JPH09113908A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH09113908A
JPH09113908A JP7295892A JP29589295A JPH09113908A JP H09113908 A JPH09113908 A JP H09113908A JP 7295892 A JP7295892 A JP 7295892A JP 29589295 A JP29589295 A JP 29589295A JP H09113908 A JPH09113908 A JP H09113908A
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JP
Japan
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light
liquid crystal
crystal display
light guide
electrode
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JP7295892A
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English (en)
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Tetsuo Muto
哲夫 武藤
Osamu Nakamura
修 中村
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度が高く、低消費電力の液晶表示装置を提
供する。 【解決手段】 光源として冷陰極蛍光管11を用い、そ
の電極としてイットリウム或いは抵抗率の低い電子放出
性の酸化イットリウムを基体表面に形成した電極12を
用い、導光板16の側方にこの冷陰極蛍光管11を配置
する。導光板16の表面には、光ガイドシステム15が
設けられて、導光板16の出射光が光ガイドシステム1
5で導光板16に垂直な平行光となるようにした。この
ような構成としたことにより、光の利用効率が向上する
と共に、光源の輝度が飛躍的に向上するため、低消費電
力で高輝度の液晶表示装置を実現することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、照明装置および
それを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】液晶
表示装置(以下、LCDと称する)は、薄型軽量で携帯
性に優れているという特徴を生かしてノートパソコンや
ポケットTVなどの各種の機器に幅広く使用されてい
る。これまで、LCDは、CRTやプラズマディスプレ
イに比較して、薄型軽量であることに加えて、低消費電
力であるなどの利点を有しており、特に、近年では、液
晶ディスプレイの大画面化が図られている。このような
LCDでは、液晶ディスプレイ自体が発光機能を持たな
いために、照明装置としてのバックライトを備えてい
る。通常、バックライトユニットは、図19に示すよう
に、冷陰極管蛍光ランプでなる光源1と、この光源1を
側方に配置する導光板2と、導光板2と対向する拡散板
3と、から大略構成される、エッジライト方式のもの
と、図20に示すように、容器状のリフレクタ4に光源
5を収納し、リフレクタ4の上方に拡散板6が配置され
た、直下方式のバックライトユニットがある。
【0003】上記したエッジライト方式は、導光板2の
エッジに光源1を設置し、導光板2に入った光をグラデ
ーション印刷ドットなどで散乱させ導光板2上面に光を
向け、さらに拡散板3で均一化し、面光源とする方式で
ある。しかし、この面光源の光は、液晶パネルの視野角
以上に広がっており、場合によってはプリズムシートで
集光させる必要がある。この方式では、薄型化の点で有
利だが消費電力が大きいという問題がある。例えば、
2.5インチ用バックライトパネルで、消費電力は1.5
W程度である。
【0004】上記した直下方式のバックライトユニット
では、光源5からの光は、リフレクタ4で反射され、上
面側を照射する。この光は、拡散板6で均一化される。
この直下方式の場合、光の利用効率はエッジライト方式
より多少良くなるが、厚みが大きくなるという問題があ
る。また、より高い輝度を要求される場合、熱陰極管が
使用されるが、この場合、冷陰極管を使用した場合より
さらに厚い構造となる問題がある。バックライトの厚み
が大きくなることは、ポケットTVやノートパソコンな
どの携帯品におけるバックライトユニットの要求に見合
うものではない。また、直下方式のバックライトは消費
電力もエッジライト方式のものより有利であるが、携帯
用の機器に用いるにはまだ大きいものである。
【0005】このようにエッジライト方式および直下方
式の何れのバックライトユニットも、低消費電力の点で
不十分である。これは、冷陰極管の発光効率が悪いこと
と、光学部品での光の利用効率が悪いことに起因してい
る。
【0006】ところで、大画面表示ができる液晶表示装
置として、液晶プロジェクタが知られているが、この液
晶プロジェクタは液晶ディスプレイの重要な応用分野の
1つであり、直視型CRTでは得られない迫力・臨場感
ある大画面映像を手軽に楽しむことができる。この液晶
プロジェクタは、光源体から発光される光を球面リフレ
クタで反射し、コンデンサランプで平行光にしてLCD
を透過させ、倍率可変の拡大レンズによりLCDの表示
画像をスクリーン上に投影するようになっている。
【0007】しかしながら、このような液晶プロジェク
タでは、光源としてキセノンランプやメタルハライドラ
ンプなどのアーク放電ランプを用いているため、高電圧
が必要であり、消費電力が大きく、加えて電源回路が高
価であり、装置自体が大きく、狭い空間では十分な大き
さの表示に投射できないなどの問題がある。
【0008】この発明の一つの課題は、薄型で消費電力
の低い照明装置を得るにはどのような手段を講じればよ
いかという点にある。また、この発明の他の課題は、低
電圧化、低消費電力化、および小型化を可能にする、液
晶表示装置を得るにはどのような手段を講じればよいか
という点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
照明装置において、抵抗率が1000Ω・cm以下のY2
3-z又はY(Yはイットリウム元素、Oは酸素元素、z
は0.00〜0.80の間の値)からなる電子放射性物
質が基体上に設けられた電極を備えた冷陰極蛍光管から
なる光源と、入射される光の方向を所定方向に規制し出
射させる光方向規制手段と、を備えることを特徴として
いる。この発明では、電子放射性物質として電気伝導性
のイットリウム酸化物やイットリウムを用いているの
で、蛍光菅の管壁ヘのスパッタが低減され発光寿命を長
くすることができ、さらに、低い放電電圧でより高い輝
度で発光効率が良好な発光を実現することができる。さ
らに光方向規制手段により、冷陰極蛍光管から出射され
る光の方向を所定方向に規制することができるため、所
定方向に対する光の利用効率を向上させることができ
る。ここで冷陰極蛍光管とは、管内に水銀と希ガス等が
封入され、管壁に蛍光材料を設け、所定の電圧が印加さ
れて冷電子の放出(coldemission)を起こさせる発光管を
いう。
【0010】請求項2記載の発明では、前記電子放射性
物質は電極の表面部に単層で設けられ、前記基体は酸素
元素を含まない導電性部材からなることを特徴としてい
る。請求項2記載の構成の電極であるため、簡易な構造
で形成することができ、電子放射性物質が劣化しにくい
ので良好な発光特性を得ることができる。
【0011】請求項3記載の発明では、前記Y2
3-zは、その結晶格子が主に単純立方格子であることを
特徴としている。請求項3記載の発明では、Y23-z
単純立方格子になることで、放電電圧が低く、輝度の高
い冷陰極蛍光管とすることができる。
【0012】請求項4記載の発明では、前記電子放射性
物質は、その膜厚が4500Å〜45000Åであるこ
とを特徴としている。
【0013】請求項5記載の発明では、前記光方向規制
