JPH0969669A - 半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法 - Google Patents

半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法

Info

Publication number
JPH0969669A
JPH0969669A JP22508495A JP22508495A JPH0969669A JP H0969669 A JPH0969669 A JP H0969669A JP 22508495 A JP22508495 A JP 22508495A JP 22508495 A JP22508495 A JP 22508495A JP H0969669 A JPH0969669 A JP H0969669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
layer
region
semiconductor laser
diffraction grating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP22508495A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kunii
達夫 国井
Yukio Kato
幸雄 加藤
Mitsushi Yamada
光志 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP22508495A priority Critical patent/JPH0969669A/ja
Publication of JPH0969669A publication Critical patent/JPH0969669A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振波長の変化幅が大きく、かつ発振波長の
スイッチング速度が早い新規な構造の半導体レーザ素
子、さらにその素子の発振波長のスイッチング方法を提
供すること。 【解決手段】 第1クラッド層12上に活性層14およ
び受動導波路層16が隣接して設けられている。また、
活性層14および受動導波路層16上に、第2クラッド
層18が設けられている。また、第1クラッド12層の
下側には下側電極20が設けられ、第2クラッド層18
の上側には上側電極22が設けられている。半導体レー
ザ素子10は、活性領域100内の、受動領域200と
接する側の領域に発振波長を切り換える波長スイッチン
グ領域100aを具えている。波長スイッチング領域1
00aには、光導波方向にブラック波長λ1 が、例えば
1.55μmである第1の回折格子24が設けられ、受
動領域200には光導波方向にブラック波長λ2 が、例
えば1.57μmである第2の回折格子26が設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は半導体レーザ素
子、特に2つの発振波長のスイッチングが可能な半導体
レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の半導体レーザ素子とし
て、文献1:「S.Murata et al., "Over720GHz (5.8nm)
Frequency Tuning by a 1.5 μm DBR Laser with Phas
e and Bragg Wavelength Control Regions", Electroni
cs Letters, vol.23, no.8, 403(1987) 」、および文献
2:「T.Kameda et al., "A DBR Laser Employing Pass
ive-Section Heaters, vol.5, no.6, 608(1993) 」に開
示されるものがある。文献1に開示の半導体レーザ素子
では、受動導波路層への電流注入量を制御することによ
り、また文献2に開示の半導体レーザ素子では、受動導
波路層の温度を制御することにより、レーザ光の発振波
長を変化させている。これは、受動導波路層への電流注
入量や受動導波路層の温度が変化すると、受動導波路層
を含む側の領域(以下、この領域を受動領域と称する場
合がある。)の屈折率が変化し、その結果、受動領域に
設けられている回折格子のブラック波長が変化するため
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、文献1
の半導体レーザ素子では、発振波長の変化幅は約7nm
であり十分な波長変化幅が得られなかった。これは、受
動導波路層へ電流を注入することによる受動領域の屈折
