JP2007213866A - 電池活物質および二次電池 - Google Patents

電池活物質および二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2007213866A
JP2007213866A JP2006030146A JP2006030146A JP2007213866A JP 2007213866 A JP2007213866 A JP 2007213866A JP 2006030146 A JP2006030146 A JP 2006030146A JP 2006030146 A JP2006030146 A JP 2006030146A JP 2007213866 A JP2007213866 A JP 2007213866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
battery
shell
core
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006030146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5223166B2 (ja
Inventor
Tome Ogawa
止 小川
Takanori Ito
孝憲 伊藤
Mikio Kawai
幹夫 川合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2006030146A priority Critical patent/JP5223166B2/ja
Publication of JP2007213866A publication Critical patent/JP2007213866A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5223166B2 publication Critical patent/JP5223166B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】出力性能と容量性能の異なるそれぞれの活物質材料の特性を十分生かすことのできる電池活物質を提供する。
【解決手段】本発明は、電池活物質であって、少なくとも2種以上の活物質材料から構成され、電池活物質粒子3内の材料がコア−シェル型構造となっており、コア部2の活物質材料に対してシェル部1の活物質材料が高出力であることを特徴とする電池活物質により達成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池活物質に関し、特にリチウムイオン二次電池の正極活物質に関する。
近年、環境や燃費の観点から、ハイブリッド自動車や電気自動車、さらには燃料電池自動車が製造・販売され、新たな開発が続けられている。これらのいわゆる電動車両においては、放電・充電ができる電源装置の活用が不可欠である。この電源装置としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池や、電気二重層キャパシタ等が利用される。
特に、リチウムイオン二次電池はそのエネルギー密度の高さや繰り返し充放電に対する耐久性の高さから、電動車両に好適と考えられ、各種の開発が鋭意進められている。電動車両のうちでも、内燃機関と電池とを併用する、いわゆるハイブリッド車においては、加速時などの短時間における高出力が要求される。そのため、活物質の平均粒径を小さく、例えば数μm以下にして有効表面積を大きくするなどの対応が検討されている。
リチウムイオン電池の正極活物質としては、従来からリチウムと各種の金属元素との複合酸化物が用いられてきている。またこれらの複合酸化物を複数組み合わせて用いる方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
特許3610943号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような従来技術によるリチウムイオン二次電池において考えられていた手法は活物質粒子の混合であり、出力性能と容量性能の異なるそれぞれの活物質材料の特性が十分生かされていないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、出力性能と容量性能の異なるそれぞれの活物質材料の特性を十分生かすことのできる電池活物質およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は、活物質粒子を性能の異なる材料から構成されるコア−シェル型構造とし、コア部を容量性能を重視した材料、シェル部を出力性能を重視した材料とすることで、異なる材料の特性を十分生かすことができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の目的は、電池活物質であって、少なくとも2種の活物質材料から構成され、粒子内の材料がコア−シェル型構造となっており、コア部の活物質材料に対してシェル部の活物質材料が高出力であることを特徴とする電池活物質により達成することができる。
本発明の電池活物質によれば、活物質粒子内の材料をコア−シェル型構造とし、コア部の材料に対してシェル部の材料を高出力としたことによって、出力性能の高い材料と容量性能の高い材料を有効に活用することができる。
本発明は、電池活物質であって、少なくとも2種の活物質材料から構成され、粒子内の材料がコア−シェル型構造となっており、コア部の活物質材料に対してシェル部の活物質材料が高出力であることを特徴とするものである。以下、本発明の電池活物質の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。図1Aは、本発明の電池活物質の一実施形態であって、粒子内が異なる活物質材料によりコア−シェル型構造となっている様子を表した活物質粒子の断面模式図である。図1Bは、本発明の電池活物質の他の実施形態であって、粒子内が異なる活物質材料によりコア−シェル型構造となっており、更にシェル部の外側に溶出防止層を設けた構造となっている様子を表した活物質粒子の断面模式図である。
図1Aに示すように、本発明の電池活物質においては、コア−シェル型構造の粒子3のシェル部(表層部)1は、コア部(内部)2よりも高出力な活物質材料で構成されている。さらに、図1Bに示すように、本発明の電池活物質においては、シェル部1の外側に溶出防止層4が設けられていてもよい。
電極反応は、いわゆる電気化学反応であり、活物質粒子の表層部と内部とでは、反応のし易さが異なる。そのため短時間に高出力を取り出す場合、速やかに電解質成分やLiイオンが挿入・脱離し易く反応が生じやすい粒子のシェル部1が主に利用され、コア部2の多くは未利用状態のままである。そのため、特許文献1のように、出力性能に優れる粒子と容量性能に優れる粒子を混合して用いた場合、いずれの特性も十分に生かすことができない。即ち、短時間に高出力を取り出そうとしても、特性の異なる粒子間の出力特性のバラツキにより、得られる電極全体の出力は、これらの加重平均的なものとなる。そのため、出力性能に優れる粒子だけを用いた場合のような高出力を提供するのは困難となる。一方、比較的長期間安定的に所定の容量(中〜低出力)を取り出そうとしても、特性の異なる粒子間の容量のバラツキにより、得られる電極全体の容量は、容量の小さい出力性能に優れる粒子の持つ容量によって制限されることになる。つまり、この容量の小さい出力性能に優れる粒子の容量がなくなった時点で、電極全体の出力が低下し、残る容量性能に優れる粒子だけで所定の出力を供給するのは困難となる。そのため、容量性能に優れる粒子だけを用いた場合のような高容量を提供するのは困難となる。
一方、本発明では、シェル部の材料がコア部よりも高出力な活物質材料で構成されたコア−シェル型構造の粒子を用いることで、出力性能と容量性能の双方の特性を十分生かすことができる。即ち、短時間に高出力を取り出す必要がある場合でも、粒子間に出力特性のバラツキはなく、全ての粒子において反応しやすいシェル部の高出力な活物質材料を有効活用することができる。そのため、出力性能に優れる粒子だけを用いた場合と同等の高出力を提供することができる。また、長期間にわたって、できるだけ多くの容量を提供しようとした場合でも、粒子間の容量特性のバラツキは少なく、全ての粒子において、高容量のコア部分まで効率よく反応に供することができる。そのため、容量性能に優れる粒子だけを用いた場合と大差なく高容量の電池を提供することができる。
以下、本発明の電池活物質の主要な構成要件である、コア部、シェル部、溶出防止層に分けて説明する。
(I)コア部
粒子内のコア部は、1層(単層)であってもよいし、2層以上で構成していてもよい。
コア部を2層以上で構成する態様には、(1)コア部の表面から中心部に向けて、容量や出力等の性能(材料)が変化する層が、例えば、同心円状に複数積層された構造が挙げられる。このほかにも、(2)コア部の表面から中心部に向けて連続的に容量や出力等の性能が変化するような構造も含まれる。これらの場合には、例えば、各層ごとに材料を変えたり、2種以上の活物質材料の混合比率を変えるなどして、コア部の表面から中心部に向けて容量や出力等の性能が増加ないし減少するように変化(機能傾斜)させることができる。さらに、本発明では、2種以上の材料を用いた造粒技術により製造可能なものが含まれえる。例えば、(3)マトリックス材料内に島状に別の材料が点在して配置されてなるような海島構造であってもよい。また(4)コア粒子の半球部分ごとに異なる材料が配置されたような構造であってもよい。さらに(5)異なる材料からなる微粒子群を寄せ集めて固めて造粒したような2次粒子(凝集)構造であってもよい。さらに、上記(1)〜(5)を適当に組み合わせた構造などが挙げられる。ただし、これらに制限されるものではない。製造容易性、材料点数及び製造工数の削減(材料及び製造コストの低減)などの観点からは、1層(単層)で構成するのが望ましい。また、例えば、シェア部との境界部での容量性能ないし出力性能の急激な変化を抑え、該境界部での内部抵抗の増加を抑制する観点からは、2層以上で構成するのが望ましいといえる。
コア部の活物質材料としては、上述したように、シェル部の活物質材料よりも容量性能に優れた活物質材料を用いるのが望ましい。具体的には、リチウム金属複合酸化物、リチウム金属複合リン酸化合物、リチウム金属複合硫酸化合物、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子の少なくともいずれか、あるいはこれらを混合した材料が好適に用いられる。
特に、コア部の活物質材料が、層状のニッケル系のリチウム金属複合酸化物(以下、LiNiOと略記する。)であることが好適である。このときLiNiO中のニッケルの一部を他の元素に一部置換することがより好適である。置換元素の例としてはリチウム、ホウ素、リン、窒素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、錫のいずれか、あるいはこれらの組み合わせが好適である。これらLiNiO、その一部を置換した材料またはこれらの混合物は、Li比率の比較的高い層状の結晶構造であり、容量性能に優れている点で望ましい。特に、LiNiOのようなリチウム金属複合酸化物の金属元素を一部置換することで、層状材料の安定性(とりわけ高電圧充電での安定性)を向上することができる点で優れている。この他にも、置換元素を適当に選ぶことで、容量性能を保持した状態で、充電時のサイクル特性を向上することができたり、高温での貯蔵安定性を高めることができたり、より安価な代替元素によるコスト低減が図れるなど、使用目的や用途に適した特性を付与することができる点で優れている。
これらコア部の活物質材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。コア部を2層以上で構成する場合には、各層ごとに活物質材料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
コア部の形状としては、特に制限されるものではなく、例えば、球状、立方体形状、直方体、楕円球状、針状、板状、角状、柱状、不定形状などが挙げられる。好ましくは球状および楕円球状である。
コア部の平均粒径は、特に制限されるものではないが、20μm以下であることが好適である。より好ましくは0.1〜2μmの範囲である。コア部の平均粒子径が20μm以下、とりわけ2μm以下の場合には、コア部の材料特性を十分に発揮できるほか、電池活物質粒子全体の平均粒径を小さくして(例えば、数μm以下にして)、有効表面積を大きくすることができる。更に、所望の厚さのシェル部を十分確保することもできる。そのため、加速時などの高い応答性能が求められる場合でも、高出力を素早く供給することができ、高い追従性能(応答性能)を実現することができる。なお、下限値については、特に制限されるものではないが、0.1μm以上の場合には、粒子の作成や電極作成のための取り扱いが、微粉末として特別な管理を行うことなく、従来と同様に行える点で優れている。
(II)シェル部
シェル部は、コア部の外側(外層)に形成されてなるものであればよく、1層(単層)であっても良いし、2層以上で構成していてもよい。
このシェル部は、コア部の表面全体を被覆するように層状に配置されていてもよいし(図1A参照)、あるいはコア部の表面全体を多数の微粒子(粉末)を用いて覆う(添着する)ように配置されていてもよい(図1C参照)。即ち、コア部表面全体をシェル部の材料で被覆することで、粒子表面に占めるシェア部の材料による割合(高出力化に有効に寄与する表面積)を大きくできる。そのため加速時などの短時間に高出力を取り出す際にこれら粒子表面のシェア部の高出力な活物質材料を極めて有効に活用することができる。ただし、短時間に所望の高出力を十分に取り出すことができるのであれば、必ずしも粒子表面全体をシェル部の活物質材料で覆う必要はない。即ち、シェア部の活物質材料(例えば、粒状物)がコア部(コア粒子)表面に点在するように配置され、コア部表面の一部が露出したままの状態であってもよい。
シェル部を2層以上で構成する態様には、(1)シェル部表面から粒子内部に向けて、出力や容量等の性能(材料)が変化する層が、例えば、同心円状に複数積層された構造が挙げられる。このほかにも、(2)シェル部表面から粒子内部に向けて連続的に容量や出力等の性能が変化するような構造も含まれる。これらの場合には、例えば、各層ごとに材料を変えたり、2種以上の活物質材料の混合比率を変えるなどして、シェル部の表面から粒子内部に向けて出力や容量等の性能が増加ないし減少するように変化(機能傾斜)させることができる。さらに、本発明では、2種以上の材料を用いた造粒技術により製造可能なものが含まれえる。例えば、(3)マトリックス材料内に島状に別の材料が配置されてなるような海島構造であってもよい。また(4)半球の外殻部分ごとに異なる材料が配置されたような構造であってもよい。さらに(5)異なる材料からなる微粒子群をコア粒子表面に添着ないし被膜化したような構造であってもよい。さらに、上記(1)〜(5)を適当に組み合わせた構造などが挙げられる。ただし、これらに制限されるものではない。製造容易性、材料点数及び製造工数の削減(材料及び製造コストの低減)などの観点からは、1層(単層)で構成するのが望ましい。また、例えば、コア部との境界部での出力性能ないし容量性能の急激な変化を抑え、該境界部での内部抵抗の増加を抑制する観点からは、2層以上で構成するのが望ましいといえる。
