JP4960713B2 - ズームレンズ系、撮像装置及びカメラ - Google Patents

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Description

本発明はズームレンズ系、撮像装置及びカメラに関する。特に本発明は、解像度が高いのは勿論のこと、3倍以上のズーム比を有し、かつ像面湾曲を補正する能力が高く、非使用時の光学全長が短いズームレンズ系、該ズームレンズ系を用いた撮像装置及び該撮像装置を備えたカメラに関する。
従来より、レンズを介して撮像素子上に被写体の像を形成し、像を画像として取り込む光学機器が多く開発されている。最近ではデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラといった製品が普及し、使用者数の増大とともに、これら製品への要望も大きくなってきている。各種製品形態のうち3倍程度のズーム比を有する光学機器は、比較的小型でありながら、光学ズーム機能も持ち合わせており、コンパクトタイプ、スタイリッシュタイプという区分のデジタルカメラとして、特に普及度が高い。
前記コンパクトタイプのデジタルカメラに対しては、持ち運びを容易にするために、機器のさらなる小型化が求められる。デジタルカメラのさらなる小型化を実現するためには、非使用時の光学全長(レンズ系全体の最も物体側のレンズ面の頂点から像面までの距離)を短くし、使用時に多段鏡筒で本体よりも前に飛び出したレンズ素子を本体に収納し得るレンズ配置とすることが必要である。
ところで、コンパクトタイプのデジタルスチルカメラに適したズームレンズ系としては、例えば、物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とが配置された3群構成のズームレンズ系が数多く提案されている。
前記のごとき3群構成のズームレンズ系は、広角端から望遠端へのズーミング(変倍)に際して、第1レンズ群と第2レンズ群との間の空気間隔が単調減少し、第2レンズ群と第3レンズ群との間の空気間隔が変化し、第3レンズ群は固定又は移動するように構成されている。
3群構成のズームレンズ系におけるフォーカス調整は、第1レンズ群又は第3レンズ群を光軸方向に移動させて行う。特に光学機器全体の小型化を図るために、フォーカス調整は軽量な第3レンズ群で行われることが多く、無限から近距離の被写体にフォーカスを合わせる。一方第1レンズ群にてフォーカス調整を行う場合には、かかる第1レンズ群は第3レンズ群よりも大きいため、大型モータが必要とされ、光学機器全体も大型化する傾向がある。
前記正パワーの第3レンズ群は、通常像面湾曲を補正したり、撮像面への入射光をテレセントリックにする作用を呈する。また第3レンズ群は、外径が小さい1〜2枚のレンズ素子によって構成されていることが多く、小型モータを用いて高速駆動させることが可能である。したがって、第3レンズ群をフォーカス調整用のレンズ群とすると、小型で短時間の合焦が可能な光学機器とすることができる。
第1レンズ群及び第2レンズ群は、円筒カムに切られたカム溝に沿って、いずれも光軸を平行に移動する。カム溝に、ズーミングのための溝と非使用時のための溝とを繋げ、非使用時の溝は各レンズ群同士の間隔を狭め、かつ3つのレンズ群すべてを撮像素子側に寄せる構成をとることで、非使用時の光学全長を短くすることが可能となる。この場合、各レンズ群の厚みが小さければ、非使用時の光学全長をさらに短くすることができる。
このように、従来はズームレンズ系を前記のごとき構成とし、フォーカス調整に携わる部分や非使用時のレンズ系全体の小型化を図り、デジタルスチルカメラの光学全長を短くする工夫がなされていた。
例えば特許文献1に開示の変倍光学系では、第1レンズ群に少なくとも1つの非球面を備えることで、第1レンズ群の負の光学的パワーを増大させたときに発生する非点収差と歪曲収差とを補正し、コンパクト化を図っている。また第1レンズ群において、レンズの屈折率差の絶対値に下限値を設けることで、ペッツバール和を小さくし、非点収差と像面湾曲とを補正している。
さらに、特許文献1に開示の変倍光学系では、最も物体側の第1レンズ群を負リードの構成とし、物体側からレンズ面に対して大きな角度で入射する光線を大きく屈折させることで、小型化を図っている。また第1レンズ群内のレンズの屈折率最大値に下限値を設けることで、レンズの曲率半径を小さくし、発生する収差の増大を抑制している。さらに第2レンズ群のパワーに制限を持たせることで、変倍比とコンパクト性を維持しつつ、第2レンズ群に生じる偏芯誤差感度や製造難易度の増大も抑制している。
また、例えば特許文献2に開示のズームレンズでは、第1レンズ群を2枚レンズ構成にすることでその沈胴状態での寸法を薄くし、全体での薄型化を図っている。また薄型化の際に第1レンズ群内で発生する諸収差を、各レンズの屈折率を高くし、レンズ面の曲率を大きくすることで抑制している。特に、軸上色収差及び倍率色収差は、第1レンズ群内の第2レンズと第1レンズとの屈折率差、また第2レンズのアッベ数に上下限値を設けることで抑制している。
特開2006−11096号公報 特開2006−194974号公報
しかしながら、前記特許文献1に開示された3群構成の変倍光学系は、コンパクト性を重要視しているため、像面湾曲の補正が不充分であるという問題がある。また第2レンズ群のパワーも低く、3倍以上のズーム比を得ることは困難である。
また、前記特許文献2に開示された3群構成のズームレンズでは、倍率色収差の補正は、第1レンズ群内レンズの屈折率及びアッベ数を調整するほかに、第2レンズ群を接合レンズにすることで重点的に行っているが、3倍以上のズーム比を得るには、諸収差の補正が充分ではなく、また広角化も困難である。
