JPH04367292A - モード同期レーザおよびモード同期光パルス列発生方法 - Google Patents

モード同期レーザおよびモード同期光パルス列発生方法

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JPH04367292A
JPH04367292A JP3142182A JP14218291A JPH04367292A JP H04367292 A JPH04367292 A JP H04367292A JP 3142182 A JP3142182 A JP 3142182A JP 14218291 A JP14218291 A JP 14218291A JP H04367292 A JPH04367292 A JP H04367292A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モード同期光パルス列
の発生方法およびモード同期光パルス列を発生するモー
ド同期レーザ装置に関するものである。特に光通信にお
けるマスターオシレータや分光実験用光源として有用な
ピコ秒モード同期レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】モード同期光パルス列発生法ならびにモ
ード同期レーザは、ピコ秒〜フェムト秒の時間幅をもつ
超短パルス光や高繰り返しの光パルス列を必要とする科
学実験や物性評価に極めてよく用いられており、現状で
は最も安定かつ低コストな方法であると思われる。この
モード同期法には、広く分類すると強制モード同期法と
受動モード同期法があり、それぞれの方法の具体例なら
びに特徴は、「超高速光技術」(矢島達夫編、丸善刊)
17〜197ページに詳しい記述がある。どちらの方法
においても、基本的には光強度あるいは位相を変調する
変調器あるいは非線形媒質を光増幅媒質が含まれる光共
振器中におくことを特徴としている。ところが最近、光
増幅媒質を含む光共振器外部にこの共振器と共振器長の
ほぼ等しい共振器を結合し、この内部に非線形媒質をお
く新しい方式のモード同期法が考案され、研究が盛んに
行われている。代表的な例として、ハウス(H.A.H
aus)、イッペン(E.P.Ippen)らにより「
オプティック・レター誌」(Optics  Lett
ers)の1989年第14巻48〜50ページに報告
されたものをあげることが出来る。彼らはカラーセンタ
ーレーザの共振器外にレーザ共振器の出力ミラーを介し
てレーザ共振器とほぼ等しい共振器長を持ったファブリ
・ペロー干渉計を構成し、この干渉計中に光ファイバー
を挿入することにより、非線計ファブリ・ペロー干渉計
と結合した複合共振器レーザを構成している。外部共振
器中には、レーザ共振器中の光パルスの周回に同期して
光パルスが注入されるが、この光パルスは外部共振器中
に挿入した非線形物質により光強度に依存した位相変化
(自己位相変調)を受ける。この位相変化は、パルスの
ピーク付近で最も大きくパルスの裾では小さい。外部共
振器とレーザ共振器の共振器長を等しくしてやると、レ
ーザ共振器中を周回するパルスと外部共振器中を周回す
るパルスが中央の両共振器が共有するミラー上で重なり
合い干渉する。このとき光ファイバの長さをうまく選ん
でやると光パルスの裾付近では光波が逆相で干渉して打
ち消し合い、ピーク付近では同相で干渉して強め合うよ
うにする事ができる。これによってパルスの先鋭化が行
われると説明されている。実際に彼らは、この方法によ
り通常のモード同期では23ピコ秒であった光パルス幅
が127フェムト秒になったことを確認している。
【0003】また、外部共振器中に上述のような光強度
に応じて透過光の位相を変化させる非線形物質をおいた
ときのみならず、可飽和吸収体のような光強度に応じて
透過光の強度を変化させる非線形物質をおいたときにも
モード同期が起こることが報告されている。「オプティ
ック・レター誌」(Optics  Letters)
の1990年第15巻1377〜1379ページにケラ
ー(U.  Keller)らにより、外部共振器を構
成するミラーとして光強度によって反射率が変化する量
子井戸非線形ミラーを用いることによって、チタニウム
/サファイアレーザに受動モード同期が生じることが、
また「オプティック・レター誌」(Optics  L
etters)の1991年第16巻384〜386ペ
