JP2006267906A - 光偏向素子・画像表示装置 - Google Patents

光偏向素子・画像表示装置 Download PDF

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Yukiko Hirano
由希子 平野
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Yumi Matsuki
ゆみ 松木
Keishin Aisaka
敬信 逢坂
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Abstract

【課題】温度上昇を抑制することができ、ある程度の環境の変化にも対応して安定して動作可能な光偏向素子を提供する。
【解決手段】光偏向素子は、一対の透明な基板2、3と、スペーサー4と、透明抵抗体層5、5’と、放熱層6、6’と、配向膜7、7’と、キラルスメクチックC相を形成可能な液晶層8と、透明抵抗体層5、5’に電気的に接続されたライン状の電極9、9’及び10、10’を有している。放熱層6、6’は熱伝導率の高い材料で形成されており、透明抵抗体層5、5’で生じた熱が移動して空気中や基板2、3に拡散される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気信号によって光の方向を変える光偏向素子(光偏向デバイスの概念を含む)及び該光偏向素子を有するプロジェクションディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの画像表示装置(電子ディスプレイ装置の概念を含む)に関する。
特開2003−098504号公報には、光路の断面積が大きな場合でも光路全体を均一で効率良く偏向させ、且つ簡単な構成で面積の大きな光偏向素子を実現することを課題とした構成が開示されている。
具体的に説明すると、基板面に形成した透明抵抗体の上に誘電体層が設けられ、これら誘電体層と液晶層の間に配向膜を設けられている。透明抵抗体層と導電体スペーサーが接触する部分を確保するため、誘電体層と配向膜の形成部は小さめに設定されている。透明抵抗体層と液晶層との間に誘電体層を挟むことで、透明抵抗体表面の電位分布が直接液晶層内に影響せず、電位分布が鈍って液晶層内に電界を形成する。
その結果、透明抵抗体に微小な領域の欠陥や抵抗ムラが存在する場合でも、電位ムラが鈍り、電位勾配が均一となる。なお、配向膜に誘電体層の機能を持たせることも可能である。
特開平5−216075号公報 特開平9−133904号公報 特開2003−098504号公報
特許文献3に記載されている構成の光偏向素子において、透明抵抗体層に電流が流れることによって発熱が生じ、素子の温度が上昇する場合がある。温度上昇は以下のような不具合を引き起こす恐れがある。
まず、液晶層の温度が上がると、液晶の特性が変化し、同じ条件で素子を駆動していても等しい光偏向量が得られなくなる可能性がある。温度が更に上昇して液晶の相転移温度を超えると、光偏向が行えなくなる。
また、液晶を配向させるために有機配向膜を用いている場合は、この配向膜が熱によって劣化しうるので素子の耐久性が悪化する。透明抵抗体層として抵抗温度係数が負の材料を用いている場合は、温度が上昇するほど抵抗値が下がるため、熱暴走が起きる可能性がある。
素子の温度上昇は、透明抵抗体層の単位面積あたりの消費電力と関わっている。特許文献3では、透明抵抗体層の表面抵抗率を1×10Ω/□以上とすることによって、温度上昇を10°C以下程度に抑えられると述べられている。
しかしながら、一般的に、透明抵抗体層の抵抗率は温度を始めとした周囲の環境に依存して変化する。また、製造工程における条件の変動によって、透明抵抗体層の抵抗値がある程度ばらつくことも予想され、以上の要因により抵抗率が1×10Ω/□以下となった場合は不具合が発生してしまう。装置の構成によっては、周囲の空気の対流が妨げられるような囲われた状態で素子を用いる場合もあり、そのような状況では透明抵抗体層の抵抗率が1×10Ω/□以上であっても温度上昇の問題が生じうる。
本発明は、温度上昇を抑制することができ、ある程度の環境の変化にも対応して安定して動作可能な光偏向素子及び該光偏向素子を有する画像表示装置の提供を、その主な目的とする。
光偏向素子に温度上昇を抑制する機構(機能)を備えれば、上記のような不具合や不良品発生の可能性を低くすることができる。
この着眼点の下、請求項1に記載の発明では、透明な一対の基板と、少なくとも一方の基板面に設けた透明抵抗体層と、両基板間に設けられた液晶層と、前記透明抵抗体層に接続した複数の略平行なライン状の電極とを有する光偏向素子において、放熱層が形成されていることを特徴とする。ここで、「透明」とは、光透過性の概念を含むものとする(以下同じ)。
ここではさらに、透明抵抗体層と液晶層の温度上昇を抑え、安定して動作可能で耐久性の高い光偏向素子を提供することを目的としている。
