JPWO2015152114A1 - 黒鉛系活物質材料、負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

第1の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第1の非黒鉛系炭素材料からなる第1の複合粒子、及び第2の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第2の非黒鉛系炭素材料からなる第2の複合粒子を含み、第2の複合粒子に占める第2の非黒鉛系炭素材料の質量比率Bを5質量%以上で且つ第1の複合粒子に占める第1の非黒鉛系炭素材料の質量比率Aより大きくし、第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率を1質量%以上にした、黒鉛系活物質材料。

Description

本発明は、黒鉛系活物質材料、負極及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、充放電サイクル特性に優れるため、携帯電話やノート型パソコン等の小型のモバイル機器用の電源として広く用いられている。また、近年では、環境問題に対する配慮と省エネルギー化に対する意識の高まりから、電気自動車やハイブリッド電気自動車、電力貯蔵分野といった大容量で長寿命が要求される大型電池に対する需要も高まっている。
一般に、リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵放出し得る炭素材料を負極活物質として含む負極と、リチウムイオンを吸蔵放出し得るリチウム複合酸化物を正極活物質として含む正極と、負極と正極とを隔てるセパレータと、非水溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液とで主に構成されている。
負極活物質として用いられる炭素材料としては、非晶質炭素や黒鉛が用いられ、特に高エネルギー密度が要求される用途では一般に黒鉛が用いられ、種々の黒鉛系材料の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、リチウムイオン電池用の負極材料として、黒鉛からなる芯材と、その表面に存在する炭素質層とを有する複合黒鉛粒子が開示されている。この炭素質層は、芯材に有機化合物を付着させて500℃以上で熱処理して得られ、芯材100質量部に対して炭素質層は0.05〜10質量部、BET比表面積は0.2〜30m/gであることが記載されている。この複合黒鉛粒子はリチウムイオンの受入性が高く、これを用いることにより、サイクル特性および出入力特性が良好なリチウムイオン電池を得ることができると記載されている。
特許文献2には、非水電解質二次電池において、非晶質炭素で被覆された被覆黒鉛粒子と、非晶質炭素で被覆されていない非被覆黒鉛粒子とが混合された黒鉛粒子を含む負極を用いることが開示されている。この被覆黒鉛粒子100質量部に占める非晶質炭素の質量は0.1〜10質量部であり、この被覆黒鉛粒子と非被覆黒鉛粒子との混合黒鉛粒子の比表面積が2〜5m/gであることが記載されている。このような混合黒鉛粒子を用いることにより、ハイレート充電時のリチウムの析出を抑制でき、且つ負極の内部抵抗が低下してサイクル劣化を抑制できることが記載されている。
特許文献3には、炭素材料Aと炭素材料Bを含む混合炭素材料であって、炭素材料A及び炭素材料Bはいずれも、黒鉛粉末からなる核材と、表面の一部に付着または被覆する表面炭素物質(非晶質炭素および乱層構造炭素の少なくとも一種)とからなるものが開示されている。そして、炭素材料Aの圧縮密度が1.80〜1.90g/cm、炭素材料Bの圧縮密度が1.45〜1.65g/cm、混合炭素材料の圧縮密度が1.75〜1.84g/cm、炭素材料Bの平均粒径が7μm以上14μm以下であるとともに、炭素材料Aの平均粒径より小さく、炭素材料Aの比表面積がそれぞれ4m/g以下、炭素材料Bの比表面積が6m/g以下であることが記載されている。このような混合炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池は、負極密度が高いことにより高容量を有しながら、高い充電受入性が達成され、しかも不可逆容量が少ないことが記載されている。
一方、特許文献4には、負極の容量を向上させるためプレスを行って負極の充填密度を高くすると、負極表面付近が過度に圧縮され、表面付近の空隙の大きさが内部に比べて小さくなり、その結果、負極に非水電解液が浸透しにくくなるため、負極の電解液保持量が不足し、二次電池の充放電サイクル特性の劣化を招くことが記載されている。そして、このような問題を解決するため、集電体に繊維状炭素質材料及び黒鉛質材料を含む塗料を塗布した後、乾燥させることにより密度が1.0〜1.3g/cmである活物質含有層を形成する工程と、プレスにより前記活物質含有層の密度を1.3〜1.6g/cmに高くする工程を有する方法により負極を作製することが記載されている。このように負極を作製することによって、負極の活物質含有層中の空隙の大きさを揃えることができるため、二次電池の充放電サイクル寿命を向上することができると記載されている。
