JP2016143539A - 非水電解質二次電池用正極材料及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極材料及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】充電終止電圧の上昇により、体積当たりのエネルギー密度及び出力密度を向上させつつ、高温環境下でCoが溶出することを抑制することができる非水電解質二次電池用正極材料を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の非水電解質二次電池用正極材料は、一般組成式Li1+xCo1−yMyO2−δ(式中、MはNi、Mn、Al、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Bi、Cu、Ti、Si、Fe、P、F及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦δ≦0.02である)で表されるリチウム含有コバルト酸化物を含有する粒子を含み、前記粒子の最表面は、スピネル構造を有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極材料及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコン等のポータブル電子機器に搭載されている非水電解質二次電池には、より長時間の駆動時間を確保するため、高容量化が求められている。
例えば、充電終止電圧を高めることによって高エネルギー密度化、高出力化が可能となることが知られているが、正極劣化の加速や電池の安全性の低下が問題となっている。これらの問題の原因は、主に電解液と正極材料との界面で起こる副反応によるところが大きく、正極表面の化学状態を変化させることによって改善が図られている。
例えば、特開2011−96626号公報(特許文献1)には、高リチウム含有遷移金属酸化物粒子を正極材料として用いたリチウムイオン電池は、正極材料の中心部から最表面部に向かって結晶構造を層状岩塩構造からスピネル構造へと徐々に変化させることで、Li基準で4.8Vもの高電圧充放電における負荷特性、放電容量、及び充放電効率等の電池諸特性を向上させ得ることが提案されている。
また、米国特許第5,693,435号明細書(特許文献2)には、Li含有コバルト酸化物粒子を正極材料として用いたリチウムイオン電池において、正極材料の最表面のみを還元させることによって、Li基準で4.4Vの充電終止電圧での室温充放電サイクルによる劣化を抑制できることが報告されている。
特開2011−96626号公報 米国特許第5,693,435号明細書
しかし、特許文献1に記載された高リチウム含有遷移金属酸化物粒子を正極材料として用いたリチウムイオン電池は、高電圧充電によって高容量化できるものの、Li含有容量が多いことから他のLi含有遷移金属酸化物よりも真密度が低くなる。加えて、平均充放電電位が低いために、体積当たりのエネルギー密度と出力密度を向上させることが難しいという問題がある。
また、特許文献2に記載されたリチウム含有コバルト酸化物粒子を正極材料として用いたリチウムイオン電池は、真密度が高いことに加え、広範囲の充電状態において電位が高いことから、高い充電終止電圧で充放電することで、高エネルギー化及び高出力化が期待できる。しかしながら、高温環境下で高電圧を保持し続けることによって、Coの溶出が促進されてしまい、正極材料の構造破壊が起こるという問題を生ずる。
そこで本発明は、充電終止電圧の上昇により、体積当たりのエネルギー密度及び出力密度を向上させつつ、高温環境下でCoが溶出することを抑制することができる非水電解質二次電池用正極材料及びその製造方法、並びにその正極材料を用いた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意研究を行った結果、所定の組成を有するリチウム含有コバルト酸化物の粒子の最表面を特定構造とすることによって課題が解決されることを見出し、発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)一般組成式Li1+xCo1−y2−δ(式中、MはNi、Mn、Al、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Bi、Cu、Ti、Si、Fe、P、F及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦δ≦0.02である)で表されるリチウム含有コバルト酸化物を含有する粒子を含み、前記粒子の最表面は、スピネル構造を有している非水電解質二次電池用正極材料。
(2)ラマンスペクトルにおいて、650cm−1〜700cm−1の範囲にショルダーピークを有する上記(1)に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
(3)粒子が、Li、Zr、Ti、Al、Mg、Ni、Mn、Zn及びPからなる群より選択される1種以上の元素を含む酸化物又はフッ化物によってさらに被覆され、前記元素の原子数が、リチウム含有コバルト酸化物の分子数の10%以下である上記(1)又は(2)に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
(4)上記(1)に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法であって、
リチウム含有コバルト酸化物を合成する工程と、
合成したリチウム含有コバルト酸化物に対して、LiCO及び/又はLiOHを混合する工程と、
950℃以上1100℃以下の温度範囲で、2時間以上20時間以内のアニール処理を行う工程とを含む前記非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
(5)上記(1)に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法であって、
リチウム含有コバルト酸化物の原料にLiCO及び/又はLiOHを混合する工程と、
950℃以上1100℃以下の温度範囲で、5時間以上48時間以内のアニール処理を行う工程とを含む前記非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
(6)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極材料を含む正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを備える非水電解質二次電池。
(7)正極が、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極材料に加えて、一般組成式Li1+aNi1−b−c−dCoMnM’2−e(式中、M’はAl、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Ti、B、Si、Fe、P、F、S及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦a≦0.05、0≦b≦0.02、0.01≦c≦0.03、0.001≦d≦0.03、0≦e≦0.01である)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物を、前記リチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物及びリチウム含有コバルト酸化物の合計に対し5質量%以上50質量%以下の割合で含む上記(6)に記載の非水電解質二次電池。
