JPH0595152A - 半導体短光パルス発生装置および短光パルスの発生方法 - Google Patents

半導体短光パルス発生装置および短光パルスの発生方法

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JPH0595152A
JPH0595152A JP25395991A JP25395991A JPH0595152A JP H0595152 A JPH0595152 A JP H0595152A JP 25395991 A JP25395991 A JP 25395991A JP 25395991 A JP25395991 A JP 25395991A JP H0595152 A JPH0595152 A JP H0595152A
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optical
light
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quantum well
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JP25395991A
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English (en)
Inventor
Takeo Miyazawa
丈夫 宮澤
Hidetoshi Iwamura
英俊 岩村
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は、超高速光通信に必要な短光パルス
をモードロック法によって発生させることを目的とす
る。 【構成】 半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増幅領
域22と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収
端36を有し量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接
合によって構成される光変調領域24と、該光変調領域
の吸収端より短波長に光吸収端をもつ半導体層ないしは
量子井戸層をコア層とする光導波路領域23の3つの領
域を、同一平面内で直列に接続し、該3つの領域が直列
配置された構造の両端部に光の反射面を形成したもので
ある。 【効果】 光増幅領域で光を発生させ、光変調領域への
印可電圧を変調し、光変調領域の損失を変調することに
よって全体での利得を変調してモードロックを起こし、
短光パルスを発生させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高速光通信に必要な
短光パルスをモードロック法によって発生させるための
短光パルス発生装置および前記短光パルス発生装置を用
いて行なう短光パルスの発生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】モードロック法により短光パルスを発生
させるための素子として、従来、図7に示すように光増
幅領域1と光導波路2が集積された素子が知られてい
る。なお、この図7に示す素子が、この種の短光パルス
発生素子の構成として最も基本的な構成であり、最初に
実現された短光パルス発生素子である。
【0003】図7に示す構造の素子において、光増幅領
域1および光導波路2は、結晶端面3によってはさまれ
て構成されるファブリペロー共振器内に直列に配置され
ている。図7に示す光素子において、光増幅領域1は、
電極層5とキャップ層6とクラッド層7と埋め込み層8
と活性層9と基板10と電極層11などを主体として構
成される半導体ダブルヘテロ構造部を備え、光導波路2
は、基板10上においてクラッド層12、12でコア層
13をはさんだ構造となっている。また、前記構造の短
光パルス発生素子において、活性層9は、波長1.5μ
mのInGaAsPからなり、コア層13は波長1.3
μmのInGaAsPからなる。
【0004】図7に示す発生素子で短光パルスを発生さ
せるには、光増幅領域1で発生させたレーザ光がファブ
リペロー共振器内で往復する時間に等しい周期の高周波
電流を光増幅領域1に印可し、光増幅領域1の利得を変
調する。これによってレーザ光の各縦モードが結合し、
位相が揃うこと(モードロック)によって、短光パルス
が発生される。このようなモードロック法を利用したレ
ーザ素子で幅4psの短パルス光が得られたことを S.T
ucker が Electronics Letters V.25 p.621 に発表して
いる。
【0005】図8は、最近発表されたモードロック法を
利用したレーザ装置の断面構造を示すものである。図8
に示すレーザ装置は、基板15上に光増幅領域16と光
導波路17と可飽和吸収領域18を直列に配列して設け
た構造である。ここで可飽和吸収領域18とは、電流注
入を行なわない半導体レーザ構造であり、光導波路17
は閾値以上の直流電流を印可した活性導波路である。
【0006】このレーザ装置では、図7を基に先に説明
した光増幅領域1と同じ機能を有する光増幅領域16の
パルス形成機構に加え、可飽和吸収領域18がパルスを
急峻化する作用を有している。この急峻化作用は、可飽
和吸収帯域18にパルスが入射された時、パルスの前半
