにより、薄膜で形成された電界形成用抵抗体5による電界の立ち上がりの遅れや固体差を改善することができるので、電界形成用抵抗体5の材料の選択自由度が広がり、抵抗値変動の影響の影響も受けにくく歩留まりを向上することができる。
また、電界形成用抵抗体5の各分割区間8a〜8dと並列に調整用抵抗9a〜9dを接続することにより、電界形成素子1に電圧の印加を開始したときや印加している電圧の極性を反転した場合、発生する電界の立ち上がりの応答速度を小さくすることができる。すなわち電界形成用抵抗体5にライン状電極6a,6bを接続した場合、電界形成用抵抗体5を構成する結晶粒の粒界により容量成分が生じる。この容量成分と各分割区間8a〜8dの抵抗値Riにより電界の立ち上がりが遅れるが、各分割区間8a〜8dと並列に調整用抵抗9a〜9dを接続して、各分割区間8a〜8dの合成抵抗の抵抗値を小さくすることにより、電界の立ち上がりの応答速度を改善することができる。また、電界形成用抵抗体5の分割区間の数を多くして調整用抵抗の抵抗値を低くすると、電界の立ち上がりの応答速度をより改善することができる。ここで調整用抵抗の抵抗値が低過ぎると調整用抵抗で消費される電力が増加してしまうから、発熱量や抵抗器の定格電力を考慮して調整用抵抗の抵抗値を設定すれば良い。
前記電界形成素子1は基板2の全面に電界形成用抵抗体5を成膜した場合について説明したが、基板2の一部に電界形成用抵抗体5を成膜しても良い。
図4は基板2の一部に電界形成用抵抗体5aを成膜した電界形成素子1aの構成図である。電界形成素子1aの電界形成部2は基板4の表面に形成された複数、例えば15本の平行なライン状電極6a〜6pを有し、基板4を複数の区間11に分割している。電界形成用抵抗体5aは各ライン状電極6a〜6pの端部表面に沿って帯状に配置され、各ライン状電極6a〜6pは電界形成用抵抗体5aを介して直列に接続されている。すなわち、電界形成用抵抗体5aは各ライン状電極6a〜6pの端部表面に沿って積層されている。ここで電界形成用抵抗体5aを各ライン状電極6a〜6pの極端部表面に沿って形成するのは、光学的影響を生じさせないためである。したがって、電界形成用抵抗体5aを各ライン状電極6a〜6pの一部に形成することでも実施可能である。調整用抵抗部3は複数の調整用抵抗9a〜9cを有し、調整用抵抗部3の両端部はそれぞれ両端のライン状電極6a,6pに接続され、調整用抵抗9aと調整用抵抗9bの接続部と調整用抵抗9bと調整用抵抗9cの接続部は複数の分割区間11を複数例えば5区間毎にまとめた調整区間12a〜12cを区分けするライン状電極6f,6kにそれぞれ接続され、調整用抵抗9a〜9cは電界形成用抵抗体5aの調整区間12a〜12cと並列に接続されている。このように複数のライン状電極6a〜6pのうち、調整用抵抗9a〜9cと電気的に接続しようとするライン状電極6a,6f,6k,6pには、図示しないが接続部が設けられており、調整用抵抗9a〜9cと接続が可能となっている。
この電界形成素子1aの両端のライン状電極6a,6p間に電源10から電圧を印加すると、電界形成用抵抗体5aに電流が流れ、隣接するライン状電極6間では電界形成用抵抗体5aにより電圧値が減衰し、各ライン状電極6間に図2(c)に示すように電位勾配が発生する。各ライン状電極6に垂直な電位分布が発生する。この電位勾配はライン状電極6の幅に対してライン状電極6のピッチすなわち分割区間11の幅が十分に大きな場合は均一な勾配を持つとみなすことができ、この電位勾配により基板4の面近傍で面に沿った水平電界が得られる。このように帯状の電界形成用抵抗体5aに電流を流して生じる電圧降下を利用して各ライン状電極6に異なる電位を与え、離散的な電位の変化から基板4の面に沿った水平電界を形成するから、電界を発生させたい領域が広い面積であっても均一な電界を得ることができる。また、例えば液晶のように熱による影響を受け易いものを電界によって駆動する素子などでは、発熱源である抵抗体とは離れた場所に電界を形成できるので液晶に対する熱の影響を低減することができる。
このように電界形成素子1aで電界を発生するとき、電界形成用抵抗体5aの調整区間12a〜12cと並列に調整用抵抗9a〜9cを接続しているから、電界形成素子1と同様に、電界形成素子1aに電圧の印加を開始したときや印加している電圧の極性を反転した場合、発生する電界の立ち上がりの応答速度を小さくすることができる。
次に電界形成素子1や電界形成素子1aを使用した光偏向素子について説明する。
図5は電界形成素子1を使用した光偏向素子13の構成を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。光偏向素子13は2組の電界形成素子1と配向膜14と4個のスペーサ15及び液晶層16を有する。この光偏向素子13を構成する電界形成素子1はライン状電極6a,6bの間の透明な電界形成用抵抗体5を3分割する低抵抗層7a,7bを有する。この低抵抗層7a,7bは光を透過する領域に設けられているので、透過率の高い材料を用いて形成することが好ましい。なお、低抵抗層7の位置や数については限定されるものではない。スペーサ15は、厚さが数μm〜100μm程度の厚さのフィルムや、直径が数μm〜100μm程度の球状体などで形成されている。このライン状電極6a,6bと低抵抗層7a,7bには、図5に示すように、調整抵抗部3に電気的に接続可能なように接続部が設けられている。このように接続部を設けることにより、調整抵抗部3に容易に接続することができる。
各電界形成素子1の基板4の電界形成用抵抗体5とライン状電極6a,6b及び低抵抗層7a,7bを有する面には配向膜14が形成され、この配向膜14側を内側にして2組の電界形成素子1の基板4はスペーサ15により一定間隔をおいて貼り合わされている。この対向して配置した配向膜14の間にキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層16が充填されている。配向膜14は液晶分子を配向膜14に対して垂直方向に配向させる垂直配向膜であり、キラルスメクチックC相を形成する液晶分子の層構造の層法線方向が基板4の面に対してほぼ垂直となるように構成されている。この配向膜14としては、シランカップリング剤や市販の液晶用垂直配向剤などを用いることができる。
ここで液晶層16について詳細に説明する。スメクチック液晶は液晶分子の長軸方向を層状に配列してなる液晶層である。このような液晶に関し、層の法線方向(層法線方向)と液晶分子の長軸方向とが一致している液晶をスメクチックA相、法線方向と一致していない液晶をスメクチックC相という。スメクチックC相よりなる強誘電性液晶は、一般的に外部電界が働かない状態において各層毎に液晶ダイレクタ方向が螺旋的に回転しているいわゆる螺旋構造をとり、キラルスメクチックC相と呼ばれる。また、キラルスメクチックC相の反強誘電液晶は各層毎に液晶ダイレクタが対向する方向を向く。これらのキラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を分子構造に有し、これによって自発分極しているため、この自発分極Psと外部電界Eにより定まる方向に液晶分子が再配列することで光学特性が制御される。
