JP3973524B2 - 画像シフト素子および画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッド・マウント・ディスプレイ(以下、「HMD」と称する。)や投影型画像表示装置(プロジェクタ)などに好適に用いられる画像シフト素子、および当該画像シフト素子を備えた画像表示装置に関している。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、一対の基板と、これらの基板間に挟まれた液晶層とを備えている。基板は、行および列(マトリクス)状に規則的に配列された複数の画素電極を有しており、画像信号に対応した駆動電圧が画素電極のそれぞれに印加される。この電圧印加によって液晶層の光学特性(光の透過率や反射率)が画素ごとに変化するため、画像や文字などを表示することができる。
【0003】
基板上の各画素電極に独立した駆動電圧を印加する方式には、「単純マトリクス方式」と「アクティブマトリクス方式」とがある。
【0004】
アクティブマトリクス方式の場合、各画素電極に対応するスイッチング素子が基板上に配列される。このようなスイッチング素子が配列された基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。アクティブマトリクス基板上のスイッチング素子は、対応する画素電極と信号配線との間で電気的な導通/非導通状態を切り替える働きをする。このようなスイッチング素子には、金属−絶縁体−金属(MIM)素子や薄膜トランジスタ(TFT)などが好適に用いられている。
【0005】
スイッチング素子は、非導通状態のとき、可能な限り高い電気抵抗を示すことが要求される。しかし、非導通状態にあるスイッチング素子に対して強い光が入射すると、スイッチング素子の電気抵抗が低下し、リーク電流が発生するため、画素電極に蓄えられていた電荷が放電されてしまうという問題が生じる。また、画素電極に適切なレベルの駆動電圧が印加されず、本来の表示動作が実行されなくなり、黒状態でも光が漏れてコントラスト比が低下するという問題も生じる。
【0006】
液晶表示素子が透過型の場合は、上記問題を解決するため、アクティブマトリクス基板上、または、アクティブマトリクス基板とは液晶層を挟んで対向する対向基板に、ブラックマトリクスと呼ばれる遮光層が配置される。このブラックマトリクスの存在は、画素開口部の面積割合(開口率)を小さくしてしまう。ブラックマトリクスの占有面積を縮小して高精細化を達成するには、スイッチング素子や配線を微細化すればよいが、スイッチング素子や配線を微細化すると、駆動力の低下や配線抵抗の増加を招くことになる。また、製造技術上の制約からも、スイッチング素子や配線を微細化するのは難しい。
【0007】
ブラックマトリクス上の非表示領域を利用して高精細化をはかる目的で、表示画像を画素ピッチ程度だけ光学的に移動させる技術が特許文献1に開示されている。この技術によれば、画素の移動に同期させ、移動した画素位置に対応する映像を表示される。その結果、見かけ上の画素数が増えるため、解像度の低い表示素子を用いても、高精細の表示パネルを用いた場合と同様の表示が可能となる。
【0008】
特許文献2は、赤、緑、青(以下、「RGB」と称する。)の各画素をシフト素子によって光学的に順次シフトさせ、シフトした画素を重ね合わせて表示する方法を開示している。この方法では、1つの画素に対応する領域において、RGBの各画素が時分割で表示される。その結果、表示パネル上の画素ピッチを縮小せずに、見かけの解像度を3倍に向上させることができる。
【0009】
上記米国特許第6,061,103には、画像を光学的にシフトさせる手段として、液晶素子と複屈折素子とを組み合わせた画像シフト素子が開示されている。複屈折素子は、入射する光の偏光方向によって光の屈折方向が変わる材料から形成されたものである。複屈折素子に入射する光の偏光方向を液晶素子によって変えれば、複屈折素子から出る光の光軸をシフトさせることができる。
【0010】
図1は、公知の画像シフト素子を示している。この画像シフト素子は、光線の伝搬方向に沿って直列的に配列された液晶素子7および複屈折素子11を備えている。液晶素子7は、入射してきた直線偏光の電場ベクトル振動面(以下、「偏光面」と称する。)を90°回転させた状態と、回転させずにそのまま透過する状態との間で偏光状態をスイッチングする。複屈折素子11は、入射してきた直線偏光の偏光面の向きに応じて光線をシフトさせることができる。
【0011】
図1に示されている例では、液晶素子7に入射する光の電場ベクトル方向(偏光方向)は紙面に垂直である。液晶素子7は屈折率異方性Δεが正のTNモードの液晶(TN液晶)を用いているため、液晶素子7の液晶層に電圧が印加されていない時(電圧OFF状態の時)、液晶分子は90°ねじれた状態にあり、その旋光性によって入射光の偏光面は90°回転する。一方、液晶素子7の液晶層に所定レベル以上の電圧が印加されている時(電圧ON状態の時)、液晶分子の向きは電界の向きに整合した状態にあるため、入射光の偏光面は紙面に垂直なまま出射されることになる。そして、図示されている複屈折素子11は、偏光面が紙面に垂直な光はそのまま透過させるが、紙面に平行な光はシフトさせることができる。
【0012】
図1に示すような画像シフト素子内の液晶素子7は、印加される電圧の大きさに応じて、第1の直線偏光を出射する状態と、これに垂直な偏光面を有する第2の直線偏光を出射する状態との間で状態を適切かつ迅速に切り替えることが求められる。
【0013】
前述したように、上記のTN液晶を用いた液晶素子の場合、電圧をTN液晶に印加しないとき、液晶素子に入射した直線偏光は偏光面が90°回転した直線偏光として出射されるが、TN液晶に電圧を印加すると、液晶分子の向きは電界によって速やかに変化し、入射光の偏光を変化させない状態に遷移する。一方、TN液晶に対する電圧の印加を停止すると、液晶分子は、もとの状態に遷移(緩和)するが、その速度は遅い。
【0014】
このように、液晶層に印加する電圧をLow(典型的には0ボルト)からHigh(例えば10ボルト)へと変化させる場合と、印加電圧をHighからLowへと変化させる場合との間では、液晶分子の向きが変化する速度が異なっている。この応答速度を評価するには、液晶層の前後に一対の直交配置した偏光子を配置し、光の透過率の時間的変化を測定すればよい。図2は、印加電圧をLowからHighへと変化させた後、所定時間経過後に印加電圧をHighからLowへと変化させた場合の透過率(transmittance)の変化を示している。ここで、透過率が最大値からゼロまで下降する時間を「液晶の立ち上がり応答時間τr」と称し、透過率がゼロから最大値まで上昇する時間を「液晶の立ち下がり応答時間τd」と称することとする。液晶の立ち上がり応答時間τrは比較的短いが、液晶の立ち下がり応答時間τdは、比較的長い。液晶の立ち下がり応答時間τdが長いと、画像表示素子が表示する画像の切り替えのタイミングに同期させて画像をシフトさせることができなくなる。この問題を説明する前に、まず、像表示装置における画像の切り替え速度について説明する。