請求項2に記載の発明では、透明な一対の基板と、少なくとも一方の基板面に設けた透明抵抗体層と、両基板間隔内に設けられ層法線方向が前記基板面に対して略垂直となるキラルスメクチックC相の液晶層と、前記透明抵抗体層に接続した複数の略平行なライン状の電極とを有する光偏向素子において、放熱層が形成されていることを特徴とする。
ここではさらに、透明抵抗体層と液晶層の温度上昇を抑え、安定して動作可能で耐久性の高い光偏向素子を提供することを目的としている。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光偏向素子において、前記放熱層が前記透明抵抗体層に接触していることを特徴とする。
ここではさらに、温度上昇を抑制する効果を高めることを目的としている。
請求項4に記載の発明では、請求項1、2又は3に記載の光偏向素子において、前記放熱層の熱伝導率が40W/mK以上であることを特徴とする。
ここではさらに、温度上昇を抑制する効果を高めることを目的としている。
請求項5に記載の発明では、請求項1、2、3又は4に記載の光偏向素子において、前記放熱層が窒化アルミニウム又は酸化マグネシウムのいずれかを主成分とする材料からなることを特徴とする。
ここではさらに、簡単な構成で温度上昇抑制手段を持つ素子を作製するための放熱層材料を提示することを目的としている。
請求項6に記載の発明では、請求項1、2又は3に記載の光偏向素子において、前記放熱層が透光性を有し、光が入射する面内全体にわたって前記透明抵抗体層に接続されていることを特徴とする。
ここではさらに、均一な電界の発生を可能とし、光路全体を均一に偏向できる性能の良い光偏向素子を提供することを目的としている。
請求項7に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光偏向素子において、前記放熱層を冷却する冷却手段を有していることを特徴とする。
ここではさらに、温度上昇抑制効果を高めることを目的としている。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の光偏向素子において、前記放熱層の一部が露出しており、前記冷却手段が空冷によるものであることを特徴とする。
ここではさらに、簡単な放熱層冷却手段を提示することを目的としている。
請求項9に記載の発明では、請求項7に記載の光偏向素子において、前記放熱層の一部が露出しており、前記冷却手段が水冷によるものであることを特徴とする。
ここではさらに、簡単な放熱層冷却手段を提示することを目的としている。
請求項10に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光偏向素子において、前記放熱層が前記基板自体であることを特徴とする。
ここではさらに、温度上昇の抑制手段を備えると共に、構成が簡単で少ない作業工程で作製が可能な光偏向素子を提供することを目的としている。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の光偏向素子において、前記基板の熱伝導率が2W/mK以上であることを特徴とする。
ここではさらに、温度上昇抑制効果を高めることを目的としている。
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の光偏向素子において、前記基板がサファイア又は水晶からなることを特徴とする。
ここではさらに、放熱の機能を兼ね備える基板に適した材料を提示することを目的としている。
請求項13に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光偏向素子において、前記透明抵抗体層と前記液晶層との間に断熱層が設けられていることを特徴とする。
ここではさらに、液晶層の温度上昇を抑制する効果を高めることを目的としている。
請求項14に記載の発明では、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、各画素からの出射光の光路を偏向する光偏向素子とを有し、前記光偏向素子によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、前記光偏向素子が請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13に記載の光偏向素子であることを特徴とする。
ここではさらに、画素数の少ない画像表示素子を用いて見かけ上高精細で品質の良い画像を表示できる装置を提供することを目的としている。
請求項1又は2に記載の発明によれば、素子の持つ熱を大気中に逃がすための放熱層を形成することにより、透明抵抗体層や液晶層、配向膜等の温度上昇を抑制することができ、上述した温度上昇による種々の不具合を回避できる。
請求項3に記載の発明によれば、放熱層を発熱源である透明抵抗体層に接触させることにより、効率的に放熱することができる。