率変化が制限されるためである。また、波長スイッチン
グスピードは数nsecより遅く、十分な波長スイッチ
ング速度が得られなかった。
【0004】これに対し、文献2の半導体レーザ素子で
は、発振波長の変化幅は10nm以上であり十分大きい
ものの、波長スイッチング速度は数msec以下とさら
に遅く、実用上問題があった。
【0005】従って、発振波長の変化幅が大きく、かつ
発振波長のスイッチング速度が早い新規な構造の半導体
レーザ素子の出現、さらにその素子の発振波長のスイッ
チング方法の出現が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の半
導体レーザ素子によれば、第1クラッド層と、第1クラ
ッド層上にそれぞれ設けられ光が導波する方向に互いに
隣接した活性層および受動導波路層と、これら活性層お
よび受動導波路層上に設けられた第2クラッド層と、第
1クラッド層の下側に設けられた下側電極と、第2クラ
ッド層の上側に設けられた上側電極とを具えており、当
該半導体レーザ素子の領域であって活性層を含む側の領
域を活性領域とし、および受動導波路層を含む側の領域
を受動領域としたとき、活性領域の、受動領域と接する
側の領域に発振波長を切り換える波長スイッチング領域
を具えることを特徴とする。
【0007】このような半導体レーザ素子の一つとし
て、波長スイッチング領域には光が導波する方向に、ブ
ラック波長がλ1 である第1の回折格子が設けられ、受
動領域には光が導波する方向に、ブラック波長がλ1
異なるλ2 である第2の回折格子が設けられていること
を特徴とするものがある。
【0008】その際、波長スイッチング領域の活性層の
部分に電流を注入したとき、しきい値利得が波長λ1
光より波長λ2 の光で小さくなるように、活性層のバン
ドギャップ波長は、受動導波路層のバンドギャップ波長
より大きく、かつ第1の回折格子の光が導波する方向に
おける長さをL1 とし、第2の回折格子の光が導波する
方向における長さをL2 とし、第1の回折格子の結合定
数をK1 とし、第2の回折格子の結合定数をK2 とした
とき、K11 <K22 であるのが良い。
【0009】また、波長λ1 は波長λ2 より大きい方が
良い。
【0010】この発明の半導体レーザ素子の発振波長ス
イッチング方法によれば、活性領域であって波長スイッ
チング領域以外の領域の活性層の部分に電流を注入する
ことによりレーザ発振している半導体レーザ素子に対し
て、波長スイッチング領域の活性層の部分への電流注入
量を制御することにより発振波長を選択することを特徴
とする。
【0011】すなわち、半導体レーザ素子は、活性層で
発光した光のうち、第1の回折格子または第2の回折格
子のブラック波長λ1 、λ2 と同じ波長の光でレーザ発
振する。その際、発振波長の選択は波長スイッチング領
域の活性層の部分への電流注入量を制御することにより
行う。電流を注入しないときは、波長スイッチング領域
の活性層の部分のロスが大きく、活性層で発光した光が
受動領域まで到達しないため、波長λ1 の光でレーザ発
振する。電流注入量が大きくなると、波長スイッチング
領域の活性層の部分のロスが徐々に減少し、活性層で発
光した光が受動領域まで達する。その結果、活性層で発
光した光は第1および第2の回折格子によって反射を受
ける。この場合、波長λ2 の光の第2の回折格子での反
射率は、波長λ1 の光の第1の回折格子での反射率より
十分大きい。従って、しきい値利得は、波長λ2 の光の
方が小さくなり、その波長の光でレーザ発振し始める。
さらに、その後、電流注入量を小さくしていくと、波長
λ1 の光でレーザ発振する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態を説明する。これらの図面において、各構
成成分は、この発明が理解出来る程度に各構成成分の形
状、大きさ、および配置関係を概略的に示してあるにす
ぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成
成分については同一の番号を付して示してある。また、
以下の説明で述べる、使用材料、形成方法および膜厚等
の数値的条件はこの発明の実施の形態の好適例にすぎな
い。従って、この発明がこれらの条件にのみ限定される
ものではないことは理解されたい。
【0013】先ず、実施の形態の半導体レーザ素子の構
成について説明する。図1は、この実施の形態の半導体
レーザ素子の、光が導波する方向(以下、光導波方向と
称する場合がある。)に沿って切って取った断面図であ
る。
【0014】図1に示す様に、この実施の形態の半導体
レーザ素子10では、基板である第1クラッド層12上
に活性層14および受動導波路層16が隣接して設けら