【0015】
通常、画像表示素子の駆動方法には、インターレース駆動とノンインターレス駆動のどちらかが一般的に用いられる。インターレース駆動は、フィールド毎に奇数行のみと偶数行のみをそれぞれ選択し、奇数と偶数のフィールドで1つの画像を完成させる表示方法で、各フィールドの選択時間は、通常16.6ミリ秒(60Hz)である。一方、ノンインターレス駆動は、表示素子の奇数行と偶数行に関係なく、順次選択する表示方法であり、各フィールドの選択時間は、インターレース駆動と同様に通常16.6ミリ秒(60Hz)である。ここで、フィールドとは、インターレース駆動、ノンインターレス駆動を問わず、画像の垂直同期間の期間を呼ぶ。液晶表示素子では、ブランキングタイムを含めたスキャン期間がフィールド期間に相当する。
【0016】
上記の特許文献2に記載されている方法では、R、G、Bのシフト位置に応じて1フィールド期間を分割し、分割され期間(以下、「サブフィールド期間」と称する。)毎に異なる画像(「サブフィールド画像」)を画像表示素子に表示させることなる。この場合のサブフィールド期間は5ミリ秒程度となるため、画像シフト素子は、5ミリ秒程度の短い時間間隔で画像をシフトさせる必要がある。更に、画像シフト素子による画像のシフトは、サブフィールドの切り替えとタイミングを同期させる必要があるため、サブフィールドの切り替えと同時に液晶素子に印加される電圧に応答して高速に状態を遷移させることが求められる。
【0017】
【特許文献1】
米国特許第4,984,091号明細書
【特許文献2】
米国特許第6,061,103号明細書
【特許文献3】
特開平1−191123号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際の液晶素子の場合、電圧の印加に応答して高速に状態を遷移させることが難しい。例えばTNモードの液晶の場合、図2に示すように、液晶の立ち上がりの応答時間τrは比較的短いが、液晶の立ち下がりの応答時間τdは、通常十数ミリ秒程度であり、サブフィールドの選択期間よりも長い。
【0019】
このように応答時間に差が生じる理由は、図2における曲線の立ち下がりが、電圧を液晶に印加して液晶分子の向きを強制的に1方向に配向させることによって行うのに対し、曲線の立ち下がりは、液晶への電圧印加を停止して液晶分子の配向をもとの状態に自然に緩和させることによって行うためである。
【0020】
このように液晶の立ち下がり応答時間τdの長い液晶を用いたのでは、偏光の切り替えが適切に行えないという問題がある。図1を参照しながら、この問題を説明する。図1に示すように、液晶セル7への電圧印加を「ON」状態から「OFF」状態に変化させると、液晶素子7から出射した光の偏光面が90°回転し、その結果、複屈折素子11から出射する光の光軸は、位置Bから位置Aにシフトする。このとき、液晶の立ち下がり応答時間τdが長すぎると、液晶の立ち下がりの過渡的段階で直線偏光が楕円偏光化し、位置Aおよび位置Bの両方に同じ映像が2重に表示されてしまうため、解像度が低下することになる。
【0021】
また、液晶の立ち下がり応答時間τdと液晶の立ち上がり応答時間τrとの間に大きな差が存在すると、画像を位置Aから位置Bにシフトさせる場合と、その逆の場合とで、2重像の発生レベルに差異が生じ、こからフリッカとして視認されることになる。
【0022】
なお、特許文献3には、右旋光および左旋光のTNモード液晶を組み合わせた光シャッタが開示されている。この光シャッタは、比較的速い立ち上がり速度で動作するが、画像シフト素子に用いることはできない。なぜならば、画像シフト素子は、画像の切り替えに同期して画像を順次シフトさせる必要があるが、上記光シャッタは、動作途中に光路を機械的に遮断するため、画像の表示がサブフィールド期間の途中で中断されるからである。
【0023】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電圧印加が「ON」状態から「OFF」状態に遷移させる際の液晶の応答遅れに起因する2重像の発生を抑制した画像シフト素子、および、当該画像シフト素子を用いた画像表示装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像シフト素子は、光軸の位置を周期的にシフトさせる画像シフト部を少なくとも1つ備えた画像シフト素子であって、前記画像シフト部は、第1の印加電圧のHigh/Lowに応じて、光の偏光方向を、直交する2つの方向の間で切り替える第1の液晶セルと、第2の印加電圧のHigh/Lowに応じて、光の偏光方向を、直交する2つの方向の間で切り替える第2の液晶セルと、光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折素子とを備え、前記第1の液晶セル、第2の液晶セル、および、複屈折素子は、この順序で光を透過するように配置され、前記第1および第2の液晶セルに含まれる液晶層の中間部のダイレクタ(配向ベクトル)が相互に直交するように前記第1および第2の液晶セルが配置されている。
【0025】
好ましい実施形態において、前記第1の液晶セルに含まれる液晶層および前記第2の液晶セルに含まれる液晶層は、それぞれ、旋光方向が反対の関係にあるTNモード液晶から形成されている。
【0026】
好ましい実施形態において、前記第1の液晶セルに含まれる液晶層および前記第2の液晶セルに含まれる液晶層は、それぞれ、ECBモード液晶から形成されている。
【0027】
好ましい実施形態において、前記画像シフト部の個数は複数である。
【0028】
本発明による画像シフト素子モジュールは、上記いずれかの画像シフト素子と、前記画像シフト素子の第1の液晶セルに前記第1の電圧を供給し、前記第2の液晶セルに前記第2の電圧を供給する駆動回路とを備えている。
【0029】
好ましい実施形態において、前記駆動回路は、シフトすべき画像の切り替えタイミングに同期させて、前記第1および第2の印加電圧の一方のみをLow状態からHigh状態に変化させる。
【0030】
好ましい実施形態において、前記駆動回路は、シフトすべき画像の切り替えタイミングに同期させて前記第1および第2の印加電圧をともにHigh状態にした後、前記画像が表示されている間に前記第1および第2の印加電圧をともにLow状態に変化させる。
【0031】