部が可飽和領域18の吸収によって削り取られるのに対
して、パルスのピーク近傍およびパルスの後半部ではピ
ーク近傍の強い光によって吸収が飽和し、パルスはその
まま通過することによるものである。このような図8に
示されたレーザ装置の構造により、1.4psのパルス
幅の短光パルスが得られていることをP. A. Morton ら
が、Applied Physics LettersV.56 P.111 に発表してい
る。
【0007】前記モードロック法により短光パルスを発
生するためには、ファブリペロー共振器内に光増幅領域
1を設け、この光増幅領域1の利得を直接変調すること
が一般的であるが、ファブリペロー共振器内に更に光変
調器を入れ、これを変調することによっても短光パルス
を発生させることも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7と図8に示す従来
のモードロック法を利用した短光パルス発生素子にあっ
ては、注入電流を変調することによって光増幅領域1、
16の利得を直接変調する方法をとっている。ところが
これらの短光パルス発生素子は、モノシリック構造であ
るために、素子長が高々数mmと短く、変調周波数が1
0GHz以上になる。従ってこのような高周波領域で
は、利得の変調度は低周波数領域に比べて著しく低下す
る問題がある。また、光のパルス幅を狭くするために
は、変調周波数と変調度を上げることが必要であるが、
図7と図8に示す従来の短光パルス発生素子では、上述
のように変調度が低いという欠点があった。
【0009】以上説明したように従来から短光パルスを
発生させる装置の開発が種々進められているが、今回本
発明者らは前記従来構造とは別種の構造により短光パル
スの発生に成功したので本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、半導体ダブルヘテロ接合部を
備えた光増幅領域と、該光増幅領域の発光波長より短波
長に光吸収端を有し量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘ
テロ接合によって構成される光変調領域と、該光変調領
域の吸収端より短波長に光吸収端をもつ半導体層ないし
は量子井戸層をコア層とする光導波路領域の3つの領域
を、同一平面内で直列に接続し、該3つの領域が直列配
置された構造の両端部に光の反射面を形成してなるもの
である。
【0011】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増幅領域
と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収端をも
つ量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合部を備え
た量子井戸領域とを具備させて構成し、該光増幅領域と
該量子井戸領域とを同一平面内で直列に接続し、該2つ
の領域を直列配置された構造の両端部に光の反射面を形
成し、更に該量子井戸領域の一部に該量子井戸層に電界
を印可するための電極を設け、電極形成領域を光変調領
域に、非電極形成領域を光導波路領域にしてなるもので
ある。
【0012】請求項3記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項1または請求項2記載の短光パルス発生
装置において、直列接続された光増幅領域と光導波路領
域と光変調領域に対して可飽和吸収領域を直列接続して
なるものである。
【0013】請求項4記載の発明は前記課題を解決する
ために、半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増幅領域
と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収端を有
し量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合によって
構成される光変調領域と、該光変調領域の吸収端より短
波長に光吸収端をもつ半導体層ないしは量子井戸層をコ
ア層とする光導波路領域の3つの領域が、同一平面内で
直列に接続され、該3つの領域が直列配置された構造の
両端部に光の反射面が形成されてなる半導体短光パルス
発生装置を用い、光増幅領域に直流電流を印可し、更
に、光変調領域に逆バイアス電圧を重畳した高周波電圧
を印可し、該高周波電圧の周期を、光が該短光パルス光
源内を往復する時間またはその整数分の一に一致させて
短光パルスを発生させるものである。
【0014】請求項5記載の発明は前記課題を解決する
ために、半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増幅領域
と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収端をも
つ量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合部を備え
た量子井戸領域とを具備して構成され、該光増幅領域と
該量子井戸領域とが同一平面内で直列に接続され、該2
つの領域が直列配置された構造の両端部に光の反射面が
形成され、更に該量子井戸領域の一部に該量子井戸層に
電界を印可するための電極が設けられ、電極形成領域が
光変調領域にされ、非電極形成領域が光導波路領域にさ
