JP2020009562A - 正極活物質粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池において、使用に伴う正極活物質の容量低下や伝導抵抗の上昇を抑制すること。【解決手段】リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質粒子であって、前記正極活物質粒子の中心部は、下記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有し、前記正極活物質粒子の外周部は、スピネル型構造を有する、正極活物質粒子である。[化1]LiNixMnyCozO2・・・(1)[一般式(1)中、x+y+z=1である。]【選択図】図1

Description

本発明は、正極活物質粒子に関する。
近年、自動車、パソコン、携帯電話等の大小さまざまな電気・電子機器の普及により、高容量、高出力の電池の需要が急速に拡大している。各種電池の中でも高いエネルギー密度・出力を示すリチウムイオン二次電池はあらゆる電子機器に用いられるものとして広く普及しており、さらなる高性能化が求められる。
従来のLiNiCoMnなどの三元系(NCM)の正極活物質が使用されるリチウムイオン二次電池では、使用に伴い正極活物質の結晶構造が変化するほか、電解質が酸化することによって、抵抗値の上昇や容量の低下が発生する。特許文献1には、炭素質およびLiNbOを正極活物質の表面にコートし、活物質と電解質の界面での高抵抗層の形成を抑制するとともに、電子伝導性を高める手法が開示されている。
国際公開2013/099878号公報
しかしながら電子伝導性を高める上記の手法においては、電子の授受による正極活物質の副反応を抑制することはできないため、使用に伴う抵抗値の上昇や容量の低下は依然として発生する。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、リチウムイオン二次電池において正極活物質の外周部を、安定なスピネル構造を有する物質でコートすることで、使用に伴う活物質表面の劣化および電解質の酸化を抑制し、容量の低下や抵抗値の上昇を緩和することを目的とする。
(1) 本発明は、リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質粒子であって、前記正極活物質粒子の中心部は、下記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有し、正極活物質粒子の外周部は、スピネル型構造を有する被覆層と、を有する、正極活物質粒子を提供する。
[化1]

LiNiMnCo・・・(1)