また、特許文献5には、シートの厚み方向に密度分布または気孔率分布を持ち、内部が外表面部より高密度または低気孔率であるシート状炭素質成形体からなる非水電解液二次電池用炭素質電極板が開示されている。このような炭素質電極板は、外表面部が負極としての性能を発揮すると同時に、電解液を電極内部に浸透させる働きをもち、内部の層はより多くのリチウムをドープ・脱ドープする役割を担うとともに、高導電率の集電体としての働きも行い、優れた負極であることが記載されている。
特許第5270050号 特開2005−294011号公報 WO2010/113783 特開2001−196095号公報 特開平8−138650号公報
黒鉛系活物質材料を用いた負極の作製において、容量を向上させるためにプレスを行って負極の充填密度を高くすると、負極表面付近が過度に圧縮され、表面付近の空隙の大きさが内部に比べて小さくなり、電極の厚み方向の密度が不均一となる。その結果、電極内部の集電体付近では空隙の大きさが大きく充填密度が低くなる。一般に密度が高いと二次電池のサイクル特性が優れるが、このように充填密度が低くなるとサイクル特性の向上が困難になる問題が生じる。また、電極の表面付近では空隙が小さく充填密度が高いため、負極に電解液が浸透しにくくなり、負極の電解液保持量が不足し、二次電池のサイクル特性の低下を招く虞もある。さらに、プレス後の残存応力により電極の厚さの増大(スプリングバック)が生じる場合があり、負極の容量低下を招く虞もある。
本発明の目的は、上述の課題の少なくともサイクル特性に係る課題を解決する、リチウムイオン二次電池に好適な黒鉛系活物質材料及びこれを用いた負極、並びにサイクル特性が改善されたリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明の一態様によれば、第1の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第1の非黒鉛系炭素材料からなる第1の複合粒子、及び第2の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第2の非黒鉛系炭素材料からなる第2の複合粒子を含み、
第2の複合粒子に占める第2の非黒鉛系炭素材料の質量比率B(被覆量B)が、5質量%以上で且つ第1の複合粒子に占める第1の非黒鉛系炭素材料の質量比率A(被覆量A)より大きく、
第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率が1質量%以上である、黒鉛系活物質材料が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の黒鉛系活物質材料を含むリチウムイオン二次電池用負極が提供される。
本発明の他の態様によれば、リチウムイオンを吸蔵放出できる正極と、上記の負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池が提供される。
本発明の実施形態によれば、サイクル特性の優れたリチウムイオン二次電池に好適な黒鉛系活物質材料及びこれを用いた負極、並びにサイクル特性が改善されたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池の一例を説明するための断面図である。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。
本実施形態による黒鉛系活物質材料は、第1の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第1の非黒鉛系炭素材料からなる第1の複合粒子、及び第2の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第2の非黒鉛系炭素材料からなる第2の複合粒子を含む。ここで、被覆とは、黒鉛コア粒子の表面の少なくとも一部を非黒鉛系炭素材料が覆っていることを意味し、黒鉛コア粒子の表面の一部を覆っている場合、黒鉛コア粒子の表面の全部を覆っている場合のいずれも含む。黒鉛コア粒子の表面の70%以上が覆われていることが好ましく、80%以上が覆われていることがより好ましく、90%以上が覆われていることがさらに好ましい。
本実施形態による黒鉛系活物質材料において、第2の複合粒子に占める第2の非黒鉛系炭素材料の質量比率(被覆量B)は、第1の複合粒子に占める第1の非黒鉛系炭素材料の質量比率(被覆量A)より大きい。このような活物質材料においては、被覆量Bが被覆量Aより多いため、第2の複合粒子は第1の複合粒子より硬い。この硬い第2の複合粒子を第1の複合粒子と混合した本実施形態による活物質材料を負極の形成に用いることにより、この負極を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上することができる。