本発明による画像表示装置は、画像を表示する画像表示部と、上記いずれかの画像シフト素子とを備えた画像表示装置であって、前記画像シフト素子を用いることにより、前記画像表示部から出た光を前記画像表示部の表示に同期させながらシフトさせる。
【0032】
好ましい実施形態において、前記画像シフト素子の第1の液晶セルに前記第1の電圧を供給し、前記第2の液晶セルに前記第2の電圧を供給する駆動回路を更に備えている。
【0033】
好ましい実施形態において、前記駆動回路は、前記第1および第2の印加電圧の一方のみをLow状態からHigh状態に変化させる。
【0034】
好ましい実施形態において、前記駆動回路は、前記第1および第2の印加電圧をともにHigh状態にした後、前記画像表示部に表示される画像が切り替わる前に、前記第1および第2の印加電圧をともにLow状態に変化させる。
【0035】
好ましい実施形態において、前記画像表示部から出て前記画像シフト素子に入射する光は直線偏光である。
【0036】
好ましい実施形態において、前記画像のシフトより、前記画像を構成する画素が時分割で重畳される。
【0037】
本発明による画像表示装置は、光源と、各々が光を変調することができる複数の画素領域を有する画像表示パネルと、前記光源からの光を波長域に応じて前記複数の画素領域のうちの対応する画素領域に集光させる光制御手段と、前記画像表示パネルで変調された光によって被投影面上に画像を形成する光学系とを備えた投影型画像表示装置であって、前記画像を構成する各フレーム画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成し、前記画像表示パネルによって前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示させる回路と、前記画像表示パネルによって表示される前記複数のサブフレーム画像のうち選択されたサブフレーム画像を前記被投影面上でシフトさせる上記いずれかの画像シフト素子とを備え、前記画像表示パネルの異なる画素領域で変調された異なる波長域に属する光で前記被投影面上の同一領域を順次照射する。
【0038】
本発明による画像シフト素子駆動方法は、上記いずれかの画像シフト素子を駆動する画像シフト素子駆動方法であって。位置をシフトすべき画像の切り替えタイミングに同期させて、前記第1および第2の印加電圧の一方のみをLow状態からHigh状態に変化させるステップと、位置をシフトすべき画像の次の切り替えタイミングに同期させて、前記第1および第2の印加電圧の他方のみをLow状態からHigh状態に変化させるステップと、位置をシフトすべき画像の更に次の切り替えタイミングの前において、前記第1および第2の印加電圧の両方をHigh状態からLow状態に変化させるステップとを包含する。
【0039】
本発明による画像シフト素子は、光軸の位置を周期的にシフトさせる画像シフト部を少なくとも1つ備えた画像シフト素子であって、前記画像シフト部は、直交する2つの方向の間で光の偏光方向を切り替える第1の液晶セルと、直交する2つの方向の間で光の偏光方向を切り替える第2の液晶セルと、複屈折素子とを備え、前記第1の液晶セル、第2の液晶セル、および、複屈折素子は、この順序で光を透過するように配置され、前記第2の液晶セルに含まれる液晶層は、直線偏光が前記第1の液晶セルに含まれる液晶層を透過する過程で発生した偏光の乱れを補償する。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明による画像シフト素子は、光軸の位置を周期的にシフトさせる画像シフト部を少なくとも1つ備えている。この画像シフト部は、図3に示すように、第1の液晶セル70、第2の液晶セル80、および複屈折素子110を備えている。第1の液晶セル70は、駆動回路60によって印加される電圧のHigh/Lowに応じて、光の偏光方向を、直交する2つの方向の間で切り替えることができる。また、第2の液晶セル80も、第1の液晶セル70と同様に、駆動回路60から印加される電圧のHigh/Lowに応じて、光の偏光方向を、直交する2つの方向の間で切り替えることができる。
【0041】
第1の液晶セル70、第2の液晶セル80、および、複屈折素子110は、この順序で光を透過するように配置されており、第1および第2の液晶セル70、80に含まれる液晶層75a、75bの中間部のダイレクタ(配向ベクトル)が相互に直交するように第1および第2の液晶セル70、80が配置されている。
【0042】
従来のように、1つの液晶セルおよび1つの複屈折素子から画像シフト素子を構成した場合は、液晶セル内の液晶層が持つ波長依存性などにより、液晶セルを出射した光が、縦・横両方の偏光成分をもった光となり、2重像の原因となる。しかし、本発明の画像シフト素子は、上述のように、ダイレクタが直行する2つの液晶セル70、80を複屈折素子110の前方に配置しているため、各液晶層で発生する不要な偏光成分がキャンセル(相殺または補償)されることになる。その結果、良好な直線偏光が得られ、2重像の発生を低減できる。
【0043】
この不要な偏光成分のキャンセルは、駆動回路60によって、2つの液晶層に印加される電圧が同時に「High」から「Low」へ変化した場合において、液晶分子の状態が過渡的に遷移している間でも実現される。
【0044】
図4(a)から(c)および下記の表1を参照しながら、不要な偏光成分がキャンセルされる理由を説明する。図4(a)から(c)は、右旋光のTN液晶層75aと左旋光の液晶層75bとを複屈折素子(不図示)の前に配置した構成を示している。表示素子から出た直線偏光が2つの液晶層75a、75bを順次透過して、不図示の複屈折素子に入射する。
【0045】
【表1】
【0046】
まず、図4(a)の状態を説明する。この状態においては、2つの液晶層75a、75bに印加されている電圧はLowであり、液晶はOFF状態にある。このとき、第1の液晶層75aによる位相差は+π、第2の液晶層75bによる位相差は−πであるため、2つの液晶層75a、75bを透過した光の合計位相差はゼロとなる。従って、第1の液晶層75aに左方から入射した偏光の偏光面が水平(横)であるとすると、第2の液晶層75bから出射された偏光の偏光面も水平(横)である。
【0047】
なお、本明細書では、液晶に印加する電圧のHigh/Lowによって、液晶を透過した光の偏光面が90°異なる2つの状態をとり得る場合において、液晶層にHighの電圧を印加し、所定の直線偏光を出射し得る状態にしたとき、「液晶層(または液晶セル)はON状態にある」と称する。そして、液晶層を「ON状態」にするために必要な電圧の大きさ(絶対値)よりも充分に小さい電圧を液晶層に印加し、その結果、その液晶層が「ON状態」にあるときに得られる出射光の偏光面に対して略直交する偏光面を持つ光が液晶層から出射されるとき、「液晶層(または液晶セル)はOFF状態にある」と称する。