ここで光偏向素子13の液晶層16として強誘電性液晶を使用した場合について説明するが、反強誘電液晶も同様に使用することができる。キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶の構造は、主鎖、スペーサ、骨格、結合部、キラル部などよりなる。主鎖構造としてはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンなどが利用可能である。スペーサは分子回転を担う骨格と結合部及びキラル部を主鎖と結合させるためのものであり、適当な長さのメチレン鎖等が選ばれる。また、カイラル部とビフェニル構造など剛直な骨格とを結合する結合部には(−COO−)結合等が選ばれる。キラルスメクチックC相よりなる強誘電性液晶層16は配向膜14により基板4面に垂直に分子螺旋回転の回転軸が向いており、いわゆるホメオトロピック配向をなす。
この光偏向素子13の2組の相対する電界形成素子1のライン状電極6a,6b間に電圧を印加すると、各電界形成用抵抗体5に電流が流れ、電界形成用抵抗体5の内部及び表面に電位勾配が発生する。この電位勾配は、図5(a)に示すX方向に対して直線的な分布となり、液晶層16内部の平面方向であるX方向に均一な電界すなわち配向膜14と並行な水平電界が発生する。このライン状電極6a,6bに印加する電圧の極性を切り替えることにより液晶層16内部の水平電界の向きを切り替えることができる。この水平電界の切り替えによって、液晶層16の平均的な光学軸の傾斜方向が変化し、ライン状のライン状電極6a,6bに平行な方向に直線偏光した入射光は液晶層16の厚さ及び液晶分子の常光/異常光屈折率に応じた光路シフトを受けて偏向する。この光の偏向はライン状電極6a,6bに印加する電圧の極性を切り替えることにより図5(b)に示すように第1出射光と第2出射光のように切り替えることができる。
この光偏向素子13で光を偏向させて入射光の光路を切り替えるために必要なライン状電極6a,6b間に印加する電圧は、必要な電界強度とライン状電極6a,6b間の距離及び電界形成用抵抗体5の抵抗値で定まる。光偏向素子13が正常に動作するためには電界形成用抵抗体5の抵抗値が一定の範囲内におさまっている必要がある。また、電界形成用抵抗体5は光が透過する領域に形成されているため、電界形成用抵抗体5は光に対する透過性を有している必要がある。そこで、電界形成用抵抗体5を透明酸化物半導体や透明窒化物半導体の薄膜抵抗体で形成する。このような薄膜抵抗体は成膜方法やその条件によって抵抗値が大きく異なり、所望の抵抗値が得られるように成膜条件を決定する。しかし、成膜条件を一定に保っても、得られる薄膜の抵抗率は個体差が大きく、また、抵抗値が時間や環境に伴って変化しやすく、電界形成用抵抗体5の材料や使用環境によっては抵抗値が変動することにより光偏向素子13の正常な動作が阻害されることを防ぐ必要がある。
そこで電界形成用抵抗体5を例えば3分割する低抵抗層7a,7bを形成し、調整抵抗部3に調整用抵抗9a〜9cを3分割した電界形成用抵抗体5の分割区間8a〜8cと並列に接続している。この調整用抵抗9a〜9cを電界形成用抵抗体5の分割区間8a〜8cと並列に接続することにより、光偏向素子13で光を偏向させるときの電界の時間的な応答の遅れを抑制するとともに電界形成用抵抗体5の抵抗値を高くすることができ、電界形成用抵抗体5を形成する材料選択の自由度が増し、抵抗値変動の影響を低減して安定して動作する光偏向素子13を得ることができる。
図6は電界形成素子1aを使用した光偏向素子13aの構成を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。光偏向素子13aは2組の電界形成素子1aと誘電体層17と配向膜14と4個のスペーサ15及び液晶層16を有する。この光偏向素子13aを構成する電界形成素子1aの電界形成部2は基板4の表面に複数の透明なライン状電極6a〜6nと、各ライン状電極6a〜6nの端部表面に沿って帯状に積層された電界形成用抵抗体5aを有する。電界形成用抵抗体5aは各ライン状電極6a〜6pの端部表面に沿って帯状に積層されている。なお、電界形成用抵抗体5aはライン状電極6a〜6nの端部に沿って帯状に形成されているが、電界形成用抵抗体5aは、ライン状電極6a〜6nの一部に沿って帯状に形成されていれば良く、端部には限らない。この電界形成用抵抗体5aをライン状電極6a〜6nの端部に形成することは、光学的な影響を少なくするためである。この各電界形成素子1aの基板4のライン状電極6a〜6n及び電界形成用抵抗体5aを有する面には誘電体層17が形成され、この誘電体層17に基板4とは反対側の面に配向膜14が形成され、この配向膜14を内側にして2組の電界形成素子1aは対向して配置され、誘電体層17がスペーサ15により一定間隔をおいて貼り合わされている。この対向して配置した配向膜14の間にキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層16が充填されている。このようにキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層16を充填することにより、反応速度が速く、安定した動作が可能となる光偏向素子13aを提供することができる。この光偏向素子13aで電界形成用抵抗体5aが高い透光性を有する材料で形成されている場合は、電界形成用抵抗体5aをスペーサ15で囲まれた光偏向素子13aの有効領域内の一部に形成しても良いが、電界形成用抵抗体5aの透光性が低い場合は、電界形成用抵抗体5aを光偏向素子13aの有効領域外に配置することが望ましい。
電界形成素子1aの調整抵抗部3には帯状の電界形成用抵抗体5aを例えば3分割した調整区間12a〜12cと並列に接続した抵抗回路18a〜18cを有する。この調整区間12a〜12cを区分するライン状電極6には抵抗回路18a〜18cと容易に電気的に接続するため接続部を設けている。各抵抗回路18a〜18cは、図7の回路図に示すように、並列に接続された複数の抵抗19a〜19cと、抵抗19a〜19cの接続を切り替える切替スイッチ20を有し、切替スイッチ20を動作させることにより各調整区間12a〜12cと並列に接続する抵抗値を可変する。このように切替スイッチ20を設けることにより電界形成用抵抗体5aの面内において抵抗むらが生じていても、各分割区間における合成抵抗を等しくすることができ、各分割区間の電位勾配を等しくして均一な電界を発生させることが可能となる。
ここで、調整抵抗部3と接続するライン状電極は、他のライン状電極に比べて長く形成されていることにより、より接続の容易さを向上させることができる。