本発明は、背景技術における前記課題を解決するためになされたものであり、解像度が高いのは勿論のこと、3倍以上のズーム比を有し、かつ像面湾曲を補正する能力が高く、非使用時の光学全長が短いズームレンズ系、該ズームレンズ系を用いた撮像装置及び該撮像装置を備えたカメラを提供することを目的とする。
前記目的は、以下のズームレンズ系により達成される。すなわち本発明のズームレンズ系は、
物体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するためのズームレンズ系であって、
物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなり
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化するように各レンズ群を光軸に沿ってそれぞれ移動させて変倍を行い、
前記第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、
前記第1レンズ群において、物体側レンズ素子が負パワーを有し、かつ像側レンズ素子が正パワーを有し、
前記第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、かつ該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなり、
以下の条件(1):
1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
(ただし、ωW>36である)
(ここで、
2:第2レンズ群の合成焦点距離、
W:広角端における全系の焦点距離、
ωW:広角端における半画角
である)
を満足することを特徴とする。
また前記目的は、以下の撮像装置により達成される。すなわち本発明の撮像装置は、
被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能な撮像装置であって、
前記被写体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するズームレンズ系と、
前記ズームレンズ系が形成した被写体の光学的な像を、電気的な画像信号に変換する撮像素子とを備え、
前記ズームレンズ系が、被写体側である物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなり
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化するように各レンズ群を光軸に沿ってそれぞれ移動させて変倍を行い、
前記第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、
前記第1レンズ群において、物体側レンズ素子が負パワーを有し、かつ像側レンズ素子が正パワーを有し、
前記第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、かつ該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなり、
以下の条件(1):
1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
(ただし、ωW>36である)
(ここで、
2:第2レンズ群の合成焦点距離、
W:広角端における全系の焦点距離、
ωW:広角端における半画角
である)
を満足することを特徴とする。
さらに前記目的は、以下のカメラにより達成される。すなわち本発明のカメラは、
被写体を撮影して、電気的な画像信号として出力可能なカメラであって、
前記被写体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するズームレンズ系と、該ズームレンズ系が形成した被写体の光学的な像を、電気的な画像信号に変換する撮像素子とを含む撮像装置を備え、
前記ズームレンズ系が、被写体側である物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなり
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化するように各レンズ群を光軸に沿ってそれぞれ移動させて変倍を行い、
前記第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、
前記第1レンズ群において、物体側レンズ素子が負パワーを有し、かつ像側レンズ素子が正パワーを有し、
前記第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、かつ該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなり、
以下の条件(1):
1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
(ただし、ωW>36である)
(ここで、
2:第2レンズ群の合成焦点距離、
W:広角端における全系の焦点距離、
ωW:広角端における半画角
である)
を満足することを特徴とする。
本発明によれば、解像度が高いのは勿論のこと、3倍以上のズーム比を有し、かつ像面湾曲を良好に補正しつつ、第1レンズ群の厚みが小さく、非使用時の光学全長が短いズームレンズ系及び該ズームレンズ系を用いた撮像装置を提供することができる。さらに本発明によれば、かかる撮像装置を備えた小型で高性能のカメラを提供することができる。