手段は、前記光源から入射された光を所定表面まで導く
平面状の導光板と、前記導光板から入射された光を前記
導光板の前記所定表面の略法線方向に集光させる集光シ
ートと、を備えることを特徴としている。請求項5記載
の発明において、平面状の導光板と導光板に集光シート
とを設けることにより薄型構造で、均一な光量の面発光
が容易に実現できる。
【0014】請求項6記載の発明では、一対の基板間に
液晶が挟まれてなる液晶表示部と、抵抗率が1000Ω
・cm以下のY23-z又はY(Yはイットリウム元素、O
は酸素元素、zは0.00〜0.80の間の値)からな
る電子放射性物質を有する電極を備えた冷陰極蛍光管か
らなる光源と、入射された光を前記液晶表示部の表示面
の略法線方向に集光させる光方向規制手段とを備えるこ
とを特徴としている。このようなバックライト型液晶表
示装置は一般に全体の消費電力に対するバックライトの
消費電力が高く、バッテリーを小型化することが困難な
ため携帯性に問題があったり、バッテリーを小型化にし
て表示時間を短縮させていたが、請求項6記載の発明に
おける液晶表示装置は、光方向規制手段が導電性イット
リウム酸化物あるいはイットリウムからなる高発光特性
の冷陰極蛍光管から生じる光の方向を液晶表示部の表示
面の略法線方向に向けて発光させるので表示面に対し高
コントラストな表示を行なうことができ、外光のあると
ころで視認する場合でも外光の表示面の照り返しに対し
液晶表示装置の発光が相対的により強くなるので、容易
に表示が見やすく、さらにバックライトの消費電力に対
する発光効率がいいので、バックライト及びバッテリー
の小型化が容易で携帯性に優れ、バッテリーの交換なし
に長時間表示することができる。
【0015】請求項7記載の発明では、前記光源は、そ
の電子放射性物質が前記電極の表面部に形成された直管
型或いは平板型の薄型冷陰極蛍光管であり、前記光方向
規制手段は、前記光源から入射された光を所定表面まで
導く導光板と、人射された光を前記導光板の前記所定表
面の略法線方向に集光させて液晶表示部に出射する第1
規制手段と、前記導光板と前記第1規制手段との間に配
置され、前記導光板の前記所定表面から出射された光を
前記第1規制手段に入射させる第2規制手段と、を備え
ることを特徴としている。請求項7記載の液晶表示装置
では、直管型或いは平板型の薄型冷陰極蛍光管及び導光
板を用いることにより、冷陰極蛍光管を液晶表示部に重
ね合わせた導光板の少なくとも一側面側に設けるだけで
面発光をすることができ、より携帯性が向上された構造
が可能になる。
【0016】請求項8記載の発明では、前記液晶表示部
は、マトリクス状に配列された複数の画素電極及びそれ
らに各々接続されたスイッチング素子を備え、前記第1
規制手段は、光透過性の基層表面に前記画素電極に応じ
て設けられた複数のマイクロレンズを備え、前記第2規
制手段は、前記導光板と前記第1規制手段との間に前記
複数のマイクロレンズに応じて柱形状に配置されてな
り、前記導光板と前記第1規制手段と前記第2規制手段
とは、それらの屈折率が実質的に等しいことを特徴とし
ている。請求項8記載の発明において、マトリクス状に
配列された画素電極及びスイッチング素子をもうけるこ
とにより高時分割な表示を行なうことができ、この画素
電極に応じてマイクロレンズを設け、導光板と第1規制
手段と第2規制手段との屈折率が実質的に等しくしたの
で、冷陰極蛍光管からなる光源から各画素電極に出射さ
れる光が進行方向に指向性があまりない強発光にも拘ら
ず、光の進行方向及び光量を実質的に等しくすることが
でき、均一かつ高精細な表示特性が得られる。
【0017】請求項9記載の発明では、前記液晶表示部
の前方には、前記液晶表示部に表示された画像を拡大さ
せる投写光学系と拡大された画像が投影されるスクリー
ンとが配列されることを特徴としている。請求項9記載
の液晶表示装置では、高輝度発光の光源を用いているの
で、画像が投写光学系で拡大されてスクリーンに投影さ
れても良好な輝度を保持することができる。また、バッ
クライトが大きいと液晶表示装置全体が大きくなってし
まい、狭い空間でより大きい画像を表示させるため、投
写光学系とスクリーンとの距離を縮めて拡大させるので
スクリーン上の投影画像の端部がより歪んでしまうの
を、本願の液晶表示装置では光源を小型にし、液晶表示
装置を薄型化にすることができるので、投写光学系とス
クリーンとの距離に余裕を持たせて拡大による歪みが抑
制された表示を行なうことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る照明装置お
よび液晶表示装置の詳細を図面に示す各実施形態に基づ
いて説明する。 (実施形態1)この発明における照明装置は電極とし
て、電極基板の表面に希土類元素、或いは希土類元素の
電気伝導性酸化物でなる膜を形成し、放電電圧の上昇を
抑制し、低消費電力化を図ったものである。本実施形態
では、希土類元素として、イットリウム(Y)を用い
て、以下の手順で冷陰極管用電極を形成している。
【0019】(1) まず、インコネル601(Ni−
Cr系材料)でなる電極基体を用意し、これを洗浄す
る。 (2) 次に、例えば抵抗加熱や電子ビームなどによ
り、電極基体表面に、イットリウム膜を蒸着し、約30
00〜30000Åの膜厚に成膜する。 (3) その後、電極基体を水素雰囲気(酸素は1体積
%以下、望ましくは1000ppm以下、さらに望まし
くは100ppm以下存在する。また、1ppm〜10
0ppmのH2Oが存在する)下で、常温から100℃
/15分〜100℃/5分の割合で昇温し、600℃で
15分間乃至60分間で昇温させる。
【0020】上記した(2)までの工程によりイットリ
ウム膜を設けた電極ができ、また(3)までの工程を経
ることにより、イットリウム膜は酸化されて導電性の酸
化イットリウム(Y23-z)となり、非化学量論比の構
造となる。zは0.00〜0.80の間の数値であり、
望ましくは0.06〜0.60の間の数値、さらに望ま
しくは0.10〜0.40の間の数値である。すなわ
ち、YとOとの組成比は、Yが1に対し、Oが1.10
〜1.50、望ましくは1.20〜1.47、さらに望
ましくは1.30〜1.45となる。これは結晶格子中
の酸素の欠損に起因するものである。なお、イットリウ
ムが酸化されていることを判断するには、物質に光やX
線のような電磁波、電子やイオンのような荷電粒子ある
いは励起原子をあて、これによって発生する電子の運動
量分布あるいは運動エネルギー分布、さらにはその角度
分布などを測定して物質の物理状態を調べる、電子分光
法(ESCA)を行うことで判断することができる。こ
の他に、オージェ、EPMAなどの分析を行うことによ
っても、イットリウムが酸化されていることを判断する
ことができる。ここでイットリウム膜は極めて酸化され
やすいので(1)〜(3)の工程では、できる限り酸素
のない雰囲気で行うのが望ましい。
【0021】なお、図1は、酸化する前の膜厚が300
0Åのイットリウム膜が水素雰囲気中で酸化された約4
500Åの膜厚の酸化イットリウムのX線回折パターン
を示している。また、図2は、本実施形態に含まれる、
酸化する前の膜厚が5001Å〜30000Åのイット
リウム膜が水素雰囲気中で酸化された膜厚が7501Å
〜45000Åの酸化イットリウムのX線回折パターン
を示している。
【0022】図1に示した、4500Åの膜厚の酸化イ
ットリウム場合、基板材料を示すピーク以外の全てのピ
ークからその結晶格子は体心立方格子と指数づけされ、
格子定数は10.60Åであり、バルクの値10.60
Åと有意差がない。また、膜厚が4501Å〜7500
Åの酸化イットリウムの場合は、図10に示すように、
上記した(3)の工程の後、(420)面等が消滅し、
結晶格子は体心立方格子或いは単純立方格子と指数づけ
され、格子定数は10.60Å或いは14.86Åであ
る。さらに、膜厚が7501Å〜45000Åの酸化イ
ットリウムの場合、図2に示すようなX線回折パターン
となる。したがって、図1〜図3を比較すると、酸化さ
れる前のイットリウム膜の膜厚の違い、或いは水素雰囲
気下でのアニールによる酸化イットリウムの膜厚の違い
