JP2006245473A - 垂直共振器型面発光半導体レーザ装置および光スイッチング方法および光送信モジュールおよび光伝送装置 - Google Patents

垂直共振器型面発光半導体レーザ装置および光スイッチング方法および光送信モジュールおよび光伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 活性層のキャリア密度変動を抑制し、従来よりも高速変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】 活性層104は第1の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、光吸収層107は、n型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層105の上端とp型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層109の下端から等しい距離に位置するように形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置および光スイッチング方法および光送信モジュールおよび光伝送装置に関する。
近年、光伝送技術は、幹線系伝送網だけでなく、LANやアクセス系、ホームネットワークにも展開されてきている。例えば、イーサネットにおいては、10Gbpsの伝送容量が開発されてきている。将来的には更なる伝送容量の増加が求められており、10Gbpsを超えた光伝送システムが期待されている。
伝送容量が10Gbps以下の光伝送用光源においては、半導体レーザの注入電流を変調することで出力光強度を変調する直接変調方式が主に用いられている。しかしながら、在来の半導体レーザを直接変調により10GHzを超えた変調周波数で動作させることは困難である。そこで、10Gbpsを超えた光伝送用光源としては、半導体レーザから出力された光を外部変調器で変調する方式が開発されている。しかし、外部変調方式では、モジュールサイズが大きく、また部品点数が多いためコストが高いというデメリットがある。そのため、外部変調器を備えた光伝送技術は、幹線系のような高価なシステムには用いられても、LANやホームネットワークのような一般ユーザが用いるシステムには不向きとなっている。
また、LANや光インターコネクション用の光源として、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)が用いられるようになってきている。VCSELは、従来の端面発光型半導体レーザに比べて、低消費電力であり、また製造工程で劈開が不用でウエハ状態で素子の検査が可能であるため、低コスト化に優れた特徴を有している。そのため、10Gbpsを超えた大容量の光LANや光インターコネクション用光源として、直接変調によるVCSELが期待されている。
VCSELを高速に変調する方法としては、これまで、例えば特許文献1,特許文献2,特許文献3,非特許文献1に示されているような報告がなされている。
すなわち、特許文献1には、VCSELの上部多層膜反射鏡の途中に光吸収層を設け、光吸収層に逆バイアスを加えて吸収係数を変化させる外部変調器付き面発光レーザが提案されており、特許文献1では、活性層への定常的な電流注入によって得られるレーザ光を、外部変調器の光吸収率を変化させて出力光をオン・オフしている。
また、特許文献2では、VCSELの共振器内に、多重量子井戸構造からなる光吸収層を設け、光吸収層に逆バイアスを加えて光吸収係数を変化させることで、VCSELの内部吸収損失を変化させて、発振閾値を変化させるようにしており、これにより、活性層に一定電流を注入していても、レーザ光出力強度を大きく変調することができる。
また、非特許文献1では、光学的に結合した2重共振器を有するVCSELにおいて、一方の共振器内には活性層を備え、他方の共振器内にはGaAs吸収層を備えており、活性層には直流電流を加え、GaAs吸収層に逆バイアスをかけて、レーザ光出力強度を2GHzで変調(光スイッチング)している。
また、特許文献3では、VCSELの一対の分布ブラッグ反射器の一方の屈折率を、電界あるいはキャリア注入あるいは光注入で変化させて、分布ブラッグ反射器の共振波長を変化させるようにしており、分布ブラッグ反射器の共振波長と発光波長との波長差が変化することにより、レーザ光強度を高速に変調している。
特開平5−152674号公報 特開2003−202529号公報 特開平5−63301号公報 Appl.Phys.Lett. 76, pp.1975−1977 (2000)
上述した特許文献1に記載された素子においては、光吸収層の上下に多層膜反射鏡を設けて、その共鳴効果で光の吸収率を増加させて変調している。そのため、共鳴波長と一致する波長の光については吸収率を大きく変化させられるが、共鳴波長と異なる波長の光に対しては、光吸収層の層厚が薄いため吸収率の変化が小さくなっている。従って、上記素子を有効に動作させるためには、VCSELの発振波長と光吸収層の共鳴波長を厳密に一致させる必要があり、作製が困難である。
また、特許文献2,非特許文献1,特許文献3に記載された素子は、いずれも活性層に注入する電流を一定にしておいて、共振器の吸収損失や屈折率を変化させることによって、レーザ光出力強度を変調している。このとき、素子内部の光出力の変化によって、活性層内部のキャリア密度が変動するため、活性層にキャリアを蓄積するための時間が必要であり、変調速度を律速する原因となっている。
本発明は、活性層のキャリア密度変動を抑制し、従来よりも高速変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置および光スイッチング方法および光送信モジュールおよび光伝送装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基板上に、第1の多層膜反射鏡、第1の共振器、第2の多層膜反射鏡、第2の共振器、第3の多層膜反射鏡が順次に形成され、第1の共振器と第2の共振器の少なくも一方に活性層が設けられた垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、該垂直共振器型面発光半導体レーザ装置は異なる二つの共振波長を有しており、第2の多層膜反射鏡中において第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置には光吸収層が設けられ、該光吸収層に印加する電界を変調することによって、レーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、活性層が高い利得を有していることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、低い反射損失を有することを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器の共振器長が異なっており、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、高い活性層光閉じ込め係数を有することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層は多重量子井戸構造で構成されていることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡の導電型がn型であることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡が低キャリア濃度層で構成されていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、活性層及び/または光吸収層は、窒素と他のV族元素を含む混晶半導体で構成されたことを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器内にそれぞれ第1の活性層と第2の活性層を有しており、それぞれの活性層に対して独立に電流を注入する手段が設けられていることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の光スイッチング方法において、活性層に注入する電流はレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の光スイッチング方法において、一方の活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるとともに、他方の活性層に注入する電流を変調してレーザ光強度を変調させることを特徴としている。
また、請求項12記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、前記垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子とを備えたことを特徴とする光送信モジュールである。
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、光ファイバと、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子と、受光素子とを含むことを特徴とする光伝送装置である。
請求項1記載の発明によれば、基板上に、第1の多層膜反射鏡、第1の共振器、第2の多層膜反射鏡、第2の共振器、第3の多層膜反射鏡が順次に形成され、第1の共振器と第2の共振器の少なくも一方に活性層が設けられた垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、該垂直共振器型面発光半導体レーザ装置は異なる二つの共振波長を有しており、第2の多層膜反射鏡中において第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置には光吸収層が設けられ、該光吸収層に印加する電界を変調することによって、レーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるように構成されているので、活性層のキャリア密度変動を抑制し、従来よりも高速変調可能な垂直共振器型面発光半導体レーザ装置を提供することを目的としている。
すなわち、請求項1の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)は、第1の共振器と第2の共振器は光学的に結合して形成された二つの共振波長を有し、光吸収層に電界を印加しない状態ではあらかじめ一方の共振波長が優先して発振するように構成されている。光吸収層に電界を印加すると、光吸収層の吸収端が長波長側にシフトすることにより共振波長に対して吸収係数が増加する。このとき、光吸収層は、第2の多層膜反射鏡中で第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置に設けられているため、一方の共振波長では垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)内部の電界強度分布の腹に位置し、他方の共振波長では電界強度分布の節に位置する。そのため、光吸収層が腹の位置となる共振波長は大きな吸収損失を受けて発振が抑制されるが、節の位置となる共振波長ではレーザ発振が持続する。これにより、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、垂直共振器型面発光半導体レーザの発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることができる。光吸収層に電界を加えたときの吸収係数変化の速度は半導体レーザの緩和振動周波数よりも高く、10GHz以上で高速に吸収係数を変調することが可能である。そして、本発明では発振波長をスイッチングしているが、常にどちらかの共振波長でレーザ光を出力しているため、活性層内のキャリア密度変化を抑制することができ、変調速度を増加させることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、活性層が高い利得を有しているので、光吸収層に電界を印加しない場合、活性層利得が高い。これにより、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、垂直共振器型面発光半導体レーザの発振波長を二つの共振波長間で高速にスイッチング動作させることができる。
