JP6120765B2 - 非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、正極活物質にリチウム複合酸化物を用いる非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、並びにその正極材料を用いた非水電解質二次電池に関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル電子機器に搭載されている非水電解質二次電池には、より高い電圧での充電による高容量化が求められ、それに伴って、より高い安全性が要求されるようになっている。
特開2009−212021号公報(特許文献1)には、一般組成式Li1+tCo1−x−y−zAlMg(ただし、MはZr、Ti、Cr、Fe、Ge、Sn、Ce、Hf、Y、Yb、Er、Nb、Mo、Mn、Ni、BおよびPよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し、−0.05≦t≦0.1、0.001≦x≦0.015、0≦y≦1.5x、0.15y≦zである)で表されるリチウム含有コバルト酸化物を正極に用いることで、高温および高電圧での充放電サイクル寿命に優れ、安全性が高く、かつ高容量の非水電解質二次電池を提供することが記載されている。
特開2009−212021号公報
特許文献1に記載されたリチウム含有コバルト酸化物は、例えば40〜60℃程度の温度で使用する場合には、高電圧での充放電サイクル寿命に優れ、安全性が高く、かつ高容量の電気化学素子を構成し得る。しかし、特許文献1に記載されたリチウム含有コバルト酸化物を正極活物質として用いてリチウムイオン電池を構成し、該電池を60℃以上の高温で4.5V以上(vs.Li/Li)の高電圧で連続充電すると、電池特性が著しく低下することが見出された。これは、高電圧の連続充電によりCo溶出が促進されること、正極活物質の構造破壊が起こること、あるいは、負極表面でのCo析出による高抵抗化が起こることなどによるものと考えられる。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高温かつ高電圧の連続充電における電池特性の低下を抑制することができる非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、並びにその正極材料を用いた非水電解質二次電池を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明の非水電解質二次電池用正極材料は、一般組成式Lix-αNaαCo1−β−γ Niβγ2−δ (式中、MはAl, Mg, Zr, Mn, V, W, Mo, Cr, Bi, Ti, Si, Fe, P, F, S, Clのうち少なくとも一種の元素を表し、1.011≦x≦1.13, 0.001≦α≦0.03, 0.01≦β≦0.05, 0.001≦γ≦0.03, 0≦δ≦0.002である)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなることを特徴とする。
本発明によれば、高温かつ高電圧の連続充電における電池特性の低下を抑制することができる非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、並びにその正極材料を用いた非水電解質二次電池を提供することができる。
非水電解質二次電池の構造を模式的に示す断面図。
以下、図面を参照して本発明の非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、非水電解質二次電池の実施の形態を説明する。まず、図1を用いて本発明の非水電解質二次電池の実施の形態を説明する。
(非水電解質二次電池)
図1は、非水電解質二次電池の構造の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態の非水電解質二次電池100は、開口部を有する矩形箱状のステンレススチール製の容器1を備えている。容器1内には、セパレータ3を介して積層させた負極2と正極4が収容されている。負極2、セパレータ3および正極4は、容器1の底面に沿って配置され、該底面に垂直な容器1の高さ方向において、下方から上方へこの順に積層されている。容器1の側壁と負極2、セパレータ3および正極4との間には、絶縁材料によって構成された絶縁リング5が挿入されている。容器1内には非水電解液(非水電解質)が充填され、ポリプロピレン製の微多孔膜であるセパレータ3には、非水電解液が含浸されている。
容器1の側壁の上端面には、絶縁材料からなる絶縁パッキン6が配置され、絶縁パッキン6を介して容器1の開口部を塞ぐステンレススチール製の蓋7が配置されている。蓋7は、容器1の側壁を高さ方向に貫くボルト8と、該ボルト8に螺合するナット9によって絶縁パッキン6を介して容器1に締結され、容器1の開口部を密閉している。蓋7と容器1との間には絶縁パッキン6が配置され、ボルト8は蓋7の貫通孔に挿通され、蓋7とナット9との間には絶縁スリーブ10が配置されることで、蓋7とボルト8およびナット9とは電気的に絶縁されている。また、容器1内の正極4上には、アルミニウム製の押さえ板11が配置され、押さえ板11と蓋7との間には、押さえ板11を容器1の底面に向けて付勢するアルミニウム製の板ばね12が配置されている。
以上の構成を有する扁平型の非水電解質二次電池100は、正極4が押さえ板11と板ばね12を介して蓋7に電気的に接続され、負極2は容器1を介してボルト8に電気的に接続されている。これにより、蓋7およびボルト8をそれぞれ正極端子および負極端子として、非水電解質二次電池100を充電し、または非水電解質二次電池100から電気エネルギーを取り出すことができる。
詳細は後述するが、非水電解質二次電池100の正極4は、概略、以下の手順により製作されている。まず、非水電解質二次電池用正極材料を、バインダおよび導電助剤等と混合し、例えばN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記載)に分散させてスラリー状に混練する。その後、正極材料を含むスラリーを、正極金属箔からなる正極集電体の表面に塗布し、該集電体上に正極合剤層を形成する。
非水電解質二次電池100は、正極4の集電体の表面の正極合剤層が、後述する非水電解質二次電池用正極材料を含むことを特徴とし、正極4以外の構成および構造については特に制限はない。正極4に用いられる非水電解質二次電池用正極材料は、従来の正極材料よりもCoO(O1構造)への転移が起こりにくい。