により、結晶構造が変化したことが判る。酸化される前
のイットリウム膜の膜厚が5001〜30000Åの場
合、形成された酸化イットリウムの結晶格子は、単純立
方格子として指数づけされた。また、その格子定数は、
14.86Åであった。なお、30000Åより酸化イ
ットリウム膜の膜厚を厚くすると、発光効率が低下して
しまった。下表1に、酸化される前の膜厚が3000Å
の酸化イットリウム(4500Å)をA膜とし、酸化さ
れる前の膜厚が3001〜5000Åの酸化イットリウ
ム(4501Å〜7500Å)をA′膜とし、酸化され
る前の膜厚が5001Å〜30000Åの酸化イットリ
ウム(7501Å〜45000Å)をB膜とし、これら
の結晶格子、格子定数、および電気物性等を示す。
【0023】
【表1】
【0024】なお、上記した表1に示したように、本実
施形態の酸化イットリウム(A膜、A′膜、B膜)では
いずれも良電気伝導性が得られた。これらの酸化イット
リウムを形成した電極(Y23膜/金属基板)の上下方
向の抵抗は、数Ω〜数十Ωと小さく、大気中で酸化され
た絶縁性の酸化イットリウムに比較して異なる物性を有
している。いずれの酸化イットリウム(A膜、A′膜、
B膜)の冷陰極蛍光管も絶縁性酸化イットリウムより良
好な発光特性が得られた。
【0025】次に、比較例として絶縁性の酸化イットリ
ウム(大気中で700℃、30分間で酸化)と、本実施
形態における酸化イットリウム(水素雰囲気下で600
℃、15分間で酸化)と、の光学的特性を比較して説明
する。図4は、絶縁性の酸化イットリウム膜(酸化され
る前のイットリウム膜の膜厚は3000Å、酸化後の膜
厚は4500Å)を石英基板上に成膜して、基板ごと光
透過率と光反射率とを測定した結果を示している。ここ
で光透過率は、所定の光量の光に対して試料を透過する
光の光量の割合(%)とし、光反射率は、所定の光量の
光に対して表面が平滑なAl金属の反射光量を100と
した場合の、試料を反射する光の光量の相対割合(%)
と定義する。また、図5は、本実施形態における酸化イ
ットリウムを同じく石英基板上に成膜して、ほぼ同じ膜
厚で光透過率と光反射率とを測定した結果を示してい
る。
【0026】図4から、波長500nm〜2500nm
の範囲において絶縁性の酸化イットリウムは50%を超
える光透過率をもつことが判る。これに対して、本実施
形態の酸化イットリウムでは、図5から同じ波長帯域で
光透過率が20%以下と小さいことが判る。また、図1
1から、波長500nm〜2500nmの範囲において
絶縁性の酸化イットリウム光反射率は40%より小さい
ことが判る。これに対して、図5に示した本実施形態の
酸化イットリウムでは、波長500nm〜2500nm
の範囲において光反射率が数%〜75%の間で変化する
ことが判る。このように、絶縁性の酸化イットリウム
と、本実施形態の酸化イットリウムとでは、光学的特性
が大きく異なるため、分子レベルでの配列や、結晶構造
などが異なると考えられる。
【0027】ところで、物質固有の光学的指標として、
吸収端を用いることができる。この吸収端とは、X線ま
たは光の連続吸収スペクトルにおいて、波長がこれ以上
長くなると吸収率が急激に減少するようになる部分また
はその端をいう。ここでは透過率0%近傍での透過率の
値が透過率の計測機器の測定誤差範囲内の値のところを
吸収端とした。図6および図7は、酸化イットリウムに
おける光エネルギーと光透過率との関係を示すグラフで
ある。図6は上記した絶縁性の酸化イットリウムにおけ
る光エネルギーと光透過率との関係を示したものであ
り、図7は上記した本実施形態の酸化イットリウムにお
ける光エネルギーと光透過率との関係を示したものであ
る。図6に示すように、絶縁性の酸化イットリウムの吸
収端は約5.9eVであることが判る。また、図7に示
すように、本実施形態の酸化イットリウムの吸収端は
5.5eV以下で望ましくは4.5eV以下であり、絶
縁性の酸化イットリウムに比べて低エネルギー側にシフ
トしていることが判る。
【0028】次に、本実施形態のイットリウム或いは酸
化イットリウムを用いた冷陰極管用電極を冷陰極蛍光管
に適用して、その放電試験を行った結果を説明する。こ
の放電試験に使用した冷陰極蛍光管11の構成の概略を
図8に示している。この冷陰極蛍光管11は、外径が
2.6mmで、内壁に蛍光材料が塗布形成されたガラス
管13と、ガラス管13内に間隔が45mmとなるよう
に対向配置された冷陰極管用電極12、12とが設けら
れ、そのランプ長は63.5mmに設定されている。な
お、冷陰極蛍光管11としては、冷陰極管用電極12と
して、上記表1に示すように、インコネル601上にイ
ットリウム膜を成膜した電極と、さらに酸化イットリウ
ムとしてA′膜をインコネル601表面に成膜した電極
と、B膜を表面に成膜した電極と、ニッケル電極とを、
それぞれ用いたものを用意した。管内には少量の水銀と
アルゴンガスが封入されている。そして、予備的な実験
の結果、A′膜を用いた電極を備えた冷陰極蛍光管11
の放電電圧が、ニッケル電極を備えた冷陰極蛍光管11
に比較して30V程度低い結果となった。また、B膜を
用いた電極を備えた冷陰極蛍光管11の放電電圧が、ニ
ッケル電極を備えた冷陰極蛍光管11に比較して50V
低い結果となった。下表2にY23電極としてB膜を用
いた電極を備えた冷陰極蛍光管11の試験結果を示す。
【0029】
【表2】
【0030】上記表2から、比較例として、ニッケル電
極を備えた冷陰極蛍光管11に比べ本実施形態の酸化イ
ットリウム及びイットリウムを用いた冷陰極蛍光管の放
電電圧は、それぞれ約23.5%、約15.7%低く、
光束効率はそれぞれ約38%、約28%高いことが判
る。さらに、本実施形態においては、イットリウム膜を
付着させる工程と、所定雰囲気下での熱処理工程とで容
易に製造できるため、製造コストを低減させることが可
能となる。
【0031】さらに、本実施形態の冷陰極蛍光管のモー
ドを変えた場合の性能を試験するため、ガラス管の内径
が12mm、冷陰極管用電極間の距離が220mmで、
冷陰極管用電極が直径10mmの円盤状のものを作成し
て、放電試験を行った。その結果を、図9のグラフに示
す。同図より、200時間の放電で本実施形態Y電極お
よび本実施形態のY23電極の放電電圧が安定している
ことが判る。このグラフから、本実施形態のY電極及び
23電極は、Ni電極に比べてそれぞれ約7.5〜1
4%、約15〜20%電圧が低いことが判る。なお、管
壁の汚れは、本実施形態のY23電極の場合が最も少な
い結果であった。また、15mm径の冷陰極蛍光管で
は、放電寿命として、Y23電極管は1000時間を超
えたことが確認された。
【0032】上記酸化イットリウムの抵抗率はいずれも
1000Ω・cm以下であれば低ランプ電圧で発光する
ことが確認され、望ましくは、10Ω・cmさらに望ま
しくは0.1Ω・cm以下である。
【0033】図10(A)は、この発明に係る照明装置
の本実施形態を示す斜視図、図10(B)は、図10
(A)の断面説明図である。本実施形態の照明装置は、
同図(A)に示すように光ガイドシステム15と光ガイ
ドシステム15の一方側面に配置された光源として冷陰
極蛍光管11とから構成される。
【0034】同図に示すように、本実施形態で用いる冷
陰極蛍光管11は、円筒状のガラス管13の両端部に、
円板状の電極12、12が互いに対向するように配置さ
れ、ガラス管13の内部にアルゴン、ネオン等の不活性
ガスを少量の水銀とが封入されてなる。なお、図10
(A)において符号14は、冷陰極蛍光管11の両端よ
り取り出された電極端子を示している。この電極12の
基体表面には、イットリウム或いは導電性の酸化イット
リウムが形成され、放電電圧の上昇を抑制し、低消費電
力化を図っている。なお、電極16の基体としては、イ
ンコネル601(Ni−Cr系材料)が用いられてい
る。
【0035】電極16表面に形成された電子放射性物質
は、イットリウム或いは導電性の酸化イットリウム(Y
23-z)であり、非化学量論比の構造を有している。z
は0.00〜0.80の間の数値であり、望ましくは
0.06〜0.60の間の数値、さらに望ましくは0.
