JP2005338804A - 光学軸偏向素子、光路偏向素子、光学軸偏向方法、光路偏向方法、光学軸偏向装置、光路偏向装置、画像表示装置 - Google Patents

光学軸偏向素子、光路偏向素子、光学軸偏向方法、光路偏向方法、光学軸偏向装置、光路偏向装置、画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印加する電圧値を従来の1/2以下に設定しても、従来と同様な光学軸偏向効果が得られ、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる構成の光学軸偏向素子を提供する。
【解決手段】本発明では、透明な一対の基板11,12と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層15と、少なくとも前記液晶層15の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極16a,16bとを有する光学軸偏向素子10において、前記電極間の有効領域内を複数の領域(1),(2)に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極17を配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気信号によって一軸性物質の光学軸の傾斜方向を変える光学軸偏向素子、及び、その光学軸偏向素子からなり電気信号によって光の光路を偏向する光路偏向素子、及び、前記光学軸偏向素子を用いた光学軸偏向方法及び光学軸偏向装置、及び前記光学軸偏向方法を用いた光路偏向方法、及び、前記光路偏向素子または光学軸偏向装置を用いた光路偏向装置、及び、前記光路偏向装置を備えた画像表示装置に関する。
[定義]
本明細書において、「光路偏向素子」とは、外部からの電気信号により光の光路を偏向、即ち、入射光に対して出射光を平行にシフトさせるか、或る角度を持って回転させるか、あるいは、その両者を組合せて光路を切換えることが可能な光学素子を意味する。この説明において、平行シフトによる光路偏向に対してそのシフトの大きさを「シフト量」と呼び、回転による光路偏向に対してその回転量を「回転角」と呼ぶものとする。「光路偏向装置」とは、このような光路偏向素子を含み、光の光路を偏向させるデバイスを意味する。
また、「ピクセルシフト素子(画素ずらし素子)」とは、少なくとも画像情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素子と、画像表示素子を照明する光源と、画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に画像表示素子と光学部材の間の光路を偏向する光路偏向手段とを有し、該光路偏向手段によるサブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを表示させることで、画像表示素子の見掛け上の画素数を増倍して表示する画像表示装置における前記光路偏向手段を意味する。従って、基本的には、上記定義による光路偏向素子や光路偏向装置を光路偏向手段(ピクセルシフト素子(画素ずらし素子))として応用することが可能といえる。
従来、液晶材料を用いた光路偏向素子(または光偏向素子)やピクセルシフト素子、これらを用いた画像表示装置等に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、従来の光路偏向素子やピクセルシフト素子においては、
(1)構成が複雑であることに伴なう高コスト、装置の大型化、光量損失、ゴースト等の光学ノイズまたは解像度低下、
(2)特に可動部を有する構成の場合の位置精度や耐久性、振動や音の問題、
(3)ネマチック液晶などにおける応答速度の問題、
などがある。
そこで、本出願人は先に、従来の光路偏向素子における問題点、即ち、構成が複雑であることに伴う高コスト、装置の大型化、光量損失、光学ノイズ等の問題を改善し、構成が簡単で小型であり、光量損失、光学ノイズ、解像度低下が少なく、低コスト化を図ることができる光路偏向素子や装置の提供を目的として、図18に示すような構成の光路偏向素子を提案した(特許文献7参照)。
この光路偏向素子1は、透明な一対の基板2,3と、この一対の基板2,3の少なくとも一方に設けた配向膜4と、一対の基板2,3間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相よりなる液晶5と、この液晶5に電界を作用させる少なくとも1組の電極6a,6bからなる電極対6とを備え、該電極対6を電源7に接続して液晶層5に電界を印加する構成としたものである。この光路偏向素子1は、キラルスメクチックC相よりなる液晶5を利用しているので、従来の光路偏向素子に比して、構成が複雑であることに伴う高コスト、装置大型化、光量損失、光学ノイズの問題を改善でき、かつ、従来のスメクチックA液晶やネマチック液晶などにおける応答性の鈍さも改善でき、高速応答が可能となるようにしたものである。
特開平6−18940号公報 特開平9−133904号公報 特許第2939826号公報 特開平5−313116号公報 特開平6−324320号公報 特開平10−133135号公報 特開2002−328402号公報 「結晶光学」応用物理学会、光学懇話会編、p198
上記の特許文献7に記載の光路偏向素子1では、キラルスメクチックC相の螺旋軸に直角方向、すなわちスメクチック層の平行方向に電界を印加すると、液晶分子がスメクチック層内でコーン状の仮想面内を回転運動すると考えられる。このとき、液晶層の螺旋ピッチや自発分極などの特性に応じて、同一方向に配向する液晶分子の割合が変化し、液晶分子の平均的配向方向に対応した液晶層の光学軸の傾斜方向が変化する。
ここで、特許文献7で説明されているように、無電界下のキラルスメクチックC相の液晶層に対して層法線方向から偏光顕微鏡によるコノスコープ像を観察すると、十字像が中央部に位置しており、一軸性光学軸を有していることが確認できる。図19にキラルスメクチックC相の液晶分子配列のモデル(電界による螺旋構造変化のモデル)を示す。チルト角θを有する分子層が互いにズレながら重なって螺旋構造を形成している。電界E=0では図19(a)のように左右対称な螺旋構造によって液晶ダイレクタ方向は空間的に平均化される。液晶層の平均化された光学軸は層法線方向を向いており、この光学軸に平行な入射光に対しては光学的に等方的である。次に、液晶層に平行な方向に比較的小さな電界0<E<Esを印加すると、自発分極Psへの電界Eの作用で液晶分子に回転モーメントが生じるために図19(b)のように螺旋構造が歪んで非対称となり、平均的な光学軸が一方向に傾く。この時、電界強度の増加と共に歪みが大きくなって平均的な光学軸の傾斜角も大きくなる。これは、コノスコープ像の十字像の位置が移動することから確認できる。さらに電界強度を増加させると、ある閾値電界Es以上で図19(c)のように螺旋構造が消失して光学的に略一軸性となる。この時の光学軸の傾斜角は液晶ダイレクタのチルト角θと等しくなる。さらに電界を増加させてもチルト角θは変化せず、光学軸の傾斜角も一定となる。
このように、液晶層に十分に大きな電界が印加された場合、各スメクチック層内の液晶分子の配向方向は揃い、螺旋が解けた状態となる。また、電界方向を反転させると液晶層の光学軸の傾斜方向も反転するため、光学軸偏向素子あるいは動的な複屈折板として機能し、光路偏向素子やそれを用いた光路偏向装置などに応用できる。
上記の光路偏向素子(光学軸偏向素子)を画像表示装置等へ応用する場合、光を透過する有効領域の幅を広く設計する必要があるが、数十ミリ以上の広い有効領域幅に、液晶層の駆動に必要な強度の平行電界(基板面(液晶層)に平行な方向の電界)を印加しようとすると、有効領域幅の間に数キロボルト以上の非常に大きな電圧を印加する必要がある。
しかしながら、光路偏向素子の有効領域幅の間に数キロボルト以上の非常に大きな電圧を印加する場合、装置内での放電やノイズの発生などの危険が伴い、また、電源の大型化や、消費電力の増加などの問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、印加する電圧値を従来の1/2以下に設定しても、従来と同様な光学軸偏向効果が得られ、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる構成の光学軸偏向素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、その光学軸偏向素子を用いて従来と同様な光路偏向効果が得られ、大きな有効面積に対して、比較的小さな印加電圧で駆動が可能な光路偏向素子を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記光学軸偏向素子を用いて従来と同様な光学軸偏向効果が得られ、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる光学軸偏向方法及び光学軸偏向装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記光学軸偏向方法を用いて従来と同様な光路偏向効果が得られる光路偏向方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記光路偏向素子または光学軸偏向装置を用いて従来と同様な光路偏向効果が得られ、大きな有効面積に対して、比較的小さな印加電圧で駆動が可能で、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる構成の光路偏向装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記光路偏向装置を用い、比較的画素数の少ない画像表示素子を用いても、高精細、低コスト、低消費電力な画像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような手段を採っている。
本発明の第1の手段は、透明な一対の基板と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層と、少なくとも前記液晶層の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極とを有する光学軸偏向素子において、前記電極間の有効領域内を複数の領域に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置したことを特徴とする(請求項1)。
第2の手段は、第1の手段の光学軸偏向素子において、前記電極間の有効領域の幅をL、該有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、前記有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置したことを特徴とする(請求項2)。
第3の手段は、第1または第2の手段の光学軸偏向素子において、前記有効領域内の前記分割電極が、各分割領域の両端部に対応して基板面に形成されたライン状の透明電極であることを特徴とする(請求項3)。
第4の手段は、第1または第2の手段の光学軸偏向素子において、前記有効領域内の前記分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層を形成し、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続されていることを特徴とする(請求項4)。
第5の手段は、第1または第2の手段の光学軸偏向素子において、前記電極及び前記有効領域内の前記分割電極が、各分割領域の両端部に対応して基板面に形成されたライン状の透明電極であり、かつ前記基板面に透明な抵抗体層が形成されていることを特徴とする(請求項5)。
第6の手段は、第3または第5の手段の光学軸偏向素子において、一対の両基板面に形成された前記ライン状の透明電極は、光の透過方向に対する投影面上で異なる位置に配置してあることを特徴とする(請求項6)。
第7の手段は、第4の手段の光学軸偏向素子において、前記多数本の透明ライン電極の内、電源に直接接続して分割電極として機能させる透明ライン電極の両基板上での位置を、光の透過方向に対する投影面上で異なる位置に設定することを特徴とする(請求項7)。
第8の手段は、第6または第7の手段の光学軸偏向素子において、異なる位置に配置してある前記分割電極の位置関係に対して、光の透過方向に対する投影面上での前記平行電界方向へズレ量の最大値をΔXとし、液晶層厚み方向での間隔をΔZとした時、(ΔZ/2)>ΔXに設定したことを特徴とする(請求項8)。
第9の手段は、第1〜第8のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子において、有効領域内を複数に分割する分割電極が少なくとも一対のライン状電極からなり、各分割領域に時間順次に印加した電界が、一対のライン状電極の間に対応する液晶層内では、電界印加期間が重なるように設定したことを特徴とする(請求項9)。
第10の手段は、電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向素子であって、第1〜第9のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子から成り、該光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることを特徴とする(請求項10)。