例えば、負極2にリチウム金属を用い、正極4に後述する非水電解質二次電池用正極材料を用いた非水電解質二次電池100に対して、室温において0.1C以下で5Vまで充電を行い、このときの正極4の充電曲線を、電圧で微分して得られたdQ/dV曲線において、最も高電位側に現れるO1構造への相転移に起因するピークの電位は、4.64V以上、より好ましくは4.68V以上となる。これは、前記ピーク電位が4.62V以下であった従来の非水電解質二次電池の正極に用いられる正極材料と比較して、非水電解質二次電池100の正極4に用いられる正極材料がCoO(O1構造)へ転移しにくいことを示している。
後述する一般組成式(1)を満たす正極材料を正極4に用いることによって、放電容量が大きく、高温において高電圧での連続充電が可能な非水電解質二次電池100が得られる。
(非水電解質二次電池用正極材料)
以下、非水電解質二次電池100の正極4の正極合剤層に含まれる本発明の非水電解質二次電池用正極材料の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態の非水電解質二次電池100の正極4は、非水電解質二次電池用正極材料として、下記の一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物を用いている。
Lix-αNaαCo1−β−γ Niβγ2−δ …(1)
前記一般組成式(1)中、MはAl, Mg, Zr, Mn, V, W, Mo, Cr, Bi, Ti, Si, Fe, P, F, S, Clのうち少なくとも一種の元素を表し、1.011≦x≦1.13, 0.001≦α≦0.03, 0.01≦β≦0.05, 0.001≦γ≦0.03, 0≦δ≦0.002である。
前記リチウム含有コバルト酸化物は粒子状であり、1次粒子が凝集した2次粒子や、1次粒子により構成され、個々の粒子の形状は略球形である。粒子の形状は、走査型電子顕微鏡によって所定領域に存在する粒子を観察することにより確認することができる。粒子の直径は、5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、5μm以上15μm以下の範囲と、18μm以上50μm以下の範囲にそれぞれピークを有するように分布していることがより好ましい。前記した粒度分布は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置、により測定することができる。
前記した粒度分布であれば、非水電解質二次電池100の正極4が備える前記リチウム含有コバルト酸化物を正極材料とする正極合剤層においてリチウム含有コバルト酸化物を高密度化できるため、非水電解質二次電池100の電池特性を向上させることができる。
前記リチウム含有コバルト酸化物は、Coの溶出を抑える観点から、非水電解質との界面を小さくする必要がある。そのため、BET比表面積が小さい方が有利であるが、粒子のBET比表面積が小さすぎると、粒子が積層した際の密度が小さくなる。そのため、粒子のBET比表面積が小さすぎると、前記リチウム含有コバルト酸化物を正極に用いた二次電池において、電池容量が小さくなったり、高負荷における放電特性が低下したりする虞がある。
したがって、前記リチウム含有コバルト酸化物のBET比表面積Sは、0.01m/g以上かつ1.0m/g以下であることが好ましい。BET比表面積は、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて表面積を測定することで求めることができる。本実施形態では、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いてBET比表面積を求めている。
前記リチウム含有コバルト酸化物の粒子表面は、Li、Zr、Ti、Al,Ni、Mn、Zn、およびPよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物、またはフッ化物で被覆することができる。この場合には、充放電サイクルによる劣化抑制効果が向上することに加えて、Co溶出抑制効果も向上する。ただし、前記被覆酸化物の量が多すぎると、抵抗が大きくなって電池容量が減少する。従って、被覆する酸化物に含まれる前記元素は、前記一般組成式(1)の分子数の10mol%以下とすることが好ましい。
前記一般組成式(1)において、Liに関するxは、1.011≦x≦1.13、かつ0.001≦α≦0.03であることが好ましい。xが1.011に満たない場合には、部分的にスピネル構造化するため、十分な電池容量が得られない。また、Co溶出が起こり易くなる。一方、xが1.13を超える場合には、大量の酸素欠損が生じる。このため、低充電状態における電位が低下して、低充電状態での出力低下を起こす。また、酸素が欠損しているために、構造が崩壊しやすくなり、サイクル寿命が短くなる。さらに、正極活物質粒子表面のリチウムが多いために、このような正極活物質を用いて調製した正極合剤スラリーはゲル状となり、形成した正極合剤層の抵抗が高くなったり、電池反応の際にガスが発生したりする。
前記一般組成式(1)においてxが1.011≦x≦1.13の範囲であることは、化学量論組成よりもわずかにLiリッチな状態であることを意味している。即ち、Coの一部の適量がLiで置き換えられた状態である。このような状態では、4.5V以上の高電圧における構造崩壊をともなう相転移現象が抑制され、Coの溶出が防止される。Coの価数は、2.8以上かつ3.3以下であることが好ましい。Coの価数は、誘導結合プラズマ発光分析とヨード滴定から計算され、LiとCoの原子数比および酸素量を定量することによって得られる。
前記一般組成式(1)において、Naに関する0.001≦α≦0.03の範囲は、容量、サイクル寿命を低下させることなく、LiサイトにNaが置き換えられ、かつ粒成長が促進された状態である。このような状態では、高電圧においてもLiが脱離する反応サイト数を抑制する効果だけでなく、詳細は不明であるが、LiサイトにNaが混入することで4.5V以上の高電圧における構造崩壊をともなう相転移現象が抑制され、Coの溶出が防止される。
前記一般組成式(1)において、Niに関するβは、0.01≦β≦0.05であることが好ましい。Niの添加はCo溶出を抑制する効果が大きい。他の元素置換によって、構造を安定化させ、Co溶出を抑制しようとすると、容量など他の特性が低下する。ところがNiに関しては、本発明の範囲内であれば、Ni添加量の増減による電池容量の変化は非常に小さいので、Niは、電池を高容量に維持しつつCo溶出を抑制する添加元素として好ましい。βが0.01に満たない場合には、Co溶出の抑制効果は十分でなく、一方、βが0.05を超えると、低充電状態での電位が低下するという問題が発生する。
