JP2007217513A - ポリ乳酸系樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性および耐熱性に優れ、さらに寸法安定性にも優れた成形品を与えるポリ乳酸系樹脂組成物およびそれを用いて成形した成形品を提供すること。
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂(a)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)および結晶核剤(c)を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を成形することによって、優れた耐衝撃性および耐熱性を有し、かつ、寸法安定性にも優れるポリ乳酸系樹脂成形品を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ乳酸系樹脂組成物およびその成形品に関する。
近年、自然界に存在する微生物の作用により自然環境下で分解される生分解性樹脂が注目されている。生分解性樹脂は、土壌中や水中で、加水分解や生分解によって分解され、最終的に微生物の作用により無害な分解物となることが知られている。とりわけ、バイオマス由来原料からなるポリ乳酸は、生分解性樹脂でありながら、さらに、カーボンニュートラルという性質、すなわち、ポリ乳酸を焼却処理(燃焼)した際に発生する二酸化炭素は、その原料である植物などの成長過程において、光合成により吸収した二酸化炭素であり、生態系で見ると大気中の二酸化炭素を増加させることにはならない性質を有するため、汎用樹脂としての利用が期待されている。
しかし、ポリ乳酸は、耐衝撃性および耐熱性が低いことから、上述した汎用樹脂に代替するために、更なる改善が要求されている。
例えば、ポリ乳酸と架橋ポリカーボネートとのポリマーアロイによって、耐衝撃性を向上させたポリ乳酸系樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリ乳酸に、アミド基を有する低分子化合物と有機化された層状粘土鉱物とを添加することによって、耐熱性を向上させたポリ乳酸複合材料が提案されている(例えば、特許文献2)。
特開平11−140292号公報 特開2003−226801号公報
特許文献1では、動的粘弾性測定のtanδのピーク値により示される、常温での耐衝撃性の改善が開示されているが、耐熱性の改善は不十分である。
一方、特許文献2では、荷重たわみ温度で示される、耐熱性の改善が開示されているが、耐衝撃性の改善は不十分である。
また、細かい寸法精度が求められる成形品などに利用される場合には、耐衝撃性および耐熱性に加えて、優れた寸法安定性を有することも望まれる。
本発明の目的は、優れた耐衝撃性および耐熱性、さらには寸法安定性を有するポリ乳酸系樹脂組成物、および、そのポリ乳酸系樹脂組成物からなる成形品を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂(a)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)と、結晶核剤(c)とを含有することを特徴としている。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物では、前記ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、前記ポリ乳酸系樹脂(a)を50〜96.9重量%、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)を3〜50重量%、前記結晶核剤(c)を0.1〜50重量%含有することが好ましい。
また、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)は、前記エチレン−酢酸ビニルの全重量に対して、酢酸ビニル単位を10〜90重量%含有することが好ましい。
また、前記結晶核剤(c)が、無機フィラーであることが好ましい。
また、前記ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)を10〜40重量%含有しており、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)は、前記エチレン−酢酸ビニルの全重量に対して、酢酸ビニル単位を30〜50重量%含有することが好ましい。
さらに、前記ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、前記結晶核剤(c)を5〜30重量%含有することが好ましい。
また、本発明の成形品は、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物から得られることを特徴としている。
また、本発明の成形品は、前記ポリ乳酸系樹脂組成物のガラス転移温度以上融点以下の温度に設定された成形金型によって成形されることが好ましい。
さらに、本発明の成形品は、成形金型によって成形した後、加熱炉で加熱されることが好ましい。
以上述べたように、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、優れた耐衝撃性および耐熱性を有し、かつ、寸法安定性にも優れている。そのため、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物が用いられる本発明の成形品は、トレー、キャップなどの日用品、電気・電子部品、建築土木部材、自動車部品、または衣料など各種用途に有効に利用することができる。
本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、ポリ乳酸系樹脂(a)と、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)と、結晶核剤(c)とを含有する。ポリ乳酸系樹脂(a)にエチレン−酢酸ビニル共重合体を添加することにより、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることができる。一方、結晶核剤(c)を添加することにより、ポリ乳酸系樹脂組成物の結晶化を促進させ、耐熱性を向上させることができる。
本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂(a)は、乳酸を重合させることにより得られる重合体である。
ポリ乳酸系樹脂(a)の重合成分である乳酸には、L−乳酸、D−乳酸およびDL−乳酸の光学異性体が存在するが、重合成分としてはいずれの光学異性体でもよく、ポリ乳酸系樹脂(a)に含有される乳酸全量に対して、L−乳酸および/またはD−乳酸が95モル%以上含有されていることが好ましく、98モル%以上含有されていることがさらに好ましい。乳酸の光学純度が高いほど、ポリ乳酸系樹脂組成物の結晶化度を向上させることができ、耐衝撃性を向上させることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂(a)は、乳酸と他の共重合成分との共重合体であってもよい。乳酸と他の共重合成分と共重合させることによって、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐衝撃性や染色性を向上させることができる。