さらに、調整抵抗部3と接続するライン状電極の間には、少なくとも1本以上のライン状電極が含まれていことが望ましい。すなわち、調整区間12を区分するライン状電極は任意に定められるものである。このように任意のライン状電極を調整抵抗部3と接続することにより、調整区間12内で電位勾配を等しくすることが可能となる。
この光偏向素子13aの2組の相対する電界形成素子1aの両端の電極6a,6n間に電源10から電圧を印加すると、各電界形成用抵抗体5aに電流が流れ、隣接するライン状電極6間では電界形成用抵抗体5aにより電圧値の減衰が生じ各ライン状電極6間に電位勾配が発生する。この電位勾配により、液晶層16の内部には配向膜14とほぼ平行な水平電界が発生する。この電極6a,6n間に印加する電圧の極性を切り替えることにより各ライン状電極6間には逆向きの電位勾配を与えることができ、液晶層16内部の水平電界の方向を切り替えることができ、光偏向素子13aに垂直に入射した入射光を偏向して出射することができる。この液晶層16の内部に電界を発生するとき、電界形成素子1aのライン状電極6a〜6nと液晶層16の間に形成された誘電体層17は、各ライン状電極6近傍で発生する垂直電界成分を緩和するために配置されており、液晶層16内部に均一な電界分布を発生させることができる。
また、電界形成素子1aに電界形成用抵抗体5aを例えば3分割した調整区間12a〜12cと並列に抵抗回路18a〜18cを接続することにより、光偏向素子13aで光を偏向させるときの電界の時間的な応答の遅れを抑制するとともに電界形成用抵抗体5aの抵抗値を高くすることができ、電界形成用抵抗体5aを形成する材料選択の自由度が増し、抵抗値変動の影響を低減して安定して動作する光偏向素子13aを得ることができる。さらに、抵抗回路18a〜18cに設けた複数の抵抗19a〜19cを切替スイッチ20で切り替えて各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を可変することにより、製造プロセスにおいて電界形成用抵抗体5aの抵抗値に大きな個体差が生じても、その抵抗値に応じて各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を可変でき、安定して光を偏向させることができる。
また、図6は、光偏向素子13aを構成する2つの電界形成素子1aのうちの片方に対して調整抵抗部3が設けられている場合を図示した。しかしながら、2つの電界形成素子1aのそれぞれに調整抵抗部3を設ければ電界を均一にする効果はさらに高めることができる。すなわち、両方の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cを区分するライン状電極に調整抵抗部3が接続させていることになる。この場合、各電界形成素子1aの調整区間の数や配置は任意に定めて良い。また、それぞれの電界形成素子1aにおいて調整抵抗部3に接続されるライン状電極は液晶層16を挟んで対向する位置であっても、対向する位置でなくとも良い。
さらに、各電界形成素子1aの調整抵抗部3に接続されるライン状電極6a〜6nが略対向している場合は、それらを同一の調整用抵抗9a〜9cや調整用の抵抗回路18a〜18cに接続すると良い。すなわち、2つの電界形成素子1aに対して調整抵抗部3は1つ設けた構成となる。このような構成にすると、光偏向素子13aに1つの調整抵抗部3を設ければ良いので、構成は簡単になる。さらに、2つの電界形成素子1aで1つの調整抵抗部3を持つ構成にすると、一方の電界形成素子1aのライン状電極6a〜6nと他方の電界形成素子1aのライン状電極6a〜6nとが電気的に接続されることになり、互いのライン状電極6a〜6nにおいて同電位となるため、垂直電界の発生を抑えて効率よく均一な水平電界を発生させる効果も得ることができる。
また、図8の構成図に示すように、光偏向素子13aを構成する電界形成素子1aの基板4の電界形成用抵抗体5a近傍に例えば熱電対やサーミスタ等の温度センサ21を設け、コントローラ22で温度センサ21からの出力により電界形成用抵抗体5a近傍の温度を検出し、検出した温度に応じて各抵抗回路18a〜18cの切替スイッチ20の動作を制御して各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を可変しても良い。このように電界形成用抵抗体5a近傍の温度に応じて各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を可変することにより、光偏向素子13aを駆動しているとき、電界形成用抵抗体5aの温度による抵抗値変動に対応することができる。さらに、図8に示すように、電界形成用抵抗体5aに流れる電流を検出する電流測定部23を設け、電流測定部23で検出した電流値により各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を可変しても良い。このように電界形成用抵抗体5aに流れる電流値に応じて各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を可変することにより、温度以外の要因で電界形成用抵抗体5aに抵抗値変動が生じた場合にも対応でき、安定して光を偏向させることができる。すなわち、測定した温度や電流等に応じて各抵抗回路18a〜18cの抵抗値を切り替えることにより、温度や電流や周囲の環境の変化に影響されず応答速度の早い安定した電界を形成することができる。
前記説明では各抵抗回路18a〜18cに並列に接続した複数の抵抗19a〜19cと切替スイッチ20を設けた場合について説明したが、各抵抗回路18a〜18cに可変抵抗を設けて抵抗値を可変するようにしても良い。なお、図6においても説明したように、光偏向素子13aを構成する2つの電界形成素子1aのうちの一方に対して調整抵抗部3が設けられている場合を図示した。しかしながら、2つの電界形成素子1aのそれぞれに調整抵抗部3を設ければ電界を均一にする効果はさらに高まる。すなわち、両方の電界形成素子1aの調整区間を区分するライン状電極に調整抵抗部3が接続させていることになる。この場合、各電界形成素子1aの調整区間の数や配置は任意に定めて良い。また、それぞれの電界形成素子1aにおいて調整抵抗部3に接続されるライン状電極6は液晶層16を挟んで対向する位置であっても、対向する位置でなくとも良い。
また、各電界形成素子1aの調整抵抗部3に接続されるライン状電極6a〜6nが略対向している場合は、それらを同一の調整用抵抗9a〜9cや調整用の抵抗回路18a〜18cに接続すると良い。すなわち、2つの電界形成素子1aに対して調整抵抗部3は1つ設けた構成となる。このような構成にすると、光偏向素子13aに1つの調整抵抗部3を設ければ良いので、構成は簡単になる。
さらに、2つの電界形成素子1aで1つの調整抵抗部3を持つ構成にすると、一方の電界形成素子1aのライン状電極6a〜6nと他方の電界形成素子1aのライン状電極6a〜6nとが電気的に接続されることになり、互いのライン状電極6a〜6nにおいて同電位となるため、垂直電界の発生を抑えて効率よく均一な水平電界を発生させる効果も得ることができる。