れてなる半導体短光パルス発生装置を用い、光増幅領域
に直流電流を印可し、更に、光変調領域に逆バイアス電
圧を重畳した高周波電圧を印可し、該高周波電圧の周期
を、光が該短光パルス光源内を往復する時間またはその
整数分の一に一致させて短光パルスを発生させるもので
ある。
【0015】請求項6記載の発明は前記課題を解決する
ために、請求項3記載の半導体短光パルス発生装置を用
い、光増幅領域に直流電流を印可し、更に、光変調領域
に逆バイアス電圧を重畳した高周波電圧を印可し、可飽
和吸収領域に逆バイアス電圧を印可し、該高周波電圧の
周期を、光が該短光パルス光源内を往復する時間または
その整数分の一に一致させて短光パルスを発生させるも
のである。
【0016】
【作用】量子井戸に電界を印可すると、光の吸収端が長
波長側にシフトする現象が知られ、これを使用した光変
調器が知られ、この光変調器は40GHz以上の高周波
領域まで変調度を低下させることなく光を変調できる。
そこで、ファブリペロー共振器内に光増幅領域と光導波
路領域と光変調領域とを設け、光増幅領域に電流を印可
して光を発生させ、光変調領域への印可電圧を変調する
ことでモードロックが実現し、短光パルスが発生する。
【0017】また、光導波路領域を設けることで、素子
長を長くする。この長い素子長構造を採用することによ
り、素子長により決まる変調周波数を高くすることが可
能になり、変調度も高くなり、それらが電気的に発生可
能なものとなる。光増幅領域自体は、屈折率分散が大き
いために、この領域を長くすることは好ましくない。本
発明の如く光導波路領域を用いると屈折率分散は小さ
く、パルス幅の広がりの小さい短光パルスが得られる。
【0018】
【実施例】(実施例1)以下、図面を参照して本発明の
実施例について説明する。図1は本発明の第1実施例の
短光パルス光源の概略構成を示すものであり、この実施
例の短光パルス光源20は、基板21上に、図の左側か
ら順に光増幅領域22と光導波路領域23と光変調領域
24が直列接続されて構成されている。
【0019】光増幅領域22は、図1の基板21の左側
上部に、電極層25とキャップ層26とクラッド層27
と薄膜積層型の活性層28とクラッド層29とが積層さ
れた量子井戸レーザ構造にされている。光導波路領域2
3は、基板21の中央側上部に、クラッド層30とコア
層31とクラッド層32とが積層された構造にされてい
る。光変調領域24は、基板21の右側上部に、電極層
33とキャップ層34とクラッド層35と薄膜積層型の
光吸収層36とクラッド層37とが積層された量子井戸
構造となっている。また、図1の基板21の底面側には
電極層38が形成されている。
【0020】前記構造において、光増幅領域22の活性
層28の発光波長と、光変調領域24の光吸収層36の
吸収端と、光導波路領域23のコア層31の吸収端は、
この順番で長波長になるように設定されている。この構
造においては、活性層28と光吸収層36とコア層31
がそれぞれ異なった材料または異った組成の化合物半導
体層とされ、それらのバンドギャップがそれぞれ変えら
れている。
【0021】ここで一般に、量子井戸に電圧を印可する
と、光の吸収端が長波長側にシフトする現象が知られ、
この現象を利用して光変調器が一般に製作されている。
この光変調器は、40GHz以上の高周波領域まで変調
度が低下することなく光を変調できることが知られてい
る。そこで前記構造の短光パルス光源20は、前記現象
を利用し、光変調領域22と光増幅領域23と光導波路
領域24をファブリペロー共振器内に設けた構造を採用
し、光変調領域24による損失の変調を通して素子全体
の利得を変調し、モードロックを実現することができ、
これにより短光パルスを発生させることができる構造を
採用した。光導波路領域23を設けたのは、光源20の
素子全体の長さを長くし、素子長によって決まる変調周
波数を向上させ、それを電気的に発生可能なものとする
ためである。
【0022】光導波路領域23を用いずに、長い光増幅
領域22と光変調領域24からのみからなる構成を採用
しても素子長を長くすることは可能である。しかし、光
増幅領域22は屈折率分散が大きいために、光のパルス
幅が広がるという問題点があるのでこの領域を長くする
ことは好ましくない。これに対して前記構造の短光パル
ス光源20では、受動型の光導波路領域23を有するの
で、屈折率分散は小さく、よってパルスの幅の広がりを
小さくすることができる。
【0023】次に、図1に示す構造の製造例について、
その具体的構造と構成材料について、またその作用につ
いて一例を挙げて詳述する。図1に示す構造の素子を薄
膜形成法により作成した。短光パルス光源20の全体の
素子長を2.5mm、光増幅領域22をグレーテッドイ
ンデックスInGaAs/InGaAsPからなる量子
井戸レーザ構造とし、光増幅領域22の長さを0.5m
m、光導波路領域23の長さを1.9mm、光変調領域
24の長さを0.1mmとした。
【0024】光増幅領域22のキャップ層26をInG
aAsから形成し、クラッド層27、29をInPから
形成し、活性層28として、厚さ10nmのInGaA
s井戸層が6層と、厚さ4nmの吸収端波長1.2μm
のInGaAsP障壁層が5層積層された構成とした。
光導波路領域23のコア層31を、1.3μmに吸収端
をもつInGaAsPから構成し、クラッド層30、3
2をInPから形成した。前記コア層31の厚さは0.