前記一般組成式(1)におけるMとしてのAl, Mg, Zr, Mn, V, W, Mo, Cr, Bi, Ti, Si, Fe, P, F, S,Clに関するγは、0.001≦γ≦0.03であることが好ましい。Al, Mg, Zr, Mn, V, W, Mo, Cr, Bi, Tiに関しては、Coの一部と置き換えることで種々の電池特性を改善することができる。また、Si, Fe, P, F, S,Clなどは不可避的に不純物として含有する場合がある。
前記一般組成式(1)におけるMとしてのAl、Mgの添加は、リチウム含有コバルト酸化物の構造を安定化させ、Coの溶出を抑制する効果に加え、耐熱性を向上させる効果がある。γが0.001に満たない場合にはこれらの効果は十分でなく、一方、γが0.02を超えると、リチウムコバルト酸化物の結晶格子が歪んで、電池の容量低下とともに、Liの移動度が低下による負荷特性の低下を引き起こす。なお、Mgを過剰に含有した場合には、充放電サイクルに伴ってMgが溶出して電池の寿命低下を招くという問題があるため、Mgの添加量は、正極材料が含むCoの原子数に対するMg原子数が0.01以下とすることがより好ましい。
前記式一般組成式(1)におけるMとしてのZrの添加は、低充電状態の電位を高め出力を向上する効果に加え、4.3V以上での高電圧充放電サイクル寿命を向上させる効果がある。Zrの量は、特に0.001以上0.005以下が好ましく、0.005を超えると、正極活物質粒子の成長が抑制され、小さくなってしまう。このような小さな粒子を用いて正極活物質の層を形成すると、その密度が小さいために、十分な電池容量が得られない。また、表面積は大きくなることから、Co溶出が起こり易くなる。Mn, V, W, Mo, Cr, Ti等は、Zrと同様な効果を発現させることができる。
前記一般組成式(1)におけるMとしてのBiの添加は、Naと同様な効果があり、粒成長が促進され、高電圧においてもCo溶出反応を抑制する効果がある、Biの量は、特に0.001以上0.005以下の添加が好ましく、0.05を超えると異相が発現し、電気化学的特性が低下する。
前記一般組成式(1)において、酸素に関するδは、0≦δ≦0.002であることが好ましい。酸素の脱離による結晶構造の崩壊はCo溶出の一原因と考えられる。δが0.002以下であれば酸素欠損は十分に小さい。
(非水電解質二次電池用正極材料の製造方法)
次に、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなる非水電解質二次電池用正極材料の製造方法について説明する。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなる非水電解質二次電池用正極材料は、焼成工程を経て製造される。例えば、Li化合物、Na化合物、Co化合物、Ni化合物、M化合物などを適当な割合で混合した混合物粉末をペレット状に固め、焼成することにより、前記の正極材料を製造できる。なお、正極材料の製造はこれに限定されず、例えば、共沈法等によりLi、Naを除く前駆体の水酸化物をLi化合物とNa化合物とを混合して焼成することによって作成することも可能である。
Li化合物としては、LiOHやLiCOが好ましく、Na化合物としてはNaOHやNaCOが好ましい。また、Co化合物、Ni化合物、M化合物としては、これらの元素の水酸化物や酸化物などが好ましい。
前記の焼成工程における焼成温度は、650℃以上かつ1200℃以下であることが好ましい。焼成温度が650℃よりも低いと、リチウム含有コバルト酸化物において層状岩塩構造を得ることが困難になる。また、1200℃を超える焼成温度は、装置、酸素濃度等の制約上、実現が困難になる。ここでの焼成時間は、例えば、約5時間以上かつ48時間以下であることが好ましい。
本実施形態の製造方法は、前記の焼成工程を1回以上有していればよい。すなわち、焼成回数は1回でも2回以上でもよい。ただし、最後の焼成工程は、空気の酸素濃度よりも高い酸素濃度のガスフロー環境下で行われることが好ましい。具体的には、空気の酸素濃度が21%である場合、最後の焼成工程は21%よりも高い酸素濃度のガスフロー環境下で行われることが好ましい。また、最後の焼成工程において、焼成温度は800℃以上かつ1200℃以下であることが好ましく、焼成時間は、8時間以上かつ48時間以下であることが好ましく、10時間以上かつ48時間以下であることがより好ましい。
前記一般組成式(1)においては、焼成工程における雰囲気中の酸素濃度が低いと、Li添加量が多い場合に酸素脱離が起きやすくなり、また、Niが一部Liサイトに遷移しやすいことがわかった。焼成工程における雰囲気中の酸素濃度は、LiおよびNiの含有量に応じて適宜調整することが可能であり、例えば、一般組成式(1)のLiにかかわるx-αが1.10、Niにかかわるβが0.05の場合は、酸素濃度を80%以上とすることが好ましい。
このように焼成雰囲気を調整することで、酸素欠損やNiの遷移が抑制され、粉末XRDにおけるスペクトルから、空間群R−3mであらわされる層状岩塩構造であり、かつ(104)面に帰属する回折強度に対する、(003)面に帰属する回折強度の比率が1.5以上30以下となる。上記製造方法により、容量、出力、耐熱性、高電圧での保存、高電圧での連続充電特性を向上することができる。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなる非水電解質二次電池用正極材料の表面に対し、Li、Zr、Ti、Al,Ni、Mn、Zn、およびPよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物、またはフッ化物を被覆する工程は、例えば次の手順で行うことができる。
Zr、Ti、Al,Ni、Mn、Zn酸化物を被覆する場合には、pH値が9以上11以下、温度が60℃以上かつ80℃以下に調整された水酸化ナトリウムないしは水酸化リチウム水溶液中に前記正極材料の粉末を投入し、撹拌して分散させた後、被覆元素の硝酸塩ないしは硫酸塩を滴下する。このときpH値が変化しないように、アンモニア水を同時に滴化することで共沈物が生成される。その後、共沈物と正極材料粉末を5時間以上、撹拌し続けると共に随時水酸化ナトリウムないしは水酸化リチウムでpH値が変動しないように調整する。特にNi,Mn等の共沈物を得る場合には水溶液中の溶存酸素を窒素で置換することがより好ましい。次に、吸引ろ過によって、共沈物が付着した正極材料の粉末と水溶液とを分離し、分離した正極材料を超純水で洗浄し、乾燥させる。この共沈物が付着した正極材料の粉末を焼成することによってZr、Ti、Al,Ni、Mn、Zn酸化物による被覆層が形成された非水電解質二次電池用正極材料が得られる。
