JP2014089869A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高充電終止電圧まで充電されたときの保存特性に優れた高容量な非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】本発明は、正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、正極活物質が、少なくともジルコニウムとマグネシウムとを含有するリチウムコバルト複合酸化物、又は前記リチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物と、の混合物からなり、非水電解質が、フルオロエチレンカーボネートと、ジ(2−プロピニル)オギザレートと、NC−R−CN(Rは直鎖の飽和炭化水素基である。)で表されるジニトリル化合物とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池の保存特性の向上に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高エネルギー密度で高容量であるため、携帯電話、ノートパソコン等の移動情報端末、電気自動車などの駆動電源として用いられている。
近年、上記移動端末等の高機能化に伴い、その駆動電源である非水電解質二次電池には、さらなる高容量化や、サイクル特性、保存特性のような電池特性の向上が要望されている。
例えば、特許文献1は、非水電解質を改善することにより、非水電解質二次電池のサイクル特性等を向上させる技術を提案している。具体的には、特許文献1は、非水電解質に、スルホキシド基、スルホン基又はオギザリル基を含むアルキン誘導体を含有させる技術を提案している。特許文献1の技術によれば、広い温度範囲でのサイクル特性や電気容量、更には保存特性などに優れたリチウム二次電池を提供することができる。
ところで、このような非水電解質二次電池は、通常、充電終止電圧が4.2Vで使用されているが、充電終止電圧4.2Vの非水電解質二次電池は、正極活物質であるリチウム遷移金属酸化物中のリチウムイオンを50%程度しか使用していないことが知られている。このため、充電終止電圧を4.2Vから4.3V以上(正極の電位がリチウム金属基準で4.4V以上)に高めることで、正極活物質中のリチウムイオン利用率を高め、高容量化することができる。
しかし、非水電解質二次電池を高い電圧まで充電すると、電圧の上昇に伴い、正極の酸化性が高くなるため、満充電時、通常の充電終止電圧4.2Vの場合と比較して、(1)リチウム遷移金属酸化物の相転移による遷移金属イオンの溶出が加速する(容量劣化)、(2)正極活物質−非水電解質界面における副反応により容量が低下する(自己放電)、(3)正極活物質から溶出した遷移金属イオンが負極上に堆積し微小短絡を引き起こす(自己放電)といった問題が生じる。また、このような問題は、高温時に顕著となる。
そこで、特許文献2は、充電終止電圧を高めたときに生じる不具合に対処する技術を提案している。具体的には、特許文献2は、正極がニッケル、コバルト及びマンガンを含む正極活物質を有し、非水電解質が、非水溶媒、リチウム塩及びアジポニトリルを含み、アジポニトリルの量が、非水溶媒及びリチウム塩の総質量100質量部あたり10質量部以下である技術を提案している。特許文献2によれば、高電圧下で充電しても、長寿命及び高温安定性を同時に達成できるリチウム電池を提供できる。
特開2002−124297号公報 特開2011−54560号公報
しかしながら、上記特許文献2の技術を用いたとしても、高い充電終止電圧まで充電し、保存したときの容量劣化と自己放電の両方を十分に抑制することはできない。
本発明は、上記問題に鑑み、高い充電終止電圧まで充電されたときの保存特性に優れた高容量な非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池において、正極活物質は、少なくともジルコニウムとマグネシウムとを含有するリチウムコバルト複合酸化物、又は前記リチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物との混合物からなり、非水電解質は、フルオロエチレンカーボネートと、ジ(2−プロピニル)オギザレートと、NC−R−CN(Rは直鎖の飽和炭化水素基である。)で表されるジニトリル化合物とを含む。
正極活物質として用いられる、少なくともジルコニウムとマグネシウムとを含有するリチウムコバルト複合酸化物は、ジルコニウムとマグネシウムとの添加によって高電位での構造安定性が高められており、高電圧で保存したときの材料劣化を抑制することができる。
