JP2006265486A - ステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、(A)L−乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であるポリ乳酸単位Aおよび(B)D―乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であるポリ乳酸単位Bからなり、(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあり、重量平均分子量が5万〜50万であり、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、200℃以上の融解ピークの割合が80%以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸を40〜98重量部、並びに(C)フィラーを2〜60重量部、
含有する樹脂組成物、その製造方法および成形品である。
【選択図】 図1
Description
ポリ乳酸樹脂のガラス転移温度は約60℃と低く、これを超える温度では軟化するため、高温環境下での使用では変形し、耐熱性が必要である用途には利用が困難であった。
耐熱性の課題を解決するために、ポリ乳酸樹脂、ポリアセタール樹脂および強化材を含有する組成物が提案されている(特許文献1参照)。しかし、その成形品の熱変形温度は100〜150℃程度であり、耐熱性はまだ十分ではない。
すなわち本発明は、(A)L−乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Aおよび
(B)D―乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Bからなり、
(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあり、重量平均分子量が5万〜50万であり、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、200℃以上の融解ピークの割合が80%以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸を40〜98重量部、
並びに
(C)フィラーを2〜60重量部、
含有する樹脂組成物である。
(B)D―乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜180℃である結晶性ポリマーB、および
(C)フィラーを、
(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲で、かつ(A)、(B)および(C)の合計を100重量部としたとき、(A)および(B)の合計が40〜98重量部、(C)が2〜60重量部の割合で共存させ、245〜300℃で熱処理することを特徴とする樹脂組成物の製造方法である。
さらに本発明は、前記樹脂組成物からなる成形品を包含する。
<樹脂組成物>
(ステレオコンプレックスポリ乳酸)
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸単位Aおよびポリ乳酸単位Bからなるステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する。ポリ乳酸単位Aおよびポリ乳酸単位Bは、下記式で表わされるL−乳酸単位またはD−乳酸単位から主としてなる。
ステレオコンプレックスポリ乳酸は、樹脂組成物の熱安定性を損ねない範囲で重合に関わる触媒を含有していてもよい。このような触媒としては、各種のスズ化合物、チタン化合物、カルシウム化合物、有機酸類、無機酸類などを上げることが出来、さらに同時にこれらを不活性化する安定剤を共存させていてもよい。
フィラーは無機フィラーまたは有機フィラーが好ましい。無機フィラーとして、ガラス繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マグネシウム系ウィスカー、珪素系ウィスカー、ワラステナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、タルク、クレイ、マイカ、セリサイト、ベントナイト、カオリン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、石膏およびドーソナイト等が挙げられる。
これらのフィラーは、繊維状、板状または針状のものを用いることができる。これらのフィラーの中で、繊維状の無機フィラーが好ましく、特にガラス繊維が好ましい。
樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記で列記したフィラー以外の通常の添加剤、例えば、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤、核形成剤、染料、顔料を含む着色剤などの1種あるいは2種以上を含有することができる。
また、樹脂組成物に対して、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、軟質熱可塑性樹脂などの少なくても一種以上をさらに添加することもできる。
本発明の樹脂組成物は、結晶性ポリマーA、Bおよびフィラーを所定の重量比で共存させ、245〜300℃で熱処理して製造することができる。