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、低い反射損失を有しているので、光吸収層に電界を印加しない場合、反射損失が低い第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長を優先して発振させることができる。これにより、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、垂直共振器型面発光半導体レーザの発振波長を二つの共振波長間で高速にスイッチング動作させることができる。
また、請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)において、第1の共振器と第2の共振器の共振器長が異なっているため、長波長側の共振波長では共振器長の長い方の共振器に閉じ込められる光の割合が増加し、短波長側の共振波長では共振器長の短い方の共振器に閉じ込められる光の割合が増加する。従って、活性層を一方の共振器のみに設けると、二つの共振波長で活性層光閉じ込め係数を変えることができる。そして、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、高い活性層光閉じ込め係数を有することにより、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長を優先して発振させることができる。従って、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、垂直共振器型面発光半導体レーザの発振波長を二つの共振波長間で高速にスイッチング動作させることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)において、光吸収層が多重量子井戸構造で構成されているので、急峻な吸収端を得ることができ、電界印加時の光吸収層の吸収係数変化を大きくすることができる。また、バルクの光吸収層と比較して同じ吸収係数の変化量を得るのに必要な電界が小さくなるため、低電圧で動作させることができる。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)において、高反射率が必要であり積層数が多い第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡がn型で形成されているので、素子の抵抗を低減させることができ、これにより、VCSELの消費電力を低減することができる。
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)において、高反射率が必要であり積層数が多い第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡が低キャリア濃度層で構成されているので、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の内部吸収損失を低減することができ、低閾値電流化や外部量子効率の向上を図ることができる。
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、活性層及び/または光吸収層は、窒素と他のV族元素を含む混晶半導体で構成されたことを特徴としており、窒素と他のV族元素との混晶半導体は石英光ファイバの伝送に適した1.3〜1.6μmの長波長帯のバンドギャップを有し、GaAs基板上にエピタキシャル成長させることができるため、多層膜反射鏡として高反射率でかつ熱伝導性に優れたGaAs/AlGaAs系DBRを用いることができる。従って、高性能の長波長帯VCSELを形成することができる。
また、石英光ファイバの分散がゼロである波長1.31μm近傍でVCSELを動作させることができ、波長変調信号を石英光ファイバで伝送した後でも波長分散による信号劣化を抑制することができる。
また、光吸収層を窒素と他のV族元素を含む混晶半導体で構成することにより、長波長の吸収端を有し、かつGaAs基板と格子整合させることが可能となり、光吸収層の層厚を厚く形成して吸収損失を増加させることが可能となる。
また、請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器内にそれぞれ第1の活性層と第2の活性層を有しており、それぞれの活性層に対して独立に電流を注入する手段が設けられているので、第1の共振器内に設けられた第1の活性層に電流注入したときの発振光と第2の共振器内に設けられた第2の活性層に電流注入したときの発振光とはモード同期し、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)内部の光子密度を増加させることができる。これにより、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長との間のスイッチング速度をさらに向上させることができる。
また、請求項10記載の発明によれば、請求項1乃至請求項9のいずれか一項記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)の光スイッチング方法において、活性層に注入する電流はレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることを特徴としており、光吸収層に電界を加えたときの吸収係数変化の速度は半導体レーザの緩和振動周波数よりも高く、10GHz以上で高速に吸収係数を変調することが可能となる。そして、本発明では発振波長をスイッチングしているが、常にどちらかの共振波長でレーザ光を出力しているため、活性層内のキャリア密度変化を抑制することができ、変調速度を増加させることができる。
また、請求項11記載の発明によれば、請求項9記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)の光スイッチング方法において、一方の活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるとともに、他方の活性層に注入する電流を変調してレーザ光強度を変調させることを特徴としており、他方の活性層に注入する電流を外部信号に応じて変調することにより、発振波長スイッチングとは独立にレーザ光強度を変調することができ、1素子で4値のデジタル符号を伝送することができる。従って、伝送容量を増加させることが可能となる。
また、請求項12記載の発明によれば、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、前記垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子とを備えたことを特徴とする光送信モジュールであるので、単チャンネル当たり10Gbpsを超えて(例えば40Gbpsで)VCSELを駆動し、レーザ光出力強度を高速変調することができる。従って、大容量伝送に用いられる光送信モジュールを小型、低コストで形成することができる。
また、請求項13記載の発明によれば、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、光ファイバと、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子と、受光素子とを含むことを特徴とする光伝送装置であるので、外部変調器を用いることなく単チャンネル当たりの伝送容量が10Gbpsを超える(例えば40Gbpsでの)光信号伝送が可能となる。従って、大容量伝送できる光伝送装置を小型化,低コスト化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る書体識別装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、この書体識別装置は、
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、基板上に、第1の多層膜反射鏡、第1の共振器、第2の多層膜反射鏡、第2の共振器、第3の多層膜反射鏡が順次に形成され、第1の共振器と第2の共振器の少なくも一方には活性層が設けられた垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、該垂直共振器型面発光半導体レーザ装置は異なる二つの共振波長を有しており、第2の多層膜反射鏡中において第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置には光吸収層が設けられ、該光吸収層に印加する電界を変調することによって、レーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるように構成されていることを特徴としている。
第1の共振器と第2の共振器は、共振器長が等しい場合でも、第1の共振器と第2の共振器との間に設けられた第2の多層膜反射鏡(DBR)を介して第1の共振器と第2の共振器が光学的に結合し、共振器長に対応した波長をはさんで短波長側と長波長側に二つの共振波長を形成する(図9を参照)。
光吸収層が第2のDBR中で第1の共振器の上表面と第2の共振器の下表面から等距離の位置に設けられている構造で、共振波長におけるVCSEL内部の電界強度分布を計算したところ、二つの共振波長の一方は第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となり、他方の共振波長では第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となることがわかった。さらに、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長では、光吸収層は電界強度分布の腹に位置する(図10(a))。一方、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長では、光吸収層は電界強度分布の節に位置することが見出された(図10(b))。
例えば、第1の共振器と第2の共振器をそれぞれ1波長共振器で構成し、第1の共振器と第2の共振器との間に設けられた第2のDBRの積層周期数が、1.5、3.5、5.5、7.5、9.5、・・・の場合には、短波長側の共振波長が第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となり、長波長側の共振波長が第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる。第1の共振器と第2の間に設けられた第2のDBRの積層周期数が、2.5、4.5、6.5、8.5、10.5、・・・の場合には、短波長側の共振波長が第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となり、長波長側の共振波長が第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる。
なお、VCSEL内部の電界強度分布は特性マトリクス法を用いて計算した。積層構造の最上面と最下面での入射電界強度が共に零となるときの波長と活性層利得の組み合わせを計算することで共振条件を求めた。
光吸収層が第2のDBR中で第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置に設けられた場合、光吸収層が二つの共振波長の両方に対して吸収を有している場合でも、VCSEL内部の光と結合する割合は、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも大きくなるため、大きな吸収損失を与えることになる。
