JP5532386B2 - ズームレンズおよび情報装置 - Google Patents
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Description
このような撮像装置における撮影光学系として用いられるズームレンズの小型化においては、変倍時(使用時)のレンズ全長、特に望遠端でのレンズ全長を短縮することが必要である。
また、広角化に関しては、「広角端における半画角:38度以上」が望ましい。半画角:38度は、「35mm銀塩カメラ(いわゆるライカ版)換算の焦点距離」で28mmに相当する。
さらに、高変倍比化に関しては、35mm銀塩カメラ換算の焦点距離で28mmから300mm相当程度(約10倍)のズームレンズであれば、一般的な撮影のほとんどにおいて対応することが可能であると考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、変倍比が9倍以上、かつ広角端の半画角が38度以上であり、コンパクト性に優れた高変倍、広角であり、高性能なズームレンズと、このズームレンズを撮影光学系として有する情報装置を提供することにある。
請求項2に記載の発明の目的は、請求項1に記載のズームレンズについて、より高性能化することにある。
請求項3に記載の発明の目的は、請求項1または2に記載のズームレンズについて、より高性能化することにある。
請求項4に記載の発明の目的は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズについて、より小型化することにある。
請求項5に記載の発明の目的は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、より高性能化することにある。
請求項7に記載の発明の目的は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、より高性能化し、またコストを抑え、硝材の選択の自由度を上げることにある。
請求項8に記載の発明の目的は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、より高性能化することにある。
請求項9に記載の発明の目的は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、より高性能化することにある。
請求項10に記載の発明の目的は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、より高性能化することにある。
請求項11に記載の発明の目的は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、9倍以上の高変倍比を持ったズームレンズを提供することにある。
請求項13に記載の発明の目的は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のズームレンズを用い、広画角で高変倍でありながら、十分に小型で、収差の少ないズームレンズを有するカメラ装置として構成された情報装置を提供することにある。
請求項14に記載の発明の目的は、請求項13に記載の情報装置において、撮影画像をデジタル情報とする機能を有する情報装置を提供することにある。
請求項15に記載の発明の目的は、請求項14に記載の情報装置を、携帯情報端末装置として構成することにある。
前記第3レンズ群が少なくとも2枚の正レンズと1枚の負レンズを含み、
g線に対する屈折率をngとし、F線に対する屈折率をnFとし、c線に対する屈折率をnCとし、
第3レンズ群の正レンズのアッベ数をνd3pとし、第3レンズ群の正レンズの部分分散比=(ng-nF)/(nF-nC)をθgF3pとして、前記第3レンズ群の全ての正レンズが、
条件式:
(1) −0.005865νd3p+0.93226<θgF3p<−0.005865νd3p+0.95226
を満足し、
広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第3レンズ群が物体側へ移動し、前記第2レンズ群が像側に凸の曲線を描いて移動するか、または像側に移動し、前記第4レンズ群が物体側へ凸の曲線を描いて移動し、前記開口絞りが他のレンズ群とは独立に移動することを特徴としている。
条件式:
(2) 0.15 < nnave−npave < 0.40
を満足することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1または2に記載のズームレンズであって、前記第3レンズ群が少なくとも物体側から正レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズであって、前記第3レンズ群が正レンズ2枚、負レンズ1枚で構成されていることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズであって、前記第2レンズ群が物体側から順次、負レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることを特徴としている。
条件式:
(3) 1.0 < Tpr < 1.5
を満足することを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズであって、前記第2レンズ群の少なくとも1枚の負レンズがハイブリッド非球面レンズであることを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズであって、前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズを有することを特徴としている。
請求項9に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズであって、前記第3レンズ群の最も物体側のレンズが非球面を持つことを特徴としている。
条件式:
(4) θgF < 0.551
を満足することを特徴としている。
請求項11に記載した本発明に係るズームレンズは、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のズームレンズであって、広角端での焦点距離をFwとし、望遠端での焦点距離をFtとして、
条件式:
(5) Ft/Fw > 9
を満足することを特徴としている。
条件式:
(6) 0.78 < Y’/Fw
を満足することを特徴としている。
請求項13に記載した本発明に係る情報装置は、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のズームレンズを、撮影光学系として有することを特徴としている。
請求項14に記載した本発明に係る情報装置は、請求項13に記載の情報装置であって、ズームレンズによる物体像が、撮像素子の受光面上に結像されることを特徴としている。
請求項15に記載した本発明に係る情報装置は、請求項13または14に記載の情報装置であって、携帯情報端末装置として構成されたことを特徴としている。
すなわち、本発明の請求項1のズームレンズによれば、
物体側から順次、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを配置し、前記第3レンズ群の物体側に開口絞りを有してなり、広角端から望遠端への変倍に際して、全群が移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間隔が増大するズームレンズにおいて、
前記第3レンズ群が少なくとも2枚の正レンズと1枚の負レンズを含み、