硬度の低い粒子を用いて電極を作製すると、プレス時に電極表面付近が過度に圧縮され、その表面付近の粒子が変形し、空隙の大きさが内部に比べて小さくなり密度が高くなる傾向がある。その一方で、内部の集電体付近ではプレス圧が十分に伝わりにくいため空隙が大きく密度が低くなる傾向がある。一般に密度が高いと二次電池のサイクル特性が優れるが、このように充填密度が低い部分がある電極を用いた二次電池のサイクル特性は改善の余地がある。本実施形態による活物質材料では、比較的硬度の低い第1の複合粒子に比較的硬い第2の複合粒子を混合しているため、電極厚さ方向に均一にプレス圧が伝わって密度が均一な電極を形成することができ、結果、サイクル特性の優れた二次電池を得ることができる。
また、プレスによる電極表面付近の粒子の過度の変形が抑えられ、電極表面付近に適度な空隙が形成されるため、非水電解液の浸透性が改善され、電解液保持量を向上することができ、サイクル特性向上に寄与することができる。さらに、電極内にプレス圧が均一に伝わる結果、プレス後の残存応力による電極厚さの増大(スプリングバック)を抑えることもでき、結果、電極の容量低下も抑えることができる。
以下に、本発明の実施形態による黒鉛系活物質材料、これを用いた負極、リチウムイオン二次電池について具体的に説明する。
(核材:第1及び第2の黒鉛コア粒子)
本実施形態による活物質材料に含まれる第1及び第2の複合粒子の核材(第1及び第2の黒鉛コア粒子)としては、通常の天然黒鉛や人造黒鉛を用いることができる。X線回折法による(002)面の面間隔d002が好ましくは0.3354〜0.340nmの範囲、より好ましくは0.3354〜0.338nmの範囲にある黒鉛材料を用いることができる。これらの中でも、コスト等の観点から天然黒鉛(d002=0.3354)が好ましい。第1及び第2の黒鉛コア粒子は、互いに異なる材料からなるものであってもよいし、同じ材料からなるものであってもよい。
第1及び第2の黒鉛コア粒子の形状は特に限定されないが、例えば、球形化されたものや、塊状、鱗片状のものを用いることができ、球形化された黒鉛を好適に用いることができる。第1及び第2の黒鉛コア粒子の形状は、互いに異なる形状のものであってもよいし、同じ形状のものであってもよい。
第1及び第2のコア粒子の平均粒径は、それぞれ所望の第1及び第2の複合粒子の平均粒径に応じて適宜選択することができる。例えば、充放電効率や入出力特性等の観点から、平均粒径が2〜40μmの範囲内にあることが好ましく、5〜30μmの範囲内にあることがより好ましく、10〜20μmの範囲内にあることが特に好ましい。ここで、平均粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒径(メジアン系:D50)を意味する。粒度分布D50/Dとして例えば1.2〜5の範囲にある第1及び第2のコア粒子を用いることができ、また、粒度分布D50/Dとして例えば2〜4の範囲にある第1及び第2のコア粒子を用いることができる。ここで、Dは、レーザー回折散乱法による粒度分布(体積基準)における積算値5%での粒径を意味する。
第1及び第2のコア粒子のBET比表面積(窒素吸着法により77Kでの測定に基づく。)は、それぞれ、充放電効率や入出力特性の観点から、例えば、0.3〜10m/gの範囲内にあることが好ましく、0.5〜10m/gの範囲内がより好ましく、0.5〜7m/gの範囲内にあることがより好ましい。
(被覆材料:第1及び第2の非黒鉛系炭素材料)
上述の核材(黒鉛コア粒子)の表面を非黒鉛系炭素材料で被覆することにより、その被覆量に従って、得られた複合粒子の硬度を高くすることができる。また、活物質材料と電解液との副反応を抑制でき、充放電効率が向上し、反応容量を増大することができる。
非黒鉛系炭素材料とは、黒鉛の三次元的結晶規則性を有しない炭素材料であり、乱層構造炭素材料、非晶質炭素材料がこれに含まれ、例えばガラス状炭素や、熱処理温度が低いために結晶化の進んでいない炭素材料も含まれる。これらの非黒鉛系炭素材料のなかでも比較的硬度の高い非晶質炭素材料が好ましい。第1及び第2の非黒鉛系炭素材料は、互いに異なる材料であってもよいし、同じ材料であってもよい。
非黒鉛系炭素材料で核材を被覆する方法は、通常の方法に従って行うことができる。例えば、核材表面に有機物を付着させ熱処理する方法や、化学気相成長法(CVD法)やスパッタ法(例えばイオンビームスパッタ法)、真空蒸着法、、プラズマ法、イオンプレーティング法等の成膜法を用いることができる。
核材表面に有機物を付着させ熱処理する方法において、核材表面に有機物を付着させる方法は、有機物と核材を乾式混合する方法、有機物の溶液と核材を混合し溶媒を除去する方法が挙げられる。有機物としては、石油系ピッチや石炭系ピッチ等のピッチ、フェノール樹脂やポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、スクロース等の樹脂を用いることができる。熱処理による炭化は、アルゴンガス雰囲気や窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気で、例えば400〜2000℃、好ましくは800〜1200℃の温度条件、例えば0.5時間〜12時間、好ましくは0.5時間から6時間の熱処理時間で行うことができる。