ージにグラント(R.S.Grant)らにより、外部
共振器中に電流注入した半導体レーザアンプをおくこと
によって、KClカラーセンターレーザに受動モード同
期が生じることが報告されている。
【0004】以上のような新しいモード同期法はAPM
(Additive  PulseMode−lock
ing)あるいはCCM(Coupled  Cavi
tyMode−locking)等と呼ばれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなモード同
期法は確立されており、広く利用されている。しかしな
がら、これらのモード同期法にはかなり取扱いのむずか
しい素子や高価な素子が用いられており手軽とはいいが
たく、コストパフォーマンスも悪い。
【0006】さらに近年では、これらのモード同期レー
ザを光通信のマスターオシレータとして用いたいという
希望もあるが、一般的にこれらのモード同期レーザは大
型で装置のコンパクト化に難があり、また繰り返し周波
数が100MHz程度と低速である。
【0007】本発明の目的は、上述のような従来のモー
ド同期法の欠点をなくし、コストパフォーマンスに優れ
、取扱いの容易なモード同期レーザおよびモード同期光
パルス列発生方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は6つあり、第1
の発明は、活性相の層方向に共振器が形成され、この方
向に光を取り出す端面出射型半導体レーザにおいて、3
つの分布ブラック反射領域により等価共振器長の等しい
2つの結合した光共振器構造を持ち、この二つの光共振
器中にそれぞれ光増幅媒体と可飽和吸収媒体を含むこと
を特徴とするモード同期半導体レーザある。
【0009】第2の発明は、基板と垂直な方向に共振器
が形成され、この方向に光を取り出す面発光型半導体レ
ーザにおいて、3つの分布ブラッグ反射領域により等価
共振器長の等しい2つの結合した光共振器構造を持ち、
この二つの光共振器中にそれぞれ光増幅媒体と可飽和吸
収媒体を含むことを特徴とするモード同期半導体レーザ
である。
【0010】第3の発明は上記のモード同期レーザの光
増幅媒体あるいは可飽和吸収媒体の少なくとも一方への
注入電流を該モード同期レーザの光共振器内部の光の周
回時間に同期して変調することを特徴とするモード同期
光パルス列発生方法である。
【0011】第4の発明は、レーザ装置の光共振器を構
成する2対の反射鏡のうちの一方の反射鏡が、内部に可
飽和吸収体を含み、かつ内部の光周回時間が所望の光パ
ルス時間幅よりも十分に短くなる間隙を有する平行平面
鏡からなるエタロンであることを特徴とするモード同期
レーザである。
【0012】
【作用】APMあるいはCCMの動作原理について、図
4を用いて更に詳しく説明する。APMレーザの構成を
モデル化すると図4のようになる。レーザ共振器44は
ミラー41およびミラー42から構成され、外部共振器
45はミラー42およびミラー43から構成される。4
6は光増幅媒質、47は非線形媒質である。ミラー41
、ミラー42、ミラー43の振幅反射率、振幅透過率を
それぞれr1 、r2 、r3 、t1 、t2 、t
3 とする。非線形媒体47はミラー43に十分近接し
ているものとし、非線形媒質47を光パルスが往復する
際に生じる光パルスの振幅あるいは位相変調をm(t)
とする。
【0013】今、ミラー42上で生じる出来事に着目す
る。図4に示したようにミラー42を透過、反射する光
の振幅をa1 、a2 、b1 、 b2 、とすると
、これらを結ぶ関係式は、式(1)、(2)と書くこと
ができる。 b1 (t)=r2 a1 (t)+it2 a2 (
t)                  式(1)b
2 (t)=it2 a1 (t)+r2 a2 (t
)                  式(2)但し
、ミラー42は損失がないものとし、r2 2 +t2
2 =1であるとする。
【0014】ある時刻tにおける幅振a2 (t)は、
tよりも1周回前の振幅b2 (t−2l/c)および
tよりもl/cだけ以前に非線形媒質を光パルスが伝搬
することによって光パルスが受ける変調m’ (t−l
/c)によって決まると考えられ、式(3)と書ける。 a2 (t)=r3 b2 (t−2l/c)m’ (
t−l/c)exp(−iφ)           
                         
                         