(8)室温で且つ0.1C以下の負荷率で5Vまで充電したときの正極の充電曲線を電圧で微分することによって得られるdQ/dV曲線の最も高電位に確認されるピークの電位が、4.64V以上である上記(6)又は(7)に記載の非水電解質二次電池。
本発明によれば、高容量であり、かつ高温、高電圧での連続充電特性に優れる非水電解質二次電池用正極材料を提供することができる。なお、上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1、2及び3、並びに比較例1及び2の非水電解質二次電池用正極材料のラマンスペクトルを示す図である。 実施例1並びに比較例1及び2の非水電解質二次電池用正極材料のX線回折測定結果を示す図である。 本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態を示す概略図である。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料及びその製造方法、並びにその正極材料を用いた非水電解質二次電池について説明する。なお、本発明は下記に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲内において適宜変更して実施することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料は、
一般組成式Li1+xCo1−y2−δ (1)
(式中、MはNi、Mn、Al、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Bi、Cu、Ti、Si、Fe、P、F及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦δ≦0.02である)で表されるリチウム含有コバルト酸化物を含有する粒子を含み、その最表面は、スピネル構造を有していることを特徴とする。ここで、粒子の最表面とは、粒子の表面部分の厚さ100nm以内の領域をいう。上記正極材料を用いることによって、高容量であり、かつ高温・高電圧での連続充電が可能な非水電解質二次電池が得られる。
上記正極材料を用いて非水電解質二次電池の正極を作製するには、上記正極材料を、バインダ、導電助剤等とともに溶媒に分散させた正極合剤スラリーを調製し、この正極合剤スラリーを正極集電体の表面に塗布して正極合剤層を形成することにより行うことができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料は粒子状であり、1次粒子が凝集した2次粒子や、1次粒子により構成され、個々の形状は略球形であり得る。上記形状は、走査型電子顕微鏡により所定領域に存在する粒子を観察することによって確認することができる。粒子の直径は、5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、さらには5μm以上15μm以下の範囲と、20μm以上50μm以下の範囲にそれぞれピークを有するように分布していることがより好ましい。複数のピークを有することによって、正極合剤層における粒子の充填状態が改善される。上記粒度分布は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置により測定することができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料は、Coの溶出を抑える観点から、非水電解質との界面を小さくする必要がある。そのため、BET比表面積が小さい方が有利であるが、粒子のBET比表面積が小さ過ぎると、積層した際の密度が小さくなり、そのために電池容量が小さくなったり、高負荷における放電特性が低下したりするという問題が生じる。このため、BET比表面積Sは、0.01≦S≦1.0[m/g]の範囲内であることが好ましい。BET比表面積は、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて表面積を測定して求められる。具体的には、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いてBET比表面積を求めることができる。
前記一般組成式(1)において、Liに関するxは、0≦x≦0.1であり、0≦x≦0.03であることがより好ましい。xが0に満たない場合には、正極材料の粒子が小さくなり、粒子の直径が5μmを下回ってしまう。このような小さな粒子を用いて正極合剤層を形成すると、その密度が小さいために、十分な電池容量が得られない。また、表面積は大きくなることから、Coの溶出が起こり易くなる。一方、xが0.1を超える場合には大量の酸素欠損が生じる。このため、低充電状態における電位が低下して、低充電状態での出力低下を起こす。また、酸素が欠損しているために、構造が崩壊し易くなり、サイクル寿命が短くなる。さらに、正極材料の粒子表面におけるリチウムが多いために、このような正極材料を用いて調製した正極合剤スラリーはゲル状となり、形成した正極合剤層の抵抗が高くなったり、電池反応の際にガスが発生したりするため好ましくない。
Liに関するxが、0≦x≦0.1の範囲であることは、化学両論組成よりもわずかにLiが過剰な状態であることを意味している。このような状態では、4.5V以上の高電圧における構造崩壊を伴う相転移現象が抑制され、Coの溶出が防止される。正極材料のCoの平均価数は、2.8以上且つ3.3以下であることが好ましい。Coの価数は、誘導結合プラズマ発光分析とヨード滴定から計算され、LiとCoの原子数比及び酸素量を定量することによって得ることができる。
前記一般組成式(1)において、M(Ni、Mn、Al、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Bi、Cu、Ti、Si、Fe、P、F及びCl)に関するyは、0≦y≦0.1である。Ni、Mn、Al、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Bi、Cu及びTiに関しては、Coの一部と置き換えることで種々の電池特性を改善することができる。また、Si、Fe、P、F及びCl等は不可避的に不純物として含有する場合がある。
MとしてのNiの添加は、Co溶出を抑制する効果が大きくなるため好ましい。他の元素置換によっても、リチウム含有コバルト酸化物の構造を安定化させCo溶出を抑制する効果は得られるものの、充放電容量が低下するという問題がある。一方でNiは、本発明の範囲内であれば、添加量の増減による充放電容量の変化は極めて小さく、電池を高容量に維持しながらCo溶出を抑制する添加元素として好ましい。Niの添加量yは、0<y≦0.1であることが好ましく、電位の低下を抑制するためには、0<y≦0.05であることがより好ましい。
MとしてのMgの添加は、Li及びCoのサイトに置換されることで、リチウム含有コバルト酸化物の構造を安定化させ、Coの溶出を抑制する効果が大きくなることに加え、耐熱性を向上させる効果があるため好ましい。過剰に添加すると、リチウム含有コバルト酸化物の結晶格子が歪んで、電池の容量低下とともに、Liの移動度低下による負荷特性の低下を引き起こす恐れがある。また、Mgを過剰に含有した場合には、充放電サイクルに伴ってMgが溶出して電池の寿命低下を招くという問題があるため、Mgの添加量yは、0<y≦0.1であることが好ましく、0.005≦y≦0.01であることがより好ましい。
MとしてのAlの添加は、6配位のCoイオンとAlイオンのイオン半径がほぼ同等であることから、Coのサイトに置換されてリチウム含有コバルト酸化物の構造を安定化させ、Coの溶出を抑制する効果がある。また、耐熱性を向上させる効果がある。しかし、Mgと同様に、過剰に添加すると、リチウム含有コバルト酸化物の結晶格子が歪んで、電池の容量低下とともに、Liの移動度低下による負荷特性の低下を引き起こす恐れがある。Alの添加量yは、0<y≦0.1であることが好ましく、0<y≦0.01であることがより好ましい。