[一般式(1)中、x+y+z=1である。]
(2) (1)の発明において、前記正極活物質粒子は、粒子の中心に前記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するスピネル型構造を有する被覆層と、を有していてもよい。
これにより、正極活物質の劣化を抑制し、リチウムイオン電池の耐久性を向上させることができる。
(3) (1)または(2)の発明において、前記正極活物質粒子の電子顕微鏡観察に基づく粒子径Dsemは、1〜7μmであることが好ましい。
これにより、上記の効果をより確実に発揮することができる。
(4) (1)〜(3)の発明において、前記最外周に形成される被覆層による前記粒子の表面被覆率は、1〜75%であることが好ましい。
(5) (1)〜(4)の発明において、前記被覆率は、1〜50%であることがさらに好ましい。
(6) (1)〜(5)の発明において、前記被覆率は、1〜30%であることがさらに好ましい。
これにより、リチウムイオン電池において高い容量、低い抵抗値および高い耐久性を両立することができる。
(7) (1)〜(6)の発明において、前記被覆層の前記粒子における重量比は、2.0重量%以下であることが好ましい。
(8) (1)〜(7)の発明において、前記重量比は、0.03〜1.5重量%であることがさらに好ましい。
(9) (1)〜(8)の発明において、前記重量比は、0.03〜1.0重量%であることがさらに好ましい。
これにより、リチウムイオン電池において低い抵抗値と高い耐久性を両立することができる。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池において、使用に伴う正極活物質の容量低下や伝導抵抗の上昇を抑制することが可能となる。
本発明の正極活物質を示す概略図である。 本発明の正極活物質における、被覆層重量比毎の、コア粒子径に対する性能維持率を被覆率別に示すグラフである。 本発明の正極活物質における、被覆層重量比毎の、コア粒子径に対する被膜抵抗比を被覆率別に示すグラフである。 本発明の正極活物質における、活物質表面被覆率に対する耐久性能、容量維持率および被膜抵抗比を示すグラフである。 本発明の正極活物質における、被覆層重量比に対する耐久性能および被膜抵抗比を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[正極活物質]
図1は、正極活物質21の構造を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る正極活物質21は、菱面体晶系、空間群R−3mの層状岩塩型構造を有するLiNiCoMn(x+y+z=1)から構成されるコア粒子1と、コア粒子1を被覆するスピネル型構造を有する被覆層2と、を有する。また、正極活物質21は最外周に安定なスピネル型構造を有する被覆層を形成するものであれば二層のみに限られず、山荘以上の多層状の構造であっても構わない。また、粒子の中心から外周に向かって、組成が連続的に変化してもよい。
スピネル型構造を有する被覆層2としては特に限定されるものではなく、例えば、MgAl、FeAl、ZnAlO、MnAl、FeCr、MgCr、MnFe3+ 、FeFe3+ 、MgFe3+ などを用いることができる。なお、被覆層2は最外周に安定なスピネル型構造を有する被覆層を形成するものであれば一層のみに限られず、多層状であっても構わない。また、粒子の中心から外周に向かって、組成が連続的に変化してもよい。
スピネル型構造は層状岩塩型構造よりも安定な結晶構造であり、菱面体晶系、空間群R−3mの層状岩塩型構造を有するNiCoMn(x+y+z=1)から構成される正極活物質は、使用に伴う電子の授受による副反応のために、表面付近がスピネル型構造へと相転移していく。この結晶構造変化により、容量低下や伝導抵抗の上昇が起こる。
上記のスピネル型構造への相転移は使用に伴って徐々に進行するために、完全に相転移が進行するまでは、正極活物質の外周部には層状岩塩型構造とスピネル型構造が混在している。この状態では外周部の結晶性は低く、さらに構造変化が進行するのに伴い、相転移範囲は正極活物質の内部に向かって拡大していく。
正極活物質21は、電池の使用前において、安定なスピネル型構造の被覆層2を最外周に有している。スピネル型構造のみで構成される層は結晶性が高く、相転移のための活性化エネルギーが大きいため、電池の使用時においても結晶構造変化が起こらない。即ち、その内側の層状岩塩型構造を有するコア粒子1は安定な被覆層2に遮蔽され、結晶構造変化を起こさない。このため従来と比して、電池の使用に伴う容量の低下や抵抗値の上昇を抑制することができる。
正極活物質21の粒子径は、1〜7μm以内のものを用いる。正極活物質21中での被覆層2の重量比が一定であれば、コア粒子1の粒子径が大きいほど高い耐久性を示す。被膜を厚く形成でき、上記の遮蔽効果がより確実に発揮されるためである。また、小さい粒子径の正極活物質21において耐久性を向上させるためには、被覆層2の担持量および被覆率を大きくすればよい。
正極活物質21において、被覆層2による活物質表面被覆率は、1〜75%であることが好ましく、より好ましくは1〜50%であり、さらに好ましくは1〜30%である。この範囲において、被膜の抵抗値を低い水準に、活物質の容量を高い水準に保ちつつ、活物質の耐久性能を向上させることができる。被覆率の向上に伴いコア粒子1の構造が変化しにくくなる反面、被覆率が過度に大きければ被膜の抵抗値が上昇し、さらに活物質の初期容量が低下するためである。
正極活物質21において、被覆層2によるコア粒子1のコート量は、正極活物質21中での被覆層2の重量比基準で、2.0wt%以下であることが好ましく、より好ましくは0.03〜1.5wt%であり、さらに好ましくは0.03〜1.0wt%である。この範囲において、被膜の抵抗値を低い水準に保ちつつ、活物質の耐久性能を向上させることができる。コート量の増加に伴いコア粒子1の構造が変化しにくくなる反面、コート量が過度に多ければ被膜の抵抗値が上昇するためである。
[正極活物質の製造方法]
正極活物質21の製造方法としては特に限定されるものではなく、従来公知の溶液法、スパッタ法、物理混合等の手法によって、被覆層2をコア粒子1の表面にコートすることができる。
[リチウムイオン二次電池]
次に、本実施形態に係る電極活物質を正極活物質として含む正極を備えるリチウムイオン二次電池について説明する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、電解質と、セパレータで構成される。電池形状としては、角型、ペーパー型、積層型、円筒型、コイン型等が例示される。