そこで、本発明では光吸収層に電界を印加しない場合、光吸収層の吸収端を短波長側の共振波長よりも短波長になるように形成した。これにより、光吸収層に電界を加えない場合、光吸収層は二つの共振波長の光に対してほぼ透明となっている。光吸収層に電界を印加しない状態では、あらかじめ第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長が優先して発振するようにVCSEL構造を形成しておく。
一方、光吸収層に電界を印加すると、フランツ・ケルディッシュ効果により光吸収層の吸収端が長波長側にシフトする。本発明では電界印加時の光吸収層の吸収端が、長波長側の共振波長と同等、または長波長となるように形成している。そのため、光吸収層は二つの共振波長の光に対して大きな吸収係数を有している。しかしながら、VCSEL内部の光と結合する割合は、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも大きくなるため、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長に対して大きな吸収損失を与えることになる。これにより、光吸収層に電界を印加した場合には、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振が抑制される。
第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振が抑制されると、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少する代わりに、他方の共振波長の利得が増加するため、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長のレーザ光強度が増加する。これにより、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることができる。
光吸収層に電界を加えたときの吸収係数変化の速度は半導体レーザの緩和振動周波数よりも高く、10GHz以上で高速に吸収係数を変調することが可能である。また、一方の波長の利得を変化させることで他方の波長の利得を変化させる相互利得変調を用いており、10GHz以上の速度で発振波長をスイッチング動作させることができる。そして、本発明では発振波長をスイッチングしているが、常にどちらかの共振波長でレーザ光を出力しているため、活性層内のキャリア密度変化を抑制することができ、変調速度を増加させることができる。
上記の第1の形態では、光吸収層の吸収端が、電界を印加しない場合には短波長側の共振波長よりも短波長になり、電界印加時には長波長側の共振波長と同等、または長波長となるように形成している。
すなわち、本発明では、光吸収層に電界を印加しない状態では第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長を優先して発振させる必要があるため、光吸収層に電界を印加しないときの光吸収層吸収端は、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長よりも短波長であることが好ましい。
また、光吸収層に電界を印加した状態では第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振を抑制する必要があるため、光吸収層に電界を印加したときの光吸収層吸収端は、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長と同等、または長波長であることが好ましい。
本発明では、光吸収層が第2のDBR中で第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置に設けられることを特徴としているが、等距離の位置からわずかにずれた位置にある場合でも、電界を印加された光吸収層が二つの共振波長の光に対して与える吸収損失差が、二つの共振波長の発振条件を変化させられる程度に大きければ、波長スイッチング動作を起こすことができる。好ましくは、二つの共振波長で光吸収層の位置における光定在波の位相ずれが大きくなるように、光吸収層は、第2のDBR中で第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置から、8分の1波長に対応する光学距離以内に位置する必要がある。このことからわかるように、本発明では、「等距離」とは厳密な等距離を意味するものではなく、第2のDBR中で第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置から、8分の1波長に対応する光学距離以内の範囲までの位置を、広義に、「等距離の位置」と呼ぶことにする。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、第1の形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、活性層が高い利得を有していることを特徴としている。そのため、光吸収層に電界を印加しない場合、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長(活性層利得が高い共振波長)を優先して発振させることができる。これにより、第1の形態で説明したように、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を二つの共振波長間で高速にスイッチング動作させることができる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、第1の形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、低い反射損失を有することを特徴としている。そのため、光吸収層に電界を印加しない場合、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長(反射損失が低い共振波長)を優先して発振させることができる。これにより、第1の形態で説明したように、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を二つの共振波長間で高速にスイッチング動作させることができる。
長波長側の共振波長よりも短波長側の共振波長を低い反射損失にする方法としては、第1のDBR、第2のDBR、第3のDBRの少なくとも1つについて、DBRのブラッグ波長を長波長にずらすことによって実現できる。DBRのブラッグ波長が等しい場合には、共振器長に対応した波長をはさんで短波長側と長波長側に二つの共振波長を形成する。DBRのブラッグ波長を長波長にずらした場合には、DBRのブラッグ波長を長波長にずらさない場合に比べて、二つの共振波長は共に長波長側にシフトする。そのため、短波長側の共振波長は、第1の共振器及び第2の共振器及び長波長にずらしていないDBRの設計ブラッグ波長、即ち最もDBRの反射率が高くなる波長に近づくことになる。これにより、短波長側の共振波長が長波長側の共振波長よりも反射損失が低下する。
同様に、短波長側の共振波長よりも長波長側の共振波長を低い反射損失にする方法としては、第1のDBR、第2のDBR、第3のDBRの少なくとも一つについて、DBRのブラッグ波長を短波長にずらすことによって実現できる。
また、このとき、活性層の利得は短波長側の共振波長と長波長側の共振波長とでほぼ同じであることが好ましい。活性層利得を二つの共振波長で同等にする方法としては、例えば利得ピーク波長が異なる量子井戸層を複数積層した多重量子井戸構造で活性層を構成することにより可能となる。
(第4の形態)
VCSEL内部の電界強度分布の計算より、第1の共振器と第2の共振器の共振器長が等しい場合、二つの共振波長ともにVCSEL内部の光定在波は第1の共振器と第2の共振器に均等に閉じ込められるという結果が得られた。しかしながら、例えば第1の共振器の共振器長を第2の共振器の共振器長よりも長くした場合、長波長側の共振波長では第1の共振器に閉じ込められる光の割合が増加し、短波長側の共振波長では第2の共振器に閉じ込められる光の割合が増加するという結果が得られた。これより、活性層を一方の共振器のみに設けると、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長とで活性層光閉じ込め係数を変えることが可能となる。
そこで、本発明の第4の形態では、第1の形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器の共振器長が異なっており、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、高い活性層光閉じ込め係数を有することを特徴としている。
例えば、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長が長波長側の場合、活性層を共振器長が長い方の共振器内に設けることによって長波長側の共振波長で活性層光閉じ込め係数を高くすることができる。また、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長が短波長側の場合、活性層を共振器長が短い方の共振器内に設けることによって短波長側の共振波長で活性層光閉じ込め係数を高くすることができる。
これにより、光吸収層に電界を印加しない場合、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長(活性層光閉じ込め係数が高い共振波長)が優先して発振する。従って、第1の形態で説明したように、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を短波長側の共振波長と長波長側の共振波長との間で高速にスイッチング動作させることができる。
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、第1乃至第4のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層は多重量子井戸構造で構成されていることを特徴としている。
多重量子井戸構造からなる光吸収層に電界を印加すると、光吸収層の吸収端は量子閉じ込めシュタルク効果により、長波長側にシフトする。このとき、量子井戸に閉じ込められた励起子が高電界をかけた状態でも存在するため、急峻な吸収端を得ることができる。これにより、電界印加時の光吸収層の吸収係数変化を大きくすることができる。また、バルクの光吸収層と比較して、同じ吸収係数の変化量を得るのに必要な電界が小さくなるため、低電圧で動作させることができる。
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、第1乃至第5のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡の導電型がn型であることを特徴としている。
第1のDBR及び第3のDBRは、VCSELの閾値電流を低減するために、高反射率にする必要があり、DBRを構成する高屈折率層と低屈折率層の積層周期を多くする必要がある。一方、第1の共振器と第2の共振器の間に設けられた第2のDBRは、二つの共振器が光学的に結合する必要があるため、積層周期を10周期以下と少なくする必要がある。
屈折率の異なる半導体層を積層すると界面にヘテロ障壁が形成される。半導体層において、正孔の有効質量は電子の有効質量よりも約1桁大きいため、正孔はヘテロ障壁をトンネルすることが困難である。そのため、p型半導体を積層したDBRの抵抗は、n型半導体層を積層したDBRよりも抵抗が高くなる。
そこで、第6の形態では、高反射率が必要であるため積層数が多い第1のDBR及び第3のDBRをn型で形成することにより、素子の抵抗を低減させている。これにより、VCSELの消費電力を低減することができる。
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、第1乃至第5のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡が低キャリア濃度層で構成されていることを特徴としている。
DBRを構成する半導体層のキャリア濃度が増加すると、自由キャリアによる光吸収が増加する。さらにp型半導体層では正孔濃度が増加すると、自由キャリア吸収に加えて、価電子帯間吸収やオージェ再結合による光吸収が増加してしまう。