10〜0.40の間の数値である。また、酸化イットリ
ウム(Y23-z)の抵抗率は、1000Ω・cm以下と
なる電子放出物質とする。
【0036】光ガイドシステム15は、アクリル樹指か
らなる導光板16と、アルミ等の光反射性部材からなる
反射膜17と、集光シート18とから構成される。導光
板16は矩形板状の構造で一側面を冷陰極蛍光管11に
向けて配置されている。反射膜17は導光板16の冷陰
極蛍光管11と対向する側面を除く三側面及び底面を覆
い、導光板16に入射される光を反射するようになって
いる。
【0037】集光シート18は、導光板16の上面に貼
り付けられた接着フィルム19に下面を接合されたアク
リル樹脂からなる複数のウエーブガイド20と、ウエー
ブガイド20の上面の接着フィルム19上に設けられた
アクリル樹脂からなるマイクロレンズアレイ層21とか
ら構成されている。ウエーブガイド20は、四角柱が傾
斜した形状で接着フィルム19面にマトリクス状に配列
され、その傾斜角度及び傾斜の向きは、冷陰極蛍光管1
1の位置、その光量、導光板16の屈折率、その厚さ等
により設定されている。マイクロレンズアレイ層21は
基板層21A上に各ウエーブガイド20に対応するマイ
クロレンズ20Bが複数設けられている。接着フィルム
19は、ウエーブガイド20、マイクロレンズアレイ層
21と同じアクリル樹脂であり、このため、屈折率が等
しいので、界面での屈折が生じにくい。
【0038】光ガイドシステム15はこのような構成の
ため、配線14から交流電圧を印加された冷陰極蛍光管
11から出射される光は、導光板16から直接ウエーブ
ガイド20に、また、反射膜17に反射されウエーブガ
イド20に到達する。ウエーブガイド20に人射された
光は、ウエーブガイド20の界面で屈折され、接着フィ
ルム19を介して対応するマイクロレンズアレイ層21
に出射し、マイクロレンズ21Bの界面でその光量のピ
ークの光の進行方向が、集光シート18の上面及び導光
板16の上面の法線方向に実質的に一致する方向にある
ように設定されている。
【0039】図11は、通常のNi電極を用いた冷陰極
蛍光管に本実施形態の光ガイドシステム15を用いた照
明装置と、比較例としてNi電極の冷陰極蛍光管に通常
の導光板及び反射板を用いた照明装置との、光ガイドシ
ステム15及び導光板の面の法線方向を0゜とした上下
方向に視角を変えた場合の輝度の変化を表したグラフで
ある。また、図12は、通常のNi電極を用いた冷陰極
蛍光管に本実施形態の光ガイドシステム15を用いた照
明装置と、比較例としてNi電極の冷陰極蛍光管に通常
の導光板及び反射板を用いた照明装置との、光ガイドシ
ステム15及び導光板の面の法線方向を0゜とした左右
方向に視角を変えた場合の輝度の変化を表したグラフで
ある。
【0040】本実施形態の光ガイドシステム15を用い
た照明装置は正面での輝度が比較例の約4.5倍であ
り、正面での輝度を比較例と同じにすれば消費電力を大
幅に低減することができ、さらに冷陰極蛍光管の電極の
電子放射性物質にイットリウム或いは導電性の酸化イッ
トリウムを用いることにより、より発光効率が向上する
ことができる。したがって、本実施形態の照明装置で
は、冷陰極管用電極の電子放射性物質としてイットリウ
ム或いは導電性酸化イットリウムを用いた冷陰極蛍光管
11及び出射面からの光の進行方向が出射面の法線方向
に実質的に一致している光ガイドシステム15により、
低消費電力の高輝度発光を実現することができる。ま
た、上記実施形態では、出射光の進行方向を規制する手
段として、集光シート18を用いたが、導光板16から
の出射光に指向性を与える作用を有するものであれば、
他のものを用いても勿論よい。
【0041】(実施形態2)図13に示すように、本実
施形態における液晶表示装置30は、液晶表示パネル3
1と、それに隣接して設けられた光ガイドシステム15
とから構成される。液晶表示パネル31は、透明な一対
の上ガラス基板33及び下ガラス基板35と、これら一
対のガラス基板33、35を接合するシール材37と、
ガラス基板33、35とシール材37との間に封入され
ている液晶39と、上ガラス基板33外面に設けられ、
所定方向に偏光軸を有する偏光板41と、下ガラス基板
35外面に設けられ、偏光板41の偏光軸の軸方向と略
直交した偏光軸を有する偏光板43とからなっている。
【0042】図14に示すように、下ガラス基板35内
面上には、ITOからなる透明な複数の画素電極51
と、これら画素電極51に各々接続された逆スタガ型の
薄膜トランジスタ53とが、それぞれマトリクス状に配
置されている。薄膜トランジスタ53は、アルミニウム
からなるゲート電極55と、ゲート電極55を覆う絶縁
膜57と、ゲート電極55上方の絶縁膜57表面上にア
モルファスシリコンからなる半導体層59と、半導体層
59の両端に互いに離間して設けられたドレイン電極6
1、画素電極51に接続されたソース電極63で構成さ
れ、薄膜トランジスタ53と画素電極51上には、表面
上の液晶39を所定方向に配向させる配向処理が施され
た配向膜65が設けられている。
【0043】薄膜トランジスタ53のゲート電極53
は、図15に示すように、一方の方向に配列されたゲー
トライン67を介して薄膜トランジスタ53のゲート電
極53をオン、オフさせる走査電圧を適宜出力する走査
ドライバ69と接続され、薄膜トランジスタ53のドレ
イン電極61は、ゲートライン67と直交方向に配列さ
れたドレインライン71を介して画素電極51に液晶を
表示させる液晶表示信号を電圧を出力する信号ドライバ
73と接続されている。
【0044】上ガラス基板33内面上には、下ガラス基
板35に設けられた薄膜トランジスタ53、ゲートライ
ン67、ドレインライン71に対応して配置された光遮
光性のブラックマトリクス75と、このブラックマトリ
クス75間に各画素電極51に対応する、それぞれ赤、
青、緑色のいずれかのカラーフィルタ77とが設けら
れ、これらの内面上に一枚の共通電極79が設けられ、
その内面には、表面上の液晶39を所定方向に配向させ
る配向処理が施された配向膜81が設けられている。
【0045】液晶39は、図示しないギャップ材により
その厚さを設定され、基板33、35間の配向膜65、
81によりツイスト配向して設けられている。
【0046】光ガイドシステム15は、その集光シート
18の光出射面の法線方向を液晶表示パネル31の表示
面の法線の方向と実質的に一致させるように配置されて
いる。
【0047】また、マイクロレンズアレイ層21の各々
の凸状のマイクロレンズ21Bは、それぞれの画素に対
応した形状、大きさで所定の位置に配置されている。こ
のため、各々のマイクロレンズ21Bから出射された光
は、偏光板43により直線偏光され、進行方向が、偏光
板43の面、すなわち、液晶表示パネル31の表示面の
法線方向に実質的に一致するように各々の画素に対応す
る液晶39に均一に入射されるので、各画素電極51を
進行する光は、各画素電極51上の液晶39のみを直進
し、各画素電極51に対応するカラーフィルタ77を透
過し、上ガラス基板33の偏光板41により、偏光され
る。
【0048】このようにイットリウム又は酸化イットリ
ウムを電子放射性物質とした冷陰極管電極を用いた冷陰
極蛍光管から発生する高輝度の光の進行方向が制御され
た光を出射させる光ガイドシステム15を液晶表示パネ
ル31の表示面に合わせて設定することにより、斜め方
向に進行する光がほとんどないため従来のような斜め方
向に進行する光が、対応するべき画素電極51に隣接す
る画素電極51上の、或いは複数の画素電極51上の、
それぞれの印加電圧に応じて分子長軸方向が配向された
液晶39により、透過、散乱、吸収されることがほとん
どないので、各々の画素が表示すべき表示を行なうこと
ができ、したがって、表示面の法線方向に平行な方向か
ら液晶表示パネル31を視認する時、各々の画素が隣合
う画素からの光の影響をほとんど受けずに極めて明瞭な
表示を行なうことができ、極めて高精細かつ多階調のマ
トリクス表示を行なうことができる。
【0049】導電性酸化イットリウムの冷陰極蛍光管及