g線に対する屈折率をngとし、F線に対する屈折率をnFとし、c線に対する屈折率をnCとし、
第3レンズ群の正レンズのアッベ数をνd3pとし、第3レンズ群の正レンズの部分分散比=(ng-nF)/(nF-nC)をθgF3pとして、前記第3レンズ群の全ての正レンズが、
条件式:
(1) −0.005865νd3p+0.93226<θgF3p<−0.005865νd3p+0.95226
を満足し、
広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第3レンズ群が物体側へ移動し、前記第2レンズ群が像側に凸の曲線を描いて移動するか、または像側に移動し、前記第4レンズ群が物体側へ凸の曲線を描いて移動し、前記開口絞りが他のレンズ群とは独立に移動することにより、
特に、広画角で高変倍でありながら、十分に小型で且つ収差がよく補正されたズームレンズを提供することができる。
第3レンズ群の負レンズの平均屈折率をnnaveとし、第3レンズ群の正レンズの平均屈折率を、npaveとして、前記第3レンズ群の負レンズと正レンズが、
条件式:
(2) 0.15 < nnave−npave < 0.40
を満足することにより、
より高性能化を実現し得るズームレンズを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2のズームレンズにおいて、
前記第3レンズ群が少なくとも物体側から正レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることにより、より一層高性能化を実現し得るズームレンズを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれか1項のズームレンズにおいて、
前記第3レンズ群が正レンズ2枚、負レンズ1枚で構成されていることにより、よりコンパクト化されたズームレンズを提供することができる。
前記第2レンズ群が物体側から順次、負レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることにより、
より高性能化されたズームレンズを提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5のいずれか1項のズームレンズにおいて、
望遠比Tpr(望遠端での全長÷望遠端焦点距離)が、
条件式:
(3) 1.0 < Tpr < 1.5
を満足することにより、
より小型化されたズームレンズを提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7のいずれか1項のズームレンズにおいて、前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズを有することにより、より高性能化を実現し得るズームレンズを提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至8のいずれか1項のズームレンズにおいて、前記第3レンズ群の最も物体側のレンズが非球面を持つことにより、各種収差が補正でき、より高性能化を図り得るズームレンズを提供することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズにおいて、
前記第4レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有し、最も物体側の面が非球面であり、第4レンズ群内の正レンズの部分分散比(ng-nF)/(nF-nC)をθgFとして、
条件式:
(4) θgF < 0.551
を満足することにより、より高性能化を実現し得るズームレンズを提供することができる。
条件式:
(5) Ft/Fw > 9
を満足することにより、9倍以上の高変倍比であり、高性能で、コンパクトなズームレンズを提供することができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項1乃至11のいずれか1項のズームレンズにおいて、
最大像高をY’、広角端での焦点距離をFwとして、
条件式:
(6) 0.78< Y’/Fw
を満足することにより、広角端での半画角が38度以上で、高変倍比で高性能で且つコンパクトなズームレンズを提供することができる。
請求項14に記載の発明によれば、請求項13に記載の情報装置において、ズームレンズによる物体像が、撮像素子の受光面上に結像されることにより、撮影画像をデジタル情報とする機能を有する情報装置を提供することができる。
請求項15に記載の発明によれば、請求項13または14に記載の情報装置を、撮影機能を有する携帯情報端末装置として構成したことにより、高性能な携帯機能を持たせた情報装置を提供することができる。
本発明の一つの実施の形態に係るズームレンズは、物体側から順次、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを配置し、前記第3レンズ群の物体側に開口絞りを有してなり、広角端から望遠端への変倍に際して、全群が移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間隔が増大するズームレンズにおいて、第3レンズ群が少なくとも2枚の正レンズと1枚の負レンズを含み、第3レンズ群の全ての正レンズが、以下条件式を満足することが望ましい。ここで、g線に対する屈折率をngとし、F線に対する屈折率をnFとし、c線に対する屈折率をnCとし、第3レンズ群の正レンズのアッベ数をνd3pとし、第3レンズ群の正レンズの部分分散比(=(ng-nF)/(nF-nC))をθgF3pとして、下記(1)、(2)の条件式を満足する(請求項1の一部に対応する)。
ここで、条件式(1)は第3レンズ群の正レンズの部分分散比を規定する式である。図25にアッベ数νdと部分分散比θgFの関係を示す。図25中における点1aは、株式会社オハラ社製での商品名PBM2(νd=36.26、θgF=0.5828)、点1bは、株式会社オハラ社製での商品名NSL7(νd=60.49、θgF=0.5436)、点1cは、光ガラス株式会社の商品名EPSKH1(νd=67.9、θgF=0.5440)、点1dは、光ガラス株式会社の商品名EPKH1(νd=69.98、θgF=0.5318)を示す。点1aと点1bを結んだ線を基準線1aとすると、光学ガラスの分布としては大まかには、アッベ数νdが35程度よりも小さい高分散ガラスは、基準線1aよりも上側に、アッベ数νdが35から65程度までの低分散ガラスは、基準線1aよりも下側に位置するものが多い。また、アッベ数νdが60以上で基準線1aよりも上側には、異常分散性ガラスが存在している。特に、異常分散性ガラスのうち、点1c、点1dを結んだ線を基準線1bとすると、この付近のガラスは、比較的アッベ数が大きく、異常分散が大きいものとして特徴付けられる。この材料を第3レンズ群の正レンズとして用いることにより、コンパクトでありながら、広角、高変倍のズームレンズにおいて、望遠端での倍率色収差やMTFの劣化の低減を図ることができる。
更に好ましくは以下の条件式(1’)を満足することが望ましい。
(1’) −0.005865νd3p+0.93226 < θgF3p <−0.005865νd3p+0.94026
より高性能化するためには、以下条件式を満足することが望ましい。ここでnnaveは第3レンズ群の負レンズの平均屈折率、npaveは第3レンズ群の正レンズの平均屈折率を表す(請求項2に対応する)。
ここで条件式(2)は第3レンズ群中の正レンズと負レンズの屈折率差を規定した条件式であり、上限もしくは下限を超える場合、ペッツバール和が正もしくは負の側に補正する効果が強くなりすぎ、像面湾曲が大きくなってしまうため、性能が劣化する。更に、好ましくは、以下の条件式(2’)を満足することである。