基板に隣接した第1のDBR及び最表面側の第3のDBRは、VCSELの閾値電流を低減するために、高反射率にする必要があり、DBRの積層周期数を多くしている。積層周期数が多い第1のDBR及び第3のDBRにおいて、各半導体層のキャリア濃度を低減させることにより、VCSELの内部吸収損失を効果的に低減することができる。従って、VCSELの閾値電流を低減でき、また外部量子効率も増加させることができる。
低キャリア濃度層のキャリア濃度としては、半導体層中の自由キャリア吸収を10cm−1未満に低減して、光吸収損失の影響を抑制できるようにするために、5×1017cm−3以下であることが望ましい。
低キャリア濃度層は、半導体層の結晶成長時にドーパントを供給せずに成長することにより形成することができる。また、ドナーとアクセプター濃度を制御して補償し、キャリア濃度を低減させることができる。また、キャリアを不活性化する不純物を添加して形成することも可能である。
(第8の形態)
本発明の第8の形態は、第1乃至第7のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、活性層及び/または光吸収層は、窒素と他のV族元素を含む混晶半導体で構成されたことを特徴としている。
窒素と他のV族元素を含む混晶半導体としては、例えば、GaNAs, GaInNAs, AlGaNAs, AlGaInNAs, GaNAsP, GaInNAsP, AlGaNAsP, AlGaInNAsP, GaNAsSb, GaInNAsSb, AlGaNAsSb, AlGaInNAsSb, GaNAsPSb, GaInNAsPSb, AlGaNAsPSb, AlGaInNAsPSb等がある。
窒素と他のV族元素との混晶半導体は、石英光ファイバの伝送に適した1.3〜1.6μmの長波長帯のバンドギャップを有しており、GaAs等の障壁層との伝導帯電子の閉じ込め障壁高さを高くすることができるため、活性層からの電子オーバーフローが抑制され、良好な温度特性を有している。また、GaAs基板上にエピタキシャル成長させることができるため、多層膜反射鏡として高反射率でかつ熱伝導性に優れたGaAs/AlGaAs系DBRを用いることができる。従って、高性能の長波長帯VCSELを形成することができる。
また、石英光ファイバの分散がゼロである波長1.31μm近傍でVCSELを動作させることができる。本発明では、二つの波長間でVCSELの波長変調を実施しているが、波長分散が小さい1.3μm帯を用いることで、石英光ファイバ伝送後の波長分散による信号劣化を抑制することができる。
また、光吸収層を窒素と他のV族元素を含む混晶半導体で構成することにより、長波長の吸収端を有し、かつGaAs基板と格子整合させることが可能となる。従って、GaAs基板上の長波長帯VCSELにおいて光吸収層の層厚を厚く形成することができ、大きな吸収損失を与えることが可能である。
(第9の形態)
本発明の第9の形態は、第1乃至第8のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器内にそれぞれ第1の活性層と第2の活性層を有しており、それぞれの活性層に対して独立に電流を注入する手段が設けられていることを特徴としている。
二つの活性層は異なる共振器内に設けられているが、第1の共振器と第2の共振器は光学的に結合しており、二つの共振波長に対して、二つの活性層はともに利得を有している。従って、第1の共振器内に設けられた第1の活性層に電流注入したときの発振光と、第2の共振器内に設けられた第2の活性層に電流注入したときの発振光はモード同期する。これにより、1つの活性層に電流注入して発生する光子密度に、第2の活性層で発生させた光子密度がモード同期して加えられるため、VCSEL素子内部の光子密度を増加させることができる。これにより、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長間のスイッチング速度をさらに向上させることができる。
(第10の形態)
本発明の第10の形態は、第1乃至第9のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)の光スイッチング方法において、活性層に注入する電流はレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることを特徴としている。
光吸収層に電界を印加しない場合、光吸収層の吸収端を短波長側の共振波長よりも短波長になるように形成した。これにより、光吸収層に電界を加えない場合、光吸収層は二つの共振波長の光に対してほぼ透明となっている。光吸収層に電界を印加しない状態では、あらかじめ第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長が優先して発振するようにVCSEL構造を形成した。
光吸収層に電界を印加すると光吸収層の吸収端は長波長側にシフトする。本発明では、電界印加時の光吸収層の吸収端が、長波長側の共振波長と同等、または長波長となるように形成している。そのため、光吸収層は二つの共振波長の光に対して大きな吸収係数を有している。しかしながら、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長では光吸収層が電界強度分布の腹に位置し、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長では光吸収層が電界強度分布の節に位置するため、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長に対して大きな吸収損失を与えることになる。これにより、光吸収層に電界を印加した場合には、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振が抑制される。
第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振が抑制されると、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少する代わりに、他方の共振波長の利得が増加するため、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長のレーザ光強度が増加する。これにより、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることができる。
光吸収層に電界を加えたときの吸収係数変化の速度は半導体レーザの緩和振動周波数よりも高く、10GHz以上で高速に吸収係数を変調することが可能である。また、一方の波長の利得を変化させることで他方の波長の利得を変化させる相互利得変調を用いており、10GHz以上の速度で発振波長をスイッチング動作させることができる。そして、本発明では発振波長をスイッチングしているが、常にどちらかの共振波長でレーザ光を出力しているため、活性層内のキャリア密度変化を抑制することができ、変調速度を増加させることができる。
また、電気的な変調を電流駆動ではなく電圧駆動で行っているため、10GHz以上の高速変調動作させる駆動回路を簡易化することができ、コストを低減することができる。
(第11の形態)
本発明の第11の形態は、第9の形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)の光スイッチング方法において、一方の活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるとともに、他方の活性層に注入する電流を変調してレーザ光強度を変調させることを特徴としている。
第11の形態も、第10の形態と同様に、1つの活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を長波長側の共振波長と短波長側の共振波長との間で高速にスイッチング動作させることができる。さらに、他方の活性層に注入する電流を変化させることにより、同時にレーザ光強度を変調することができる。発振波長スイッチングと光強度変調は独立に駆動することが可能であるため、1つの素子で4値のデジタル符号を伝送することができる。これにより、伝送容量を増加させることができる。
(第12の形態)
本発明の第12の形態は、第1乃至第9のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、前記垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子とを備えたことを特徴とする光送信モジュールである。
第1乃至第9の形態のVCSELは、活性層に一定電流を連続的に注入してレーザ発振させ、光吸収層に印加する電界を外部信号に応じて変調することにより、VCSELの発振波長を10GHz以上で高速にスイッチングすることができる。第12の形態では、VCSELから出力されるレーザ光のうち、波長選択素子において特定の選択された波長のみが外部に出力されるようになっている。これにより、波長変調信号が光強度変調信号に変換されて、10Gbps以上の大容量データ送信が可能な光送信モジュールを構成することができる。
本発明の光送信モジュールは外部変調器を用いていないことから、モジュールサイズの小型化や低コスト化ができる。さらに、VCSELの変調を電圧駆動しているため、電流駆動に比べて少ない電力消費となる。そのため、10Gbps以上の高速駆動でも駆動回路を小型化,低コスト化することができる。
波長選択素子としては、例えば多層膜フィルタ,共振器構造,回折格子,干渉計等を用いることができる。
(第13の形態)
本発明の第13の形態は、第1乃至第9のいずれかの形態の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、光ファイバと、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子と、受光素子とを含むことを特徴とする光伝送装置である。
第1乃至第9の形態のVCSELは、外部変調器を用いることなく単チャンネル当たりの伝送容量が10Gbpsを超える(例えば40Gbpsでの)光信号伝送が可能であり、小型,低コストで作製することができる。従って、大容量伝送できる光伝送装置を小型化,低コスト化することができる。
なお、光伝送装置は、石英系光ファイバを用いたシステムだけでなく、プラスチック光ファイバや導波路を用いて形成することもできる。また、空間光伝送システムを構築することもできる。
実施例1は、第1,第2の形態に対応している。
図1は、本発明の実施例1による垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を示す図である。図1を参照すると、p型GaAs基板101上に、p型の下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)102が積層されている。そして、p型下部DBR 102は、p型Al0.2Ga0.8Asとp型Al0.9Ga0.1Asを交互に30.5周期積層して形成されている。そして、p型下部DBR 102上には、Al0.2Ga0.8As第1共振器下部スペーサ層103、GaAs/ Al0.2Ga0.8As多重量子井戸(MQW)活性層104、n型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層105、中央DBR 114が順次に積層されている。ここで、中央DBR 114は、Al0.2Ga0.8AsとAl0.9Ga0.1Asを10.5周期積層して形成されている。そして、中央DBR 114の中央位置には、層厚30nmのAl0.08Ga0.92As光吸収層107が設けられている。そして、中央DBR 114において、Al0.08Ga0.92As光吸収層107よりも下側はn型中央DBR 106となっており、Al0.08Ga0.92As光吸収層107よりも上側はp型中央DBR 108となっている。さらに、p型中央DBR 108上には、p型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層109、p型上部DBR 109が積層されている。ここで、p型上部DBR 110は、p型Al0.2Ga0.8Asとp型Al0.9Ga0.1Asを交互に15周期積層して形成されている。