 式(3)ただしlは共振器光学長、cは光の速度であ
る。exp(−iφ)はレーザ共振器と外部共振器の共
振器長差によって生じる位相差を考慮した成分であり、
両共振器長差が正確に等しいとき、φ=0となる。以降
、表記を簡単にするため、m(t)=m’(t−l/c
)と表す。 すなわち、m(t)はm’(t)の時間軸をl/cずら
したものである。
【0015】定常状態では次式が成り立つ。 a2 (t−2l/c)=a2 (t)       
                       式(
4)b2 (t−2l/c)=b2 (t)     
                         
式(5)このとき、式(3)は、次のように書ける。 a2 (t)=r3 b2 (t)m(t)exp(−
iφ)            式(6)レーザ共振器
からみたとき、外部共振器全体を一種のミラーと見ると
、その振幅反射率は式(1)(2)、(6)より、式(
7)のように書ける。
【0016】
【数1】
【0017】式(7)は内部に非線形物質を含む非線形
エタロンの反射率の式と同一の形をしている。いま、特
に非線形物質が可飽和吸収体の場合を考え、m(t)は
振幅の変調を表すものと考えればm(t)は0≦m(t
)≦1を満たす実数である。レーザ共振器と外部共振器
の長さが等しい場合(φ=0)、r2<r3 として振
幅反射率r(t)をm(t)の関数として描くと図5の
ようになる。この図から、もしm(t)がr2 /r3
 から1まで変化するならば、r(t)は0から(r2
 −r3 )/(1−r2 r3 )まで変化すること
が分かる。 この特性をうまく利用してやれば、r2 、r3 をう
まく選んでやることによってm(t)の変化を増幅して
反射率r(t)に反映させることが可能になる。以上の
説明により、APMにおいて外部共振器は内部に含まれ
る非線形物質の光応答(光非線形性)を増幅する働きを
することが分かる。
【0018】図6(B)に、図6(A)で示されるよう
な光パワー透過特性|m|2 を持った可飽和吸収体を
r2 =√0.5、r3=√0.99の外部共振器中に
おいたときの連続光に対するパワー反射率|r|2 の
計算例を示す。Ii n は入射光パワー、Is は飽
和光強度である。外部共振器が、非線形物質の非線形応
答性を増幅することは図から明らかである。この可飽和
吸収体は非飽和時の光透過率〜0.7、飽和時の光透過
率〜1であり、この場合r2 、r3 を上述のように
選べば、外部共振器の反射率は0%から約94%まで変
化しうる。
【0019】通常の受動モード同期においては、レーザ
共振器に可飽和吸収体を挿入し、この光に対する非線形
応答を利用してモード同期動作を行う。一般にこの非線
形応答を得るためには大きな光強度が必要であり、モー
ド同期動作は高出力レーザでしか得られていない。しか
しながら、このAPMを用いれば非線形物質の光非線形
応答が強調されるため、低出力レーザにおいてもモード
同期が可能である。モード同期動作にとって、非線形媒
質の時間応答特性は重要であるが、一般にモード同期に
よって非線形媒質の応答時間よりも十分短い時間幅をも
つ光パルスは得られている。
【0020】先にも述べたように、式(6)は内部に光
に対する変調成分がm(t)で表されるような非線形媒
質がある場合の非線形エタロンの振幅反射率を表す式と
同一の形をしている。但し、非線形エタロンの場合には
、exp(−iφ)のファクターはレーザ共振器と外部
共振器の共振器長差によって生じる位相差ではなく、エ
タロン中を光が一往復する際に生じる位相差であり、エ
タロンのミラー間隔を1とすればexp(−2il/c
)で表される。このような非線形エタロンをレーザ共振
器を構成する一方のミラーとして用いた場合、エタロン
中の光の周回時間が所望の光パルス時間幅よりも十分に
小さいような場合には、非線形外部共振器を結合した場
合と同様の効果が得られる。なぜならば、この場合非線
形エタロンにおいても式(1)〜(6)はAPMの場合
と同様に成立し、従って式(7)が成り立つと考えられ
るからである。
【0021】このことは、次の二つことを意味する。す
なわち、第一にこの非線形外部共振器において、非線形
媒質の応答を増幅するメカニズムは通常のファブリ・ペ
ロー・エタロンと同様の光の多重反射、干渉の効果にあ
るということである。