れている。この場合、活性層14および受動導波路層1
6が隣接する方向が光導波方向である。この実施の形態
では、第1クラッド層12はn−InP層からなり、活
性層14はバンドギャップ波長(ホトルミネッセンスピ
ーク波長ともいう。)が1.55μmのInGaAsP
層からなり、受動導波路層16はバンドギャップ波長が
1.20μmのInGaAsP層からなる。第1のクラ
ッド層12の厚さは、例えば100μmであり、活性層
14および受動導波路層16の厚さは例えば0.15μ
m〜0.25μmである。なお、バンドギャップ波長は
InGaAsP層を構成する各元素の比率を変えること
により変化する。
【0015】また、活性層14および受動導波路層16
(以下、これら二つの層をまとめて導波路層と称する場
合がある。)上に、第2クラッド層18が設けられてい
る。この実施の形態では、第2クラッド層18はp−I
nP層からなる。第2のクラッド層18の厚さは、例え
ば2.0μmである。
【0016】また、第1クラッド層12の下側には下側
電極20が設けられ、第2クラッド層18の上側には上
側電極22が設けられている。この実施の形態では、上
側電極22は第1から第3の上側電極22a〜22cか
ら構成され、第2クラッド層18と第1から第3の上側
電極22a〜22cとの間には、p−InGaAsP層
からなるキャップ層23が設けられている。第1から第
3の上側電極22a〜22cの配置の詳細については後
述する。
【0017】なお、半導体レーザ素子10には、第1ク
ラッド層12、活性層14、受動導波路層16、および
第2クラッド層18の両側(図1中、紙面の手前側およ
び奥側)に電流ブロック層(図示せず)が設けられてい
る。
【0018】ここで、半導体レーザ素子10の領域であ
って活性層14を含む側の領域を活性領域100とし、
受動導波路16を含む側の領域を受動領域200とす
る。このとき、半導体レーザ素子10は、活性領域10
0内の、受動領域200と接する側の領域に発振波長を
切り換える波長スイッチング領域100aを具えてい
る。
【0019】また、波長スイッチング領域100aに
は、光導波方向にブラック波長λ1 が、例えば1.55
μmである第1の回折格子(グレーティングともい
う。)24が設けられ、受動領域200には光導波方向
にブラック波長λ2 が、例えば1.57μmである第2
の回折格子26が設けられている。これら第1および第
2の回折格子24、26は、後述する半導体レーザ素子
の製造方法で示すように、第1クラッド層12の表面
の、波長スイッチング領域100aおよび受動領域20
0に対応する領域に形成される。第2の回折格子26の
ブラック波長λ2 は、第1の回折格子24のブラック波
長λ1 より大きい方が良いが、その詳細については後述
する半導体レーザ素子の発振波長のスイッチング方法に
おいて説明する。
【0020】また、第1の回折格子24の光導波方向に
おける長さ、すなわち波長スイッチング領域100aの
長さをL1 とし、第2の回折格子26の光導波方向にお
ける長さ、すなわち受動領域200の長さをL2 とし、
第1の回折格子24の結合定数をK1 とし、第2の回折
格子26の結合定数をK2 とすると、K11 <K22
となるように第1の回折格子24および第2の回折格
子26が形成されている。例えば、この実施の形態で
は、L1 は50μm、L2 は500μm、K1 およびK
2 は50cm-1である。
【0021】また、第1の上側電極22aは、波長スイ
ッチング領域100aの第2クラッド層18の部分の上
側に活性層14と対向して設けられており、第2の上側
電極22bは、活性領域100内の波長スイッチング領
域100a以外の領域(非波長スイッチング領域と称す
る場合がある。)100bの第2クラッド層18の部分
の上側に、活性層14と対向して設けられており、第3
の上側電極22cは受動領域200の第2クラッド層1
8の部分の上側に受動導波路層16と対向して設けられ
ている。第3の上側電極22cは必ずしも必要ではな
い。
【0022】次に、この実施の形態の半導体レーザ素子
の製造方法について説明する。図2(A)〜(C)、お
よび図3(A)〜(C)は半導体レーザ素子の製造工程
を、光導波方向に沿って切って取った断面で示した概略
図である。
【0023】先ず、基板であるn−InP層の表面の、
波長スイッチング領域100aおよび受動領域200に
対応する領域に第1および第2の回折格子24、26を
形成する(図2(A))。第1および第2の回折格子2
4、26を形成した後のn−InP層が第1クラッド層
12である。
【0024】その後、第1クラッド層12の全表面を覆
う、バンドギャップ波長が1.55μmのInGaAs