(実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2
図1は、参考の実施の形態1に係るズームレンズ系の構成図である。図3は、実施の形態に係るズームレンズ系の構成図である。図5は、参考の実施の形態に係るズームレンズ系の構成図である。図7は、実施の形態に係るズームレンズ系の構成図である。各図は、いずれも無限遠合焦状態にあるズームレンズ系を表している。各図において、(a)は、広角端(最短焦点距離状態:焦点距離fW)のレンズ構成、(b)は略中間位置(中間焦点距離状態:焦点距離fM=√(fW*fT))、(c)は望遠端(最長焦点距離状態:焦点距離fT)をそれぞれ表している。
実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系は、いずれも物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群G1と、絞りAと、正パワーの第2レンズ群G2と、正パワーの第3レンズ群G3とを備える。実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系は、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1は像側に凸の軌跡を描いて移動し、第2レンズ群G2及び絞りAは単調に物体側に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間隔を変化させて移動している。すなわち実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系は、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が減少し、かつ第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が変化するように各レンズ群が光軸に沿ってそれぞれ移動している。なお、各図において、図中最も右側に記載された直線は、像面Sの位置を表し、その物体側には光学的ローパスフィルタや撮像素子のフェースプレート等と等価な平行平板Pを設けている。
図1に示すように、参考の実施の形態1に係るズームレンズ系において、第1レンズ群G1は、物体側から像側へと順に、負パワーを有し、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の物体側レンズ素子L1と、正パワーを有し、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の像側レンズ素子L2との2枚で構成される。これら物体側レンズ素子L1及び像側レンズ素子L2は、いずれもその像側面が非球面である。
また参考の実施の形態1に係るズームレンズ系において、第2レンズ群G2は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズ素子L3と、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の第4レンズ素子L4と、両凸形状の第5レンズ素子L5とで構成される。これらのうち、第3レンズ素子L3と第4レンズ素子L4とは互いに接合された正接合レンズ素子である。また第2レンズ群G2の最物体側レンズ素子である第3レンズ素子L3は、その物体側面が非球面である。
また参考の実施の形態1に係るズームレンズ系において、第3レンズ群G3は、像側に凸面を向けた正メニスカス形状の第6レンズ素子L6のみで構成される。この第6レンズ素子L6は、その像側面が非球面である。
参考の実施の形態1に係るズームレンズ系は、後に表13に示すように、特に第1レンズ群G1を構成する像側レンズ素子L2の屈折率が高く、物体側レンズ素子L1において光線高が高い部分の厚みを容易に確保しつつも、レンズ中心の厚みを小さくすることができる。したがって、参考の実施の形態1に係るズームレンズ系は、非使用時における光学全長が短いものである。
図3に示すように、実施の形態に係るズームレンズ系において、第1レンズ群G1は、物体側から像側へと順に、負パワーを有し、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の物体側レンズ素子L1と、正パワーを有し、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の像側レンズ素子L2との2枚で構成される。この物体側レンズ素子L1は、その像側面が非球面であり、像側レンズ素子L2は、その物体側面が非球面である。
また実施の形態に係るズームレンズ系において、第2レンズ群G2は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズ素子L3と、両凸形状の第4レンズ素子L4と、両凹形状の第5レンズ素子L5と、両凸形状の第6レンズ素子L6とで構成される。これらのうち、第4レンズ素子L4と第5レンズ素子L5とは互いに接合された接合レンズ素子である。また第2レンズ群G2の最物体側レンズ素子である第3レンズ素子L3及び最像側レンズ素子である第6レンズ素子L6は、いずれもその物体側面が非球面である。
また実施の形態に係るズームレンズ系において、第3レンズ群G3は、両凸形状の第7レンズ素子L7のみで構成される。この第7レンズ素子L7は、その物体側面が非球面である。