請求項4に記載の発明によれば、効率良く熱が移動し、温度上昇抑制効果を高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、放熱層の形成範囲や素子の構成に対する制約が低減されるとともに、基板上に層として形成することが容易であり、取り扱いも容易となる。
請求項6に記載の発明によれば、温度上昇を抑えることができるとともに、透明抵抗体層の温度を均一に保つことができ、電界の均一性も確保することができる。
請求項7に記載の発明によれば、熱が放熱層に留まることを防止することができ、温度上昇を効率的に抑制することができる。
請求項8に記載の発明によれば、放熱層の熱を効率よく大気中に逃がすことができる。
請求項9に記載の発明によれば、放熱層からの熱の逃げ道が得られ、素子の温度上昇を抑制することができる。
請求項10に記載の発明によれば、素子の構成を簡単なものとすることができ、素子作製の際の作業工程を減らすことができる。よって製造コストの低減を図ることができる。
請求項11に記載の発明によれば、基板を介した放熱が進み、通常のガラス基板を用いた場合よりも温度上昇を抑制できる。
請求項12に記載の発明によれば、高い熱伝導率と可視光に対する良好な透過率を得ることができ、良好な基板特性を得ることができる。
請求項13に記載の発明によれば、更に効果的に液晶層の温度上昇を抑えることができる。
請求項14に記載の発明によれば、安定して動作し耐久性が高い光偏向素子を用いることにより、品質の良い画像表示装置を得ることができる。
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図3に基づいて説明する。本明細書において、「光偏向素子」とは、外部からの電気信号により光の光路を偏向、すなわち、入射光に対して出射光を平行にシフトさせるか、ある角度を持って回転させるか、あるいは、その両者を組合せて光路を切換えることが可能な光学素子を意味する。
この説明において、平行シフトによる光偏向に対してそのシフトの大きさを「シフト量」と呼ぶ。「光偏向デバイス」とは、このような光偏向素子を含み、光の光路を偏向させるデバイスを意味する。
また、「ピクセルシフト素子」とは、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を2次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部材の間の光路を偏向する光偏向手段とを有し、光偏向手段によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示する画像表示装置における光偏向手段を意味する。
従って、基本的には、上記定義による光偏向素子や光偏向デバイスを光偏向手段として応用することが可能といえる。
図1は正面図、図2は側面図、図3は断面図である。光偏向素子1においては、一対の透明な基板2、3がスペーサー4を介して対向配置させて設けられている。基板2、3のそれぞれの内面(対向面)には放熱層6、6’が形成されており、その更に内側には透明抵抗体層5、5’が形成されている。
放熱層6、6’は熱伝導率の高い材料で形成されており、図3に矢印で示すように、熱が移動して空気中や基板2、3に拡散される。放熱層6、6’は、透明抵抗体層5、5’に直接接していて、透明抵抗体層5、5’と基板2、3の間に形成されていることが好ましいが、その形状や配置は図1〜図3に示す形態に限定されるものではない。放熱層6、6’が透明抵抗体層5、5’や後述する電極に接する場合は、放熱層6、6’が絶縁性を有している必要がある。
透明抵抗体層5、5’の内面には配向膜7、7’が形成されている。スペーサー4によって厚さを設定された2枚の基板2、3間隔内には、キラルスメクチックC相を形成可能な液晶層8が充填されている。配向膜7、7’は液晶分子を配向膜に対して垂直方向に配向させる垂直配向膜であり、キラルスメクチックC相を形成する液晶分子の層構造の層法線方向が基板面に対してほぼ垂直となるように構成されている。
ライン状の電極9、9’及び10、10’は、透明抵抗体層5、5’に電気的に接続されている。電極9と10、及び電極9’と10’は互いに間隔が一定となるように平行に配置されている。また、特に図示していないが、電極9と9’、電極10と10’は、対向する部分の一箇所で電気的に接続されている。
スペーサー4としては、数μm〜百μm程度の厚さのフィルムや、この大きさの直径の球状体などを用いることができる。電極としては金属板や金属箔、導電ペーストなどを用いることができる他、導電膜を成膜してもよい。
透明抵抗体層5、5’としては、光透過性金属酸化物や、導電性粉末・微粒子の樹脂分散膜等を用いることができる。導電性粉末・微粒子としては、金属や金属酸化物等の半導体材料が用いられる。透明抵抗体層の表面抵抗率は、1011Ω/□以下、特に1010Ω/□以下が好ましい。表面抵抗率がこの範囲より高いと、抵抗体層以外を流れるリーク電流が増加し、抵抗体としての機能を果たさなくなるため、発生する電界は不均一となる。