p型下部DBR 102とn型中央DBR 106ではさまれた領域は第1の共振器となっている。また、p型中央DBR 108とp型上部DBR 110ではさまれた領域は第2の共振器となっている。この実施例1では、第1の共振器と第2の共振器を1波長共振器で形成しており、光学的な共振器長を同じにしている。例えば、共振器長の光学的距離に対応した波長を850nmとした。また、DBR 102,106,108,110は波長の4分の1の光学的厚さで屈折率が異なる層を交互に積層して形成しているが、DBRに対応した波長も850nmとした。
活性層104は第1の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、光吸収層107は、n型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層105の上端とp型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層109の下端から等しい距離に位置するように形成されている。
上記積層構造表面から、n型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層105までエッチングされて、メサ構造が形成されている。そして、p型上部DBR 110表面には、光出射部を除いて第1の電極111が形成されている。また、メサ構造底面のn型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層105上に、第2の電極112が形成されている。また、p型基板101裏面には、第3の電極113が形成されている。
上記構造では、各層の光学的距離に対応する波長を850nmで形成した。第1の共振器と第2の共振器は、中央DBR 114を介して光学的に結合しているため、二つの共振波長を形成する。この実施例1では、二つの共振波長は843nmと857nmになっている。
第2の電極112と第3の電極113との間に順方向バイアスを印加すると、活性層104に電流が注入されて発光する。活性層104は利得ピーク波長が865mとなるように形成しており、活性層104の利得は短波長側の共振波長(843nm)よりも長波長側の共振波長(857nm)の方が高くなっている。そのため、通常、VCSELは長波長側の共振波長(857nm)でレーザ発振する。
光吸収層107は電界を加えない場合の吸収端が830nmとなるように形成されており、二つの共振波長843nm,857nmの両方に対して透明となっている。第1の電極111と第2の電極112の間に逆方向バイアスを加えることにより、光吸収層107に電界が印加され、フランツ・ケルディッシュ効果により光吸収層の吸収端が約40nm長波長側にシフトする。これにより、光吸収層107は二つの共振波長に対して吸収係数が増加する。
光吸収層107はn型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層105の上端とp型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層109の下端から等しい距離に位置するように形成している。そして、中央DBR 104の積層周期数が10.5周期となっており、短波長側の共振波長では第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となり、長波長側の共振波長では第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる。従って、光吸収層107は、短波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の節に位置し、長波長側の共振波長では電界強度分布の腹に位置する。そのため、光吸収層107は、電界が印加されると、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長の両方に対して吸収を有しているが、VCSEL内部の光と結合する割合は長波長側の共振波長の方が大きいため、長波長側の共振波長に対してより大きな吸収損失となる。これにより、長波長側の共振波長の発振が抑制される。
長波長側の共振波長の発振が抑制されると、長波長側の共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少し、短波長側の共振波長に対する利得が増加する。これにより、短波長側の共振波長のレーザ光強度が増加する。従って、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を長波長側の共振波長と短波長側の共振波長との間でスイッチング動作させることができる。
光吸収層107に電界を加えたときの吸収係数変化の速度は半導体レーザの緩和振動周波数よりも高く、10GHz以上で高速に吸収係数を変調することが可能である。また、一方の波長の利得を変化させることで他方の波長の利得を変化させる相互利得変調を用いており、10GHz以上の速度で発振波長をスイッチング動作させることができる。そして、本発明では発振波長をスイッチングしているが、常にどちらかの共振波長でレーザ光を出力しているため、活性層内のキャリア密度変化を抑制することができ、変調速度を増加させることができる。
以上の動作により、この実施例1では、チャンネル当たりの伝送容量が10Gbpsを超える大容量伝送に適したVCSELを、外部変調器を用いない1素子で形成することができる。
なお、この実施例1においては、活性層104を基板側の第1の共振器内に設けているが、活性層104を第2の共振器内に設けることも可能である。
実施例2は、第1,第3,第6の形態に対応している。
図2は、本発明の実施例2による垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を示す図である。なお、図2において、図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図2を参照すると、n型GaAs基板201上に、n型の下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)202が積層されている。n型下部DBR 202は、n型Al0.2Ga0.8Asとn型Al0.9Ga0.1Asを交互に30.5周期積層して形成されている。そして、n型下部DBR 202上には、Al0.2Ga0.8As第1共振器下部スペーサ層103、GaAs/ Al0.2Ga0.8As MQW活性層104、p型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層203、中央DBR 208が順次に積層されている。ここで、中央DBR 208はAl0.2Ga0.8AsとAl0.9Ga0.1Asを交互に9.5周期積層して形成されている。そして、中央DBR 208の中央位置には、層厚30nmのAl0.08Ga0.92As光吸収層107が設けられている。そして、中央DBR 208において、Al0.08Ga0.92As光吸収層107よりも下側はp型中央DBR 204となっており、Al0.08Ga0.92As光吸収層107よりも上側はn型中央DBR 205となっている。さらに、n型中央DBR 205上には、n型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層206、n型上部DBR 207が積層されている。ここで、n型上部DBR 207は、n型Al0.2Ga0.8Asとn型Al0.9Ga0.1Asを交互に15周期積層して形成されている。
n型下部DBR 202とp型中央DBR 204ではさまれた領域は第1の共振器となっている。また、n型中央DBR 205とn型上部DBR 207ではさまれた領域は第2の共振器となっている。この実施例2では、第1の共振器と第2の共振器を1波長共振器で形成しており、光学的な共振器長を同じにしている。例えば、共振器長の光学的距離に対応した波長を850nmとした。また、下部DBR 202,中央DBR 204,205は、波長850nmの4分の1の光学的厚さでAl0.2Ga0.8As層とAl0.9Ga0.1As層を交互に積層して形成している。一方、上部DBR 207は、波長860nmの4分の1の光学的厚さでAl0.2Ga0.8As層とAl0.9Ga0.1As層を交互に積層して形成した。
活性層104は、第1の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、光吸収層107は、p型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層203の上端とn型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層206の下端から等しい距離に位置するように形成されている。
上記積層構造表面から、p型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層203までエッチングされて、メサ構造が形成されている。そして、n型上部DBR 207表面には、光出射部を除いて第1の電極111が形成されている。また、メサ構造底面のp型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層203上には、第2の電極112が形成されている。また、n型基板101裏面には、第3の電極113が形成されている。
この実施例2では、第1の共振器と第2の共振器が光学的に結合して形成された二つの共振波長は、845nmと860nmとなっている。活性層104は利得ピーク波長を例えば852nmとし、短波長側の共振波長(845nm)と長波長側の共振波長(860nm)でほぼ同じ利得となるように形成した。上部DBR 207のブラッグ波長を860nmにすることで、短波長側の共振波長(845nm)はDBRの高反射帯域の中心波長850nmに近くなっており、長波長側の共振波長(860nm)よりも短波長側の共振波長(845nm)の方が低い反射損失を有している。従って、通常VCSELは短波長側の共振波長(845nm)でレーザ発振する。
光吸収層107は電界を加えない場合の吸収端が830nmとなるように形成されており、二つの共振波長840nm,855nmの両方に対して透明となっている。第1の電極111と第2の電極112の間に逆方向バイアスを加えることにより、光吸収層107に電界が印加され、フランツ・ケルディッシュ効果により光吸収層の吸収端が約40nm長波長側にシフトする。これにより、光吸収層107は二つの共振波長に対して吸収係数が増加する。
光吸収層107はp型Al0.2Ga0.8As第1共振器上部スペーサ層203の上端とn型Al0.2Ga0.8As第2共振器スペーサ層206の下端から等しい距離に位置するように形成されており、かつ中央DBR 208の積層周期数を9.5周期とした。これにより、光吸収層107は、短波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の腹に位置し、長波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の節に位置する。そのため、光吸収層107は、電界が印加されると、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長の両方に対して吸収を有しているが、VCSEL内部の光と結合する割合は短波長側の共振波長の方が大きいため、短波長側の共振波長に対してより大きな吸収損失となる。これにより、短波長側の共振波長の発振が抑制される。
短波長側の共振波長の発振が抑制されると、短波長側の共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少し、長波長側の共振波長に対する利得が増加する。これにより、長波長側の共振波長のレーザ光強度が増加する。従って、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を短波長側の共振波長と長波長側の共振波長との間でスイッチング動作させることができる。