他の共重合成分としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテル、例えば、ポリヘキサンアジペートやポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステル、例えば、ポリエチレンイソフタレートなどの芳香族ポリエステル、例えば、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸などのヒドロキシカルボン酸類、例えば、カプロラクトン、プロピオンラクトンなどのラクトン類、例えば、シュウ酸、アジピン酸などのジカルボン酸類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオール類などが挙げられる。
また、ポリ乳酸系樹脂(a)は、上述した乳酸および必要により他の共重合成分を公知の重合方法で重合させることによって得ることができる。このような重合方法として、例えば、脱水縮合重合、環状二量体である環状ラクチドの開環重合などが挙げられる。
また、ポリ乳酸系樹脂(a)の分子量については、ポリ乳酸系樹脂組成物を成形できれば特に制限されないが、通常、重量平均分子量が30,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000、さらに好ましくは100,000〜400,000である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
このようなポリ乳酸系樹脂の市販品として、例えば、三井化学株式会社製のレイシアH−100やレイシアH−400などが挙げられる。
そして、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物には、ポリ乳酸系樹脂(a)が、ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、50〜96.9重量%含有されていることが好ましい。50重量%より少ないと、ポリ乳酸の性質、例えば、生分解性などを発揮できない場合があり、また、96.9重量%より多い場合は、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐衝撃性および耐熱性が低下する場合がある。
本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(b)は、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させることにより得られる共重合体である。
エチレン−酢酸ビニルの共重合体(b)の重合成分であるエチレンと酢酸ビニルとの配合割合については、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)の全重量に対して、酢酸ビニルが10〜90重量%含有されていることが好ましく、30〜85重量%含有されていることがさらに好ましい。このような範囲で酢酸ビニルが含有されていると、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐熱性を低下させずに、耐衝撃性を向上させることができる。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)中の酢酸ビニル含量は、JIS K 6924−2(1997)に基づいて測定される。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)が、ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、10〜40重量%含有されている場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)の全重量に対して、酢酸ビニルが30〜50重量%含有されていることが好ましい。後述するように、優れた耐熱性に加えて、優れた寸法安定性も得るために、ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、結晶核剤(c)が5〜30重量%含有されると、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐衝撃性が少し低下する場合があるが、このような範囲で酢酸ビニルが含有されていると、その耐衝撃性の低下を防止することができる。
また、同様の理由により、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)が、ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、3〜20重量%含有されている場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)の全重量に対して、酢酸ビニルが50〜80重量%含有されていることが好ましい。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)は、エチレンと酢酸ビニルとを公知の重合方法で共重合させることによって得ることができる。このような重合方法としては、例えば、高圧法、スラリー法、エマルジョン法、溶液法などが挙げられる。
このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体の市販品として、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製の、エバスレン410−Pまたはエバスレン420−P(ともに酢酸ビニル含量80重量%)、住友化学株式会社製の、エバテートR−5011(酢酸ビニル含量41重量%)またはスミテートMB−11(酢酸ビニル含量32重量%)などが挙げられる。
そして、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)が、ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、3〜50重量%含有されていることが好ましく、5〜40重量%含有されていることがさらに好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)が3重量%より少ないと、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐衝撃性を十分に向上させることができず、50重量%より多い場合は、耐熱性を低下させる場合がある。
本発明で用いられる結晶核剤(c)は、ポリ乳酸系樹脂組成物の結晶化を促進させるものであれば特に制限されない。