(被覆量A)
被覆量A(第1の複合粒子に占める非黒鉛系炭素材料の質量比率)は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。被覆量Aが少なすぎると、黒鉛の活性な端部で電解液が分解しやすくなりガスが発生したり、サイクル寿命が低下したりする虞がある。
また、この被覆量Aは、被覆量Bより少なく、5質量%未満が好ましく、4質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。被覆量Aが多すぎると、この活物質材料を用いた電池の初期容量が低下したり、サイクル初期の不可逆容量が増大したり、電極の圧縮密度を上げにくくなったりする虞がある。
(被覆量B)
被覆量B(第2の複合粒子に占める非黒鉛系炭素材料の質量比率)は、被覆量Aより多く、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%より大きいことがさらに好ましく、20質量%以上が特に好ましく、30質量%以上に設定できる。被覆量Bが少なすぎると、所望のサイクル特性改善効果が小さくなる虞がある。
また、この被覆層Bは、50質量%以下が好ましく、あるいは50質量%未満が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。被覆量Bが多すぎると、この活物質材料を用いた電池の初期容量が低下したり、サイクル初期の不可逆容量が増大したり、電極の圧縮密度を上げにくくなったりする虞がある。
被覆量A、Bは、熱重量分析により決定することができる。より具体的には、熱重量分析装置を用いて、所定の昇温速度で第1及び第2の複合粒子をそれぞれ900℃程度まで昇温し、温度上昇に伴う燃焼による重量変化を測定し、得られる減量曲線(横軸が温度、縦軸が重量変化)を解析することで算出できる。低温側に被覆材(非晶質炭素等の非黒鉛系炭素材料)の燃焼による重量減少があり、高温側に核材の燃焼による重量減少がある。この減量曲線から得られる微分曲線(横軸が温度、縦軸が重量減少率(%/K))の低温側ピークの積分値と高温側ピークの積分値から被覆量を算出することができる。
(第1及び第2の複合粒子の平均粒径および比表面積)
第1及び2の複合粒子を含む黒鉛系活物質材料の平均粒径は、充放電効率や入出力特性等の観点から、2〜40μmの範囲内にあることが好ましく、5〜30μmの範囲内にあることがより好ましい。ここで、平均粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒径(メジアン径:D50)を意味する。
また、第2の複合粒子の平均粒径は、サイクル特性向上の観点から、第1の複合粒子の平均粒径に対して十分な大きさであることが好ましく、同等程度あるいは同等以上の大きさであることが好ましい。比較的硬度の高い第2の複合粒子の平均粒径が比較的硬度の低い第1の複合粒子の平均粒径に対して小さすぎると、電極作製時のプレス圧の伝達機能が十分に発揮しにくくなり、サイクル特性向上効果が低減する虞がある。このような観点から、第1の複合粒子の平均粒径は、2〜38μmの範囲にあることが好ましく、5〜28μmの範囲にあることがより好ましい。第2の複合粒子の平均粒径は、5〜40μmの範囲にあることが好ましく、8〜30μmの範囲にあることがより好ましい。
第1及び第2の複合粒子を含む負極活物質材料のBET比表面積(窒素吸着法により77Kでの測定に基づく)は、充放電効率や入出力特性の観点から、0.3〜10m/gの範囲内にあることが好ましく、0.5〜10m/gの範囲内がより好ましく、0.5〜7.0m/gの範囲内にあることがより好ましい。
また、第1の複合粒子のBET比表面積は、3.4m/g以上7.0m/g以下の範囲にあることが好ましく、第2の複合粒子のBET比表面積は、0.9m/g以上3.4m/g未満の範囲にあることが好ましい。あるいは、第1の複合粒子のBET比表面積は、2.0m/g以上7.0m/g以下の範囲にあることが好ましく、第2の複合粒子のBET比表面積は、0.9m/g以上2.0m/g未満の範囲にあることが好ましい。
(線圧)
第1及び第2の複合粒子は、次の条件を満たすものが好ましい。
第2の複合粒子の圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Bが、第1の複合粒子の圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Aより大きいこと。
さらに、第1の複合粒子は、その圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Aが、10kgf/cm(98N/cm)以上50kgf/cm(490N/cm)未満の範囲にあることが好ましい。また、第2の複合粒子は、その圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Bが、50kgf/cm(490N/cm)以上180kgf/cm(1765N/cm)以下の範囲にあることが好ましい。線圧Bは、100kgf/cm(490N/cm)以上がより好ましく、また170kgf/cm(1667N/cm)以下がより好ましい。