シェル部の活物質材料としては、上述したように、コア部の活物質材料よりも出力性能に優れた高出力な活物質材料を用いるのが望ましい。具体的には、リチウム金属複合酸化物、リチウム金属複合リン酸化合物、リチウム金属複合硫酸化合物、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子の少なくともいずれか、あるいはこれらを混合した材料が好適に用いられる。
特に、シェル部の活物質材料がスピネルマンガン系のリチウム金属複合酸化物(以下、LiMnと略記する。)であることが好適である。このときLiMn中のマンガンの一部を他の元素に一部置換することがより好適である。置換元素の例としてはリチウム、ホウ素、リン、窒素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、ニッケル、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、錫のいずれか、あるいはこれらの組み合わせが好適である。これらLiMn、その一部を置換した材料またはこれらの混合物は、スピネル構造を持ちLi含有量によらずLiの移動が容易なため、出力性能に優れている点で望ましい。特に、LiMnのような酸化物の金属元素を一部置換することで、スピネル系材料の安全性(とりわけ高温での貯蔵安定性)を向上することができる点で優れている。この他にも、置換元素を適当に選ぶことで、出力性能を保持した状態で、充電時のサイクル特性を向上することができたり、高温時や過充電時の安全性を高めることができたり、より安価な代替元素によるコスト低減が図れるなど、使用目的や用途に適した特性を付与することができる点で優れている。
これらシェル部の活物質材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。シェル部を2層以上で構成する場合には、各層ごとに活物質材料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
上記したコア部とシェル部の活物質材料の組み合わせに関しては、コア部の活物質材料に対してシェル部の活物質材料が高出力であればよい。よって、上記したシェル部のLiMn、その一部を置換した材料またはこれらの混合物と、上記したコア部のLiNiO、その一部を置換した材料またはこれらの混合物の組み合わせに限定されるものではない。例えば、リチウムイオン電池の正極活物質を想定したリチウム金属複合酸化物の場合でも、下記表1に示すような各種材料の組み合わせが利用でき、電池に対するさまざまな設計要因から最適な材料を選択することが可能である。
このようなコア−シェル型構造をとる電池活物質にあっては、シェル部の体積が全体の40%以下であることが好適である。より好ましくは5%以上30%以下である。40%を超えるとシェル部の厚さ比が大きくなり、相対的にコア部が減少してしまう。そこで、40%以下とすることで、コア部の高容量材料をより一層有効に活用することができるものである。なお、下限値については、特に制限されるものではないが、5%以上の場合には、コア粒上にシェル材料を概ね均一に分散させることができる。これにより、高出力性能と容量性能を十分に生かし、双方の最適化を図ることができる。
また、シェル部の平均厚さは、1μm以下であり、好ましくは0.2μm以下であることが好適である。より好ましくは0.01μm以上0.2μm以下である。1μm以下の厚さとすることで、シェル部のリチウム拡散距離が長くなりすぎることもなく、高容量なコア部の全体積につき有効利用を図ることができる。即ち、コア部の中心部ないし最深部に至るまで有効に活用する(充放電反応に供する)ことができ、充放電効率を高めることができる。なお、下限値については、特に制限されるものではないが、0.01μm以上の場合には、シェル部1層(ないし2層以上)をコア部(コア粒子)表面に均一に形成することができる。これにより、シェル部に強く求められる加速時に非常にレスポンスよく短時間で高出力の取り出すことができる。その結果、ハイブリッド車などに適用することで、既存の内燃機関(ガソリンエンジン)と大差のない優れた高い加速性能を実現することができる点で優れている。
(III)溶出防止層
溶出防止層は、シェル部の外側(外層)に形成されてなるものであればよく、1層(単層)であっても良いし、2層以上で構成していてもよい。
この溶出防止層は、シェル部を形成する材料(粒子)の離脱を抑制することを目的としている。したがって、溶出防止層は、図1Bに示すようにシェル部1の表面全体を被覆するように層状に配置するか、あるいはシェル部の表面全体を多数の微粒子(粉末)を用いて覆う(添着する)ように配置するのが望ましい。即ち、シェル部表面全体を溶出防止層で被覆することで、シェル部を形成する材料(粒子)の離脱をより一層顕著に抑えることができる。
溶出防止層を2層以上で構成する態様は、上記シェル部を2層以上で構成する態様と同様である。即ち(1)溶出防止層表面から粒子内部に向けて、溶出防止等の性能(材料)が変化する層が、例えば、同心円状に複数積層された構造が挙げられる。このほかにも、(2)溶出防止層表面から粒子内部に向けて連続的に溶出防止等の性能が変化するような構造も含まれる。これらの場合には、例えば、各層ごとに材料を変えたり、2種以上の材料の混合比率を変えるなどして、溶出防止層表面から粒子内部に向けて溶出防止等の性能が増加ないし減少するように変化(機能傾斜)させることができる。さらに、本発明では、2種以上の材料を用いた造粒技術により製造可能なものが含まれえる。例えば、(3)マトリックス材料内に島状に別の材料が配置されてなるような海島構造であってもよい。また(4)半球の外殻部分ごとに異なる材料が配置されたような構造であってもよい。さらに(5)異なる材料からなる微粒子群をコア−シェル型構造の粒子表面に添着ないし製膜化したような構造であってもよい。さらに、上記(1)〜(5)を適当に組み合わせた構造などが挙げられる。ただし、これらに制限されるものではない。製造容易性、材料点数及び製造工数の削減(材料及び製造コストの低減)などの観点からは、1層(単層)で構成するのが望ましい。また、例えば、シェル部との境界部での抵抗増加を抑制する観点からは、2層以上で構成するのが望ましいといえる。
溶出防止層を構成する材料としては、シェル部を形成する材料(粒子)の離脱(溶出)を抑制し得るものであれば、特に制限されるものではない。好ましくは、当該溶出防止機能を備えて、尚且つ活物質材料として有効に利用することができるものである。溶出防止層を構成する材料としては、具体的には、例えば、LiMnのシェル部においては、一部の金属を置換したLiMnやリチウムイオン伝導性ポリマー、あるいはこれらの混合物が好適に用いられる。ただし、これらに制限されるものではない。
溶出防止層の平均厚さは、0.2μm以下、より好ましくは0.01μm以上0.1μm以下である。0.2μm以下とすることで、溶出防止層のリチウム拡散距離が長くなりすぎることもなく、高出力なシェル部と高容量なコア部の双方につき有効利用を図ることができる。即ち、シェル部やコア部へのリチウム拡散速度及び拡散量を妨げることなく、シェア部での高い応答速度による高出力の発現と共に、高容量なコア部全体を有効に活用する(充放電反応に供する)ことができ、充放電効率を高めることができる。なお、下限値については、特に制限されるものではないが、0.01μm以上の場合には、溶出防止層をシェル部表面に均一に形成することができる。これにより、溶出防止層に求められる、シェル部の材料の充放電環境下での溶出を効果的に抑えることができ、充放電サイクルが進むことによる出力性能の低下を効果的に抑え、長期間安定して高い出力性能を持続させることができる点で優れている。
上記したように、本発明の電池活物質としては、さまざまな材料が用いられる。例えば、リチウムイオンの正極活物質としては、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸蔵する作用を持つものが用いられる。例えば、スピネルマンガン系のリチウム金属複合酸化物は、その結晶構造上、リチウムイオンが結晶に出入りするサイトが方位に関係なく存在するので、リチウムイオン移動方向が限られる層状結晶構造を持つ複合酸化物より出力が高い(図2A参照のこと)。また、マンガン系のリチウム金属複合酸化物では、遷移金属にMnという低コスト材料を用いることができ、熱に対する安定性も優れている。一方、例えば、層状結晶構造を持つ複合酸化物である、層状リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)や、リチウム・コバルト・アルミニウム複合酸化物は、マンガンなどのスピネル系酸化物や他の層状酸化物より高い容量を持つ(図2B参照のこと)。これは、スピネルマンガン系のリチウム金属複合酸化(スピネル系リチウムマンガン酸化物)は、スピネル鉱(鉱物名)と同じ3次元チャネル構造を持っており、Mn1原子あたり0.5個のLi原子が活物質中に含まれている(図2A参照のこと。)。一方、層状リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO;ニッケル系のリチウム金属複合酸化物)、あるいは該LiNiO中のニッケルの一部を他の元素(例えば、CoやMn)に一部置換したものなどでは、リチウム原子層と遷移金属(M:Niのみ、あるいはMnとNi、及びCoが秩序正しく配置)原子層が酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち(図2A参照のこと。)、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
本発明によれば、これら特性の異なる2種の活物質材料をコア−シェル型構造に組み合わせて用いることにより、それぞれの材料の出力性能や容量性能を十分に生かすことができる。一般的に、ハイブリッド車等で求められる出力性能は、短時間に大電流を放電できることである。このような場合、活物質粒子のすべての部分において出力性能が良好である必要は無く、短時間の放電に必要な、表面に近い部分が高性能であれば十分である。しかし容量性能は活物質粒子の内部まで性能が必要になる。すなわち、シェル部に出力性能の高い材料を配して短時間の大電流放電に対応し、コア部に容量性能の高い材料を配して容量性能が求められる長時間の放電に対応することにより、活物質材料の特性を十分に生かすことができる。
上記コア部、シェル部および溶出防止層の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。この他にも、例えば、ICP質量分析法、原子吸光法、蛍光X線法、ラマン分光法、キレート滴定、パーティクルアナライザーによっても測定できる。
上記コア部粒子、活物質粒子(コア−シェル型構造からなる粒子、シェル部の外側に溶出防止層を設けた粒子)の平均粒径は、例えば、レーザー回折法により測定できる。この他にも、例えば、動的光散乱法、標準篩法、SEM観察、TEM観察によっても測定することができる。なお、コア部粒子や活物質粒子の形状は、後述する製造方法を用いる場合には概ね球状となるが、上記したように球状以外の形状(例えば、不定形状)も含まれ得る。よって、上記平均粒径は、粒子の形状が一様でないことから、絶対最大長で表すものとする。ここで、絶対最大長とは、例えば、SEM観察ないしTEM観察した際の粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の長さをとるものとする。
シェル部の平均厚さは、上記コア粒子とコア−シェル型構造からなる粒子の平均粒径から算出することができる。同様に、溶出防止層の平均厚さは、コア−シェル型構造からなる粒子とシェル部の外側に溶出防止層を設けた粒子の平均粒径から算出することができる。また、シェル部の平均体積も、コア部の平均粒径とシェル部の平均厚さから算出することができる。
次に、本発明のコア−シェル型構造をとる電池活物質の製造方法としては、特に制限されるべきものではなく、コア部の材料に対してシェル部の材料、更には溶出防止層の材料を添着・被覆する技術を適用することができるものである。具体的に、コア部の材料に対してシェル部の材料、更には溶出防止層の材料を添着・被覆させる技術としては、(a)湿式方法および(b)乾式方法のいずれをも適用することができる。
(a)湿式方法
湿式方法としては、予め形成したコア部の粒子の上にシェル部の原材料を塗布し再度焼結させることによってシェル部を形成する方法などが挙げられる。例えば、コア部の材料を共沈法により作製し、そのコア部粒子の表面に再度共沈法によりシェル部の材料を共沈させ、更に必要に応じてコア−シェル型構造からなる粒子の表面に共沈法により溶出防止層の材料を共沈させて、熱分解させ、焼成することにより、コア−シェル型構造を有する電池活物質(粒子)を得ることができる(図1A、図1B参照のこと。)。以下に、図1Aに示すコア−シェル型構造の電池活物質(粒子)の製造方法の具体例を簡単に説明するが、本発明は、これらの範囲に何ら制限されるものではない。
(i)共沈法によるコア部粒子の作製
コア部の原材料を混合させ(混合工程A)、共沈させ(共沈工程A)、熱分解させ(熱分解工程A)、焼成する(焼成工程A)ことにより、コア部粒子を作製する。
(混合工程A)
コア部の原材料、例えば、Li化合物、Ni化合物などを、所望のコア部の活物質材料の組成となるように水などの適用な溶媒に溶解させる。
上記Li化合物(粉体)としては、例えば、水酸化リチウムまたはその水和物、過酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム等があるが、これらに限定されるものではない。
上記Ni化合物(粉体)としては、例えば、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、硝酸ニッケル等があるが、これらに限定されるものではない。
上記溶媒としては、純水が好ましいが、これに制限されるものではない。
この過程で、必要に応じて、更に所望のコア部の活物質材料の組成になるように、コア部の活物質材料を構成する層状のリチウム金属複合酸化物の一部を置換する金属元素として、例えば、リチウム、ホウ素、リン、窒素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、錫等の少なくとも1種の金属元素を含む化合物を更に混入させてもよい。あるいは上記Ni化合物に、必要に応じてコア部の活物質材料を構成するリチウム金属複合酸化物の一部を置換する金属元素が含まれていてもよい。
本発明では、上記したLi化合物、Ni化合物などを水酸化物として共沈させるのが望ましい。LiやNi元素以外の他の元素(置換する金属元素)においても、水酸化物として共沈させて添加することが可能である。また、水酸化物以外でも金属、酸化物、硝酸塩、硫酸塩として添加することも可能である。
(共沈工程A)
混合工程で得られた水溶液を、室温から1〜20℃/分の昇温速度にて100〜110℃の範囲まで加熱し、その加熱温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、空気中ないし酸素雰囲気下、12〜48時間、加熱しながら攪拌し、水分を90%以上蒸発させて脱水する。ここでの加熱温度条件により、コア部粒子の大きさがコントロールできる。
(熱分解工程A)
共沈工程Aで得られた粉末を、適当なセラミックの容器(坩堝等)に移し、5〜30℃/分の昇温速度にて200〜400℃の間まで昇温し、その温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、空気中ないし酸素雰囲気下、1〜10時間熱分解(仮焼成)する。
(焼成工程A)