さらに、図9の構成図に示すように、1対の電界形成素子1aのライン状電極6a〜6nにより帯状の電界形成用抵抗体5aを3分割した調整区間12a〜12cの両端に位置するライン状電極6a,6e,6j,6nの端部に接続部24を形成した。一方の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置するライン状電極6a,6e,6j,6nと、他方の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置するライン状電極6a,6e,6j,6nとをそれぞれ導線25と半田付け26により電気的に接続することが望ましい。このように1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置する各ライン状電極6a,6e,6j,6nをそれぞれ電気的に接続することにより、1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端では対向する各ライン状電極6a,6e,6j,6nの電位を一致させる。また、1対の電界形成素子1aの各調整区間12a〜12cの両端以外のライン状電極においても、電位の差を小さくする。すなわち、任意のライン状電極6を、対向する電界形成素子1a間で電気的に接続することにより、両電界形成素子1aにおける電位差を小さくさせ、この電位差を小さくさせたことにより、回折が生ずることを抑制させることが可能となる。また、接続部24を設けられたライン状電極6の間には、接続部が設けられていないライン状電極6を設けることにより、適切な幅の調整区間を設けることができる。
このように1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端で対向する各ライン状電極6a,6e,6j,6nの電位を一致させるのは、駆動時に光偏向素子13aを通過する光が回折することを抑制するためである。すなわち、複数のライン状電極6a〜6nを有する1対の電界形成素子1aを使用した光偏向素子13aにおいては、駆動時に光偏向素子13aを通過する光が回折される現象が明らかとなった。この現象は、光偏向素子13aの解像性能の低下やゴースト像の発生などに結びつく。駆動時に発生する回折は、電界および液晶の動きに起因するものであり、回折格子のピッチはライン状電極6a〜6nの配置の周期と一致する。これはライン状電極6a〜6nが形成されている部分と形成されていない部分での電界強度及び方向が異なるため、液晶の屈折率がこの周期で変調され、これが回折格子となっていると考えられる。この駆動時の回折は、対向する電界形成素子1aの基板4間の電位差が増加するほど顕著になることがわかった。電界形成素子1aの基板4に形成された各ライン状電極6a〜6nの電位は、電界形成用抵抗体5aに電流が流れることによる電圧降下量によって定まる。電界形成用抵抗体5aの抵抗率が完全に均一であれば、液晶層16を挟んで対向した位置に設けられている1対の電界形成素子1aの各ライン状電極6a〜6nは等しい電位を持つが、一般的に電界形成用抵抗体5aは高い精度で抵抗率が均一になるよう形成することが難しく、対向する各ライン状電極6a〜6nの電位に差が発生してしまうことが多い。特に光偏向素子13aでは電界形成用抵抗体5aに僅か数%程度の抵抗率の分布であっても光学特性に悪影響を与えることがわかっており、電界形成用抵抗体5aの抵抗率の均一性向上だけでこれを避けることは困難である。そこで1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置する各ライン状電極6a,6e,6j,6nをそれぞれ電気的に接続して1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端では対向する各ライン状電極6a,6e,6j,6nの電位を一致させる。また、対向する各ライン状電極6a,6e,6j,6nの電位を一致させることにより1対の電界形成素子1aの各調整区間12a〜12cの両端以外のライン状電極においても、電位の差を小さくすることができ、全体にわたって回折が生じることを抑制することができる。また、このように電位の差を小さくすることにより、垂直電界の発生を抑えて、効率の良い水平電界を発生させることができる。このように効率の良い水平電界は液晶の駆動を適切に行わせることに寄与する。なお、対向する電界形成素子1aに形成されたライン状電極6のうち、互いに電位の差を等しくしたいライン状電極6とを略対向させて配置する。そして、電位の差を等しくしたいライン状電極6の対を互いに電気的に接続することにより、垂直電界の発生を最も効率良く抑制することができる。さらに、図9に示した光偏向素子13aにおいて、光偏向素子13aを構成する電界形成素子1aに調整抵抗部3を持つ構成にすると、図6や図8に示した場合のように、さらに、調整区間内で電位勾配を等しくすることが可能となる。
また、各電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置するライン状電極6a,6e,6j,6nをそれぞれ導線25と半田付け26により電気的に接続する場合、半田付け26をする接続部24はある程度の面積が必要である。ライン状電極6a〜6nは隣接するライン状電極が密接して配置されていることが多く、半田付け26をする部分を形成する際に同じ隣接したライン状電極も導通させてしまう危険性がある。そこで調整区間12a〜12cの両端に位置するライン状電極6a,6e,6j,6nの長さを他のライン状電極よりも長くしてライン状電極6a,6e,6j,6nの間隔を十分取って、その端部に接続部24を設けて半田付け26で導線25を接続すると良い。これにより細かく形成されたライン状電極6を間違えて接続することを回避することができる。
また、前記説明では、1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置する各ライン状電極6a,6e,6j,6nをそれぞれ導線25と半田付け26により電気的に接続して1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端で対向する各ライン状電極6a,6e,6j,6nの電位を一致させる場合について説明したが、図10の構成図に示すように、1対の電界形成素子1aの調整区間12a〜12c両端の各ライン状電極6a,6e,6j,6nの接続部24を対向して配置して一方の電界形成素子1aの各ライン状電極6a,6e,6j,6nと他方の電界形成素子1aの各ライン状電極6a,6e,6j,6nをそれぞれ導通部27で電気的に接続しても良い。この導通部27を形成する導電性部材としては導電フィルムや金属柱の配列あるいは金属をコーティングしたスペーサ粒子を用いることができるが、導電性ペーストなどの流動性のある導通材料を各ライン状電極6a,6e,6j,6n間に充填して固めて導通部27を形成する方法が最も適している。このように各ライン状電極6a,6e,6j,6nをそれぞれ導通部27で電気的に接続することにより導線25を使用する場合と比べて製造工程を簡略化できるとともに光偏向素子13aのサイズも小さくできる。なお、導電性ペーストの代表例としては、熱硬化(或いは紫外線硬化)性のある樹脂材料に導電性のフィラーを混ぜたものが挙げられる。また、フィラーとしては、カーボンや銅を使う場合もあるが、抵抗の安定性を高めるために酸化されにくい銀を用いたものが好ましい。