ここで、電源11により電極9、10間に電圧を印加すると、透明抵抗体層5、5’に電流が流れ、透明抵抗体層5、5’の内部及び表面に電位勾配が発生する。透明抵抗体層5、5’の抵抗値が均一であれば、透明抵抗体層5、5’表面の電位は図1中のZ方向に対して直線的な分布となる。
この電位勾配によって液晶層8内部の平面方向(Z方向)に均一な電界(水平電界)が発生する。印加する電圧の極性などを切換えることで、液晶層8内部の水平電界の向きを切換えることができる。この水平電界の切換えによって、液晶層8の平均的な光学軸の傾斜方向が変化し、Y方向に直線偏光した入射光は液晶層厚及び液晶分子の常光/異常光屈折率に応じた光路シフトを受ける。その結果として、図2に示した第一出射光と第ニ出射光のように、電界方向を反転させることで光路を切換えることが可能となる。
ここで、液晶層8に関して詳細に説明する。「スメクチック液晶」は液晶分子の長軸方向を層状に配列してなる液晶層である。このような液晶に関し、上記層の法線方向(層法線方向)と液晶分子の長軸方向とが一致している液晶を「スメクチックA相」、法線方向と一致していない液晶を「スメクチックC相」と呼んでいる。
スメクチックC相よりなる強誘電液晶は、一般的に外部電界が働かない状態において各層毎に液晶ダイレクタ方向が螺旋的に回転しているいわゆる螺旋構造をとり、「キラルスメクチックC相」と呼ばれる。また、キラルスメクチックC相反強誘電液晶は各層毎に液晶ダイレクタが対向する方向を向く。これらのキラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を分子構造に有し、これによって自発分極しているため、この自発分極Psと外部電界Eにより定まる方向に液晶分子が再配列することで光学特性が制御される。
なお、本実施形態では、液晶層8として強誘電液晶を例にとり光偏向素子1の説明を行うが、反強誘電液晶の場合にも同様に使用することができる。キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶の構造は、主鎖、スペーサー、骨格、結合部、キラル部などよりなる。主鎖構造としてはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリオキシエチレンなどが利用可能である。スペーサーは分子回転を担う骨格、結合部、キラル部を主鎖と結合させるためのものであり、適当な長さのメチレン鎖等が選ばれる。また、カイラル部とビフェニル構造など剛直な骨格とを結合する結合部には−COO−結合等が選ばれる。
キラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶8は、配向膜7により基板2、3面に垂直に分子螺旋回転の回転軸が向いており、いわゆるホメオトロピック配向をなす。配向膜7としては、シランカップリング剤や市販の液晶用垂直配向材などを用いることができる。
均一な電界の発生を可能とするために、透明抵抗体層5、5の表面抵抗率は1011Ω/□以下、特に1010Ω/□以下が好ましいと述べたが、逆に抵抗率が低過ぎる場合は、消費電力が増加して発熱が問題となる。
透明抵抗膜(透明抵抗体層5、5)の発熱によって素子の温度が上昇すると、液晶の特性変化や配向膜の劣化を引き起こし、素子の安定した動作が継続できなくなる。
本実施形態では、この不具合を回避するため、素子に放熱層を設けたことを特徴とする。透明抵抗体層5、5’で発生した熱は、放熱層6、6’を伝わり大気に、あるいは基板2、3を介して大気中へ放出されるため、素子の温度上昇が抑制される。
発生した熱の多くを放出するためには、放熱層6、6’が熱源である透明抵抗体層5、5’に直接接触していることが好ましい。
効率の良い熱の移動のためには、放熱層6、6’の熱伝導率が40W/mK以上であることが好ましい。熱伝導率の点ではAg(428W/mK)、Au(319W/mK)、Al(236W/mK)、Cu(403W/mK)等の金属やこれらを主成分とする金属薄膜が適しているが、電気伝導性があるため、放熱層6、6’が透明抵抗体層5、5’や電極に接しない構造の場合にしか用いることはできない。上記の金属の中では、Agの熱伝導率が最も高く適している。
電気的な絶縁性を有する放熱層6、6’の材料としては、BeO(251W/mK)、MgO(41.9W/mK)、AlN(200W/mK)、SiC(〜500W/mK)、WC(〜120W/mK)やこれらの複合材料等が挙げられる。
本実施形態のように、光が通過する部位に放熱層6、6’が形成されており、且つ透過率の低い材料を放熱層6、6’に用いている場合は、素子を透過した光の強度を確保するために放熱層6、6’の厚さを薄くする必要がある。一方、放熱層6、6’が薄くなるほど放熱の効果は下がるため、放熱層6、6’の厚さに関しては目標仕様に応じて検討が必要である。
可視光に対する透過率の高さ、高熱伝導率、基板上に層として形成する容易さ、取り扱い易さ(毒性がない)、などの点から考えて、本実施形態の放熱層材料としてはMgO、AlNが適している。