正極は、正極活物質と、導電材と、結着剤と、場合によっては、固体電解質を含んで構成される。 正極活物質としては、遷移金属リン酸塩、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、二硫化チタン、二酸化マンガン、スピネル型リチウムマンガン酸化物(LiMn)、五酸化バナジウム、三酸化モリブデン、ニッケル/マンガン/コバルト三元系酸化物、リチウム過剰型遷移金属酸化物等が用いられる。
導電材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等が用いられる。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、PAA(ポリアクリル酸)塩、SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等が用いられる。
正極は、上述の正極活物質、導電材及び結着剤を所定の質量比で混合して得られる正極合剤を、ステンレス網等の集電体を芯材として加圧成形して成形体とすることで得られる。あるいは、正極は、上記正極合剤に溶媒を加えてペースト状にし、これを例えば金属箔(例えば、Al、Ti、Pt等)からなる集電体上に塗布して乾燥することで得られる。
負極は、負極活物質と、導電材と、結着剤と、増粘剤と、場合によっては、固体電解質を含んで構成される。 導電材としては、導電性カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等が用いられる。
結着剤としては、SBR(スチレン−ブタジエン共重合体)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン等が用いられる。
増粘剤としては、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PAA(ポリアクリル酸)及びPAA塩等が用いられる。
負極は、上述の負極活物質、導電材、結着剤及び増粘剤を所定の質量比で混合して得られるスラリーを、銅箔等の集電体上に塗布し、乾燥することで得られる。
電解質としては、塩類を有機溶媒に溶解させた電解液や固体電解質が用いられる。
塩類としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、LiSbF6、CHSOLi、CFSOLi、LiCl、LiC4F9SO3、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiBr、LiBOB、LiTFSI、LiFSI、CTFSI、LiPF等が用いられる。
有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、フロロエチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4メチル1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等が用いられる。
イオン液体は、常温で溶融状態のカチオンとアニオンとの塩である。イオン液体のアニオンとしては、(CFSO(TFSIとも言う)、(CSO(BETIとも言う)、(FSO)N(FSIとも言う)、(CSO、(CFSO、(CSO,BF 、AlF 、PF 、AsF 、SbF 、ClO 、AlCl 、CFSO 、CSO 、CSO 、CSO 、CHSO 、CSO 、CHOSO 、COSO 、(CFPF 、(CPF 、(CPF 、(CFSO(C−TFSIとも言う)、(CF(SO等が挙げられる。また、イオン液体のカチオンとしては1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム(MOI)、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−プロピル−3−メイツリミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム等のカチオン(イミダゾリウムイオン)、テトラブチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、N,N−ジメチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME)、トリメチルヘキシルアンモニウム(TMHA)、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウム等のカチオン(アンモニウムカチオン)、1−ブチル−3−メチルピリジニウム、1−ブチルピリジニウム等のカチオン(ピリジニウムイオン)、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム(BMP)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム(P13)等のカチオン(ピロリジニウムイオン)、1−エチル−1−メチルピペリジニウム、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム(PP13)等のカチオン(ピペリジニウムイオン)、トリエチルメトキシエチルホスホニウム(TEMEP)、トリエチルメチルホスホニウム、トリエチルヘキシルホスホニウム等のカチオン(ホスホニウムイオン)、トリエチルスルホニウム(TES)、トリエチルメチルスルホニウム、トリエチルヘキシルスルホニウム等のカチオン(スルホニウムイオン)等が挙げられる。
上記塩類を上記有機溶媒に溶解させてなる電解液は、通常、後述のセパレータに含浸又は充填させて用いられる。
固体電解質としては、ポリエチレンオキシド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール等の誘導体、混合物又は複合体が用いられる。
セパレータとしては、多孔性ポリマーやガラスフィルタ等が用いられる。なお、上述の固体電解質は、セパレータとしての機能も兼ねることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質粒子の中心部は、下記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有し、正極活物質粒子の外周部はスピネル型構造を有する、正極活物質粒子とした。また、前記正極活物質粒子は、粒子の中心に下記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有するコア粒子と、前記コア粒子を被覆するスピネル型構造を有する被覆層と、を有するものであってもよい。
[化2]