また、液晶層16の厚さ、すなわち基板4間距離はスペーサ15によって規定され、有効領域全体でなるべく均一であることが望ましいが、導通部27を加工時に流動性がある材料で形成すれば、所定の基板4間の距離にした後に硬化させれば良く、導通部27を設けたことにより基板4間の距離が変わってしまう危険性を抑えることができる。つまり、接続部を導線などで接続する等の対応が不要となり、製造工程を簡略化し、素子の大きさを軽減させることができる。
さらに、図10に示す光偏向素子13aを構成する電界形成素子1aに調整抵抗部3を持つ構成にすると、図6や図8で記載したように、さらに、調整区間内で電位勾配を等しくすることが可能となる。
これまでの説明では、1対の電界形成素子1aの基板4の同じ位置にライン状電極6a〜6nを形成して対向して配置して電気的に接続した場合について示した。しかしながら、一方の電界形成素子1aと他方の電界形成素子1aとを対向して配置しなくても良い。例えば、図11の断面図に示すように、一方の電界形成素子1aの基板4に形成されたライン状電極6a〜6nの隣接するライン状電極の中間に他方の電界形成素子1aのライン状電極6b〜6dとライン状電極6g〜6kとライン状電極6m〜6pを形成する。そして、一方の電界形成素子1aの調整区間12a〜12cの両端に位置するライン状電極6a,6e,6j,6nと対向する位置に他方の電界形成素子1aのライン状電極6a,6f,6l,6qを形成して、一方の電界形成素子1aのライン状電極6a,6e,6j,6nと他方の電界形成素子1aのライン状電極6a,6f,6l,6qをそれぞれ電気的に接続しても良い。このように一方の電界形成素子1aの基板4に形成されたライン状電極6a〜6nの中間に他方の電界形成素子1aのライン状電極6b〜6dとライン状電極6g〜6kとライン状電極6m〜6pを形成することにより、一方の電界形成素子1aの隣接したライン状電極の電位の中間の電位が他方の電界形成素子1aのライン状電極によって与えられるため、電界の水平方向の均一性を高めることができる。すなわち、対になる電界形成素子1aのライン状電極6は、互い異なる配置になっていても良い。このように互いに異なる配置にすることにより、電界の水平方向の均一性を高めることができる。
次に、光偏向素子13や光偏向素子13aを使用した画像表示装置について説明する。画像表示装置30の光学系は、図12の構成図に示すように、LEDランプを2次元アレイ状に配列した光源31と、光源31から出射した光の光路に沿って配置された拡散板32とコンデンサレンズ33と透過型液晶パネル34と、光偏向素子13又は光偏向素子13aを有する光偏向手段35及び投射レンズ36が順に配設されている。駆動手段は、光源31を駆動する光源駆動制御部37と、液晶パネル34を駆動するパネル駆動制御部38及び光偏向手段35を駆動する光偏向駆動制御部39及び主制御部40を有する。
この画像表示装置30でスクリーン41に画像を投影するときは、光源駆動制御部37で制御されて光源31から出射された照明光は拡散板32により均一化された照明光となりコンデンサレンズ33に入射する。コンデンサレンズ33に入射した光はコンデンサレンズ33より、パネル駆動制御部38で光源31と同期して制御される液晶パネル34をクリティカル照明する。この透過型液晶パネル34は入射した照明光を空間光変調して画像光として光偏向手段35に入射し、この光偏向手段35は入射した画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトして投射レンズ36に入射する。投射レンズ36は入射した光を拡大してスクリーン41に投射する。
このようにして光偏向手段35により画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンをスクリーン41に表示させることにより、液晶パネル34の見掛け上の画素数を増倍して表示することができる。この光偏向手段35によるシフト量は液晶パネル34の画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行うことから、画素ピッチの1/2に設定される。このシフト量に応じて液晶パネル34を駆動する画像信号をシフト量分だけ補正することにより、画素数の少ない液晶パネル34を用いても見掛け上高精細な画像を安定して表示することができる。
可視光に対する透過率の高い金属酸化物薄膜を基板4上に成膜して電界形成用抵抗体5を形成した。この電界形成用抵抗体5を形成するとき2枚の基板4に同時に成膜を行った結果、得られた電界形成用抵抗体5の表面抵抗率は3.7×108Ω/□と6.0×108Ω/□であり、1.5倍以上の個体差が生じていた。なお、可視光に対する透過率は全ての試料において92%以上であった。
この電界形成用抵抗体5にライン状電極6a,6bを積層した。2枚の基板4のライン状電極6a,6b間の電界形成用抵抗体5の抵抗値は370MΩと600MΩであった。このライン状電極6a,6b間の電界形成用抵抗体5を8等分する位置に低抵抗層7を積層して、各分割領域8と並列に調整用抵抗9として抵抗値10MΩ、定格電力5W、最大使用電圧500Vの金属皮膜抵抗器を並列に接続して電界形成素子1を作成した。この電界形成素子1を使用して、図5に示す光偏向素子13を作成した。この光偏向素子13の各電界形成素子1の両端ライン状電極6a,6bに2400Vの電圧を加したとき、各抵抗器に加わる電圧は300Vで、消費電力は抵抗器の一つ当たり0.009Wであった。
この光偏向素子13の一方の電極6aを接地し、他方の電極6bに周波数60Hz、振幅±2400Vの矩形波電圧を印加したところピーク対ピークで約6μmの光路シフトが確認できた。また、電圧の極性が反転してからシフト量が飽和値の90%に達するまでにかかる時間であるシフトの応答速度は0.8msec以下であった。そこで表面抵抗率が10Ω/□以上で1011Ω/□以下の範囲で種々の電界形成用抵抗体5を形成して光偏向素子13を作製して応答速度を評価した結果、電界形成用抵抗体5の全領域で応答速度が0.8msec以下に達成できた。