均一な電界を形成するためには、透明抵抗体層5、5’の抵抗値が均一である必要がある。抵抗値は温度によって変化するため、透明抵抗体層5、5’の温度を均一に保つことが好ましく、そのためには光が入射する面内全体にわたって放熱層6、6’を形成すると良い。
この場合は、放熱層6、6’が透光性を有している必要がある。本実施形態はこの条件を満たす一例である。
熱源である透明抵抗体層5、5’で発生した熱が放熱層6、6’に移動した後、その熱が速やかに大気や基板2、3に拡散されないと、熱が放熱層6、6’に留まり、温度が上昇する恐れがある。放熱層6、6’を冷却する機構(手段)を備えることにより、放熱層6、6’に熱が留まることを防いで放熱の機能を高め、素子の温度上昇をよりよく抑制することができる。
具体的には、放熱層6、6’の一部が露出した素子構造とし、その部分を空冷あるいは水冷によって冷却する方法が考えられる。
この考えに基づいた第2の実施形態を図4及び図5に示す。
本実施形態では、一方の基板2が下方へ延長されているとともにこれに対応した放熱層6が延長されて露出されており、その露出した部分に、ファン12aによる空冷方式の冷却手段12が取り付けられている。ファン12aと放熱層6との間には、空気を取り入れ可能な囲い部材12bが設けられている。
冷却手段12による強制的な気流形成により、放熱層6の露出部分の冷却が効率的になされ、結果的に素子全体の冷却がなされる。
図6及び図7は、水冷により放熱層を冷却する場合の一例である(第3の実施形態)。
本実施形態では、第2の実施形態と同様に一方の基板2が下方へ延長されているとともにこれに対応した放熱層6が延長されて露出されており、その露出した部分に、水冷方式の冷却手段13が設けられている。
冷却手段13は放熱層6の表面に接触して設けられ、内部には水等の冷却媒体を循環させる流路13aが形成されている。冷却手段13には、図示しない外部の冷却水循環装置により冷却水が供給される。
図8に第4の実施形態を示す。
本実施形態では、透明な基板2、3に熱伝導率の高い材料を用いることにより、特別に放熱層を設けることなく、素子に放熱の機能を付与している。
この方法によれば、放熱層を特別に設ける必要が無いため、少ない作業工程で放熱の機能を持つ素子を作製できる。
熱伝導率が2W/mK以上の材料からなる基板を用いれば、一般的な石英ガラスや光学ガラス(0.546〜1.126W/mK)からなる基板よりも熱が速やかに基板を介して大気中に放出され、素子の温度上昇を抑制することができる。
具体的には、サファイア(46W/mK)や水晶(5.4〜9.3W/mK)からなる基板を用いることができる。
図9に第5の実施形態を示す。
本実施形態では、基板2、3と透明抵抗体層5、5’の間に放熱層6、6’を形成すると共に、透明抵抗体層5、5’と配向膜7、7’の間に断熱層14、14’が設けられている。断熱層14、14’があるために、透明抵抗体層5、5’で発生した熱の液晶層8への移動が妨げられ、より効果的に液晶層8の温度上昇を抑えることができる。
放熱層6、6’を形成せずに断熱層14、14’を設けても、液晶層8の温度上昇を抑えることは可能だが、熱の移動が妨げられることによって透明抵抗体層5、5’の温度は上昇してしまうので、放熱層6、6’と断熱層14、14’は組み合わせて設けると効果的である。
断熱層14、14’としては、絶縁性と光透過性を有し、熱伝導率の低い材料を用いることが好ましい。透明な樹脂やプラスチックを用いることもできるが、他の製造工程において熱処理の必要がある場合はこれらの利用は難しい。手に入り易く、形成の容易さ等も考慮すると、石英ガラスや透明セラミックが好ましいと考えられる。これらは、透明抵抗体層5、5’上に成膜してもよいし、カバーガラスを貼り付けることもできる。あるいは、空気層を形成してもよい。
図10に基づいて第6の実施形態(画像表示装置への適用例)を説明する。本実施の形態は、画像表示装置への適用例を示す。図10において、符号15はLEDランプを2次元アレイ状に配列した光源を示しており、この光源15からスクリーン20に向けて発せられる光の進行方向には拡散板16、コンデンサレンズ17、画像表示素子としての透過型液晶パネル18、画像パターンを観察するための光学部材としての投射レンズ19が順に配設されている。
符号21は光源15に対する光源ドライブ部、22は透過型液晶パネル18に対するドライブ部を示す。
透過型液晶パネル18と投射レンズ19との間の光路上には、ピクセルシフト素子として機能する光偏向手段23が介在されており、ドライブ部24に接続されている。このような光偏向手段23として、上述した光偏向素子が用いられている。
光源ドライブ部21で制御されて光源15から放出された照明光は、拡散板16により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ17により液晶ドライブ部22で照明光源と同期して制御されて透過型液晶パネル18をクリティカル照明する。