Zrの添加は、低充電状態の電位を高め出力を向上する効果に加え、4.3V以上での高電圧充放電サイクル寿命を向上させる効果がある。Zrの量yは、0<y≦0.1であることが好ましく、0.001≦y≦0.005であることがより好ましい。0.005を超えると、正極材料粒子の成長が抑制され、粒子が小さくなる場合がある。このような小さな粒子を用いて正極合剤層を形成すると、その密度が小さいために、十分な電池容量が得られない恐れがある。また、表面積が大きくなることから、Co溶出が起こり易くなる。Mn、V、W、Mo、Cr、Ti等は、Zrと同様の効果を発現させることができる。
Biの添加は、粒成長を促進し、高電圧においてもCo溶出反応を抑制する効果がある、Biの量yは、特に0.001≦y≦0.005であることが好ましい。0.005を超えると異相が発現し、電気化学的特性が低下する恐れがある。
前記一般組成式(1)において、酸素に関するδは、0≦δ≦0.02である。酸素の脱離による結晶構造の崩壊はCo溶出の一原因と考えられる。ヨード滴定とICPから算出されるδが0.02以下であれば酸素欠損は十分に小さくなる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料は、一般組成式(1)で表される、リチウム含有コバルト酸化物の粒子の中心部が空間群R3−mに帰属される層状岩塩構造であり、最表面である厚さ100nm以内の領域において空間群Fd3mに帰属されるスピネル構造に段階的に変化している。層状岩塩構造とスピネル構造は格子整合性があるため、酸素の配置はそのままで、段階的にLiとCo及びMを含む金属元素の配置が異なるため、二種類の構造に明確な境界は形成されず、Liの拡散への影響は小さい。さらに、構造安定なスピネル構造が最外殻に存在することで、不均化反応や、還元によるCo溶出等の電解液との副反応に起因するリチウム含有コバルト酸化物粒子表面の劣化が抑制される。その結果、高温、高電圧の連続充電特性が飛躍的に向上する。このような効果が得られるリチウム含有コバルト酸化物の粒子表面のラマンスペクトルにおいては、650cm−1〜700cm−1の範囲にショルダーピークを有する。本発明においてショルダーピークとは、ラマンスペクトルにおいて、約590cm−1に発現するピーク形状が左右非対称であり、且つ、そのピークトップから700cm−1の間に、バックグラウンドよりも高いスペクトル強度が保持された部分をいう。ラマンスペクトルの測定方法の一例を示すと、波長532nm、強度0.7mW〜1.0mWのレーザーをリチウム含有コバルト酸化物の粒子表面の一点に照射し、発生するラマン散乱光をCCDで検出器することによって得ることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料は、粒子が、Li、Zr、Ti、Al、Mg、Ni、Mn、Zn及びPからなる群より選択される1種以上の元素を含む酸化物又はフッ化物によってさらに被覆されていても良い。この場合には、充放電サイクルによる劣化抑制効果が向上することに加えて、Co溶出抑制効果も向上する。ただし、被覆する酸化物又はフッ化物の量が多過ぎると、抵抗が大きくなって電池容量が減少する恐れがある。したがって、被覆する酸化物又はフッ化物に含まれる上記元素は、一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物の分子数の10%以下であることが好ましい。
<非水電解質二次電池用正極材料の作製>
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料は、例えば、Li化合物、Co化合物、M化合物等を適当な割合で混合した混合物粉末を焼成することにより作製することができる。その他、特に限定されることなく、共沈法等により得られるLiを除く前駆体の水酸化物をLi化合物と混合し焼成することによって作製することも可能である。
Li化合物としては、LiOH、LiCO又はLiCl等を用いることができる。また、Co化合物、M化合物としては、これらの元素の水酸化物や酸化物等を用いることができる。合成時の温度は800℃〜1100℃であり、温度の保持時間は5時間〜48時間、加熱冷却速度rは1≦r≦5℃/分、合成時の雰囲気は大気又は酸素雰囲気とすることが好ましい。
次に、粒子の最表面をスピネル構造化するためには、例えば次のような手順で行うことができる。まず、合成後のリチウム含有コバルト酸化物に対して、LiCO及び/又はLiOHを混合する。分子量比0.5%以上10%以下の割合で混合することが好ましい。次に、950℃以上1100℃以下の温度範囲で、2時間以上20時間以内のアニール処理を行う。このときの、加熱冷却速度rは1≦r≦5℃/分とすることが好ましく、アニール処理時の雰囲気は大気又は酸素雰囲気とし、圧力は大気圧以下とすることが好ましい。
別の方法として、まず、リチウム含有コバルト酸化物の合成時に、リチウム含有コバルト酸化物の原料に対しLiCO及び/又はLiOHを余分に混合する。分子量比0.5%以上10%以下の割合で混合することが好ましい。次に、950℃以上1100℃以下の温度範囲で、5時間以上48時間以内のアニール処理を行うことによって粒子の最表面をスピネル構造化することができる。このときの、加熱冷却速度rは1≦r≦5℃/分とすることが好ましい。
上述のアニール処理によって、リチウム含有コバルト酸化物の表面のリチウムと酸素が蒸発してスピネル構造化する。
一般組成式(1)においては、酸素濃度が低いと、Li添加量が多い場合に酸素脱離が起き易くなる。またMとしてNiを使用した場合は、Niが一部Liサイトに遷移し易いことが分かった。酸素濃度は、Li及びNiの含有量に応じて適宜調整することが可能であり、例えば、一般組成式(1)のLiに関わるxが0.1であり、Niに関わるyが0.05である場合は、酸素濃度を20%以上とすることが好ましい。このように焼成雰囲気を調整することで、酸素欠損やNiの遷移が抑制され、粉末XRDにおけるスペクトルにおいて、空間群R3−mに帰属される層状岩塩構造が観測され、且つ(104)面に帰属する回折強度に対する(003)面に帰属する回折強度の比率が1.5以上30以下となる。上記製造方法により、容量、出力、耐熱性、高電圧での保存、高電圧での連続充電特性が向上した非水電解質二次電池用正極材料を得ることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料において、粒子を、Li、Zr、Ti、Al、Mg、Ni、Mn、Zn及びPからなる群より選択される1種以上の元素を含む酸化物又はフッ化物でさらに被覆するには、例えば次の手順で行う。
Zr、Ti、Al、Ni、Mn、Zn酸化物を被覆する場合には、pH値が9以上11以下、温度が60℃以上80℃以下に調整された水酸化ナトリウムないしは水酸化リチウム水溶液中に非水電解質二次電池用正極材料の粉末を撹拌し分散させた後、被覆元素の硝酸塩ないしは硫酸塩を滴下する。このときpH値が変化しないように、アンモニア水を同時に滴化することで共沈物が生成される。その後、共沈物と正極材料粉末を5時間以上撹拌しつづけ、随時水酸化ナトリウムないしは水酸化リチウムでpH値が変動しないように調整する。特にNi、Mn等の共沈物を得る場合には水溶液中の溶存酸素を窒素で置換することがより好ましい。次に、吸引ろ過によって、共沈物が付着した正極材料粉末と水溶液を分離し、超純水で洗浄、乾燥させる。この粉末を焼成することによってZr、Ti、Al、Ni、Mn、Zn酸化物による被覆層が形成された非水電解質二次電池用正極材料が得られる。