[比較例1] 実施例1と同様に可視光に対する透過率の高い金属酸化物薄膜を基板4上に成膜して電界形成用抵抗体5を形成した。この電界形成用抵抗体5を形成するとき2枚の基板4に同時に成膜を行った結果、得られた電界形成用抵抗体5の表面抵抗率は3.7×108Ω/□と6.0×108Ω/□であり、1.5倍以上の個体差が生じていた。この電界形成用抵抗体5にライン状電極6a,6bを積層し、低抵抗層7と調整用抵抗9を設けずに、図5に示す光偏向素子13を作成した。そして一方の電極6aを接地し、他方の電極6bに周波数60Hz、振幅±2400Vの矩形波電圧を印加したところ電極6bの近傍ではピーク対ピークで約5μmの光路シフトが確認できた。この電極6bの近傍における光路シフトの応答速度は約0.5msecであり、これは液晶の応答速度と同程度であった。しかし、2本のライン状電極6a,6bの中央付近では応答速度が2msecを超え、接地した電極6aの近傍では応答がさらに遅れて4msecとなっていた。これはライン状電極6a,6b間の抵抗値が高すぎるために、電圧の極性反転に対する電界の立ち上がりに遅れが生じ、電界によって駆動される液晶の動きにも遅れが生じたことによると考えられる。
また、消費電力と発熱の関係を調べた結果、液晶層16の温度上昇を10℃以内に抑えるためには、電界形成用抵抗体5の単位面積あたりの消費電力が0.02W/cm以下でなければならないことがわかった。これをライン状電極6a,6b間の抵抗値に換算すると、18MΩ以上でなければならない。また、低抵抗層7と調整用抵抗9を設けずに電界形成用抵抗体5の有効面積全体にわたって光路シフトの応答速度を0.8msec以下にするためには、ライン状電極6a,6b間の抵抗値は100MΩ以下である必要がある。このような抵抗値を実現するには、電界形成用抵抗体5の表面抵抗率が1.8×107Ω/□〜1.0×108Ω/□でなければならないが、金属酸化物材料でこの表面抵抗率の膜を形成することは非常に難しい。これに対して実施例1の場合は、電界形成用抵抗体5の抵抗値にばらつきがあっても応答速度を改善することができ、電界形成用抵抗体5として透過率の高い金属酸化物膜を用いることができ、電界形成用抵抗体5を作製するときの歩留まりを向上できた。
電界形成用抵抗体5の材料によっては抵抗値が温度等の周囲環境によって大きく変動して経時的に変化することがある。例えば実施例1において基板4に電界形成用抵抗体5を金属酸化物薄膜例えば酸化亜鉛薄膜で成膜した場合では、この電界形成用抵抗体5の抵抗値は500MΩである。そして調整抵抗部3に、図7に示すように、10MΩの調整抵抗19aと1MΩの調整抵抗19b及び切替スイッチ20からなる抵抗回路17a〜17cを接続した。そして、電界形成用抵抗体5に流れる電流を検出する電流測定部23を設け、電界形成用抵抗体5の抵抗値の変化を検出しながら、切替スイッチ20は、電界形成用抵抗体5の抵抗値が800MΩ以上のときは抵抗回路17a〜17cを1MΩの調整抵抗19bに切り替え、電界形成用抵抗体5の抵抗値が100MΩ〜800MΩのときは10MΩの調整抵抗19aに切り替え、電界形成用抵抗体5の抵抗値が100MΩ以下のときは全ての調整抵抗19a,19bを接続しないように切り替えた。この電界形成素子1を使用して光偏向素子13を作製した。
この光偏向素子13の初期状態では電界形成用抵抗体5の抵抗値が500MΩであったので切替スイッチ20で10MΩの調整抵抗19aに接続した。この電界形成用抵抗体5に用いていた酸化亜鉛薄膜は、経時的に抵抗値が単調増加する傾向がある。切替スイッチ20は、電界形成用抵抗体5の抵抗値が800MΩに達した後は、1MΩの調整抵抗19bに切り替える。このように切替スイッチ20により切り替えることにより、いずれの場合も応答速度の遅れが発生することなく光偏向素子13は安定して動作した。
大きさ5cm×6cm、厚さ1mmのガラス板を基板4の一方面上の光路を含む領域に複数のライン状電極6a〜6nを形成した。このライン状電極6a〜6nの端部に、幅4mmで厚さが400nmの帯状の電界形成用抵抗体5aを形成した。両端のライン状電極6a,6nの間隔は4cmであり、その間の抵抗値は80MΩであった。そして図6に示すように、両端のライン状電極6a,6n間を3等分に分割し、分割した調整区間12a〜12cと並列にそれぞれ20MΩの調整用抵抗9a〜9cを接続した。この調整用抵抗9a〜9cの最大使用電圧は1kV、定格電力は0.4Wである。
この電界形成素子1aを使用して、図6に示す光偏向素子13aを作製した。この光偏向素子13aは発熱源である電界形成用抵抗体5aが液晶層16に接していないため、消費電力が同じであっても、図5に示す光偏向素子13より温度上昇の影響を受けにくい。検討の結果、電界形成用抵抗体5aによる消費電力が0.06W/cm以下であれば発熱の問題は生じないことがわかった。これを電界形成用抵抗体5aの抵抗値に換算すると、60MΩ以上であれば良いことになる。また、光路シフトの応答速度を全有効領域内で0.8msec以下とするためには、電界形成用抵抗体5aと調整抵抗部3の抵抗値は100MΩ以下であることが必要である。
この光偏向素子13aの両端の電極6a,6nに±2400V、60Hzの交流電圧を印加して常温で動作を確認したところ、ピーク対ピークで約5μmの光路シフトが観測され、応答速度も全面にわたって0.55msec以下と十分速く、正常な動作が確認できた。この光偏向素子13aの温度を5℃〜70℃まで変化させて動作を確認したところ、電界形成用抵抗体5a抵抗は温度が高いほど下がり、抵抗値の温度変化を測定したところ、図13(A)に示すように変化した。調整抵抗部3を有する光偏向素子13aで光路シフトの応答速度を全有効領域内で0.8msec以下にするため必要な電界形成用抵抗体5aの抵抗値は100MΩ〜200MΩであり、10℃〜50℃の温度範囲で安定した動作を行うことが確認できた。
[比較例2] 実施例3において調整抵抗部3を設けずに形成した光偏向素子の両端の電極6a,6nに±2400V、60Hzの交流電圧を印加して常温で動作を確認したところ実施例3と同様にピーク対ピークで約5μmの光路シフトが観測され、応答速度も全面にわたって0.55msec以下と十分速く、正常な動作が確認できた。この光偏向素子の温度を5℃〜70℃まで変化させて動作を確認したところ、図13(B)に示すように変化し、温度が10℃における抵抗値は約101MΩであり、ほぼ抵抗値の上限と一致していた。温度を50℃まで加熱すると抵抗値は下限値以下の54MΩとなり、光偏向素子を使用する環境によっては熱暴走を引き起こす可能性があることが示唆された。