このような線圧の値は、第1及び第2の複合粒子の硬度に関係し、線圧の値が大きい粒子ほど硬度が高い傾向にある。上記の線圧を示す第1及び第2の複合粒子を用いることによって、より優れたサイクル特性を得ることができる。
ここで、線圧は、ロールプレス機により電極表面に加えられた荷重を電極幅で除した値である。この電極幅は、プレス時の電極設置位置におけるロール幅方向の電極幅(塗布幅)に相当する。
圧縮密度は、プレス後に所定の大きさに電極を打ち抜いた電極について下記に従って導くことができる。ここで、電極は、箔等の集電体上に第1又は第2の複合粒子を含むスラリーを塗布し、乾燥して電極塗布層が形成されたものを意味する。
面密度A=(電極の重さ−集電体の重さ)/電極の面積
電極密度D=A/(電極の厚さ−集電体の厚さ)
このようにして得られたプレス後の電極密度Dが圧縮密度に相当する。
例えば、「圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧」は、種々の荷重でロールプレスを行い、それぞれのプレス後の電極の圧縮密度を測定し、その圧縮密度が「1.5g/cm」となった時の荷重から線圧を決定することができる。
(第1の複合粒子と第2の複合粒子の混合比率)
第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。第2の複合粒子の含有比率が少なすぎると、サイクル特性の改善効果が小さくなる虞がある。
また、第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、例えば10質量%未満に設定でき、また8質量%以下に設定できる。第2の複合粒子の含有比率が多すぎる(すなわち第1の複合粒子の含有比率が少なすぎる)と、この活物質材料を用いた電池の初期容量が低下したり、サイクル初期の不可逆容量が増大したり、電極の圧縮密度を上げにくくなったりする虞がある。
(黒鉛系活物質材料の製造方法)
以上に説明した第1及び第2の複合粒子を公知の混合方法で混合することによって、本実施形態による黒鉛系活物質材料を製造することができる。この黒鉛系活物質材料には、必要に応じて、所望の効果を損なわない範囲で他の活物質材料を混合してもよい。黒鉛系活物質材料全体に対する第1及び第2の複合粒子の含有量は90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。本実施形態による黒鉛系活物質材料は第1及び第2の複合粒子のみで構成できる。
(リチウムイオン二次電池用負極)
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池用負極は、例えば、負極集電体上に、上記の黒鉛系活物質材料と結着剤を含む負極活物質層を形成することで得ることができる。
この負極活物質層は、一般的なスラリー塗布法で形成することができる。具体的には、負極活物質、結着剤および溶媒を含むスラリーを調製し、これを負極集電体上に塗布し、乾燥し、必要に応じて加圧することで、負極を得ることができる。負極スラリーの塗布方法としては、ドクターブレード法、ダイコーター法、ディップコーティング法が挙げられる。予め負極活物質層を形成した後に、蒸着、スパッタ等の方法でアルミニウム、ニッケルまたはそれらの合金の薄膜を集電体として形成して、負極を得ることもできる。
負極用の結着剤としては、特に制限されるものではないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムが挙げられる。スラリー溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水を用いることができる。水を溶媒として用いる場合、さらに増粘剤として、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコールを用いることができる。
この負極用の結着剤の含有量は、トレードオフの関係にある結着力とエネルギー密度の観点から、負極活物質100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲にあることが好ましく、0.5〜25質量部の範囲がより好ましく、1〜20質量部の範囲がさらに好ましい。
負極集電体としては、特に制限されるものではないが、電気化学的な安定性から、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、タンタルおよびこれらの2種以上を含む合金が好ましい。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。
(リチウムイオン二次電池)
本発明の実施形態によるリチウムイオン二次電池は、上記負極と正極と電解質を含む。
正極は、例えば、正極活物質、結着剤及び溶媒(さらに必要により導電補助材)を含むスラリーを調製し、これを正極集電体上に塗布し、乾燥し、必要に応じて加圧することにより、正極集電体上に正極活物質層を形成することにより作製できる。