上記熱分解(仮焼成)の温度から5〜30℃/分の昇温速度にて500〜900℃の範囲まで昇温し、その温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、酸素2%または酸素雰囲気中、均質化を行いながら3〜15時間焼成する。焼成後、上記焼成温度から0.5〜5℃/分の降温速度にて200〜400℃の範囲まで降温し、その温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、空気中ないし酸素雰囲気下、1〜5時間、アニールを行うことで、所望のコア部粒子を作製することができるものである。本工程において、粒子を構成する材料が、活物質材料である層状構造のリチウム金属複合酸化物に成長する。
コア部粒子の金属元素の定量方法としては、ICP(誘導イオンプラズマ法)、非金属、金属元素の定量法としてはTOF−MASS(飛行時間型質量分析法)、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)などを用いることができる。
(ii)共沈法による活物質粒子の作製
再度共沈法によりシェル部の原材料を混合させ(混合工程B)、得られたコア部粒子の表面に、混合工程Bで得られたシェル部の原材料を共沈させ(共沈工程B)、熱分解させ(熱分解工程B)、焼成する(焼成工程B)ことにより、コア−シェル型構造を有する電池活物質(粒子)を得ることができる。
(混合工程B)
シェル部の原材料、例えば、Li化合物、Mn化合物などを、所望のシェル部の活物質材料となるように水などの適用な溶媒に溶解させる。
上記Li化合物(粉体)としては、例えば、水酸化リチウムまたはその水和物、過酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム等があるが、これらに限定されるものではない。
上記Mn化合物(粉体)としては、例えば、二酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、水酸化マンガン等があるが、これらに限定されるものではない。
上記溶媒としては、純水が好ましいが、これに制限されるものではない。
この過程で、必要に応じて、更に所望のシェル部の活物質材料になるように、シェル部の活物質材料を構成するスピネル系のリチウム金属複合酸化物の一部を置換する金属元素として、例えば、リチウム、ホウ素、リン、窒素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、ニッケル、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、錫等の少なくとも1種の金属元素を含む化合物を更に混入させてもよい。あるいは上記Mn化合物に、必要に応じてシェル部の活物質材料を構成するリチウム金属複合酸化物の一部を置換する金属元素が含まれていてもよい。
本発明では、上記したLi化合物、Mn化合物などを水酸化物として共沈させるのが望ましい。LiやMn元素以外の他の元素(置換する金属元素)においても、水酸化物として共沈させて添加することが可能である。また、水酸化物以外でも金属、酸化物、硝酸塩、硫酸塩として添加することも可能である。
(共沈工程B)
上記混合工程Bで得られた水溶液に上記焼成工程Aで得られたコア粒子を混合攪拌し、室温から1〜20℃/分の昇温速度にて100〜110℃の範囲まで加熱し、その加熱温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、空気中ないし酸素雰囲気下、12〜48時間、加熱しながら攪拌し、水分を90%以上蒸発させて脱水する。これにより、コア粒子の表面に、シェル部の原材料を共沈させることができる。ここでの加熱温度条件により、コア部粒子の表面上に被覆形成されるシェル部の厚さがコントロールできる。
(熱分解工程B)
上記共沈工程Bで得られた粒子を、適当なセラミックの容器(坩堝等)に移し、5〜30℃/分の昇温速度にて200〜400℃の間まで昇温し、その温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、空気中ないし酸素雰囲気下、1〜10時間熱分解(仮焼成)する。なお、熱分解の温度によって2次粒子の空隙率をコントロールすることができる。
(焼成工程B)
上記熱分解(仮焼成)の温度から5〜30℃/分の昇温速度にて500〜900℃の範囲まで昇温し、その温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、酸素2%または酸素雰囲気中、均質化を行いながら3〜15時間焼成する。焼成後、上記焼成温度から0.5〜5℃/分の降温速度にて200〜400℃の範囲まで降温し、その温度範囲(好ましくは当該温度範囲内の一定温度)で、空気中ないし酸素雰囲気下、1〜5時間アニールを行う、あるいはアニールすることなく、酸素を流しながら5分以内に室温まで落としてもよい(クエンチしてもよい。)。これにより、所望のコア−シェル型構造を有する電池活物質(粒子)を作製することができるものである。本工程において、粒子内のシェル部を構成する材料が、活物質材料であるスピネル系のリチウム金属複合酸化物に成長する。上記焼成温度条件を調整することによって、粒子形状、大きさ(縦横比)をコントロールできる。
シェル部の金属元素の定量方法としては、ICP(誘導イオンプラズマ法)、非金属、金属元素の定量法としてはTOF−MASS(飛行時間型質量分析法)、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)などを用いることができる。
本発明の製造方法に利用することのできる湿式方法としては、上記共沈法を利用した方法に何ら制限されるものではなく、他の方法、例えば、湿式スラリー法により、コア部の粒子を形成したり、該コア部の粒子の上にシェル部の原材料、さらには溶出防止層の材料を塗布し再度焼結するようにしてもよい。
(b)乾式方法
一方、乾式方法の一実施形態としては、例えば、コア部の粒子に、シェル部の材料(粉体)を混入させ、乾式混合する。混合方法としては、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、コスモス(川崎重工業製)、メカノフュージョン(ホソカワミクロン製)、サーフュージングシステム(日本ニューマチック工業製)、メカノミル・スピードニーダー・スピードミル・スピラコーター(岡田精工製)などいずれかの公知の方法、装置を適用して行うことができる。必要であれば、その後加熱する。これによりコア−シェル型構造の電池活物質を得ることができる。
また、乾式方法の他の実施形態としては、例えば、コア部の粒子の上に化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、パルス・レーザ・デポジッション法(PLD)、スパッタなどによってシェル部、更には溶出防止層を形成する方法を適用することもできる。
ここで、コア部の粒子は、上記した湿式方法で説明したような共沈法等を利用して形成したものを用いてもよいし、上記混合装置を用いて、予めコア部の材料(粉体)を適当な大きさに造粒して形成したものを用いてもよいなど、特に制限されるものではない。
さらに、上記したCVD、PVD、PLD、スパッタなどを用いた乾式方法では、直接正極(ここでは、集電体に予めコア部の粒子を担持(形成)したもの)の表面をシェル部の材料、更には溶出防止層で被覆することも可能である。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池では、出力性能と容量性能の異なるそれぞれの活物質材料の特性を十分生かすことのできる本発明の電池活物質を正極活物質の一部あるいは全部に用いることを特徴とするものである。
すなわち、本発明のリチウムイオン二次電池では、正極材料として本発明の電池活物質のほかにも、本発明の作用効果を損なわない範囲内で使用可能な他の正極活物質を含んでいてもよい。かかる他の正極活物質としては、従来公知の非水電解質リチウムイオン電池で使用される正極活物質を用いることができる。具体的には、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)を好適に使用できる。例えば、LiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiCr、LiCrOなどのLi・Cr系複合酸化物など、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したもの(例えば、リチウムニッケルマンガン酸化物等)などが併用できるなど、Li金属酸化物から選択し使用できるが、これらの材料に限定されるものではない。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル耐久性に優れ、低コストな材料である。この他にも、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが併用できる。
上記正極活物質の平均粒径としては、その製造方法にもよるが、出力性能と容量性能の異なるそれぞれの活物質材料の特性を十分生かすためには、0.1〜50μm、好ましくは0.1〜5μmの範囲であるのが望ましいといえる。ただし、本発明では、必ずしも上記範囲に制限されるものではない。ただし、製造方法にもよるが、正極活物質粒子が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくても良いことはいうまでもない。かかる正極活物質粒子の粒径および1次粒子の粒径は、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)観察、透過電子顕微鏡(TEM)観察により測定することができる。
正極活物質の製造方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の各種の複合酸化物の製造技術を適用することができる。詳しくは、本発明の電池活物質の製造方法として既に説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。即ち、本発明の電池活物質以外の他の正極活物質についても、本発明の電池活物質の製造方法と同様にして作製することができるものである。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極材料には、上記正極活物質が含まれていればよい。さらに、正極材料として、上記正極活物質以外に用いることのできる他の構成成分としては、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子ゲルないし固体電解質(ホストポリマー、電解液など)などが含まれ得る。電池電解質層に高分子ゲル電解質を用いる場合には、従来公知のバインダ、電子伝導性を高めるための導電助剤などが含まれていればよく、高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくても良い。電池電解質層に溶液電解質を用いる場合にも、正極材料には高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩などは含まれていなくてもよい。
上記導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボンファイバー(VGCF)等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、SBR、ポリイミドなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記高分子ゲル電解質は、イオン導伝性を有する固体高分子電解質に、従来公知の非水電解質リチウムイオン電池で用いられる電解液を含んだものであるが、さらに、リチウムイオン導伝性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれるものである。
ここで、高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質支持塩および可塑剤)としては、特に制限されるべきものではなく、従来既知の各種電解液を適宜使用することができるものである。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩の中から選ばれる、少なくとも1種類のリチウム塩(電解質支持塩)を含み、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)を用いたものなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
イオン導伝性を有する固体高分子電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、これらの共重合体のような公知の固体高分子電解質が挙げられる。
高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできるが、ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン導伝性を持たない高分子として例示したものである。
上記イオン伝導性を高めるための電解質支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)は、使用目的などに応じて決定すればよいが、2:98〜90:10の範囲である。すなわち、本発明では、特にLiNi酸化物からのラジカル酸素の放出により、電解液が分解されるのを抑制する観点から、非水電解質のなかでも、とりわけ電解液を用いる溶液電解質ないし高分子ゲル電解質に対して効果的に作用するものである。そのため、上記高分子ゲル電解質中のホストポリマーと電解液との比率(質量比)に関しては、電解液の分解による電池の膨れ対策目的で電解液量を制限する必要がなく、電池特性を優先することができるものである。
以下、本発明の電池活物質を正極活物質の一部あるいは全部に用いてなるリチウムイオン二次電池の代表的な実施形態につき、各構成要件に分けて説明する。ただし、本発明のリチウムイオン二次電池は、これらに何ら制限されるべきものではない。
[集電体]
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、SUSとアルミニウムのクラッド材あるいはこれら金属の組み合わせのめっき材などが好ましく使える。また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。複合集電体を用いる場合、正極集電体の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、SUS、チタンなどの導電性金属を用いることができるが、アルミニウムが特に好ましい。一方、負極集電体の材料としては、例えば、銅、ニッケル、銀、SUSなどの導電性金属を用いることができるが、SUS及びニッケル等が特に好ましい。また、複合集電体においては、正極集電体と負極集電体とは、互いに直接あるいは第三の材料からなる導電性を有する中間層を介して電気的に接続していれば良い。また、正極集電体及び負極集電体には、平板(箔)のほか、ラスプレート、すなわちプレートに切目を入れたものをエキスパンドすることにより網目空間が形成されるプレートにより構成されているものを用いることもできる。
集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
[正極(正極活物質層ともいう)]
ここで、正極活物質層の構成材料としては、本発明の電池活物質を正極活物質として含有する正極材料を用いることを特徴とするものであり、既に説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。