【0022】第二に、内部に非線形媒質を含んだファブ
リ・ペロー・エタロンをレーザ共振器の一方のミラーに
用いることは、エタロン内部の光の周回時間が所望の光
パルス時間幅よりも十分に短ければ、レーザ共振器に非
線形外部共振器を結合することと等価であると言うこと
である。
【0023】APMにおいて非線形外部共振器が、内部
を周回する光がパルス的であるにもかかわらず、通常の
ファブリ・ペロー・エタロンと同様の多重反射、干渉効
果を持つかを説明すると、以下のようになる。レーザ共
振器と非線形外部共振器の共振器長がほぼ等しいため、
両共振器の光の周回時間は等しい。このため定常状態で
は外部共振器中には光パルスが常に一つだけ周回し、光
パルスが共通のミラーに到着するとき必ずレーザ共振器
中を周回する光パルスと衝突し、エネルギーを授受する
。従って、外部共振器中を周回する光パルスは常にレー
ザ共振器を周回する光パルスにより同期してエネルギー
をもらい、定常状態にあることになる。このとき、外部
共振器中を周回する光パルスは過去に共振器中を1周回
、2周回、3周回・・した光パルスの重ね合わせになっ
ていると考えられる。すなわち、干渉は過去に共振器中
を1周回、2周回、3周回・・した光パルス間で生じる
【0024】一方、これに対して周回時間2l/cが光
パルス幅よりも十分小さいファブリ・ペロー・エタロン
では、光の多重反射、干渉効果はファブリ・ペロー・エ
タロンに入射している一つの光パルス中で起こっている
と考えられる。
【0025】以上の説明により、APMの非線形外部共
振器結合は非線形媒質の非線形光応答を強調し低出力レ
ーザのモード同期動作が可能となること、および光パル
ス幅がラウンド・トリップ・タイム2l/cよりも十分
大きいとき、内部に非線形媒質を含んだファブリ・ペロ
ー・エタロンは非線形外部共振器の結合と全く同じよう
に非線形媒質の光応答(光非線形性)を強調し、モード
同期動作に極めて好ましい動作をすることが明らかにな
った。
【0026】本発明の第1および第2の発明は、これら
のAPMの原理を半導体レーザに適用し、受動モード同
期動作をさせるもの、第3の発明はこれに加えて光増幅
媒質あるいは可飽和吸収媒質あるいはその両者に注入す
る電流量を変調することにより強制モード同期をさせる
もの、第4の発明は内部に非線形媒質を含み、かつ光周
回時間が所望の光パルス幅よりも十分に小さいファブリ
・ペロー・エタロンをレーザ共振器のミラーとして用い
ることにより、簡単かつ低コストな構造でモード同期動
作を得るレーザ装置である。
【0027】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0028】図1は、請求項1の発明の端面発光型の半
導体レーザの実施例を示した構造断面図である。n型I
nP基板11の分布ブラッグ反射領域18a、18bお
よび18cに周期2380A(オングストローム)の回
析格子を形成し、その上に光ガイド層14としてノンド
ープInGaAs(エネルギー・ギャップに対応する波
長λg =1.3μm、厚さ0.3μm)、バッファ層
15としてn型InP(厚さ0.1μm)、活性層12
および吸収層13としてノンドープInGaAs(λg
 =1.53μm、厚さ0.1μm)、クラッド層16
としてp型InP(厚さ0.2μm)をLPE成長する
。次に分布ブラッグ反射領域18上のInPクラッド層
とInGaAs活性層を選択的にエッチングにより除去
する。次に全体にp型InPクラッド層16を再成長す
る。この後、活性層12上、吸収層13上および基板側
に電極17を形成する。こうして図1の素子が完成する
。この構造に加えて、ここには示してないが電流狭搾構
造を形成することも通常の半導体レーザと同様に可能で
ある。
【0029】三カ所の分布ブラッグ反射領域18の長さ
はそれぞれ150μm、活性領域19、吸収領域20の
長さはそれぞれ500μmであり、素子の全長は145
0μmである。分布ブラッグ反射器の等価反射率は、回
析格子の刻み深さによって調節することができ、この実
施例の場合、予想される領域18aの反射率は80%、
領域18bの反射率は60%、領域18cの反射率は9
0%である。光出力は領域18aの部分から取り出す。
【0030】活性層12および吸収層13への注入電流
を調節することにより、モード同期光パルス列が得られ
る。活性層12への注入電流をしきい電流値の3倍に、