第11の手段は、透明な一対の基板と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層と、少なくとも前記液晶層の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極とを有する光学軸偏向素子と、前記光学軸偏向素子の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを用い、前記光学軸偏向素子の電界方向の切換えによって液晶分子の配向方向を切換えて液晶層の層法線に対する光学軸の傾斜方向を切換えて、入射光に対する出射光路を切換える光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子として第1〜第9のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子を用い、前記電圧印加手段により、前記光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加することを特徴とする(請求項11)。
第12の手段は、第11の手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域の幅をL、該有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な平行電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、前記有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して電界が印加可能となるように1以上の分極電極を配置し、各分割領域の幅であるL/Nに対して、平均的な平行電界強度Eを印加するために、V/Nの電圧値をT/N以内の時間だけ一時的に印加し、一時的に電圧を印加する領域を時間順次に切換えることにより、時間平均すると有効領域全体に均等に平行電界強度Eを印加することを特徴とする(請求項12)。
第13の手段は、第11の手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域を少なくとも第一領域と第二領域に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域と第二領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする(請求項13)。
第14の手段は、第11の手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域を第一領域〜第N領域のN個(Nは2以上の整数)に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、という動作を第N領域まで行い、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域〜第N領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする(請求項14)。
第15の手段は、第11〜第14のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域全体の平行電界の方向を反転させるタイミングにおいては、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定することを特徴とする(請求項15)。
第16の手段は、第11〜第15のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域内に平行電界を印加する分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層が形成され、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続され、前記分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することを特徴とする(請求項16)。
第17の手段は、第11〜第16のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の或る分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間に電圧を印加している状態において、隣接する分割領域内に不要な電界が生じないように該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御することを特徴とする(請求項17)。
第18の手段は、光路偏向方法であって、第11〜第17のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法を用い、前記光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることを特徴とする(請求項18)。
第19の手段は、透明な一対の基板と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層と、少なくとも前記液晶層の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極とを有する光学軸偏向素子と、前記光学軸偏向素子の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、前記光学軸偏向素子の電界方向の切換えによって液晶分子の配向方向を切換えて液晶層の層法線に対する光学軸の傾斜方向を切換えて、入射光に対する出射光路を切換える光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子として第1〜第9のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子を備え、前記電圧印加手段は、前記光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加する手段を有することを特徴とする(請求項19)。
第20の手段は、第19の手段の光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子の有効領域の幅をL、該有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な平行電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、前記有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して電界が印加可能となるように1以上の分極電極を配置し、各分割領域の幅であるL/Nに対して、平均的な平行電界強度Eを印加するために、V/Nの電圧値をT/N以内の時間だけ一時的に印加し、一時的に電圧を印加する領域を時間順次に切換えることにより、時間平均すると有効領域全体に均等に平行電界強度Eを印加することを特徴とする(請求項20)。
第21の手段は、第19の手段の光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子の有効領域を少なくとも第一領域と第二領域に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域と第二領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする(請求項21)。
第22の手段は、第19の手段の光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子の有効領域を第一領域〜第N領域のN個(Nは2以上の整数)に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、という動作を第N領域まで行い、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域〜第N領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする(請求項22)。
第23の手段は、第19〜第22のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子の有効領域全体の平行電界の方向を反転させるタイミングにおいては、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定することを特徴とする(請求項23)。
第24の手段は、第19〜第23のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子の有効領域内に平行電界を印加する分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層が形成され、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続され、前記分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することを特徴とする(請求項24)。
第25の手段は、第19〜第24のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置において、前記光学軸偏向素子の或る分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間に電圧を印加している状態において、隣接する分割領域内に不要な電界が生じないように該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御することを特徴とする(請求項25)。
第26の手段は、電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向装置において、第10の手段の光路偏向素子と、前記電気信号に応じて前記光路偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加する電圧印加手段とを備えたことを特徴とする(請求項26)。
第27の手段は、電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向装置において、第19〜第25のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置からなり、前記光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることを特徴とする(請求項27)。
第28の手段は、画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学装置と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、各画素からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段を有する画像表示装置において、前記光路偏向手段として、第26または第27の光路偏向装置を備えたことを特徴とする(請求項28)。
また、第29の手段は、第28の手段の画像表示装置において、前記光路偏向装置によるサブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれた状態に対応する画像パターンを前記画像表示素子に表示することで、前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示することを特徴とする(請求項29)。
第1または第2の手段の光学軸偏向素子では、電極間の有効領域内を複数の領域に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置したことにより、印加する電圧値を従来の1/2以下に設定しても、従来と同様な光学軸偏向効果が得られ、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる。
より詳しく述べると、ホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層に平行電界を印加すると、電界ON後の応答性は良く直ちに光学軸の傾斜方向が切換わるが、電界OFF後の応答性は比較的遅いため光学軸が初期状態に戻るまでには十分な時間がかかる。すなわち、光学軸の傾斜方向を一方向に保っておくために、常に一定の電界を印加し続ける必要は無く、電界ONによって液晶配向変化が完了した直後に電界をOFFし、ある時間後に再び電界ONすることで、液晶配向状態(光学軸の傾斜状態)を継続的に維持できる。そこで、光学軸偏向素子の有効領域を空間的および電気的に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置し、各分割領域に対して短時間の電界を時間順次に印加することで、有効領域全体として電界印加時の液晶配向状態をほぼ維持することができる。この時、電界印加する分割領域の幅が狭く設定できるので、一定の電界強度を印加する場合、印加電圧値自体を従来の1/2以下に小さく設定することができる。したがって、装置内での放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる。
第3の手段の光学軸偏向素子では、上記の構成及び効果に加え、有効領域を電気的に分割する電極がライン状の透明電極であるので、透過光を遮断することを防止し、光の透過率を向上させることができる。
ところで、第1または第2の手段の光学軸偏向素子において、有効領域の幅が広い構成で、分割数を少なくした場合、分割領域の幅が比較的広くなる。この時、分割領域の両端部のみに電圧を印加すると、分割領域の中央部の電界強度が弱くなる場合がある。
そこで、第4の手段の光学軸偏向素子では、有効領域内に平行電界を印加する電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、各透明ライン電極郡が抵抗体によって電気的に直列に接続している構成として、分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することで、分割領域内の液晶層に平行な方向に所望の電位分布を形成させることができる。この時、各ライン電極のエッジ部近傍では電界分布が乱れるため、透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層を形成することで、液晶層中の電界分布を均一化できる。