(2’) 0.17 < nnave−npave < 0.37
上記条件式(1)、(2)、更に好ましくは条件式(1’)(2’)を同時に満たすことにより、二次スペクトル補正と像面湾曲の補正が両立するという効果がある。
より高性能化するためには、前記第3レンズ群が少なくとも物体側から正レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることが望ましい(請求項3に対応する)。
よりコンパクト化するためには、前記第3レンズ群が正レンズ2枚、負レンズ1枚で構成されていることが望ましい(請求項4に対応する)。
さらに高性能化するためには、前記第2レンズ群が物体側から負レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることが望ましい(請求項5に対応する)。第2レンズ群中に2枚の負レンズを配置して第2レンズ群の負パワーを分担させ収差を抑えやすくし、物体側から順に、負レンズ、正レンズ、負レンズの並びとすることで、レンズ構成の対称性を良くし、第2レンズ群内で効率良く収差補正を行える構成としている。
前記ズームレンズにおいて、望遠端でのレンズ系の全長を望遠端でのレンズ系の焦点距離で割った値である望遠比Tprが、下記の条件式(3)を満たすことが望ましい(請求項6に対応する)。
ここで条件式(2)は、広角化、望遠化、小型化に重要な第1レンズ群の繰り出し量を規制し、十分な収差補正を可能とするための条件であり、望遠比が1.5以上となった場合、第1レンズ群の繰り出し量が大きくなってしまうため、小型化に対して不利となるだけでなく、望遠端での周辺光量確保のために径方向が大型化したり、鏡胴倒れ等の作製誤差による像性能の劣化も招来しやすい。また、望遠比が1.0を下回る場合は、第1レンズ群の移動量が小さくなり、第2レンズ群の変倍への寄与が小さくなり第3レンズ群の負担が増加するか、あるいは第2レンズ群の屈折力を大きくしなければならなくなり、いずれにしても各種収差の悪化を招く。
より高性能化するためには、第2レンズ群の少なくとも1枚の負レンズにハイブリッド非球面を設定することが望ましい(請求項7に対応する)。ここでハイブリッド非球面レンズとは、ガラスの球面レンズ上に樹脂からなる薄膜を形成し、その表面を非球面としたレンズのことであり、これを用いることにより、上述したように高性能化が図れるだけでなく、硝材の選択を自由に行うことができ、また低コスト化が可能となる。
さらに高性能化するためには、第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズを有することが望ましい。さらに望ましくは、最も像側の面を非球面とすることが望ましい(請求項8に対応する)。
さらに高性能化するためには、第4レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有し、最も物体側の面が非球面とすることが望ましい。第4レンズ群の最も物体面側に非球面レンズを配置することにより、軸上光線が離れているため、像面補正において非球面による効果が大きく得られる。また下記条件式(4)を満たすことが望ましい。ここでθgFは、第4レンズ群内の正レンズの部分分散比(ng-nF)/(nF-nC)を表す(請求項10に対応する)。
(4) θgF < 0.551
ここで条件式(4)の上限値を上回ると、特に望遠側での色収差が大きくなり、収差補正上不利となる。また更に望ましくは、材料としてプラスチックを用いる。これによりコスト的に有利となる。
また、前記ズームレンズにおいて、条件式(5)を満たすことが望ましい(請求項11に対応する)。
(5) Ft/Fw > 9
ここで条件式(5)は、ズーム比を規制するものであり、9倍以上の高変倍比、望ましくは、特に、10倍〜11倍の変倍比が好適であり、高性能でコンパクトなズームレンズを提供することが出来る。
さらに、前記ズームレンズにおいて、条件式(6)を満たすことが望ましい(請求項12に対応する)。ここでY’は、最大像高であり、Fwは、広角端での焦点距離である。
(6) 0.78 < Y’/Fw
ここで条件式(6)は、画角を規制するものであり、広角端での半画角が38度以上で高変倍比で高性能でかつコンパクトなズームレンズを得ることが出来る。
前記ズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、全群が移動し、第1レンズ群と第3レンズ群が物体側へ移動し、第2レンズ群が像側に凸の曲線を描いて移動するか、または像側に移動し、第4レンズ群が物体側へ凸の曲線を描いて移動し、開口絞りが他のレンズ群とは独立に移動することが望ましい(請求項1の一部に対応する)。このような構成により、第1レンズ群の移動量を効率良く低減することが可能であり、また収差補正上有利となる。
絞りの開放径は、「変倍に係らず一定とする」のが機構上簡略となってよいが、望遠端の開放径を広角端に比べて大きくすることにより、Fナンバーの変化を小さくすることも出来る。像面に到達する光量を減少させる必要があるときは、絞りを小径化しても良いが、「絞り径を大きく変えることなくNDフィルタ等の挿入により光量を減少」させるほうが回折現象による解像力の低下を防止できて好ましい。
この発明の情報装置は、上記ズームレンズを撮影光学系として有することを特徴とする撮影機能を有する情報装置である(請求項13に対応する)。この情報装置は、ズームレンズによる物体像が撮像素子の受光面上に結像されるものであることができる(請求項14に対応する)。前述のように、情報装置は、デジタルカメラやビデオカメラ、銀塩カメラ等として実施できるが、携帯情報端末装置として好適に実施できる(請求項15に対応する)。
このように、本発明のズームレンズは、上述のごとき構成により、広角端の半画角が38度以上と十分に広画角でありながら、9倍以上の変倍比を有し、十分に収差補正され、小型でかつ高解像度の撮像素子に対応した解像力を有するズームレンズを撮像光学系として有することにより、小型で性能のよい情報装置を実現することができる。
実施例1〜実施例6において、第4レンズ群の像側に配設される平行平板からなる光学要素は、光学ローパスフィルタ・赤外カットフィルタ等の各種光学フィルタや、CCDセンサ等の撮像素子のカバーガラス(シールガラス)を想定したものであり、ここでは各種フィルタFMと称することにする。また、長さの次元を持つ量の単位は、特に断らない限り「mm」である。
また、実施例1〜実施例6において、いくつかのレンズ面を非球面としている。非球面を形成するには、いわゆるモールド非球面レンズのように、各レンズ面を直接非球面とする構成と、いわゆるハイブリッド非球面レンズのように、球面レンズのレンズ面に非球面を形成する樹脂薄膜を敷設して非球面を得る構成とがある。
実施例1〜実施例6における収差は充分に補正されており、500万画素〜1,000万画素またはそれ以上の画素数の受光素子に対応することが可能となっている。本発明に従ってズームレンズを構成することによって、充分な小型化を達成しながら非常に良好な像性能を確保し得ることは、実施例1〜実施例6より明らかである。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ(F値)
ω:半画角(度)
R:曲率半径(非球面については近軸曲率半径)
D:面間隔
nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
A12:12次の非球面係数
A14:14次の非球面係数