P層14aを形成し、さらにInGaAsP層14a上
にp−InP層18aを形成する(図2(B))。In
GaAsP層14aおよびp−InP層18aの形成に
は公知の結晶成長方法を用いる。
【0025】その後、SiO2 膜28をエッチングマス
クとして、活性領域に対応する部分を残し、InGaA
sP層14aおよびp−InP層18aをエッチングす
る(図2(C))。残存したInGaAsP層が活性層
14である。また、残存したp−InP層18axは後
工程で形成されるp−InP層18b、18cと共に最
終的に第2クラッド層18を形成する。
【0026】その後、InGaAsP層14aおよびp
−InP層18aのエッチング後に露出する第1クラッ
ド層12の表面を覆う、バンドギャップ波長が1.20
μmのInGaAsP層を形成し、さらにその上にp−
InP層18bを形成する(図3(A))。このInG
aAsP層が受動導波路層16である。受動導波路層1
6およびp−InP層18bの形成には公知の結晶成長
方法を用い、活性層14の表面と受動導波路層16の表
面の高さが等しくなるようにする。また、p−InP層
18bは、前工程で形成されたp−InP層18axお
よび後工程で形成されるp−InP層18cと共に最終
的に第2クラッド層18を形成する。
【0027】その後、SiO2 膜28を除去した後、導
波路層の幅(紙面に垂直な方向の長さ)が2μm程度の
導波路構造を形成する。さらに、電流ブロック層(図示
せず)を形成する。
【0028】その後、上側表面、すなわちp−InP層
18ax、p−InP層18bおよび電流ブロック層
(図示せず)の表面を覆うp−InP層18cを形成
し、さらにその上にp−InGaAsP層からなるキャ
ップ層23を形成する(図3(B))。p−InP層1
8cおよびキャップ層23の形成には公知の結晶成長方
法を用いる。また、p−InP層18cは前工程で形成
されたp−InP層18ax、18bと共に第2クラッ
ド層18を形成する。
【0029】最後に、第2クラッド層18上に上側電極
22を形成し、第1クラッド層12の下に下側電極20
を形成する(図3(C))。上側電極22および下側電
極20の形成には公知の電極形成技術を用いる。この場
合、波長スイッチング領域100aには第1の上側電極
22a、非波長スイッチング領域100bには第2の上
側電極22b、受動領域200には第3の上側電極22
cがそれぞれ形成される。以上のようにして半導体レー
ザ素子10を製造する。
【0030】次に、この実施の形態の半導体レーザ素子
の発振波長のスイッチング方法について説明する。半導
体レーザ素子10は、活性層14で発光した光のうち、
第1の回折格子24または第2の回折格子26のブラッ
ク波長λ1 、λ2 と同じ波長の光でレーザ発振する。そ
の際、発振波長のスイッチングは波長スイッチング領域
100aの活性層14の部分への電流注入量を制御する
ことにより行う。電流を注入しないときは、波長スイッ
チング領域100aの活性層14の部分のロスが大き
く、活性層14で発光した光が受動領域200まで到達
しないため、波長λ1 の光でレーザ発振する。電流注入
量が大きくなると、波長スイッチング領域100aの活
性層14の部分のロスが徐々に減少し、活性層14で発
光した光が受動領域200まで達する。その結果、活性
層14で発光した光は第1および第2の回折格子24、
26によって反射を受ける。この場合、波長λ2 の光の
第2の回折格子26での反射率は、波長λ1 の光の第1
の回折格子24での反射率より十分大きい。従って、し
きい値利得は、波長λ2 の光の方が小さくなり、その波
長の光でレーザ発振し始める。さらに、その後、電流注
入量を小さくしていくと、波長λ1 の光でレーザ発振す
る。
【0031】以下、その理由について説明する。以後の
説明中、波長スイッチング領域100aの活性層14の
部分を第1活性層14xと称し、非スイッチング領域1
00bの活性層14の部分を第2活性層14yと称す
る。
【0032】図4は第2活性層14yにレーザ発振に十
分な電流を注入し、かつ第1活性層14xに電流を注入
しないときの第1の回折格子24の反射特性を縦軸に反
射率Rを取り、横軸に回折格子に入射する波長λを取っ
て示した特性図である。また、図5は第2活性層14y
にレーザ発振に十分な電流を注入し、かつ第1活性層1
4xにも電流を注入したときの第1および第2の回折格
子24、26の反射特性を縦軸に反射率Rを取り、横軸
に回折格子に入射する波長λを取って示した特性図であ
る。図5中、曲線aは第1の回折格子24の反射特性で
あり、曲線bは第2の回折格子26の反射特性である。
反射率の計算には、下記の(1)で表される文献3:
「半導体レーザと光集積回路、末松安晴編著、オーム社
