JP3947067B2 - 光路シフト素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光の光路を変更する光路シフト素子における光路制御技術に関する。光路シフト素子は表示装置、画像入力装置等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
ホメオトロピック配向させたキラルスメクティックC液晶に横電界を印加することで液晶の傾斜角を変化させ、それに伴う複屈折変化で入射偏向の光路をシフトさせる技術が特願2001−014321に記載されている。
ホメオトロピック配向させたキラルスメクティックC液晶を用いた光路シフト素子では、“電圧印加手段”/ライン電極、透明抵抗体によって横方向(基板に平行な方向)に均一な電界を印加する技術が特願2001−287907、および特願2001−292173に記載されている。
【0003】
この光路シフト素子を表示装置に用いる場合、液晶などの画像表示素子とこの画像表示素子の画像を拡大表示する光学系との間に光路シフト素子を配置する。光路シフト素子が光路を縦横各2方向計4種類の方向に画素の半ピッチシフトさせる場合、1画面の表示内容を縦横方向について1画素おきに抽出した副画像を作製し、シフト素子の光路シフト動作に応じて、これら4枚の副画像を順次画像表示素子に表示させることで、より少ない画素数の表示素子で高精細の表示を行わせることができる。すなわち、表示素子の画素数に、シフトレベル数を乗じた画素数の表示を行わせることができる。
【0004】
図16は光路シフト素子を用いた拡大表示装置の構成例を示す図である。
同図において符号81は照明用の光源、82、83はフライアイレンズアレイ、84はコンデンサレンズ、85は投射レンズ、86はスクリーン、88は液晶パネルの制御回路、89は光路シフト手段、90は光路シフト手段の制御回路、91は偏光ビームスプリッター、92は画像表示素子としての反射型液晶パネルをそれぞれ示す。
【0005】
フライアイレンズアレイ82、83は光源光を均一化するために設けられたインテグレータ光学系を構成している。コンデンサレンズ84は照明光を画像表示素子92に集光、照明するために用いられる。偏光ビームスプリッター91は照明光と画像光を分離するためのものである。
照明光源81から放出された照明光は、インテグレータ照明系により均一化された照明光となり、コンデンサレンズ84により液晶パネル92をほぼ平行光で照明する。この液晶パネル92で空間光変調された照明光は、画像光として光路シフト手段に入射し 光路シフト手段89によって画像光が画素の配列方向に設定されたシフト量だけシフトされる。この光は投射レンズ85で拡大されスクリーン86に投射される。
【0006】
シフト量は画素ピッチの整数分の1であることが好ましい。画素の配列方向に対して2倍の画素数増倍を行う場合は画素ピッチの1/2にし、4倍の画素数増倍を行う場合は画素ピッチの1/4にすることが好ましい。いずれの場合も、シフトレベル数に応じて画像フィールドを時間的に分割した複数のサブフィールドで構成し、各サブフィールドごとに光路偏向素子を作用させ、光路偏向素子の作用状態に応じた表示位置に対応する画像情報を画像表示素子に表示させることで、見かけ上高精細な画像を表示することが出来る。
【0007】
なお、本例では反射型の液晶パネルを用いた構成を例に説明したが、透過型の液晶パネルやマイクロミラーなどの光学素子を二次元的に配列し、該光学素子を動作させることで表示を行う表示素子も用いることができる。
【0008】
図11は光路シフト素子の基本構成を説明するための図である。
同図において、符号1は光路シフト素子、2、3は透明基板、4は配向膜、5はキラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶をそれぞれ示す。
透明基板2、3の少なくとも一方には内面に配向膜4が形成されており、配向膜4と他方の透明基板との間にキラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶5が充填されている。スメクチック液晶は液晶分子の長軸方向が層状に配列してなる液晶分子である。また上記層の法線方向と液晶分子長軸方向が一致している液晶をスメクチックA相、法線方向と一致していない液晶をキラルスメクチックC相とよんでいる。キラルスメクチックC相は外部電界が働かない状態において各層毎に液晶ダイレクタ方向が螺旋的に回転している。またキラルスメクチックC相は不斉炭素を分子構造に有し、これによって自発分極しているため、この自発分極Psと外部電界Eにより定まる方向に液晶分子が再配列することで光学特性が制御される。
【0009】
キラルスメクチックC強誘電液晶5は配向膜4により基板面に垂直に分子螺旋回転の回転軸が向いており、いわゆるホメオトロピック配向をなす。この光路シフト素子には、光偏向方向に対応し、紙面の表裏方向の両側に図示しない電極対が配置される。該電極対は光路シフト素子の液晶回転軸に対して略垂直方向に電界ベクトルが向くように設置される。
【0010】
本光路シフト素子の特徴は、素子の光が透過する部分の層構成がきわめて簡単であり光損失が少ない点と、製造コストが抑制できる点である。さらに複雑な電極をパタニングすることなく、1つの素子であらゆる方向に光偏向させることが可能である点である。
またキラルスメクチックC相はスメクチックA相やネマチック液晶に比較してきわめて高速な応答性を有しており、サブmsでのスイッチングが可能である点が特徴である。特に電界方向に対して液晶ダイレクタ方向が一義的に決定されるため、スメクティックA液晶に比べダイレクタ方向制御が容易であり扱いやすい。
【0011】
図12は図11の液晶配向を模式的に示した図である。電界は紙面の奥行き方向に印加されている。
同図において符号8は液晶ダイレクタを示す。直交座標系を、図示する通りにとったとき、液晶内のXZ断面において、液晶ダイレクタ8は図12に示すとおりに分布する。
【0012】
図13は図12の縦断面を模式的に示した図である。
同図においてθは液晶回転軸からの液晶ダイレクタの傾き角であり、以後単に傾き角と呼ぶ。液晶の自発分極Psが正であり、Y軸正方向(紙面上向き)に電界Eがかかっているものとすると、液晶ダイレクタは液晶回転軸が略基板垂直方向であるためXZ面内にある。液晶分子の長軸方向の屈折率をne、短軸方向の屈折率をnoとすると、入射光として、偏光面をY軸方向にもつ直線偏光を選びX軸正方向に入射光が進むとき、光は液晶内で常光として屈折率noによる屈折を受けるが、入射面に垂直な光束は直進し図中a方向に進む。すなわち光偏向は受けない。
【0013】