また、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、高電位での熱安定性に優れるので、これを上記リチウムコバルト複合酸化物とともに用いることもできる。
すなわち、正極活物質としては、上記リチウムコバルト複合酸化物を単独で用いてもよく、又は上記リチウムコバルト複合酸化物と、上記リチウムニッケルマンガン複合酸化物とを組み合わせて用いてもよい。
非水電解質に含まれるフルオロエチレンカーボネートは、非水電解質の耐酸化性を高めるように作用する。
また、前記ジニトリル化合物は、キレート配位子として遷移金属イオンに作用し錯体塩を形成するので、溶出した遷移金属イオンが負極上に析出することを防止できる。さらに、前記ジニトリル化合物は、正極上で分解して酸化被膜を形成するので、正極による非水電解質の分解を抑制することもできる。
ジ(2−プロピニル)オギザレートは、負極上で分解して強固な負極保護被膜を形成するので、負極上への遷移金属イオンの再析出や堆積を抑制することができる。
上記のような効果が相乗的に作用して、電池の充電終止電圧を正極のリチウム基準の電位で4.4V以上、さらには4.45V以上と高くした場合でも、満充電状態での容量劣化及び自己放電を抑制することができる。
ここで、少なくともジルコニウムとマグネシウムとを含有するリチウムコバルト複合酸化物におけるリチウム以外の金属元素の総モル数に対するジルコニウムのモル比及びマグネシウムのモル比は、それぞれ0.001〜0.05であることが好ましい。ジルコニウム及びマグネシウムのモル比がそれぞれ0.001より小さいと、耐酸化性が不十分となるおそれがある。一方、ジルコニウム及びマグネシウムのモル比がそれぞれ0.05より過剰に添加されると、抵抗層となり負荷特性が低下するおそれがある。
また、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物におけるリチウム以外の金属元素の総モル数に対するニッケルのモル比及びマンガンのモル比は、それぞれ0.3〜0.6及び0.1〜0.4とすることが好ましい。ニッケルのモル比を0.3〜0.6とし、マンガンのモル比を0.1〜0.4とすることにより、高容量かつ高い熱安定性(構造安定性)が得られる。
上記非水電解質二次電池において、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、LiNiCoMn(0.9≦a≦1.1、0.3≦x≦0.6、0.1≦z≦0.4、x+y+z=1)で示される化合物であり、前記リチウムニッケルマンガン複合酸化物の量は、正極活物質の総質量の30質量%以下である構成することができる。ここで、リチウムのモル比aの上記範囲は作製直後の値であり、モル比aの値は充放電により前記範囲を超えて変化する。
上記LiNiCoMnは、高電位においても高い熱安定性を有することから、前記リチウムコバルト複合酸化物とともに用いることで、電池に高い安全性を付与できる。
ただし、正極活物質の全質量に対するLiNiCoMnで示される化合物の量が30質量%を超えると、電池容量及び満充電・高温保存時の残存容量が低下するおそれがある。よって、LiNiCoMnで示される化合物の量は、30質量%以下であることが好ましい。
前記リチウムコバルト複合酸化物には、熱安定性を高めるために、アルミニウムをさらに添加してもよい。この場合、前記リチウムコバルト複合酸化物は、LiCoZrMgAl(0.9≦a≦1.1、0.001≦c≦0.05、0.001≦d≦0.05、0≦e≦0.05、b+c+d+e=1)であることが好ましい。
なお、リチウムのモル比aの上記範囲は作製直後の値であり、モル比aの値は充放電により前記範囲を超えて変化する。
上記非水電解質二次電池において、前記ジニトリル化合物NC−R−CNの直鎖の飽和炭化水素基Rの炭素数は4〜8である構成とすることができる。具体的には、前記ジニトリル化合物NC−R−CNは、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、及びセバコニトリルよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
直鎖の飽和炭化水素基Rの炭素数が4〜8である上記ジニトリル化合物を用いることにより、満充電状態で保存したときの容量劣化及び自己放電を抑制する効果をさらに高めることができる。
上記非水電解質二次電池において、ジニトリル化合物NC−R−CNの量が、非水電解質の全質量の0.1〜10質量%である構成とすることができる。ジニトリル化合物の量が少なすぎると、上記本発明の効果が十分に得られないおそれがある。一方で、ジニトリル化合物を、本発明の効果が上限に達する以上に添加すると、コストが増加する。