図1は、本発明の実施例1に係るズームレンズのレンズ構成および広角端から所定の中間焦点距離を経て望遠端へのズーミングに伴うズーム軌跡を模式的に示しており、このうち、(a)は広角端(Wide)における模式的断面図、(b)は所定の中間焦点距離(Mean)における模式的断面図、そして(c)は望遠端(Tele)における模式的断面図である。なお、実施例1のレンズ群配置を示す図1において、図示左側が物体側である。
図1に示すズームレンズは、光軸に沿って、物体側から、順次、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、そして正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りADを配している。この場合、第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2および第3レンズE3を有してなり、第2レンズ群G2は、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6を有してなり、第3レンズ群G3は、第7レンズE7、第8レンズE8および第9レンズE9を有してなり、そして第4レンズ群G4は、第10レンズE10を有してなる。
広角端(短焦点端)から望遠端(長焦点端)への変倍に際しては、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4の全群が移動して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大する。
第1レンズ群G1は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズE1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第2レンズE2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第3レンズE3とを配している。第1レンズE1と第2レンズE2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
開口絞りADは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に介挿配置されている。
第3レンズ群G3は、物体側から、順次、物体側により強い凸面を向けた両凸形状で且つ両面を非球面とした正レンズからなる第7レンズE7と、物体側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第8レンズE8と、像側に強い凹面を向けた両凹負レンズからなる第9レンズE9とを配している。第8レンズE8と第9レンズE9の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
この場合、図1に示すように、広角端(短焦点端)から望遠端(長焦点端)への変倍に伴って、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、像側から物体側へ単調に移動し、第2レンズ群G2は像側に凸となる軌跡を描いて移動し、そして第4レンズ群G4は物体側に凸となる軌跡を描いて移動する。
この実施例1においては、全光学系の焦点距離f,FナンバF,半画角ωが、ズーミングによって、それぞれf=5.05〜51.98,F=3.59〜6.09,ω=39.3〜4.54の範囲で変化する。各光学要素の光学特性は、次表の通りである。
すなわち、表1においては、「*」が付された第6面、第12面、第14面、第15面および第19面の各光学面が非球面であり、式(6)における各非球面のパラメータは、次の通りである。
非球面パラメータ
第6面
K=0
A4= 1.77332×10−4
A6=−9.72325×10−6
A8= 6.90805×10−7
A10=−2.97854×10−8
A12= 6.25272×10−10
A14=−5.22888×10−12
K=0
A4=−7.64112×10−4
A6= 2.16009×10−6
A8=−1.12969×10−6
A10=−1.24137×10−8
第14面
K=0
A4=−8.06209×10−4
A6= 1.09740×10−5
A8=−7.54712×10−7
A10= 1.12131×10−8
A12= 2.76518×10−11
K=0
A4= 4.55902×10−4
A6= 9.25284×10−6
A8=−9.40053×10−8
第19面
K=0
A4=−4.47303×10−5
A6= 3.64467×10−6
A8=−5.98158×10−8
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りADとの間の可変間隔DB、開口絞りADと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、そして第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DDは、ズーミングに伴って次表のように変化させられる。
また、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、
(2) nnave−npave=0.364
(3) Tpr=1.198
(4) θgF=0.532
(5) Ft/Fw=10.303
(6) Y’/Fw=0.819
となり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
また、図2、図3および図4に、それぞれ、実施例1の広角端、中間焦点距離および望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、並びにコマ収差の各収差図を示している。なお、これらの図において、球面収差における破線は正弦条件をあらわし、非点収差における実線はサジタル、そして破線はメリディオナルをそれぞれあらわしている。また、球面収差、非点収差、並びにコマ収差の各収差図におけるgおよびdはそれぞれ、g線およびd線をあらわしている。これらは、他の実施例の収差図についても同様である。
図5に示すズームレンズは、光軸に沿って、物体側から、順次、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、そして正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りADを配している。この場合、第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2および第3レンズE3を有してなり、第2レンズ群G2は、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6を有してなり、第3レンズ群G3は、第7レンズE7、第8レンズE8および第9レンズE9を有してなり、そして第4レンズ群G4は、第10レンズE10を有してなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4の全群が移動して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大する。
第1レンズ群G1は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズE1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第2レンズE2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第3レンズE3とを配している。第1レンズE1と第2レンズE2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