び光ガイドシステムを用いた液晶表示装置と、本実施形
態の光ガイドシステムとバックライトの光源に比較例と
してNi電極を用いた冷陰極蛍光管(従来のランプ)を
用いた液晶表示装置と、従来のバックライトシステム
(Ni電極の冷陰極蛍光管、導光板、および拡散板を用
いたもの)を用いた液晶表示装置と、の正面輝度と消費
電力との関係を図16のグラフに示す。なお、図16に
おいて用いた液晶表示パネルのサイズは、対角の距離が
2.5インチのものを用いた。図17は液晶表示パネル
が4インチの場合で、本実施形態(直管型冷陰極蛍光管
が1本の液晶表示装置)と、本実施形態において直管型
冷陰極蛍光管を導光板の対向する二面に1本ずつ設けた
液晶表示装置と、比較例(Ni電極の直管型冷陰極蛍光
管が2本のもの)と、のそれぞれの正面輝度と消費電力
の関係を示している。
【0050】図16から判るように、従来のNi電極を
用いた液晶表示装置では1.5Wの消費電力で正面輝度
が200nt(cd/m2)以下であるのに対し、本実
施形態の液晶表示装置では、消費電力が1.5Wで10
00nt近い輝度が得られ、光の利用効率が約5倍に向
上している。また、本実施形態の液晶表示装置におい
て、光源のみを従来の冷陰極管にすると、本実施形態の
液晶表示装置より200nt近くも輝度が小さいことが
判る。これは、本実施形態のようなバックライト構造と
本実施形態のような冷陰極管とを備えることにより、飛
躍的に正面輝度が向上することを表している。
【0051】また、図17においては、本実施形態と、
本実施形態で冷陰極管を2本にしたものとでは、消費電
力が2.0以下の低い状態では輝度にあまり大きな差は
なく、消費電力が2.0より大きい場合に、冷陰極管が
2本のものと、本実施形態の液晶表示装置とで差がでる
ことが判る。また、従来のバックライト構造でNi電極
を用いた比較例では消費電力を4.5Wにしても325
ntの輝度であったのに対して、本実施形態が3Wの消
費電力で800ntを越える輝度であり、低消費電力で
高輝度を達成していることが証明された。
【0052】このように、本実施形態によれば、輝度の
高い液晶表示が可能となり、同一輝度を出すのに消費電
力が従来の約1/5でよいという利点があり、携帯用の
液晶表示装置として有利なものとなる。また、導光板1
6の側方に冷陰極蛍光管11を配置する構造を採用でき
るため、薄型の液晶表示装置とすることができる。
【0053】なお、本実施形態の液晶表示パネル31で
は、カラーフィルタを用いた構成であるが、液晶に電界
を印加して液晶分子の配列を変化させて複屈折性を制御
することにより、液晶セルを透過した光の偏光状態が楕
円偏光状態になり、この楕円偏光状態を利用してカラー
画像を表示するようECB方式の構成をしてもよい。ま
た、液晶表示パネルとしては、白黒STNまたはTN駆
動方式のLCD、強誘電性LCD、高分子分散型LCD
などの各種のLCDを適用することが可能である。
【0054】(実施形態3)図18は、本発明の実施形
態3を示す断面説明図である。本実施形態に用いられる
証明装置及び液晶表示パネルの構成は、上記した実施形
態1及び実施形態2と同様であるため、同一の符号を付
してその説明を省略する。光ガイドシステム15の前方
には、液晶表示パネル31が配置されている。この液晶
表示パネルの構成は、同図に示すように、背面側に背面
偏光板43が配され、かつ前面に画素電極51やTFT
53が形成された背面基板35と、背面側に共通電極7
9や赤、緑、青色のカラーフィルタ75が形成され、か
つ前面に前面偏光板41が配された前面基板33と、が
シール材37を介して接合され、間隙に液晶39が封止
されて構成されている。そして、この液晶表示パネル3
1の前方には、投写レンズ83が配置され、さらに前方
には矩形状のスクリーン85が配置される。
【0055】本実施形態においては、光ガイドシステム
15から出射される光が正面輝度の高い光であるため、
液晶表示パネル31を透過した光も正面からの輝度の高
い平行光であり、投写レンズ83で液晶表示パネル31
の画像が拡大されてスクリーン85に投影されるように
なっている。本実施形態では、上記実施形態1及び実施
形態2で説明したように、液晶表示パネル31の前面か
ら出射される光の進行方向がパネル31の前面の法線方
向と実質的に一致し、また冷陰極蛍光管11の冷陰極管
電極12の電子放射性物質がイットリウム又は導電性の
酸化イットリウムからなるので投写レンズ83を介して
拡大された画像であっても、スクリーン85上に極めて
鮮明で且つ高精細の表示を投影することができる。ま
た、液晶表示パネル31を直視する必要がないので、液
晶39の配向状態に起因される視野角の狭さを解消する
ことができ、液晶表示パネル31から出射される光の進
行方向がパネル31面の法線方向に一致したとしても、
投影された画像をスクリーン85からみた視野角は極め
て広いものになる。
【0056】このように、液晶表示パネル31から出射
される光の進行方向を制御することにより各々の画素の
表示が極めて高精細且つ高輝度であるので、この表示を
液晶プロジェクタのような拡大させて表示すると特に顕
著に表示特性の差がわかる。また、光の進行方向を制御
したにも拘らずスクリーンから広い視野角で見ることが
できる。
【0057】本実施形態における液晶表示装置では、イ
ットリウムまたは酸化イットリウムを用いた冷陰極蛍光
管をバックライトとしているので、従来の液晶プロジェ
クタの発光装置のような大型のキセノンランプやメタル
ハライドランプが不要になり、さらにこれらランプの発
光に伴う熱を抑制するための冷却装置が不要あるいは縮
小される。加えて光ガイドシステムにより発光の進行方
向を制御しているので、より輝度の高い発光を行なうと
ともに液晶表示装置の消費電力の高い割合を占めるバッ
クライトの消費電力の低減させ冷陰極蛍光管及び電源を
小型化することができる。したがって、携帯性に優れ、
視野角の広い高精細の表示を行なう液晶表示装置を得る
ことができる。
【0058】本実施形態においても、液晶表示パネルに
カラーフィルタを備えたものを用いたが、液晶に電界を
印加して液晶分子の配列を変化させて複屈折性を制御す
ることにより、液晶セルを透過した光の偏光状態が楕円
偏光状態になり、この楕円偏光状態を利用してカラー画
像を表示するようECB方式の液晶表示パネルを用いれ
ば、カラーフィルタを有しないため、光の透過率がさら
に良くなり、さらに輝度の向上を図ることができる。ま
た、上記各実施形態では、電極基板材料として比較的酸
化されにくいNi−Cr系材料を用いたが、Niのみで
もよく、他の電極基板材料を用いても勿論よい。
【0059】さらに、上記各実施形態では、電極を製造
する場合に、残留するH2Oを少量含む水素雰囲気下で
希土類元素膜の昇温させたが、酸素源としてH2O以外
のガスを所定量含むようにしても同様の希土類元素酸化
物を得ることが可能である。また、その酸素源の濃度は
1ppm〜100ppm程度の範囲で設定したが、膜厚
や反応炉の容積によってはそれ以上でもよい。なお、雰
囲気ガスとしては、水素以外に、水素/アルゴン(A
r)系ガスを用いてもよく、また残留するH2Oが存在
しない場合は、O2/Ar系ガスを用いることも可能で
ある。
【0060】またさらに、上記実施形態においては、イ
ットリウム膜を付着させた電極基板を600℃まで昇温
させるように設定したが、300〜1000℃までの範
囲(好ましくは、500〜700℃までの範囲)まで昇
温させることにより、放電電圧を抑制するに有効な冷陰
極管用電極を得ることが可能である。この昇温時間の範
囲としては、5〜20分間の範囲で設定することが可能
である。
【0061】また、上記実施形態においては、希土類元
素をスピンコートと加熱とを数回繰り返して所定の膜厚
を堆積させたが、所定の膜厚であればスピンコート及び
加熱を一度だけにしてもよい。
【0062】さらに、上記実施形態の液晶表示パネルに
おいては、液晶駆動方式は、TN(ツイストネマチッ
ク)液晶駆動方式、STN(スーパーネマチック)液晶
駆動方式、ECB(電界複屈折制御)液晶駆動方式、F