下部DBR 202及び上部DBR 207は、VCSELの閾値電流を低減するために高反射率にする必要があり、DBRを構成する高屈折率層と低屈折率層の積層周期を多くする必要がある。一方、第1の共振器と第2の共振器との間に設けられた中央DBR 208は、二つの共振器を光学的に結合させる必要があるため、積層周期数を例えば9.5周期と少なくする必要がある。
屈折率の異なる半導体層を積層すると界面にヘテロ障壁が形成される。半導体層において、正孔の有効質量は電子の有効質量よりも約1桁大きいため、正孔はヘテロ障壁をトンネルすることが困難である。そのため、p型半導体を積層したDBRの抵抗は、n型半導体層を積層したDBRよりも抵抗が高くなる。
そこで、この実施例2では、高反射率が必要であるため積層数が多い下部DBR 202及び上部DBR 207をn型で形成することにより、素子の抵抗を低減させている。これにより、VCSELの消費電力を低減することができる。
実施例3は、第1,第4、第5,第6の形態に対応している。
図3は、本発明の実施例3による垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を示す図である。なお、図3において、図1,図2と同様の箇所には同じ符号を付している。図3を参照すると、n型GaAs基板201上に、n型の下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)301が積層されている。n型下部DBR 301は、n型GaAsとn型Al0.9Ga0.1Asを交互に30.5周期積層して形成されている。そして、n型下部DBR 301上には、GaAs第1共振器下部スペーサ層302、GaInAs/ GaAs MQW活性層303、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304、中央DBR 310が順次に積層されている。ここで、中央DBR 310は、GaAsとAl0.9Ga0.1Asを交互に9.5周期積層して形成されている。そして、中央DBR 310の中央位置には、GaInAs/GaAs MQW光吸収層306が設けられている。そして、中央DBR 310において、光吸収層306よりも下側はp型中央DBR 305となっており、光吸収層306よりも上側はn型中央DBR 307となっている。さらに、n型中央DBR 307上には、n型GaAs第2共振器スペーサ層308、n型上部DBR 309が積層されている。ここで、n型上部DBR 309は、n型GaAsとn型Al0.9Ga0.1Asを交互に15周期積層して形成されている。
n型下部DBR 301とp型中央DBR 305ではさまれた領域は第1の共振器となっている。また、n型中央DBR 307とn型上部DBR 309ではさまれた領域は第2の共振器となっている。この実施例3では、第1の共振器と第2の共振器を1波長共振器で形成しており、第1の共振器の共振器長に対応した波長を975nmとし、第2の共振器の共振器長に対応した波長を985nmとした。下部DBR 301,中央DBR 305,307,上部DBR 309は、波長980nmの4分の1の光学的厚さでGaAs層とAl0.9Ga0.1As層を交互に積層して形成されている。
活性層303は、第1の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、光吸収層306は、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304の上端とn型GaAs第2共振器スペーサ層308の下端から等しい距離に位置するように形成されている。
上記積層構造表面から、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304までエッチングされて、メサ構造が形成されている。そして、n型上部DBR 309表面には、光出射部を除いて第1の電極111が形成されている。また、メサ構造底面のp型GaAs第1共振器上部スペーサ層304上には、第2の電極112が形成されている。また、n型GaAs基板101裏面には、第3の電極113が形成されている。
この実施例3では、第1の共振器と第2の共振器が光学的に結合して形成された二つの共振波長は、972nmと988nmとなっている。活性層303は、利得ピーク波長を例えば930nmとし、短波長側の共振波長(972nm)と長波長側の共振波長(988nm)でほぼ同じ利得となるように作製した。また、DBRについても高反射帯域の中心波長を988nmとし、短波長側の共振波長(972nm)と長波長側の共振波長(988nm)で反射率が同等となるように形成した。しかしながら、第1の共振器の共振器長を第2の共振器の共振器長よりも短くしているため、短波長側の共振波長では第1の共振器に閉じ込められる光の割合が増加する。一方、長波長側の共振波長では第2の共振器に閉じ込められる光の割合が増加する。活性層303は第1の共振器内に設けられているため、長波長側の共振波長よりも短波長側の共振波長の方が高い活性層光閉じ込め係数を有している。これにより、光吸収層に電界を印加しない場合、二つの共振波長のうち活性層光閉じ込め係数が高い短波長側の共振波長が優先して発振する。
光吸収層306は、電界を加えない場合の吸収端が950nmとなるように形成されており、二つの共振波長に対して透明となっている。第1の電極111と第2の電極112の間に逆方向バイアスを加えることにより、光吸収層306に電界が印加され、量子閉じ込めシュタルク効果により光吸収層の吸収端が約40nm長波長側にシフトする。これにより、光吸収層306は二つの共振波長に対して吸収係数が増加する。
光吸収層306は、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304の上端とn型GaAs第2共振器スペーサ層308の下端から等しい距離に位置するように形成されており、かつ中央DBR 310の積層周期数を9.5周期で構成したため、短波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の腹に位置する。一方、長波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の節に位置する。そのため、光吸収層306は、電界が印加されると、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長の両方に対して吸収を有しているが、VCSEL内部の光と結合する割合は短波長側の共振波長の方が大きいため、短波長側の共振波長に対してより大きな吸収損失となる。これにより、短波長側の共振波長の発振が抑制される。
短波長側の共振波長の発振が抑制されると、短波長側の共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少し、長波長側の共振波長に対する利得が増加する。これにより、長波長側の共振波長のレーザ光強度が増加する。従って、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を短波長側の共振波長と長波長側の共振波長との間でスイッチング動作させることができる。
この実施例3では、光吸収層306として、GaInAs/GaAs MQW構造を用いており、この場合、GaInAs量子井戸層に励起子が閉じ込められることで、電界を加えた場合でも、バルク光吸収層に比べて急峻な光吸収端を得ることができる。従って、光吸収層306に電界を印加したときに、光吸収層の吸収係数変化を大きくすることができる。
なお、この実施例3では、光吸収層として井戸層に歪を含むGaInAs/GaAs多重量子井戸構造を用いた例で説明したが、歪を含まない多重量子井戸構造や、井戸層と障壁層が反対方向の歪を有する歪補償構造や、単一量子井戸構造を用いることも可能である。
実施例4は、第1,第3,第5,第7,第8の形態に対応している。
図4は、本発明の実施例4による垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を示す図である。なお、図4において、図1,図3と同様の箇所には同じ符号を付している。図4を参照すると、アンドープGaAs基板401上に、アンドープ下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)402が積層されている。アンドープ下部DBR 402は、アンドープGaAsとアンドープAl0.9Ga0.1Asを交互に35.5周期積層して形成されている。下部DBR 402上には、n型GaAs第1共振器下部スペーサ層403、GaInNAs/GaAs MQW活性層404、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304、中央DBR 310が順次積層されている。ここで、中央DBR 310は、GaAsとAl0.9Ga0.1Asを交互に9.5周期積層して形成されている。そして、中央DBR 310の中央位置には、GaInNAs/GaAs MQW光吸収層405が設けられている。そして、中央DBR 310において、光吸収層405よりも下側はp型中央DBR 305となっており、光吸収層405よりも上側はn型中央DBR 307となっている。さらに、n型中央DBR 307上には、n型GaAs第2共振器スペーサ層308、アンドープ上部DBR 406が積層されている。ここで、アンドープ上部DBR 406は、アンドープGaAsとアンドープAl0.9Ga0.1Asを交互に18周期積層して形成されている。
アンドープ下部DBR 402とp型中央DBR 305ではさまれた領域は、第1の共振器となっている。また、n型中央DBR 307とアンドープ上部DBR 406ではさまれた領域は第2の共振器となっている。この実施例4では、第1の共振器と第2の共振器を1波長共振器で形成しており、光学的な共振器長を同じにしている。例えば、共振器長の光学的距離に対応した波長を1300nmとした。下部DBR 402,中央DBR 305,307は、波長1300nmの4分の1の光学的厚さでGaAs層とAl0.9Ga0.1As層を交互に積層して形成している。上部DBR 406は、波長1310nmの4分の1の光学的厚さでGaAs層とAl0.9Ga0.1As層を交互に積層して形成している。
活性層404は、第1の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、光吸収層405は、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304の上端とn型GaAs第2共振器スペーサ層308の下端から等しい距離に位置するように形成されている。
上記積層構造表面から、n型GaAs第2共振器スペーサ層308までエッチングされて、第1のメサ構造が形成されている。また、第1のメサ構造よりも大きいサイズで、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304までエッチングされて、第2のメサ構造が形成されている。また、第2のメサ構造よりも大きいサイズで、n型GaAs第1共振器下部スペーサ層403の途中までエッチングされて、第3のメサ構造が形成されている。
そして、第1のメサ構造底面のn型GaAs第2共振器スペーサ層308上に、第1の電極111が形成されている。また、第2のメサ構造底面のp型GaAs第1共振器上部スペーサ層304上に、第2の電極112が形成されている。また、第3のメサ構造底面のn型GaAs第1共振器下部スペーサ層403上に、第3の電極113が形成されている。
この実施例4では、第1の共振器と第2の共振器が光学的に結合して形成された二つの共振波長は、1292nmと1315nmとなっている。そのため、短波長側の共振波長(1292nm)の方がDBRの高反射帯域の中心波長1300nmに近くなっており、長波長側の共振波長(1315nm)よりも短波長側の共振波長(1292nm)の方が低い反射損失を有している。従って、通常、VCSELは短波長側の共振波長(1292nm)でレーザ発振する。