開口絞りADは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に介挿配置されている。
第3レンズ群G3は、物体側から、順次、物体側により強い凸面を向けた両凸形状で且つ両面を非球面とした正レンズからなる第7レンズE7と、物体側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第8レンズE8と、像側に強い凹面を向けた両凹負レンズからなる第9レンズE9とを配している。第8レンズE8と第9レンズE9の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
すなわち、この実施例2は、実質的に先に述べた実施例1とほぼ同様の構成である。この場合にも、図5に示すように、広角端から望遠端への変倍に伴って、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、像側から物体側へ単調に移動し、第2レンズ群G2は像側に凸となる軌跡を描いて移動し、そして第4レンズ群G4は物体側に凸となる軌跡を描いて移動する。
この実施例2においては、全光学系の焦点距離f,FナンバF,半画角ωが、ズーミングによって、それぞれf=5.05〜51.98,F=3.61〜6.15,ω=39.3〜4.54の範囲で変化する。各光学要素の光学特性は、次表の通りである。
非球面パラメータ
第6面
K=0
A4= 1.70437×10−4
A6=−8.89500×10−6
A8= 5.88584×10−7
A10=−2.56139×10−8
A12= 5.44131×10−10
A14=−4.57914×10−12
K=0
A4=−7.78347×10−4
A6= 3.93144×10−6
A8=−1.61339×10−6
A10= 7.50104×10−9
第14面
K=0
A4=−8.29907×10−4
A6= 1.14027×10−5
A8=−9.96991×10−7
A10= 1.65803×10−8
A12= 1.14513×10−11
K=0
A4= 4.54675×10−4
A6= 8.97554×10−6
A8=−2.66344×10−7
第19面
K=0
A4=−5.31816×10−5
A6= 3.63784×10−6
A8=−6.17397×10−8
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りADとの間の可変間隔DB、開口絞りADと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、そして第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DDは、ズーミングに伴って次表のように変化させられる。
また、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、
(2) nnave−npave=0.354
(3) Tpr=1.217
(4) θgF=0.538
(5) Ft/Fw=10.298
(6) Y’/Fw=0.818
となり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
また、図6、図7および図8に、それぞれ、実施例2の広角端、中間焦点距離および望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、並びにコマ収差の各収差図を示している。
図9に示すズームレンズは、光軸に沿って、物体側から、順次、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、そして正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りADを配している。この場合、第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2および第3レンズE3を有してなり、第2レンズ群G2は、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6を有してなり、第3レンズ群G3は、第7レンズE7、第8レンズE8および第9レンズE9を有してなり、そして第4レンズ群G4は、第10レンズE10を有してなる。
第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4は、それぞれ各群毎に適宜なる共通の支持枠等によって支持され、ズーミング等に際しては各群毎に一体的に動作し、開口絞りADは、各群とは独立に動作する。図9にも、各光学面の面番号を示している。なお、図9における各参照符号も、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、各実施例毎に独立に用いており、そのため他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していてもそれらは他の実施例とはかならずしも共通の構成ではない。
第1レンズ群G1は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズE1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第2レンズE2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第3レンズE3とを配している。第1レンズE1と第2レンズE2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第2レンズ群G2は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズであって、その物体側に樹脂層が施されて非球面を形成しているハイブリッド非球面レンズからなる第4レンズE4と、像側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第5レンズE5と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズであって、その像側に樹脂層が施されて非球面を形成しているハイブリッド非球面レンズからなる第6レンズE6とを配している。第5レンズE5と第6レンズE6の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第3レンズ群G3は、物体側から、順次、物体側により強い凸面を向けた両凸形状で且つ両面を非球面とした正レンズからなる第7レンズE7と、物体側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第8レンズE8と、像側により強い凹面を向けた両凹負レンズからなる第9レンズE9とを配している。第8レンズE8と第9レンズE9の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向け且つ物体側を非球面とした正メニスカスレンズからなる第10レンズE10のみからなっている。
すなわち、この実施例3は、実質的に先に述べた実施例1および実施例2とほぼ同様の構成である。この場合にも、図9に示すように、広角端から望遠端への変倍に伴って、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、像側から物体側へ単調に移動し、第2レンズ群G2は物体側から像側へほぼ単調に移動し、そして第4レンズ群G4は物体側に凸となる軌跡を描いて移動する。