LC(強誘電性液晶)駆動方式、AFLC(反強誘電性
液晶)駆動方式、PDLC(高分子分散型液晶)駆動方
式等のいずれでもよく、またTFT等のスイッチング素
子をそれぞれの画素電極に接続したアクティブマトリク
ス表示型でも単純マトリクス表示型でもよい。駆動方式
によっては、適宜、偏光板、位相差板を1枚或いはそれ
以上設けてもよい。また、液晶に二色性染料を混在さ
せ、多色表示を行ってもよい。
【0063】上記実施形態の液晶表示装置では、R、
G、Bのカラーフィルタを用いたが、列或いは行毎に異
なる色を配列されたストライプ型や画素電極に応じたモ
ザイク型であってもよく、画素電極はデルタ型であって
もよい。また、上記実施形態では、直管型の冷陰極蛍光
管を用いたが、これに限らずコの字型、L字型の形状で
あってもよい。
【0064】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、輝度が高く、しかも消費電力を大幅に削減
した液晶表示装置を実現する効果がある。特に、輝度が
高く、低消費電力であるため、携帯性に優れた液晶表示
装置とすることができる。また、光源を導光板の側方に
配置することが選択できるため、薄型の液晶表示装置と
することが可能となり、さらに携帯性を向上することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3000Åのイットリウム膜を水素下アニール
した酸化イットリウムのX線回折パターンを示すグラ
フ。
【図2】5001Å〜30000Åのイットリウム膜を
水素下アニールした酸化イットリウムのX線回折パター
ンを示すグラフ。
【図3】3001Å〜5000Åのイットリウム膜を水
素下アニールした酸化イットリウムのX線回折パターン
を示すグラフ。
【図4】絶縁性の酸化イットリウム膜を石英基板上に成
膜して、光透過率と光反射率とを測定した結果を示すグ
ラフ。
【図5】実施形態1における酸化イットリウムを石英基
板上に成膜して、光透過率と光反射率とを測定した結果
を示すグラフ。
【図6】絶縁性の酸化イットリウムの光エネルギーと光
透過率との関係を示したグラフ。
【図7】実施形態1の酸化イットリウムの光エネルギー
と光透過率との関係を示したグラフ。
【図8】放電試験に使用した冷陰極管の構成の概略を示
す説明図。
【図9】各冷陰極管の放電試験の結果を示すグラフ。
【図10】(A)は本発明の実施形態1の照明装置を示
す斜視図、(B)は同断面説明図。
【図11】従来例と実施形態1の光ガイドシステムの上
下方向に視角を変えた場合の輝度の変化を表したグラ
フ。
【図12】従来例と実施形態1の光ガイドシステムの左
右方向に視角を変えた場合の輝度の変化を表したグラ
フ。
【図13】本発明の実施形態2の液晶表示装置の断面説
明図。
【図14】実施形態2の液晶表示装置の拡大断面図。
【図15】液晶表示パネルの一部を示す説明図。
【図16】実施形態2の液晶表示装置と、実施形態2の
バックライトの光源に従来のNi電極を用いた冷陰極蛍
光管(従来のランプ)を用いた液晶表示装置と、従来の
バックライト(Ni電極、導光板、および拡散板を用い
たもの)を用いた液晶表示装置と、の正面輝度と消費電
力との関係を示すグラフ。
【図17】実施形態2において陰極管が1本の液晶表示
装置と、実施形態2において冷陰極管を2本とした液晶
表示装置と、従来例(冷陰極管が2本のもの)と、のそ
れぞれの正面輝度と消費電力の関係を示すグラフ。
【図18】本発明の実施形態3を示す断面説明図。
【図19】従来のバックライトの斜視図。
【図20】従来のバックライトの斜視図。
【符号の説明】
11 冷陰極管 12 電極 15 光ガイドシステム 16 導光板 18 集光シート 20 ウエーブガイド層 21 マイクロレンズアレイ層 21B マイクロレンズ 30 液晶表示装置 31 液晶表示パネル 83 投写レンズ 85 スクリーン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 液晶表示装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶表示装置に
関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この発明の課題は、小型かつ低消費電力で
高輝度の表示を行うことができる液晶表示装置を得るに
はどのような手段を講じればよいかという点にある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
酸素欠損を有する酸化イットリウムを電子放出性材料と
した電極を備えた冷陰極蛍光管と、一対の基板間に液晶
が挟まれてなる液晶表示部と、を備えることを特徴とし
ている。この発明では、電子放出性材料として酸素欠損
を有する酸化イットリウムを用いているので、蛍光管の
管壁へのスパッタが低減され、発光寿命を長くすること
ができ、さらに低い放電電圧でより高い輝度の表示を行
うことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項2記載の発明では、前記酸化イット
リウムの組成がY3−z(Yはイットリウム元素、
Oは酸素元素、zは0.80以下の数値)であることを
特徴としている。また請求項3記載の発明では、前記酸
化イットリウムの結晶格子が主に単純立方格子であるこ
とを特徴としている。電子放出性材料である酸化イット
リウムを単純立方格子のY3−z構造とすることに
より、特に放電電圧を低くすることができ、高い輝度の
表示を得ることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】請求項4記載の発明では、前記酸化イット
リウムは、基体上にイットリウム層を蒸着後、酸化する
ことにより前記電極の表面部に実質的に単層で設けられ
ていることを特徴としている。請求項4記載の発明によ
れば、酸化イットリウムを電極表面に単層で形成するこ
とによりスパッタされにくい電極構造にすることができ
るので、長時間表示を行うことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項5記載の発明では、前記酸化イット
リウムの膜厚が4500Å〜45000Åであることを
特徴としている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】請求項6記載の発明では、前記酸化イット
リウムの抵抗率が1000Ω・cm以下であることを特
徴としている。請求項6記載の発明によれば、酸化イッ
トリウムが絶縁性でないので、低電圧での冷電子放出を
可能とした。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】請求項7記載の発明では、前記冷陰極蛍光
管と前記液晶表示部との間に、前記冷陰極蛍光管からの
光の進行方向を制御する光方向規制手段が配置されるこ
とを特徴としている。請求項7記載の発明によれば、冷
陰極蛍光管からの光の進行方向を制御することができる
ので、液晶表示部の視認方向に対しより高い輝度で表示
することができる。このため輝度に対する消費電力を低
くすることができるので、とくにバッテリーを小型化す
ることができ、携帯性に優れたコントラスト比の高い液
晶表示装置を実現することができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】請求項8記載の発明では、前記光方向規制
手段は、前記冷陰極蛍光管から入射された光を所定表面
まで導く導光板と、前記導光板の前記所定表面からの光
を前記液晶表示部の表示面の略法線方向に出射させる光
方向規制シートと、を備えることを特徴としている。請
求項8記載の発明によれば、光方向規制シートにより液
晶表示部の表示面の法線方向へ冷陰極蛍光管の光を集光
することができるので薄型構造で表示輝度の高い表示を
行うことができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】請求項9記載の発明では、前記液晶表示部
は、マトリクス状に配置された複数の画素電極及びそれ