また、上記非水電解質二次電池において、ジ(2−プロピニル)オギザレートの量が、非水電解質の全質量の0.1〜10質量%である構成とすることができる。ジ(2−プロピニル)オギザレートの量が少なすぎると、上記本発明の効果が十分に得られないおそれがある。一方で、ジ(2−プロピニル)オギザレートの量を、本発明の効果が上限に達する以上に添加すると、コストが増加する。
フルオロエチレンカーボネートの量は、非水溶媒の全体積の5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。フルオロエチレンカーボネートの量が少なすぎると、上記本発明の効果が十分に得られないおそれがある。一方で、フルオロエチレンカーボネートの量を、本発明の効果が上限に達する以上に添加すると、コストが増加する。
本発明によれば、高い充電終止電圧まで充電されたときの保存特性に優れた高容量な非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明を実施するための形態を、実施例を用いて説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
[正極板の作製]
コバルト(Co)と、ジルコニウム(Zr)と、マグネシウム(Mg)と、アルミニウム(Al)とを共沈させ、熱分解反応させて、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム含有四酸化三コバルトを得た。この四酸化三コバルトと炭酸リチウムとを混合し、空気雰囲気中で850℃で24時間焼成し、その後乳鉢で平均粒径が14μmとなるまで粉砕して、LiCo0.973Mg0.005Al0.02Zr0.002で表される、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム含有リチウムコバルト複合酸化物(正極活物質A)を得た。
炭酸リチウムと、Ni0.33Mn0.33Co0.33(OH)2で示される共沈水酸化物とを混合し、空気雰囲気中で1000℃で20時間焼成し、その後乳鉢で平均粒径が5μmとなるまで粉砕して、LiNi0.33Mn0.33Co0.33で表される、層状構造を有するコバルト含有リチウムニッケルマンガン複合酸化物(正極活物質B)を得た。なお、この正極活物質BのX線結晶構造回析を行ったところ、層状構造であることが確認された。
上記のようにして得られた、正極活物質Aと、正極活物質Bとを、質量比95:5で混合して、混合正極活物質を得た。
前記混合正極活物質と、導電助剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンとを質量比95:2.5:2.5で混合して混合物を得、この混合物を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)と混合して、正極合剤スラリーを得た。
正極合剤スラリーを、ドクターブレード法により、厚み15μmのアルミニウム箔製正極芯体の両面に均一に塗布し、乾燥機中100〜150℃の温度で真空処理してNMPを除去し、厚みが0.14mmとなるようにロールプレス機により圧延して、正極板を得た。
[負極板の作製]
黒鉛からなる負極活物質と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴムと、粘度調整剤としてのカルボキシメチルセルロースとを質量比96:2:2で混合して、混合物を得、この混合物を水と混合して、負極合剤スラリーを得た。
負極合剤スラリーを、ドクターブレード法により、厚み8μmの銅箔製負極芯体の両面に均一に塗布し、乾燥機中100〜150℃の温度で加熱処理して水分を除去し、厚みが0.15mmとなるようにロールプレス機により圧延して、負極板を得た。
[非水電解質の調製]
エチルメチルカーボネート(EMC)と、フルオロエチレンカーボネート(FEC)とを、80:20の体積比(25℃、1気圧)で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度となるように溶解した。得られた溶液に、アジポニトリル(Rの炭素数4)を1質量%の濃度となるように、ジ(2−プロピニル)オギザレートを1質量%となるように添加して、非水電解質を調製した。
[電池の作製]
上記のようにして得た正極板と、負極板と、これらの間に配置されたポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ(厚み22μm)とを、渦巻状に捲回して、捲回電極体を得た。この捲回電極体を、電池缶に収容し、非水電解質を注液し、電池缶を封口して、円筒形の非水電解質二次電池(φ18mm×65mm)を作製した。この電池の設計容量は3000mAhとした。