Zr、Ti、Al、Ni、Mn、Zn酸化物を被覆する他の方法としては、所望の元素のアルコキシドをアルコール溶媒に溶解させ、温度が60℃以上80℃以下で撹拌、乾燥させることで非水電解質二次電池用正極材料に付着させ、焼成する方法もある。
また、Liを含むZr、Ti、Al、Ni、Mn、Zn、P酸化物を被覆する場合には、上記のいずれかの方法で非水電解質二次電池用正極材料の粒子表面に被覆元素の前駆体を付着させた後、LiOHやLiCOを混ぜて焼成すれば良い。
また、例えばAlFのようなフッ化物を被覆する場合は、pH値が9以上11以下、温度が60℃以上80℃以下に調整された水酸化ナトリウムないしは水酸化リチウム水溶液中に非水電解質二次電池用正極材料の粉末を撹拌し分散させた後、窒化アルミニウム水和物を入れる。そこへフッ化アンモニウム水溶液を少しずつ滴下し、5時間以上撹拌した後、ろ過、乾燥させ、不活性ガス雰囲気中で焼成すれば良い。
被覆を行う際の焼成温度は400℃以上600℃以下であることが好ましく、焼成時間は5時間以上24時間以下とすることが好ましい。焼成雰囲気は、酸化物を得る場合は空気又は酸素等の酸化雰囲気、フッ化物を得る場合は窒素等の不活性雰囲気とすることが好ましい。
上記非水電解質二次電池用正極材料を用いて正極を作製するには、上記正極材料を、バインダ、導電助剤等と混合して溶媒に分散させて正極合剤スラリーを調製し、この正極合剤スラリーを正極集電体の表面に塗布して正極合剤層を形成することにより行う。
バインダとしては、非水電解質二次電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを用いても良い。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体又はそのNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体又はそのNaイオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体又はそのNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体又はそのNaイオン架橋体等が適用可能である。これらを単独で使用しても良く、また、2種以上を併用しても良い。これらの中では、非水電解質二次電池での安定性や、特性への影響等を考慮すると、PVDF又はアクリル系の材料が特に好ましく用いられる。
導電助剤としては、非水電解質二次電池内で化学的に安定なものであれば、無機材料、有機材料のいずれでも良い。例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等のグラファイト、単層又は多層のカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、VGCF、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維、アルミニウム粉等の金属粉末、フッ化炭素、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等からなる導電性ウィスカー、酸化チタン等の導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が使用可能である。これらを単独で使用しても良く、また、2種以上を併用しても良い。これらの中では、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。
導電助剤の形態としては、例えば、粒子状である場合、1次粒子のみに制限されず、2次粒子や鎖状構造等の集合体の形態を有するものも用いることができる。このような集合体の形態を有する導電助剤の場合、取り扱いがより容易であり、正極の生産性を高めることができる。
正極合剤層に占める正極材料の質量は、85%〜99%であることが好ましい。正極材料の含有比率が85%より小さいと電池容量が小さくなり、逆に、99%より大きいと導電助剤の量が相対的に少なくなって正極の抵抗が高くなる恐れがある。
上記正極材料として、一般式(1)で表される非水電解質二次電池用正極材料のみを用いても良いが、他の正極材料と組み合わせても良い。組み合わせる正極材料としては、例えば、一般組成式Li1+aNi1−b−c−dCoMnM’2−e (2)
(式中、M’はAl、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Ti、B、Si、Fe、P、F、S及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦a≦0.05、0≦b≦0.02、0.01≦c≦0.03、0.001≦d≦0.03、0≦e≦0.01である)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物が挙げられる。このリチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物を組み合わせる場合、リチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物及びリチウム含有コバルト酸化物の合計に対し5質量%以上50質量%以下の割合で含むことが好ましい。
一般式(2)で表されるような正極材料を組み合わせることで、非水電解質二次電池としての電気化学特性や安全性を向上させることができる。
正極合剤層に占めるバインダの質量は、0.2質量%〜5質量%とすることが好ましい。また、正極合剤層に占める導電助剤の質量は、0.5質量%〜8質量%とすることが好ましい。
正極材料としての本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料、バインダ及び導電助剤等を含む正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記載)等に分散させて正極合剤スラリーを調製する。この正極合剤スラリーを正極集電体の片面又は両面に塗布した後、NMPを蒸発させ、さらにプレス処理を行って集電体表面に正極合剤層を形成する。プレス処理は、正極合剤層の厚みや密度を調節するためのもので、例えば、ロールプレス機や油圧プレス機を用いて行うことができる。このようにして作製された正極合剤層の密度は、3.5g/cm以上4.5g/cm以下であることが好ましい。正極の作製方法は上記に限定されず、他の作製方法によっても良い。
正極集電体の材料は、非水電解質二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂等の他に、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼の表面に炭素層又はチタン層を形成した複合材等を用いることができる。上記材料の中では、軽量で導電性が高いことから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。正極集電体の材料としては、例えば、前記材料のフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体等も使用できる。また、正極集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。正極集電体の厚みは特に限定されないが、1μm〜500μmとすることが好ましい。
集電体表面に正極合剤スラリーを塗布する方法としては、スピンコーティング、ディッピング、スクリーン印刷等の各種の方法を用いることができる。