結晶性ポリマーAは、主としてL−乳酸単位から構成される。D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位を含んでいてもよい。L−乳酸単位は、90モル%以上100モル%以下である。好ましくは92モル%以上100モル%以下、より好ましくは95モル%以上100モル%以下である。またD−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位は、0モル%以上10モル%以下である。好ましくは0モル%以上8モル%以下、より好ましくは0モル%以上5モル%以下である。
結晶性ポリマーAの融点は、140〜180℃、好ましくは150〜176℃である。結晶性ポリマーAの重量平均分子量は、好ましくは5万〜50万、より好ましくは7万〜30万、さらに好ましくは10万〜25万である。
結晶性ポリマーBは、主としてD−乳酸単位から構成される。L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位を含んでいてもよい。D−乳酸単位は、90モル%以上100モル%以下である。好ましくは92モル%以上100モル%以下、より好ましくは95モル%以上100モル%以下である。またL−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位は、0モル%以上10モル%以下である。好ましくは0モル%以上8モル%以下、より好ましくは0モル%以上5モル%以下である。
結晶性ポリマーAおよびBは、その末端基に各種の末端封止が施されたものを用いてもよい。このような末端封止基としては、アセチル基、エステル基、エーテル基、アミド基、ウレタン基、などを例示することが出来る。
結晶性ポリマーAおよびBは、樹脂の熱安定性を損ねない範囲で重合に関わる触媒を含有していてもよい。このような触媒としては、各種のスズ化合物、チタン化合物、カルシウム化合物、有機酸類、無機酸類などを上げることが出来、さらに同時にこれらを不活性化する安定剤を共存させていてもよい。
結晶性ポリマーAおよびBは、既知の任意のポリ乳酸の重合方法により製造することができ、例えばラクチドの開環重合、乳酸の脱水縮合、およびこれらと固相重合を組み合わせた方法などにより製造することができる。
結晶性ポリマーAとBとの割合は、重量比で、10:90〜90:10であるが、好ましくは25:75〜75:25でり、さらに好ましくは40:60〜60:40である。一方の重量比が10未満、90を超えると、ホモ結晶化が優先してしまい、ステレオコンプレックスを形成し難くなるので好ましくない。
フィラーは、前述の無機フィラーまたは有機フィラーが好ましい。フィラーの配合量は、ポリマーA、Bおよびフィラーの合計を100重量部としたとき、2〜60重量部が好ましく、5〜50重量部がさらに好ましく、特に好ましいのは、7〜40重量部である。2重量部未満では、フィラーの効果が不十分であるので好ましくない。60重量部を超えると、フィラーが多すぎて、成形品を得るのが難しくなるため、好ましくない。
熱処理は、結晶性ポリマーA、Bおよびフィラーを共存させ、245〜300℃で維持することにより行う。熱処理の温度は好ましくは250〜280℃である。300℃を超えると、分解反応を抑制するのが難しくなるので好ましくない。熱処理の時間は結晶性ポリマーA、Bおよびフィラーが混合さる時間があれば良く、特に限定されるものではないが、0.2〜60分、好ましくは1〜20分である。熱処理時の雰囲気は、常圧の空気雰囲気下あるいは不活性雰囲気下、または減圧のいずれも適用可能である。
また溶融混練は、所定のサイズの結晶性ポリマーA、Bの粉体あるいはチップと、フィラーとを混合した後に溶融することによって行なうことが出来る。結晶性ポリマーAおよびBの粉体あるいはチップの大きさは、結晶性ポリマーAおよびBの粉体あるいはチップおよびフィラーが混合されれば、特に限定されるものではないが、3mm以下が好ましく、さらには1から0.25mmのサイズであることが好ましい。
また熱処理は、結晶性ポリマーA、Bおよびフィラーを溶媒の存在下で混合した後、加熱し溶媒を除く方法により行うことができる。この場合には、ポリマーAおよびBを別々に溶媒に溶解した溶液を調製し両者を混合した後、フィラーを分散させるか、ポリマーAおよびBを一緒に溶媒に溶解させ混合し、フィラーを分散することにより行うことが好ましい。
加熱により溶媒を除去する方法は、溶媒の蒸発の後、無溶媒の状態で加熱し熱処理することができる。溶媒の蒸発後における熱処理の昇温速度は、長時間、熱処理をすると分解する可能性があるので短時間で行うのが好ましいが特に限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物を用いて、射出成形品、押出成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、フィルム、シート不織布、繊維、布、他の材料との複合体、農業用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品またはその他の成形品を得ることができる。成形は常法により行うことができる。
また、本発明の成形品は、耐熱性の指標である高荷重の熱変形温度が、好ましくは160℃以上であり、より好ましくは165℃以上、さらに好ましくは170℃以上である。
(1)還元粘度:
ポリマー0.12gを10mLのテトラクロロエタン/フェノール(容量比1/1)に溶解し、35℃における還元粘度(mL/g)を測定した。
(2)重量平均分子量(Mw):
ポリマーの重量平均分子量はGPC(カラム温度40℃、クロロホルム)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
(3)結晶化点、融点、結晶化エンタルピー、融解エンタルピーおよび205℃以上の融解ピークの割合:
DSCを用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で測定し、結晶化点(Tc)、融点(Tm)、結晶化エンタルピー(ΔHc)および融解エンタルピー(ΔHm)を求めた。