【0048】
液晶層を「OFF状態」にするには、その液晶層に印加する電圧(Low)の大きさをゼロにすればよい。ただし、液晶層を「OFF状態」にするとき、ゼロでない値(例えば2.5ボルト)を有する電圧(オフセット電圧)を印加してもよい。
【0049】
なお、本明細書で用いる印加電圧「High」とは、液晶層を「ON状態」にできるレベルの電圧であり、印加電圧「Low」とは、液晶層を「OFF状態」にできるレベルの電圧である。屈折率異方性Δεが正のTN液晶を用いた場合、「ON状態」の液晶は、電界の向きに液晶分子を配向させており、「OFF状態」の液晶は、約90°捩れた状態にある。一方、屈折率異方性Δεが負のTN液晶を用いた場合、「ON状態」の液晶は、約90°捩れた状態にあり、「OFF状態」の液晶は、液晶分子を一方向に配向させている。本明細書では、屈折異方性Δεが正の液晶を用いた場合を中心に発明を説明するが、本発明は屈折率異方性Δεが負の液晶を用いても実現できる。
【0050】
次に、図4(b)に示すように、第2の液晶75b層はOFF状態からON状態に遷移させる。この状態遷移は、第2の液晶層75bに印加する電圧をLowからHighへ変化させることによって行う。液晶の立ち上がり応答時間τrは短いため、2重像の形成は問題にならない。このとき、第1の液晶層75aによる位相差は+π、第2の液晶層75bによる位相差はゼロであるため、2つの液晶層75a、75bを通り抜けた偏光の合計位相差は+πとなる。従って、第1の液晶層75aに左方から入射した偏光の偏光面が水平であるとすると、第2の液晶層75bから出た偏光の偏光面は垂直(縦)に変化する。
【0051】
更に、第1の液晶層75aに印加する電圧をLowからHighへ変化させると、図4(c)に示すように、第1の液晶層75aはOFF状態からON状態に遷移する。このときも、液晶の立ち上がり応答時間τrが短いため、2重像の形成は問題にならない。このとき、第1の液晶層75aによる位相差はゼロ、第2の液晶層75bによる位相差もゼロであるため、2つの液晶層75a、75bを通り抜けた偏光の合計位相差はゼロとなる。従って、第1の液晶層75aに左方から入射した偏光の偏光面が水平であるとすると、第2の液晶層75bから出た偏光の偏光面も水平になる。
【0052】
この後、第1および第2の液晶層75a、75bに印加する電圧を、いずれもHighからLowへ変化させる。すると、各液晶層は、図4(c)に示す状態から図4(a)に示す状態(第1および第2の液晶層75a、75bがともにOFF状態)に遷移する。このとき、2つの液晶層75a、75b態が鏡像関係にあるため、第1の液晶層75aから出た偏光が楕円偏光となっていても、第2の液晶層75bを通り過ぎる過程で直線偏光が形成される。言い換えると、「液晶の立ち下がり」の期間において、第1の液晶層75aによる位相差が0から+πに向かって比較的ゆっくりと変化するとき、第2の液晶層75bによる位相差が0から−πに向かって変化し、2つの液晶層75a、75bによる合計位相差は常に0となるため、偏光状態は実質的に変化しない。
【0053】
従って、図4(c)の状態から図4(a)の状態への遷移に要する時間(τd)が長くとも、そのような状態遷移期間中において、第2の液晶層75bからは直線偏光が継続的に出射され得る。このとき、第2の液晶層75bから出る偏光の向きは回転しないため、液晶の立ち下がり応答時間τdは、偏光面の回転に全く影響しない。すなわち、偏光面が90°回転するのは、液晶が図4(a)の状態から図4(b)の状態へ変化するときと、図4(b)の状態から図4(c)の状態に変化するときだけであり、これらの状態変化の速度は、いずれも、液晶の立ち上がり応答時間τrによって決定される。
【0054】
このように本実施形態では、応答速度の比較的遅い液晶の「立ち下がり(ON状態からOFF状態への遷移)」は、画像をシフトさせることなく、画像を所定の位置に表示しながら実行し、液晶の「立ち下がり」を出射光の偏光変化には用いない。このため、画像シフト素子のシフト動作速度(位置切り替え速度)を液晶の立ち下がり応答時間τdに制限されずに改善できる。その結果、液晶の立ち下がり応答時間τdが長いことに起因する2重像やフリッカの発生を回避できる。
【0055】
以上の説明は、TNモード液晶について行ったが、ECBモードの液晶を用いても同様の作用効果を達成することができる。以下、図5(a)から(c)および表2を参照しながら、ECBモードの液晶を用いた場合について説明する。
【0056】
【表2】
【0057】
図5(a)から(c)に示す構成例では、45度配置のECBモード液晶と−45度配置のECBモード液晶とが、不図示の複屈折素子の前に配置されている。この画像シフト素子の基本構成は、図3に示す通りである。
【0058】
まず、図5(a)の状態では、2つの液晶層85a、85bに印加されている電圧はLow状態にあり、2つの液晶層85a、85bはOFF状態にある。このとき、第1の液晶層85aによる位相差は+π、第2の液晶層85bによる位相差は−πであるため、2つの液晶層85a、85bを通り抜けた偏光の合計位相差はゼロとなる。このため、第1の液晶層85aに左方から入射した偏光の偏光面が水平であるとすると、第2の液晶層85bから出た偏光の偏光面も水平(横)である。
【0059】
次に、第2の液晶層85bに印加する電圧をLowからHighへ変化させると、図5(b)に示すように、第2の液晶層85bはOFF状態からON状態に遷移する。液晶の立ち上がり応答時間τrは短いため、2重像の形成は問題にならない。このとき、第1の液晶層85aによる位相差は+π、第2の液晶層85bによる位相差はゼロであるため、2つの液晶層85a、85bを通り抜けた偏光の合計位相差は+πとなる。従って、第1の液晶層85aに左方から入射した偏光の偏光面が水平であるとすると、第2の液晶層85bから出た偏光の偏光面は垂直(縦)に変化する。
【0060】
更に、第1の液晶層85aに印加する電圧をLowからHighへ変化させると、図5(c)に示すように、第1の液晶層85aはOFF状態からON状態に遷移する。このときも、液晶の立ち上がり応答時間τrが短いため、2重像の形成は問題にならない。第1の液晶層85aによる位相差はゼロ、第2の液晶層85bによる位相差もゼロであるため、2つの液晶層85a、85bを通り抜けた偏光の合計位相差はゼロとなる。従って、第1の液晶層85aに左方から入射した偏光の偏光面が水平であるとすると、第2の液晶層85bから出た偏光の偏光面も水平(横)になる。
【0061】