[電極体の作製]
正極にはアルミニウム製のリード線を、負極にはニッケル製のリード線を溶接し、前記正極と負極をポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介して扁平型に巻回して渦巻状の電極体を作製した。
(実施例2〜4)
非水電解質の調製時に、アジポニトリルの代わりに、ピメロニトリル(Rの炭素数5)(実施例2)、セバコニトリル(Rの炭素数8)(実施例3)、またはグルタロニトリル(Rの炭素数3)(実施例4)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、実施例2〜4の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1〜3)
非水電解質の調製時に、ジニトリル化合物及びジ(2−プロピニル)オギザレートを添加しなかったこと以外(比較例1)、ジ(2−プロピニル)オギザレートを添加しなかったこと以外(比較例2)、またはジニトリル化合物を添加しなかったこと以外(比較例3)、実施例1と同様にして、比較例1〜3の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
非水電解質の調製時に、フルオロエチレンカーボネート(FEC)の代わりに、エチレンカーボネート(EC)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例4の非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム含有リチウムコバルト複合酸化物の代わりに、異種元素が添加されていないコバルト酸リチウム(LiCoO)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、比較例5の非水電解質二次電池を作製した。
表1に、実施例1〜4及び比較例1〜5の各電池における正極活物質及び非水電解質の組成を示す。なお、表1において、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム含有リチウムコバルト複合酸化物はLCO(Mg,Zr,Al添加)と表記し、層状ニッケルマンガンコバルト酸リチウムはLNCMと表記し、コバルト酸リチウムはLCO(無添加)と表記している。グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリル及びジ(2−プロピニル)オギザレートは、それぞれGltCN、AdpCN、PmlCN、SbcCN及びD2POと表記している。
(評価)
[高温保存試験]
実施例1〜4及び比較例1〜5の各電池を、25℃の環境下、1It(3000mA)の定電流で、電池電圧が4.35Vになるまで充電し、次いで4.35Vの定電圧で電流値が1/50Itになるまで充電した。この後、充電後の各電池を、1Itの電流で、電池電圧が3Vになるまで放電した。このときの放電容量を初期容量とした。
次に、実施例及び比較例の各電池を上記と同様にして充電し、充電後の各電池を、60℃の恒温槽内にて30日間保存した。保存後の各電池を25℃まで放冷した後、1Itの電流値で放電して、残存容量を求めた。結果を表2に示す。表2において、残存容量は、初期容量に対する比率(%)として表している。
さらに、残存容量を求めた後の各電池を、初期容量と求めたときと同じ充放電サイクルに1回供し、復帰容量を求めた。結果を表2に示す。表2において、復帰容量は、初期容量に対する比率(%)として表している。
なお、上記残存容量及び復帰容量の測定は、それぞれ、保存時の自己放電及び容量劣化を評価する目的で行った。
比較例1と比較例2の結果から、アジポニトリルを添加し、ジ(2−プロピニル)オギザレートを添加しない比較例2の電池は、アジポニトリル及びジ(2−プロピニル)オギザレートのいずれも添加しない比較例1の電池と比べて、残存容量は3.1%向上し、復帰容量は4.6%向上したのみであった。
また、比較例1と比較例3との結果から、ジ(2−プロピニル)オギザレートを添加し、アジポニトリルを添加しない比較例3の電池は、そのいずれも添加されていない比較例1の電池と比べて、残存容量は6.5%向上し、復帰容量は0.8%向上したのみであった。
一方で、非水電解質にアジポニトリル及びジ(2−プロピニル)オギザレートの両方を添加した実施例1の電池は、アジポニトリルを添加し、ジ(2−プロピニル)オギザレートを添加しない比較例2の電池と比べて、残存容量が15%、復帰容量が0.9%さらに向上していた。また、実施例1の電池は、ジ(2−プロピニル)オギザレートを添加し、アジポニトリルを添加しない比較例3の電池と比べて、残存容量が11.6%、復帰容量が4.7%さらに向上していた。