この透過型液晶パネル18で空間光変調された照明光は、画像光として光偏向手段23に入射し、この光偏向手段23によって画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされる。この光は投射レンズ19で拡大されスクリーン20上に投射される。
光偏向手段23により画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、透過型液晶パネル18の見掛け上の画素数を増倍して表示する。このように光偏向手段23によるシフト量は透過型液晶パネル18の画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行うことから、画素ピッチの1/2に設定される。
シフト量に応じて透過型液晶パネル18を駆動する画像信号をシフト量分だけ補正することで、見掛け上高精細な画像を表示することができる。この際、光偏向手段23として、前述した各実施形態のような光偏向素子を用いているので、安定して動作し耐久性が高い画像表示装置を得ることができる。
(比較例1)
大きさ6cm×7cm、厚さ1mmのガラス基板に対し、金属マスクの上からクロムを0.1μmスパッタし、一対の電極を形成した。電極の形状は、基板の長辺に平行とし、4cmの間隔をあけて配置した。次に、厚さ0.2μmの酸化スズ膜を、図1〜図3に示したものと類似の領域にスパッタし、透明抵抗体層とした。
ターゲットには酸化スズの焼結体を用いた。スパッタ中はアルゴンガスと酸素を流し、酸素流量比を約95%とした。成膜中の基板温度は100度に保った。この透明抵抗体層の表面抵抗率は約5×10Ω/□であった。
上記の工程が施された基板2枚を用い、セルを作製した。まず、透明抵抗体層の表面をシランカップリング剤で処理し、垂直配向膜を形成した。次に、厚さ50μmのマイラーシートをスペーサーとし、垂直配向膜を内面にして2枚の基板を張り合わせた。セルを約90度に加熱した状態で、2枚の基板間に強誘電性液晶(チッソ製CS1029)を毛管法にて注入した。
冷却後、接着剤で封止し、光偏向素子を得た。この素子の透過率を測定したところ、可視光の波長領域全体にわたって透過率は90%以上となっていた。ただし、基板の外側の面はARコート処理がなされている。
光偏向素子の入射面側に5μm幅のライン/スペースのマスクパターンを設け、このマスクパターンを通して直線偏光で照明した。直線偏光の向きは、電極の長手方向と同一に設定した。マスクパターンを透過した光を顕微鏡で観察したところ、無電界時にはマスクパターンがそのまま観察された。2つの電極の一方を接地し、もう一方に+2000Vの電圧を印加したところ、ライン/スペースパターンが電極の長手方向に約2.5μmシフトして観察された。マスクパターンや光偏向素子、顕微鏡は機械的に静止しているので、電気的に光路がシフトしていることが確認できた。もう一方に−2000Vの電圧を印加したところ、逆方向に約2.5μmシフトした。パルスジェネレータと高速パワーアンプを用いて、±2000Vの矩形波電圧を印加したところ、ピーク対ピークで約5μmの光路シフトが確認できた。ライン/スペースの幅が5μmであるため、あたかもラインとスペースの明暗が反転するように観察された。すなわち、5μm幅のスペース部分をライトバルブのピクセルとすれば、簡単な構成の光偏向素子により、一つのピクセルが見かけ上2つのピクセルに増倍することを確認できた。
しかし、駆動を開始してから2分後に液晶層の一部が白濁し始め、徐々に白濁が全体に広がっていった。白濁した部分の透過率は悪化し、液晶が電界に対して反応しなくなるため、光路シフトも観測できなくなった。これは、液晶層の温度が上昇し、液晶が相転移を起こしたためと考えられる。
(実施例1)
比較例1と同様のガラス基板の全面に、スパッタリング法によって厚さ0.2μmのMgO膜を形成し、これを放熱層とした。続けて、比較例と同じ手順で、電極と透明抵抗体層を形成した。透明抵抗体層の表面抵抗率は約5×10Ω/□であった。次に、上記の工程が施された基板2枚を用い、比較例1と同様にセルを作製した。
このセルを±2000Vの矩形波電圧で2時間にわたって駆動し続けたが、液晶の状態やシフト量に変化は無く、素子の動作は安定していた。比較例1では透明抵抗体層がガラス基板(熱伝導率0.546〜1.126W/mK)に接しているのに対し、実施例1では熱伝導率が41.9W/mKのMgOからなる放熱層を透明抵抗体層に接続したことで温度上昇が抑制された。
これにより、透明抵抗体層の抵抗率が、成膜条件や周囲の環境の変化によって5×10Ω/□まで下がったとしても安定して動作する素子を得ることができた。
(比較例2)
比較例1と同様のガラス基板の全面に、スパッタリング法によって厚さ0.2μmのSiAlON膜を形成し、これを放熱層とした。続けて、比較例と同じ手順で、電極と透明抵抗体層を形成した。
透明抵抗体層の表面抵抗率は約5×10Ω/□であった。次に、上記の工程が施された基板二枚を用い、比較例1と同様にセルを作製した。この素子を±2000Vの矩形波電圧で駆動したところ、約5分後に液晶の一部が白濁した。SiAlONの熱伝導率は約20W/mKである。実施例1で用いたMgOより熱伝導率が低い材料を用いて放熱層を形成したため、温度上昇抑制の効果が十分ではなく、液晶層の温度が上昇したと考えられる。