本発明に係る非水電解質二次電池は、本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料を正極材料とする正極を有する。正極以外の構成、構造については特に制限はない。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料はCoO(O1構造)への転移が起こりにくい。例えば、負極にリチウム金属を用い、正極に本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料を用いた非水電解質二次電池に対して、室温において0.1C以下で5Vまで充電を行い、このときの正極の充電曲線を、電圧で微分して得られたdQ/dV曲線において、最も高電位側に現れるO1構造への相転移開始に起因するピークの電位は、4.64V以上となる。このことは、本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料がCoO(O1構造)へ転移しにくいことを示している。
次に、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
(実施例1)
<正極材料の合成>
Li化合物としてLiCO、Co化合物としてCoを適当な混合割合で乳鉢に収容して混合した後、ペレット状に固め、マッフル炉を用いて、大気圧の大気雰囲気中にて、950℃で24時間熱処理を行った。
次に、ペレットを粉砕し、そのリチウム含有コバルト酸化物に対して、LiCoOを分子量比で1.5%加え、乳鉢を用いて混ぜ、管状電気炉を用いて酸素ガス雰囲気中(酸素ガス流量0.5L/分)にて、1000℃で10時間のアニール処理を行うことで、一般組成式LiCoOで表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。
組成は、ICP(Inductivity Coupled Plasma:誘導結合プラズマ発光分析)法及びヨード滴定法により測定した。粒子サイズは、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置により測定し、平均直径が20μmであることを確認した。また、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いてBET比表面積を求めた結果、比表面積は0.15m/gであった。
ここで、実施例1に係る非水電解質二次電池用正極材料のラマンスペクトルを、波長532nm、強度0.8mW、照射時間30秒で粒子表面の一点にレーザー照射して測定した。図1に示すように、実施例1に係る非水電解質二次電池用正極材料のラマンスペクトルには、650cm−1〜700cm−1の範囲にショルダーピークが確認された。スピネル構造であるLT−LiCoOやCoのスペクトルが重なった結果として図1に示すようなショルダーピークが発現したものと考えられ、スピネル構造が存在していることが確認された。また、実施例1に係る非水電解質二次電池用正極材料のX線回折を測定した。図2に示したX線回折測定結果から、空間群R3−mに帰属される層状岩塩構造であり、異相が確認されなかった。このことから、ラマンスペクトルで確認されたスピネル構造は、長距離秩序がなく、粒子の最表面に格子歪を持った状態で存在していると思われた。
<正極の作製>
正極材料として、上記一般組成式LiCoOのリチウム含有コバルト酸化物の粉末を、バインダとしてPVDFを含有したNMP溶液中に分散させて混合液を調製した。NMP溶液の質量に占めるPVDFの質量は10%である。また、上記組成のリチウム含有コバルト酸化物とNMP溶液の質量比は、95:5とした。この混合液に、導電助剤としてカーボンブラックを2.5質量部添加し、乳鉢内で混練し、さらにNMPを加えて粘度を調節して正極合剤スラリーを調製した。
正極合剤スラリーを、ベーカー式アプリケーターを用いて、ギャップ(隙間)を200μmに調整して、厚さ15μmのアルミニウム箔による正極集電体に塗布した後、80℃で1時間乾燥させて正極合剤層を形成した。正極合剤層が形成された正極集電体を、直径15mmの円盤状に加工した後、約30MPaの圧力でプレスし、さらに真空乾燥機にて100℃で20時間乾燥させた。このような工程により正極を作製した。
<負極の作製>
所定の厚さの金属リチウム圧延板を直径16mmの円盤状に加工して負極を作製した。
<非水電解質>
体積比で1:2のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル濃度(mol/l)となるように溶解させて非水電解質を調製した。
<非水電解質二次電池の組立>
上記の正極、負極及び非水電解質を用いて、扁平形の電池を組み立てた。図3は、組み立てた非水電解質二次電池1の断面を模式的に示したものである。組み立ては次のように行った。
ステンレススチール製の容器13の側面に絶縁リング8を挿入した後、負極4、セパレータ3、正極2の順番に積層し、さらに、非水電解質をセパレータ3に含侵させた。セパレータ3としては、ポリプロピレン製の微多孔膜を用いた。正極2の上に、アルミニウム製の押さえ板5と板ばね6を順に重ね、絶縁パッキン9を介してステンレススチール製の蓋7を乗せ、絶縁スリーブ10を介して、ボルト12とナット11により締め付け、扁平型の電池を構成した。
正極2は、押さえ板5と板ばね6を介して蓋7に電気的に接続され、負極4は、容器13を介してボルト12に電気的に接続されている。これにより、蓋7及びボルト12を端子として、電池内部から電気エネルギーを取り出すことができる。
(実施例2)
実施例1の正極材料の合成条件を変えて、CoとLiCOの混合比がLi/Co=1.03となる割合で混合し、電気炉を用いて大気雰囲気中にて、1000℃で20時間熱処理を行うことで、正極材料として一般組成式LiCoOで表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる正極材料を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にラマンスペクトルを評価した結果、図1に示すような650cm−1〜700cm−1の範囲にショルダーピークが確認された。
(実施例3)
実施例1のアニール処理条件を変えて、LiCoOを分子量比で10%加えて、乳鉢を用いて混ぜ、管状電気炉を用いて酸素ガス雰囲気中(酸素ガス流量0.5L/分)にて、1000℃で10時間熱処理を行うことで、正極材料として一般組成式Li1.05CoO1.98で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる正極材料を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にラマンスペクトルを評価した結果、図1に示すような650cm−1〜700cm−1の範囲にショルダーピークが確認された。
(実施例4)
実施例1にNi化合物としてNi(OH)を添加して、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式LiCo0.95Ni0.05で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