また、第5の手段の光学軸偏向素子では、有効領域内の基板面に透明な抵抗体層を形成することで、分割領域の幅に対応する位置の電極間に電位差を印加した時に、分割領域内の液晶層に平行な方向に所望の電位分布を形成させることができる。したがって、液晶層中の電界分布を均一化できる。
第1〜第5の手段の光学軸偏向素子では、有効領域内での分割領域の境界を明確に設定しているが、境界部では常に低電界状態となる領域が発生し、光学軸の傾斜角が局所的に小さくなる原因となる。これを防止して、有効領域全体の動作の均一性を向上させるためには、分割領域の境界を比較的不明確に設定することが好ましい。すなわち、境界領域として、ある程度の幅を持たせることで、光学軸偏向動作の均一性が向上する。
そこで、第6の手段の光学軸偏向素子では、一対の両基板面に形成されたライン状の透明電極は光の透過方向に対する投影面上で異なる位置に配置する、すなわち上下基板の分割電極をズラして配置することによって、液晶層の厚み方向で境界位置を変える。したがって、境界近傍の液晶層内では境界領域が斜めに形成され、光の透過方向で見ると境界領域が不明確になり、局所的な低電界領域の発生を防止できる。
第7の手段の光学軸偏向素子では、前記多数本の透明ライン電極の内、電源に直接接続して分割電極として機能させる透明ライン電極の両基板上での位置を、光の透過方向に対する投影面上で異なる位置に設定する、すなわち上下基板の分割電極をズラして設定することで、上記の第6の手段と同様な効果が得られる。
しかし、分割電極のズレ量が大きくなると、液晶層の厚み方向に電位差が生じてしまう。そこで、第8の手段の光学軸偏向素子では、異なる位置に配置してある分割電極の位置関係に対して、光の透過方向に対する投影面上での前記平行電界方向へズレ量の最大値をΔXとし、液晶層厚み方向での間隔をΔZとした時、(ΔZ/2)>ΔXに設定することで、液晶層の厚み方向の電位差を比較的小さく抑えることができる。しだかって、境界領域近傍での液晶層内の電界方向の変化を比較的小さく抑えることができ、有効領域内での光学軸の均一性が維持できる。
上記の手段では分割電極として機能する電極の位置が固定されているため、空間的に位置をズラして設定することで、境界領域を空間的にボケさせていたが、分割電極として機能する電極の位置を時間的にズラすることでも、境界領域を空間的にボケさせることができる。そこで第9の手段の光学軸偏向素子では、有効領域内を複数に分割する分割電極が少なくとも一対のライン状電極からなり、各分割領域に時間順次に印加した電界が、一対のライン状電極の間に対応する液晶層内では、電界印加期間が重なるように設定する。すなわち、ある期間に電界が印加されている分割領域の位置が切り替わっても、分割領域が重なるように電極を配置することで、実効的な境界領域の位置が切り替わる。したがって、境界領域が明確に固定化されている場合に発生する低電界領域を無くすことができる。
第10の手段の光路偏向素子は、第1〜第9のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子から成り、該光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、液晶層の光学軸の傾斜方向に応じて液晶層内で光線がシフトし、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトする。従って、電界方向を切換えて光学軸の傾斜方向を切換えることで、光線の出射位置を切換えることができる。
第11の手段の光学軸偏向方法では、光学軸偏向素子として第1〜第9のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子を用い、電圧印加手段により、光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加するので、印加する電圧値を従来の1/2以下に設定しても、従来と同様な光学軸偏向効果が得られ、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる。
第12、第13または第14の手段の光学軸偏向方法では、光学軸偏向素子の有効領域を空間的および電気的に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置し、各分割領域に対して短時間の電界を時間順次に印加することで、有効領域全体として電界印加時の液晶配向状態をほぼ維持することができる。この時、電界印加する分割領域の幅が狭く設定できるので、一定の電界強度を印加する場合、印加電圧値自体を従来の1/2以下に小さく設定することができる。したがって、装置内での放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる。
第15の手段の光学軸偏向方法では、第11〜第14のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法において、光学軸偏向素子の有効領域全体の平行電界の方向を反転させ、光学軸の傾斜方向を周期的に繰り返し反転動作させる場合には、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定することで、分割した領域間で電界方向が異なる状態の期間を短くできる。したがって、有効領域全体の光学軸傾斜方向が一致している期間を長く設定することができる。
第16の手段の光学軸偏向方法では、第11〜第15のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域内に平行電界を印加する分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層が形成され、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続され、前記分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することにより、分割領域内の液晶層に平行な方向に所望の電位分布を形成させることができる。この時、各ライン電極のエッジ部近傍では電界分布が乱れるため、透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層を形成することで、液晶層中の電界分布を均一化できる。
ところで、第11〜第16のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法においては、ある分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間にのみ電圧を印加し、他の分割領域に対応する電極を電気的にフロート状態にする場合、他の分割領域内には逆方向の電界が生じる場合がある。そこで、第17の手段の光学軸偏向方法では、電界印加状態の分割領域以外では、該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御することにより、液晶層の光学軸の傾斜状態を乱す不要な電界の発生を確実に防止できる。
第18の手段の光路偏向方法では、第11〜第17のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法を用い、光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、液晶層の光学軸の傾斜方向に応じて液晶層内で光線がシフトし、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトする。従って、電界方向を切換えて光学軸の傾斜方向を切換えることで、光線の出射位置を切換えることができる。
第19の手段の光学軸偏向装置では、光学軸偏向素子として第1〜第9のいずれか一つの手段の光学軸偏向素子を備え、電圧印加手段により、光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加するので、印加する電圧値を従来の1/2以下に設定しても、従来と同様な光学軸偏向効果が得られ、放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる。
第20、第21または第22の手段の光学軸偏向装置では、光学軸偏向素子の有効領域を空間的および電気的に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置し、各分割領域に対して短時間の電界を時間順次に印加することで、有効領域全体として電界印加時の液晶配向状態をほぼ維持することができる。この時、電界印加する分割領域の幅が狭く設定できるので、一定の電界強度を印加する場合、印加電圧値自体を従来の1/2以下に小さく設定することができる。したがって、装置内での放電やノイズの防止、電源の小型化などが図れる。
第23の手段の光学軸偏向装置では、第19〜第22のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置において、光学軸偏向素子の有効領域全体の平行電界の方向を反転させ、光学軸の傾斜方向を周期的に繰り返し反転動作させる場合には、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定することで、分割した領域間で電界方向が異なる状態の期間を短くできる。したがって、有効領域全体の光学軸傾斜方向が一致している期間を長く設定することができる。
第24の手段の光学軸偏向装置では、第19〜第23のいずれか一つの手段の光学軸偏向方法において、前記光学軸偏向素子の有効領域内に平行電界を印加する分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層が形成され、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続され、前記分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することにより、分割領域内の液晶層に平行な方向に所望の電位分布を形成させることができる。この時、各ライン電極のエッジ部近傍では電界分布が乱れるため、透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層を形成することで、液晶層中の電界分布を均一化できる。
ところで、第19〜第24のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置においては、ある分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間にのみ電圧を印加し、他の分割領域に対応する電極を電気的にフロート状態にする場合、他の分割領域内には逆方向の電界が生じる場合がある。そこで、第25の手段の光学軸偏向装置では、電界印加状態の分割領域以外では、該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御することにより、液晶層の光学軸の傾斜状態を乱す不要な電界の発生を確実に防止できる。
第26の手段の光路偏向装置では、第10の手段の光路偏向素子と、前記電気信号に応じて前記光路偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加する電圧印加手段とを備えたことにより、液晶層の光学軸の傾斜方向に応じて液晶層内で光線がシフトし、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることができるので、電圧印加手段により電界方向を切換えて光学軸の傾斜方向を切換えることで、光線の出射位置を切換えることができる。
第27の手段の光路偏向装置では、第19〜第25のいずれか一つの手段の光学軸偏向装置からなり、光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、液晶層の光学軸の傾斜方向に応じて液晶層内で光線がシフトし、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトする。従って、電界方向を切換えて光学軸の傾斜方向を切換えることで、光線の出射位置を切換えることができる。
第28、第29の手段の画像表示装置では、光路偏向手段として、第26または第27の光路偏向装置を備え、比較的低電圧で駆動が可能な大面積の光路偏向素子(光学軸偏向素子)を用いているので、比較的画素数の少ない画像表示素子を用いても高精細な画像を得ることができる。従って、高精細で低コスト、低消費電力な画像表示装置を実現することができる。
以下、本発明の構成、動作及び作用を図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の一実施形態として光学軸偏向素子の構成例を図1に基づいて説明する。図1に示すように、一対の透明な基板11,12が対向配置させて設けられている。透明な基板11,12としては、ガラス、石英、プラスチックなどを用いることができるが、複屈折性の無い透明材料が好ましい。基板11,12の厚みは数十μm〜数mmのものが用いられる。基板11,12の内側面には垂直配向膜13,14が形成されている。垂直配向膜13,14は基板表面に対して液晶分子を垂直配向(ホメオトロピック配向)させる材料ならば特に限定されないが、液晶ディスプレイ用の垂直配向剤やシランカップリング剤、SiO蒸着膜などを用いることができる。本発明で言う垂直配向(ホメオトロピック配向)とは、基板面に対して液晶分子が垂直に配向した状態だけではなく、数十度程度までチルトした配向状態も含む。