正極活物質としては、特に制限されるものではないが、例えば、リチウム複合酸化物やリン酸鉄リチウムなどを用いることができる。リチウム複合酸化物としては、マンガン酸リチウム(LiMn);コバルト酸リチウム(LiCoO);ニッケル酸リチウム(LiNiO);これらのリチウム化合物のマンガン、コバルト、ニッケルの部分の少なくとも一部をアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛など他の金属元素で置換したもの;マンガン酸リチウムのマンガンの一部を少なくともニッケルで置換したニッケル置換マンガン酸リチウム;ニッケル酸リチウムのニッケルの一部を少なくともコバルトで置換したコバルト置換ニッケル酸リチウム;ニッケル置換マンガン酸リチウムのマンガンの一部を他の金属(例えばアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛の少なくとも一種)で置換したもの;コバルト置換ニッケル酸リチウムのニッケルの一部を他の金属元素(例えばアルミニウム、マグネシウム、チタン、亜鉛、マンガンの少なくとも一種)で置換したものが挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。正極活物質の平均粒径については、電解液との反応性やレート特性等の観点から、例えば平均粒径が0.1〜50μmの範囲にある正極活物質を用いることができ、好ましくは平均粒径が1〜30μmの範囲にある正極活物質、より好ましくは平均粒径が5〜25μmの範囲にあるものを用いることができる。ここで、平均粒径は、レーザー回折散乱法による粒度分布(体積基準)における積算値50%での粒径(メジアン径:D50)を意味する。
正極用の結着剤としては、特に制限されるものではないが、負極用結着剤と同様のものを用いることができる。中でも、汎用性や低コストの観点から、ポリフッ化ビニリデンが好ましい。正極用の結着剤の含有量は、トレードオフの関係にある結着力とエネルギー密度の観点から、正極活物質100質量部に対して1〜25質量部の範囲が好ましく、2〜20質量部の範囲がより好ましく、2〜10質量部の範囲がさらに好ましい。ポリフッ化ビニリデン(PVdF)以外の結着剤としては、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドイミドが挙げられる。スラリー溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
正極集電体としては、特に制限されるものではないが、電気化学的な安定性の観点から、例えば、アルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼(SUS)、その他のバルブメタル、又はそれらの合金を用いることができる。その形状としては、箔、平板状、メッシュ状が挙げられる。特にアルミニウム箔を好適に用いることができる。
正極の作製に際して、インピーダンスを低下させる目的で、導電補助材を添加してもよい。導電補助材としては、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子が挙げられる。
電解質としては、1種又は2種以上の非水溶媒に、リチウム塩を溶解させた非水系電解液を用いることができる。非水溶媒としては、特に制限されるものではないが、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート;ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート;ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル;γ−ブチロラクトンなどのγ−ラクトン;1,2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)などの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテルが挙げられる。その他、非水溶媒として、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ジオキソラン誘導体、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒を用いることもできる。
非水溶媒に溶解させるリチウム塩としては、特に制限されるものではないが、例えばLiPF、LiAsF、LiAlCl、LiClO、LiBF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(CFSO、LiN(CFSO、リチウムビスオキサラトボレートが挙げられる。これらのリチウム塩は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用することができる。また、非水系電解質としてポリマー成分を含んでもよい。
正極と負極との間にはセパレータを設けることができる。このセパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリイミド等からなる多孔性フィルムや織布、不織布を用いることができる。