正極活物質層の厚さは、特に限定するものではなく、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極活物質層の厚さ(集電体の片面に形成される正極活物質層の厚さをいうものとする)は1〜500μm程度であり、この範囲であれば本発明でも十分に利用可能であるが、本発明の正極材料の持つ機能を有効に発現するには、特に4〜60μmの範囲とするのが望ましい。
[負極(負極活物質層ともいう)]
負極活物質層の構成材料としては、負極材料を用いるものであればよい。この負極材料に関しては、負極活物質を含むものであればよい。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、バインダ、イオン伝導性を高めるための電解質支持塩(リチウム塩)、高分子ゲルないし固体電解質(ホストポリマー、電解液など)などが含まれ得る。負極活物質の種類以外は、基本的に「本発明のリチウムイオン二次電池の正極材料」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、従来公知の溶液系のリチウムイオン電池でも使用される負極活物質を用いることができる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、アモルファスカーボン、コークスおよびメソフェーズピッチ系炭素繊維、グラファイト、非晶質炭素であるハードカーボンなどの炭素材料から選ばれてなる少なくとも1種を主材料とする負極活物質を用いることが望ましいが、特に限定されない。この他にも金属酸化物(特に遷移金属酸化物、具体的にはチタン酸化物)、金属(特に遷移金属、具体的にはチタン)とリチウムとの複合酸化物などを用いることもできる。
[電解質層]
本発明では、その使用目的に応じて、(a)セパレータに電解液を染み込ませてなるもの、(b)高分子ゲル電解質単独、ないしセパレータに該高分子ゲル電解質を含浸・担持させてなるもの、(c)高分子固体電解質単独、ないしセパレータに該高分子固体電解質を担持させてなるもののいずれにも適用し得るものである。
(a)セパレータに電解液を染み込ませてなるもの
セパレータに染み込ませることのできる電解液としては、既に説明した本発明のリチウムイオン電池の正極材料」の項の高分子ゲル電解質に含まれる電解液(電解質塩および可塑剤)と同様のものを用いることができる。そのため、ここでは電解液の好適な例を示し、詳細な説明は省略する。かかる電解液の好適な例としては、下記電解質を下記溶媒に溶解させることにより、電解質の濃度が0.5〜2モル/リットルに調整されているものである。ただし、本発明はこれらに何ら制限されるべきものではない。ここで、電解質としては、例えば、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBOB、LiCFSOおよびLi(CFSOの少なくとも1種類を好適に用いることができる。また、溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランおよびγ−ブチルラクトンよりなるエーテル類から少なくとも1種類を好適に用いることができる。
上記セパレータとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができるものであり、例えば、上記電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)、不織布セパレータなどを用いることができる。有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を持つ上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有するものである。
上記ポリオレフィン系微多孔質セパレータなどの多孔性シートの材質としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、PP/PE/PPの3層構造をした積層体、ポリイミドなどが挙げられる。
不織布セパレータの材質としては、例えば、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを用いることができ、使用目的(電解質層に要求される機械強度など)に応じて、単独または混合して用いる。
また、不織布セパレータのかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性を得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。すなわち、あまり不織布セパレータのかさ密度が大きすぎると、電解質層中の非電解質材料が占める割合が大きくなりすぎ、電解質層におけるイオン伝導度などを損なうおそれがあるためである。
上記セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできないが、ハイブリッド自動車や電気自動車、さらには燃料電池自動車などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、5〜200μmであることが望ましい。セパレータの厚さが、かかる範囲にあることで、保持性、抵抗が増大するのを抑制することができる。また、セパレータに微粒が食い込むことによって発生する短絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが望ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが望ましい。
上記セパレータ(ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)の微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。セパレータの微細孔の平均径が、上記範囲にあることで熱によってセパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きるという理由から、異常時信頼性が上がり、その結果として耐熱性が向上するという効果がある。すなわち、過充電で電池温度が上昇していったとき(異常時)に、セパレータが溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起きることで、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。そのため過充電できなくなり、過充電が解消する。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスがでて電池外装材の熱融着部(シール部)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
上記セパレータ(ポリオレフィン系微多孔質セパレータなど)の空孔率は20〜50%であることが望ましい。セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる短絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここでセパレータの空孔率とは、原材料レジンの密度と最終製品のセパレータの密度から体積比として求められる値である。
また不織布セパレータの空孔率は50〜90%であることが好ましい。空孔率が50%未満では、電解質の保持性が悪化し、90%超では強度が不足する。
上記セパレータへの電解液の含浸量は、セパレータの保液能力範囲まで含浸させればよいが、当該保液能力範囲を超えて含浸させてもよい。これは、電解質シール部に樹脂を注入して電解質層からの電解液の染み出しを防止できるため、該電解質層に保液できる範囲であれば含浸可能である。該電解液は、真空注液法などにより注液した後、完全にシールすることができるなど、従来公知の方法でセパレータに電解液を含浸させることができる。
(b)高分子ゲル電解質単独、ないしセパレータに該高分子ゲル電解質を含浸・担持させてなるもの及び(c)高分子固体電解質単独、ないしセパレータに該高分子固体電解質を担持させてなるもの
高分子ゲル電解質および高分子固体電解質に関しては、既に説明した本発明のリチウムイオン電池の正極材料の項の高分子ゲル電解質および高分子固体電解質と同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。また、セパレータに関しては、上記(a)セパレータに電解液を染み込ませてなるものの項のセパレータと同様のものを用いることができるため、ここでの説明は省略する。
上記(b)では、セパレータに高分子ゲル電解質を含浸・担持させてなるものも含まれるものである。この場合の上記セパレータへの高分子ゲル電解質の含浸・担持量は、セパレータの保液・保持能力範囲まで含浸・担持させればよいが、当該保液・保持能力範囲を超えて含浸・担持させてもよい。これは、電解質シール部に樹脂を注入して電解質層(主に高分子ゲル電解質)からの電解液の染み出しを防止できるため、該電解質層に保液・保持できる範囲であれば含浸・担持可能である。該高分子ゲル電解質は、セパレータに高分子電解質の原料のホストポリマー、電解液やリチウム塩を塗布・含浸後に、加熱することで、ホストポリマーを架橋させて、セパレータに高分子ゲル電解質を含浸・担持させればよいなど、特に制限されるものではない。
上記(c)でも、セパレータに高分子固体電解質を担持させてなるものも含まれるものである。この場合の上記セパレータへの高分子固体電解質の担持量は、セパレータの保持能力範囲まで担持させればよいが、当該保持能力範囲を超えて担持させてもよい。これは、電解質層に染み出しの原因となる電解液が存在しない為、液絡のおそれがないため、該電解質層に保持できる範囲であれば担持可能である。該高分子固体電解質は、セパレータに高分子電解質の原料のホストポリマー、溶剤(主に粘度調整用溶剤)やリチウム塩を塗布・含浸後に、加熱することで、ホストポリマーを架橋させると共に溶剤を除去して、セパレータに高分子固体電解質を担持させればよいなど、特に制限されるものではない。
なお、上記(a)〜(c)の電解質層は、1つの電池の中で併用してもよい。
また、高分子電解質は、高分子ゲル電解質層、正極活物質層、負極活物質層に含まれ得るが、同一の高分子電解質を使用してもよく、層によって異なる高分子電解質を用いてもよい。
ところで、現在好ましく使用される高分子ゲル電解質用のホストポリマーは、PEO、PPOのようなポリエーテル系高分子である。このため、高温条件下における正極側での耐酸化性が弱い。従って、酸化還元電位の高い正極材料を使用する場合には、負極(活物質層)の容量が、高分子ゲル電解質層を介して対向する正極(活物質層)の容量より少ないことが好ましい。負極(活物質層)の容量が対向する正極(活物質層)の容量より少ないと、充電末期に正極電位が上がり過ぎることを防止できる。なお、正極(活物質層)および負極(活物質層)の容量は、正極(活物質層)および負極(活物質層)を製造する際の理論容量として、製造条件から求めることができる。完成品の容量を測定装置で直接測定してもよい。ただし、負極(活物質層)の容量を対向する正極(活物質層)の容量と比べて少ないと、負極電位が下がりすぎて電池の耐久性が損なわれる恐れがあるので充放電電圧に注意する必要がある。例えば、一のセル(単電池層)の平均充電電圧を使用する正極活物質の酸化還元電位に対して適切な値に設定して、耐久性が低下しないように注意する。
電池を構成する電解質層の厚さは、特に限定するものではない。しかしながら、コンパクトな電池を得るためには、電解質としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好まく、電解質層の厚さは5〜200μmであることが望ましい。
[正極および負極端子板]
正極および負極端子板を用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよいが、積層されてなる電極、電解質および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持するだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、端子部での内部抵抗を抑える観点から、正極および負極端子板の厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
正極および負極端子板の材質は、従来公知のリチウムイオン電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金などを利用することができる。耐蝕性、作り易さ、経済性などの観点からは、アルミニウムを用いることが好ましい。
正極端子板と負極端子板との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極および負極端子板は、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
[正極および負極リード]
正極および負極リードに関しては、従来公知のリチウムイオン電池で用いられるリードと同様のものを用いることができる。なお、電池外装材(電池ケース)から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆しておくのが好ましい。
[電池外装材(電池ケース)]
リチウムイオン電池では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、電池本体である電池積層体ないし電池巻回体全体を電池外装材ないし電池ケースに収容するのが望ましい。軽量化の観点からは、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)の両面をポリプロピレンフィルム等の絶縁体(好ましく耐熱性の絶縁体)で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムなど、従来公知の電池外装材を用いて、その周辺部の一部または全部を熱融着にて接合することにより、電池積層体を収納し密封した構成とするのが好ましい。この場合、上記正極および負極リードは、上記熱融着部に挟まれて上記電池外装材の外部に露出される構造とすればよい。また熱伝導性に優れた高分子−金属複合ラミネートフィルムなどを用いることが、自動車の熱源から効率よく熱を伝え、電池内部を電池動作温度まですばやく加熱することができる点で好ましい。
高分子−金属複合ラミネートフィルムとしては、特に制限されるべきものではなく、高分子フィルム間に金属フィルムを配置し全体を積層一体化してなる従来公知のものを使用することができる。具体例としては、例えば、高分子フィルムからなる外装保護層(ラミネート最外層)、金属フィルム層、高分子フィルムからなる熱融着層(ラミネート最内層)のように配置し全体を積層一体化してなるものが挙げられる。詳しくは、外装材に用いられる高分子−金属複合ラミネートフィルムは、上記金属フィルムの両面に、高分子フィルムとして、まず耐熱絶縁樹脂フィルムを形成し、少なくとも片面側の耐熱絶縁樹脂フィルム上に熱融着絶縁性フィルムが積層されたものである。かかるラミネートフィルムは、適当な方法にて熱融着させることにより、熱融着絶縁性フィルム部分が融着して接合し熱融着部が形成される。上記金属フィルムとしては、アルミニウムフィルム等が例示できる。また、上記絶縁性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテトラフタレートフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ナイロンフィルム(耐熱絶縁性フィルム)、ポリエチレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)、ポリプロピレンフィルム(熱融着絶縁性フィルム)等が例示できる。ただし、本発明の外装材は、これらに制限されるべきものではない。