以上のように、実施例1と比較例1〜3の結果から、正極活物質が、Zr、Mgを含有するリチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物とからなり、非水電解質がフルオロエチレンカーボネートと、NC−R−CN(Rは直鎖の飽和炭化水素基)で表されるジニトリル化合物と、ジ(2−プロピニル)オギザレートを含むことにより、残存容量及び復帰容量が共に向上し、特に残存容量が大幅に向上することが明らかとなった。
上記正極活物質は、充電終止電圧を高めたときの構造安定性が高められているため、高電圧状態で保存された場合でも、正極活物質からの遷移金属イオンの溶出が抑制されている。また、非水電解質がフルオロエチレンカーボネートを含むことにより、非水電解質の耐酸化性を高めることができる。
非水電解質に含まれるアジポニトリルは、キレート配位子として遷移金属イオンに作用し錯体塩を形成することから、溶出した遷移金属イオンが負極上に析出する前に捕捉できる。このことが、残存容量を高めることに寄与する。さらに、満充電状態で保存されたときに、前記ジニトリル化合物は正極上で分解して酸化被膜を形成することから、充電状態での正極と非水電解質との副反応を抑制することもでき、これが、復帰容量の向上に寄与したと考えられる。
さらには、ジ(2−プロピニル)オギザレートは、負極上で分解して強固な負極保護被膜を形成することから、負極上への遷移金属イオンの再析出を抑制することができ、このことが、残存容量の向上に寄与したと考えられる。
上記のような効果が相乗的に作用して、残存容量及び復帰容量、中でも残存容量が向上したと考えられる。
実施例1と比較例4の結果から、非水電解質が、アジポニトリル及びジ(2−プロピニル)オギザレートを含んでいても、フルオロエチレンカーボネートを含まない場合には、残存容量が大きく低下することが確認された。このことから、高い残存容量を得るためには、非水溶媒がフルオロエチレンカーボネートを含むことが不可欠である。
実施例1と比較例5の結果から、正極活物質が、異種元素が添加されていないコバルト酸リチウムを含む場合、非水電解質が、フルオロエチレンカーボネート、アジポニトリル及びジ(2−プロピニル)オギザレートを含んでいたとしても、残存容量及び復帰容量共に大きく低下することが確認された。なお、Alは、熱安定性向上のために添加されており、高電位での構造安定性を高める効果はない。このことから、本発明の効果を得るためには、コバルト酸リチウムに、Zr及びMgを添加することが不可欠である。
実施例1〜4の結果から、非水電解質に、アジポニトリルの代わりに、ピメロニトリル(実施例2)、セバコニトリル(実施例3)又はグルタロニトリル(実施例4)を、フルオロエチレンカーボネートおよびジ(2−プロピニル)オギザレートとともに添加することにより、アジポニトリルの場合と同様に、特に残存容量が大幅に向上することが明らかとなった。
また、直鎖の飽和炭化水素基Rの炭素数が3のグルタロニトリルである実施例4の電池と比較して、直鎖の飽和炭化水素基Rの炭素数が4〜8である実施例1〜3の電池は、残存容量及び復帰容量の両方が向上している。このため、ジニトリル化合物に含まれる直鎖の飽和炭化水素基Rの炭素数は4〜8であることが好ましい。
(追記事項)
上記実施例では、正極活物質として、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム含有リチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有するコバルト含有リチウムニッケルマンガン複合酸化物との混合物を用いたが、少なくともZrとMgとを含有するリチウムコバルト複合酸化物のみからなる正極活物質を用いても、上記のような本発明の効果が得られる。
さらに、正極活物質としては、異なる2種以上の少なくともZrとMgとを含有するリチウムコバルト複合酸化物の混合物を用いてもよいし、正極活物質に、2種以上の異なる層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物が含まれていてもよい。
本発明において用いられる負極活物質は、特に限定されず、当該分野で一般的に用いられている材料を用いることができる。例えば、負極活物質としては、上記実施例で用いた黒鉛以外にも、Li、Si、SiO、Sn、SnO、Li[Li1/3Ti5/3]Oなどを用いることができる。
ここで、電池電圧は、正極の電位と負極の電位との差で示され、電池電圧を大きくすることにより、電池容量を大きくすることができるが、負極活物質として電位の低い黒鉛(リチウム基準で約0.1V)を用いると、電池電圧が高く、正極活物質の利用効率の高い電池が得られる。