この後、第1および第2の液晶層85a、85bに印加する電圧を、いずれもHighからLowへ変化させる。すると、各液晶は、図5(c)に示す状態から図5(a)に示す状態(第1および第2の液晶層85a、85bがともにOFF状態)に遷移する。このとき、液晶の立ち下がり応答時間τdは長いが、2つの液晶層85a、85bが鏡像関係にあるため、第1の液晶層85aから出た偏光が楕円偏光となったとしても、第2の液晶層85bを通り過ぎる過程で不要な偏光成分が解消し、直線偏光が形成される。液晶の状態変化に際して、第1の液晶層85aによる位相差は0から+πに向かって変化し、第2の液晶層85bによる位相差は0から−πに向かって変化するため、2つの液晶層85a、85bによる合計位相差は常に0となり、偏光状態は変化しない。
【0062】
本構成例によれば、図5(c)の状態から図5(a)の状態への遷移に要する時間が長くとも、そのような状態遷移期間中でも、第2の液晶層85bからは直線偏光が継続的に出射され得る。このとき、第2の液晶層85bから出る偏光の向きは回転しないため、液晶の立ち下がり応答時間τdは、偏光面の回転に全く影響しない。
【0063】
このように、ECBモード液晶を用いても、液晶の立ち下がり応答時間τdに制限されずに、画像シフト素子のシフト動作速度(位置切り替え速度)を向上させることができる。その結果、液晶の立ち下がり応答時間τdが長いことに起因する2重像やフリッカの発生を大幅に低減できる。
【0064】
なお、上記構成例の各々において、2つの液晶層をON状態からOFF状態に変化させるタイミングは、次に2つの液晶層のいずれか一方をOFF状態からON状態に変化させるタイミングよりも充分前に行うことが望ましい。すなわち、2つの液晶層のいずれか一方をOFF状態からON状態に変化させる時までには、2つの液晶層がOFF状態に遷移している必要があり、そのような遷移には液晶の立ち下がり応答時間τdを要する。故に、2つの液晶層をともにON状態に遷移させた後、速やかに、2つの液晶層に印加していた電圧をHighからLowに下げることが望ましい。
【0065】
なお、2つの液晶層がON状態からOFF状態に変化しつつある間は、画像シフトを行うことができない。このため、サブフィールドの切り替え毎に画像シフトを行う場合は、2つの液晶層がON状態からOFF状態に変化する期間がひとつのサブフィールド期間内に完全に含まれるようにすることが好ましい。
【0066】
以下、図面を参照しながら、本発明による画像表示装置の好ましい実施形態を説明する。
【0067】
(実施形態1)
図6(a)および(b)を参照する。図示されている本実施形態の画像表示装置は、バックライト1、液晶表示素子2、画像シフト素子3、および観察光学系4を備えている。バックライト1は透過型の液晶表示装置2を照明する光源であり、液晶表示素子2は、駆動回路5から駆動信号および映像信号を受け取り、映像信号に応じた内容を持つ画像を表示することができる。観察光学系4は、液晶表示素子2で表示された画像を光学的に拡大するための光学系である。観察者は、画像シフト素子3および観察光学系4を介して、液晶表示装置2で表示された画像を観察することができる。
【0068】
本実施形態では、バックライトが必要な透過型液晶表示素子を用いているが、画像を表示できる素子であれば、反射型の液晶表示であってもよく、また、有機EL素子やプラズマスディスプレスパネル(PDP)などの自発光型の表示素子を用いることもできる。
【0069】
画像シフト素子3の動作は、画像シフト素子用の駆動回路6によって制御される。この駆動回路6は、液晶表示素子2の映像表示に同期した駆動信号を画像シフト素子3に供給する。駆動回路6は画像シフト素子3に含まれる複数の液晶素子に対して個別に複数レベル(High/Low)の電圧を印加するための電圧印加部を有している。
【0070】
上記構成素子のうち、バックライト1、液晶表示素子2、観察光学系4、および駆動回路5は、従来の画像表示装置で用いられてきた素子や回路と同様の構成を有しており、本実施形態に係る表示装置の特徴点は、画像シフト素子3の構成および動作にある。
【0071】
図6(b)は、本実施形態の画像シフト素子3の構成を示している。図示されている画像シフト素子は、画像を縦方向にシフトさせる第1シフト部100と、画像を横方向にシフトさせる第2シフト部200とを有している。
【0072】
第1シフト部100は、2つの液晶セル7、8と、1枚の複屈折素子11を用いて作製されており、第2シフト部200は、2つの液晶セル9、10と、1枚の複屈折素子12を用いて作製されている。液晶セル7〜10の各々は、液晶層と、液晶層の光入射面および光出射面を挟み込む一対の透明電極(不図示)と、これらを挟み込む一対の透明基板とを備えている。液晶セル7、8および複屈折素子11は、接着剤などによって一体化され、第1シフト部100がひとつの部品として機能するように構成されていも良い。第2シフト部200についても同様である。
【0073】
本実施形態における液晶セル7〜10はTNモードの液晶を用いて作製されており、印加電圧のHigh/Lowに応じて、入射光の偏光面を約90°回転させる状態(第1の状態)と、入射光の偏光面を実質的に回転させずにそのまま出射する状態(第2の状態)との間でスイッチングする。
【0074】
液晶セル7〜10に用いることのできる液晶の種類は、TN液晶に限定されず、一対の液晶層がともにON状態からOFF状態へ遷移する間において、一方の液晶層によって発生する不要な偏光成分を他方の液晶でキャンセルできるものであれば如何なるタイプの液晶であっても良い。例えば、ECBモードの液晶を用いることができることは言うまでもない。
【0075】
複屈折素子11は、複屈折素子11の光入射面から傾斜した光学軸を有している。複屈折素子11は、入射光の進行方向および光学軸を含む平面(以下、「主断面」と称する。)内において、入射光線を常光と異常光に分離することができる。従って、複屈折素子へ入射する光の偏光方向が「主断面」に対して垂直であれば、入射光は複屈折素子11にとって常光となるため、主断面内をまっすぐに伝搬する。一方、複屈折素子11へ入射する光の偏光方向が主断面に対して平行であれば、入射光は複屈折素子11にとって異常光となるため、主断面内を屈折する。
【0076】
複屈折素子11は、一軸結晶材料(例えば水晶)から作製される。複屈折素子11に用いられる材料も、水晶に限定されず、一軸結晶であれば、如何なるものであってもよい。例えば、ニオブ酸リチウム、方解石、雲母、ルチル(TiO2)、チリ硝石(NaNO3)などの材料を用いることができる。ただし、HMDのように、表示装置の総重量を小さくする必要がある場合、屈折率異方性(Δn)が相対的に大きなニオブ酸リチウムやルチルを用いることが好ましい。Δnが大きい材料であれば、必要な画像シフト量を得るために必要な複屈折素子11の厚さを薄くできるため、小型化および軽量化に適している。