両基板11,12の間隔をスペーサーを挟んで規定し、基板間に液晶層15を形成するとともに、その液晶層15の両端側に一組の電極16a,16bを形成する。スペーサーとしては数μmから数mm程度の厚みを持つシート部材あるいは同程度の粒径の粒子などが用いられ、素子の有効領域外に設けられることが好ましい。電極16a,16bとしてはアルミニウム、銅、クロムなどの金属シートや、基板面上に形成された前述の金属膜などが用いられる。素子の有効領域の両端部に配置される電極16a,16bは、液晶層15の厚みと同程度の厚みを持つ金属シートを用いることが好ましい。また、有効領域内に設けられ、有効領域を電気的に分割するための分割電極17としては、上記の電極と同様に金属シートなどを用いても良いが、均一な液晶層を形成し配向性を維持するために、液晶層内には分割電極を設けず、基板面上に配置される金属膜などを形成することが好ましい。この分割電極17の幅は狭いほど好ましいが、現実的には数ミクロン程度の幅とする。図1ではより好ましい例として、有効領域の両端部のスペーサー部材と金属シート部材(電極)16a,16bが共通であり、金属シート部材の厚みにより液晶層厚みが規定される。一例として、液晶層15としてはスメクチックC相を形成可能な液晶が用いられる。また、分割電極17は基板上にクロム膜を蒸着し、幅5μmのライン状に加工したものを用いた。各分割領域を挟むこれらの電極間に、図示しない電圧印加手段で電位差を印加することで、液晶層15の基板面に平行な方向に電界(以下、平行電界と言う)が印加される。
ここで、スメクチックC相を形成可能な液晶層15に関して詳細に説明する。「スメクチック液晶」は液晶分子の長軸方向を層状(スメクチック層)に配列してなる液晶層である。このような液晶層に関し、上記層の法線方向(層法線方向)と液晶分子の長軸方向とが一致している液晶を「スメクチックA相」、法線方向と一致していない液晶を「スメクチックC相」と呼んでいる。スメクチックC相よりなる強誘電性液晶は、一般的に外部電界が働かない状態において各スメクチック層毎に液晶ダイレクタ方向が螺旋的に回転しているいわゆる螺旋構造をとり、「キラルスメクチックC相」と呼ばれる。また、キラルスメクチックC相でも、反強誘電性液晶は各層毎に液晶ダイレクタが対向する方向を向く。これらのキラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を分子構造に有し、これによって自発分極しているため、この自発分極Psと外部電界Eにより定まる方向に液晶分子が再配列することで光学特性が制御される。なお、本実施の形態等では、液晶層として強誘電性液晶を例にとり、光学軸偏向素子(及び光路偏向素子)の説明を行うが、反強誘電性液晶の場合にも同様に使用することができる。
本発明の光学軸偏向素子の動作について図2を参照して説明する。図2(a),(b)は、図1に示した光学軸偏向素子10の任意の分割領域内(例えば図1の分割領域(1) )における電界方向と液晶分子の傾斜方向を模式的に示したものである。図2(a),(b)で、液晶分子の幅が広く描いてある側が紙面上側、幅が狭く描かれている側が紙面下側に傾いている様子を示している。また、液晶の自発分極(記号Psで記す)を矢印で示してある。図2(a),(b)に示すように、分割領域内の電界の向きが反転すると、略垂直配向した液晶分子のチルト角の方向が反転する。ここでは、自発分極Psが正の場合について電界印加方向と液晶分子のチルト方向の関係を図示している。ここで、チルト角の方向が反転する際、図2(a),(b)の下段の斜視図に示したような仮想的なコーン状の面内を回転運動すると考えられる。なお、キラルスメクチックC相の液晶分子配列のモデル(電界による螺旋構造変化のモデル)は図19に示した例と同様である。
次に液晶層15に電界を印加した時と除去した時について説明する。上述のように無電界下で螺旋構造を形成しているキラルスメクチックC相に電界を印加すると、液晶分子中のカルボニル基に起因する双極子と電場の相互作用によって液晶分子を配向させる電気的駆動力が働くため、電界印加時の液晶再配向時間は比較的短い。一般的な強誘電性液晶の場合、電界強度に応じてサブミリ秒から数十マイクロ秒で液晶の配向変化が完了する。一方、電界を除去した場合、液晶層15は無電界下の初期配向状態に戻ろうとするが、液晶層15の粘弾性に起因する復元力に基づくため、この配向変化は数十ミリ秒から数秒程度と遅い。本発明では、電界OFF時に液晶層15の再配向時間が十分に遅いことを利用する。すなわち、図1及び図3に示すように、光学軸偏向素子10の有効領域内を複数の領域に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極17を配置する。
ここで、図3は説明を簡単にするために、光学軸偏向素子10の有効領域(有効幅L)の中心に1つの分割電極17を配置して、幅がL/2の2つの領域に分割した例である。そして光学軸偏向装置としては、光学軸偏向素子10の各電極16a,17,16bに、スイッチ部19(スイッチS1〜S4)と電源18からなる電圧印加手段を接続し、各電極に選択的に電圧を印加できる構成としている。例えば、図3(a)に示すように、図中左側の第一領域に電界を生じさせる第一電極間(電極16aと分割電極17間)に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層15aの光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後直ちに図3(b)に示すように、図中右側の第二領域に電界を生じさせる第二電極間(分割電極17と電極16b間)に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層15bの光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去する。その後、第一領域の光学軸傾斜状態が液晶層15aの再再配向によって初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間(電極16aと分割電極17間)に一時的に前回と同極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層15aの光学軸傾斜状態を保つことができる。この動作を第一領域と第二領域の間で繰り返すことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことができる。
なお、図中では説明の単純化のため、電源18として直流電源を図示し、一方向の電界のみが印加される例を示しているが、図2に示すような矩形波交流電圧等を印加する交流電源を用いて、電界方向を反転できるようにしても良い。
また、図3では、各電極16a,16b,17の電圧印加状態を切換えるスイッチ部19の機能のみを単純化して記載しているが、上記機能を実現するためのスイッチS1〜S4は耐電圧が高く、高速動作が可能なものを用いることが好ましい。このため、リレースイッチ等よりも、光で高速なスイッチング動作が可能で耐電圧が高いフォトカプラー等を組み合わせて用いることがより好ましい。また、このフォトカプラーの動作は外部からの電気信号で制御できるので、電気信号に応じて光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加することができ、液晶層15の各分割領域に印加される電界の制御を容易に行うことができ、各分割領域の液晶層の光学軸の傾斜方向を容易に制御することができる。なお、以下の実施の形態に記載するスイッチについても同様である。
従来では図4のように、素子の両端部に設けた電極6a,6bに電源を接続して、素子の有効領域の幅全体に対して一括して平行電界を印加していたので、例えば有効幅Lが42mmの素子に対して、電界強度E=150V/mmを印加する場合、6.3kVの高電圧を印加するため、素子周辺部との放電防止などの安全対策を必要としていた。これに対して、図1及び図3に示す構成の光学軸偏向素子10では、光学軸偏向素子10の有効領域を空間的および電気的に2分割し、各分割領域に対して数ミリ秒程度の短時間の電界を交互に印加することで、有効領域全体として電界印加時の液晶配向状態をほぼ維持することができる。この方法では、電界を印加する分割領域の幅を半分の21mmに設定できるので、同様の電界強度E=150V/mmを印加する場合でも、印加電圧値自体を半分の3.15kVに設定することができる。したがって、光学軸偏向装置内での放電やノイズの発生の防止対策の簡略化や、電源の小型化などによって、装置全体の低コスト化が実現できる。
上記の実施の形態では、光学軸偏向素子10の有効領域を2分割した構成について効果を述べたが、本発明の技術思想によれば、2分割に限らず実施することができる。すなわち、本発明の第二の実施形態では、光学軸偏向素子10の有効領域の幅をL、有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な平行電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して電界が印加可能となるように1以上の電極を配置し、各分割領域の幅であるL/Nに対して、平均的な平行電界強度Eを印加するために、V/Nの電圧値をT/N以内の時間だけ一時的に印加し、一時的に電圧を印加する領域を時間順次に切換えることにより、時間平均すると有効領域全体に均等に平行電界強度Eを印加することができる。図5は、光学軸偏向素子10の有効領域を電界印加方向に対して3個に分割して電界が印加可能となるように2つの分割電極17a,17bを配置した場合の構成例を示している。また、電圧印加手段を構成するスイッチ部19は、各電極16a,17a,17b,16bに選択的に電圧を印加できるように、多数のスイッチ(フォトカプラー等)S1〜S10で構成されている。
ここでは一例として、有効領域の幅L=42mm、電界強度E=150V/mm、周波数f=60Hzで光学軸の傾斜方向を上下方向に変化させる場合を想定する。
図4に示す従来の構成の素子の場合は、素子の両端の電極6a,6bに矩形波交流電源などを接続し、所望の周波数で電界の向きを反転させれば良く、光学軸の向きを上向きにする期間T=8.33msec、下向きの期間T=8.33msecのように駆動する。これに対して、図5に示す構成の素子のように有効領域を3分割した場合、各分割領域にV/N=2.1kVを、時間T/N=2.78msecづつ順次印加する。3つの領域の印加が一回り終了したら、逆極性の電圧を同様に印加することで、交流動作を行うことができる。また、有効領域を空間的に3分割した場合でも、各分割領域への電界印加時間をT/6(=T/2N)やT/9(=T/3N)のように更に短時間として、期間Tの間に繰り返すことが好ましい。ここで、各分割領域への電界印加時間は、少なくとも電界ON時の液晶層の最配向時間よりも長いことが好ましい。例えば、液晶の応答時間が1msecと仮定した場合、時間的に6分割したT/6=1.39msecならば良好に動作するが、時間的に9分割したT/9=0.93msecでは良好な動作は期待できない。但し、このような最適な分割時間の範囲は、液晶材料の性質、電界強度、駆動周波数などで異なる。
ここで改めて、光学軸偏向素子の交流駆動時の駆動タイミングの概要を図6に示す。ここでは、説明の簡略化のため、図3に示した有効領域を2分割した構成の光学軸偏向素子10を例にして説明するが、N分割した場合でも同様に考えることができる。図6(a),(b)は縦軸に各分割領域内での光学軸の傾斜角を表し、横軸は時間を表す。図6の(a)は第一の領域(分割領域(1))の状態、(b)は第二の領域(分割領域(2))の状態を表している。また、図中には各分割領域での電界印加タイミングを矢印で示した。また、図6の(c)は電源電圧(矩形波交流電圧)の1周期(周波数f=60Hzとして、1周期=16.67msec)の変化を表し、(d)はスイッチ部19の各スイッチS1〜S4のON,OFFの切り換えタイミングを表している。
まず、分割領域(1) に電界+Eを印加すると直ちに光学軸の傾斜角は+θとなり飽和する。一定期間の印加後、分割領域(1) の電界をOFFし、分割領域(2) の電界印加に切換える。ここまでは、分割領域(1) のみが動作しているので、全体として均一では無い「動作初期」状態である。分割領域(2) の光学軸の傾斜角が+θに飽和した頃、分割領域(1) では液晶層の無電界再配向によって傾斜角が小さくなり始めているが、再び分割領域(1) に電界が印加されるためチルト角は時間平均で略+θに維持される。分割領域(2) でも同様にして光学軸の傾斜角が+θに維持される。液晶層の無電界時の再配向が遅い液晶材料を用いることで、両領域で同時に+θとなる「一定チルト角」の状態を維持することができる。
次に、光学軸の傾斜角を反転させるタイミングについて説明する。図6(a)で、まず分割領域(1) に反転電界−Eを印加して分割領域(1) のチルト角を−θに飽和させる。この間は分割領域(2) は無電界下でチルト角が略+θの状態である。すなわち、この状態は分割領域(1) と(2) と光学軸の傾斜方向が異なる「不一致」状態になってしまう。その後、分割領域(2) にも反転電界−Eが印加されれば、この不一致状態は直ちに解消され、同時に−θとなる「一定チルト角」の状態となる。この不一致状態の期間は、本発明の光学軸偏向素子にとっては、素子全体を平均化して使用するような場合には好ましくないので、できるだけ不一致状態の期間を短く設定することが好ましい。この不一致状態の期間は、一回の電界印加時間と一致しているので、前述のように電圧印加の時間的な分割回数を増やすことが好ましい。ここで、図7は電圧印加の時間的な分割回数を増やした場合の駆動タイミングの例を示しており、このようにスイッチ部19の各スイッチS1〜S4のON,OFFの切り換え動作を速くして電圧印加の時間的な分割回数を増やすことにより、不一致状態の期間を短く設定することができる。