一方偏光面がZ軸方向である直線偏光が入射するとき、入射方向の屈折率は液晶ダイレクタ方向およびno、ne両者から求められる。より詳しくはno、neを主軸にもつ屈折率楕円体において楕円体中心を通過する光の方向との関係から求められるが、ここでは詳細は省略する。 入射面に垂直に入射した光はno、neおよびダイレクタ方向θに対応した偏向を受け図中bに示す方向にシフトする。今、液晶の厚み(ギャップ)をdとするときシフト量Sは以下の式であらわされる(例えば、「結晶光学」応用物理学会、光学懇話会編、p198参照)。
S=[(1/no)2-(1/ne)2]sin(2θ・d)/[2((1/ne)2sin2θ+(1/no)2cos2θ)] …式1
【0014】
電界方向を反転させた時、液晶ダイレクタは図13において一点鎖線で示すようにX軸を中心とした線対称の配置を取り、偏光面がZ軸方向である直線偏光の進行方向は図中b’に示す通りとなる。
したがって、この直線偏光に対して、電界方向を制御することでbとb’の2位置すなわちシフト量2Sの光偏向が可能となる。 液晶材料の代表的物性値(no=1.6、ne=1.8)に対して得られる光偏向量について計算すると、液晶ダイレクタの傾き角θ=22.5°のとき、2・S = 5(μm)の偏向量を得るためには液晶の厚みを32μm厚に設定すれば良い。またホメオトロピック配向強誘電液晶1において、約700V/cmの電界に対して0.1msの応答速度が報告されており(Ozaki 他、J.J.Appl.Physics、Vol.30、No.9B、pp2366-2368(1991)参照)、サブmsオーダの十分高速な応答速度が得られる。
【0015】
ところで、液晶などの画像表示素子は行電極と列電極がマトリクス形状を形成するような配線電極構造を有している。
図14は画像表示素子としての液晶の構成例を示す図である。
同図において符号924はマトリクス電極部、922は行ドライバー、923は列ドライバーをそれぞれ示す。行と列の電極の交叉部にはトランジスタ構造を有する能動素子が設けられ、能動素子をスイッチさせることで液晶に電圧を印加する。これに画像を表示する方法には、「一括書き換え方式」と「走査方式」が一般的である。前者は、1画面を同時に書き換えるものであり、後者はたとえば、表示を上部から線順次に書き換えるような方式である。一括方式は、デジタル的に階調を制御する方式で多く採用されており、この場合には光路シフト素子は、画面の書き換えに同期して動作させることで上述のような高精細表示を行わせることができる。後者はアナログ的に階調を表示する方式で用いられており、たとえば数十Hz〜300Hz程度の周波数で1画面を走査しながら書き換えるものである。一括方式では光路シフト素子の動作は一括動作でよく、最も単純な構成で実現可能である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
一括方式はデジタル階調を行う強誘電性液晶を用いた方式で用いられる。しかしながらデジタル階調方式は階調制御のために、画像表示素子への必要なデータ転送速度がきわめて高くなるという問題がある。これは、フレームを更に分割し、高いフレームレートで動作させる必要のある光路シフト方式にとっては不都合であり、転送速度の制約から階調数または表示の画素数が制約されるという問題がある。
【0017】
一方、アナログ階調で走査方式で書き込む場合には、転送速度の制約は少なくなると言う利点があるが、光路シフト素子を同時に動作させると、1つのサブフィールドの画像が異なるシフト位置に分割されて表示されてしまうという問題を生ずる。その主な理由は、画像表示素子が走査方式なのに対して、光路シフト素子が全面一括シフト方式を採用しているからである。もう一つの理由として、キラルスメクチックC相の液晶を用いて光路シフトの応答が高速になったとはいえ、それでも応答遅れは、画像の1フィールドに要する時間から見れば決して小さくない点にある。その状況を図15を用いて簡略化して説明する。
図15は行電極走査位置とシフト量の関係を示す線図である。シフト量を表す線図は台形のようになっているが、その斜辺部はシフト信号の入力変化に対する応答遅れを表している。
【0018】
本来1つの表示位置に表示されるべき画像データであるサブフィールドAが、図のように、光路シフト素子の動作前後で分割されて表示されてしまう。符号を参照して述べれば、画像の行位置がa1からb1までの画像は、時刻t1まではシフト量Sの光路bを通って表示されるが、時刻t1からt2までの時間帯は、行位置がb1からc1までの画像を含めて光路bから光路b’へ光路を順次変化しながら通る。すなわち、所望のシフト量+Sから−Sに向けて画像が部分的に移動することになる。時刻t2からt3までは、行位置がa1からc1までの画像と、その後走査が開始されるd1までの画像が、シフト量−Sの光路b’を通って表示される。さらに、時刻t3からt4までは行位置b1からd1までの部分的な画像が光路b’から光路bへ向けて移動し、最後に時刻t4以降は行位置c1からd1の画像がシフト量Sの光路bを通って表示される。
したがって、サブフィールドAは3つに分割されて、2つのシフト位置に表示される。
【0019】
続くサブフィールドBの行位置a2からb2までも、時刻t3までは同じ光路b’を通って表示されるので、サブフィールドAの一部とサブフィールドBの一部が合成されて同じシフト位置に表示されてしまう。これは、前記画像の部分的移動と共に解像度の低下を引き起こすため大きな問題である。
【0020】
これらとは別に、強誘電性液晶を偏光制御手段として用い、その出射側に結晶軸が傾斜した複屈折媒体を設け、複屈折媒体に入射する偏光の偏光面を、結晶軸の傾斜方向、またはそれに直交する方向に変調することで、光路シフトを行う方法が知られている。この方式では、上述のような走査型の表示素子に対して、光路シフト手段の偏光方向制御パネルの電極を、走査方向に垂直な複数の領域に分割し、表示装置の走査に同期させて選択し電圧を印加する上下電極のペアを変えることで、光路シフト手段を部分的に動作させる方法が、たとえば特開平7−64048公報で提案されている。