大きさ5cm×6cm、厚さ1mmのガラス板2枚に対し、一方の面上の光路を含む領域に複数のライン状電極6を形成した。一本のライン状電極6の幅は10μmで、ピッチを100μmとして400本配置した。このライン状電極6は両端と中央の200本目の長さが他より長く、端部を2mm幅に広げて接続部24を形成した。次に、ライン状電極6を電気的に直列につなぐ領域にサーメット抵抗膜で電界形成用抵抗体5aを形成した。次にライン状電極6が形成されている基板4表面を垂直配向剤で処理した。そして一方の基板4上の約4cm角の領域の外側の2辺に、50μm粒子径のスペーサ15を混入した熱硬化接着剤を塗布した。両基板4のライン状電極6が全て液晶層16を挟んで向かい合うようにして基板4を貼り合わせ、所定の温度で加熱して接着剤を硬化させて有効領域が4cm×4cmとなるように、スペーサ15や電界形成用抵抗体5aを有効領域外に配置した。次に、2枚の基板4間に強誘電性液晶を毛管法で注入して光偏向素子13aを作製し、両端のライン状電極6の端部の接続部24に半田により導線を取り付け、交流電源に接続した。また、上下基板4の200本目のライン状電極6を導線により導通させた。
この光偏向素子13aの入射面側に5μm幅のライン/スペースのマスクパターンを設け、このマスクパターンを通して直線偏光で照明した。直線偏光の向きは、ライン状電極6の長手方向と同一に設定した。マスクパターンを透過した光を顕微鏡で観察したところ、無電界時にはマスクパターンがそのまま観察された。両端のライン状電極6の一方を接地し、他方に+2400Vの電圧を印加したところ、ライン/スペースパターンがライン状電極6の長手方向に約2.5μmシフトして観察された。また、一方に−2400Vの電圧を印加したところ、逆方向に約2.5μmシフトした。周波数60Hz、振幅±2400Vの矩形波電圧を印加したところ、ピーク対ピークで約5μmの光路シフトが確認できた。ライン/スペースの幅が5μmであるため、あたかもラインとスペースの明暗が反転するように観察された。すなわち、5μm幅のスペース部分をライトバルブのピクセルとすれば、一つのピクセルが見かけ上2つのピクセルに増倍することを確認できた。光偏向素子13aの有効領域内の複数箇所で測定を行ったところ、シフト量のばらつきは平均値2.5μmの±5%以内であった。
次に、入射面側に、ライン状電極6の長手方向に平行なライン1本を表示させるようなマスクパターンを設け、直線偏光で照明した。光偏向素子13aを通過した光をスクリーンに照射して投射画像を得た。光偏向素子13aを駆動させると、スクリーン上に表示されたラインの左右にゴースト像が出現し、光偏向素子13aの駆動を停止するとゴースト像も消えた。これはライン状電極6と同周期の液晶の屈折率変調が生じて回折が発生していると考えられる。200本目のライン状電極6を導通させている導線を一時的に断線させたところ、光偏向素子13aの駆動時のゴースト像強度が約2倍に増加した。すなわち、調整区間12を2個設けることによる回折低減効果が確認できた。
80本毎のライン状電極6の計6本の長さを他より長くし、端部を2mm幅に広げた他は、実施例4と同様にして光偏向素子13aを作製した。調整区間12はライン状電極80本毎の5箇所設けることとし、各調整区間12の両端のライン状電極6は、図9に示すように導線25で接続した。そして実施例4と同様に電圧を印加して駆動したところ、シフト量のばらつきは実施例4と同程度であった。また、投射画像においては、光偏向素子13aを駆動してもゴースト像の発生が見られなかった。これは調整区間12を5箇所設けることで上下基板4間の電位差が十分に低減され、回折が目で確認できるレベル以下に抑えられた。
一方の基板4は実施例5と同様で、5箇所の調整区間12を設け、他方の基板4上のライン状電極6は、基本的に100μmのピッチで、一方の基板4と向かい合わせたときにそれぞれのライン状電極6が対向せず互い違いになるよう半ピッチずらして配置した。但し、図11に示すように、調整区間12の両端においてのみライン状電極6が対向するように、ピッチを変則的にした。この2枚の基板4に電界形成用抵抗体5a等を形成し、片方の基板4上の約4cm角の領域の外側の2辺に、50μm粒子径のスペーサ15を混入した熱硬化接着剤を塗布した。次に、調整区間12の両端のライン状電極6の端部に、熱で硬化する導電性ペーストを点状にディスペンスし、2枚の基板4を貼り合わせて所定の温度で加熱し、接着剤と導電性ペーストの両方を硬化させた。この2枚の基板4間に強誘電性液晶を毛管法で注入して光偏向素子13aを作製した。
この光偏向素子13aでライン/スペースパターンの観察を行ったところ、シフト量のばらつきは平均値の±3%以内であり、実施例5の光偏向素子13aよりもシフト量の面内均一性が向上していた。これは2枚の基板4のライン状電極6を交互に配置したことにより、水平電界の均一性が向上し、シフト量のばらつきが減ったと考えられる。また、投射画像においては、実施例5と同様にゴースト像は見られず、十分な回折低減効果が確認された。さらに、導電ペーストを用いて2枚の基板4のライン状電極6を接続することにより、光偏向素子13aのサイズが実施例4や実施例5と比べて80%程度に小さくなり、半田付けや配線の煩雑さも減って製造工程が簡略化できた。
光偏向素子13aを使用して、図12に示す画像表示装置30を作製した。この画像表示装置30の液晶パネル34としてXGA(1024×768ドット)のパネルを用い、コンデンサレンズ33としてマイクロレンズアレイを設けて照明光の集光率を高める構成とした。光源31にはRGB三色のLED光源を用い、1枚の液晶パネル34に照射する光の色を高速に切り替えてカラー表示を行う、いわゆるフィールドシーケンシャル方式を採用した。そして画像表示のフレーム周波数が60Hz、ピクセルシフトによる4倍の画素増倍のためのサブフィールド周波数が4倍の240Hzとする。1つのサブフレーム内をさらに3色に分割するため、各色に対応した画像を720Hzで切り替え、液晶パネル34の各色の画像の表示タイミングに合わせて、光源31の対応した色のLED光源をオン/オフすることにより観察者にはフルカラー画像が見えるようにした。
光偏向素子13aはスペーサ15の厚さを90μmとして、光路シフト量が約9μmになるように設定した。そしてライン状電極6a,6nの電源接続部に±2400Vの矩形波電圧を印加できるようにした。この光偏向素子13aを2枚用い、入射側を第1の光偏向素子、出射側を第2の光偏向素子とし、互いの電極の方向が直交し、液晶パネル34の画素の配列方向に一致するように配置した。さらに、第1の光偏向素子と第2の光偏向素子の間に偏光面回転素子を設け、偏光面回転素子により第1の光偏向素子からの出射光の偏光面が90度回転し、第2の光偏向素子の偏向方向に一致するようにした。
この画像表示装置30で第1の光偏向素子と第2の光偏向素子を駆動する矩形波電圧の周波数を120Hzとし、第1の光偏向素子と第2の光偏向素子の縦と横の位相を90度ずらして、4方向に画素シフトするように駆動タイミングを設定した。そして液晶パネル34に表示するサブフィールド画像を240Hzで書き換えることにより、縦横2方向に見かけ上の画素数が4倍に増倍した高精細画像を表示できた。