さらに別の実施形態として、図8に示すように、電界反転時のみ電界印加時間を短く設定することもできる。すなわち、図8に示すように、スイッチ部19の各スイッチS1〜S4のON,OFFの切り換え動作により、有効領域全体の平行電界の方向を反転させるタイミングにおいては、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定する。図8では、「一定チルト角」の状態で印加する時間に比べて、「反転動作」中での印加時間を1/4程度に設定することで、「不一致」状態の時間を短縮することができる。したがって、有効領域全体の光学軸傾斜方向が一致している状態を長く設定し、光学特性の時間的および空間的な均一性を向上させることができる。ここで、反転動作中での電界印加時間は、少なくとも電界ON時の液晶層の最配向時間よりも長いことが好ましい。
ところで、上述の光学軸偏向素子では、有効領域内に設ける分割電極を金属膜としたが、金属膜では有効領域の透過光を遮光してしまうという問題がある。特に、分割領域の数を増やしていくと、分割電極の数も増えるので、素子全体としての透過率低下が問題となってくる。そこで、本発明のさらに別の実施形態では、図9に示す光学軸偏向素子10のように、有効領域内の分割電極を、基板表面に形成されたライン状の透明電極20とする。このようにライン状の透明電極20を用いることにより、透過光を遮断することを防止し、光の透過率を向上させることができる。なお、透明電極材料としては、ITO(インジウム含有酸化スズ)、ZnOなど酸化物半導体の蒸着膜やスパッタ膜を用いることが好ましい。また、これらの酸化物半導体の微粒子を樹脂中に分散した材料を塗布・形成しても良い。
次に、光学軸偏向素子の有効面積を更に大きく設計する場合について説明する。素子の幅が大きくなると、一定電界を得るためには、単純に印加電圧値が大きくなってしまう。そこで、本発明のように有効領域を分割して時間順次に駆動することで、一度に電界駆動する幅を小さくして印加電圧を低減することができる。したがって、更なる素子の大面積化に伴って分割数を更に増やすことが考えられるが、電圧切換えスイッチの複雑化や液晶層の無電界時の再配向時間による制約などから、分割数Nは2から4程度が好ましい。実用的には装置内で安全に使用する高電圧の上限が許す限り、分割数Nはできるだけ少なく設定することが好ましい場合もある。その場合、分割領域の幅は比較的広く設定することになるが、分割領域の幅が数ミリから10ミリ程度になってくると、図3や図9のように分割領域の両端部に電極を配置して電圧を印加しただけでは、分割領域の中央部に効果的に電界が印加されないという別な問題が発生する場合がある。すなわち、素子の基板面に平行な方向での電極間隔が広くなると、電極近傍の数ミリの範囲に電界が集中し、分割領域内での電界均一性が悪化する場合がある。
そこで本発明のさらに別の実施形態では、図10及び図11に示す光学軸偏向素子30のように、有効領域内に平行電界を印加するための電極及び分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極21から成り、透明ライン電極郡の面と液晶層15との間に誘電体層22を形成し、各透明ライン電極郡が抵抗体24によって電気的に直列に接続され、分割領域(1)または分割領域(2)の幅に対応する位置(すなわち、分割領域(1)または分割領域(2)の両端の位置)の二本の透明ライン電極21の間に電位差を印加する構成とした。また、この例では、素子の有効領域の両端部の電極も基板面に形成した透明ライン電極21としているので、液晶層15の両端にはスペーサー23が配置されている。
上記の透明ライン電極21を構成する材料としては、ITO、ZnOなど酸化物半導体の蒸着膜やスパッタ膜を用いることが好ましい。また、これらの酸化物半導体の微粒子を樹脂中に分散した材料を塗布・形成しても良い。透明ライン電極の幅は細いほど好ましいが実用的には10μm程度の幅に加工される。ライン電極間のピッチは数十μmから数百μm程度が好ましいが、後述する誘電体層の誘電率や厚みなどに関連して設定される。
誘電体層22としては、ガラスや樹脂など透明性の高いものを用いることができる。特に複屈折性の無い材料を用いることが好ましい。誘電体層22の厚みは、数μmから数百μm程度が好ましいが、透明ライン電極21のピッチとの関連から設定される。誘電体層22は透明な接着剤によって、透明ライン電極21を形成した基板面上に貼りつけられる。誘電体層22を薄く形成する場合には、厚い誘電体層を接着した後、所望の厚みまで研磨しても良い。接着剤は透過率が高く、その屈折率が比較的大きく透明電極材料の屈折率に近いことが好ましい。さらに、誘電体層22の上に液晶配向膜13,14を形成するため、配向膜形成プロセスでの加熱処理に耐えうる100℃から200℃程度の耐熱性も要求される。また、誘電体層22および配向膜13,14が樹脂の場合、両者の塗布溶媒などを最適化しておく必要が有る。このように誘電体層22および配向膜13,14を貼り合せたものを上下の基板として、基板間に液晶層15を充填して図10のような光学軸偏向素子を作製する。この時、図10では上下基板の透明ライン電極21の位置が一致しているが、素子を上から見て、上下基板の透明ライン電極21が交互に配置されるように組み合わせても良い。
次に、各透明ライン電極21を電気的に直列に接続するために、図11のように抵抗体24を形成する。抵抗体24は、所望の抵抗値を発現し透明ライン電極上に形成可能なものであれば良い。抵抗体24が安定的に機能し、抵抗破壊等がなく、抵抗体の過度な発熱による液晶特性への悪影響を防止するためには、表面抵抗が1×107Ω/□以上の材料が好ましい。具体的には、酸化クロムや酸化スズ、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ATO(アンチモン含有酸化スズ)、またはこれらの微粒子を樹脂中に分散させた塗布型の材料などが使用できる。透明ライン電極上への形成方法としては、蒸着やスパッタによる方法、あるいは塗布型の抵抗体材料では、スピンコート方法やフレキソ印刷、スクリーン印刷などの印刷方法、あるいはノズルやインクジェット方式などの噴射方法も用いることができる。形成方法によっては抵抗体形成部分以外をマスキングする必要もある。透明ライン電極上における抵抗体の形成幅は、抵抗体材料によっても多少異なるが、1mmから5mm程度が好ましい。また、図11のように基板上に抵抗体24を形成する以外に、フレキシブル基板などを用いて各透明ライン電極を延長し、素子以外の別な基板上で抵抗体材料あるいは抵抗アレイに接続しても良い。図11では、素子の両端と中央の3本の透明ライン電極21をスイッチ部19を介して電源18に接続可能に設定し、2つの領域(1),(2)に分割している。従って、この素子の駆動方法は、前述の図6〜8を参照して説明した駆動方法と同様で良い。
上記の光学軸偏向素子30では、有効領域内に透明ライン電極21による周期構造が形成されているため、透明電極材料と接着剤の屈折率差が大きくなると、透明ライン電極による周期構造が回折格子として作用し、回折現象が発生する場合がある。
そこで本発明のさらに別の実施形態では、図12及び図13に示す光学軸偏向素子40のように、透明ライン電極21は素子の有効領域の両端部と分割位置にのみ配置され、有効領域内の基板面に透明な抵抗体層25が形成されている。この構成では、有効領域内に周期構造が無いので透過光の回折現象を防止できる。また、誘電体層を設けなくても、透明抵抗体層25により比較的均一な平行電界を形成できる。さらに、透明抵抗体層25の局所的な抵抗ムラや欠陥に起因する電界の乱れを平均化するために、透明抵抗体層25と液晶層15の間に、図10,11と同様の誘電体層22を形成しても良い。
透明抵抗体層25の形成材料としては、酸化スズ系、酸化インジウム系などの導電性粉末の樹脂分散膜を用いることができる。樹脂分散膜の場合、スピンコート法や各種印刷方法によって形成することができる。また、透明抵抗体膜として光透過性金属酸化物も用いることができる。金属酸化物としては、例えば2元系化合物としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化鉛、酸化ガリウム、3元系化合物としては、マグネシウム・インジウム酸化物、ガリウム・インジウム酸化物、亜鉛・インジウム酸化物、亜鉛・スズ酸化物、などを用いることができる。これらの中に添加物、例えば酸化スズにアンチモン、フッ素、酸化インジウムにスズ、酸化亜鉛にアンチモン、ガリウム、ホウ素等を加えてもよい。金属酸化物層の形成方法として物理的堆積法を用いれば、比較的低温状態で原子・分子レベルから膜を成長させていくことが可能であるため、基板選択の自由度が広く、広い面積にわたって厚さと組成が均一な膜が得られる。物理的堆積法としては、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等が工業的にも広く利用されている。
本実施形態の透明抵抗体層25の機能は、基板面に沿って所望の電位勾配を形成させるためのものであり、通電した時の発熱量が小さい条件で使用することが好ましい。そのため、表面抵抗値が1×10Ω/□程度以上の高抵抗の透明抵抗体を用いることが好ましい。これに対応した体積抵抗値を考える場合、抵抗体の膜厚が0.1μmの時は10Ωcm以上、膜厚が1μmの時は10Ωcm以上、膜厚が10μmの時は10Ωcm以上であることが好ましい。この時、抵抗体の時定数はマイクロ秒以下であり、数百マイクロ秒周期で電圧を切換えるような用途では実用上問題無い値である。
図13では、有効領域の両端部の電極と中央の分割電極を構成する3本の透明ライン電極21をスイッチ部19を介して電源18に接続可能に設定し、2つの分割領域(1),(2)に分割している。従って、この素子の駆動方法は、前述の図6〜8を参照して説明した駆動方法と同様で良い。
上記の構成により有効領域全体としてほぼ均一な光学軸偏向動作を行うことができるが、分割電極近傍を詳細に観察すると、光学軸の均一性が損なわれる場合がある。例えば、図9のように分割電極としてライン状の透明電極20を用いた場合について説明する。
図20は図9と同様な素子の電界印加状態を示した図であり、配向膜は省略してある。また、図中央部の破線は上側基板12の分割電極20と下側基板11の分割電極20が電気的に接続されていることを示している。図20の(a)は左側の分割領域に電圧を印加している状態、(b)は右側の分割領域に電圧を印加している状態を示す。ここでは、電圧印加状態の切換えスイッチの構成図や、その動作の説明は省略する。分割電極20は少なくとも10μm程度の幅を有しているが、その電極幅の中では同電位であるため電極幅内に電界は発生しない。そのため電極近傍の液晶層内には電界が低下した部分が発生する。図20のように上下基板11,12の分割電極20の位置が光の透過方向(紙面上下方向)に対して一致している場合、図20の中央の斜線部分は(a)と(b)の両方の電界印加状態において無電界領域と隣接しているので、常に低電界部分になりやすい。この低電界部分では光学軸の傾斜角が局所的に小さくなり、有効領域全体の均一性を低下させる原因となる。特に、この低電界領域に垂直に入射する光線は、この部分の影響を受けやすくなる。
そこで、本発明では図21に示すように、上下の分割電極20の位置をズラして配置することで、低電界領域を液晶層の厚み方向に対して斜め方向に発生させることができる。したがって、分割電極付近の基板に垂直に入射する光線は、液晶層15の厚み方向に対して一部のみ低電界領域を通過するので、図20のように液晶層厚み全体が低電界領域になる場合に比べて影響を受け難くなる。
なお、分割電極の位置をズラして配置する構成は、図12および図13の透明抵抗体層25を設けた構成でも同様な効果が得られる。
また、分割電極の構成として図10および図11のような透明ライン電極郡(多数本の透明ライン電極21)を配置した場合、図22のように分割電極として接続する上側基板12の透明ライン電極21と下側基板11の透明ライン電極21の位置が異なるように設定すれば良い。これにより、液晶層内部に発生する低電界領域を斜めに形成されることができる。したがって、分割電極付近の基板に垂直に入射する光線は、液晶層15の厚み方向に対して一部のみ低電界領域を通過するので、図20のように液晶層厚み全体が低電界領域になる場合に比べて影響を受け難くなる。
しかし、図21や図22において上基板12と下基板11での分割電極の位置ズレが大きくなると、液晶層15の厚み方向にも電界成分が発生し、電界印加部分での光学軸傾斜方向が変化してしまう。図23に図22(b)の分割電極付近の電界方向のモデル図を示す。ここでは液晶層内の電界を単純なモデルで考える。分割電極として設定した電極の電位をV1とし、上下基板の分割電極のズレ量をΔX、素子厚み方向の電極間距離をΔZ、下側の分割電極の位置に対応した上側のライン電極の電位をV2とする。また、上側の分割電極に対応した下側のライン電極の電位はほぼV1と等しいと仮定する。厳密には基板や誘電体層、液晶層の誘電率などから内部の電界分布を推定することが好ましいが、ここでは単純化して全ての材料の誘電率は等しいと仮定する。また、液晶層内の電界方向が45度以上傾斜すると液晶層の垂直配向性が悪化し、白濁などの配向結果が発生すると考えられる。
そこで、本発明では、分割電極のズレ量ΔXが電極間の距離ΔZよりも小さくなるように設定する。図23のモデルでは液晶層内のA点での電界は水平方向の電界Exと厚み方向の電界Ezの合成となる。A点の電位をVA、B点の電位をVBとすると、
Ex=(VA−VB)/ΔX
Ez=(VA−V1)/(ΔZ/2)
となり、ここでVBはほぼV1と等しいので、
Ex×ΔX=Ez×(ΔZ/2)
の関係になる。
ここで、A点での電界Eの傾斜方向を45度以内に設定するためには、Ex>Ezとなれば良く、前述の関係式から(ΔZ/2)>ΔXとなる。すなわち、分割電極のズレ量ΔXは、電極間の距離ΔZの半分の値よりも小さく設定することで、斜め電界による液晶配向欠陥の発生を防止できる。