しかしながら、垂直配向させた強誘電性液晶の場合には、基板に平行な方向の電界で動作させるという基本的な動作方式の違いのため、このような方法は採用することができない。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、対向する2枚の基板の間に狭持されたホメオトロピック配向したキラルスメクティック液晶を主要構成要素とした液晶層と、該液晶層に前記基板の面に平行な方向に電界を印加するために前記基板面に平行に配列された複数の電圧印加手段とを備えた光路シフト素子において、電圧印加手段の配列の一方の端から他方の端に向けての電位勾配が正の領域と負の領域を形成するように電圧を印加し得る電圧制御手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の光路シフト素子において、前記液晶層に印加される電界の絶対値が閾値電界以上となる値に設定されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の光路シフト素子において、前記正の領域と負の領域の境界の電圧印加手段が選択可能であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の光路シフト素子において、前記選択される電圧印加手段が、一方の端の電圧印加手段から他方の端の電圧印加手段に向けて時系列に順次走査されることを特徴とする。
【0023】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記複数の電圧印加手段がライン状電極列であり、各々の電極の少なくとも一部が前記電圧制御手段によって電圧制御されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記複数の電圧印加手段の各々が複数のライン状電極列よりなる電極群より構成されてなり、該電極群の少なくとも一部が前記電圧制御手段によって電圧制御されることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の発明では、請求項5または6に記載の光路シフト素子において、前記ライン状電極列に並列に設けられた電圧分配手段を備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の光路シフト素子において、前記電圧分配手段は前記ライン状電極間に接続された抵抗素子であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明では請求項5ないし8のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記ライン状電極列は、前記対向する2枚の基板の双方に設けられていることを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明では、請求項9に記載の光路シフト素子において、前記対向する2枚の基板のそれぞれに設けられたライン状電極列は、該電極配列のピッチの2分の1だけ互いにずらして配置されていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項5ないし10のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記ライン状電極列と配向膜の間に誘電体層が設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の光路シフト素子において、前記誘電体層の厚さが10μmないし500μm、好ましくは50μmないし300μmであることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記複数の電圧印加手段が抵抗層とライン状電極列からなり、任意の電極が前記電圧制御手段によって電圧制御されることを特徴とする。
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の光路シフト素子において、前記抵抗層とライン状電極列からなる前記複数の電圧印加手段が、前記対向する2枚の基板の双方に設けられていることを特徴とする。
【0027】
請求項15に記載の発明では、請求項14に記載の光路シフト素子において、前記対向する2枚の基板のそれぞれに設けられたライン状電極列は、該電極配列のピッチの2分の1だけ互いにずらして配置されていることを特徴とする。
請求項16に記載の発明では、請求項13ないし15のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記抵抗層はその抵抗値が10ないし10Ωcmであり、表面抵抗が10Ω/□ないし1011Ω/□程度であることを特徴とする。
【0028】
請求項17に記載の発明では、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記電圧制御手段が、前記両端の電圧印加手段に印加される電位レベルを選択する端部電位レベル選択手段と、両端以外の中間部の少なくとも一つの電圧印加手段に印加される電位レベルを選択する中間部電位選択手段とを有することを特徴とする。
請求項18に記載の発明では、請求項17に記載の光路シフト素子において、前記選択された中間部の電圧印加手段の電極に対して、前記両端の電圧印加手段に向けての電位勾配が互いに逆極性となるよう中間部電位と両側の端部電位をそれぞれ選択することを特徴とする。
【0029】
請求項19に記載の発明では、請求項18に記載の光路シフト素子において、前記選択された中間部の電圧印加手段が順次走査されることを特徴とする。
請求項20に記載の発明では、請求項17または19に記載の光路シフト素子において、前記選択された中間部の電圧印加手段の電位に対して、互いに隣接する電圧印加手段の間の電位差の絶対値がほぼ等しくなるよう、両側の端部電位をそれぞれ選択することを特徴とする。
【0030】
請求項21に記載の発明では、請求項1ないし20のいずれか1つに記載の光路シフト素子を有する画像表示装置を特徴とする。
請求項22に記載の発明では、請求項21に記載の画像表示装置において、画像表示素子として順次走査型の表示素子を用い、前記ライン状電極の数と配列方向を、前記表示素子の走査方向の電極数と配列方向にほぼ一致させたことを特徴とする。
請求項23に記載の発明では、請求項21に記載の画像表示装置において、画像表示素子として順次走査型の表示素子を用い、前記電圧印加手段の数と配列方向を、前記表示素子の走査方向の電極数と配列方向にほぼ一致させたことを特徴とする。
【0031】
請求項24に記載の発明では、請求項22または23に記載の画像表示装置において、前記表示素子の画像表示のための電極走査は、前記光路シフト素子の電圧印加手段の走査に対し、光路シフト動作の応答遅れ時間分だけ遅らせて走査することを特徴とする。
請求項25に記載の発明では、請求項22ないし24のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記表示素子に応答遅れがある場合は、前記表示素子の走査をその送れ時間分だけ早めに走査開始することを特徴とする。