Zr、Ti、Al,Ni、Mn、Zn酸化物を被覆する場合の他の方法としては、所望の元素のアルコキシドをアルコール溶媒に溶解させ、60℃以上かつ80℃以下の温度で撹拌、乾燥させることで前記正極材料に付着させ、焼成する方法もある。
Liを含むZr、Ti、Al,Ni、Mn、Zn、P酸化物を被覆する場合には、前記したいずれかの方法で前記正極材料の表面に被覆元素の前駆体を付着させた後、LiOHやLiCOを混ぜて焼成すればよい。
また、例えばAlFのようなフッ化物を被覆する場合は、pH値が9以上かつ11以下、温度が60℃以上かつ80℃以下に調整された水酸化ナトリウムないしは水酸化リチウム水溶液中に前記正極材料の粉末を投入し、撹拌して分散させた後、窒化アルミニウム水和物を入れる。そこへフッ化アンモニウム水溶液を少しずつ滴化し、5時間以上撹拌した後、ろ過、乾燥させ、不活性ガス雰囲気中で焼成すればよい。
被覆を行う際の焼成温度は400℃以上かつ600℃以下であることが好ましく、焼成時間は5時間以上かつ24時間以下であることが好ましい。焼成雰囲気は酸化物を得る場合は、空気または酸素などの酸化雰囲気、フッ化物を得る場合は窒素などの不活性雰囲気中であることが好ましい。
(非水電解質二次電池用正極の製造方法)
次に、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなる非水電解質二次電池用正極材料を用いた、非水電解質二次電池用正極の製造方法について説明する。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなる非水電解質二次電池用正極材料を正極活物質とした正極を作製するには、前記したように、まず、前記正極材料をバインダ、導電助剤などと混合して溶媒に分散させて正極合剤スラリーを調製し、次に、この正極合剤スラリーを正極集電体の表面に塗布して正極合剤層を形成する。
バインダとしては、非水電解質二次電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはそのNa+イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体またはそのNa+イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体またはそのNa+イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはそのNa+イオン架橋体などが使用可能である。これらを単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。これらの中では、非水電解質二次電池での安定性や、特性への影響などを考慮すると、PVDFまたはアクリル系の材料が好ましい。
導電助剤としては、非水電解質二次電池内で化学的に安定なものであれば、無機材料、有機材料のいずれでもよい。例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などのグラファイト、単層または多層のカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン、VGCF、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維、アルミニウム粉などの金属粉末、フッ化炭素、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などが使用可能である。これらを単独で使用してもよく、また、2種以上を併用してもよい。これらの中では、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。
導電助剤の形態としては、例えば、導電助剤が粒子状である場合、1次粒子のみに制限されず、2次粒子や鎖状構造などの集合体の形態を有するものも用いることができる。このような集合体の形態を有する導電助剤の場合、取り扱いがより容易であり、正極の生産性を高めることができる。
正極合剤層に占める正極活物質の割合は、85重量%以上かつ99重量%以下であることが好ましい。正極活物質の含有比率が85%より小さいと電池容量が小さくなり、逆に、99%より大きいと導電助剤の量が相対的に少なくなって正極の抵抗が高くなる。
正極活物質として、前記一般組成式(1)で表される非水電解質二次電池用正極材料のみを用いてもよいが、他の正極材料を、例えば5重量%以上50重量%以下の割合で組み合わせて用いてもよい。組み合わせる正極材料として、例えば、下記の一般組成式(2)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物を用いることができる。
Li1+aNi1−b−c−dCoMnM‘2−e …(2)
前記一般組成式(2)中、M‘はAl, Mg, Zr,V, W, Mo, Cr,Ti, B,Si, Fe, P, F, S, Clのうち少なくとも一種の元素を表し、0.00≦a≦0.05, 0.00≦b≦0.02, 0.01≦c≦0.03, 0.001≦d≦0.03, 0≦e≦0.01である。
前記一般組成式(2)で表されるような正極材料を、前記一般組成式(1)で表される正極材料と組み合わせることで、非水電解質二次電池としての電気化学特性や安全性が向上する。
正極合剤層に占めるバインダの質量は、0.2%以上かつ5%以下であることが好ましい。また、正極合剤層に占める導電助剤の質量は、0.5%以上かつ8%以下であることが好ましい。例えば、正極合剤層は、黒鉛とカーボンブラックを0.5重量%以上かつ8重量%以下の割合で含むことができる。
正極活物質としての本発明に係る非水電解質二次電池用正極材料、バインダ、および導電助剤などを含む正極合剤を、NMPに分散させてスラリー状の合剤組成物を調製する。この合剤組成物を正極集電体の片面または両面に塗布した後、NMPを蒸発させ、さらにプレス処理を行って集電体表面に正極合剤層を形成する。プレス処理は、正極合剤層の厚みや密度を調節するためのもので、例えば、ロールプレス機や油圧プレス機を用いて行うことができる。
このようにして作製された正極合剤層の密度は3.5g/cm以上かつ4.0g/cm以下であることが好ましい。正極の作製方法は上記に限定されず、他の作製方法によってもよい。