この発明の電界形成素子の構成図である。 基板に形成した電界形成用抵抗体と1対の平行なライン状電極の構成図である。 電界形成素子に発生する電界の電位勾配を示す模式図である。 第2の電界形成素子の構成図である。 光偏向素子の構成図である。 第2の光偏向素子の構成図である。 電界形成素子の調整抵抗部に設けた抵抗回路の構成を示す回路図である。 第3の光偏向素子の構成図である。 第4の光偏向素子の構成図である。 第5の光偏向素子の構成図である。 第6の光偏向素子の構成を示す断面図である。 この発明の画像表示装置の構成図である。 電界形成用抵抗体の温度に対する抵抗値の変化特性図である。
符号の説明
1;電界形成素子、2;電界形成部、3;調整抵抗部、4;基板、
5;電界形成用抵抗体、6;ライン状電極、7;低抵抗層、8;分割区間、
9;調整用抵抗、10;電源、11;分割区間、12;調整区間、
13;光偏向素子、14;配向膜、15;スペーサ、16;液晶層、
17;誘電体層、18;抵抗回路、19;抵抗、20;切替スイッチ、
21;温度センサ、22;コントローラ、23;電流測定部、25;導線、
27;導通部、30;画像表示装置、31;光源、32;拡散板、
32;コンデンサレンズ、34;透過型液晶パネル、35;光偏向手段、
36;投射レンズ、37;光源駆動制御部、38;パネル駆動制御部、
39;光偏向駆動制御部、40;主制御部、41;スクリーン。

Claims (17)

  1. 電界を形成する電界形成部を有する電界形成素子において、
    前記電界形成部は、基板と、複数のライン状電極と、電界形成用抵抗体とを有し、
    前記複数のライン状電極は、少なくとも前記基板の一方の面を複数の区間に分割するように前記基板の面上に平行に形成され、
    前記電界形成用抵抗体は、前記各ライン状電極の一部に接するように帯状に配置され、
    前記複数のライン状電極のうち任意のライン状電極は、電気的な接続に用いる接続部を設けたことを特徴とする電界形成素子。
  2. 前記接続部を有するライン状電極は、接続部を有しないライン状電極よりも電極が長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電界形成素子。
  3. 前記接続部を有するライン状電極は、他の接続部を有するライン状電極との間に少なくとも1つのライン状電極を有する位置に配置され、前記電界形成用抵抗体を複数区間に分割するライン状電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電界形成素子。
  4. 前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体は、薄膜状の抵抗体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電界形成素子。
  5. 前記電界形成素子は、さらに調整抵抗部を有し、
    前記調整抵抗部は、前記電界形成用抵抗体の各分割区間と並列に接続するように前記接続部に接続された調整用抵抗を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電界形成素子。
  6. 前記電界形成用抵抗体の各分割区間と並列に接続された各調整用抵抗と前記電界形成用抵抗体の各分割区間の抵抗値の合成抵抗が各分割区間の幅に比例するように前記各調整抵抗の抵抗値が選定されている事を特徴とする請求項5記載の電界形成素子。
  7. 前記調整抵抗部の前記調整用抵抗は、抵抗値が可変であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電界形成素子。
  8. 前記調整抵抗部は、複数の調整用抵抗と、前記複数の調整用抵抗の接続を切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の電界形成素子。
  9. 前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体近傍の温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段で測定した温度に応じて前記調整用抵抗の抵抗値を切り替えるコントローラとを有することを特徴とする請求項8に記載の電界形成素子。
  10. 前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体に流れる電流を測定する電流測定手段と、前記電流測定手段で測定した電流に応じて前記調整用抵抗の抵抗値を切り替えるコントローラとを有することを特徴とする請求項8に記載の電界形成素子。
  11. 前記電界形成部の前記電界形成用抵抗体近傍の温度を測定する温度測定手段と、前記電界形成用抵抗体に流れる電流を測定する電流測定手段と、前記温度測定手段で測定した温度及び前記電流測定手段で測定した電流に応じて前記調整用抵抗の抵抗値を切り替えるコントローラとを有することを特徴とする請求項8に記載の電界形成素子。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電界形成素子を任意に組み合わせて1対とし、前記1対の電界形成素子を一定間隔で対向させて配置した前記1対の電界形成素子の間隔内にキラルスメクチックC相を形成する液晶層を有することを特徴とする光偏向素子。
  13. 前記1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極は、略対向する位置に配置されているライン状電極であることを特徴とする請求項12に記載の光偏向素子。
  14. 前記1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極の接続部は、対向する他の電界形成素子に形成されたライン状電極との導通に用いられることを特徴とする請求項12又は13に記載の光偏向素子。
  15. 前記1対の電界形成素子の接続部を有するライン状電極以外のライン状電極は、異なる光路上に設けられていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の光偏向素子。
  16. 前記1対の電界形成素子における接続部を有するライン状電極の接続には、流動性のある導通材料を1対の電界形成素子間に充填して固めた導通部により電気的に接続したことを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の光偏向素子。
  17. 請求項12乃至請求項16のいずれかに記載の光偏向素子を有する画像表示装置であって、
    画像情報にしたがって光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子と、前記画像表示素子を照明する照明光学系と、前記光偏向素子と、前記画像表示素子から出射された画像光を偏向して投影する投影光学系とを有し、前記光偏向素子は、画像表示素子と投影光学計との間に設けられていることを特徴とする画像表示装置。
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