光吸収層405は、電界を加えない場合の吸収端が1260nmとなるように形成しており、二つの共振波長に対して透明となっている。第1の電極111と第2の電極112の間に逆方向バイアスを加えることにより、光吸収層405に電界が印加され、量子閉じ込めシュタルク効果により光吸収層の吸収端が約60nm長波長側にシフトする。これにより、光吸収層405は二つの共振波長に対して吸収係数が増加する。
光吸収層405は、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304の上端とn型GaAs第2共振器スペーサ層308の下端から等しい距離に位置するように形成されており、かつ中央DBR 310の積層周期数を9.5周期で構成したため、短波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の腹に位置する。一方、長波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の節に位置する。そのため、光吸収層405は、電界が印加されると、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長の両方に対して吸収を有しているが、VCSEL内部の光と結合する割合は短波長側の共振波長の方が大きいため、短波長側の共振波長に対してより大きな吸収損失となる。これにより、短波長側の共振波長の発振が抑制される。
短波長側の共振波長の発振が抑制されると、短波長側の共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少し、長波長側の共振波長に対する利得が増加する。これにより、長波長側の共振波長のレーザ光強度が増加する。従って、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を短波長側の共振波長と長波長側の共振波長との間でスイッチング動作させることができる。
DBRを構成する半導体層のキャリア濃度が増加すると、自由キャリアによる光吸収が増加する。さらにp型半導体層では正孔濃度が増加すると、自由キャリア吸収に加えて、価電子帯間吸収やオージェ再結合による光吸収が増加してしまう。この実施例4では、下部DBR 402と上部DBR 406をアンドープ層で構成しているため、DBRのキャリア濃度を1×1017cm−3以下に低減できる。そのため、VCSELの内部吸収損失を効果的に低減することができ、低閾値電流化や外部量子効率向上が可能となる。
また、活性層404は、窒素と他のV族元素を含む混晶半導体であるGaInNAsを井戸層として用いている。GaInNAs材料は、石英光ファイバの伝送に適した1.3〜1.6μmの長波長帯のバンドギャップを有しており、GaAs障壁層との伝導帯電子の閉じ込め障壁高さを300meV以上と高くすることができるため、活性層からの電子オーバーフローが抑制され、良好な温度特性を有している。また、GaAs基板上にエピタキシャル成長させることができるため、多層膜反射鏡として高反射率でかつ熱伝導性に優れたGaAs/AlGaAs系DBRを用いることができる。従って、高性能の長波長帯VCSELを形成することができる。
また、石英光ファイバの分散がゼロである波長1.31μm近傍でVCSELを動作させることができる。本発明では、二つの波長間でVCSELの波長変調を実施しているが、波長分散が小さい1.3μm帯を用いることで、石英光ファイバ伝送後の波長分散による信号劣化を抑制することができる。
実施例5は、第1,第2,第5,第8,第9の形態に対応している。
図5は、本発明の実施例5による垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を示す図である。なお、図5において、図1,図3,図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図5を参照すると、n型GaAs基板201上に、n型の下部分布ブラッグ反射鏡(DBR)301が積層されている。n型下部DBR 301は、n型GaAsとn型Al0.9Ga0.1Asを交互に35.5周期積層して形成されている。そして、n型下部DBR 301上には、GaAs第1共振器下部スペーサ層302、GaInNAs/ GaAs MQW第1活性層404、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304、中央DBR 310が順次に積層されている。ここで、中央DBR 310は、GaAsとAl0.9Ga0.1Asを交互に9.5周期積層して形成されている。中央DBR 310の中央位置には、GaInNAs/GaAs MQW光吸収層405が設けられている。そして、中央DBR 310において、光吸収層405よりも下側はp型中央DBR 305となっており、光吸収層405よりも上側はn型中央DBR 307となっている。さらに、n型中央DBR 307上には、n型GaAs第2共振器下部スペーサ層501、GaInNAs/GaAs MQW第2活性層502、p型GaAs第2共振器下部スペーサ層503、p型上部DBR 504が積層されている。ここで、p型上部DBR 504は、p型GaAsとp型Al0.9Ga0.1Asを交互に18周期積層して形成されている。
n型下部DBR 301とp型中央DBR 305ではさまれた領域は第1の共振器となっている。また、n型中央DBR 307とp型上部DBR 504ではさまれた領域は第2の共振器となっている。この実施例5では、第1の共振器と第2の共振器を1波長共振器で形成しており、光学的な共振器長を同じにしている。例えば、共振器長の光学的距離に対応した波長を1300nmとした。下部DBR 301,中央DBR 305,307,上部DBR 504は、波長1300nmの4分の1の光学的厚さでGaAs層とAl0.9Ga0.1As層を交互に積層して形成している。
第1の活性層404は、第1の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、第2の活性層503は、第2の共振器内において中央に位置するように形成されている。また、光吸収層405は、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304の上端とn型GaAs第2共振器下部スペーサ層501の下端から等しい距離に位置するように形成されている。
上記積層構造表面から、n型GaAs第2共振器下部スペーサ層501までエッチングされて、第1のメサ構造が形成されている。また、第1のメサ構造よりも大きいサイズで、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304までエッチングされて、第2のメサ構造が形成されている。そして、第1のメサ構造頂上部のp型上部DBR 504上には、光出射部を除いて第1の電極111が形成されている。また、第1のメサ構造底面のn型GaAs第2共振器下部スペーサ層501上には、第2の電極112が形成されている。また、第2のメサ構造底面のp型GaAs第1共振器上部スペーサ層304上には、第3の電極113が形成されている。また、n型GaAs基板201裏面には、第4の電極505が形成されている。
この実施例5では、第1の共振器と第2の共振器が光学的に結合して形成された二つの共振波長は、1289nmと1312nmとなっている。活性層404,502は、利得ピーク波長が1290nmとなるように形成されており、長波長側の共振波長(1312nm)よりも短波長側の共振波長(1289nm)で利得が高い。そのため、通常、VCSELは短波長側の共振波長(1289nm)でレーザ発振する。
光吸収層405は電界を加えない場合の吸収端が1260nmとなるように形成しており、二つの共振波長に対して透明となっている。第1の電極111と第2の電極112の間に逆方向バイアスを加えることにより、光吸収層405に電界が印加され、量子閉じ込めシュタルク効果により光吸収層の吸収端が約60nm長波長側にシフトする。これにより、光吸収層405は二つの共振波長に対して吸収係数が増加する。
光吸収層405は、p型GaAs第1共振器上部スペーサ層304の上端とn型GaAs第2共振器下部スペーサ層501の下端から等しい距離に位置するように形成されており、かつ中央DBR 310の積層周期数を9.5周期で構成したため、短波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の腹に位置する。一方、長波長側の共振波長ではVCSEL内部の電界強度分布の節に位置する。そのため、光吸収層405は、電界が印加されると、長波長側の共振波長と短波長側の共振波長の両方に対して吸収を有しているが、VCSEL内部の光と結合する割合は短波長側の共振波長の方が大きいため、短波長側の共振波長に対してより大きな吸収損失となる。これにより、短波長側の共振波長の発振が抑制される。
短波長側の共振波長の発振が抑制されると、短波長側の共振波長の発振利得に消費されていたキャリアが減少し、長波長側の共振波長に対する利得が増加する。これにより、長波長側の共振波長のレーザ光強度が増加する。従って、活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流より高い一定値で連続的に注入しておき、光吸収層に加える電界を変調することにより、VCSELの発振波長を短波長側の共振波長と長波長側の共振波長との間でスイッチング動作させることができる。
実施例5のVCSELは、第1の共振器と第2の共振器との両方に活性層を有している。二つの活性層404,502は異なる共振器内に設けられているが、第1の共振器と第2の共振器は光学的に結合しており、二つの共振波長に対して、二つの活性層はともに利得を有している。従って、第1の共振器内に設けられた活性層に電流注入したときの発振光と第2の共振器内に設けられた活性層に電流注入したときの発振光とはモード同期する。これにより、1つの活性層に電流注入して発生する光子密度に、第2の活性層で発生させた光子密度がモード同期して加えられるため、VCSEL素子内部の光子密度を増加させることができる。これにより、短波長側の共振波長と長波長側の共振波長との間のスイッチング速度をさらに向上させることができる。
上記各実施例に示したVCSELにおいては、活性層に対する電流狭窄手段については示されていない。活性層に対する電流狭窄手段としては、Alを含む層を側面から選択的に酸化したAl酸化狭窄構造や、特定の半導体層を側面から選択的にサイドエッチングしたエアギャップ構造や、イオン注入により形成した高抵抗領域や、トンネル接合等を用いることが可能である。
実施例6は、第12の形態に対応している。
図6は、実施例6による光送信モジュールを示す図である。図6を参照すると、光送信モジュール601においては、光源602として、実施例1〜4のいずれかの垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を用いている。直流電源603は、VCSEL 602の活性層に一定電流を注入し、レーザ発振させる。また、変調バイアス電源604は、外部から入力された電気信号に応じて、VCSEL 602の光吸収層に加える電界を変調させる。これにより、VCSELの発振波長を変調することができる。
VCSEL 602から出力されたレーザ光は、波長選択素子605において選択された特定の波長のみが外部に出力されるようになっている。これにより、波長変調信号が光強度変調信号に変換される。この実施例6では、波長選択素子605として誘電体多層膜フィルタを用いて形成した。
これにより、単チャンネル当たり40GbpsでVCSELを直接電圧駆動することで、出力されるレーザ光強度を高速に変調することができる。従って、モジュールサイズが小さく、低コストの光送信モジュールを提供することができる。
実施例7は、第13の形態に対応している。
図7は、実施例7による光伝送装置を示す図である。図7を参照すると、光送信部701において、電気信号が光信号に変換されて光ファイバケーブル705に導入される。光ファイバケーブル705を導波した光は、光受信部706で再び電気信号に変換されて出力される。