こうしたラミネートフィルムでは、超音波溶着等により熱融着絶縁性フィルムを利用して1対ないし1枚(袋状)のラミネートフィルムの熱融着による接合を、容易かつ確実に行うことができる。なお、電池の長期信頼性を最大限高めるためには、ラミネートシートの構成要素である金属フィルム同士を直接接合してもよい。金属フィルム間にある熱融着性樹脂を除去もしくは破壊して金属フィルム同士を接合するには超音波溶着を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池ともいう)であってもよいし、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池(バイポーラ型でない電池ともいう)であってもよい。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の用途としては、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車やハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高エネルギー密度、高出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。この場合には、本発明のリチウムイオン二次電池を複数個接続して構成した組電池とすることが望ましい。すなわち、本発明では、上記リチウムイオン二次電池を複数個、並列接続または直列接続または並列−直列接続または直列−並列接続の少なくとも一つを用いて組電池(車両用サブモジュール)とすることができる。これにより、種々の車両用ごとの容量・電圧の要望を基本の電池の組み合わせで対応が可能になる。その結果、必要エネルギー、出力の設計選択性を容易にすることが可能になる。そのため種々の車両用ごとに異なる電池を設計、生産する必要がなく、基本となる電池の大量生産が可能となり、量産化によるコスト削減が可能となる。
なお、組電池の他の構成要件に関しては、何ら制限されるべきものではなく、既存のリチウムイオン二次電池を用いた組電池の構成要件と同様のものが適宜適用することができるものであり、従来公知の組電池用の構成部材および製造技術が利用できるため、ここでの説明は省略する。
次に、上記の組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続した複合組電池とすることで、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに組電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。すなわち、本発明の複合組電池は、組電池を少なくとも2以上直列、並列、または直列と並列の複合接続したことを特徴とするものであり、基準の組電池を製造し、それを組み合わせて複合組電池とすることで、組電池の仕様をチューニングできる。これにより、仕様の異なる沢山の組電池種を製造しなくてよいため、複合組電池コストを減少することができる。更に本発明の組電池では、本発明のバイポーラ電池ないしバイポーラ型でない電池だけで構成したもの、本発明のバイポーラ電池とバイポーラ型でない電池とを組み合わせて構成したものなど、特に制限されるものではない。さらに、必要があれば、本発明のリチウムイオン二次電池と、既存のリチウムイオン二次電池とを適当に組み合わせて用いることもできる。
また、上記複合組電池では、これを構成する複数の組電池をそれぞれ脱着可能に接続しておくのが望ましい。このように、組電池を複数直並列接続されてなる複合組電池では、一部の電池、組電池が故障しても、その故障部分を交換するだけで修理が可能となるためである。
また、本発明の車両は、上記組電池および/または上記複合組電池を搭載することを特徴とするものである。これにより、軽く小さい電池にすることでスペース要望の大きな車両要望に合致できる。電池のスペースを小さくすることで、車両の軽量化も達成できる。
例えば、複合組電池を、ハイブリッドカーや電気自動車や燃料電池等の車両に搭載するには、当該車両の車体中央部の座席(シート)下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、電池を搭載する場所は、座席下に限らず、車両の床下、シートバック裏、後部トランクルームの下部でも良いし、車両前方のエンジンルームでも良い。
なお、本発明では、複合組電池だけではなく、使用用途によっては、組電池を車両に搭載するようにしてもよいし、これら複合組電池と組電池を組み合わせて搭載するようにしてもよい。また、本発明の組電池および/または複合組電池を、例えば、駆動用電源や補助電源等として搭載することのできる車両としては、通常のハイブリッドカー(ガソリンエンジンと本発明の組電池および/または複合組電池の組み合わせ)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車等が好ましいが、これらに制限されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の内容を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
I.正極活物質の作製
まず、以下の手順により正極活物質を作製した。
(正極活物質コア部の作製)
LiNiOを共沈法により作製した。具体的には、水酸化リチウムLiOH(HO)と水酸化ニッケルNi(OH)をLiとNiがモル比1:1になるよう水溶液を作成し、200℃で加熱しながら攪拌し水分を全体の95%以上蒸発させた。その後、セラミックの坩堝に移し、空気中で100℃/hで昇温、400℃で12時間仮焼成を行った。仮焼成後、800℃、酸素2%または酸素雰囲気中で24時間焼成し、コア部粒子として平均粒径10μmの層状リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)を得た。
(正極活物質シェル部の作製)
硝酸リチウムLiCOと硝酸マンガンMn(COをLiとMnがモル比1:2となるよう水溶液を作成し、上記のコア部粒子を加えて200℃で加熱しながら攪拌し水分を95%以上蒸発させた。その後、セラミックの坩堝に移し、空気中で100℃/hで昇温、400℃で12時間仮焼成を行った。仮焼成後、600℃、酸素2%または酸素雰囲気中で24時間焼成し、シェル部であるスピネル系のリチウムニッケル複合酸化物(LiMn)の平均厚さが0.5μmの活物質粒子を得た(図1A参照のこと)。得られた活物質粒子の平均粒子径は、10.5μmであった。
II.リチウムイオン二次電池の作製
次に以下の手順によりリチウムイオン二次電池を作製した。
(正極の形成)
正極活物質として上記の活物質粒子(85質量%)、導電助剤としてアセチレンブラック(5質量%)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(10質量%)を用いた。これらを溶媒(N−メチルピロリドン)に分散して、正極スラリーを得た。厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に本スラリーを塗布し、加圧・乾燥することにより厚さ40μmの正極を形成した。
(負極の形成)
負極活物質としての平均粒子径10μmのグラファイト(85質量%)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(10質量%)を用いた。これらを溶媒(N−メチルピロリドン)に分散して、負極スラリーを得た。厚さ20μmの銅箔の片面に本スラリーを塗布し、加圧・乾燥することにより厚さ40μmの負極を形成した。
(電池の作製)
形成した正極と負極を、セパレータ(ポリプロピレン多孔質膜、厚さ25μm)をはさんで重ね合わせ、ラミネートセルに収納したのち、電解液(LiPFを1mol/L含むエチレンカーボネートとジエチルカーボネート1:1(体積比)の混合溶液)を注ぎ、ラミネートフィルムの開口部を減圧下で封止することにより、リチウムイオン二次電池(単電池)を作製した。
III.電池の性能評価
次に以下の手順により、得られたリチウムイオン二次電池(単電池)の性能評価を行った。
(初充電の実施)
作製した単電池を2.7Vまで定電流充電(CC)し、その後定電圧(CV)で、合計15時間充電した。
(抵抗の測定)
いわゆる「高出力電池」とは、大電流時に一定時間(例えば5秒)の出力が可能である電池、言い換えれば電圧降下すなわち抵抗が小さい電池である。そこで作製した単電池にて、活物質理論容量から算出した50CA相当の(電極面積あたり)電流密度I[A/cm]により満充電(電位V[V])から5秒間の放電を行い、5秒後の電位V[V]とIから抵抗値R[Ωcm]を算出した。すなわち
として、1/Rを出力特性の指標とした。
(容量の測定)
作製した単電池にて、活物質理論容量から算出した0.2CA電流値により満充電から2.7Vまで放電を行い、放電時間と電流の積を活物質重量で除した値を容量とした。
実施例2
シェル部の平均厚さを0.75μm、活物質粒子の平均粒子径を10.75μmとした以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
実施例3
シェル部の平均厚さを0.3μm、活物質粒子の平均粒子径を10.3μmとした以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
実施例4
コア部粒子の平均粒径を5μm、シェル部の平均厚さを0.25μm、活物質粒子の平均粒子径を5.25μmとした以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
実施例5
コア部粒子の平均粒径を3μm、シェル部の平均厚さを0.15μm、活物質粒子の平均粒子径を3.15μmとした以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
実施例6
シェル部の平均厚さを1.3μm、活物質粒子の平均粒子径を11.3μmとした以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
比較例1
(正極活物質コア部の作製)の工程にて、平均粒径10μmのLiMn粒子を共沈法により作製し、得られたコア部粒子を正極活物質とし、(正極活物質シェル部の作製)の工程を省略した以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
上記LiMn粒子は、具体的には、硝酸リチウムLiCOと硝酸マンガンMn(COをLiとMnがモル比1:2となるよう水溶液を作成し、200℃で加熱しながら攪拌し水分を95%以上蒸発させた。その後、セラミックの坩堝に移し、空気中で100℃/hで昇温、400℃で12時間仮焼成を行った。仮焼成後、600℃、酸素2%または酸素雰囲気中で24時間焼成し、コア部粒子として平均粒径10μmのスピネル系のリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)を得た。
比較例2
(正極活物質コア部の作製)の工程にて、平均粒径10μmのLiNiO粒子を作製し、得られたコア部粒子を正極活物質とし、(正極活物質シェル部の作製)の工程を省略した以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
比較例3
(正極活物質コア部の作製)の工程にて、平均粒径10μmのLiMn粒子と平均粒径10μmのLiNiO粒子をそれぞれ作製し、これらのコア部粒子を該LiMn粒子とLiNiO粒子の体積比3:7に混合したものを正極活物質とし、(正極活物質シェル部の作製)の工程を省略した以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製し、初充電の実施、抵抗の測定及び容量の測定を行った。
下記に示す表2に、各実施例および比較例について、比較例1を基準とした相対的な出力および容量を示す。
注)コア活物質及びシェル活物質の体積比は、活物質粒子全体に対する比率である。
表2に示すように、各実施例は、比較例1に比していずれも容量が向上した。実施例6においては、容量の向上代が他の実施例に比して若干低下した。これはシェル部の活物質層の比体積が大きく、比較的厚いため、LiNiOに由来する容量の向上が小さいためであると考えられる。なお各実施例における容量の向上代は、単純にLiMnとLiNiOの容量と体積比から求めた容量よりは若干下回っている。これはコア部のLiNiOとシェル部のLiMnとの間をリチウムイオンが移動する際に抵抗があるためと考えられる。
また、実施例4および5においては、平均粒径を小さくすることにより、粒子表面を覆うシェル部の高出力な活物質(材料)による有効表面積が増加するため、見かけの出力性能が向上していると考えられる。出力性能は、粒径が10μm程度になるとほぼ同等とみなせる結果となった。
図1Aは、本発明の電池活物質の一実施形態であって、粒子内が異なる活物質材料によりコア−シェル型構造となっており、シェル部がコア部の表面全体を被覆するように層状に配置されている様子を表した活物質粒子の断面模式図である。図1Bは、本発明の電池活物質の他の実施形態であって、図1Aのシェル部の外側に、該シェル部の表面全体を被覆するように層状に更に溶出防止層を設けた構造となっている様子を表した活物質粒子の断面模式図である。図1Cは、本発明の電池活物質の更に他の実施形態であって、粒子内が異なる活物質材料によりコア−シェル型構造となっており、シェル部が多数の微粒子(粉末)を用いて覆う(添着する)ように配置されている様子を表した活物質粒子の断面模式図である。 図2Aは、本発明の電池活物質の一実施形態であって、活物質粒子のコア−シェル型構造を構成するコア部の材料の好適な一種である、層状のニッケル系のリチウムイオン金属複合酸化物(LiMO;M=Ni)の結晶構造を表す模式図である。図2BAは、本発明の電池活物質の一実施形態であって、活物質粒子のコア−シェル型構造を構成するシェル部の材料の好適な一種である、スピネルマンガン系のリチウム金属複合酸化物(LiM;M=Mn)の結晶構造を表す模式図である。
符号の説明
1 正極活物質粒子のシェル部、
2 正極活物質粒子のコア部、
3 正極活物質粒子全体、
4 溶出防止層。

Claims (17)

  1. 電池活物質であって、少なくとも2種以上の活物質材料から構成され、粒子内の材料がコア−シェル型構造となっており、コア部の活物質材料に対してシェル部の活物質材料が高出力であることを特徴とする電池活物質。
  2. 請求項1に記載の電池活物質であって、コア部の活物質材料が、リチウム金属複合酸化物、リチウム金属複合リン酸化合物、リチウム金属複合硫酸化合物、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子の少なくともいずれか、あるいはこれらの混合であることを特徴とする電池活物質。
  3. 請求項1または2に記載の電池活物質であって、シェル部の活物質材料が、リチウム金属複合酸化物、リチウム金属複合リン酸化合物、リチウム金属複合硫酸化合物、金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子の少なくともいずれか、あるいはこれらの混合であることを特徴とする電池活物質。