らに各々接続されたスイッチング素子を備え、前記光方
向規制シートは、前記画素電極に応じて設けられた複数
のマイクロレンズを備えていることを特徴としている。
請求項9記載の発明によれば、マトリクス状に配置さ
れ、各々スイッチング素子に接続された画素電極に対応
してマイクロレンズを設けているので各々の画素に所定
方向の光を均一に供給することができ、輝度の高い高時
分割表示を行うことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】請求項10記載の発明では、前記液晶表示
部の前方に、前記液晶表示部に表示された画像を拡大さ
せる画像拡大手段と、拡大された画像が投影されるスク
リーンとが配置されることを特徴としている。請求項1
0記載の発明によれば、高輝度発光の冷陰極蛍光管を用
いているので、画像拡大手段で拡大されてスクリーンに
投影されても良好な輝度を保持することができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る液晶表示装
置の詳細を図面に示す各実施形態に基づいて説明する。
この発明における冷陰極蛍光管は電極として、電極基板
の表面に希土類元素の、酸化物でなる膜を形成し、放電
電圧の上昇を抑制し、低消費電力化を図ったものであ
る。本実施形態では、希土類元素として、イットリウム
(Y)を用いて、以下の手順で冷陰極蛍光管用電極を形
成している。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】図4から、波長500nm〜2500nm
の範囲において絶縁性の酸化イットリウムは50%を超
える光透過率をもつことが判る。これに対して、本実施
形態の酸化イットリウムでは、図5から同じ波長帯域で
光透過率が20%以下と小さいことが判る。また、図4
から、波長500nm〜2500nmの範囲において絶
縁性の酸化イットリウム光反射率は40%より小さいこ
とが判る。これに対して、図5に示した本実施形態の酸
化イットリウムでは、波長500nm〜2500nmの
範囲において光反射率が数%〜75%の間で変化するこ
とが判る。このように、絶縁性の酸化イットリウムと、
本実施形態の酸化イットリウムとでは、光学的特性が大
きく異なるため、分子レベルでの配列や、結晶構造など
が異なると考えられる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】電極16表面に形成された電子放射性物質
は、イットリウム或いは導電性の酸化イットリウム(Y
3−z)であり、非化学量論比の構造を有してい
る。zは0.80以下の数値であり、望ましくは0.0
6〜0.60の間の数値、さらに望ましくは0.10〜
0.40の間の数値である。また、酸化イットリウム
(Y3−z)の抵抗率は、1000Ω・cm以下と
なる電子放出物質とする。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】集光シート18は、導光板16の上面に貼
り付けられた接着フィルム19に下面を接合されたアク
リル樹朋からなる複数のウエーブガイド20と、ウエー
ブガイド20の上面の接着フィルム19上に設けられた
アクリル樹脂からなるマイクロレンズアレイ層21とか
ら構成されている。ウエーブガイド20は、四角柱が傾
斜した形状で接着フィルム19面にマトリクス状に配列
され、その傾斜角度及び傾斜の向きは、冷陰極蛍光管1
1の位置、その光量、導光板16の屈折率、その厚さ等
により設定されている。マイクロレンズアレイ層21は
基板層21A上に各ウエーブガイド20に対応するマイ
クロレンズ21Bが複数設けられている。接着フィルム
19は、ウエーブガイド20、マイクロレンズアレイ層
21と同じアクリル樹脂であり、このため、屈折率が等
しいので、界面での屈折が生じにくい。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】図13に示すように、本実施形態における
液晶表示装置30は、液晶表示パネル31と、それに隣
接して設けられた光ガイドシステム15とから構成され
る。液晶表示パネル31は、透明な一対の上ガラス基板
33及び下ガラス基板35と、これら一対のガラス基板
33、35を接合するシール材37と、ガラス基板3
3、35とシール材37との間に封入されている液晶3
9と、上ガラス基板33外面に設けられ、所定方向に偏
光軸を有する偏光板41と、下ガラス基板35外面に設
けられ、偏光板41の偏光軸の軸方向と略直交した偏光
軸を有する偏光板43とからなっている。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】薄膜トランジスタ53のゲート電極55
は、図15に示すように、一方の方向に配列されたゲー
トライン67を介して薄膜トランジスタ53のゲート電
極55をオン、オフさせる走査電圧を適宜出力する走査
ドライバ69と接続され、薄膜トランジスタ53のドレ
イン電極61は、ゲートライン67と直交方向に配列さ
れたドレインライン71を介して画素電極51に液晶を
表示させる液晶表示信号を電圧を出力する信号ドライバ
73と接続されている。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】図16は、液晶表示装置の正面輝度と消費
電力との関係を示したグラフである。図中、一点鎖線
は、導電性酸化イットリウムの冷陰極蛍光管及び光ガイ
ドシステムを用いた液晶表示装置の輝度−消費電力曲線
であり、破線は本実施形態の光ガイドシステムと従来用
いられているNi電極を用いた冷陰極蛍光管(従来のラ
ンプ)を用いた液晶表示装置の輝度−消費電力曲線であ
り、実線は比較例として従来のバックライトシステム
(Ni電極の冷陰極蛍光管、導光板、及び拡散板を用い
たもの)を用いた液晶表示装置の輝度−消費電力曲線で
ある。なお、図16において用いた液晶表示パネルのサ
イズは、対角の距離が2.5インチのものを用いた。図
17は液晶表示パネルが4インチの場合の液晶表示装置
の正面輝度と消費電力との関係を示したグラフである。
図中二点鎖線は、Y電極を用いた直管型冷陰極蛍
光管を1本備えた液晶表示装置の輝度曲線であり、一点
鎖線は、Y電極を用いた直管型冷陰極蛍光管を導
光板の対向する二面に一本ずつ設けた液晶表示装置の輝
度曲線である。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】また図17においては、Y電極を用
いた冷陰極蛍光管1本用いた液晶表示装置と2本用いた
液晶表示装置は、消費電力が2.0W以下では輝度にあ
まり大きな差はなく、消費電力が2.0Wより大きい場
合に冷陰極蛍光管2本の液晶表示装置が高い輝度である
ことが判る。また、従来のNi電極を備えたバックライ
ト2本の液晶表示装置では、消費電力4.5W時の輝度
が約325ntであるのに対し、Y電極2本の液
晶表示装置では1300ntを超える輝度を得ることが
できた。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】このように本実施形態によれば、Y
電極を備えた冷陰極蛍光管11及び光ガイドシステム1
5を用いることにより、正面側の輝度を著しく高くする
ことができ、同一輝度に対する消費電力が従来の1/5
でよく、携帯性に優れた液晶表示装置として適用するこ
とができる。また、導光板16の側方に冷陰極蛍光管1
1を配置する構造を採用できるため、薄型の液晶表示装
置とすることができる。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】図18は、本発明の液晶プロジェクタを示
す断面説明図である。本実施形態に用いられる液晶プロ
ジェクタは上記Y電極を備えた冷陰極蛍光管11
と、光ガイドシステム15と、その前方に配置される液
晶表示パネル31と、液晶表示パネル31の前面側に投
写レンズ83と、そのさらに前方に設けられている矩形
状のスクリーン85と、から構成されている。液晶表示