請求項26に記載の発明では、請求項24または25に記載の画像表示装置において、前記光路シフト素子の電圧印加手段の走査に同期して、前記表示素子の画像表示を停止するための電極走査を行うことを特徴とする。
【0032】
【実施の形態】
図1は本発明の光路シフト素子の実施形態を示す図である。
図において符号2、3は互いに対向したガラス等の基板、4は液晶を垂直に配向させるための配向膜、5は液晶層、9はライン状電極列、12は電圧制御手段をそれぞれ示す。基板2、3の間にはキラルスメクチックC相よりなる強誘電液晶なる液晶層5が充填されている。このような一対の基板2、3及び液晶層5を有する構造体に対して、目的とする光偏向方向に対応させて、図1bの正面図に示すようにライン状電極列9による電極が配置され、電圧印加手段を構成している。
【0033】
該電圧印加手段は基板面に平行に配置されている。各電極は電圧制御手段12に接続されており、電圧制御手段12によって電圧が制御される。電極に印加される電圧は、液晶層の任意の一部の領域に印加される電界の方向が、他の領域と異なるよう制御され、これによって前記一部の領域のシフト特性を他の領域と異ならせることができる。また、このときの電界の方向は、基板面に平行となる。このような電界を発生させるためには、隣接する電圧印加手段に電位勾配を設けることで達成することができる。
【0034】
図2は、電圧印加の例の一部を示した線図である。
図において符号A〜Dは電位勾配の線図を表し、符号Enは電圧印加手段としての電極番号を示す。線図Aでは電極E1に電圧Vlowが、電極E8に電圧Vhighが印加されている。以後これらの電圧を単にVl、Vhと表す。ここでVh>Vlとする。中間部の電極には電圧Vlと電圧Vhの中間電位が、電位勾配が連続的でほぼ一定になるよう与えられている。この場合、電位勾配はE1からE8に向けて正の勾配となる。なお、説明を簡略化するため、以後の電圧表示は基準電位0Vからの電位差として表現する。
【0035】
いま、線図Bのように電極E3を電圧Vl、電極E1を電圧Vhに変えたとすると、電極E1から電極E3の領域では負の電位勾配の電界領域に、また、電極E3から電極E8の間の領域では正の電位勾配の電界領域となって、領域によって電位勾配の極性を逆にすることができる。電極E3は正の領域と負の領域の境界、すなわち異なる光路シフトの境界になる。このとき液晶に印加される電界強度が、液晶の動作に十分な強度、すなわち閾値電界以上であれば、図1に示したような2つのシフト特性を、同じ1つの素子内で領域によって制御することができる。さらに、線図C、Dのような電圧の印加の仕方を選ぶことで、正の勾配の領域と負の勾配の領域を任意に選択することができる。本例では、電極が8本の場合を示したが、さらに多くの電極を設けることで、より緻密な電圧制御が可能となる。
【0036】
図では電圧Vhを固定し、選択電極を電圧Vlにしたが、その逆にしても構わない。また、端部電極の電圧を固定にしないで、選択電極に対応して複数の電圧レベルに切り替えることで、電位勾配の絶対値を等しくすることもできる。例えば、電極E3を正の領域と負の領域の境界の電極としたとき、電極E1にはVhとVlの電位差の7分の2、電極E8には前記電位差の7分の5を与え、中間の電極には隣り合う電極の間の電位差が前記電位差の7分の1ずつになるようにそれぞれの電位を与える。このようにすれば、場所によるシフト特性や応答特性を等しくできるので好ましい。ここで用いる電極は透明であることが好ましく、この構成によってより高い光透過率を獲得することができる。
【0037】
電圧制御手段としては、リレーのような機械的動作のものも用いることができるが、FETなどのスイッチング素子を利用し、電子的に構成することが応答速度等から見て好ましい。
図3はスイッチング素子回路の一部を示した図である。
図は5レベルの電位のスイッチングを行うものであり、分圧抵抗によって生成されたV0〜V4の5つの電位レベルが選択できるよう構成されている。このような回路を各電極に配し、これらを制御することで上述のような作動をさせることができる。
電極の幅は加工精度によって制限され、下限は1μm程度であり、上限は100μm程度である。特に5μm〜50μm幅であることが好ましい。ピッチは幅の数倍から数十倍であることが好ましい。
【0038】
【実施例1】
液晶にチッソ社製のCS1029を用い、液晶層厚30μmとし、10μm幅のITO電極11本を100μmピッチで配することで図1の構成と類似の光路シフト素子を作製した。基板はガラスとし、基板表面にはシランカップリング剤による垂直配向処理を施した。
【0039】
光路シフト素子の入射面側に24.5μm幅のライン/スペースのマスクパターンを設け、このマスクパターン側からコリメートした直線偏光で照明した。直線偏光の向きは、電極の長手方向と同一に設定した。素子の温度が25℃の状態で、マスクパターンを透過した光を光偏向素子を通して顕微鏡で観察した。
Vh=200V、Vl=0Vとすることで20V刻みで11種のシフト領域の組み合わせを実現できた。なお、電位勾配の絶対値が正負とも等しくなるよう各電極の電圧を制御した。
また、選択する中間電極を表1のように60Hzで端部から時系列的に順次走査し、電圧を制御した。光路シフトの速さは高速度カメラで撮影したところ、シフト領域が60Hzで順次走査されているのが確認された。
【0040】
Figure 0003947067
【0041】
図4は本発明の他の実施形態について説明するための図である。
同図において符号91、92はライン状電極を示す。その他の符号は図1に準ずる。図では上下基板2、3に実施例1と同様のライン状電極列91、92がそれぞれ設けられている。このようにすることで、より小さな印加電圧で液晶の閾値電界を確保する音ができる。ライン状電極列91、92は上下基板2、3の間で、図のように電極列の配列の略半ピッチずれていることが好ましい。本例でも電圧制御手段12は、選択された電極を中心に左右で逆極性の電位勾配となるよう各電極に電圧が印加される。本例は、図1に示した実施形態に比べてさらに均一な電界が印加できるという特徴がある。
【0042】
図5は、本発明のさらに他の実施形態について説明するための図である。
本実施形態は、電極構造の更に好ましい実施形態を示したものであり、電極と液晶層の間に誘電体層6、7が設けられている。このような構成によれば、更に均一性の高い電界強度分布を得ることができる。誘電体層としては、絶縁性であれば用いることができ、ガラスや、ゾルゲル法等で形成される各種無機膜、樹脂膜などの有機物膜を用いることができる。厚さは10μm〜500μm程度が好ましい。薄すぎる場合には電界の均一性が低下し、厚すぎる場合には液晶の駆動電圧が大きくなると言う不具合が生じる。なかでも、50μmから300μm程度が好ましい。