吸収層13への注入電流をしきい値の0.8倍程度に調
節したとき、最も安定な光パルス列が得られ、パルス幅
は約5ps、繰り返し約66GHzの連続モード同期光
パルス列が得られた。このとき、平均光パワーは約50
mWであった。
【0031】この半導体レーザを用いて請求項2の光パ
ルス発生方法について説明する。レーザの吸収層への注
入電流を変調度20%、繰り返し66GHzで変調した
ところ、パルス幅は3psまで狭くなった。一方活性層
への注入電流を変調度20%、繰り返し66GHzで変
調するとパルス幅は2psになった。両方への変調を併
用するとパルス幅は1ps以下であった。いずれの場合
にも注入電流の変調度を高くしていくと光パルスのパル
ス幅は狭くなっていくのが観察されたが変調度を20%
以上にしてもそれ以上のパルス幅の狭搾は見られなかっ
た。
【0032】APMレーザ構造を面発光型の半導体レー
ザで実現することも可能である。図2はこの一実施例の
面発光型のモード同期半導体レーザの構造断面図である
。n型GaAs基板21上に高抵抗層26および光学長
が発光波長λ〜880nmの1/4となるように厚さを
選んだ10対のAlAs/GaAlAs層からなる半導
体多層膜反射鏡24cを形成する。期待される反射率は
96%である。高抵抗層としてはFeドープInPなど
がよく知られているが、イオン注入したGaAs層等が
使える。
【0033】この半導体多層膜鏡24cの上に厚さ10
0μmのn型GaAlAsクラッド層25、300μm
のノンドープGaAs吸収層、厚さ100μmのp型G
aAlAsクラッド層25a、高抵抗層26を形成する
。さらにこの上に5対のAlAs/GaAlAs半導体
多層膜反射鏡24b(反射率70%)を形成し、再び厚
さ100μmのn型GaAlAsクラッド層25b、3
00μmのノンドープGaAs活性層22、厚さ100
μmのp型GaAlAsクラッド層25bを形成する。 最後に7対のAlAs/GaAlAs半導体多層膜反射
鏡24a(反射率90%)を形成する。素子は選択エッ
チングによって図のようにメサ形状に加工されており、
電極27a〜dが設けられている。こうして図2の素子
が完成する。電極27a、27bを用いて多層膜反射鏡
24を通じて活性層22に電流注入され、また電極27
c、27dを用いて多層膜反射鏡24を通じて吸収層2
3に電流注入される。高抵抗層26によって活性層22
と吸収層23は電気的に絶縁され、両者への電流注入は
独立に制御できる。
【0034】活性層22および吸収層23への注入電流
を調節することにより、モード同期光パルス列が得られ
る。活性層22への注入電流をしきい電流値の3倍に、
吸収層23への注入電流をしきい値の0.8倍程度に調
節したとき、最も安定な光パルス列が得られ、パルス幅
は約5ps、繰り返し約80GHzの連続モード同期光
パルス列が得られた。このとき、平均光パワーは約30
mWであった。
【0035】さらに吸収層への注入電流を変調度20%
、繰り返し80GHzで変調したところ、パルス幅は1
ps以下であった。
【0036】次に図3により、請求項4の発明の一実施
例について説明する。図3はモード同期レーザの構成を
示す概略図であり、31は出力ミラー、33は光増幅媒
質。32は非線形エタロンでありその構造が円内に拡大
して示されている。レーザ共振器は出力ミラー31と非
線形エタロン32からなる。非線形エタロン32は基板
36の上に構成した二対の多層膜反射鏡35a、35b
によって挟まれた可飽和吸収体34からなっている。
【0037】この例では使用するレーザとしてはチタニ
ウム/サファイアレーザを用いた例について述べる。チ
タニウム/サファイアレーザの発振波長は700〜90
0nmであり、この波長域における可飽和吸収体として
GaAsを用いることができる。実際の非線形エタロン
は、GaAs基板36の上に光学長がレーザ発振波長λ
〜880nmの1/4となるように厚さを選んだ10対
のAlAs/GaAlAs層からなる半導体多層膜反射
鏡35a(反射率〜95%)、厚さ100μmのGaA
s層および4対のAlAs/GaAlAs半導体多層膜
反射鏡35b(反射率〜50%)をMBE成長して作っ
た。予想される、エタロンの周回時間は2ps程度であ
る。
【0038】実験によると、この簡単な構成によりチタ
ニウム/サファイアレーザに受動モード同期が生じるこ
とが確認された。得られた光パルス幅は最低で10ps