この実施例3においては、全光学系の焦点距離f,FナンバF,半画角ωが、ズーミングによって、それぞれf=5.05〜51.97,F=3.58〜5.72,ω=39.3〜4.54の範囲で変化する。各光学要素の光学特性は、次表の通りである。
非球面パラメータ
第6面
K=0
A4= 2.25844×10−4
A6=−1.12455×10−5
A8= 6.76369×10−7
A10=−2.52638×10−8
A12= 4.66507×10−10
A14=−3.41911×10−12
K=0
A4=−5.67227×10−4
A6=−3.24620×10−6
A8=−2.94393×10−7
A10=−1.76132×10−8
第14面
K=0
A4=−6.53010×10−4
A6= 6.85627×10−6
A8=−4.27084×10−7
A10= 2.66460×10−9
A12= 2.95049×10−11
K=0
A4= 3.59196×10−4
A6= 7.31481×10−6
A8=−1.15774×10−7
第19面
K=0
A4=−7.94840×10−5
A6= 4.43016×10−6
A8=−1.31828×10−7
A10= 1.68587×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りADとの間の可変間隔DB、開口絞りADと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、そして第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DDは、ズーミングに伴って次表のように変化させられる。
また、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、
(2) nnave−npave=0.364
(3) Tpr=1.215
(4) θgF=0.530
(5) Ft/Fw=10.298
(6) Y’/Fw=0.818
となり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
また、図10、図11および図12に、それぞれ、実施例3の広角端、中間焦点距離および望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、並びにコマ収差の各収差図を示している。
図13に示すズームレンズは、光軸に沿って、物体側から、順次、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、そして正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りADを配している。この場合、第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2および第3レンズE3を有してなり、第2レンズ群G2は、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6を有してなり、第3レンズ群G3は、第7レンズE7、第8レンズE8および第9レンズE9を有してなり、そして第4レンズ群G4は、第10レンズE10を有してなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4の全群が移動して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大する。
第1レンズ群G1は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズE1と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第2レンズE2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第3レンズE3とを配している。第1レンズE1と第2レンズE2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
開口絞りADは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に介挿配置されている。
第3レンズ群G3は、物体側から、順次、物体側により強い凸面を向けた両凸形状で且つ両面を非球面とした正レンズからなる第7レンズE7と、物体側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第8レンズE8と、像側により強い凹面を向けた両凹負レンズからなる第9レンズE9とを配している。第8レンズE8と第9レンズE9の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
すなわち、この実施例4は、第2レンズ群G2の最も像側の面、つまり第6レンズE6の像側の面(面番号11)、に樹脂層が設けられていないこと以外は、先に述べた実施例1等と実質的にほぼ同様の構成である。この場合にも、図13に示すように、広角端から望遠端への変倍に伴って、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3は、像側から物体側へ単調に移動し、第2レンズ群G2は物体側から像側へほぼ単調に移動し、そして第4レンズ群G4は物体側に凸となる軌跡を描いて移動する。
この実施例4においては、全光学系の焦点距離f,FナンバF,半画角ωが、ズーミングによって、それぞれf=5.06〜52.00,F=3.67〜5.88,ω=39.3〜4.54の範囲で変化する。各光学要素の光学特性は、次表の通りである。
非球面パラメータ
第6面
K=0
A4= 1.87731×10−4
A6=−8.48011×10−6
A8= 5.31966×10−7
A10=−1.96752×10−8
A12= 3.60944×10−10
A14=−2.61168×10−12
第11面
K=0
A4=−3.09393×10−4
A6=−2.60609×10−6
A8= 9.00781×10−8
A10=−2.11546×10−8
A12=5.00134×10−12
K=0
A4=−5.34737×10−4
A6= 1.25801×10−5
A8=−6.90959×10−7
A10= 3.54100×10−8
A12=−3.42791×10−10
第14面
K=0
A4= 4.15136×10−4
A6= 1.12480×10−5
A8=−1.24918×10−7
A10= 2.42397×10−8
K=0
A4=−5.80774×10−5
A6= 4.48970×10−6
A8=−1.43440×10−7
A10= 1.99458×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りADとの間の可変間隔DB、開口絞りADと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、そして第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DDは、ズーミングに伴って次表のように変化させられる。
また、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、
(2) nnave−npave=0.363
(3) Tpr=1.197
(4) θgF=0.550