正極集電体の材料は、非水電解質二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。上記材料の中では、軽量で導電性が高いことから、アルミニウムまたはアルミニウム合金が好ましい。正極集電体の材料としては、例えば、前記材料のフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども使用できる。また、正極集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。正極集電体の厚みは特に限定されないが、例えば約1μm以上かつ500μm以下であることが好ましい。
集電体表面に正極材料を含むスラリー、すなわち正極合剤含有組成物を塗布する方法としては、スピンコーティング、ディッピング、スクリーン印刷などの各種の方法を用いることができる。
(実施例)
以下、前述の実施の形態に基づく本発明の非水電解質二次電池用正極材料およびその製造方法、非水電解質二次電池の実施例について説明する。
[実施例1]
<正極活物質の合成>
Li化合物としてLiCO、Na化合物としてNaCO、Co化合物としてCo、Ni化合物としてNi(OH)、Mg化合物としてMg(OH)を適当な混合割合で乳鉢に収容して混合した後、ペレット状に固め、大気圧の酸素雰囲気(酸素濃度100%)中にて、1000℃で10時間熱処理をして粉砕した。その後、この粉砕したものをさらに大気圧の酸素雰囲気(酸素濃度100%)中にて、1000℃で10時間熱処理を行った。熱処理を行ったペレットを乳鉢内で粒子の平均直径が20μmとなるように粉砕して、一般組成式Li1.01Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。なお、組成比は、ICP(Inductivity Coupled Plasma:誘導結合プラズマ発光分析)法およびヨード滴定法により測定した。
<正極の作製>
正極活物質として、上記一般組成式Li1.01Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005のリチウム含有コバルト酸化物の粉末を、バインダとしてPVDFを含有したNMP溶液中に分散させて混合液を調製した。NMP溶液の質量に占めるPVDFの質量は10%であった。また、上記組成のリチウム含有コバルト酸化物とNMP溶液の質量比は、95:5とした。この混合液に、導電助剤としてカーボンブラックを2.5質量部添加し、乳鉢内で混練し、さらにNMPを加えて粘度を調節して正極合剤スラリーを調製した。
調製した正極合剤スラリーを、ベーカー式アプリケーターを用いて、ギャップ(隙間)を200μmに調整して、厚さ15μmのアルミニウム箔による正極集電体に塗布した後、80℃で1時間乾燥させて正極合剤層を形成した。正極合剤層が形成された正極集電体を、直径15mmの円盤状に加工した後、約30MPaの圧力でプレスし、さらに真空乾燥機にて100℃で20時間乾燥させた。以上の工程によって、非水電解質二次電池用正極を得た。
<負極の作製>
所定の厚さの金属リチウム圧延板を直径16mmの円盤状に加工して非水電解質二次電池用負極を作製した。
<非水電解液>
体積比で1:2のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル濃度(mol/l)となるように溶解させて非水電解液を調製した。
<電池の組立>
以上の工程により得られた非水電解質二次電池用正極、負極および非水電解液を用い、前述の実施の形態において説明した図1に示す構成の非水電解質二次電池を作成した。
[実施例2]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.01Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例2にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例3]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.02Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例3にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例4]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、Zr化合物としてZrOを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.965Ni0.03Zr0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例4にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例5]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.945Ni0.05Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例5にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例6]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.985Ni0.01Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例6にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例7]
実施例1で用いたMg化合物に加えて、Al化合物としてAl(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.955Ni0.02Mg0.01Al0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例7にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例8]