光送信部701においては、光源702として実施例4記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を用いている。また、直流電源703は、VCSEL 702の活性層に一定電流を注入し、レーザ発振させる。また、変調バイアス電源704は、光送信部に外部から入力された電気信号に応じて、VCSEL 702の光吸収層に加える電界を変調させる。これにより、単チャンネル当たり40Gbpsの伝送容量で、VCSELの発振波長を高速変調することができる。
光受信部706では、光ファイバケーブル705から出力された光信号を、波長選択素子707で波長ごとに分離し、特定の選択された波長が受光素子708で受光される。波長選択素子707を通ることによって、波長変調信号が光強度変調信号に変換される。受光素子708で受光された光信号は電気に変換され、受信回路709において、信号増幅,波形整形等を行って、光受信部706から外部に出力される。
波長選択素子707としては、多層膜フィルタ,共振器構造,回折格子,干渉計等を用いることが可能である。また、この実施例7では、波長選択素子707を光受信部706内において受光素子708の直前に設けているが、光送信部701内におけるVCSEL 702と光ファイバケーブル705の間や、光ファイバケーブル705の途中に設けることも可能である。
この実施例7の光伝送装置は、光送信部701の光源として実施例4記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を用いているため、外部変調器を用いることなく40Gbpsの光信号伝送が可能となっている。従って、モジュールサイズの小型化や低コスト化ができる。さらに、VCSELの変調を電圧駆動しているため、電流駆動に比べて少ない電力消費となる。そのため、40Gbpsの高速駆動でも駆動回路を小型化、低コスト化することができる。
実施例8は、第11,第13の形態に対応している。
図8は、実施例8による光伝送装置を示す図である。図8を参照すると、光送信部701において、電気信号が光信号に変換されて光ファイバケーブル705に導入される。光ファイバケーブル705を導波した光は、光受信部706で再び電気信号に変換されて出力される。
光送信部701においては、光源801として実施例5記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置(VCSEL)を用いている。直流電源703は、VCSEL 801の第1の活性層に一定電流を注入し、レーザ発振させる。また、変調バイアス電源704は、光送信部701に外部から入力された電気信号に応じて、VCSEL 801の光吸収層に加える電界を変調させる。これにより、40GbpsでVCSELの発振波長を変調することができる。さらに、電流駆動回路802は、外部から入力された電気信号に応じて、VCSEL 801の第2の活性層に注入する電流を変調する。そのため、発振波長の変調とは独立に、第2の活性層に注入する電流によって同時に光強度を20Gbpsで変調することができる。
光受信部706では、光ファイバケーブル705から出力された光信号を、光分岐素子803で二つの波長に分離し、受光素子アレイ804で受光される。光分岐素子803を通ることによって分離された各波長の光信号は、それぞれ別々の受光素子に入力され電気信号に変換される。そして、受信回路709において信号増幅,波形整形等を行って演算回路805に入力される。演算回路805では、受光素子アレイ804で受光した信号を、波長変調符号と強度変調符号に分離して符号を再生し、外部に出力する。これにより、チャンネル当たり60Gbpsの信号を伝送することができ、伝送容量をさらに増加させることが可能となる。
本発明は、光通信システムや光インターコネクションシステムなどに利用可能である。
実施例1の垂直共振器型面発光レーザ装置を示す図である。 実施例2の垂直共振器型面発光レーザ装置を示す図である。 実施例3の垂直共振器型面発光レーザ装置を示す図である。 実施例4の垂直共振器型面発光レーザ装置を示す図である。 実施例5の垂直共振器型面発光レーザ装置を示す図である。 実施例6の光送信モジュールを示す図である。 実施例7の光伝送装置を示す図である。 実施例8の光伝送装置を示す図である。 二重共振器を有する垂直共振器型面発光レーザの反射スペクトルの一例を示す図である。 垂直共振器型面発光レーザ装置内の電界強度分布を示す図である。
符号の説明
101 p型GaAs基板
102 p型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 下部DBR
103 AlGaAs第1共振器下部スペーサ層
104 GaAs/AlGaAs MQW活性層
105 n型AlGaAs第1共振器上部スペーサ層
106 n型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 中央DBR
107 AlGaAs光吸収層
108 p型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 中央DBR
109 p型AlGaAs第2共振器スペーサ層
110 p型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 上部DBR
111 第1の電極
112 第2の電極
113 第3の電極
114 中央DBR
201 n型GaAs基板
202 n型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 下部DBR
203 p型AlGaAs第1共振器上部スペーサ層
204 p型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 中央DBR
205 n型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 中央DBR
206 n型AlGaAs第2共振器スペーサ層
207 n型Al0.2Ga0.8As/Al0.9Ga0.1As 上部DBR
208 中央DBR
301 n型GaAs/Al0.9Ga0.1As 下部DBR
302 GaAs第1共振器下部スペーサ層
303 GaInAs/GaAs MQW活性層
304 p型GaAs第1共振器上部スペーサ層
305 p型GaAs/Al0.9Ga0.1As 中央DBR
306 GaInAs/GaAs MQW光吸収層
307 n型GaAs/Al0.9Ga0.1As 中央DBR
308 n型GaAs第2共振器スペーサ層
309 n型GaAs/Al0.9Ga0.1As 上部DBR
310 中央DBR
401 アンドープGaAs基板
402 アンドープGaAs/Al0.9Ga0.1As 下部DBR
403 n型GaAs第1共振器下部スペーサ層
404 GaInNAs/GaAs MQW活性層
405 GaInNAs/GaAs MQW光吸収層
406 アンドープGaAs/Al0.9Ga0.1As 上部DBR
501 n型GaAs第2共振器下部スペーサ層
502 GaInNAs/GaAs MQW 第2活性層
503 p型GaAs第2共振器上部スペーサ層
504 p型GaAs/Al0.9Ga0.1As 上部DBR
505 第4の電極
601 光送信モジュール
602 VCSEL
603 直流電源回路
604 変調バイアス回路
605 波長選択素子
701 光送信モジュール
702 VCSEL
703 直流電源回路
704 変調バイアス回路
705 光ファイバ
706 光受信モジュール
707 波長選択素子
708 受光素子
709 受信回路
801 VCSEL
802 電流駆動回路
803 波長分岐素子
804 受光素子アレイ
805 演算回路

Claims (13)

  1. 基板上に、第1の多層膜反射鏡、第1の共振器、第2の多層膜反射鏡、第2の共振器、第3の多層膜反射鏡が順次に形成され、第1の共振器と第2の共振器の少なくも一方に活性層が設けられた垂直共振器型面発光半導体レーザ装置であって、該垂直共振器型面発光半導体レーザ装置は異なる二つの共振波長を有しており、第2の多層膜反射鏡中において第1の共振器と第2の共振器から等距離の位置には光吸収層が設けられ、該光吸収層に印加する電界を変調することによって、レーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるように構成されていることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  2. 請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、活性層が高い利得を有していることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  3. 請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、低い反射損失を有することを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  4. 請求項1記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器の共振器長が異なっており、二つの共振波長のうち、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が同符号となる共振波長の方が、第1の共振器の中央部と第2の共振器の中央部における電界強度が異符号となる共振波長よりも、高い活性層光閉じ込め係数を有することを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、光吸収層は多重量子井戸構造で構成されていることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡の導電型がn型であることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の多層膜反射鏡及び第3の多層膜反射鏡が低キャリア濃度層で構成されていることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、活性層及び/または光吸収層は、窒素と他のV族元素を含む混晶半導体で構成されたことを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置において、第1の共振器と第2の共振器内にそれぞれ第1の活性層と第2の活性層を有しており、それぞれの活性層に対して独立に電流を注入する手段が設けられていることを特徴とする垂直共振器型面発光半導体レーザ装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の光スイッチング方法において、活性層に注入する電流はレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させることを特徴とする光スイッチング方法。
  11. 請求項9記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の光スイッチング方法において、一方の活性層に注入する電流をレーザ発振閾値電流以上に一定電流を連続的に注入し、光吸収層に印加する電界によってレーザ発振波長を二つの共振波長間でスイッチング動作させるとともに、他方の活性層に注入する電流を変調してレーザ光強度を変調させることを特徴とする光スイッチング方法。
  12. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、前記垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子とを備えたことを特徴とする光送信モジュール。
  13. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光半導体レーザ装置と、光ファイバと、垂直共振器型面発光半導体レーザ装置の二つの共振波長のいずれかを選択する波長選択素子と、受光素子とを含むことを特徴とする光伝送装置。
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