刊、1984年」の327頁に示す(11・47)式を
用いた。ただし、(1)式中、αはロス、Kは結合定
数、LB は回折格子の光導波方向における長さであり、
γおよびδは(2)式および(3)式から求められる。
(3)式中、neff は実効屈折率、λB は回折格子のブ
ラック波長である。
【0033】
【数1】
【0034】この実施の形態では、第1の回折格子24
の結合定数K1 は50cm-1、長さL1 は50μm、ブ
ラック波長λ1 は1.55μmであることから、Kを5
0cm-1、LB を50μm、λB を1.55μmとして
図4および図5に示す反射特性を求めた。また、第2の
回折格子24の結合定数K2 は50cm-1、長さL2
500μm、ブラック波長λ2 は1.57μmであるこ
とから、Kを50cm-1、LB を500μm、λB
1.57μmとして図5に示す反射特性を求めた。ま
た、活性層14のバンドギャップ波長は1.55μmで
あり、第1の回折格子24のブラック波長λ1 と同じで
あることから、第1活性層14xへの電流注入前のロス
αを200cm-1として図4に示す反射特性を求め、電
流注入後のロスαを20cm-1として図5に示す反射特
性を求めた。また、受動導波路層16のバンドギャップ
波長は1.20μmであり、第2の回折格子26のブラ
ック波長λ2 より小さいことから、ロスαを5cm-1
して図5に示す反射特性を求めた。なお、実効屈折率n
eff はいずれの場合も3.2とした。
【0035】図4から理解出来るように、第1活性層1
4xに電流を注入しないとき、波長λ1 (1.55μ
m)の光の反射率が最も大きい。従って、しきい値利得
は、波長λ1 の光で最も小さくなり、波長λ1 の光でレ
ーザ発振が起こる。
【0036】また、図5から理解出来るように、第1活
性層14xへの電流注入量が大きいとき、波長λ2 の光
の第2の回折格子26での反射率は、波長λ1 の光の第
1の回折格子24での反射率より十分大きい。従って、
しきい値利得は、波長λ2 の光の方が小さくなり、波長
λ2 で光でレーザ発振が起こる。
【0037】以上の様に、波長λ1 から波長λ2 への発
振波長のスイッチングは第1活性層14xへの電流注入
量を制御することにより行われる。そして、その際のス
イッチング速度は第1活性層14xでのキャリア寿命に
より決まる。活性層でのキャリア寿命は1nsec以下
であるため、発振波長のスイッチング速度も1nsec
以下となり、従来のものに比べて高速で発振波長のスイ
ッチングが可能となる。
【0038】また、発振波長のスイッチングは、第1の
回折格子24のブラック波長λ1 と第2の回折格子26
のブラック波長λ2 との間で起こる。この場合、活性層
14で発光する光の波長域で第1の回折格子24のブラ
ック波長λ1 および第2の回折格子26のブラック波長
λ2 を設定すればよい。通常、活性層14で発光する光
には100nm程度の幅があるため、最大100nm程
度の波長間での発振波長のスイッチングが可能になる。
【0039】なお、第1活性層14xに電流を注入して
いくと、しきい値利得の最も小さい光の波長が長波長側
にシフトする。従って、第2の回折格子のブラック波長
λ2は、第1の回折格子のブラック波長λ1 より大きい
方が効率よくレーザ発振を行うことが可能となる。
【0040】この発明は、上述した実施の形態に限定さ
れるものではないことは明らかである。例えば、上述の
実施の形態における導電型を入れ換えても良い。
【0041】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の半導体レーザ素子によれば、活性層で発光した
光のうち、第1の回折格子または第2の回折格子のブラ
ック波長λ1 、λ2 と同じ波長の光でレーザ発振する。
その際、発振波長のスイッチングは波長スイッチング領
域の活性層の部分への電流注入量を制御することにより
行う。電流を注入しないときは、波長スイッチング領域
の活性層の部分のロスが大きく、活性層で発光した光が
受動領域まで到達しないため、波長λ1 の光でレーザ発
振する。電流注入量が大きくなると、波長スイッチング
領域の活性層の部分のロスが徐々に減少し、活性層で発
光した光が受動領域まで達する。その結果、活性層で発
光した光は第1および第2の回折格子によって反射を受
ける。この場合、波長λ2 の光の第2の回折格子での反
射率は、波長λ1 の光の第1の回折格子での反射率より
十分大きい。従って、しきい値利得は、波長λ2 の光の
方が小さくなり、その波長の光でレーザ発振し始める。
さらに、その後、電流注入量を小さくしていくと、波長
λ1 の光でレーザ発振する。
【0042】以上の様に、波長λ1 から波長λ2 への発
振波長のスイッチングは第1活性層への電流注入量を制