実施例7で用いたAl化合物に加えて、Zr化合物としてZrOを用い、それ以外は実施例7と同様の手順で、一般組成式Li1.01Na0.002Co0.955Ni0.02Mg0.01Zr0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例8にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例9]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、Al化合物としてAl(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.97Ni0.02Al0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、上記実施例1と同様の手順で実施例9にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例10]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、Mn化合物としてMn(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.97Ni0.02Mn0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例10にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例11]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、Mo化合物としてMoOを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.97Ni0.02Mo0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例11にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例12]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、V化合物としてVを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.97Ni0.02Vo0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例12にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例13]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、W化合物としてWOを用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.97Ni0.02Wo0.01で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例13にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例14]
実施例1で用いたMg化合物に代えて、Bi化合物としてBi(OH)を用い、それ以外は実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.968Ni0.03Bi0.002で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例14にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例15]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.03Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例15にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例16]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.10Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例16にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例17]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。次に、pH値が9以上11以下、温度が60℃以上かつ80℃以下に調整された水酸化リチウム水溶液中に前記非水電解質二次電池用正極材料の粉末を投入し、撹拌して分散させた後、Al(NO・9HOを滴下した。このときpH値が変化しないように、アンモニア水を同時に滴化することでAl(OH)共沈物が生成された。その後、5時間以上、撹拌し続け、随時水酸化リチウムでpH値が変動しないように調整した。次に、吸引ろ過によって、Al(OH)が付着した正極材料粉末と水溶液を分離し、超純水で洗浄し、80℃で24時間、真空乾燥させた。この粉末を400℃で10時間、大気雰囲気(酸素濃度21%)で焼成した。このような工程により正極材料表面に形成された酸化物被膜において、Alが、正極材料に対するモル比率で、1mol%含有されたものを作製した。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例17にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例18]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。次に、ジルコニウムイソプロポキシドをイソプロピルアルコール溶媒に溶解させ、前記非水電解質二次電池用正極材料の粉末と共に温度が60℃で10時間撹拌し、80℃で乾燥させた。この粉末を400℃、大気雰囲気で10時間焼成した。このような工程により正極材料表面に形成された酸化物被膜において、Zrが、正極材料に対するモル比率で、1mol%含有されたものを作製した。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例18にかかる非水電解質二次電池を作製した。
[実施例19]
実施例1と同様の手順で、正極活物質として一般組成式Li1.01Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005で表されるリチウム含有コバルト酸化物を得た。pH値が9以上11以下、温度が60℃に調整された水酸化リチウム水溶液中に前記非水電解質二次電池用正極材料の粉末を投入し、撹拌して分散させた後、窒化アルミニウム水和物を入れた。そこへフッ化アンモニウム水溶液を少しずつ滴化し、10時間以上撹拌した後、吸引ろ過し、超純水で洗浄してから80℃で24時間、真空乾燥させた。この粉末を窒素ガス雰囲気中で10時間、焼成した。このような工程により正極材料表面に形成されたAlFが、正極材料に対するモル比率で、1mol%含有されたものを作製した。この正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で実施例19にかかる非水電解質二次電池を作製した。