実施例4と同様の手順で、正極材料として一般組成式LiCo0.98Ni0.02で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例6)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、Mg化合物としてMg(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式LiCo0.99Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、Al化合物としてAl(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Al0.03で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例8)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、Bi化合物としてBi(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.995Bi0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例9)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、V化合物としてVを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.970.03で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例9に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例10)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、Ti化合物としてTiOを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Ti0.03で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例10に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例11)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、Mn化合物としてMn(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.99Mn0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例11に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例12)
実施例4で用いたNi化合物に代えて、Zr化合物としてZrOを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.995Zr0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例12に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例13)
実施例4で用いたNi化合物に加えて、Mg化合物としてMg(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Ni0.02Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例13に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例14)
実施例13で用いたNi、Mg化合物に加えて、Zr化合物としてZrOを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極材料として一般組成式LiCo0.965Ni0.02Mg0.01Zr0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。この正極材料を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例14に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例15)
実施例13と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Ni0.02Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。次に、pH値が9以上11以下、温度が60℃以上80℃以下に調整された水酸化リチウム水溶液中に上記非水電解質二次電池用正極材料粉末を撹拌し分散させた後、Al(NO・9HOを滴下した。このときpH値が変化しないように、アンモニア水を同時に滴下することでAl(OH)共沈物が生成された。その後、5時間以上撹拌しつづけ、随時水酸化リチウムでpH値が変動しないように調整した。次に、吸引ろ過によって、Al(OH)が付着した正極材料粉末と水溶液を分離し、超純水で洗浄、80℃で24時間真空乾燥させた。この粉末を400℃で10時間、大気雰囲気で焼成した。このような工程により、正極材料の表面に形成された酸化物被膜におけるAlの原子数が、リチウム含有コバルト酸化物の分子数の1%である酸化物被覆の正極材料を作製した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で実施例15に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例16)
実施例13と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Ni0.02Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。次に、ジルコニウムイソプロポキシドをイソプロピルアルコール溶媒に溶解させ、上記非水電解質二次電池用正極材料粉末と共に60℃で10時間撹拌し、80℃で乾燥させた。この粉末を400℃、大気雰囲気で10時間焼成した。このような工程により、正極材料の表面に形成された酸化物被膜におけるZrの原子数が、リチウム含有コバルト酸化物の分子数の1%である酸化物被覆の正極材料を作製した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で実施例16に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例17)
実施例13と同様の手順で、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Ni0.02Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を合成した。次に、pH値が9以上11以下、温度が60℃に調整された水酸化リチウム水溶液中に上記非水電解質二次電池用正極材料粉末を撹拌し分散させた後、窒化アルミニウム水和物を入れた。そこへフッ化アンモニウム水溶液を少しずつ滴下し、10時間以上撹拌した後、吸引ろ過し、超純水で洗浄してから80℃で24時間真空乾燥させた。この粉末を窒素ガス雰囲気中で10時間焼成した。このような工程により、正極材料表面に形成されたAlF被膜におけるAlの原子数が、リチウム含有コバルト酸化物の分子数の1%であるフッ化物被覆の正極材料を作製した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で実施例17に係る非水電解質二次電池を作製した。
実施例1〜17の正極材料の組成、及び正極材料の表面を被覆した元素について表1に一覧表示する。
(比較例1)
実施例1とはアニール処理条件を変えて、LiCoOを分子量比で0%加え、乳鉢を用いて混ぜ、管状電気炉を用いて酸素ガス雰囲気中(酸素ガス流量0.5mL/分)にて、1000℃で10時間熱処理を行うことで、正極材料として一般組成式Li0.98CoOで表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にラマンスペクトルを評価した結果、図1に示すように、650cm−1〜700cm−1の範囲のショルダーピークは発現せず、一般的なリチウム含有コバルト酸化物のラマンスペクトルとなった。また、図2に示したX線回折測定結果からも、空間群層R3−mに帰属される層状岩塩構造であることが確認され、粒子の中心から表面にかけて異相がないことが確認された。