(実施例2)
6cm×15cmと6cm×7cmの大きさの基板を用いた以外は比較例1と同様にして光偏向素子を作製した。放熱層は厚さ0.2μmのMgO膜とし、透明抵抗体層の表面抵抗率は約5×10Ω/□である。放熱層は基板全体に対して形成されているため、一部は露出した状態となる。その部分に空冷ファンを用いた冷却手段を取り付け、図4及び図5に類似の構成の素子とした。
この素子を、±2000Vの矩形波電圧で駆動し続けたが、2時間以上経っても液晶の状態やシフト量に変化は無かった。印加電圧を±2500Vとしても、動作は安定していた。放熱層を冷却する機構を取り付けたことで、より高い電圧でセルを駆動した場合でも安定して動作する素子を得ることができた。
(実施例3)
実施例2と同様にして、放熱層、電極、透明抵抗体層を順に基板上に形成した。透明抵抗体層の表面抵抗率は約5×10Ω/□であった。透明抵抗体層が形成されている領域全体に、厚さ150μmのカバーガラスを厚み10μmの光学用UV接着剤で全面に貼付け、これを断熱層とした。カバーガラスの表面をシランカップリング剤で処理し、垂直配向膜を形成した。以上の処理を施した基板2枚を用い、実施例1と同様の手順で図6及び図7に類似の光偏向素子を作製した。
この素子を、±2000Vの矩形波電圧で駆動し続けたが、2時間以上経っても液晶の状態やシフト量に変化は無かった。周囲をプラスチック板で囲い、素子周辺の空気の流れが妨げられる状況を作っても、動作は安定していた。断熱層を形成したことにより、温度が上昇しやすい環境においても安定して動作する素子を得ることができた。
(実施例4)
基板に、大きさ6cm×7cm、厚さ1mmのサファイア基板を用いた以外は、比較例1と同様にしてセルを作製した。この素子を、±2000Vの矩形波電圧で駆動し続けたが、2時間以上経っても液晶の状態やシフト量に変化は無かった。
印加電圧を±2500Vとしても、動作は安定していた。一般的に用いられるガラス基板より熱伝導率の高い基板を用いることで、温度上昇が抑制されることが確認できた。
(実施例5)
図10に示したような画像表示装置を作成した。画像表示素子として対角0.9インチXGA(1024×768ドット)のポリシリコンTFT液晶パネルを用いた。画素ピッチは縦横ともに約18μmである。画素の開口率は約50%である。
また、画像表示素子の光源側にマイクロレンズアレイを設けて照明光の集光率を高める構成とした。本実施例では、光源としてRGB3色のLED光源を用い、上記の1枚の液晶パネルに照射する光の色を高速に切換えてカラー表示を行う、いわゆるフィールドシーケンシャル方式を採用している。本実施例では、画像表示のフレーム周波数が60Hz、ピクセルシフトによる4倍の画素増倍のためのサブフィールド周波数が4倍の240Hzとする。一つのサブフレーム内をさらに3色分に分割するため、各色に対応した画像を720Hzで切換える。
液晶パネルの各色の画像の表示タイミングに合わせて、対応した色のLED光源をON/OFFすることで、観察者にはフルカラー画像が見える。
光偏向素子の基本構成は実施例3と同様であるが、スペーサーの厚さを90μmとして、光路シフト量が約9μmになるように設定した。ライン電極の電源接続部に、パルスジェネレータと高速パワーアンプを用いて±2000Vの矩形波電圧を印加できるようにした。
この素子を2枚用い、入射側を第一の光路偏向素子、出射側を第二の光路偏向素子とした。互いの電極の方向が直交し、画像表示素子の画素の配列方向に一致するように配置した。さらに、第一及び第二の光路偏向素子の間に偏光面回転素子を設けた。
偏光面回転素子としては、まず、薄いガラス基板(7cm×9cm、厚さ0.15mm)上にポリイミド系の配向材料をスピンコートし、約0.1μmの配向膜を形成した。ガラス基板のアニール処理後、ラビング処理を行った。2枚のガラス基板の間の周辺部に8μm厚のスペーサーを挟み、ラビング方向が直交するように上下基板を張り合わせて空セルを作製した。
このセルの中に、誘電率異方性が正のネマチック液晶にカイラル材を適量混合した材料を常圧下で注入し、液晶分子の配向が90度捻じれたTN液晶セルを作成した。このセルには電極を設けていないため、単なる偏光回転素子として機能する。第一の光偏向素子から出射した光の偏光面と偏光回転素子の入射面のラビング方向が一致するように、二つの光偏向手段の間に挟んで配置した。偏光面回転素子により第一の光偏向素子からの出射光の偏光面が90度回転し、第二の光偏向素子の偏向方向に一致する。
第一偏向素子、偏光面回転素子、第二偏向素子からなる光路偏向装置を液晶ライトバルブの直後に設置した。また、本実施例では液晶表示素子からの出射光が既に直線偏光であり、その偏光方向が第一の光路偏向素子の光路偏向方向と一致するように配置されているが、光路偏向素子への入射光の偏光度を確実にするために、光路偏向素子の入射面側に直線偏光板を設けた。