実施例1から実施例19の正極活物質の組成、および正極活物質の表面を被覆した元素について、以下の表1に一覧表示する。表1は、実施例および比較例の前記一般組成(1)に対応する組成を示す一覧表である。
Figure 0006120765
[比較例]
前記一般組成式(1)に基づく組成を、表1の比較例1から比較例7に示す組成としてリチウム含有コバルト酸化物を調製した。なお、比較例1から比較例7のリチウム含有コバルト酸化物の合成時の焼成工程では、大気雰囲気中で1回のみ900℃で10時間熱処理を行った。
各比較例の正極酸化物の一般組成式は通りである。比較例1はLi1.10Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.0051.994、比較例2はLi1.01Co0.965Ni0.03Mg0.0051.999、比較例3はLi1.10Na0.002Co0.995Mg0.0051.998、比較例4はLi1.10CoO1.995、比較例5はLi1.01CoO、比較例6はLi0.98Na0.002Co0.965Ni0.03Mg0.005、比較例7はLi1.01Co0.98Al0.01Mg0.01、である。
比較例5については、作製した正極活物質表面に次の手順でAlの被膜を形成した。即ち、pH値が9以上かつ11以下、温度が60℃以上かつ80℃以下に調整された水酸化リチウム水溶液中に前記非水電解質二次電池用正極材料の粉末を投入し、撹拌して分散させた後、Al(NO・9HOを滴下した。このときpH値が変化しないように、アンモニア水を同時に滴化することでAl(OH)共沈物が生成された。その後、5時間以上、撹拌しつづけ、随時水酸化リチウムでpH値が変動しないように調整した。次に、吸引ろ過によって、Al(OH)が付着した正極材料粉末と水溶液を分離し、超純水で洗浄し、80℃で24時間、真空乾燥させた。この粉末を400℃で10時間、大気雰囲気(酸素濃度21%)で焼成した。このような工程により正極材料表面に形成された酸化物被膜において、Alが、正極材料に対するモル比率で、1mol%含有されたものを作製した。
これらの正極活物質を用いて、実施例1と同様の手順で正極を作製し、さらに、実施例1と同様の手順で比較例1から比較例7にかかる非水電解質二次電池を作製した。
<電池の評価>
実施例1から実施例19および比較例1から比較例7の各非水電解質二次電池について、次の要領で放電容量と初回充放電効率、および連続充電特性を測定した。
<放電容量の測定>
室温(25℃)にて、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が4.45Vとなるまで定電流で充電を行い、その後、4.45V vs Li/Li+の定電圧で電流が負荷率0.005Cになるまで充電した。充電終了後、1時間放置した。次に、負荷率0.05Cの電流で電池電圧が3.00Vとなるまで定電流で放電を行い、放電容量を測定した。さらに充電容量に対する放電容量の比を初回充放電効率として算出した。その測定結果を以下の表2に示す。表2は、実施例および比較例に対して求めた、放電容量と初回充放電効率、および連続充電耐久時間を示す一覧表である。
Figure 0006120765
<連続充電特性の測定>
放電容量を2回測定した電池を60℃の恒温槽に30分間放置した後、60℃の環境を保ったまま、負荷率0.05Cの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.5V vs Li/Li+になるまで充電した。電流値が減衰した後、さらに4.5V vs Li/Li+の定電圧で、負荷率が再び0.05Cとなるまで連続充電を行い、充電を開始した時点から再び0.05Cに到達する時点までの時間を測定した。その測定結果を表2に示す。
表2に示した結果から以下のことが分かる。実施例1から実施例14に係る非水電解質二次電池では、4.45Vから3Vまでの定電流放電において170mAh/g以上の放電容量であり、充放電効率が90%以上、より正確には92%以上であった。かつ300時間以上の連続充特性を示している。特に、NaとNiを添加することで、連続充電特性が高くなる傾向があり、添加元素Mや被覆に関しては、連続充電特性の改善効果は多少あるものの、主に熱安定性やサイクル寿命等に効果を発揮することが分かった。これに対して、比較例1から比較例7に係る非水電解質二次電池では、充放電効率が90%よりも低いか、または連続充電特性が300時間を下回る。
比較例1においては、前記一般組成式(1)の酸素に関するδの値以外は実施例16とほぼ同等の組成である正極材料が用いられている。比較例1の非水電解質二次電池は、連続充電特性は高いものの、正極活物質が大気雰囲気で焼成されたことにより、酸素欠損が比較的多くなることに加え、おそらくNiのLiサイトへの遷移による影響で充放電効率が低下したものと考えられる。
比較例2においては、前記一般組成式(1)のNaに関するαの値と酸素に関するδの値以外は実施例1とほぼ同等の組成である正極材料が用いられている。Niが添加されていることによって、連続充電特性は比較的高いものの300時間を下回る。また、大気雰囲気で焼成されたことにより、おそらくNiのLiサイトへの遷移による影響で充放電効率が90%よりも低下したと考えられる。
比較例3においては、前記一般組成式(1)のNiに関するβの値と酸素に関するδの値以外は実施例1とほぼ同等の組成である正極材料が用いられている。Niが添加されていないため、連続充電特性が低下し、300時間を下回る。
比較例4においては、前記一般組成式(1)における、Na、Ni、およびMが添加されていない正極材料が用いられている。Liが多く添加されていることによって、連続充電特性は比較的高いものの300時間を下回る。また、大気雰囲気で焼成されたことにより、酸素欠損が多くなり、ここでは示さないがサイクル寿命が低下する。
比較例5においては、前記一般組成式(1)における、Na、Ni、およびMが添加されておらず、かつAlが表面に被覆された正極材料が用いられている。被覆による連続充電特性の改善効果は小さく、連続充電特性は300時間を大きく下回る。
比較例6においては、前記一般組成式(1)のLiに関するxの値以外は実施例1とほぼ同等の組成である正極材料が用いられている。Liに関するxが1.00を下回ると、連続充電特性は極めて低下し、300時間を大きく下回る。