(比較例2)
実施例1とはアニール処理条件を変えて、LiCoOを分子量比で1.5%加え、乳鉢を用いて混ぜ、マッフル炉を用いて大気雰囲気中にて、1000℃で10時間熱処理を行うことで、正極材料として一般組成式LiCoOで表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で比較例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
実施例1と同様にラマンスペクトルを評価した結果、図1に示すように、650cm−1〜700cm−1の範囲のショルダーピークは発現せず、典型的なリチウム含有コバルト酸化物のラマンスペクトルとなった。また、図2に示したX線回折測定結果からも、空間群層R3−mに帰属される層状岩塩構造であることが確認され、粒子の中心から表面にかけて異相がないことが確認された。
(比較例3)
実施例1とはアニール処理条件を変えて、LiCoOを分子量比で6%加え、乳鉢を用いて混ぜ、マッフル炉を用いて大気雰囲気中にて、1000℃で10時間熱処理を行うことで、正極材料として一般組成式Li1.10CoO1.95で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で比較例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
実施例4のアニール処理を実施せずに合成して、正極材料として一般組成式Li0.99Co0.95Ni0.05で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で比較例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
実施例4のアニール処理条件を変えて、LiCoOを分子量比で1.0%加え、乳鉢を用いて混ぜ、管状電気炉を用いて酸素ガス雰囲気中(酸素ガス流量0.5L/分)にて、1000℃で10時間熱処理を行うことで、正極材料として一般組成式Li0.97Co0.95Ni0.05で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で比較例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例6)
実施例6のアニール処理を実施せずに合成して、正極材料として一般組成式LiCo0.99Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。この正極材料を用いて、実施例1と同様の手順で比較例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例7)
実施例6のアニール処理を実施せずに合成して、正極材料として一般組成式LiCo0.99Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。次に、実施例15と同様の手順でこの正極材料の表面に、Alの原子数がリチウム含有コバルト酸化物の分子数の1%であるAl酸化物を被覆した後、実施例1と同様の手順で比較例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例8)
実施例13のアニール処理を実施せずに合成して、正極材料として一般組成式Li1.01Co0.97Ni0.02Mg0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物の粒子からなる非水電解質二次電池用正極材料を合成した。次に、実施例15と同様の手順でこの正極材料の表面に、Alの原子数がリチウム含有コバルト酸化物の分子数の1%であるAl酸化物を被覆した後、実施例1と同様の手順で比較例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
比較例1〜8の正極材料の組成、及び正極材料の表面を被覆した元素について表1に一覧表示する。
Figure 2016143539
<非水電解質二次電池の評価>
実施例1〜17及び比較例1〜8の各非水電解質二次電池について、次の要領で初期充電容量とサイクル特性、保存試験及び連続充電特性を測定した。
<初期充電容量の測定>
室温(25℃)にて、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が4.45Vとなるまで定電流で充電を行い、その後、4.45V vs Li/Liの定電圧で電流が負荷率0.005Cになるまで充電した。その測定結果を表2に示す。
<サイクル特性の評価>
初期充電終了後、1時間放置し、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流で放電を行った。この工程を2サイクル繰り返し、1日放置して初期化した。
エージング後に、負荷率0.2Cの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.5V vs Li/Liになるまで充電し、その後4.5V vs Li/Liの定電圧で電流が負荷率0.02Cになるまで充電した。その後、1時間放置し、負荷率0.2Cの電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流で放電を行った。上記充放電サイクルを50サイクル繰り返し、50サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量と比較した。
<保存特性の評価>
初期充電終了後、1時間放置し、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流で放電を行った。この工程を2サイクル繰り返し、1日放置して初期化した。
次に、負荷率0.05Cの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.5V vs Li/Liになるまで充電し、その後4.5V vs Li/Liの定電圧で電流が負荷率0.005Cになるまで充電した電池を60℃の恒温槽に7日間放置した後、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流で放電を行った。
さらに、負荷率0.05Cの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.45V vs Li/Liになるまで充電し、その後4.45V vs Li/Liの定電圧で電流が負荷率0.005Cになるまで充電した。その後、1時間放置し、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流で放電を行った。試験最後の放電容量が、初期化後の放電容量の80%以上である場合を○、80%未満の場合を×として評価した。その評価結果を表2に示す。
<連続充電特性の評価>
初期充電終了後、1時間放置し、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が2.5Vとなるまで定電流で放電を行った。この工程を2サイクル繰り返し、1日放置して初期化した。
電池を60℃の恒温槽に30分間放置した後、60℃の環境を保ったまま、負荷率0.05Cの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.5V vs Li/Liになるまで充電した。電流値が減衰した後、さらに4.5V vs Li/Liの定電圧で、電流値が再び負荷率0.05Cに上昇するまで連続充電を行い、充電を開始した時点から再び0.05Cに到達するまでの時間を測定した。その測定結果を表2に示す。