結晶核剤(c)としては、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウムまたは層状珪酸塩などの無機フィラー、例えば、ソルビトール誘導体などの有機結晶核剤などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、無機フィラーが挙げられ、さらに好ましくは、タルクまたは炭酸カルシウムが挙げられる。これらの結晶核剤を用いると、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐熱性を向上させることに加えて、結晶化収縮率を減少させることができるため、寸法安定性を向上させることができる。なお、層状珪酸塩を用いる場合には、ポリ乳酸系樹脂組成物への分散性を向上させるために、層状珪酸塩の表面が親油化されていることが好ましい。また、これらの結晶核剤は、単独または2種以上のものを併用してもよい。
また、結晶核剤(c)が無機フィラーである場合には、その平均粒径が、例えば、0.05〜20μmであることが好ましい。
また、結晶核剤(c)は、ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、例えば、0.1〜50重量%含有され、5〜30重量%含有されていることが好ましい。このような範囲で結晶核剤(c)が含有されていると、ポリ乳酸系樹脂組成物の耐熱性を向上させるとともに、寸法安定性も向上させることができる。すなわち、結晶核剤(c)が5重量%より少ないと、寸法安定性を十分に向上させることが難しい場合がある。一方、30重量%より多い場合は、得られた成形品が脆くなり、割れが生じやすくなる。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物には、本発明の優れた効果を損なわない範囲であれば、上記した成分以外に、安定剤、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤もしくはヒンダードアミン系光安定剤など、可塑剤、滑剤、例えば、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸塩もしくはグリセリン脂肪酸エステルなど、着色剤、離型剤または難燃剤などの公知の添加剤を含有させてもよい。
そして、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、上述したポリ乳酸系樹脂(a)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)および結晶核剤(c)を公知の方法で溶融混練することによって得ることができる。このような溶融混練をするために用いられる装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、オープンロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーまたは溶融混合槽などが挙げられる。また、溶融混練の方法としては、例えば、ポリ乳酸系樹脂(a)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)および結晶核剤(c)を一括して溶融混練してもよいし、ポリ乳酸系樹脂(a)と結晶核剤(c)とを予備混練した後、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)と溶融混練するといった分割した方法によって溶融混練してもよい。
このようにして得られるポリ乳酸系樹脂組成物は、優れた耐衝撃性および耐熱性を有する。さらに、結晶化収縮率も減少するので、優れた寸法安定性を有する。そのため、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、公知の成形方法、例えば、射出成形、押出成形、発泡成形、圧縮成形、ブロー成形などにより成形して、例えば、トレー、キャップなどの日用品、電気・電子部品、建築土木部材、自動車部品、または衣料などの成形品として好適に用いることができる。
また、とりわけ、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物は、耐衝撃性および耐熱性とともに、寸法安定性に優れているので、特殊な形状である異形成形品として、好適に成形することができる。
また、本発明のポリ乳酸系樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性、耐熱性および寸法安定性を発現させるために、成形品を結晶化させる方法として、例えば、成形品を、ポリ乳酸系樹脂組成物のガラス転移温度以上融点以下の温度、例えば、結晶化温度付近に設定された成形金型に射出または押出することによって、成形および結晶化させる方法がある。
このように、成形金型内で結晶化を行なうことで、正確な寸法の成形品を得ることができる。このような方法は、寸法の正確性が必要とされる成形品、例えば、他の部品に嵌合して使用されるようなキャップや自動車部品などに好適に用いられる。なお、金型温度は、例えば、90〜130℃である。
また、成形品を結晶化させる他の方法として、例えば、成形品を、成形金型によって成形した後、加熱炉で加熱処理することによって結晶化させる方法がある。
このような方法では、成形工程と加熱処理工程とを分離させることができるため、成形品の成形サイクルを速くすることができる。このような方法は、形状が単純であり、大量生産が必要とされる成形品、例えば、トレーやコップなどの日用品に好適に用いられる。なお、加熱処理については、連続処理、バッチ処理のいずれの処理方法でも行なうことができる。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
1)以下の原料を用いた。
ポリ乳酸系樹脂(a)
三井化学株式会社製、レイシア H−100
エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体:酢酸ビニル単位含量80重量%(大日本インキ化学工業株式会社製、エバスレン 420−P)
(2)エチレン−酢酸ビニル共重合体:酢酸ビニル単位含量41重量%(住友化学株式会社製、エバテート R−5011)
(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体:酢酸ビニル単位含量32重量%(住友化学株式会社製、スミテート MB−11)
(4)エチレン−酢酸ビニル共重合体:酢酸ビニル単位含量10重量%(住友化学株式会社製、エバテート D−3010)
結晶核剤(c)
(1)タルク(竹原化学工業株式会社製、P−タルク 平均粒径9μm)
(2)炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製、ライトンBS−0 平均粒径1μm)
2)実施例および比較例(の成形品の製造)
実施例1