LiNiMnCo・・・(1)

[一般式(1)中、x+y+z=1である。]
これにより、正極活物質の結晶構造変化を抑制し、リチウムイオン電池の耐久性を向上させることができる。
また本実施形態では、前記正極活物質粒子の電子顕微鏡観察に基づく粒子径Dsemを、1〜7μmとした。
これにより、上記の効果をより確実に発揮することができる。
本実施形態では、前記最外周に形成される被覆層による前記粒子の表面被覆率は、1〜75%、好ましくは0.03〜1.5wt%、さらに好ましくは0.03〜1.0wt%とした。
これにより、スピネル型構造を有する被覆層により正極活物質を適度に被覆し、高い容量、低い抵抗値および高い耐久性を両立することができる。
本実施形態では、前記被覆層の前記粒子における重量比を、2.0wt%以下、好ましくは0.03〜1.5wt%、さらに好ましくは0.03〜1.0wt%とした。
これにより、スピネル型構造を有する被覆層を適度な厚さで形成し、低い抵抗値と高い耐久性を両立することができる。
以下、本発明の正極活物質について、実施例を用いて詳細に説明する。
上述の製造方法により製造したリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として、以下の手順で評価用電池を作製した。
(正極の作製)
正極活物質、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN―メチル―2―ピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤を調製した。得られた正極合剤を、集電体としてのアルミニウム箔に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形した後、所定のサイズに裁断することにより、正極を作製した。
(負極の作製)
負極活物質、およびPVDFをNMPに分散させて負極合剤を調製した。得られた負極合剤を、集電体としての銅箔に塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形した後、所定のサイズに裁断することにより、負極を作製した。
(評価用電池の作製)
正極および負極の集電体に各々リード電極を取り付けた後、正極と負極との間にセパレータを配し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。次いで、これを真空乾燥させて、各部材に吸着した水分を除去した。その後、アルゴン雰囲気下でラミネートパック内に電解液を注入し、封止した。こうして得られた電池を恒温槽に入れ微弱電流でエージングを行った。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比3:7で混合し、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を濃度が1mol/lになるように溶解させたものを用いた。
(充放電試験)
上記で得られた評価用電池について、以下のようにして充放電試験を行い、耐久性(性能維持率)を評価した。
60℃の温度条件下で充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験は、電流密度2.0mA/cmの定電流で充電上限電圧4.2Vまで充電を行い、次いで電流密度20mA/cmの定電流で放電下限電圧2.7Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計1000サイクル行うものとした。そして、サイクルごとに、放電容量を測定し、(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100という式を用いて、性能維持率を計算した。
図2〜図5は、上記の試験により得られた、本発明の正極活物質の性質を表すグラフである。これについて、順に検討する。
(性能維持率)
図2は、本発明の正極活物質における、コート量毎の、コア粒子径に対する性能維持率を被覆率別に示すグラフである。
図2によれば、被覆層2を有することで、被覆層2がない場合と比べ、性能維持率が向上することがわかる。また、コア粒子径が大きくなるほど、性能維持率が向上する。さらには、コート量および被覆率の増加に伴って、性能維持率が向上することがわかる。
(被膜抵抗比)
図3は、本発明の正極活物質における、コート量毎の、コア粒子径に対する被膜抵抗比を被覆率別に示すグラフである。
図3によれば、被覆層2を有することで、被覆層2がない場合と比べ、被膜抵抗比が上昇することがわかる。また、コア粒子径が大きくなるほど、被膜抵抗比が増加する。さらには、コート量および被覆率の増加に伴って、被膜抵抗比が向上することがわかる。
(被覆率と性能維持率、初期容量比、被膜抵抗比の関係)
図4は、本発明の正極活物質における、活物質表面被覆率に対する耐久性能、容量維持率および被膜抵抗比を示すグラフである。
被覆層2による活物質表面被覆率は、1〜75%であることが好ましく、より好ましくは1〜50%であり、さらに好ましくは1〜30%である。この範囲において、被膜の抵抗値を低い水準に、活物質の容量を高い水準に保ちつつ、活物質の耐久性能を向上させることができる。
図4において、被覆率の増加とともに性能維持率が向上していた。これは、安定なスピネル型構造による被覆率の向上に伴い、コア粒子1の構造が変化しにくくなるため、使用に伴う容量劣化が抑制されたものと推定される。また、被覆率が30%以上になると初期容量比は低下していき、被覆率が75%を超えて大きくなると被膜の抵抗値は急激に上昇した。
(コート量と性能維持率、被膜抵抗比の関係)
図5は、本発明の正極活物質における、被覆層コート量に対する耐久性能および被膜抵抗比を示すグラフである。
被覆層2によるコア粒子1のコート量は、正極活物質21中での被覆層2の重量比基準で、2.0wt%以下であることが好ましく、より好ましくは0.03〜1.5wt%であり、さらに好ましくは0.03〜1.0wt%である。この範囲において、被膜の抵抗値を低い水準に保ちつつ、活物質の耐久性能を向上させることができる。
図5において、コート量の増加とともに性能維持率が向上していた。これは、被覆層が厚くなるにつれ、コア粒子1の構造が変化しにくくなるため、使用に伴う容量劣化が抑制されたものと推定される。また、コート量が1.5wt%を超えて大きくなると被膜の抵抗値は急激に上昇した。
1 …コア粒子
2 …被覆層
21…正極活物質