光偏向素子を駆動する矩形波電圧の周波数を120Hzとし、2枚の縦と横の位相を90度ずらして、4方向に画素シフトするように駆動タイミングを設定した。画像表示素子に表示するサブフィールド画像を240Hzで書き換えることで、縦横二方向に見かけ上の画素数が4倍に増倍した高精細画像が表示できた。
実施例3に記載の光偏向素子を用いることにより、長時間連続で駆動させても安定して正常に動作する画像表示装置を得ることができた。
本発明の第1の実施形態における光偏向素子の正面図である。 同側面図である。 同断面図である。 第2の実施形態における光偏向素子の正面図である。 同側面図である。 第3の実施形態における光偏向素子の正面図である。 同側面図である。 第4の実施形態における光偏向素子の断面図である。 第5の実施形態における光偏向素子の断面図である。 第6の実施形態における画像表示装置の概要構成図である。
符号の説明
2、3 基板
5、5’ 透明抵抗体層
8 液晶層
9、9’、10、10’ 電極
12、13 冷却手段
14、14’ 断熱層
15 光源
18 画像表示素子としての透過型液晶パネル
19 光学部材としての投射レンズ
22 表示駆動手段としてのドライブ部

Claims (14)

  1. 透明な一対の基板と、少なくとも一方の基板面に設けた透明抵抗体層と、両基板間に設けられた液晶層と、前記透明抵抗体層に接続した複数の略平行なライン状の電極とを有する光偏向素子において、
    放熱層が形成されていることを特徴とする光偏向素子。
  2. 透明な一対の基板と、少なくとも一方の基板面に設けた透明抵抗体層と、両基板間隔内に設けられ層法線方向が前記基板面に対して略垂直となるキラルスメクチックC相の液晶層と、前記透明抵抗体層に接続した複数の略平行なライン状の電極とを有する光偏向素子において、
    放熱層が形成されていることを特徴とする光偏向素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層が前記透明抵抗体層に接触していることを特徴とする光偏向素子。
  4. 請求項1、2又は3に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層の熱伝導率が40W/mK以上であることを特徴とする光偏向素子。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層が窒化アルミニウム又は酸化マグネシウムのいずれかを主成分とする材料からなることを特徴とする光偏向素子。
  6. 請求項1、2又は3に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層が透光性を有し、光が入射する面内全体にわたって前記透明抵抗体層に接続されていることを特徴とする光偏向素子。
  7. 請求項1又は2に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層を冷却する冷却手段を有していることを特徴とする光偏向素子。
  8. 請求項7に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層の一部が露出しており、前記冷却手段が空冷によるものであることを特徴とする光偏向素子。
  9. 請求項7に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層の一部が露出しており、前記冷却手段が水冷によるものであることを特徴とする光偏向素子。
  10. 請求項1又は2に記載の光偏向素子において、
    前記放熱層が前記基板自体であることを特徴とする光偏向素子。
  11. 請求項10に記載の光偏向素子において、
    前記基板の熱伝導率が2W/mK以上であることを特徴とする光偏向素子。
  12. 請求項11に記載の光偏向素子において、
    前記基板がサファイア又は水晶からなることを特徴とする光偏向素子。
  13. 請求項1又は2に記載の光偏向素子において、
    前記透明抵抗体層と前記液晶層との間に断熱層が設けられていることを特徴とする光偏向素子。
  14. 少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が2次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、各画素からの出射光の光路を偏向する光偏向素子とを有し、前記光偏向素子によりサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示する画像表示装置において、
    前記光偏向素子が請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13に記載の光偏向素子であることを特徴とする画像表示装置。
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