【0043】
【実施例2】
実施例1で示した構成において、下基板にも同様にして10ラインの電極を設け、図5に示すような素子と類似の素子を構成した。誘電体層には0.2mm厚のガラスを用いた。実施例1と同様にして各電極電圧を表2のように制御した。なお、奇数電極は上基板、偶数電極は下基板を表す。
Vh=200V、Vl=0Vとすることで10V刻みで21種のシフト領域の組み合わせを実現できた。また、選択する中間電極を表2のように60Hzで端部から時系列に順次走査し、電圧を制御した。光路シフトの速さは高速度カメラで撮影したところ、シフト領域が60Hzで順次走査されているのが確認された。シフト量の均一性が実施例1より改善されていた。
【0044】
Figure 0003947067
【0045】
これまでの例では、電圧印加手段を構成する各電極に電圧を印加する手段を設け、各電極に同時に所望の電圧を印加する構成について説明したが、以下に簡略化された電圧の制御方法を説明する。
図6は、さらに他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号11は各電極間に設けられた電圧分配手段であり、具体的には抵抗素子で構成されている。抵抗素子相互は直列に接続されている。
図7は電圧制御手段の好ましい構成例を5ラインの電極構成を用いて説明する図である。
同図において符号Enは電圧印加手段である各ライン状電極を示し、R1〜R4は電圧分配手段である抵抗で、ライン状電極列と並列に配置されている。
電圧制御手段には、両端の電圧印加手段に印加される電位レベルを選択する端部電位選択手段と、両端以外の中間部の少なくとも一つの電圧印加手段に印加される電位レベルを選択する中間部電位選択手段とを設ける。TR00〜TR04は端部電極E1に印加される電位レベル(本例では5レベル)を選択するFET、TR40〜TR44は端部電極E5に印加される電位レベルを選択するFET、TR10および14、TR20および24、TR30および34、はそれぞれ中間部電極E2〜E4に印加される電位レベル(本例では2レベル)を選択するFETである。
【0046】
中間部電極は少なくとも1本が選択されるが、いまこれがE3であり、印加電位がV0であるとする。このとき、E1、E5としてV2を選択し、E2およびE4に対するFETをoffとした場合を考える。E1とE3の間には抵抗R1、R2が存在するためE2にはE3とE1の中間電位が印加されることになる。同様にして、E4はE3とE5の中間の電位となる。このような構成によって、中間電極に多くの電位選択のためのFETを設けなくとも、抵抗を設けるという簡単な構成で中間電位を作れることになる。
【0047】
さらに、選択される電極の電位は、最低限で最高電位と最低電位の2種で済むため、用いるFETが少なくて済むという利点がある。両端の電位は、選択電極の電位によって、選択電極の両側の電位勾配が逆となるよう選択すればよい。説明では電極E3が選択された場合について説明したが、他の中間電極を選択することで、光路シフト素子の作用領域を任意に選択することができる。中間電極の選択は、一方の端部電極から他方の端部電極に向けて時系列的に順次走査するのがよい。これは、表示素子として走査方式のものを用い縷々ことと密接な関係がある。画像表示装置としての構成及び作用は後述する。
選択電極を高電位に端部電極を低電位にすることで、電位勾配を上述の説明と逆にすることもできる。選択電極を常に低電位側、もしくは常に高電位側に限定することで、中間電極用のFETをさらに減らすこともできる。
【0048】
図7のような回路構成を、一つの光路シフト素子内に複数設け、回路によって定まる領域ごとに動作させることもできる。なお、図7において、電極の構成は、図4や図5のように構成することもでき、この場合には上の実施例と同様、さらに高い電界強度分布の均一性が得られる。
【0049】
【実施例3】
実施例2に示した構成において、各電極間に10KΩの抵抗を設けた。電圧制御手段としては、図7に示すような回路を作製した。電位レベル数は0V〜200Vを10V刻みで21レベルとし、中間の選択電極と両端の電極のみに下表のような電圧を印加した。Vh=200V、Vl=0Vとすることで21種のシフト領域の組み合わせを実現できた。また、選択する中間電極を表3のように60Hzで端部から順次選択し、電圧を制御した。なお、非選択の中間電極はFETにより高抵抗状態とした。光路シフトの速さは高速度カメラで撮影したところ、シフト領域が60Hzで順次走査されているのが確認された。また使用する半導体の数を大幅に低減することができた。また、選択電位を逆にすることで、表4のように逆向きの電位勾配を形成することができた。なお、表中「−」はFETが高抵抗状態を表す。
【0050】
Figure 0003947067
【0051】
Figure 0003947067
【0052】
図8は、本発明の更に他の実施形態を説明するための図である。
同図において符号19は電圧印加手段としてのライン状電極列を示す。
ライン状電極列19は、端部電極制御用のスイッチング回路に接続された端部電極191、199、中間電極スイッチング回路に接続された中間接続電極(たとえば194)、および端部電極と中間接続電極の間、または中間接続電極間に設けられた中間電極(たとえば192、193)から構成される。これら中間電極は直接的な電圧供給手段を持たない。なお、電源の電圧分配手段はV0からV4まで等間隔の電位差を与えるものとする。
【0053】
各電極間には図のように電位分配手段である抵抗が配置されている。いま、電極194にV4の電位が印加されるようにスイッチを動作させ、電極191、195、196、199にはそれぞれV3、V3、V2、V1なる電位が印加されるようにスイッチを動作させた場合、接続電極間の電極には抵抗によって中間電位が印加されることになる。すなわち、本構成のように電極をグループ化して電極群とし、中間接続電極のいずれか1つと両端の電極のみを制御回路に接続し、かつ電極間に抵抗を設けた構成とすることで、より小さい回路規模で本発明による光路シフト素子の制御を行うことができる。
なお、この構成の場合、上記電圧印加例では、電極194にV4の電位が印加されているので、電極195、196にもスイッチ回路を介して電位を印加しているが、これらの電極には積極的に電位をかけなくても、抵抗素子にかかる分圧により、電極195にはV3、電極196にはV2の電位がかかる。
【0054】
【実施例4】