Claims (9)

  1. リチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質粒子であって、
    前記正極活物質粒子の中心部は、下記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有し、
    前記正極活物質粒子の外周部は、スピネル型構造を有する、正極活物質粒子。
    [化1]

    LiNiMnCo・・・(1)

    [一般式(1)中、x+y+z=1である。]
  2. 前記正極活物質粒子は、
    粒子の中心に前記一般式(1)で表され且つ菱面体晶系で空間群R−3mの層状岩塩型構造を有するコア粒子と、
    前記コア粒子を被覆するスピネル型構造を有する被覆層と、を有する、請求項1に記載の正極活物質粒子。
  3. 前記正極活物質粒子の電子顕微鏡観察に基づく粒子径Dsemは、1〜7μmである、請求項1又は2に記載の正極活物質粒子。
  4. 前記コア粒子上の前記被覆層による表面被覆率は、1〜75%である、請求項1〜3に記載の正極活物質粒子。
  5. 前記コア粒子上の前記被覆層による表面被覆率は、1〜50%である、請求項1〜4に記載の正極活物質粒子。
  6. 前記コア粒子上の前記被覆層による表面被覆率は、1〜30%である、請求項1〜5のいずれかに記載の正極活物質粒子。
  7. 前記コア粒子と前記被覆層の合計質量に対する前記被覆層の質量比は、2.0質量%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の正極活物質粒子。
  8. 前記コア粒子と前記被覆層の合計質量に対する前記被覆層の質量比は、0.03〜1.5質量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の正極活物質粒子。
  9. 前記コア粒子と前記被覆層の合計質量に対する前記被覆層の質量比は、0.03〜1.0質量%である、請求項1〜8のいずれかに記載の正極活物質粒子。
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