(5) Ft/Fw=10.285
(6) Y’/Fw=0.817
となり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
また、図14、図15および図16に、それぞれ、実施例4の広角端、中間焦点距離および望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、並びにコマ収差の各収差図を示している。
図17に示すズームレンズは、光軸に沿って、物体側から、順次、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、そして正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りADを配している。この場合、第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2および第3レンズE3を有してなり、第2レンズ群G2は、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6を有してなり、第3レンズ群G3は、第7レンズE7、第8レンズE8および第9レンズE9を有してなり、そして第4レンズ群G4は、第10レンズE10を有してなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4の全群が移動して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大する。
第1レンズ群G1は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズE1と、物体側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第2レンズE2と、物体側に凸面を向け且つ像側を非球面とした正メニスカスレンズからなる第3レンズE3とを配している。第1レンズE1と第2レンズE2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
開口絞りADは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に介挿配置されている。
第3レンズ群G3は、物体側から、順次、物体側により強い凸面を向けた両凸形状で且つ両面を非球面とした正レンズからなる第7レンズE7と、像側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第8レンズE8と、像側により強い凹面を向けた両凹負レンズからなる第9レンズE9とを配している。第8レンズE8と第9レンズE9の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向け且つ物体側を非球面とした正メニスカスレンズからなる第10レンズE10のみからなっている。
この実施例5においては、全光学系の焦点距離f,FナンバF,半画角ωが、ズーミングによって、それぞれf=5.10〜52.51,F=3.66〜6.08,ω=39.0〜4.50の範囲で変化する。各光学要素の光学特性は、次表の通りである。
非球面パラメータ
第5面
K=0
A4= 6.74244×10−6
A6= 1.71567×10−8
A8=−5.77985×10−10
A10= 6.82490×10−12
A12=−3.92899×10−14
A14= 8.90124×10−17
第6面
K=0
A4= 2.82064×10−4
A6=−1.64412×10−5
A8= 7.67008×10−7
A10=−2.50553×10−08
A12= 4.03304×10−10
A14=−2.59031×10−12
K=0
A4=−7.30452×10−4
A6=−1.28510×10−5
A8=−1.51108×10−8
A10=−4.94285×10−8
第14面
K=0
A4=−7.37337×10−4
A6= 6.09853×10−6
A8=−3.31772×10−7
A10= 1.12573×10−9
K=0
A4= 3.65974×10−4
A6= 7.04803×10−6
A8=−8.52137×10−8
第19面
K=0
A4=−7.06590×10−5
A6= 2.65324×10−6
A8=−3.92249×10−8
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りADとの間の可変間隔DB、開口絞りADと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、そして第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DDは、ズーミングに伴って次表のように変化させられる。
また、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、
(2) nnave−npave=0.171
(3) Tpr=1.205
(4) θgF=0.538
(5) Ft/Fw=10.298
(6) Y’/Fw=0.810
となり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
また、図18、図19および図20に、それぞれ、実施例5の広角端、中間焦点距離および望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、並びにコマ収差の各収差図を示している。
図21に示すズームレンズは、光軸に沿って、物体側から、順次、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、そして正の屈折力を有する第4レンズ群G4とを配置し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に開口絞りADを配している。この場合、第1レンズ群G1は、第1レンズE1、第2レンズE2および第3レンズE3を有してなり、第2レンズ群G2は、第4レンズE4、第5レンズE5および第6レンズE6を有してなり、第3レンズ群G3は、第7レンズE7、第8レンズE8および第9レンズE9を有してなり、そして第4レンズ群G4は、第10レンズE10を有してなる。
広角端から望遠端への変倍に際しては、第1レンズ群G1〜第4レンズ群G4の全群が移動して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が増大する。
第1レンズ群G1は、物体側から、順次、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなる第1レンズE1と、物体側に凸面を向けた平凸正レンズからなる第2レンズE2と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる第3レンズE3とを配している。第1レンズE1と第2レンズE2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
開口絞りADは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に介挿配置されている。
第3レンズ群G3は、物体側から、順次、物体側により強い凸面を向けた両凸形状で且つ両面を非球面とした正レンズからなる第7レンズE7と、物体側により強い凸面を向けた両凸正レンズからなる第8レンズE8と、両面がほぼ等しい曲率の凹面で形成された両凹負レンズからなる第9レンズE9とを配している。第8レンズE8と第9レンズE9の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わせられて一体に接合され、2枚接合からなる接合レンズを形成している。