実施例3に示した構成において、下電極を11ラインとし、合計22本の電極を図8のように、中間の2本の電極は回路に直接接続せず、抵抗を介して他の二本に接続するようにして、スイッチング回路に接続された2本の電極を含む4本を単位とした電極群による接続を行った。ただし、中間接続電極は隣り合う2つの電極群に共有される。これにより、電極は7つのユニットに分割され、両端電極2本と中間接続電極6本を制御した。制御手段の電位レベルは8レベルとし、これらを図8のようにFETを介して電極に接続した。Vh=210V、V1=0Vとすることで30V刻みの8種のシフト領域の組み合わせを実現できた。また、選択する中間接続電極を表5のように60Hzで端部から順次走査し、電圧を制御した。なお、非選択の中間電極はFETにより高抵抗状態とした。光路シフトの速さは高速度カメラで撮影したところ、シフト領域が60Hzで順次走査されているのが確認された。また、実施例3と同様に選択電位を逆にすることで逆向きの電位勾配を形成することができた。この構成により、使用する半導体の数をさらに大幅に低減することができた。
【0055】
Figure 0003947067
【0056】
図9は、本発明の光路シフト素子のさらに他の実施形態を説明する概略図である。
同図において符号13は面状抵抗体を示す。
本例では電圧印加手段は、面状の抵抗体13によって形成されており、これによって均一な横電界を得ている。基板上にはさらに、面状抵抗体13に電圧を印加するための電極が複数設けられている。この構成では、ライン状電極よりさらに均一な電界強度が得られるという利点がある。さらに、それ自身が抵抗体であるので、電圧分配手段が不要となるという利点もある。通常、抵抗体と電極列は片側の基板のみに設けてもちろん構わないが、両側の基板に設ければ、より小さい印加電圧で、液晶に対する閾値電界を得ることができる。
このような構造を有する素子を動作させるには、実施例1、4と同様の電圧制御手段を各電極に接続して設ければよい。
【0057】
ここで用いる抵抗体としては、厚さが0.1μmから100μm程度であり、抵抗値としては10〜10Ωcm程度のものが好ましい。特に、表面抵抗が10Ω/□ないし1011Ω/□程度でのものが好ましい。
抵抗値が低すぎると電極の列から液晶内に漏洩する電界が少なすぎて、所望の傾き角が得られない。逆に抵抗値が高すぎると、周囲の電界の影響を受けやすくなって、いわゆるノイズが乗りやすくなる。
【0058】
【実施例5】
実施例3に示した構成において、電極間のピッチを200μm(合計6本)とし、電極付き基板の上にSnOの微粒子を分散した光硬化性のアクリル系架橋樹脂被膜を設けた。膜厚は1μmで、抵抗値は10Ωcmとした。更にその上に配向膜を形成した。この基板を用いて、実施例3と同様に素子を作製した。
この素子では5種のシフト領域の組み合わせを実現できた。また、選択する中間電極を表6のように60Hzで端部から順次選択し、電圧を制御した。なお、非選択の中間電極はFETにより高抵抗状態とした。光路シフトの速さは高速度カメラで撮影したところ、シフト領域が60Hzで順次走査されているのが確認された。また、実施例3と同様に選択電位を逆にすることで逆向きの電位勾配を形成することができた。
【0059】
Figure 0003947067
【0060】
本発明による光路シフト素子は、特に走査型の画像表示素子と組み合わせて表示素子としたときに特に利用価値が高い。本素子を表示装置に用いるには図16に一例として示すような光学系の画像表示素子と拡大レンズの間に本素子を配置すれば良い。このとき、画像表示装置の走査方向と、本発明による光路シフト素子の走査方向を一致させた上で、同じフレーム周波数で画像更新および光路シフトの動作を行えばよい。画像のサブフィールドの更新の直前に光路シフトを行うことによって、サブフィールドが分割されて異なるシフト位置に表示されてしまうということがなくなる。
【0061】
図16は単板でしかも反射型の画像表示素子を用いたプロジェクション光学系を例に示したが、これまでの説明における行電極走査方式と同様な走査方式であれば、多板式であったり、透過型の画像表示装置を採用できることはもちろんである。また、光学系構成も図に限定されるものではない。
また、光源に発光ダイオードなどを用い、画像を直接肉眼で拡大観察するいわゆるヘッドマウントディスプレイのような用途にも好ましく用いられる。
【0062】
図10は本発明を実施する際の、液晶表示素子の行電極走査と光路シフト素子の電圧印加手段の走査との関係を示した図である。
光路シフト素子は前述のように電界が与えられてから液晶の再配列が完了するまでの時間遅れが存在する。サブフレームとして許される時間から、光路シフト素子の応答遅れの時間tsを差し引いた時間をtmとする。画像のサブフィールド走査開始から時間tm経過した時点で光路シフト素子の走査を開始する。応答遅れの時間ts後にシフト動作が完了した時点で次のサブフレームが開始される。シフト動作の過渡期においても画像を表示し続けた場合、サブフィールドが切り替わる直前に、異なるシフト位置に画像が一方から順に移動する現象が発生する。これは少しではあるが画像の解像力の低下につながる。
【0063】
この問題を避けるためには、光路シフト素子の作動中は画像表示を停止し、いわゆるブラックアウトにするのがよい。すなわち、光路シフト素子の走査に同期して、表示素子も表示停止の走査をする。こうすることによって、隣接するフィールドが互いに完全に分離されて、異なるシフト位置に表示されるようになる。なお、画像表示素子にも応答遅れがある場合は、画像表示素子の走査をその送れ時間分だけ早めに走査開始するのがよい。
【0064】
【実施例6】
画素数が1024×768画素、応答速度が1msecであるである反射型のツイステッドネマティック型の液晶表示素子を用いて図16の投射装置を構成した。表示素子の走査方向は短辺方向である。また、表示素子のサイズは対角0.7インチとした。光路シフト素子としては実施例4で用いた構造のものを、大型化したもの(対角1.5インチ)を用い、電極の長手方向は表示素子の走査方向と直交する方向とした。
【0065】
表示素子の画像更新は1msecでの走査とし、それに引き続く0.5msecのサブフィールド期間中に光路シフト素子を走査させた。画像書き込みと光路シフトの走査を1サブフレームとし、2つのサブフレームに2048×768画素の画像情報の信号線の奇数および偶数の画像データを表示させた。このような構成によって、1024×768画素の表示素子でありながら、2048×768の表示を行わせることができ、また、クロストークもほとんど観察されなかった。
【0066】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、1つの光路シフト素子の中で、2通りの異なる電界領域を設けることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の光路シフト素子において、前記2通りの電界領域において、異なる光路シフトが行われる。