R200以上(%)=A200以上/(A200以上+A140〜180)×100
R200以上:200℃以上の融解ピークの割合
A200以上:200℃以上の融解ピーク面積
A140〜180:140〜180℃の融解ピーク面積
(4)単位樹脂の重量あたりの結晶化エンタルピーおよび融解エンタルピーの算出:
DSCを用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で測定し、結晶化エンタルピー(ΔHc)および融解エンタルピー(ΔHm)を求めた。ΔHcおよびΔHmをステレオコンプレックスポリ乳酸重量で除したものを単位樹脂重量あたりの融解エンタルピーとする。
(5)熱変形温度(HDT):
熱変形温度の測定はASTM法D648に準じて、荷重1.82MPaで行った。
(6)引張りおよび曲げ試験:
ASTM法D638に準じて引張り試験を、ASTM法D790に準じて曲げ試験を行った。
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)3000gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール4.07g、触媒としてオクチル酸スズ0.225gを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを得た。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーA1を得た。ポリマーA1の還元粘度は2.75(mL/g)、重量平均分子量17万であった。融点(Tm)は176℃であった。結晶化点(Tc)は138℃であった。
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)2925gとD−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)75gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール4.07g、触媒としてオクチル酸スズ0.225gを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを得た。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーA2を得た。得られたポリマーA2の還元粘度は2.94(mL/g)、重量平均分子量19万であった。融点(Tm)は159℃であった。結晶化点(Tc)は132℃であった。
D−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)3000gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール5.90g、触媒としてオクチル酸スズ0.225gを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを得た。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーB1を得た。得られたポリマーB1の還元粘度は3.28(mL/g)、重量平均分子量20万であった。融点(Tm)は177℃であった。結晶化点(Tc)は134℃であった。
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)75g、D−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)2925gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール5.90g、触媒としてオクチル酸スズ0.225gを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを得た。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーB2を得た。得られたポリマーB2の還元粘度は3.20(mL/g)、重量平均分子量20万であった。融点(Tm)は161℃であった。結晶化点(Tc)は132℃であった。
ポリマーA1、ポリマーB1、およびガラス繊維(旭ガラスファイバー製、繊維直径10μm、繊維長3mm)を表2で示した割合で混合し、射出成形機内に投入し、溶融温度260℃で溶融混練して、金型温度30℃にて型締めし、樹脂組成物の成形品を得た。この成形品を140℃にて、結晶化させた。
得られた成形品の重量平均分子量は10万であった。この樹脂についてDSC測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点217℃の融解ピークが観測され、その樹脂重量あたりの融解エンタルピーは51Jであった。140〜180℃の融解ピークはわずかに観測され、200℃以上の融解ピークの割合(R200以上)は98%であった。結晶化ピークは観測されなかった。熱変形温度は204℃であり、膨潤は見られなかった。この成形品のDSCチャートを図1に示す。
ポリマーA1、ポリマーB1、およびガラス繊維(旭ガラスファイバー製、繊維直径10μm、繊維長3mm)を表2で示した割合で混合し、射出成形機内に投入し、溶融温度260℃で溶融混練して、金型温度100℃にて型締めし、樹脂組成物の成形品を得た。
得られた成形品の重量平均分子量は8万であった。この樹脂についてDSC測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点214℃の融解ピークが観測され、その樹脂重量あたりの融解エンタルピーは58Jであった。200℃以上の融解ピークの割合(R200以上)は98%であった。結晶化ピークは観測されなかった。熱変形温度は208℃であり、膨潤は見られなかった。この成形品の引張り強度は123MPa、曲げ弾性率は7728MPaであった。