上記の構成は、分割電極の位置は固定されているが、本発明の他の構成では電界を印加する領域に応じて分割電極として機能させる電極の位置を変える。そのために図24に示すように、有効領域内を複数に分割する分割電極が少なくとも一対のライン状電極20a,20bからなり、各分割領域に時間順次に印加した電界が、一対のライン状電極20a,20bの間に対応する液晶層内では、電界印加期間が重なるように設定する。例えば、図24の(a)では中央付近の分割電極対20a,20bの内、右側の上下の分割電極20aと素子左端の電極間に電圧を印加することで素子左側領域に電界を印加し、(b)では中央付近の分割電極対20a,20bの内、左側の上下の分割電極20bと素子右端の電極間に電圧を印加することで素子右側領域に電界を印加する。この場合、中央付近の分割電極の間では常に電界が印加された状態となり、分割領域端部で低電界になる領域が領域の切換えに応じて移動するため、図20のような常に低電界となる領域の発生を防止できる。この場合、図20に比べて電極間の幅が広く設定されるため、同一電界を得るための電圧値を大きく設定する必要があるが、一対の分割電極間の距離は分割領域の幅に比べて十分小さいため、実用上問題にはならない。また、図22のような透明ライン電極郡(多数本の透明ライン電極21)を用いた構成でも、分割電極として選択するライン電極21を図24のように変化させることで同様な効果が得られる。
以上の実施形態では、ある分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間にのみ電圧を印加し、その他の分割領域に対応する電極は電気的にフロート状態にしている。このような場合、電界印加領域に隣接する他の分割領域内には逆方向の電界が生じる場合がある。この逆電界は本来無電界状態にあるべき液晶層の配向状態を変化させてしまう。
そこで、本発明のさらに別の実施形態では、図14に示すように、電界印加状態の分割領域以外では、該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御する。すなわち、スイッチ部19の各スイッチS1〜S4のON,OFFを制御して、電界を印加しない分割領域の電極間が同電位となるようにする。これにより、無電界状態にあるべき分割領域の液晶層の光学軸の傾斜状態を乱す不要な電界の発生を確実に防止することができる。
次に本発明のさらに別の実施の形態では、以上に説明した構成の光学軸偏向素子を光路偏向素子として用いるものであり、図15(a),(b)に示すように、光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトさせることができる。また、この光路偏向素子に、前述の電源18とスイッチ部19からなる電圧印加手段を接続して光路のシフトを制御することにより、電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向装置が構成される。
ここで、図15(a),(b)は、光学軸偏向素子からなる光路偏向素子の液晶分子の配向状態を模式的に示したものであり、垂直配向膜、スペーサー、電極等の図示は省略してある。図15では便宜上紙面表裏方向に電圧印加されるように描き、電界は紙面表裏方向に作用する。電界方向は目的とする光学軸の傾斜方向に対応して図示しない電圧印加手段により切換えられる。図15(a)のように紙面手前側への電界が印加された場合、液晶分子の自発分極が正ならば液晶ダイレクタが図の右上に傾斜した分子数が増加し、液晶層としての平均的な光学軸も図の右上方向に傾斜して複屈折板として機能する。キラルスメクチックC相の螺旋構造が解ける閾値電界以上では、全ての液晶ダイレクタがチルト角θを示し、光学軸が上側に角度θで傾斜した複屈折板となる。従って、異常光として図の左側から入射した直線偏光は図の上側に平行シフトする。ここで、液晶分子の長軸方向の屈折率をne、短軸方向の屈折率をno、液晶層の厚み(ギャップ)をdとするとき、シフト量Sは以下の式1で表される(例えば、非特許文献1参照)。
S=[(1/no)2−(1/ne)2]sin(2θ)×d
÷[2((1/ne)2sin2θ+(1/no)2cos2θ)] ・・・式1
同様に図15(b)のように電極への印加電圧を反転して紙面奥側への電界が印加された場合、液晶分子の自発分極が正ならば液晶ダイレクタは図の右下に傾斜し、光学軸が下側に角度θで傾斜した複屈折板として機能する。従って、異常光として図の左側から入射した直線偏光は図の下側に平行シフトする。また、電界方向の反転によって、2S分の光路偏向量が得られる。
従って、電界方向を切換えて光学軸の傾斜方向を切換えることで、光線の出射位置を切換えることができる。これにより、大きな有効面積に対して、比較的小さな印加電圧で駆動が可能な光路偏向装置が得られる。
次に本発明のさらに別の実施形態を図16に基づいて説明する。本実施形態は、以上に説明した構成の光路偏向装置(光学軸偏向装置)を画像表示装置80の光路偏向手段に適用した例を示すものである。図16において、図中の符号81はLEDランプを2次元アレイ状に配列した光源であり、この光源81からスクリーン86に向けて発せられる光の進行方向には拡散板82、コンデンサレンズ83、画像表示素子としての透過型液晶パネル84、画像パターンを観察するための光学部材としての投射レンズ85が順に配設されている。また、符号87は光源81に対する光源ドライブ部、88は透過型液晶パネル84に対するドライブ部である。
ここで、透過型液晶パネル84と投射レンズ85との間の光路上にはピクセルシフト素子として機能する光路偏向手段89が介在されており、ドライブ部90に接続されている。このような光路偏向手段89としては、前述したような構成の光路偏向装置(光学軸偏向装置)が用いられている。
光源ドライブ部87で制御されて光源81から放出された照明光は、拡散板82により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ83により液晶ドライブ部88で照明光源と同期して制御されて透過型液晶パネル84をクリティカル照明する。この透過型液晶パネル84で空間光変調された照明光は、画像光として光路偏向装置89に入射し、この光路偏向装置89によって画像光が画素の配列方向に任意の距離だけシフトされる。この光は投射レンズ85で拡大されスクリーン86上に投射される。
ここで、光路偏向装置89により画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎の光路の偏向に応じて表示位置がずれている状態の画像パターンを透過型液晶パネル84に表示させることで、透過型液晶パネル84の見掛け上の画素数を増倍して表示することができる。このように光路偏向装置89によるシフト量は透過型液晶パネル84の画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行うことから、画素ピッチの1/2に設定される。シフト量に応じて透過型液晶パネル84を駆動する画像信号をシフト量分だけ補正することで、見掛け上高精細な画像を表示することができる。この際、光路偏向装置89として、前述した各実施形態のような光学軸偏向装置を用いているので、光の利用効率を向上させ、光源の負荷を増加することなく、観察者に、より明るく高品質の画像を提供することができる。
なお、画像表示装置としては画像表示素子に透過型液晶パネル84を用いるタイプに限らず、例えば、図17に示す画像表示装置94のように、反射型液晶パネル91を用いるタイプにも同様に適用できる。なお、符号92は反射型液晶パネル91に対するドライブ部である。この構成の場合、図16に示した画像表示装置80に比較して偏光ビームスプリッタ(PBS)93が付加され、照明系からの光はPBS93により反射型液晶パネル91側に折り返され、光路偏向装置89を介して反射型液晶パネル91に照射される。この反射型液晶パネル91に入射した照明光は、反射型液晶パネル91によって反射されながら画像に対応した空間変調を受け画像光として出射する。その後、光路偏向装置89に入射し、この光路偏向装置89によって画像光が画素の配列方向に所定距離だけシフトされる。その後の経路は図16に示した画像表示装置の場合と同様である。
次に本発明の具体的な実施例と比較例について説明する。
[実施例1]
まず、図1に示すような構成の光学軸偏向素子10を作成する。厚さ1.1mm、大きさ10mm×8mmと5mm×7mmの二種類のガラス基板の中央部表面の短辺方向に幅5μm、長さ8mmまたは7mmのクロム電極ライン(分割電極17)を形成した。大きい基板の電極ラインの一端は配線接続用に数ミリ幅に拡大した。電極を形成した面に厚み0.06μmのポリイミド化合物の垂直(ホメオトロピック)配向膜13,14を形成した。ポリイミド配向膜は、ポリアミック酸溶液をスピンコートにより塗布し、約180℃の加熱処理によるイミド化処理によりポリイミド膜を得た。厚み80μm、幅約1mm、長さ8mmのアルミシートを素子両端部の有効面積外に、スペーサ部材兼電極16a,16bとして挟んで、二枚の基板11,12を対向させて、セルを作成した。この時、上下基板の有効面積内のクロム電極ラインが上から見て互い重なるように張り合わせ、上下基板のクロム電極間を導電性ペーストを少量挟んで導通させた。セルを約90℃に加熱した状態で、基板間の空間に強誘電性液晶(チッソ製CS1024)を毛管法にて注入した。冷却後、接着剤で封止し、液晶層15の厚み80μm、有効面積8mm×7mm角の光学軸偏向素子10を作成した。
この光学軸偏向素子10からは両端のスペーサ部材兼電極16a,16bのアルミシートと、大きい基板上のクロム電極(分割電極)17の拡大部が露出しており、それぞれを図3のように電界印加可能な状態にスイッチ部19を介して電源18に接続し、4mm幅の有効領域に2分割された光学軸偏向装置を得た。
この光学軸偏向装置を構成する光学軸偏向素子10の液晶層15に電圧印加手段でE=150V/mmの電界をONした時の応答時間は0.5msecと十分速く、電界OFF時の再配向時間は数百msec程度と非常に遅い。
上記光学軸偏向素子の光学軸の傾斜角をコノスコープ観察により測定した。測定には白色レーザーを光源として用い、ビームエキスパンダー、ポーラサラザー、NA=0.75の顕微鏡対物レンズの順に通して、発散光を素子の有効領域に照射した。そして、素子の液晶層を通過した透過光をアナライザーを通して透過型スクリーン面に投射することにより、コノスコープ像が得られる。このコノスコープ像をCCDカメラあるいは高速度カメラなどによって撮影し、コノスコープ像の十字状の影の位置を解析することで光学軸の傾斜角を測定した。図3のように有効分割領域(1) と有効分割領域(2) に600Vの直流電圧を5msecづつ交互に、100周期で1秒間印加した。この1秒間の傾斜角の状態を解析したところ、両有効領域内で略均一に25度の傾斜角を維持していることが確認できた。
[比較例1]
比較例1として、有効領域の中央部にクロム電極(分割電極)を設けないこと以外は実施例1と同様にして有効面積8mm×7mm角の図4のような構成の光学軸偏向素子を作成した。実施例1と同様な平行電界強度E=150V/mmが印加されるように、素子両端部の電極6a,6bに1200Vの直流電圧を1秒間印加した。その結果、両端の電極近傍では25度の傾斜角を示していたが、中央付近では約20度程度であった。これは、比較的幅の広い素子の両端に単純に電圧を印加しても、中央部には十分な電界が印加されないことを示している。また、実施例1に比べて二倍の高電圧の印加が必要であった。
[実施例2]
次に図10及び図11に示すような構成の光学軸偏向素子30を作成する。厚さ1.1mm、大きさ50mm×50mmのガラス基板11,12の表面に幅10μm、長さ45mmのITO透明ライン電極21を平行に100μmピッチで420本形成した。両端の透明ライン電極21は幅4mm、長さ50mmと広めに形成し、中央部の一本の透明ライン電極21は長さを50mmとして、その一端は配線の取り出し用に数ミリ幅に広げて形成した。この透明電極ライン郡の有効面積は約42mm×40mm角であり、この上に誘電体層22として厚み150μmのガラスを紫外線硬化接着剤によって張り合わせた。接着剤の厚みは10μm程度とした。透明ライン電極21が露出している幅5mmの部分に、抵抗体24として表面抵抗が1×10Ω/□のCrSiO膜をスパッタ法により成膜した。
図10に示す素子断面図のように透明ガラス基板11,12の内部に透明ライン電極21が埋め込まれている形となり、図11(a)に示すように、各透明ライン電極21を抵抗体膜24によって直列に接続した状態とした。この基板表面に厚み0.06μmのポリイミド化合物の垂直(ホメオトロピック)配向膜13,14を形成した。ポリイミド配向膜は、ポリアミック酸溶液をスピンコートにより塗布し、約180℃の加熱処理によるイミド化処理によりポリイミド膜を得た。80μmのスペーサーシート23を有効面積外に挟んで、二枚の基板11,12を対向させて、上下基板の有効面積内の透明電極ラインが上から見て互いに一致するように張り合わせた。このセルを約90℃に加熱した状態で、基板間の空間に強誘電性液晶(チッソ製CS1024)を毛管法にて注入した。冷却後、接着剤で封止し、液晶層15の厚み80μm、有効面積が約42mm×40mm角の光学軸偏向素子30を作成した。
この光学軸偏向素子30の両端の透明ライン電極と中央の透明ライン電極のそれぞれを図11(a)のように電界印加可能な状態にスイッチ部19を介して電源18に接続し、光学軸偏向装置を得た。
電源部18にパルスジェネレータと高圧アンプを用い、スイッチ部19にフォトカプラーを組み合わせた高電圧切換えスイッチを用いて、図6のような電圧印加タイミングで、上記素子を駆動した。矩形波交流電源の電圧は±3.15kV、周波数60Hzとした。分割領域幅は21mmなので、各分割領域の電界強度はE=150V/mmとなる。60Hz駆動の1周期は16.67msecであり、片側極性の期間はT=8.33msecとなる。図6のような駆動タイミングでは、各分割領域の一度の電界印加時間は1.85msecとした。動作初期状態を除く定常的な駆動状態では、プラス極性の電圧をそれぞれの領域で2回づつ印加した後(1.85×4=7.4msec)、電圧反転時の動作として0.52msecの短いマイナス極性の電界を1回づつ印加し(0.46×2=0.93msec)、ここまでの期間を半周期のT=8.33msecとする。このように短時間の電圧印加を行うことで、前述した電圧反転に伴う二つの領域の光学軸方向の不一致時間を0.46msec程度に短縮することができる。この時間は本来の液晶層の電界応答時間と同程度であり、実用上問題ないと判断できる。