【0067】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の光路シフト素子において、前記異なる光路シフトの境界を変化させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の光路シフト素子において、前記異なる光路シフトの境界が、一方の端から順次走査される。
【0068】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、好適な実施方法が提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、一部電極を直接的な電圧供給手段を持たない電極構成とすることで、電圧制御手段の回路構成を低減できる。
【0069】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5または6に記載の光路シフト素子において、中間電極に対し中間電位を与えるための回路構成を設けなくて済むので電圧制御手段の回路規模をより低減できる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の光路シフト素子において、電圧分配手段が非常に小さな回路規模で構成できる。
【0070】
請求項9に記載の発明によれば、請求項5ないし8のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、より小さな電位で所望の閾値電界を得ることができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の光路シフト素子において、電位勾配をより滑らかにすることができ、より均一な電界強度を得ることができる。
【0071】
請求項11に記載の発明によれば、請求項5ないし8のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、適正な駆動電圧の範囲でより均一な電界を得ることができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の光路シフト素子において、実用的な光路シフト素子の構成を提供することができる。
【0072】
請求項13に記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、電圧分配手段が光路シフト素子の中に組み込まれているので、外部回路がより簡略化できる。
請求項14に記載の発明によれば、請求項13に記載の光路シフト素子において、より小さな電位で所望の閾値電界を得ることができる。
【0073】
請求項15に記載の発明によれば、請求項14に記載の光路シフト素子において、電位勾配をより滑らかにすることができ、より均一な電界強度を得ることができる。
請求項16に記載の発明によれば、請求項13ないし15のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、好適に実施できる構成を提供することができる。
【0074】
請求項17に記載の発明によれば、請求項1ないし15のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、好適に実施できる構成を提供することができる。
請求項18に記載の発明によれば、請求項17に記載の光路シフト素子において、任意の絶対値の電界強度を与えることができる。
【0075】
請求項19に記載の発明によれば、請求項18に記載の光路シフト素子において、異なる光路シフトの境界が走査できる。
請求項20に記載の発明によれば、請求項17ないし19のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、液晶全体に絶対値が等しい均一な電界強度を与えることができ、光路シフトの量の絶対値がほぼ一定になる。
【0076】
請求項21に記載の発明によれば、請求項1ないし20のいずれか1つに記載の光路シフト素子の特徴を生かした画像表示装置を得ることができる。
請求項22または23に記載の発明によれば、請求項21に記載の画像表示装置において、画像表示素子と光路シフト素子の好適な組み合わせの構成を提供できる。
【0077】
請求項24に記載の発明によれば、請求項22または23に記載の画像表示装置において、サブフィールドの分割が発生しない画像表示装置を得ることができる。
請求項25に記載の発明によれば、請求項22ないし24のいずれか1つに記載の画像表示装置において、画像表示素子と光路シフト素子が実質的に同期する。
請求項26に記載の発明によれば、請求項24または25に記載の画像表示装置において、光路シフトの際の不要な画像移動がなく、分解能の高い画像表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光路シフト素子の実施形態を示す図である。
【図2】電圧印加の例の一部を示した線図である。
【図3】スイッチング素子回路の一部を示した図である。
【図4】本発明の他の実施形態について説明するための図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態について説明するための図である
【図6】さらに他の実施形態を説明するための図である。
【図7】電圧制御手段の好ましい構成例を5ラインの電極構成を用いて説明する図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態を説明するための図である。
【図9】本発明の光路シフト素子のさらに他の実施形態を説明する概略図である。
【図10】本発明を実施する際の、液晶表示素子の行電極走査と光路シフト素子の電圧印加手段の走査との関係を示した図である。
【図11】光路シフト素子を用いた拡大表示装置の構成例を示す図である。
【図12】図11の液晶配列を 模式的に示した図である。
【図13】図12の縦断面を模式的に示した図である。
【図14】画像表示素子としての液晶の構成例を示す図である。
【図15】行電極走査位置とシフト量の関係を示す線図である。
【図16】光路シフト素子を用いた拡大表示装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 光路シフト素子
2 透明基板
3 透明基板
4 配向膜
5 強誘電液晶
6 誘電体層
7 誘電体層
8 液晶ダイレクタ
9、19 ライン状電極列
10 スペーサ
11 電圧分配手段