ポリマーB2およびポリマーA2を用いる以外は実施例2と同様な操作を行った。
得られた成形品の重量平均分子量は7万であった。この成形品についてDSCの測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点205℃の融解ピークが観測され、その樹脂重量あたりの融解エンタルピーは45Jであった。結晶化ピークはわずかに観測され、結晶温度は91℃で、その樹脂重量あたりの結晶化エンタルピーは5Jであった。200度以上の融解ピークの割合(R200以上)は97%であった。熱変形温度は165℃であり、膨潤は見られなかった。
ポリマーA2およびポリマーB1を用いる以外は実施例2と同様な操作を行った。
得られた成形品の重量平均分子量は6万であった。
この成形品についてDSCの測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点215℃の融解ピークが観測され、その融解エンタルピーは51J/gであった。140〜180℃の融解ピークはわずかに観測された。200℃以上の融解ピークの割合(R200以上)は96%であった。結晶化ピークはわずかに観測され、結晶温度は100℃で、その樹脂重量あたりの結晶化エンタルピーは3Jであった。熱変形温度は189℃であり、膨潤は見られなかった。
ポリマーA2およびポリマーB1を用いる以外は実施例2と同様な操作を行った。
得られた成形品の重量平均分子量は14万であった。
この成形品についてDSCの測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点212℃の融解ピークが観測され、その融解エンタルピーは40J/gであった。140〜180℃の融解ピークはわずかに観測された。200℃以上の融解ピークの割合(R200以上)は86%であった。結晶化ピークはわずかに観測され、結晶温度は106℃で、その樹脂重量あたりの結晶化エンタルピーは17Jであった。熱変形温度は191℃であり、膨潤は見られなかった。
ポリマーA1およびポリマーB1を表2で示した割合で混合し、射出成形機内に投入し、溶融温度260℃で溶融混練して、金型温度100℃にて型締めし、樹脂組成物の成形品を得た。
得られた成形品の重量平均分子量は11万であった。DSCチャートには、融点218℃の融解ピークが観測され、その樹脂重量あたりの融解エンタルピーは51Jであった。200℃以上の融解ピークの割合(R200以上)は100%であった。結晶化ピークは観測されなかった。熱変形温度は55℃であり、実施例1〜4に比べ、非常に低い数値であった。
Claims (11)
- (A)L−乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Aおよび
(B)D―乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Bからなり、
(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあり、重量平均分子量が5万〜50万であり、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、200℃以上の融解ピークの割合が80%以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸を40〜98重量部、
並びに
(C)フィラーを2〜60重量部、
含有する樹脂組成物。 - フィラーのアスペクト比が、5以上である請求項1記載の樹脂組成物。
- フィラーの弾性率が、50GPa以上である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- フィラーが、無機フィラーである請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- フィラーが、有機フィラーである請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 無機フィラーが、ガラス繊維である請求項4記載の樹脂組成物。
- (A)L−乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜180℃である結晶性ポリマーA、
(B)D―乳酸単位が90モル%以上100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜180℃である結晶性ポリマーB、および
(C)フィラーを、
(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲で、かつ(A)、(B)および(C)の合計を100重量部としたとき、(A)および(B)の合計が40〜98重量部、(C)が2〜60重量部の割合で共存させ、245〜300℃で熱処理することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。 - 請求項1記載の樹脂組成物からなる成形品。
- 金型温度30〜145℃で射出成形された請求項8記載の成形品。
- 熱変形温度が160℃以上である請求項8記載の成形品。
- 示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における結晶化ピークの(A)および(B)の重量あたりの結晶化エンタルピーが20J以下である請求項8記載の成形品。
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