実施の形態に係るズームレンズ系は、後に表13に示すように、特に第1レンズ群G1を構成する像側レンズ素子L2の屈折率が高く、物体側レンズ素子L1において光線高が高い部分の厚みを容易に確保しつつも、レンズ中心の厚みを小さくすることができる。したがって、実施の形態に係るズームレンズ系は、非使用時における光学全長が短いものである。
図5に示すように、参考の実施の形態に係るズームレンズ系において、第1レンズ群G1は、物体側から像側へと順に、負パワーを有し、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の物体側レンズ素子L1と、正パワーを有し、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の像側レンズ素子L2との2枚で構成される。この物体側レンズ素子L1は、その像側面が非球面であり、像側レンズ素子L2は、その物体側面が非球面である。
また参考の実施の形態に係るズームレンズ系において、第2レンズ群G2は、物体側から像側へと順に、両凸形状の第3レンズ素子L3と、両凹形状の第4レンズ素子L4と、両凸形状の第5レンズ素子L5とで構成される。これらのうち、第3レンズ素子L3と第4レンズ素子L4とは互いに接合された正接合レンズ素子である。また第2レンズ群G2の最物体側レンズ素子である第3レンズ素子L3及び最像側レンズ素子である第5レンズ素子L5は、いずれもその物体側面が非球面である。
また参考の実施の形態に係るズームレンズ系において、第3レンズ群G3は、両凸形状の第6レンズ素子L6のみで構成される。この第6レンズ素子L6は、その両側面が非球面である。
参考の実施の形態に係るズームレンズ系は、後に表13に示すように、特に第1レンズ群G1を構成する像側レンズ素子L2の屈折率が高く、物体側レンズ素子L1において光線高が高い部分の厚みを容易に確保しつつも、レンズ中心の厚みを小さくすることができる。したがって、参考の実施の形態に係るズームレンズ系は、非使用時における光学全長が短いものである。
図7に示すように、実施の形態に係るズームレンズ系において、第1レンズ群G1は、物体側から像側へと順に、負パワーを有し、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状の物体側レンズ素子L1と、正パワーを有し、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の像側レンズ素子L2との2枚で構成される。この物体側レンズ素子L1は、その像側面が非球面であり、像側レンズ素子L2は、その物体側面が非球面である。
また実施の形態に係るズームレンズ系において、第2レンズ群G2は、物体側から像側へと順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズ素子L3と、両凸形状の第4レンズ素子L4と、両凹形状の第5レンズ素子L5と、両凸形状の第6レンズ素子L6とで構成される。これらのうち、第4レンズ素子L4と第5レンズ素子L5とは互いに接合された接合レンズ素子である。また第2レンズ群G2の最物体側レンズ素子である第3レンズ素子L3及び最像側レンズ素子である第6レンズ素子L6は、いずれもその物体側面が非球面である。
また実施の形態に係るズームレンズ系において、第3レンズ群G3は、両凸形状の第7レンズ素子L7のみで構成される。この第7レンズ素子L7は、その両側面が非球面である。
実施の形態に係るズームレンズ系は、後に表13に示すように、特に第1レンズ群G1を構成する像側レンズ素子L2の屈折率が高く、物体側レンズ素子L1において光線高が高い部分の厚みを容易に確保しつつも、レンズ中心の厚みを小さくすることができる。したがって、実施の形態に係るズームレンズ系は、非使用時における光学全長が短いものである。
このように実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系は、各レンズ群G1〜G3を所望のパワー配置にすることにより、優れた光学性能を保持しつつ、レンズ系全体の小型化を可能にしている。
特に、実施の形態1〜に係るズームレンズ系では、第1レンズ群G1を、負パワーを有する1枚の物体側レンズ素子と正パワーを有する1枚の像側レンズ素子とから構成し、第2レンズ群G2を、1組の接合レンズ素子を物体側及び像側から各々1枚の正レンズ素子で挟んだ構成とし、第3レンズ群G3を1枚のレンズ素子から構成している。このように、実施の形態1〜に係るズームレンズ系は、各レンズ群を構成しているレンズ素子の枚数が少なく、非使用時の光学全長が短いレンズ系となっている。
さらに、実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系では、第1レンズ群G1を構成する2枚の物体側レンズ素子及び像側レンズ素子が、いずれも非球面を有する。したがって、実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系は、特に像面湾曲の補正能力といった光学性能に優れる。
以下、例えば実施の形態1〜に係るズームレンズ系のように、物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とを備え、該第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、該物体側レンズ素子が負パワーを、像側レンズ素子が正パワーを有し、第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなる、物体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するズームレンズ系が満足すべき条件を説明する。なお、各実施の形態に係るズームレンズ系において、複数の満足すべき条件が規定されるが、各条件すべてを満足するズームレンズ系の構成が最も望ましい。しかしながら、個別の条件を満足することにより、それぞれ対応する効果を奏するズームレンズ系を得ることが可能である。