電池形状としては、円筒形、角形、コイン型、ボタン型、ラミネート型が挙げられる。ラミネート型の場合、正極、セパレータ、負極および電解質を収容する外装体としてラミネートフィルムを用いることが好ましい。このラミネートフィルムは、樹脂基材と、金属箔層、熱融着層(シーラント)を含む。この樹脂基材としては、ポリエステルやナイロンが挙げられ、この金属箔層としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン箔が挙げられる。熱溶着層の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性高分子材料が挙げられる。また、樹脂基材層や金属箔層はそれぞれ1層に限定されるものではなく2層以上であってもよい。汎用性やコストの観点から、アルミニウムラミネートフィルムが好ましい。
正極と負極とこれらの間に配置されたセパレータは、ラミネートフィルム等からなる外装容器に収容され、電解液が注入され、封止される。複数の電極対が積層された電極群が収容された構造とすることもできる。
本実施形態によるリチウムイオン二次電池の一例(ラミネート型)の断面図を図1に示す。図1に示すように、本実施形態によるリチウムイオン二次電池は、アルミニウム箔等の金属からなる正極集電体3と、その上に設けられた正極活物質を含有する正極活物質層1とからなる正極、及び銅箔等の金属からなる負極集電体4と、その上に設けられた負極活物質を含有する負極活物質層2とからなる負極を有する。正極および負極は、正極活物質層1と負極活物質層2とが対向するように、不織布やポリプロピレン微多孔膜などからなるセパレータ5を介して積層されている。この電極対は、アルミニウムラミネートフィルム等の外装体6、7で形成された容器内に収容されている。正極集電体3には正極タブ9が接続けられ、負極集電体4には負極タブ8が接続され、これらのタブは容器の外に引き出されている。容器内には電解液が注入され封止される。複数の電極対が積層された電極群が容器内に収容された構造とすることもできる。
(実施例1)
天然黒鉛と有機物を所定の質量比率で混合し、通常の方法に従って焼成を行って、黒鉛粒子が非晶質炭素で被覆された複合黒鉛粒子A及びBをそれぞれ調製した。
得られた複合黒鉛粒子Aに占める非晶質炭素の量は3質量%であり、得られた複合黒鉛粒子Bに占める非晶質炭素の量は40質量%であった。複合黒鉛粒子AのDは13.3μmであり、D50は18.4μmであり、比表面積は2.5m/gであった。複合黒鉛粒子BのDは9.4μmであり、D50は12.4μmであり、比表面積は1.0m/gであった。
複合黒鉛粒子Aの95質量部と複合黒鉛粒子Bの5質量部とを混合し、この混合物(負極活物質)とカルボキシルメチルセルロース1.0wt%水溶液とを混合してスラリーを調製した。これにバインダーとしてスチレン−ブタジエン共重合体を混合した。
このスラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に塗工し、塗布膜を乾燥させた。その後、塗布膜(負極塗布膜)の密度が1.4g/cmになるようロールプレスし、33×45mmの負極シートを得た。
Li(Li0.1Mn1.9)OとLiNi0.85Co0.15を質量比75:25で混合した複合酸化物(正極活物質)と、ポリフッ化ビニデンを、N−メチル−2‐ピロリドンに分散させてスラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔の両面に塗工し、塗布膜を乾燥させた。その後、塗布膜(正極塗布膜)の密度が3.0g/cmになるようにロールプレスし、30×40mmの正極シートを得た。
厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムからなるセパレータを介して正極塗布膜と負極塗布膜が対向するように、正極シートの両側に負極シートを重ね合わせた。正極用の引き出し電極、負極用の引き出し電極を設けた後、この積層体をラミネートフィルムで包み、電解液を注入し、封止した。
電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比3:7で混合したものに、リチウム塩(LiPF)を濃度1.0mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
以上のようにして作製したリチウムイオン二次電池について、充放電サイクル試験(Cycle−Rate:1C、温度:45℃、上限電圧:4.2V、下限電圧:2.5V)を行ったところ、400サイクル後の容量維持率は64%であった。
複合黒鉛粒子Aを単独で使用した以外は上記と同様にして負極シートを作製し、線圧A(圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧)を測定したところ、30kgf/cm(294N/cm)であった。