【0077】
液晶セル7、8の各々に印加する電圧レベルを変えることにより、入射光の偏光方向を複屈折素子11の主断面に対して垂直または水平な方向にスイッチングすれば、複屈折素子11の主断面内において、入射光線をシフトさせることができる。そして、その結果、表示素子2に表示された画像を入射光軸に垂直な方向へシフトさせることができる。
【0078】
第2シフト部200も第1シフト部100と同様の構成を有しており、異なる点は、第2シフト部200が第1シフト部100に対して光軸回りに90°回転した関係にある点だけである。このため、第2シフト部200による画素シフトの方向は、第1シフト部100による画像シフトの方向に直交している。このような配置の第1シフト部100および第2シフト部200を組み合わせて用いることにより、同一面(仮想平面)内における4つの異なる位置に画像を移動させることができる。
【0079】
以下、図7および表3を参照しながら、本実施形態の画像シフト素子の動作を説明する。
【0080】
【表3】
【0081】
まず、図7(a)に示すように、液晶セル7、8、9をOFF状態とし、液晶セル10をON状態とする。このとき、表示パネル上における画像を構成するある任意の画素は、仮想平面上においてAの場所に位置しているとする。
【0082】
次に、図7(b)に示すように、液晶セル8、9、10をON状態にし、上記の画素をBの位置にシフトさせる。この画像シフトは、液晶セルをOFF状態からON状態に変化させることにより行うため、画像のサブフィールドの切り替えタイミングに同期させて比較的早く実行することができる。
【0083】
この後、同じサブフィールドにおいて、液晶セル9、10をON状態からOFF状態へ変化させる。ON状態からOFF状態への切り替えに際して、液晶の応答は遅いが、右旋光の液晶セルと左旋光の液晶セルとを組み合わせているため、複屈折素子11に入射する偏光方向は変化せず、画素の位置はBのままである。
【0084】
次に、図7(c)に示すように、液晶セル8、10をON状態にし、画素をCの位置にシフトさせる。この画像シフトも、液晶をOFF状態からON状態に変化させることにより行えるため、画素の移動を迅速に行うことができる。
【0085】
次に、図7(d)に示すように、液晶セル7、8、9、10を全てON状態にし、画素をDの位置にシフトさせる。その後、同じサブフィールドにおいて、液晶セル7、8、9、10を全てON状態からOFF状態へ変化させる。ON状態からからOFF状態への変化によって、複屈折素子11に入射する偏光方向は変化せず、画素の位置はDのままである。
【0086】
DからAの位置への画像シフトは、液晶セル8、10をOFF状態からON状態に変化させることにより行うため、上記B、C、Dへの画像シフトと同様に、迅速に行うことが可能である。
【0087】
以上の動作を行うために液晶セル7〜10へ印加する電圧の波形を図13に示す。図13のサブフィールドA〜Dは、それぞれ、図7の位置A〜Dに対応している。すなわち、サブフィールドAの期間においては、前述の画素が図7の位置Aにあり、サブフィールドBの期間においては、前述の画素が図7の位置Bにある。
【0088】
図13からわかるように、液晶セル7、8に印加している電圧をHighからLowへ変化させるタイミングは同時である。同様にして、液晶セル9、10に印加している電圧をHighからLowへ変化させるタイミングも同時である。
【0089】
液晶セル9、10に印加している電圧をHighからLowへ変化させるタイミングは、サブフィールドBの期間内に位置しており、この変化は、次に液晶セル10に印加する電圧をLowからHighへ変化させるタイミングよりも充分前に行っている。液晶セル9、10に印加している電圧をHighからLowへ変化させると、液晶の立ち下がり応答時間τdの経過後、液晶はOFF状態に変化するため、この立ち下がり応答時間τdの経過途中においては、液晶は完全なOFF状態には到っていないが、前述した理由から、サブフィールドBの画像は、サブフィールドBの期間中にシフトせず、2重画像も発生しない。
【0090】
なお、本実施形態のバックライト光を拡散光ではなく、指向性を有した照明光とし、観察光学系の変わりの投射レンズを設置すれば、投影型画像表示装置として機能させることも可能である。この場合も、画像シフト素子による解像度アップ効果は、HMDと同様に得ることができる。
【0091】
図8(a)は、上記画像シフト素子によるシフト動作を行わない場合の画素配列を示し、図8(b)は、画像シフト素子によるシフト動作を行った場合の画素配列を示している。画像シフト素子を用いることにより、液晶表示素子2の画素数が実効的に4倍に増加していることがわかる。
【0092】
(実施形態2)
次に、図9を参照しながら、本実施形態による画像表示装置の他の実施形態を説明する。
【0093】
本実施形態に係る画像表示装置では、光源501から出た光(少なくともRGB成分を含む光)が放物面鏡502によって反射され、略平行光にされた後、フライアイレンズ503に入射する。フライアイレンズ503は、液晶パネル504を均一に照明するために用いられる。フライアイレンズ503の出射側には、液晶パネル504に入射する照明光の平行度を規制するアパーチャー505が設置されている。アパーチャー505は、矩形の開口部を有しており、その形状は画素形状に合わせて設計される。アパーチャー505を通過した光は、レンズ506を通過した後、ダイクロイックミラー507R、507G、507BでRGBの光に分離される。液晶パネル504は、レンズ506およびレンズ508によって略平行化した光に照射されるが、ダイクロイックミラーによって分離されたRGB光のそれぞれは液晶パネル504に異なる角度で入射する。なお、本実施形態では、液晶パネル504として、0.9型パネル(768×1024ドット)を用いる。
【0094】
図10は、RGB光が液晶パネル508に入射する様子を示す断面図である。図10に示されるように、液晶パネル504の光入射側には、3つの画素(R用画素、G用画素、およびB用画素)に1つの割合でマイクロレンズ509のアレイが配置されている。各マイクロレンズ509は、異なる角度で入射してきたRGB光を、対応する画素に入射させる。各画素は独立して駆動されるため、RGB光は、それぞれ、独立して変調される。
【0095】
再び、図9を参照する。液晶パネル504透過することによって変調された光は、画像シフト素子510を通って投射レンズ511に入射する。投影レンズ511を経た光は、スクリーン上に画像を形成する。スクリーンの画像は、画像シフト素子によって周期的にシフトする。
【0096】