パネル31は、同図に示すように、背面側に背面偏光板
43が配され、かつ前面に画素電極51やTFT53が
形成された背面基板35と、背面基板35側に共通電極
79や赤、緑、青色のカラーフィルタ75が形成され、
前面に前面偏光板41が配された前面基板33と、がシ
ール材37を介して接合され、間隙に液晶39が封止さ
れて構成されている。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】本実施形態においては、光ガイドシステム
15から出射される光が正面輝度の高い光であるため、
液晶表示パネル31を透過した光も正面からの輝度の高
い平行光であり、投写レンズ83で液晶表示パネル31
の画像が拡大されてスクリーン85に投影されるように
なっている。本実施形態では、液晶表示パネル31の前
面から出射される光の進行方向がパネル31の前面の法
線方向と実質的に一致し、また冷陰極蛍光管11の冷陰
極管電極12の電子放射性物質がイットリウム又は導電
性の酸化イットリウムからなるので投写レンズ83を介
して拡大された画像であっても、スクリーン85上に極
めて鮮明で且つ高精細の表示を投影することができる。
また、液晶表示パネル31を直視する必要がないので、
液晶39の配向状態に起因される視野角の狭さを解消す
ることができ、液晶表示パネル31から出射される光の
進行方向がパネル31面の法線方向に一致したとして
も、投影された画像をスクリーン85からみた視野角は
極めて広いものになる。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】3000Åのイットリウム膜を水素下アニール
した酸化イットリウムのX線回折パターンを示すグラ
フ。
【図2】5001Å〜30000Åのイットリウム膜を
水素下アニールした酸化イットリウムのX線回折パター
ンを示すグラフ。
【図3】3001Å〜5000Åのイットリウム膜を水
素下アニールした酸化イットリウムのX線回折パターン
を示すグラフ。
【図4】絶縁性の酸化イットリウム膜を石英基板上に成
膜して、光透過率と光反射率とを測定した結果を示すグ
ラフ。
【図5】実施形態1における酸化イットリウムを石英基
板上に成膜して、光透過率と光反射率とを測定した結果
を示すグラフ。
【図6】絶縁性の酸化イットリウムの光エネルギーと光
透過率との関係を示したグラフ。
【図7】本実施形態の酸化イットリウムの光エネルギー
と光透過率との関係を示したグラフ。
【図8】放電試験に使用した冷陰極管の構成の概略を示
す説明図。
【図9】各冷陰極管の放電試験の結果を示すグラフ。
【図10】(A)は、本実施形態の照明装置を示す斜視
図、(B)は同断面説明図。
【図11】従来例と本実施形態の光ガイドシステムの上
下方向に視角を変えた場合の輝度の変化を表したグラ
フ。
【図12】従来例と本実施形態の光ガイドシステムの左
右方向に視角を変えた場合の輝度の変化を表したグラ
フ。
【図13】本実施形態の液晶表示装置の断面説明図。
【図14】本実施形態の液晶表示装置の拡大断面説明
図。
【図15】液晶表示パネルの一部を示す説明図。
【図16】Y電極冷陰極蛍光管と光ガイドシステ
ムとを備えた液晶表示装置と、Ni電極冷陰極蛍光管と
光ガイドシステムとを備えた液晶表示装置と、従来のバ
ックライトシステム(Ni電極冷陰極蛍光管、導光板、
及び拡散板)を備えた液晶表示装置と、の正面輝度と消
費電力との関係を示すグラフ。
【図17】Y電極冷陰極蛍光管1本を備えた液晶
表示装置と、Y電極冷陰極蛍光管2本を備えた液
晶表示装置と、Ni電極冷陰極蛍光管2本を備えた液晶
表示装置、のそれぞれの正面輝度と消費電力の関係を示
すグラフ。
【図18】本実施形態の液晶プロジェクタを示す断面説
明図。
【図19】従来のバックライトの斜視図。
【図20】従来のバックライトの斜視図。
【符号の説明】 11 冷陰極蛍光管 12 電極 15 光ガイドシステム 16 導光板 18 集光シート 20 ウエーブガイド層 21 マイクロレンズアレイ層 21B マイクロレンズ 30 液晶表示装置 31 液晶表示パネル 83 投写レンズ 85 スクリーン
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正27】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗率が1000Ω・cm以下のY23-z
    又はY(Yはイットリウム元素、Oは酸素元素、zは
    0.00〜0.80の間の値)からなる電子放射性物質
    が基体上に設けられた電極を備えた冷陰極蛍光管からな
    る光源と、入射される光の方向を所定方向に規制し出射
    させる光方向規制手段と、を備えることを特徴とする照
    明装置。
  2. 【請求項2】 前記電子放射性物質は、電極の表面部に
    単層で設けられ、前記基体は酸素元素を含まない導電性
    部材からなることを特徴とする請求項1記載の照明装
    置。
  3. 【請求項3】 前記Y23-zは、その結晶格子が主に単
    純立方格子であることを特徴とする請求項1記載の照明
    装置。
  4. 【請求項4】 前記電子放射性物質は、その膜厚が45
    00Å〜45000Åであることを特徴とする請求項1
    記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 前記光方向規制手段は、前記光源から入
    射された光を所定表面まで導く平面状の導光板と、前記
    導光板から入射された光を前記導光板の前記所定表面の
    略法線方向に集光させる集光シートと、を備えることを
    特徴とする請求項1記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 一対の基板間に液晶が挟まれてなる液晶
    表示部と、抵抗率が1000Ω・cm以下のY23-z又は
    Y(Yはイットリウム元素、Oは酸素元素、zは0.0
    0〜0.80の間の値)からなる電子放射性物質を有す
    る電極を備えた冷陰極蛍光管からなる光源と、入射され
    た光を前記液晶表示部の表示面の略法線方向に集光させ
    る光方向規制手段と、を備えることを特徴とする液晶表
    示装置。
  7. 【請求項7】 前記光源は、その電子放射性物質が前記
    電極の表面部に形成された直管型或いは平板型の薄型冷
    陰極蛍光管であり、前記光方向規制手段は、前記光源か
    ら入射された光を所定表面まで導く導光板と、入射され
    た光を前記導光板の前記所定表面の略法線方向に集光さ
    せて液晶表示部に出射する第1規制手段と、前記導光板
    と前記第1規制手段との間に配置され、前記導光板の前
    記所定表面から出射された光を前記第1規制手段に入射
    させる第2規制手段と、を備えることを特徴とする請求
    項6記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記液晶表示部は、マトリクス状に配列
    された複数の画素電極及びそれらに各々接続されたスイ
    ッチング素子を備え、前記第1規制手段は、光透過性の
    基層表面に前記画素電極に応じて設けられた複数のマイ
    クロレンズを備え、前記第2規制手段は、前記導光板と
    前記第1規制手段との間に前記複数のマイクロレンズに
    応じて柱形状に配置されてなり、前記導光板と前記第1
    規制手段と前記第2規制手段とは、それらの屈折率が実
    質的に等しいことを特徴とする請求項7記載の液晶表示
    装置。
  9. 【請求項9】 前記液晶表示部の前方には、前記液晶表
    示部に表示された画像を拡大させる投写光学系と拡大さ
    れた画像が投影されるスクリーンとが配列されることを
    特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
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