比較例7においては、一般組成式(1)のNaに関するαの値とNiに関するβの値以外は実施例1とほぼ同等の組成である正極材料が用いられている。NaとNiが添加されていないため、連続充電特性は極めて低下し、300時間を大きく下回る。
実施例1から実施例19にかかる非水電解質二次電池が、どのような理由で良好な結果が得られるかということの詳細は明確ではない。ただ、正極活物質としてのリチウム含有コバルト酸化物において、Liの元素が、適量のNaにより置換され、さらにCo元素が、適量のNiやAl、Mg、Zrなどの元素により置換されることで、電気化学特性を損なうことなく、60℃以上の高温において、4.5V以上の高電圧で連続充電した際でも構造相転移が抑制されるものと考えられる。また、正極活物質の表面が被覆されたものについては、前記の作用に加えて、特に60℃未満の温度領域において、電解液との副反応が抑制される効果も相乗的に発揮され、過電圧の抑制、やサイクル寿命の向上、さらにはCo溶出にかかわる酸素の脱離が低減されるものと考えられる。
以上記載したように、本発明の非水電解質二次電池によれば、容量が大きく、高温における高電圧での連続充電特性に優れた非水電解質二次電池を提供することができる。特に、本発明にかかる非水電解質二次電池は正極電位がリチウム基準で4.4V以上になるまで充電した際のCo溶出抑制効果に優れる。加えて、酸素欠損やNiのLiサイトへの遷移が抑制され、実用レベルの充放電電流値での容量が確保されることがわかる。
なお、Mに関しては、Mg、Zr、Mn、Mo、V、W、Bi以外の、Cr、Tiを用いても、同様の効果を上げることができる。また、これらの元素を適宜混合して用いることもできる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…容器、2…負極、3…セパレータ、4…正極、100…非水電解質二次電池

Claims (14)

  1. 一般組成式Lix-αNaαCo1−β−γNiβγ2−δ(式中、MはAl,Mg,Zr,Mn,V,W,Mo,Cr,Bi,Ti,Si,Fe,P,F,S,Clのうち少なくとも一種の元素を表し、1.011≦x≦1.13,0.001≦α≦0.03,0.01≦β≦0.05,0.001≦γ≦0.03,0≦δ≦0.002である)で表されるリチウム含有コバルト酸化物からなることを特徴とする非水電解質二次電池用正極材料。
  2. 前記リチウム含有コバルト酸化物は、粒子の直径が5μm以上50μm以下の範囲であり、5μm以上15μm以下の範囲と、18μm以上50μm以下の範囲にそれぞれピークを有するように分布している粒子状であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
  3. 前記リチウム含有コバルト酸化物の比表面積は、0.01m/g以上かつ1.0m/g以下であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
  4. 前記リチウム含有コバルト酸化物の粒子表面は、Li,Zr,Ti,Al,Ni,Mn,Zn,PおよびFよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を被覆されており、前記酸化物に含まれる元素の原子数は、前記リチウム含有コバルト酸化物の分子数の10mol%以下であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
  5. 前記リチウム含有コバルト酸化物の粒子表面は、Li,Zr,Ti,Al,Ni,Mn,Zn,PおよびFよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むフッ化物を被覆されていることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池用正極材料。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法であって、
    前記リチウム含有コバルト酸化物は焼成工程を経て製造され、
    前記焼成工程における焼成温度は、650℃以上かつ1200℃以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  7. 前記焼成工程を1回以上有し、最後の焼成工程は、空気の酸素濃度よりも高い酸素濃度のガスフロー環境下で行われること特徴とする請求項に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  8. 前記最後の焼成工程における焼成温度は、800℃以上かつ1200℃以下であることを特徴とする請求項に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  9. 前記最後の焼成工程は、80%以上の酸素濃度のガスフロー環境下で行われることを特徴とする請求項に記載の非水電解質二次電池用正極材料の製造方法。
  10. 容器内にセパレータを介して積層させた正極と負極を収容すると共に非水電解質が充填された非水電解質二次電池であって、
    前記正極が請求項1から請求項のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池用正極材料からなる正極合剤層を備えることを特徴とする非水電解質二次電池。
  11. 前記正極合剤層は、一般組成式、Li1+aNi1−b−c−dCoMnM‘dO2−e(式中、M‘はAl,Mg,Zr,V,W,Mo,Cr,Ti,B,Si,Fe,P,F,S,Clのうち少なくとも一種の元素を表し、0.00≦a≦0.05,0.00≦b≦0.02,0.01≦c≦0.03,0.001≦d≦0.03,0≦e≦0.01である)で表されるリチウム含有ニッケル・コバルト・マンガン酸化物を、5重量%以上かつ50重量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項10に記載の非水電解質二次電池。
  12. 前記正極合剤層は、黒鉛とカーボンブラックを0.5重量%以上かつ8重量%以下の割合で含むことを特徴とする請求項10に記載の非水電解質二次電池。
  13. 前記正極合剤層の密度は、3.5g/cm以上かつ4.0g/cm以下であることを特徴とする請求項10に記載の非水電解質二次電池。
  14. 室温で0.1C以下の負荷率で5Vまで充電したときの正極の充電曲線を電圧で微分することによって得られるdQ/dV曲線の最も高電位に確認されるピークの電位が4.64V以上であることを特徴とする請求項10に記載の非水電解質二次電池。
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