複合黒鉛粒子Bを単独で使用した以外は上記と同様にして負極シートを作製し、線圧B(圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧)を測定したところ、170kgf/cm(1667N/cm)であった。
(比較例1)
負極活物質として複合黒鉛粒子Aのみを用いた以外は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同じ条件で充放電サイクル試験を行ったところ、400サイクル後の容量維持率は60%であった。
このように、非晶質炭素の被覆量の多い複合黒鉛粒子Bを非晶質炭素の被覆量の少ない複合黒鉛粒子Aに混合することにより(実施例1)、複合黒鉛粒子Bを混合しない場合(比較例1)に比べて400サイクル後の容量維持率が向上した。
以上、実施の形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2014年3月31日に出願された日本出願特願2014−73712を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
1 正極活物質層
2 負極活物質層
3 正極集電体
4 負極集電体
5 セパレータ
6 ラミネート外装体
7 ラミネート外装体
8 負極タブ
9 正極タブ

Claims (13)

  1. 第1の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第1の非黒鉛系炭素材料からなる第1の複合粒子、及び第2の黒鉛コア粒子とその表面を被覆する第2の非黒鉛系炭素材料からなる第2の複合粒子を含み、
    第2の複合粒子に占める第2の非黒鉛系炭素材料の質量比率Bが、5質量%以上で且つ第1の複合粒子に占める第1の非黒鉛系炭素材料の質量比率Aより大きく、
    第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率が1質量%以上である、黒鉛系活物質材料。
  2. 第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率が3質量%以上である、請求項1記載の黒鉛系活物質材料。
  3. 第1の複合粒子と第2の複合粒子の合計に対する第2の複合粒子の含有比率が30質量%以下である、請求項1又は2記載の黒鉛系活物質材料。
  4. 第2の複合粒子に占める第2の非黒鉛系炭素材料の質量比率Bが10質量%より大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  5. 第2の複合粒子に占める第2の非黒鉛系炭素材料の質量比率Bが50質量%未満である、請求項1から4のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  6. 第1の複合粒子に占める第1の非黒鉛系炭素材料の質量比率Aが、0.1質量%以上5質量%未満の範囲にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  7. 第1の複合粒子に占める第1の非黒鉛系炭素材料の質量比率Aが、0.1質量%以上4質量%以下の範囲にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  8. 第2の複合粒子の圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Bが、第1の複合粒子の圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Aより大きい、請求項1から7のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  9. 第1の複合粒子の圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Aが、10kgf/cm(98N/cm)以上50kgf/cm(490N/cm)未満の範囲にあり、
    第2の複合粒子の圧縮密度を1.5g/cmにするのに必要な線圧Bが、50kgf/cm(490N/cm)以上180kgf/cm(1765N/cm)以下の範囲にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  10. 第1の黒鉛コア粒子および第2の黒鉛コア粒子がそれぞれ天然黒鉛からなる、請求項1から9のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  11. 第1の非黒鉛系炭素材料および第2の非黒鉛系炭素材料がそれぞれ非晶質炭素からなる、請求項1から10のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の黒鉛系活物質材料を含む、リチウムイオン二次電池用負極。
  13. リチウムイオンを吸蔵放出できる正極と、請求項12に記載の負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池。
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