12 電圧制御手段

Claims (26)

  1. 対向する2枚の基板の間に狭持されたホメオトロピック配向したキラルスメクティック液晶を主要構成要素とした液晶層と、該液晶層に前記基板の面に平行な方向に電界を印加するために前記基板面に平行に配列された複数の電圧印加手段とを備えた光路シフト素子において、電圧印加手段の配列の一方の端から他方の端に向けての電位勾配が正の領域と負の領域とを形成するように電圧を印加し得る電圧制御手段を備えたことを特徴とする光路シフト素子。
  2. 請求項1に記載の光路シフト素子において、前記液晶層に印加される電界の絶対値が閾値電界以上となる値に設定されることを特徴とする光路シフト素子。
  3. 請求項1または2に記載の光路シフト素子において、前記正の領域と負の領域の境界の電圧印加手段が選択可能であることを特徴とする光路シフト素子。
  4. 請求項3に記載の光路シフト素子において、前記選択される電圧印加手段が、一方の端の電圧印加手段から他方の端の電圧印加手段に向けて時系列に順次走査されることを特徴とする光路シフト素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記複数の電圧印加手段がライン状電極列であり、各々の電極の少なくとも一部が前記電圧制御手段によって電圧制御されることを特徴とする光路シフト素子。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記複数の電圧印加手段の各々が複数のライン状電極列よりなる電極群より構成されてなり、該電極群の少なくとも一部が前記電圧制御手段によって電圧制御されることを特徴とする光路シフト素子。
  7. 請求項5または6に記載の光路シフト素子において、前記ライン状電極列に並列に設けられた電圧分配手段を備えたことを特徴とする光路シフト素子。
  8. 請求項7に記載の光路シフト素子において、前記電圧分配手段は前記ライン状電極間に接続された抵抗素子であることを特徴とする光路シフト素子。
  9. 請求項5ないし8のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記ライン状電極列は、前記対向する2枚の基板の双方に設けられていることを特徴とする光路シフト素子。
  10. 請求項9に記載の光路シフト素子において、前記対向する2枚の基板のそれぞれに設けられたライン状電極列は、該電極配列のピッチの2分の1だけ互いにずらして配置されていることを特徴とする光路シフト素子。
  11. 請求項5ないし10のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記ライン状電極列と配向膜の間に誘電体層が設けられていることを特徴とする光路シフト素子。
  12. 請求項11に記載の光路シフト素子において、前記誘電体層の厚さが10μmないし500μm、好ましくは50μmないし300μmであることを特徴とする光路シフト素子。
  13. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記複数の電圧印加手段が抵抗層とライン状電極列からなり、任意の電極が前記電圧制御手段によって電圧制御されることを特徴とする光路シフト素子。
  14. 請求項13に記載の光路シフト素子において、前記抵抗層とライン状電極列からなる前記複数の電圧印加手段が、前記対向する2枚の基板の双方に設けられていることを特徴とする光路シフト素子。
  15. 請求項14に記載の光路シフト素子において、前記前記対向する2枚の基板のそれぞれに設けられたライン状電極列は、該電極配列のピッチの2分の1だけ互いにずらして配置されていることを特徴とする光路シフト素子。
  16. 請求項13ないし15のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記抵抗層はその抵抗値が10ないし10Ωcmであり、表面抵抗が10Ω/□ないし1011Ω/□程度であることを特徴とする光路シフト素子。
  17. 請求項1ないし15のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、前記電圧制御手段が、前記両端の電圧印加手段に印加される電位レベルを選択する端部電位選択手段と、両端以外の中間部の少なくとも一つの電圧印加手段に印加される電位レベルを選択する中間部電位選択手段とを有することを特徴とする光路シフト素子。
  18. 請求項17に記載の光路シフト素子において、前記選択された中間部の電圧印加手段の電極に対して、前記両端の電圧印加手段に向けての電位勾配が互いに逆極性となるよう中間部電位と両側の端部電位をそれぞれ選択することを特徴とする光路シフト素子。
  19. 請求項18に記載の光路シフト素子において、前記選択された中間部の電圧印加手段が順次走査されることを特徴とする光路シフト素子。
  20. 請求項17ないし19のいずれか1つに記載の光路シフト素子において、互いに隣接する電圧印加手段の間の電位差の絶対値がほぼ等しくなるよう、前記選択された中間部の電圧印加手段の電位に対して、両側の端部電位をそれぞれ選択することを特徴とする光路シフト素子。
  21. 請求項1ないし20のいずれか1つに記載の光路シフト素子を有することを特徴とする画像表示装置。
  22. 請求項21に記載の画像表示装置において、画像表示素子として順次走査型の表示素子を用い、前記ライン状電極の数と配列方向を、前記表示素子の走査方向の電極数と配列方向にほぼ一致させたことを特徴とする画像表示装置。
  23. 請求項21に記載の画像表示装置において、画像表示素子として順次走査型の表示素子を用い、前記電圧印加手段の数と配列方向を、前記表示素子の走査方向の電極数と配列方向にほぼ一致させたことを特徴とする画像表示装置。
  24. 請求項22または23に記載の画像表示装置において、前記表示素子の画像表示のための電極走査は、前記光路シフト素子の電圧印加手段の走査に対し、光路シフト動作の応答遅れ時間分だけ遅らせて走査することを特徴とする画像表示装置。
  25. 請求項22ないし24のいずれか1つに記載の画像表示装置において、前記表示素子に応答遅れがある場合は、前記表示素子の走査をその送れ時間分だけ早めに走査開始することを特徴とする画像表示装置。
  26. 請求項24または25に記載の画像表示装置において、前記光路シフト素子の電圧印加手段の走査に同期して、前記表示素子の画像表示を停止するための電極走査を行うことを特徴とする画像表示装置。
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