例えば実施の形態1〜に係るズームレンズ系のごときズームレンズ系は、以下の条件(1)を満足することを特徴とする。
1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
(ただし、ωW>36である)
ここで、
2:第2レンズ群の合成焦点距離、
W:広角端における全系の焦点距離、
ωW:広角端における半画角
である。
前記条件(1)は、第2レンズ群の適正な焦点距離を規定する条件である。かかる条件(1)の下限を下回ると、第2レンズ群のパワーが小さくなり、3倍以上のズーム比を得るためには、第2レンズ群の移動距離を増やさなければならず、コンパクト化が困難になる。またかかる条件(1)の上限を上回ると、第2レンズ群のパワーが大きくなり、第1レンズ群及び第3レンズ群において、第2レンズ群で発生する収差を良好に補正することが困難になる。
なお、さらに以下の条件(1)’及び(1)’’の少なくとも1つを満足することにより、前記効果をさらに奏功させることができる。
2.0<f2/fW ・・・(1)’
2/fW<2.7 ・・・(1)’’
(ただし、ωW>36である)
また、例えば実施の形態1〜に係るズームレンズ系のごときズームレンズ系は、以下の条件(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)を満足することが好ましい。
n12>1.91 ・・・(2)
ν12<29 ・・・(3)
n11>1.50 ・・・(4)
ν11>35 ・・・(5)
n12−n11>0.10 ・・・(6)
ここで、
n12:第1レンズ群の像側レンズ素子の屈折率、
ν12:第1レンズ群の像側レンズ素子のアッベ数
n11:第1レンズ群の物体側レンズ素子の屈折率、
ν11:第1レンズ群の物体側レンズ素子のアッベ数
である。
前記条件(2)及び(3)は、第1レンズ群を構成する像側レンズ素子の屈折率及びアッベ数を規定する条件である。これら条件(2)及び(3)を満足することにより、該像側レンズ素子の中心厚みが小さくなり、さらに曲率、特に像側面の曲率を大きくとらなくとも広角端側の像面湾曲が抑制され、コバ厚の確保も容易となるので、第1レンズ群の厚みを小さくすることができる。したがって、ズームレンズ系全体の厚みも小さくなり、非使用時の光学全長を短くすることができる。
前記条件(4)及び(5)は、第1レンズ群を構成する物体側レンズ素子の屈折率及びアッベ数を規定する条件であり、条件(6)は、第1レンズ群が負パワーを有するマイナスリードであって、該第1レンズ群が負パワーを有する物体側レンズ素子及び正パワーを有する像側レンズ素子で構成されるズームレンズ系の色収差を良好に補正する条件である。これら条件(4)、(5)及び(6)を満足することにより、光線高が高くなるにつれてレンズ素子の光軸方向の厚みが大きくなり、さらに製造性を高めるために中心厚みを大きくすると第1レンズ群全体の厚みがより一層大きくなるといった恐れをなくし、しかも色収差を良好に補正することができる。
なお、さらに以下の条件(2)’、(3)’、(4)’、(5)’及び(6)’の少なくとも1つを満足することにより、前記効果をさらに奏功させることができる。特に以下の条件(2)’を満足する場合には、第1レンズ群の像側レンズ素子のZ値(物体側面の曲率と像側面の曲率との差)を大きくとることができ、レンズの心出しがさらに容易になる。また特に以下の条件(3)’を満足する場合には、第1レンズ群で発生する色収差をさらに良好に補正することができる。また以下の条件(5)’’を満足することにより、第1レンズ群で発生する色収差をさらに良好に補正することができる。
n12>1.95 ・・・(2)’
ν12<23 ・・・(3)’
n11>1.70 ・・・(4)’
ν11>38 ・・・(5)’
42>ν11 ・・・(5)’’
n12−n11>0.18 ・・・(6)’
また、例えば実施の形態1〜に係るズームレンズ系のごときズームレンズ系は、以下の条件(7)を満足することが好ましい。
T1/d12>2.0 ・・・(7)
ここで、
T1:第1レンズ群の中心厚み、
d12:第1レンズ群の物体側レンズ素子と像側レンズ素子との中心間隔
である。
前記条件(7)は、第1レンズ群の中心厚みを規定する条件である。かかる条件(7)を満足することにより、像面湾曲が良好に補正され、第1レンズ群の物体側レンズ素子のZ値が大きくなりすぎるのを抑制することができ、像側レンズ素子のZ値を大きく確保しつつ、第1レンズ群の厚みが大きくなりすぎて非使用時の光学全長が長くなる恐れをなくすことができる。
なお、さらに以下の条件(7)’を満足することにより、前記効果をさらに奏功させることができる。また以下の条件(7)’’を満足することにより、第1レンズ群の厚みが大きくなりすぎるのを防ぎ、非使用時におけるコンパクト化を追行することができる。
T1/d12>2.3 ・・・(7)’
3.3>T1/d12 ・・・(7)’’
また、例えば実施の形態1〜に係るズームレンズ系のごときズームレンズ系は、以下の条件(8)を満足することが好ましい。
T2/Y>0.8 ・・・(8)
ここで、
T2:第2レンズ群の中心厚み、
Y:最大像高
である。
前記条件(8)は、第2レンズ群の中心厚みを規定する条件である。かかる条件(8)を満足することにより、第2レンズ群の厚みが小さくなりすぎることによって良好な収差補正ができなくなるのを防ぐことができる。