第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向け且つ物体側を非球面とした正メニスカスレンズからなる第10レンズE10のみからなっている。
この実施例6においては、全光学系の焦点距離f,FナンバF,半画角ωが、ズーミングによって、それぞれf=5.05〜52.0,F=3.67〜5.87,ω=39.2〜4.54の範囲で変化する。各光学要素の光学特性は、次表の通りである。
非球面パラメータ
第6面
K=0
A4= 1.61812×10−4
A6=−8.77148×10−6
A8= 6.64153×10−7
A10=−2.61706×10−8
A12= 4.90817×10−10
A14=−3.58555×10−12
第11面
K=0
A4=−3.34755×10−4
A6=−1.46643×10−6
A8= 1.45680×10−7
A10=−2.98204×10−8
A12= 8.56606×10−11
K=0
A4=−6.03552×10−4
A6= 7.15076×10−6
A8=−6.86505×10−7
A10= 9.64137×10−9
A12=−4.18827×10−10
第14面
K=0
A4= 3.20064×10−4
A6= 4.81813×10−6
A8= 3.04886×10−8
A10=−1.58516×10−8
K=0
A4=−1.00058×10−4
A6= 3.53642×10−6
A8=−1.37159×10−7
A10= 1.92665×10−9
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変間隔DA、第2レンズ群G2と開口絞りADとの間の可変間隔DB、開口絞りADと第3レンズ群G3との間の可変間隔DC、そして第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間の可変間隔DDは、ズーミングに伴って次表のように変化させられる。
また、条件式(1)〜条件式(6)に対応する値は、
(2) nnave−npave=0.347
(3) Tpr=1.218
(4) θgF=0.550
(5) Ft/Fw=10.297
(6) Y’/Fw=0.818
となり、それぞれ条件式(1)〜条件式(6)を満足している。
また、図22、図23および図24に、それぞれ、実施例6の広角端、中間焦点距離および望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差、並びにコマ収差の各収差図を示している。
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
E1〜E10 第1レンズ〜第10レンズ
AD 開口絞り
FM 各種フィルタ
Claims (15)
- 物体側から順次、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とを配置し、前記第3レンズ群の物体側に開口絞りを有してなり、広角端から望遠端への変倍に際して、全群が移動し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間隔が増大するズームレンズにおいて、
前記第3レンズ群が少なくとも2枚の正レンズと1枚の負レンズを含み、
g線に対する屈折率をngとし、F線に対する屈折率をnFとし、c線に対する屈折率をnCとし、
第3レンズ群の正レンズのアッベ数をνd3pとし、第3レンズ群の正レンズの部分分散比=(ng-nF)/(nF-nC)をθgF3pとして、前記第3レンズ群の全ての正レンズが、
条件式:
(1) −0.005865νd3p+0.93226<θgF3p<−0.005865νd3p+0.95226
を満足し、
広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記第3レンズ群が物体側へ移動し、前記第2レンズ群が像側に凸の曲線を描いて移動するか、または像側に移動し、前記第4レンズ群が物体側へ凸の曲線を描いて移動し、前記開口絞りが他のレンズ群とは独立に移動することを特徴とするズームレンズ。 - 第3レンズ群の負レンズの平均屈折率を、nnaveとし、第3レンズ群の正レンズの平均屈折率を、npaveとして、前記第3レンズ群の負レンズと正レンズが、
条件式:
(2) 0.15 < nnave−npave < 0.40
を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。 - 前記第3レンズ群が少なくとも物体側から正レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
- 前記第3レンズ群が正レンズ2枚、負レンズ1枚で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第2レンズ群が物体側から順次、負レンズ、正レンズ、負レンズの順で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 望遠比Tpr(望遠端での全長÷望遠端焦点距離)が、
条件式:
(3) 1.0 < Tpr < 1.5
を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ - 前記第2レンズ群の少なくとも1枚の負レンズがハイブリッド非球面レンズであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズ群が1枚の負レンズと2枚の正レンズを有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第3レンズ群の最も物体側のレンズが非球面を持つことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第4レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズを有し、最も物体側の面が非球面であり、第4レンズ群内の正レンズの部分分散比(ng-nF)/(nF-nC)をθgFとして、
条件式:
(4) θgF < 0.551
を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズ。 - 広角端での焦点距離をFwとし、望遠端での焦点距離をFtとして、
条件式:
(5) Ft/Fw > 9
を満足することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のズームレンズ。 - 広角端での焦点距離をFwとし、最大像高Y’として、
条件式:
(6) 0.78 < Y’/Fw
を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のズームレンズ。 - 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のズームレンズを、撮影光学系として有することを特徴とする撮影機能を有する情報装置。
- 請求項13に記載の情報装置において、ズームレンズによる物体像が、撮像素子の受光面上に結像されることを特徴とする撮影機能を有する情報装置。
- 請求項13または14に記載の情報装置において、携帯情報端末装置として構成されたことを特徴とする撮影機能を有する情報装置。
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