  4. 請求項3に記載の電池活物質であって、シェル部の活物質材料が、スピネルマンガン系のリチウム金属複合酸化物(以下、LiMnと略記する。)であることを特徴とする電池活物質。
  5. 請求項4に記載の電池活物質であって、シェル部の活物質材料が、LiMn中のマンガンの一部を他の元素に一部置換したものであることを特徴とする電池活物質。
  6. 請求項5に記載の電池活物質であって、LiMn中のマンガンの一部を置換する元素が、リチウム、ホウ素、リン、窒素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、ニッケル、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、錫のいずれか、あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする電池活物質。
  7. 請求項2乃至6に記載の電池活物質であって、コア部の活物質材料が、ニッケル系のリチウム金属複合酸化物(以下、LiNiOと略記する。)であることを特徴とする電池活物質。
  8. 請求項7に記載の電池活物質であって、コア部の活物質材料が、LiNiO中のニッケルの一部を他の元素に一部置換したものであることを特徴とする電池活物質。
  9. 請求項8に記載の電池活物質であって、LiNiO中のニッケルの一部を置換する元素が、リチウム、ホウ素、リン、窒素、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、錫のいずれか、あるいはこれらの組み合わせであることを特徴とする電池活物質。
  10. 請求項1乃至9に記載の電池活物質であって、シェル部の平均体積が、全体の40%以下であることを特徴とする電池活物質。
  11. 請求項1乃至10に記載の電池活物質であって、シェル部の平均厚さが、0.2μm以下であることを特徴とする電池活物質。
  12. 請求項1乃至11に記載の電池活物質であって、シェル部の外側に溶出防止層が設けられていることを特徴とする電池活物質。
  13. 請求項1乃至12に記載の電池活物質の製造方法であって、予め形成したコア部の粒子の上にシェル部の原材料を塗布し再度焼結させることによってシェル部を形成することを特徴とする電池活物質の製造方法。
  14. 請求項1乃至12に記載の電池活物質の製造方法であって、コア部の粒子の上にCVDによってシェル部を形成することを特徴とする電池活物質の製造方法。
  15. 請求項1ないし14の電池活物質を正極活物質の一部あるいは全部に用いるリチウムイオン二次電池。
  16. 請求項15のリチウムイオン二次電池を複数接続してなる組電池。
  17. 請求項16の組電池を搭載する車両。
JP2006030146A 2006-02-07 2006-02-07 電池活物質および二次電池 Active JP5223166B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030146A JP5223166B2 (ja) 2006-02-07 2006-02-07 電池活物質および二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030146A JP5223166B2 (ja) 2006-02-07 2006-02-07 電池活物質および二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007213866A true JP2007213866A (ja) 2007-08-23
JP5223166B2 JP5223166B2 (ja) 2013-06-26

Family

ID=38492119

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006030146A Active JP5223166B2 (ja) 2006-02-07 2006-02-07 電池活物質および二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5223166B2 (ja)

Cited By (53)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008204806A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 非水電解液二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびに、該正極活物質を用いた非水電解液二次電池
JP2009026741A (ja) * 2007-06-18 2009-02-05 Advanced Lithium Eletrochemistry Co Ltd 新規の共結晶金属化合物および同化合物を用いる電気化学酸化還元活性材料
WO2009063613A1 (ja) 2007-11-12 2009-05-22 Toda Kogyo Corporation 非水電解液二次電池用Li-Ni系複合酸化物粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池
JP2009525578A (ja) * 2006-03-30 2009-07-09 インダスタトリー− ユニヴァーシティ コーポレイション ファウンデーション ハンヤン ユニヴァーシティ リチウム電池用正極活物質、正極活物質の製造方法及び正極活物質を含むリチウム電池
JP2009218120A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Toyota Motor Corp 正極活物質
JP2011001256A (ja) * 2009-05-21 2011-01-06 Toyota Motor Corp 窒化リチウム−遷移金属複合酸化物の製造方法、窒化リチウム−遷移金属複合酸化物およびリチウム電池
CN102034976A (zh) * 2009-09-30 2011-04-27 三洋电机株式会社 正极活性物质、其制造方法以及非水电解质二次电池
US20110311867A1 (en) * 2009-02-27 2011-12-22 Yasuhiro Wakizaka Negative electrode active material for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery
JP2012033482A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
JP2012033481A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
CN102376939A (zh) * 2011-11-14 2012-03-14 东莞新能源科技有限公司 锂离子二次电池及其正极材料
CN102394295A (zh) * 2011-11-23 2012-03-28 东莞新能源科技有限公司 一种锂离子电池及其正极材料
CN102412387A (zh) * 2010-09-26 2012-04-11 比亚迪股份有限公司 一种锂离子电池正极及其制备方法以及一种锂离子电池
JP2012084506A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
JP2012089472A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
KR101155914B1 (ko) 2008-11-28 2012-06-20 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이온 이차 전지용 양극 및 이를 포함하는 리튬 이온 이차 전지
EP2478580A1 (fr) * 2009-09-15 2012-07-25 Hydro-Quebec Matériau constitue de particules composites d'oxyde, procédé pour sa préparation, et son utilisation comme matière active d' électrode
WO2012102037A1 (ja) * 2011-01-27 2012-08-02 出光興産株式会社 アルカリ金属硫化物と導電剤の複合材料
WO2012105372A1 (ja) * 2011-02-03 2012-08-09 株式会社 東芝 非水電解質二次電池
JP2013048112A (ja) * 2012-11-22 2013-03-07 Toyota Motor Corp 正極活物質
WO2013047510A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
CN103066282A (zh) * 2013-01-10 2013-04-24 东莞新能源科技有限公司 高电压锂离子电池正极材料及包含该材料的锂离子电池
CN103094554A (zh) * 2013-01-31 2013-05-08 湘潭大学 一种改性锰酸锂正极材料及其制备方法
US8440351B2 (en) 2008-11-28 2013-05-14 Samsung Sdi Co., Ltd. Positive electrode for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery including same
KR20130092990A (ko) * 2010-04-28 2013-08-21 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 축전 장치
EP2634148A1 (en) 2012-03-01 2013-09-04 GS Yuasa International Ltd. Active material for non-aqueous electrolyte secondary battery, method for production of the active material, electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery and non-aqueous electrolyte secondary battery
WO2014077277A1 (ja) * 2012-11-13 2014-05-22 日揮触媒化成株式会社 リチウム複合酸化物およびその製造方法、そのリチウム複合酸化物を含む二次電池用正極活物質、それを含む二次電池用正極、ならびにそれを正極として用いるリチウムイオン二次電池
JP2014515171A (ja) * 2011-04-26 2014-06-26 ユニスト・アカデミー−インダストリー・リサーチ・コーポレーション リチウム2次電池用正極活物質、その製造方法およびこれを含むリチウム2次電池
WO2014133063A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
WO2014133069A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
WO2014133064A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
JP2015060659A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 株式会社村田製作所 二次電池、及び二次電池の製造方法
US20150110971A1 (en) * 2011-11-01 2015-04-23 Quantumscape Corporation Composite electrodes for lithium ion battery and method of making
JP2015143176A (ja) * 2013-10-04 2015-08-06 株式会社半導体エネルギー研究所 リチウムマンガン複合酸化物、及び二次電池、並びに電気機器
JP2015533257A (ja) * 2013-06-18 2015-11-19 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
US20160190577A1 (en) * 2014-12-29 2016-06-30 Uchicago Argonne, Llc Layered-spinel electrodes for lithium batteries
CN107086298A (zh) * 2017-04-25 2017-08-22 中南大学 由层状富锂锰基和尖晶石型锰酸锂构成的核壳异构锂离子电池复合正极材料及其制备方法
JP2017531901A (ja) * 2014-10-02 2017-10-26 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池
JP2017536648A (ja) * 2014-10-02 2017-12-07 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池
WO2018137942A1 (de) * 2017-01-27 2018-08-02 Robert Bosch Gmbh Stabilisiertes aktivmaterial für lithium-ionen-batterien
JP2018133190A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2019537210A (ja) * 2016-10-31 2019-12-19 ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド 電力機器を始動するためのバッテリーモジュール
JP2020009562A (ja) * 2018-07-04 2020-01-16 本田技研工業株式会社 正極活物質粒子
US10741828B2 (en) 2016-07-05 2020-08-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material including lithium cobaltate coated with lithium titanate and magnesium oxide
JP2020172417A (ja) * 2019-04-12 2020-10-22 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物粉末、リチウム二次電池用正極活物質
US11094927B2 (en) 2016-10-12 2021-08-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material particle and manufacturing method of positive electrode active material particle
CN113690419A (zh) * 2021-08-25 2021-11-23 蜂巢能源科技有限公司 三元正极复合材料及其制备方法和锂离子电池