なお、さらに以下の条件(8)’を満足することにより、前記効果をさらに奏功させることができる。また以下の条件(8)’’を満足することにより、第2レンズ群の厚みが大きくなりすぎて、非使用時の光学全長が長くなる恐れをなくすことができる。
T2/Y>0.82 ・・・(8)’
1.25>T2/Y ・・・(8)’’
なお、実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系を構成している各レンズ群は、入射光線を屈折により偏向させる屈折型レンズ素子(すなわち、異なる屈折率を有する媒質同士の界面で偏向が行われるタイプのレンズ素子)のみで構成されているが、これに限らない。例えば、回折により入射光線を偏向させる回折型レンズ素子、回折作用と屈折作用との組み合わせで入射光線を偏向させる屈折・回折ハイブリッド型レンズ素子、入射光線を媒質内の屈折率分布により偏向させる屈折率分布型レンズ素子等で、各レンズ群を構成してもよい。
また実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系において、反射面を光路中に配置することにより、ズームレンズ系の前、後又は途中で光路を折り曲げてもよい。折り曲げ位置は必要に応じて設定すればよく、光路の適正な折り曲げにより、カメラの見かけ上の薄型化を達成することが可能である。
さらに実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系では、第3レンズ群G3の最像側面と像面Sとの間に光学的ローパスフィルタを含む平行平板Pを配置する構成を示したが、このローパスフィルタとしては、所定の結晶軸方向が調整された水晶等を材料とする複屈折型ローパスフィルタや、必要とされる光学的な遮断周波数の特性を回折効果により達成する位相型ローパスフィルタ等が適用可能である。またかかる平行平板Pは必要に応じて配置すればよい。
以上説明したように、本発明によれば、3倍以上のズーム比を有し、かつ像面湾曲を良好に補正しつつ、第1レンズ群の厚みが小さく、非使用時の光学全長が短いズームレンズ系を得ることができる。
(実施の形態
図9は、実施の形態に係る、カメラの一例であるデジタルスチルカメラの概略斜視図である。図9において、デジタルスチルカメラは、本体901と、ズームレンズ系及びCCDやCMOS等の撮像素子を備えた撮像装置902と、光学式別体ファインダー903と、ストロボ904と、レリースボタン905とから構成され、撮像装置902のズームレンズ系として、実施の形態1に係るズームレンズ系が用いられている。
このように、デジタルスチルカメラに実施の形態1に係るズームレンズ系を用いることにより、薄型で携帯性に優れ、高性能なデジタルスチルカメラを提供することができる。なお、図9に示したデジタルスチルカメラには、実施の形態1に係るズームレンズ系の替わりに実施の形態2に係るズームレンズ系を用いてもよい。また、図9に示したデジタルスチルカメラの光学系は、動画像を対象とするデジタルビデオカメラに用いることもできる。この場合、静止画像だけでなく、解像度の高い動画像を撮影することができる。
また、以上説明した実施の形態1〜に係るズームレンズ系と、CCDやCMOS等の撮像素子とから構成される撮像装置を、携帯電話機器、PDA(Personal Digital Assistance)、監視システムにおける監視カメラ、Webカメラ、車載カメラ等に適用することもできる。
以下に、実施の形態1〜2及び参考の実施の形態1〜2に係るズームレンズ系を具体的に実施した数値実施例及び数値参考例を説明する。なお、各数値実施例及び数値参考例において、表中の長さの単位はすべてmmであり、rは曲率半径、dは面間隔、ndはd線における屈折率、νdはd線におけるアッベ数を示す。また、各数値実施例及び数値参考例において、*印を付した面は非球面であり、非球面のサグzは次式で定義している。
Figure 0004960713
ここで、hは光軸からの高さ、cは曲率、kはコーニック定数、A、B、C、D、E及びFはそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次及び14次の非球面係数である。
参考例1)
参考例1のズームレンズ系は、図1に示した参考の実施の形態1に対応する。参考例1のズームレンズ系のレンズデータを表1に、撮影距離が∞の場合の、焦点距離f、Fナンバー、画角2ω、光学全長L及び可変面間隔データd4、d10、d12を表2に、非球面データを表3に示す。
Figure 0004960713
Figure 0004960713
Figure 0004960713
(実施例
実施例のズームレンズ系は、図3に示した実施の形態に対応する。実施例のズームレンズ系のレンズデータを表4に、撮影距離が∞の場合の、焦点距離f、Fナンバー、画角2ω、光学全長L及び可変面間隔データd4、d12、d14を表5に、非球面データを表6に示す。
Figure 0004960713
Figure 0004960713
Figure 0004960713
参考例2
参考例2のズームレンズ系は、図5に示した参考の実施の形態に対応する。参考例2のズームレンズ系のレンズデータを表7に、撮影距離が∞の場合の、焦点距離f、Fナンバー、画角2ω、光学全長L及び可変面間隔データd4、d10、d12を表8に、非球面データを表9に示す。
Figure 0004960713
Figure 0004960713
Figure 0004960713
(実施例