Figure 2016143539
表2に示した結果から以下のことが分かる。
実施例1、2及び3と、比較例1及び2に係る非水電解質二次電池は、いずれも初期充放電容量が188mAh/g〜189mAh/gであり、サイクル試験後の容量維持率は80%を下回った。一方で、保存試験の結果と連続充電特性に差がみられた。実施例1、2及び3の場合は、保存試験後の容量維持率が80%以上となるが、比較例1及び2の場合は、80%未満となった。また、連続充電特性に関しては、実施例1、2及び3は比較例1及び2の4倍程度となっていた。このような保存試験の結果及び連続充電特性に生じた差は、複数の劣化モードによるものと考えられるが、特に実施例1、2及び3の場合は、構造安定なスピネル構造が最外殻に存在することで、リチウム含有コバルト酸化物特有の電解液との副反応による、不均化や還元によるCo溶出が抑制されたことに起因していると考えられる。
比較例3に係る非水電解質二次電池は、リチウム含有量を増加させたことにより、連続充電特性は飛躍的に向上したものの、酸素欠損により、初期充電容量、サイクル特性の低下が著しく、また保存試験の結果も悪く、実施例1、2及び3と比較して連続充電特性だけが良いというバランスの悪い特性となることが分かった。
実施例4と比較例4及び5は、いずれもCoの5%をNiで置き換えた組成の正極材料を用いた非水電解質二次電池である。初期充電容量、サイクル特性、保存試験の結果に差は見られなかったものの、連続充電特性に関しては、実施例4が比較例4及び5に対して4倍程度向上し、582時間となった。このように、Coを一部Niに置き換えた場合では、構造安定なスピネル構造が最外殻に存在することで無置換の場合と比較してさらに特性改善が図れることが分かった。
実施例6と比較例6はいずれもCoの1%をMgで置き換えた組成の正極材料を用いた非水電解質二次電池である。Ni置換と同様に、Coの一部をMgに置き換えた場合も、構造安定なスピネル構造が最外殻に存在することで無置換の場合と比較してさらに特性改善が図れることが分かった。
Ni、Mg以外の元素Mでも効果があり、実施例7〜12に示すように、Al、Bi、V、Ti、Mn、Zrで置換した場合も、構造安定なスピネル構造が最外殻に存在することで無置換の場合と比較してさらに特性改善が図れることが分かった。なお、Mに関しては、Mn、V、Tiに代えて、Cr、Mo、Wを用いても、同様の効果を上げることができる。また、これらの元素を適宜混合して用いることもできる。
実施例13及び14は、複数のMによりCoの一部を数%の割合で置き換えた正極材料を用いた非水電解質二次電池である。特にNi、Mg及びZrを組み合わせた場合の連続充電特性は飛躍的に向上し、650時間を超えることが分かった。
Mの添加に加えて、実施例15〜17に示すように、表面にAlや、ZrO、又はAlF等の金属酸化物及びフッ化物を被覆した正極材料を用いることで、サイクル特性が向上し、また表2に示した全ての特性において優れた非水電解質二次電池が得られることが明らかとなった。一方、表面に酸化物を被覆した場合でも、スピネル構造化されなかった比較例7及び8の場合は、連続充電特性が劣ることが分かった。
以上記載したように、本発明によれば、高容量であり、且つ高温における高電圧での連続充電特性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。実施例に記載した全ての非水電解質二次電池において、室温で0.1C以下の負荷率で5Vまで充電したときの正極の充電曲線を電圧で微分することによって得られるdQ/dV曲線の最も高電位に確認されるピークの電位が4.64V以上であることが確認された。このような特徴を有する本発明に係る非水電解質二次電池は、正極電位がリチウム基準で4.4V以上になるまで充電した際のCo溶出抑制効果に優れている。
1 非水電解質二次電池
2 正極
3 セパレータ
4 負極
5 押さえ板
6 板ばね
7 蓋
8 絶縁リング
9 絶縁パッキン
10 絶縁スリーブ
11 ナット
12 ボルト
13 容器

Claims (8)

  1. 一般組成式Li1+xCo1−y2−δ(式中、MはNi、Mn、Al、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Bi、Cu、Ti、Si、Fe、P、F及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦x≦0.1、0≦y≦0.1、0≦δ≦0.02である)で表されるリチウム含有コバルト酸化物を含有する粒子を含み、前記粒子の最表面は、スピネル構造を有している非水電解質二次電池用正極材料。
  2. ラマンスペクトルにおいて、650cm−1〜700cm−1の範囲にショルダーピークを有する請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
  3. 粒子が、Li、Zr、Ti、Al、Mg、Ni、Mn、Zn及びPからなる群より選択される1種以上の元素を含む酸化物又はフッ化物によってさらに被覆され、前記元素の原子数が、リチウム含有コバルト酸化物の分子数の10%以下である請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
  4. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法であって、
    リチウム含有コバルト酸化物を合成する工程と、
    合成したリチウム含有コバルト酸化物に対して、LiCO及び/又はLiOHを混合する工程と、
    950℃以上1100℃以下の温度範囲で、2時間以上20時間以内のアニール処理を行う工程とを含む前記非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  5. 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法であって、
    リチウム含有コバルト酸化物の原料にLiCO及び/又はLiOHを混合する工程と、
    950℃以上1100℃以下の温度範囲で、5時間以上48時間以内のアニール処理を行う工程とを含む前記非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極材料を含む正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを備える非水電解質二次電池。
  7. 正極が、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用正極材料に加えて、一般組成式Li1+aNi1−b−c−dCoMnM’2−e(式中、M’はAl、Mg、Zr、V、W、Mo、Cr、Ti、B、Si、Fe、P、F、S及びClからなる群より選択される1種以上の元素であり、0≦a≦0.05、0≦b≦0.02、0.01≦c≦0.03、0.001≦d≦0.03、0≦e≦0.01である)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物を、前記リチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物及びリチウム含有コバルト酸化物の合計に対し5質量%以上50質量%以下の割合で含む請求項6に記載の非水電解質二次電池。
  8. 室温で且つ0.1C以下の負荷率で5Vまで充電したときの正極の充電曲線を電圧で微分することによって得られるdQ/dV曲線の最も高電位に確認されるピークの電位が、4.64V以上である請求項6又は7に記載の非水電解質二次電池。
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