このように素子全体として光学軸の反転動作を60Hzで繰り返す状態でコノスコープ像を観察したところ、42mm幅の全面で略均一に±約25度の光学軸の傾斜角の反転動作が確認できた。但し、厳密に見ると、中央の分割部の周囲の傾斜角が僅かに小さく観測された。また、この素子にHe−Neレーザー光を入射したところ、出射光にわずかな回折パターンが観測された。これは、ITO透明電極と接着剤との屈折率差による周期的な位相変調によるものと考えられる。
[実施例3]
次に図12及び図13に示すような構成の光学軸偏向素子40を作成する。厚さ1.1mm、大きさ50mm×50mmのガラス基板11,12の両端部に幅4mm、長さ50mmの広めの透明ライン電極21を42mmの間隔を空けて形成し、その中央部に幅10μm、長さを50mmの一本の透明ライン電極21を形成した。中央の透明ライン電極の一端は配線の取り出し用に数ミリ幅に広げて形成した。この基板上の図13に示すような範囲に透明抵抗体膜25を成膜した。透明抵抗体膜25は、高周波マグネトロンスパッタ法により厚さ0.1μmの酸化スズ膜を形成した。ターゲットには酸化スズの焼結体を用いた。スパッタ中はアルゴンガスと酸素を流し、その流量比が約1:4となるようにした。この際、基板の加熱や冷却は行っていない。この条件の下で形成される酸化スズ膜の体積抵抗率は約5×10Ωcmと高抵抗であり、厚さ0.1μmの場合の表面抵抗率は5×10Ω/□である。この酸化スズ膜の可視光透過率は90%以上であった。各透明ライン電極21を透明抵抗体膜25によって直列に接続した状態とした。この基板表面に厚み0.06μmのポリイミド化合物の垂直(ホメオトロピック)配向膜13,14を形成した。ポリイミド配向膜は、ポリアミック酸溶液をスピンコートにより塗布し、約180℃の加熱処理によるイミド化処理によりポリイミド膜を得た。80μmのスペーサーシート23を有効面積外に挟んで、二枚の基板を対向させて、上下基板の有効面積内の透明電極ラインが上から見て互いに一致するように張り合わせた。このセルを約90℃に加熱した状態で、基板間の空間に強誘電性液晶(チッソ製CS1024)を毛管法にて注入した。冷却後、接着剤で封止し、液晶層15の厚み80μm、有効面積が約42mm×40mm角の光学軸偏向素子40を作成した。
この光学軸偏向素子40の両端の透明ライン電極と中央の透明ライン電極のそれぞれを図13(a)のように電界印加可能な状態にスイッチ部19を介して電源18に接続し、光学軸偏向装置を得た。
電源部18にパルスジェネレータと高圧アンプを用い、スイッチ部19にフォトカプラーを組み合わせた高電圧切換えスイッチを用いて、実施例2と同一の電圧パターンを印加してコノスコープ像を観察したところ、42mm幅の全面で略均一に±約25度の光学軸の傾斜角の反転動作が確認できた。但し、この実施例でも厳密に見ると、中央の分割部の周囲の傾斜角が僅かに小さく観測された。また、この素子にHe−Neレーザー光を入射したところ、実施例2で観測されたような回折パターンは観測されなかった。
[実施例4]
実施例3と同様な光学軸偏向素子40を用い、図14のように電界印加領域以外の電極対を導通して同電位となるようにフォトカプラーの組合せによる高電圧スイッチ部19を改良した。その結果、実施例3で見られた、中央の分割部の周囲の傾斜角のわずかな減少は観測されなかった。これは、電界を印加している分割領域の隣接領域内が確実に無電界状態に維持されて、非電界印加時における光学軸の傾斜角が大きく維持されているためと考えられる。
[実施例5]
実施例2では中央部の一本の透明ライン電極21は長さを50mmとして、その一端は配線の取り出し用に数ミリ幅に広げた基板を用い、上下の基板11,12を重ねた時にこの取り出し用の透明ライン電極が重なるように配置したが、実施例5では、上下の基板11,12を重ねた時に、上と下で取り出し用の透明ライン電極21の位置が一本分ずれるように、各々の基板の取り出し電極位置を設定した。その他の構成は実施例2と同様にして図22に示すような光学軸偏向素子を作成した。この素子では、上下基板での分割電極のズレ量はΔXは100μmであり、誘電体層と液晶層を介した上下の電極間距離ΔZは約400μmであるから、液晶層内での斜め方向の電界発生を防止する条件
(ΔZ/2)>ΔX
を満たしている。
実施例2と同様に電源部18と高電圧切換えスイッチ19を用いて、光学軸の反転動作をコノスコープ像で確認したところ、42mm幅の全面で略均一に±約25度の光学軸の傾斜角の反転動作が確認できた。また、実施例2で見られた中央の分割部の周囲の傾斜角が僅かに小さく観測された現象は見られなかった。但し、偏光板のクロスニコル中に素子を配置して顕微鏡観察すると、中央付近に僅かに光散乱によると考えられる光漏れが見られた。これは、分割電極近傍に発生する斜め電界の影響で液晶層が歪むため、僅かに光散乱が生じたと考えられるが、実用上問題無い範囲であった。
[実施例6]
実施例2では中央部の一本の透明ライン電極21は長さを50mmとして、その一端は配線の取り出し用に数ミリ幅に広げた基板を用い、上下の基板11,12を重ねた時にこの取り出し用の透明ライン電極が重なるように配置したが、実施例6では、上下の各基板11,12の中央部の2本の透明ライン電極20a,20bを50mmとして、それぞれの一端は配線の取り出し用に広げた。その他の構成は実施例2と同様にして図24に示すような光学軸偏向素子を作成した。
また、実施例2と同様に電源部18と高電圧切換えスイッチ19を用いたが、分割領域に対する分割電極の位置を切換えられるように図示しないスイッチを追加した。このスイッチの追加によって図24(a),(b)のような電圧印加動作が可能となった。分割領域の幅は、実施例2の21mmに対して、実施例6では21.1mmに広がったが、それに伴う電界強度の低下は実用上問題無い。
実施例2と同様に光学軸の反転動作をコノスコープ像で確認したところ、42mm幅の全面で略均一に±約25度の光学軸の傾斜角の反転動作が確認できた。また、実施例2で見られた中央の分割部の周囲の傾斜角が僅かに小さく観測された現象は見られなかった。さらに、偏光板のクロスニコル中に素子を配置して顕微鏡観察したが、実施例5で見られたような中央付近での光漏れは観察されなかった。これは、分割電極近傍に発生する斜め電界の発生が無くなったためと考えられる。
[実施例7]
次に図16に類似の構成の画像表示装置を作製した。画像表示素子84として対角0.9インチXGA(1024×768ドット)のポリシリコンTFT液晶パネルを3枚用いた。図16では液晶パネルが一枚の場合を例示しているが、3枚の液晶パネルからの光を図示しない合成プリズムによって合成し、一つの投射レンズ85で投射する。液晶パネルの画素ピッチは縦横ともに約18μmである。画素の開口率は約50%である。また、画像表示素子の光源側にマイクロレンズアレイを設けて照明光の集光率を高める構成とした。本実施例では、画像表示のフレーム周波数が60Hz、ピクセルシフトによる2倍の画素増倍のためのサブフィールド周波数が2倍の120Hzとした。三枚の液晶パネルをそれぞれRGBの三色の光源あるいは白色光源をプリズムやフィルターにより色分解した光で照明し、各色の画像を図示しない合成プリズムで合成することでフルカラー画像を表示する。また、液晶パネル84を出射した光の偏光方向を光学軸偏向装置89の光学軸の傾斜方向と一致させることで、光路シフト機能を発現させ、偏光方向に光路をシフトさせることができる。実施例4の光学軸軸偏向装置を光路偏向装置として用いた場合の光路シフト量は約9μmであり、液晶パネルの画素ピッチの1/2である。また、光路偏向装置への入射光の偏光度を確実にするために、装置の入射面側に直線偏光板を設けた。
光路偏向装置に印加する電圧と動作タイミングは、実施例4と同様に±3.15kV、周波数60Hzとした。光路シフト位置の切換えタイミングに同期して、画像表示素子に表示するサブフィールド画像をT=8,33msecで書き換えることで、見かけ上の画素数が2倍に増倍した高精細画像が表示できた。この時、液晶層全体に印加される平行電界強度は150V/mmで、光路の切換え時間は約0.5msecであり、充分なピクセルシフト効果と光利用効率が得られた。
本発明に係る光学軸偏向素子や光路偏向素子、及びそれらを用いた光学軸偏向装置や光路偏向装置は、プロジェクションディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの画像表示装置に好適に利用できるが、この他、デジタル複写機、レーザープリンター、レーザープロッター、レーザーファクシミリなどの画像形成装置の光書込み装置等にも利用することができる。また、この他、画像入力装置や、レーザー計測装置等にも利用することができる。
本発明の一実施形態を示す光学軸偏向素子の概略断面図である。 光軸軸偏向素子に印加される電界方向と液晶分子の配向方向の関係を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態を示す図であって、図1に示す光軸軸偏向素子を用いた光学軸偏向装置の構成例と電圧印加方法の説明図である。 従来の光学軸偏向装置の構成例と電圧印加方法の説明図である。 本発明の別の実施形態を示す図であって、光軸軸偏向素子を用いた光学軸偏向装置の構成例と電圧印加方法の説明図である。 本発明の光学軸偏向素子の駆動タイミングの一例を示す図である。 本発明の光学軸偏向素子の駆動タイミングの別の例を示す図である。 本発明の光学軸偏向素子の駆動タイミングのさらに別の例を示す図である。 本発明の別の実施形態を示す図であって、(a)は光学軸偏向素子の概略断面図、(b)光学軸偏向素子の概略平面図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す光学軸偏向素子の概略断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す図であって、(a)は図10に示す光軸軸偏向素子を用いた光学軸偏向装置の概略平面図、(b)光学軸偏向素子のライン電極に平行な方向の概略断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す光学軸偏向素子の概略断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す図であって、(a)は図10に示す光軸軸偏向素子を用いた光学軸偏向装置の概略平面図、(b)光学軸偏向素子のライン電極に平行な方向の概略断面図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す図であって、光軸軸偏向素子を用いた光学軸偏向装置の構成例と電圧印加方法の説明図である。 本発明の光学軸偏向素子を光路偏向素子として用いた場合の、液晶層の光学軸偏向動作と光路偏向動作の原理説明図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す図であって、光路偏向装置を用いた画像表示装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のさらに別の実施形態を示す図であって、光路偏向装置を用いた画像表示装置の別の例を示す概略構成図である。 従来技術の一例を示す光路偏向素子の概略断面図である。 キラルスメクチックC相の液晶分子配列のモデル(電界による螺旋構造変化のモデル)を示す図である。 本発明の光学軸偏向素子の分割した境界付近での電界印加状態を示す概念図である。 本発明の光学軸偏向素子の分割電極の位置ずらし効果の説明図である。 本発明の光学軸偏向素子の分割電極の設定位置のずらし効果の説明図である。 図22(b)の光学軸偏向素子の分割電極近傍での電界を示す概念図である。 本発明の光学軸偏向素子の分割電極位置の時間変化による効果の説明図である。
符号の説明
10,30,40:光学軸偏向素子(光路偏向素子)
11,12:基板
13,14:配向膜
15:液晶層
16a,16b:電極
17,17a,17b:分割電極
18:電源
19:スイッチ部
20:透明電極
21:透明ライン電極
22:誘電体層
23:スペーサー
24:抵抗体
25:透明抵抗体層
80,94:画像表示装置
81:光源
82:拡散板
83:コンデンサレンズ
84:透過型液晶パネル(画像表示素子)
85:投射レンズ
86:スクリーン
87:光源ドライブ部
88:透過型液晶パネルのドライブ部
89:光路偏向装置(光路偏向手段)
90:光路偏向装置のドライブ部
91:反射型液晶パネル(画像表示素子)
92:反射型液晶パネルのドライブ部
93:偏光ビームスプリッタ(PBS)

Claims (29)

  1. 透明な一対の基板と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層と、少なくとも前記液晶層の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極とを有する光学軸偏向素子において、
    前記電極間の有効領域内を複数の領域に分割して、個々の領域に独自に平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置したことを特徴とする光学軸偏向素子。
  2. 請求項1記載の光学軸偏向素子において、
    前記電極間の有効領域の幅をL、該有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、前記有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して平行電界が印加可能となるように1以上の分割電極を配置したことを特徴とする光学軸偏向素子。
  3. 請求項1または2記載の光学軸偏向素子において、
    前記有効領域内の前記分割電極が、各分割領域の両端部に対応して基板面に形成されたライン状の透明電極であることを特徴とする光学軸偏向素子。
  4. 請求項1または2記載の光学軸偏向素子において、