実施例のズームレンズ系は、図7に示した実施の形態に対応する。実施例のズームレンズ系のレンズデータを表10に、撮影距離が∞の場合の、焦点距離f、Fナンバー、画角2ω、光学全長L及び可変面間隔データd4、d12、d14を表11に、非球面データを表12に示す。
Figure 0004960713
Figure 0004960713
Figure 0004960713
以下の表13に、実施例1〜2及び参考例1〜2における各条件の対応値を示す。
Figure 0004960713
図2は、参考例1のズームレンズ系の縦収差図である。図4は、実施例のズームレンズ系の縦収差図である。図6は、参考例2のズームレンズ系の縦収差図である。図8は、実施例のズームレンズ系の縦収差図である。
各縦収差図において、(a)は広角端、(b)は略中間位置、(c)は望遠端における各収差を表す。各縦収差図は、左側から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、軸上色収差、倍率色収差を示す。球面収差図において、縦軸はFナンバーを表し、実線はd線の特性である。非点収差図において、縦軸は半画角ωを表し、実線はサジタル平面(図中、sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、mで示す)の特性である。歪曲収差図において、縦軸は半画角ωを表す。軸上色収差図において、縦軸はFナンバーを表し、実線はd線、短破線はF線、長破線はC線の特性である。倍率色収差図において、縦軸は半画角ωを表し、短破線はF線、長破線はC線の特性である。
図4及び8の各縦収差図から、実施例1〜のズームレンズ系は、高解像度を実現するのに充分な収差補正能力を有していることがわかる。
本発明に係るズームレンズ系は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機器、PDA(Personal Digital Assistance)、監視システムにおける監視カメラ、Webカメラ、車載カメラ等のカメラに適用可能であり、特にデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の高画質が要求されるカメラに好適である。
参考の実施の形態1(参考例1)に係るズームレンズ系の構成図 参考例1のズームレンズ系の縦収差図 実施の形態(実施例)に係るズームレンズ系の構成図 実施例のズームレンズ系の縦収差図 参考の実施の形態参考例2)に係るズームレンズ系の構成図 参考例2のズームレンズ系の縦収差図 実施の形態(実施例)に係るズームレンズ系の構成図 実施例のズームレンズ系の縦収差図 実施の形態に係るデジタルスチルカメラの概略構成図
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
L1 物体側レンズ素子
L2 像側レンズ素子
L3 第3レンズ素子
L4 第4レンズ素子
L5 第5レンズ素子
L6 第6レンズ素子
L7 第7レンズ素子
A 絞り
P 平行平板
S 像面
901 本体
902 撮像装置
903 光学式別体ファインダー
904 ストロボ
905 レリースボタン

Claims (13)

  1. 物体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するためのズームレンズ系であって、
    物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなり
    広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化するように各レンズ群を光軸に沿ってそれぞれ移動させて変倍を行い、
    前記第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、
    前記第1レンズ群において、物体側レンズ素子が負パワーを有し、かつ像側レンズ素子が正パワーを有し、
    前記第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、かつ該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなり、
    以下の条件(1)を満足することを特徴とする、ズームレンズ系:
    1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
    (ただし、ωW>36である)
    ここで、
    2:第2レンズ群の合成焦点距離、
    W:広角端における全系の焦点距離、
    ωW:広角端における半画角
    である。
  2. 以下の条件(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)を満足する、請求項1に記載のズームレンズ系:
    n12>1.91 ・・・(2)
    ν12<29 ・・・(3)
    n11>1.50 ・・・(4)
    ν11>35 ・・・(5)
    n12−n11>0.10 ・・・(6)
    ここで、
    n12:第1レンズ群の像側レンズ素子の屈折率、
    ν12:第1レンズ群の像側レンズ素子のアッベ数
    n11:第1レンズ群の物体側レンズ素子の屈折率、
    ν11:第1レンズ群の物体側レンズ素子のアッベ数
    である。
  3. 以下の条件(7)を満足する、請求項1に記載のズームレンズ系:
    T1/d12>2.0 ・・・(7)
    ここで、
    T1:第1レンズ群の中心厚み、