非水電解質は、非水溶媒と、これに溶解した電解質塩とを含む。非水溶媒は、フルオロエチレンカーボネートと、フルオロエチレンカーボネート以外の溶媒から構成することができる。フルオロエチレンカーボネート以外の非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのリチウム塩の溶解度が高い高誘電率溶媒、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどの低粘性溶媒が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li1212、LiB(C)F、LiP(C等のリチウム塩を一種以上用いることができる。非水電解質における電解質塩の合計濃度は、0.5〜2.0モル/リットルであることが好ましい。
また、非水電解質に、上記ジニトリル化合物及びジ(2−プロピニル)オギザレート以外の添加剤、例えばビニレンカーボネート、シクロヘキシルベンゼン、tert−アミルベンゼン等を添加してもよい。
セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンやこれらの混合物ないし積層物等のオレフィン樹脂からなる微多孔膜を用いることができる。
上記実施例では、リチウム基準に対する正極の充電終止電位を4.45Vとしているが、リチウム基準に対する正極の充電終止電位を4.45V以上4.60V以下とした場合にも、上記本発明の効果が得られる。
以上説明したように、本発明によれば、高い充電終止電圧まで充電されたときの保存特性に優れる高容量な非水電解質二次電池を提供できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (5)

  1. 正極活物質を含む正極と、負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池において、
    前記正極活物質は、少なくともジルコニウムとマグネシウムとを含有するリチウムコバルト複合酸化物、又は前記リチウムコバルト複合酸化物と、層状構造を有するリチウムマンガンニッケル複合酸化物と、の混合物からなり、
    前記非水電解質は、フルオロエチレンカーボネートと、ジ(2−プロピニル)オギザレートと、NC−R−CN(Rは直鎖の飽和炭化水素基である。)で表されるジニトリル化合物と、を含む、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
    前記リチウムマンガンニッケル複合酸化物が、LiNiCoMn(0.9≦a≦1.1、0.3≦x≦0.6、0.1≦x≦0.4、x+y+z=1)で示される化合物であり、かつ前記リチウムマンガンニッケル複合酸化物の量が、前記正極活物質の全質量の30質量%以下である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池において、
    前記直鎖の飽和炭化水素基Rの炭素数が、4〜8である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池において、
    前記ジニトリル化合物の量が、前記非水電解質の全質量の0.1〜10質量%である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池において、
    前記ジ(2−プロピニル)オギザレートの量が、前記非水電解質の全質量の0.1〜10質量%である、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105529498A (zh) * 2016-01-30 2016-04-27 东莞市凯欣电池材料有限公司 一种高电压电解液及使用该电解液的锂离子电池
WO2016121156A1 (ja) * 2015-01-30 2016-08-04 日立マクセル株式会社 非水電解質二次電池用正極材料及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池
JP2016173948A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 株式会社Gsユアサ 蓄電素子の製造方法、蓄電素子、および、蓄電素子の電圧低下抑制方法。
JP2019071195A (ja) * 2017-10-06 2019-05-09 トヨタ自動車株式会社 二次電池の製造方法

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