次に、図11を参照しながら、本実施形態の画像シフト素子510を詳細に説明する。画像シフト素子510は、図11に示すように、第1シフト部100と第2シフト部200とを備えている。第1シフト部100および第2シフト部の構成は、実施形態1におけるものと同一である。ただし、本実施形態では、第1シフト部100による画像シフト方向と、第2シフト部200による画像シフト方向が平行になるように両シフト部の配置関係が規定されている。このような構成により、光軸と交差する面(「主断面」)内における同一直線上の異なる3つの位置(A、B、C)に画像をシフトさせることができる。
【0097】
図12は、図11に示す画像シフト素子510によってシフトしたサブフレーム画像が上下する様子を模式的に示している。画像シフト素子510の働きにより、画像を構成するサブフレーム画像が一方向(上下方向または左右方向)に1画素ピッチずつ順次シフトする結果、スクリーン上における同一画素領域を照射する光の帯域が例えばB→G→R→B→G→R・・・と時分割で変化することになる。このような構成を採用することにより、単板式であっても、3枚の液晶表示パネルを用いる3板式の投射型画像表示装置と同等レベルの解像度を実現することができる。
【0098】
以下、本実施形態において、液晶セル7〜10に印加する電圧を表4および図11を参照しながら説明する。
【0099】
【表4】
【0100】
まず、液晶セル7、9、10をOFF状態に、液晶セル8をON状態とし、液晶パネルの画素を図11のAの場所に位置させる。
【0101】
次に、液晶セル7、9をOFF状態にしたまま、液晶セル10をOFF状態からON状態に変化させることにより、液晶セル8、10をON状態にする。こうすることにより、画素をBの位置にシフトさせる。
【0102】
次に、液晶セル7〜10のすべてをON状態にすることにより、画素をCの位置に移動させる。この画像シフトも液晶セルをOFF状態からON状態に変化させることにより行う。
【0103】
その後、次にサブフィールドが切り替えられる前に、すなわち同一サブフィールド期間内において、液晶セル7〜10をON状態からOFF状態にへ切り替える。ON状態からOFF状態への変化に際して、液晶の応答は遅いが、右旋光の液晶セルと左旋光の液晶セルとを組み合わせているため、複屈折素子11に入射する偏光方向は変化せず、画素の位置はCのままである。
【0104】
画像のCからAの位置への移動は、液晶セル8をONにするだけで行うため、上記B,Cへの移動と同様に、早く切り替えることができる。
【0105】
このように本実施形態では、画像のサブフィールドの切り替えに同期させて、応答速度の速いOFF状態からON状態への変化を行うだけで、画素をA→B→Cへとシフトさせることができる。このため、二重像やフリッカのない良好な画像を得ることができる。
【0106】
以上の動作を行うために液晶セル7〜10へ印加する電圧の波形を図14に示す。図14のサブフィールドA〜Cは、それぞれ、図11の位置A〜Cに対応している。すなわち、サブフィールドAの期間においては、前述の画素が図11の位置Aにあり、サブフィールドBの期間においては、前述の画素が図11の位置Bにある。
【0107】
図14からわかるように、液晶セル7、8に印加している電圧をHighからLowへ変化させるタイミングは同時である。同様にして、液晶セル9、10に印加している電圧をHighからLowへ変化させるタイミングも同時である。
【0108】
液晶セル7〜10に印加している電圧をHighからLowへ変化させるタイミングは、サブフィールドCの期間内に位置しており、この変化は、次に液晶セル8に印加する電圧をLowからHighへ変化させるタイミングよりも充分前に行っている。液晶セル7〜10に印加している電圧をHighからLowへ変化させると、液晶の立ち下がり応答時間τdの経過後、液晶はOFF状態に変化するため、この立ち下がり応答時間τdの経過途中においては、液晶は完全なOFF状態には到っていないが、前述した理由から、サブフィールドCの画像は、サブフィールドCの期間中にシフトせず、2重画像も発生しない。
【0109】
本実施形態の画像表示装置は、スクリーンに表示画像を投影する投影型表示装置であるが、観察光学系を用いて虚像の拡大像をみることにより、HMDに適用することも可能である。
【0110】
また、実施形態1では画素を4つの位置にシフトさせ、実施形態2では画像を3つの位置にシフトさせたが、本発明はこのような形態に限定されず、2つの位置間での画像の移動や同一方向に並んだ4つの位置間で移動させるなど、いかなるパターンにも適用可能である。
【0111】
また、上記の各実施形態では、画像のサブフィールド期間に液晶素子7〜10をスイッチングしたが、液晶の応答速度にあわせて、対応するサブフィールドでバランスの取れたスイッチングができるように、液晶素子7〜10のON/OFF切り替えるのタイミングを、前のサブフィールド期間内や後のサブフィールド期間内にシフトさせて行ってもよい。
【0112】
【発明の効果】
本発明による画像シフト素子によれば、液晶素子の残留旋光分散などに起因する画像の不適切なシフトを抑制することができる。このような画像シフト素子を用いることにより、高解像度の画像を表示する画像表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶素子と複屈折素子を組み合わせた画像シフト素子の従来の構成を示す図である。
【図2】一対の偏光板を平行ニコル配置し、偏光板間に液晶素子を配置した場合における液晶印加電圧−透過率特性を示すグラフである。
【図3】本発明による画像シフト素子モジュールの基本構成を示す断面図である。
【図4】(a)から(c)は、本発明による画像シフト素子内の液晶セルの動作を示す図である。
【図5】(a)から(c)は、本発明による他の画像シフト素子内の液晶セルの動作を示す図である。
【図6】(a)は、本発明による画像表示装置の第1の実施形態の主要構成を示す断面図であり、(b)は、第1の実施形態で用いる画像シフト素子の構成を示す断面図である。
【図7】(a)から(d)は、第1の実施形態で用いる画像シフト素子の動作を示す図である。
【図8】図6の画像シフト素子による画像の高解像度化を示す図であり、(a)は画像シフト素子が動作していないときの画像を示し、(b)は、画像シフト素子が動作しているときの画像を示している。
【図9】本発明による画像表示装置の第2の実施形態を示す図である。
【図10】第2の実施形態で用いる液晶表示パネルを示す断面図である。
【図11】第2の実施形態で用いる画像シフト素子を示す断面図である。
【図12】画像のシフトを模式的に示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態において、各液晶セルに印加する電圧の波形図(タイミングチャート)である。