下記の表1に示す処方において、ポリ乳酸系樹脂(a)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)および結晶核剤(c)を、二軸エクストルーダー(株式会社池貝製、PCM30 スクリュー径30mm)を用いて190℃で溶融混練して、ポリ乳酸系樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを、70℃で15時間真空乾燥した後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、スクリュー径30mm)を用いて、シリンダー温度200℃、金型温度30℃、冷却時間50秒で射出成形して、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)を作製し、それを120℃に設定した熱風乾燥機中で60分間加熱処理をした。
実施例2〜11
表1に示す処方において、実施例1と同様の操作により、ポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)を得た。但し、実施例8については、ポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)の作製において、射出成形時の金型温度を120℃、冷却時間を200秒とし、熱風乾燥機での加熱処理は行なわなかった。
比較例1〜3
表1に示す処方において、実施例1と同様の操作により、ポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)を得た。
Figure 2007217513
表1中のポリ乳酸系樹脂組成物中の各成分の割合は、全てポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対する重量%で表される。
3)各物性の測定方法
各実施例および各比較例で得られたポリ乳酸系樹脂成形品について、以下の方法により物性試験を行なった。結果を表1に示す。
(a)シャルピー衝撃強度(ノッチなし):東洋精機工業株式会社製シャルピー衝撃試験機(ハンマー4J)を用いて、JIS K 7111(1996年)に従って、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)への打撃方向をエッジワイズ方向とすることにより測定した。なお、表1中の「NB」の記載は、試験片が破壊されなかったため、測定値がないことを意味している。
(b)荷重たわみ温度:東洋精機工業株式会社製HDTテスターを用いて、JIS K 7191−2(1996年)に従って、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)のフラットワイズ方向にかかる曲げ応力を、0.45MPaとし、0.35mm変形したときの温度を測定した。
(c)結晶化温度、ガラス転移温度および融点:セイコーインスツル株式会社製の示差走査熱分析装置(DSC)を用い、二軸エクストルーダーで溶融混練したポリ乳酸系樹脂組成物のペレット約5mgを、窒素雰囲気下、30℃から200℃の範囲で10℃/分の速度で昇温および200℃から30℃まで10℃/分の速度で降温することにより測定した。なお、昇温過程における結晶化ピークのピークトップ温度をTcとし、降温過程における結晶化ピークのピークトップ温度をTc‘とした。
(d)結晶化収縮率:長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)を、120℃に設定した熱風乾燥機中で60分間加熱処理した後、試験片の流れ(MD)方向、すなわち縦の長さ、および流れに対して垂直(TD)方向、すなわち幅について、それぞれ加熱処理前の寸法と比較して、下記式により求めた。
MD方向結晶化収縮率=(1−加熱後のMD方向の長さ/加熱前のMD方向の長さ)×100
TD方向結晶化収縮率=(1−加熱後のTD方向の長さ/加熱前のTD方向の長さ)×100
(e)ソリなどの変形の有無:長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmのポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)を、120℃に設定した熱風乾燥機中で60分間加熱処理した後、同じ寸法の未加熱処理のポリ乳酸系樹脂成形品(試験片)に重ね合わせ、そのとき生じる隙間に、株式会社永井ゲージ製作所製の隙間ゲージを挿入することにより測定し、最も大きい値を測定値として採用した。なお、表1に示した記号は、◎:隙間なし、○:0.1mm未満、△:0.1mm以上0.2mm未満、×:0.2mm以上、という基準を表している。

Claims (9)

  1. ポリ乳酸系樹脂(a)と、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)と、
    結晶核剤(c)と
    を含有することを特徴とする、ポリ乳酸系樹脂組成物。
  2. 前記ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、前記ポリ乳酸系樹脂(a)を50〜96.9重量%、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)を3〜50重量%、前記結晶核剤(c)を0.1〜50重量%含有することを特徴とする、請求項1に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  3. 前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)は、前記エチレン−酢酸ビニルの全重量に対して、酢酸ビニル単位を10〜90重量%含有することを特徴とする、請求項1または2に記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  4. 前記結晶核剤(c)が、無機フィラーであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  5. 前記ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)を10〜40重量%含有しており、
    前記エチレン−酢酸ビニル共重合体(b)は、前記エチレン−酢酸ビニルの全重量に対して、酢酸ビニル単位を30〜50重量%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  6. 前記ポリ乳酸系樹脂組成物の全重量に対して、前記結晶核剤(c)を5〜30重量%含有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂組成物から得られる成形品。
  8. 前記ポリ乳酸系樹脂組成物のガラス転移温度以上融点以下の温度に設定された成形金型によって成形されることを特徴とする、請求項7に記載の成形品。
  9. 成形金型によって成形した後、加熱炉で加熱されることを特徴とする、請求項7に記載の成形品。

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