    前記有効領域内の前記分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層を形成し、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続されていることを特徴とする光学軸偏向素子。
  5. 請求項1または2記載の光学軸偏向素子において、
    前記電極及び前記有効領域内の前記分割電極が、各分割領域の両端部に対応して基板面に形成されたライン状の透明電極であり、かつ前記基板面に透明な抵抗体層が形成されていることを特徴とする光学軸偏向素子。
  6. 請求項3または5記載の光学軸偏向素子において、
    一対の両基板面に形成された前記ライン状の透明電極は、光の透過方向に対する投影面上で異なる位置に配置してあることを特徴とする光学軸偏向素子。
  7. 請求項4記載の光学軸偏向素子において、
    前記多数本の透明ライン電極の内、電源に直接接続して分割電極として機能させる透明ライン電極の両基板上での位置を、光の透過方向に対する投影面上で異なる位置に設定することを特徴とする光学軸偏向素子。
  8. 請求項6または7記載の光学軸偏向素子において、
    異なる位置あるいは交差するように配置してある前記分割電極の位置関係に対して、光の透過方向に対する投影面上での前記平行電界方向へズレ量の最大値をΔXとし、液晶層厚み方向での間隔をΔZとした時、(ΔZ/2)>ΔXに設定したことを特徴とする光学軸偏向素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載の光学軸偏向素子において、
    有効領域内を複数に分割する分割電極が少なくとも一対のライン状電極からなり、各分割領域に時間順次に印加した電界が、一対のライン状電極の間に対応する液晶層内では、電界印加期間が重なるように設定したことを特徴とする光学軸偏向素子。
  10. 電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向素子であって、
    請求項1〜9のいずれか一つに記載の光学軸偏向素子から成り、該光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることを特徴とする光路偏向素子。
  11. 透明な一対の基板と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層と、少なくとも前記液晶層の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極とを有する光学軸偏向素子と、
    前記光学軸偏向素子の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを用い、
    前記光学軸偏向素子の電界方向の切換えによって液晶分子の配向方向を切換えて液晶層の層法線に対する光学軸の傾斜方向を切換えて、入射光に対する出射光路を切換える光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子として請求項1〜9のいずれか一つに記載の光学軸偏向素子を用い、前記電圧印加手段により、前記光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加することを特徴とする光学軸偏向方法。
  12. 請求項11記載の光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域の幅をL、該有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な平行電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、前記有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して電界が印加可能となるように1以上の分極電極を配置し、各分割領域の幅であるL/Nに対して、平均的な平行電界強度Eを印加するために、V/Nの電圧値をT/N以内の時間だけ一時的に印加し、一時的に電圧を印加する領域を時間順次に切換えることにより、時間平均すると有効領域全体に均等に平行電界強度Eを印加することを特徴とする光学軸偏向方法。
  13. 請求項11記載の光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域を少なくとも第一領域と第二領域に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域と第二領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする光学軸偏向方法。
  14. 請求項11記載の光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域を第一領域〜第N領域のN個(Nは2以上の整数)に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、という動作を第N領域まで行い、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域〜第N領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする光学軸偏向方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか一つに記載の光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域全体の平行電界の方向を反転させるタイミングにおいては、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定することを特徴とする光学軸偏向方法。
  16. 請求項11〜15のいずれか一つに記載の光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域内に平行電界を印加する分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層が形成され、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続され、前記分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することを特徴とする光学軸偏向方法。
  17. 請求項11〜16のいずれか一つに記載の光学軸偏向方法において、
    前記光学軸偏向素子の或る分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間に電圧を印加している状態において、隣接する分割領域内に不要な電界が生じないように該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御することを特徴とする光学軸偏向方法。
  18. 請求項11〜17のいずれか一つに記載の光学軸偏向方法を用い、前記光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることを特徴とする光路偏向方法。
  19. 透明な一対の基板と、その一対の基板間に充填されたホメオトロピック配向をなすキラルスメクチックC相を形成可能な液晶層と、少なくとも前記液晶層の両端側に配置され基板面に平行な方向の電界(以下、平行電界と言う)を発生させる電極とを有する光学軸偏向素子と、
    前記光学軸偏向素子の電極に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
    前記光学軸偏向素子の電界方向の切換えによって液晶分子の配向方向を切換えて液晶層の層法線に対する光学軸の傾斜方向を切換えて、入射光に対する出射光路を切換える光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子として請求項1〜9のいずれか一つに記載の光学軸偏向素子を備え、前記電圧印加手段は、前記光学軸偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加する手段を有することを特徴とする光学軸偏向装置。
  20. 請求項19記載の光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域の幅をL、該有効領域の幅全体に電圧を印加する場合の電圧値をV、この時印加される平均的な平行電界強度をE、一定の電界印加期間をTとした時、前記有効領域を電界印加方向に対してN個(Nは2以上の整数)に分割して電界が印加可能となるように1以上の分極電極を配置し、各分割領域の幅であるL/Nに対して、平均的な平行電界強度Eを印加するために、V/Nの電圧値をT/N以内の時間だけ一時的に印加し、一時的に電圧を印加する領域を時間順次に切換えることにより、時間平均すると有効領域全体に均等に平行電界強度Eを印加することを特徴とする光学軸偏向装置。
  21. 請求項19記載の光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域を少なくとも第一領域と第二領域に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域と第二領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする光学軸偏向装置。
  22. 請求項19記載の光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域を第一領域〜第N領域のN個(Nは2以上の整数)に分割し、第一領域に電界を生じさせる第一電極間に一時的に電圧を印加して第一領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第一領域の電圧を除去し、その後、直ちに第二領域に電界を生じさせる第二電極間に一時的に電圧を印加して第二領域の液晶層の光学軸を傾斜させ、所望の光学軸傾斜状態となった後で第二領域の電圧を除去し、という動作を第N領域まで行い、前記第一領域の光学軸傾斜状態が初期状態に戻る時間よりも前に、再び第一電極間に一時的に前回と同極性あるいは逆極性の電界を印加することで、第一領域の液晶層の光学軸傾斜状態を保つ、あるいは逆極性の傾斜状態に切換えるという動作を、前記第1領域〜第N領域の間で順次行うことで、ある一定期間内において有効領域全体として光学軸の傾斜状態を略均一に保つことを特徴とする光学軸偏向装置。
  23. 請求項19〜22のいずれか一つに記載の光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域全体の平行電界の方向を反転させるタイミングにおいては、光学軸の方向を反転させるための一時的な電界印加時間を、一方向に光学軸を維持するための一時的な電界印加時間よりも短く設定することを特徴とする光学軸偏向装置。
  24. 請求項19〜23のいずれか一つに記載の光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子の有効領域内に平行電界を印加する分割電極が、基板面上に形成された多数本の透明ライン電極から成り、該透明ライン電極郡の面と液晶層との間に誘電体層が形成され、各透明ライン電極が抵抗体によって電気的に直列に接続され、前記分割領域の幅に対応する位置の二本の透明ライン電極の間に電位差を印加することを特徴とする光学軸偏向装置。
  25. 請求項19〜24のいずれか一つに記載の光学軸偏向装置において、
    前記光学軸偏向素子の或る分割領域内に電界を生じさせるために該当する電極間に電圧を印加している状態において、隣接する分割領域内に不要な電界が生じないように該当する電極間が同電位となるように各電極間での電圧値を制御することを特徴とする光学軸偏向装置。
  26. 電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向装置において、
    請求項10記載の光路偏向素子と、前記電気信号に応じて前記光路偏向素子の各電極に選択的に電圧を印加する電圧印加手段とを備えたことを特徴とする光路偏向装置。
  27. 電気信号に応じて光の光路を偏向する光路偏向装置において、
    請求項19〜25のいずれか一つに記載の光学軸偏向装置からなり、前記光学軸偏向素子への入射光を直線偏光とし、該直線偏光の偏光面を素子内の平行電界の印加方向に対して直交する方向に設定することで、入射光路に対する出射光路の位置を平行にシフトすることを特徴とする光路偏向装置。
  28. 画像情報に従って光を制御可能な複数の画素が二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源及び照明装置と、前記画像表示素子に表示した画像パターンを観察するための光学装置と、画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールドで形成する表示駆動手段と、各画素からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段を有する画像表示装置において、
    前記光路偏向手段として、請求項26または27記載の光路偏向装置を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  29. 請求項28記載の画像表示装置において、
    前記光路偏向装置によるサブフィールド毎の光路の偏向状態に応じて表示位置がずれた状態に対応する画像パターンを前記画像表示素子に表示することで、前記画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示することを特徴とする画像表示装置。
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