御することにより行われる。そして、その際のスイッチ
ング速度は第1活性層でのキャリア寿命により決まる。
活性層でのキャリア寿命は1nsec以下であるため、
発振波長のスイッチング速度も1nsec以下となり、
従来のものに比べて高速で発振波長のスイッチングが可
能となる。
【0043】また、発振波長のスイッチングは、第1の
回折格子のブラック波長λ1 と第2の回折格子のブラッ
ク波長λ2 との間で起こる。この場合、活性層で発光す
る光の波長域で第1の回折格子のブラック波長λ1 およ
び第2の回折格子のブラック波長λ2 を設定すればよ
い。通常、活性層で発光する光には100nm程度の幅
があるため、最大100nm程度の波長間での発振波長
のスイッチングが可能になる。
【0044】また、波長スイッチング領域の活性層の部
分に電流を注入していくと、しきい値利得の最も小さい
光の波長が長波長側にシフトするため、第2の回折格子
のブラック波長λ2 は、第1の回折格子のブラック波長
λ1 より大きい方が効率よくレーザ発振を行うことが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の半導体レーザ素子の断面図であ
る。
【図2】(A)〜(C)は実施の形態の半導体レーザ素
子の製造工程図である。
【図3】(A)〜(C)は図2につづく実施の形態の半
導体レーザ素子の製造工程図である。
【図4】波長スイッチング領域への活性層の部分への電
流注入前の第1の回折格子の反射特性図である。
【図5】波長スイッチング領域への活性層の部分への電
流注入後の第1および第2の回折格子の反射特性図であ
る。
【符号の説明】
10:半導体レーザ素子 12:第1クラッド層 14:活性層 16:受動導波路層 18:第2クラッド層 20:下側電極 22:上側電極 24:第1の回折格子 26:第2の回折格子 100:活性領域 100a:波長スイッチング領域 200:受動領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1クラッド層と、該第1クラッド層上
    にそれぞれ設けられ光が導波する方向に互いに隣接した
    活性層および受動導波路層と、これら活性層および受動
    導波路層上に設けられた第2クラッド層と、前記第1ク
    ラッド層の下側に設けられた下側電極と、前記第2クラ
    ッド層の上側に設けられた上側電極とを具えた半導体レ
    ーザ素子において、 当該半導体レーザ素子の領域であって前記活性層を含む
    側の領域を活性領域とし、および前記受動導波路層を含
    む側の領域を受動領域としたとき、前記活性領域の、前
    記受動領域と接する側の領域に発振波長を切り換える波
    長スイッチング領域を具えることを特徴とする半導体レ
    ーザ素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体レーザ素子にお
    いて、 前記波長スイッチング領域には光が導波する方向に、ブ
    ラック波長がλ1 である第1の回折格子が設けられ、前
    記受動領域には光が導波する方向に、ブラック波長がλ
    1 と異なるλ2 である第2の回折格子が設けられている
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体レーザ素子にお
    いて、 前記活性層のバンドギャップ波長は、前記受動導波路層
    のバンドギャップ波長より大きく、 前記第1の回折格子の光が導波する方向における長さを
    1 とし、前記第2の回折格子の光が導波する方向にお
    ける長さをL2 とし、前記第1の回折格子の結合定数を
    1 とし、前記第2の回折格子の結合定数をK2 とした
    とき、 K11 <K22 であることを特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の半導体レーザ素子にお
    いて、前記λ1 が前記λ2 より大きいことを特徴とする
    半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記活性領域であって前記波長スイッチ
    ング領域以外の領域の前記活性層の部分に電流を注入す
    ることによりレーザ発振している請求項1に記載の半導
    体レーザ素子に対して、前記波長スイッチング領域の前
    記活性層の部分への電流注入量を制御することにより発
    振波長を選択することを特徴とする半導体レーザ素子の
    発振波長のスイッチング方法。