US11316151B2 (en) 2017-10-20 2022-04-26 Lg Chem, Ltd. Positive electrode active material for lithium secondary battery, method of preparing the same, and positive electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery which include the positive electrode active material
US11444274B2 (en) 2017-05-12 2022-09-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material particle
US11508960B2 (en) * 2017-11-23 2022-11-22 Ecopro Bm Co., Ltd. Lithium metal complex oxide and manufacturing method of the same
US11670770B2 (en) 2017-06-26 2023-06-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing positive electrode active material, and secondary battery
US11799080B2 (en) 2017-05-19 2023-10-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material, method for manufacturing positive electrode active material, and secondary battery
US11909032B2 (en) 2018-10-24 2024-02-20 Samsung Electronics Co., Ltd. Composite cathode active material, cathode and lithium battery each containing composite cathode active material, and preparation method of cathode active material

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190003110A (ko) 2017-06-30 2019-01-09 삼성전자주식회사 복합양극활물질, 이를 채용한 양극과 리튬전지 및 그 제조방법
US11081693B2 (en) * 2017-08-30 2021-08-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Composite cathode active material, method of preparing the same, and cathode and lithium battery including the composite cathode active material

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10199528A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液二次電池
JP2002231227A (ja) * 2000-12-15 2002-08-16 Korea Advanced Inst Of Sci Technol リチウム二次電池の正極用層相構造酸化物の表面処理方法
JP2006012426A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Nichia Chem Ind Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10199528A (ja) * 1997-01-10 1998-07-31 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液二次電池
JP2002231227A (ja) * 2000-12-15 2002-08-16 Korea Advanced Inst Of Sci Technol リチウム二次電池の正極用層相構造酸化物の表面処理方法
JP2006012426A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Nichia Chem Ind Ltd 非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池

Cited By (83)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8865348B2 (en) 2006-03-30 2014-10-21 Industry-University Cooperation Foundation, Hanyang University Positive active material comprising a continuous concentration gradient of a metal composition for lithium battery, method of preparing the same, and lithium battery including the same
JP2009525578A (ja) * 2006-03-30 2009-07-09 インダスタトリー− ユニヴァーシティ コーポレイション ファウンデーション ハンヤン ユニヴァーシティ リチウム電池用正極活物質、正極活物質の製造方法及び正極活物質を含むリチウム電池
US10367197B2 (en) 2006-03-30 2019-07-30 Industry-University Cooperation Foundation Hanyang University Positive active material composition for lithium battery, method of preparing the same, and lithium battery including the same
JP4756715B2 (ja) * 2006-03-30 2011-08-24 インダストリー− ユニヴァーシティ コーポレイション ファウンデーション ハンヤン ユニヴァーシティ リチウム電池用正極活物質、正極活物質の製造方法及び正極活物質を含むリチウム電池
JP2008204806A (ja) * 2007-02-20 2008-09-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 非水電解液二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびに、該正極活物質を用いた非水電解液二次電池
JP2009026741A (ja) * 2007-06-18 2009-02-05 Advanced Lithium Eletrochemistry Co Ltd 新規の共結晶金属化合物および同化合物を用いる電気化学酸化還元活性材料
WO2009063613A1 (ja) 2007-11-12 2009-05-22 Toda Kogyo Corporation 非水電解液二次電池用Li-Ni系複合酸化物粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池
KR20100093034A (ko) 2007-11-12 2010-08-24 도다 고교 가부시끼가이샤 비수전해액 이차 전지용 Li-Ni계 복합 산화물 입자 분말 및 그의 제조 방법, 및 비수전해질 이차 전지
EP2214234A4 (en) * 2007-11-12 2012-03-21 Toda Kogyo Corp LI-NI-BASED COMPOUND OXIDE PARTICULAR POWDER FOR A WATER-FREE ELECTROLYTE BATTERY, METHOD FOR THE PRODUCTION OF THE POWDER AND BATTERY WITH A WATER-FREE ELECTROLYTE
JP2009218120A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Toyota Motor Corp 正極活物質
KR101155914B1 (ko) 2008-11-28 2012-06-20 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이온 이차 전지용 양극 및 이를 포함하는 리튬 이온 이차 전지
US8440351B2 (en) 2008-11-28 2013-05-14 Samsung Sdi Co., Ltd. Positive electrode for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery including same
US20110311867A1 (en) * 2009-02-27 2011-12-22 Yasuhiro Wakizaka Negative electrode active material for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery
US9159992B2 (en) * 2009-02-27 2015-10-13 Zeon Corporation Negative electrode active material for lithium ion secondary battery and lithium ion secondary battery
JP2011001256A (ja) * 2009-05-21 2011-01-06 Toyota Motor Corp 窒化リチウム−遷移金属複合酸化物の製造方法、窒化リチウム−遷移金属複合酸化物およびリチウム電池
US9431675B2 (en) 2009-09-15 2016-08-30 Hydro-Quebec Material consisting of composite oxide particles, method for preparing same, and use thereof as electrode active material
EP2478580A4 (fr) * 2009-09-15 2014-02-19 Hydro Quebec Matériau constitue de particules composites d'oxyde, procédé pour sa préparation, et son utilisation comme matière active d' électrode
EP2478580A1 (fr) * 2009-09-15 2012-07-25 Hydro-Quebec Matériau constitue de particules composites d'oxyde, procédé pour sa préparation, et son utilisation comme matière active d' électrode
JP2011096626A (ja) * 2009-09-30 2011-05-12 Sanyo Electric Co Ltd 正極活物質、この正極活物質の製造方法、及び、正極活物質を用いた非水電解質二次電池
CN102034976A (zh) * 2009-09-30 2011-04-27 三洋电机株式会社 正极活性物质、其制造方法以及非水电解质二次电池
KR20130092990A (ko) * 2010-04-28 2013-08-21 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 축전 장치
JP2012033482A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
JP2012033481A (ja) * 2010-08-02 2012-02-16 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
CN102412387A (zh) * 2010-09-26 2012-04-11 比亚迪股份有限公司 一种锂离子电池正极及其制备方法以及一种锂离子电池
JP2012084506A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
JP2012089472A (ja) * 2010-10-15 2012-05-10 Qinghua Univ 電極用複合材料及びその製造方法、それを採用したリチウムイオン電池
JP5865268B2 (ja) * 2011-01-27 2016-02-17 出光興産株式会社 アルカリ金属硫化物と導電剤の複合材料
WO2012102037A1 (ja) * 2011-01-27 2012-08-02 出光興産株式会社 アルカリ金属硫化物と導電剤の複合材料
JPWO2012102037A1 (ja) * 2011-01-27 2014-06-30 出光興産株式会社 アルカリ金属硫化物と導電剤の複合材料
JP2012160420A (ja) * 2011-02-03 2012-08-23 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
US9209452B2 (en) 2011-02-03 2015-12-08 Kabushiki Kaisha Toshiba Non-aqueous electrolyte secondary battery
CN103370819B (zh) * 2011-02-03 2016-07-06 株式会社东芝 非水电解质二次电池
WO2012105372A1 (ja) * 2011-02-03 2012-08-09 株式会社 東芝 非水電解質二次電池
JP2014515171A (ja) * 2011-04-26 2014-06-26 ユニスト・アカデミー−インダストリー・リサーチ・コーポレーション リチウム2次電池用正極活物質、その製造方法およびこれを含むリチウム2次電池
JP5329006B1 (ja) * 2011-09-29 2013-10-30 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
WO2013047510A1 (ja) * 2011-09-29 2013-04-04 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
US20150110971A1 (en) * 2011-11-01 2015-04-23 Quantumscape Corporation Composite electrodes for lithium ion battery and method of making
CN102376939A (zh) * 2011-11-14 2012-03-14 东莞新能源科技有限公司 锂离子二次电池及其正极材料
CN102394295A (zh) * 2011-11-23 2012-03-28 东莞新能源科技有限公司 一种锂离子电池及其正极材料