であり、繰り返し周波数はレーザ共振器長によって決ま
りこの場合120MHz程度であった。安定なモード同
期は830〜850nmの波長領域において得られ、エ
タロンの共振ピークに対応して0.6nmおきに周期的
な波長において得られることが分かった。
【0039】以上に示した実施例では、端面発光型モー
ド同期半導体レーザの一例としてInGaAsを用いた
半導体レーザの例を、面発光型モード同期半導体レーザ
の例としてGaAs用いた半導体レーザの例を、また非
線形エタロンを用いたモード同期レーザの例としてチタ
ニウム/サファイアレーザに可飽和吸収体としてGaA
s半導体を用いた例について述べたが、素子の材料およ
び組成は上述の実施例に限定する必要はなく、他の半導
体材料や誘電体材料などであってもよい。また、可飽和
吸収体は使用するレーザに対して適当なものであれば何
でもよい。
【0040】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
コストパフォーマンスに優れ、取扱いの容易なモード同
期レーザを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するためのモード同期
の端面発光型半導体レーザの構造断面図である。
【図2】本発明の一実施例を説明するためのモード同期
の面発光型半導体レーザの構造断面図である。
【図3】本発明の一実施例を説明するためのモード同期
レーザの構成を示す図である。
【図4】APMまたはCCMレーザの原理を説明するた
めのレーザのモデル図である。
【図5】振幅反射率rと振幅変調率mの関係を示す図で
ある。
【図6】入射光パワー(Ii n /Is )と光パワ
ー透過特性|m|2 、及びパワー反射率|r|2 の
関係を示す図である。
【符号の説明】
11  基板 12  活性層 13  吸収層 14  ガイド層 15  バッファ層 16  クラッド層 17  電極 18a  分布ブラッグ反射領域 18b  分布ブラッグ反射領域 18c  分布ブラッグ反射領域 19  活性領域 20  吸収領域 21  基板 22  活性層 23  吸収層 24a  多層膜反射鏡 24b  多層膜反射鏡 24c  多層膜反射鏡 25a  クラッド層 25b  クラッド層 26  高抵抗層 27a  電極 27b  電極 27c  電極 27d  電極 31  出力ミラー 32  非線形エタロン 33  光増幅媒質 34  可飽和吸収体 35a  多層膜反射鏡 35b  多層膜反射鏡 36  基板 41  ミラー(M1) 42  ミラー(M2) 43  ミラー(M3) 44  レーザ共振器 45  外部共振器 46  光増幅媒質 47  非線形媒質

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  活性層の層方向に共振器が形成され、
    この方向に光を取り出す端面出射型半導体レーザにおい
    て、3つの分布ブラッグ反射領域により等価共振器長の
    等しい2つの結合した光共振器構造を持ち、この二つの
    光共振器中にそれぞれ光増幅媒体と可飽和吸収媒体を含
    むことを特徴とするモード同期レーザ。
  2. 【請求項2】  基板と垂直な方向に共振器が形成され
    、この方向に光を取り出す面発光型半導体レーザにおい
    て、3つの分布ブラッグ反射領域により等価共振器長の
    等しい2つの結合した光共振器構造を持ち、この二つの
    光共振器中にそれぞれ光増幅媒体と可飽和吸収媒体を含
    むことを特徴とするモード同期レーザ。
  3. 【請求項3】  請求項1または請求項2記載のモード
    同期レーザの光増幅媒体あるいは可飽和吸収媒体の少な
    くとも一方への注入電流を該モード同期レーザの光共振
    器内部の光の周回時間に同期して変調することを特徴と
    するモード同期光パルス列発生方法。
  4. 【請求項4】  レーザ装置の光共振器を構成する2対
    の反射鏡のうちの一方の反射鏡が、内部に可飽和吸収体
    を含み、かつ内部の光周回時間が所望の光パルス時間幅
    よりも十分に短くなる間隙を有する平行平面鏡からなる
    エタロンであることを特徴とするモード同期レーザ。
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