【図14】本発明の第2の実施形態において、各液晶セルに印加する電圧の波形図(タイミングチャート)である。
【符号の説明】
1 バックライト
2 液晶表示パネル
3 画像シフト素子
4 観察光学系
5 液晶素子パネル用駆動回路
6 画像シフト素子用駆動回路
7 液晶セル
8 液晶セル
9 液晶セル
10 液晶セル
11 複屈折素子
60 画像シフト素子用の駆動回路
70 第1の液晶セル
75a 右旋光の第1液晶層(TNモード)
75b 左旋光の第2液晶層(TNモード)
80 第2の液晶セル
85a 右旋光の第1液晶層(ECBモード)
85b 右旋光の第1液晶層(ECBモード)
100 第1シフト部
200 第2シフト部
Claims (16)
- 光軸の位置を周期的にシフトさせる画像シフト部を少なくとも1つ備えた画像シフト素子であって、
前記画像シフト部は、
第1の印加電圧のHigh/Lowに応じて、光の偏光方向を、直交する2つの方向の間で切り替える第1の液晶セルと、
第2の印加電圧のHigh/Lowに応じて、光の偏光方向を、直交する2つの方向の間で切り替える第2の液晶セルと、
光の偏光方向によって屈折率が異なる複屈折素子と、
を備え、
前記第1の液晶セル、第2の液晶セル、および、複屈折素子は、この順序で光を透過するように配置され、
前記第1および第2の印加電圧の両方がHigh状態またはLow状態であるとき、前記第1および第2の液晶セルに含まれる液晶層の中間部のダイレクタが相互に直交するように前記第1および第2の液晶セルが配置されており、
前記第1および第2の印加電圧の両方がHigh状態からLow状態に変化する間、前記第1の液晶セルによる位相差と前記第2の液晶セルによる位相差との合計がゼロである画像シフト素子。 - 前記第1の液晶セルに含まれる液晶層および前記第2の液晶セルに含まれる液晶層は、それぞれ、旋光方向が反対の関係にあるTNモード液晶から形成されている請求項1に記載の画像シフト素子。
- 前記第1の液晶セルに含まれる液晶層および前記第2の液晶セルに含まれる液晶層は、それぞれ、ECBモード液晶から形成されている請求項1に記載の画像シフト素子。
- 前記画像シフト部の個数は複数である、請求項1から3のいずれかに記載の画像シフト素子。
- 請求項1から4のいずれかに記載の画像シフト素子と、
前記画像シフト素子の第1の液晶セルに前記第1の電圧を供給し、前記第2の液晶セルに前記第2の電圧を供給する駆動回路と、
を備えた画像シフト素子モジュール。 - 前記駆動回路は、
シフトすべき画像の切り替えタイミングに同期させて、前記第1および第2の印加電圧の一方のみをLow状態からHigh状態に変化させる、請求項5に記載の画像シフト素子モジュール。 - 前記駆動回路は、
シフトすべき画像の切り替えタイミングに同期させて前記第1および第2の印加電圧をともにHigh状態にした後、前記画像が表示されている間に前記第1および第2の印加電圧をともにLow状態に変化させる、請求項6に記載の画像シフト素子モジュール。 - 画像を表示する画像表示部と、
請求項1から4のいずれかに記載の画像シフト素子と、
を備えた画像表示装置であって、
前記画像シフト素子を用いることにより、前記画像表示部から出た光を前記画像表示部の表示に同期させながらシフトさせる、画像表示装置。 - 前記画像シフト素子の第1の液晶セルに前記第1の電圧を供給し、前記第2の液晶セルに前記第2の電圧を供給する駆動回路を更に備えている請求項8に記載の画像表示装置。
- 前記駆動回路は、
前記第1および第2の印加電圧の一方のみをLow状態からHigh状態に変化させる、請求項9に記載の画像表示装置。 - 前記駆動回路は、
前記第1および第2の印加電圧をともにHigh状態にした後、前記画像表示部に表示される画像が切り替わる前に、前記第1および第2の印加電圧をともにLow状態に変化させる、請求項9に記載の画像表示装置。 - 前記画像表示部から出て前記画像シフト素子に入射する光は直線偏光である、請求項8から11のいずれかに記載の画像表示装置。
- 前記画像のシフトより、前記画像を構成する画素が時分割で重畳される、請求項8から12のいずれかに記載の画像表示装置。
- 光源と、
各々が光を変調することができる複数の画素領域を有する画像表示パネルと、
前記光源からの光を波長域に応じて前記複数の画素領域のうちの対応する画素領域に集光させる光制御手段と、
前記画像表示パネルで変調された光によって被投影面上に画像を形成する光学系と、
を備えた画像表示装置であって、
前記画像を構成する各フレーム画像のデータから複数のサブフレーム画像のデータを生成し、前記画像表示パネルによって前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示させる回路と、
前記画像表示パネルによって表示される前記複数のサブフレーム画像のうち選択されたサブフレーム画像を前記被投影面上でシフトさせる、請求項1から4のいずれかに記載の画像シフト素子と、
を備え、
前記画像表示パネルの異なる画素領域で変調された異なる波長域に属する光で前記被投影面上の同一領域を順次照射する画像表示装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載の画像シフト素子を駆動する画像シフト素子駆動方法であって、
位置をシフトすべき画像の切り替えタイミングに同期させて、前記第1および第2の印加電圧の一方のみをLow状態からHigh状態に変化させるステップと、
位置をシフトすべき画像の次の切り替えタイミングに同期させて、前記第1および第2の印加電圧の他方のみをLow状態からHigh状態に変化させるステップと、
位置をシフトすべき画像の更に次の切り替えタイミングの前において、前記第1および第2の印加電圧の両方をHigh状態からLow状態に変化させるステップと、
を包含する画像シフト素子駆動方法。 - 光軸の位置を周期的にシフトさせる画像シフト部を少なくとも1つ備えた画像シフト素子であって、
前記画像シフト部は、
直交する2つの方向の間で光の偏光方向を切り替える第1の液晶セルと、
直交する2つの方向の間で光の偏光方向を切り替える第2の液晶セルと、
複屈折素子と、
を備え、
前記第1の液晶セル、第2の液晶セル、および、複屈折素子は、この順序で光を透過するように配置され、
前記第1および第2の液晶セルに含まれる液晶層のそれぞれに印加する第1および第2の印加電圧の両方がHigh状態からLow状態に変化する間、前記第2の液晶セルに含まれる液晶層は、直線偏光が前記第1の液晶セルに含まれる液晶層を透過する過程で発生した偏光の乱れを補償する画像シフト素子。
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