    d12:第1レンズ群の物体側レンズ素子と像側レンズ素子との中心間隔
    である。
  4. 以下の条件(8)を満足する、請求項1に記載のズームレンズ系:
    T2/Y>0.8 ・・・(8)
    ここで、
    T2:第2レンズ群の中心厚み、
    Y:最大像高
    である。
  5. 第3レンズ群が1枚のレンズ素子で構成される、請求項1に記載のズームレンズ系。
  6. 被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能な撮像装置であって、
    前記被写体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するズームレンズ系と、
    前記ズームレンズ系が形成した被写体の光学的な像を、電気的な画像信号に変換する撮像素子とを備え、
    前記ズームレンズ系が、被写体側である物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなり
    広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化するように各レンズ群を光軸に沿ってそれぞれ移動させて変倍を行い、
    前記第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、
    前記第1レンズ群において、物体側レンズ素子が負パワーを有し、かつ像側レンズ素子が正パワーを有し、
    前記第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、かつ該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなり、
    以下の条件(1)を満足することを特徴とする、撮像装置:
    1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
    (ただし、ωW>36である)
    ここで、
    2:第2レンズ群の合成焦点距離、
    W:広角端における全系の焦点距離、
    ωW:広角端における半画角
    である。
  7. ズームレンズ系が以下の条件(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)を満足する、請求項に記載の撮像装置:
    n12>1.91 ・・・(2)
    ν12<29 ・・・(3)
    n11>1.50 ・・・(4)
    ν11>35 ・・・(5)
    n12−n11>0.10 ・・・(6)
    ここで、
    n12:第1レンズ群の像側レンズ素子の屈折率、
    ν12:第1レンズ群の像側レンズ素子のアッベ数
    n11:第1レンズ群の物体側レンズ素子の屈折率、
    ν11:第1レンズ群の物体側レンズ素子のアッベ数
    である。
  8. ズームレンズ系が以下の条件(7)を満足する、請求項に記載の撮像装置:
    T1/d12>2.0 ・・・(7)
    ここで、
    T1:第1レンズ群の中心厚み、
    d12:第1レンズ群の物体側レンズ素子と像側レンズ素子との中心間隔
    である。
  9. ズームレンズ系が以下の条件(8)を満足する、請求項に記載の撮像装置:
    T2/Y>0.8 ・・・(8)
    ここで、
    T2:第2レンズ群の中心厚み、
    Y:最大像高
    である。
  10. ズームレンズ系の第3レンズ群が1枚のレンズ素子で構成される、請求項に記載の撮像装置。
  11. 被写体を撮影して、電気的な画像信号として出力可能なカメラであって、
    前記被写体の光学的な像を3倍以上に変倍可能に形成するズームレンズ系と、該ズームレンズ系が形成した被写体の光学的な像を、電気的な画像信号に変換する撮像素子とを含む撮像装置を備え、
    前記ズームレンズ系が、被写体側である物体側から像側へと順に、負パワーの第1レンズ群と、正パワーの第2レンズ群と、正パワーの第3レンズ群とからなり
    広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が減少し、かつ第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化するように各レンズ群を光軸に沿ってそれぞれ移動させて変倍を行い、
    前記第1レンズ群が、1枚の物体側レンズ素子と1枚の像側レンズ素子とで構成され、
    前記第1レンズ群において、物体側レンズ素子が負パワーを有し、かつ像側レンズ素子が正パワーを有し、
    前記第2レンズ群を構成する最物体側レンズ素子の物体側面が非球面であり、かつ該第2レンズ群が、物体側から像側へと順に、1枚の正レンズ素子と1組の接合レンズ素子と1枚の正レンズ素子とからなり、
    以下の条件(1)を満足することを特徴とする、カメラ:
    1.5<f2/fW<2.8 ・・・(1)
    (ただし、ωW>36である)
    ここで、
    2:第2レンズ群の合成焦点距離、
    W:広角端における全系の焦点距離、
    ωW:広角端における半画角
    である。
  12. 被写体の静止画像を取得可能なデジタルスチルカメラである、請求項11に記載のカメラ。
  13. 被写体の動画像を取得可能なデジタルビデオカメラである、請求項11に記載のカメラ。
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