JP22508495A 1995-09-01 1995-09-01 半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法 Withdrawn JPH0969669A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22508495A JPH0969669A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22508495A JPH0969669A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0969669A true JPH0969669A (ja) 1997-03-11

Family

ID=16823766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22508495A Withdrawn JPH0969669A (ja) 1995-09-01 1995-09-01 半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0969669A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006245473A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Ricoh Co Ltd 垂直共振器型面発光半導体レーザ装置および光スイッチング方法および光送信モジュールおよび光伝送装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006245473A (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Ricoh Co Ltd 垂直共振器型面発光半導体レーザ装置および光スイッチング方法および光送信モジュールおよび光伝送装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0543369B1 (en) Modulator or switch with vertically-coupled anti-resonant reflecting optical waveguides ("arrow") on silicon
US7376167B2 (en) Tunable ring laser with external grating operation in a single mode
JPS60145685A (ja) 分布帰還型半導体レ−ザ
US4796274A (en) Semiconductor device with distributed bragg reflector
US6327413B1 (en) Optoelectronic device and laser diode
JP2982422B2 (ja) 半導体レーザおよびその製造方法
US4589117A (en) Butt-jointed built-in semiconductor laser
KR100594108B1 (ko) 단일 모드 분포 귀환 레이저
JP3264369B2 (ja) 光変調器集積半導体レーザ及びその製造方法
JP2001284712A (ja) 分布帰還リッジ型半導体レーザ
EP0772268B1 (en) Laser diode having narrowed radiation angle characteristic
JPS61255085A (ja) 半導体レ−ザ装置
US5381023A (en) Semiconductor device for control of a signal light
JPS6328520B2 (ja)
JPH0969669A (ja) 半導体レーザ素子およびその発振波長のスイッチング方法
JP2804502B2 (ja) 半導体レーザ素子及びその製造方法
JPS63213383A (ja) 半導体レ−ザ
US5784398A (en) Optoelectronic component having codirectional mode coupling
JPH1168221A (ja) 半導体レーザ
JPS6134988A (ja) 半導体レ−ザ
JP2938185B2 (ja) 半導体発光装置
JP4453937B2 (ja) 光集積素子及びその製造方法
JPH08274412A (ja) 偏波変調半導体レーザとその駆動方法
JPS63246884A (ja) 単一波長半導体レ−ザ
JP2669045B2 (ja) 分布帰還型半導体レーザの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021105