KR20130100737A (ko) 2012-03-01 2013-09-11 가부시키가이샤 지에스 유아사 비수 전해질 2차 전지용 활물질, 그 활물질의 제조 방법, 비수 전해질 2차 전지용 전극 및 비수 전해질 2차 전지
EP2634148A1 (en) 2012-03-01 2013-09-04 GS Yuasa International Ltd. Active material for non-aqueous electrolyte secondary battery, method for production of the active material, electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery and non-aqueous electrolyte secondary battery
WO2014077277A1 (ja) * 2012-11-13 2014-05-22 日揮触媒化成株式会社 リチウム複合酸化物およびその製造方法、そのリチウム複合酸化物を含む二次電池用正極活物質、それを含む二次電池用正極、ならびにそれを正極として用いるリチウムイオン二次電池
JP2013048112A (ja) * 2012-11-22 2013-03-07 Toyota Motor Corp 正極活物質
CN103066282A (zh) * 2013-01-10 2013-04-24 东莞新能源科技有限公司 高电压锂离子电池正极材料及包含该材料的锂离子电池
CN103094554A (zh) * 2013-01-31 2013-05-08 湘潭大学 一种改性锰酸锂正极材料及其制备方法
WO2014133064A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
US9843033B2 (en) 2013-02-28 2017-12-12 Nissan Motor Co., Ltd. Positive electrode active substance, positive electrode material, positive electrode, and non-aqueous electrolyte secondary battery
WO2014133069A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
US9537148B2 (en) 2013-02-28 2017-01-03 Nissan Motor Co., Ltd. Positive electrode active substance, positive electrode material, positive electrode, and non-aqueous electrolyte secondary battery
JPWO2014133064A1 (ja) * 2013-02-28 2017-02-02 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
WO2014133063A1 (ja) 2013-02-28 2014-09-04 日産自動車株式会社 正極活物質、正極材料、正極および非水電解質二次電池
US9899674B2 (en) 2013-02-28 2018-02-20 Nissan Motor Co., Ltd. Positive electrode active substance, positive electrode material, positive electrode, and non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2015533257A (ja) * 2013-06-18 2015-11-19 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
JP2015060659A (ja) * 2013-09-17 2015-03-30 株式会社村田製作所 二次電池、及び二次電池の製造方法
JP2015143176A (ja) * 2013-10-04 2015-08-06 株式会社半導体エネルギー研究所 リチウムマンガン複合酸化物、及び二次電池、並びに電気機器
US10608248B2 (en) 2013-10-04 2020-03-31 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Lithium manganese composite oxide, secondary battery, and electrical device
JP2017531901A (ja) * 2014-10-02 2017-10-26 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池
JP2017536648A (ja) * 2014-10-02 2017-12-07 エルジー・ケム・リミテッド リチウム二次電池用正極活物質、この製造方法及びこれを含むリチウム二次電池
US10573889B2 (en) * 2014-12-29 2020-02-25 Uchicago Argonne, Llc Layered-spinel electrodes for lithium batteries
US20160190577A1 (en) * 2014-12-29 2016-06-30 Uchicago Argonne, Llc Layered-spinel electrodes for lithium batteries
US11043660B2 (en) 2016-07-05 2021-06-22 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material including lithium cobaltate coated with lithium titanate and magnesium oxide
US10741828B2 (en) 2016-07-05 2020-08-11 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material including lithium cobaltate coated with lithium titanate and magnesium oxide
US11094927B2 (en) 2016-10-12 2021-08-17 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material particle and manufacturing method of positive electrode active material particle
JP2019537210A (ja) * 2016-10-31 2019-12-19 ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド 電力機器を始動するためのバッテリーモジュール
JP7321932B2 (ja) 2016-10-31 2023-08-07 ジーアールエスティー・インターナショナル・リミテッド 電力機器を始動するためのバッテリーモジュール
JP2020505739A (ja) * 2017-01-27 2020-02-20 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングRobert Bosch Gmbh リチウムイオン電池用の安定化された活物質
WO2018137942A1 (de) * 2017-01-27 2018-08-02 Robert Bosch Gmbh Stabilisiertes aktivmaterial für lithium-ionen-batterien
CN110235281A (zh) * 2017-01-27 2019-09-13 罗伯特·博世有限公司 用于锂离子电池组的经稳定化的活性材料
JP2018133190A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池
CN107086298B (zh) * 2017-04-25 2020-04-28 中南大学 由层状富锂锰基和尖晶石型锰酸锂构成的核壳异构锂离子电池复合正极材料及其制备方法
CN107086298A (zh) * 2017-04-25 2017-08-22 中南大学 由层状富锂锰基和尖晶石型锰酸锂构成的核壳异构锂离子电池复合正极材料及其制备方法
US11444274B2 (en) 2017-05-12 2022-09-13 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material particle
US11489151B2 (en) 2017-05-12 2022-11-01 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material particle
US11799080B2 (en) 2017-05-19 2023-10-24 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Positive electrode active material, method for manufacturing positive electrode active material, and secondary battery
US11670770B2 (en) 2017-06-26 2023-06-06 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing positive electrode active material, and secondary battery
US11316151B2 (en) 2017-10-20 2022-04-26 Lg Chem, Ltd. Positive electrode active material for lithium secondary battery, method of preparing the same, and positive electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery which include the positive electrode active material
US11508960B2 (en) * 2017-11-23 2022-11-22 Ecopro Bm Co., Ltd. Lithium metal complex oxide and manufacturing method of the same
JP2020009562A (ja) * 2018-07-04 2020-01-16 本田技研工業株式会社 正極活物質粒子
JP7198600B2 (ja) 2018-07-04 2023-01-04 本田技研工業株式会社 正極活物質粒子
US11909032B2 (en) 2018-10-24 2024-02-20 Samsung Electronics Co., Ltd. Composite cathode active material, cathode and lithium battery each containing composite cathode active material, and preparation method of cathode active material
JP2020172417A (ja) * 2019-04-12 2020-10-22 住友化学株式会社 リチウム金属複合酸化物粉末、リチウム二次電池用正極活物質
CN113690419A (zh) * 2021-08-25 2021-11-23 蜂巢能源科技有限公司 三元正极复合材料及其制备方法和锂离子电池
CN113690419B (zh) * 2021-08-25 2023-04-14 蜂巢能源科技有限公司 三元正极复合材料及其制备方法和锂离子电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5223166B2 (ja) 2013-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5223166B2 (ja) 電池活物質および二次電池
JP6892492B2 (ja) 二次電池、電池パック及び車両
JP5135664B2 (ja) 非水電解質リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
US8728666B2 (en) Positive electrode material for lithium ion battery with nonaqueous electrolyte, and battery using the same
JP5136706B2 (ja) 非水電解質リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
CN107851832B (zh) 非水电解质二次电池
KR101669385B1 (ko) 정극 활물질, 정극 재료, 정극 및 비수전해질 이차 전지
JP4407211B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2007257890A (ja) 非水電解質リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
JP2007257885A (ja) 非水電解質リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
JP2010160984A (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池
KR20150121010A (ko) 정극 활물질, 정극 재료, 정극 및 비수전해질 이차 전지
KR20150119876A (ko) 정극 활물질, 정극 재료, 정극 및 비수전해질 이차 전지
WO2013146285A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2007257862A (ja) 二次電池用電極および二次電池
JP2010160982A (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JPWO2017154592A1 (ja) 非水電解液電池
JP2004134207A (ja) 正極活物質及び非水電解質二次電池
JP2011003318A (ja) リチウムイオン二次電池
CN106558725B (zh) 锂离子二次电池
JP2006216305A (ja) 二次電池
JP2007234458A (ja) 非水電解液二次電池
JP4529432B2 (ja) リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
JP2009009858A (ja) リチウムイオン二次電池用電極
WO2019069356A1 (ja) 電極群、二次電池、電池モジュール、蓄電装置、車両及び飛翔体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5223166

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3