1μmとした。光変調領域24のキャップ層34はIn
GaAsから形成し、クラッド層35、37はInAl
Asから形成し、光吸収層36は、厚さ7nmのInG
aAs量子井戸層が7層と、厚さ5nmのInAlAs
障壁層が6層積層された構成とした。
【0025】なお、この例の短光パルス光源の両端部に
は結晶の劈開面からなる反射面を形成し、ファブリペロ
ー発振器を構成している。なお、前記結晶の劈開面を利
用することなく、反射層を前記短光パルス光源の両端部
に特別に設ける構成とすることもできる。
【0026】図1に示すように構成され、前記の寸法の
短光パルス光源20では、光増幅領域22に直流電流を
印可し、光変調領域24に逆バイアスを重畳した16G
Hzの高周波電圧を印可することによって繰り返し周波
数16GHz、幅1Psの短光パルスを発生することが
できた。ここで、図1に示す短光パルス光源20と従来
素子との相違点は、従来素子が光増幅領域への注入電流
の変調によって直接利得を変調していたのに対し、前記
短光パルス光源20は、光変調領域24の損失を変調す
ることによって素子全体での利得を変調し、モードロッ
クを達成し、更に光導波路領域23を設けることによっ
て変調周波数の調整を行ない得る点である。
【0027】なお前記の構造において、吸収端が光増幅
領域22の発光波長より短波長である半導体層を吸収層
とする光変調領域で光増幅層22を置き換えても短光パ
ルス光源を構成することができる。
【0028】図1に示す構造の短光パルス光源20を製
造しようとする場合、光増幅領域22の活性層28と光
変調領域24の光吸収層36と光導波路領域23のコア
層31とをそれぞれ異なった材料、または、異なった組
成の化合物半導体層とし、各層のバンドギャップをそれ
ぞれ変えなければならない。しかし、このような構造を
実現するためには、成膜法により各層を製造する際の成
長層を1〜0.1μm程度の精度でエッチングした後、
各領域が精度良く接続するように成膜装置内で膜を再成
長させるという極めて困難な工程を2回以上繰り返し行
なわなくてはならない。しかし、現実の製造装置では、
この様な再成長を行なえるのは、成膜時に1回までが限
度であり、2回以上の再成長では大幅に歩留まりが低下
する問題がある。 そこでこのような製造上の問題を解
決した構造が以下に記載する実施例2の構造である。
【0029】(実施例2)図2は光導波路領域を有する
短光パルス光源の第2の例を示すものである。この例の
短光パルス光源40は、光増幅領域41と光導波路領域
42と光変調領域43をファブリペロー発振器内に直列
配置したものであり、各領域において実施例1と同等の
構成要素には同一符号を付してそれらの説明は省略す
る。この第2実施例において、先の第1実施例と異なる
ところは、光導波路領域42と光変調領域43を同一の
層構造にしている点である。即ち、図2の構造では、光
導波路領域42のクラッド層30’、32’とコア層3
1’を光変調領域43のクラッド層35、37と光吸収
層36’と同一構造としている。
【0030】図2に示す構成を採用することにより、成
膜時に1回の再成長で光増幅領域41と光導波路領域4
2とを接合し、素子構造を完成できるようになってい
る。この構造では、光変調領域43の方にだけ電極層3
3を設け、逆バイアスを印可し、量子井戸からなる吸収
端を長波長側にシフトさせ、光増幅領域41で発生する
光を吸収できるようにする。これに対して、電極を設け
ていない光導波路領域42は、量子井戸を有するもの
の、電界を印可しないために光増幅領域41の発光させ
た光に対して20〜30dB/cmと比較的低損失とな
る。よって短光パルスを発生させることができる。
【0031】(実施例3)図3は光導波路領域を有する
短光パルス光源の第3の例を示すものである。この例の
短光パルス光源50は、光導波路領域52と光増幅領域
51と光変調領域53をファブリペロー発振器内に順に
直列配置したものであり、各領域において実施例1と同
等の構成要素には同一符号を付してそれらの説明は省略
する。この第3実施例において、先の第1実施例と異な
るところは、光導波路領域52と光増幅領域51と光変
調領域53とを順次配列している点と、光導波路領域5
2と光変調領域53とを同一の層構造にしている点であ
る。
【0032】図3に示す構成を採用することにより、前
記実施例2の構造と同等の効果を得ることができる。
【0033】(実施例4)図4は光導波路領域を有する
光パルス光源の第4の例を示すものである。この例の短
光パルス光源60は、光増幅領域61と光変調領域63
と光導波路領域62をファブリペロー発振器内に順に直
列配置したものであり、各領域において実施例1と同等
の構成要素には同一符号を付してそれらの説明は省略す
る。この第4実施例において、先の第1実施例と異なる
ところは、光増幅領域61と光変調領域63と光導波路
領域62とを順次配列している点と、光導波路領域62
と光変調領域53とを同一の層構造にしている点であ
る。
【0034】図4に示す構成を採用することにより、前
記実施例2の構造と同等の効果を得ることができる。
【0035】(実施例5)図5は可飽和吸収領域を設け
た短光パルス光源の一例を示すものである。この例の短
光パルス光源70は、可飽和吸収領域74と量子井戸の
光導波路領域72と光増幅領域71と量子井戸の光変調
領域73を接続した構造である。可飽和吸収領域74
は、この例では光増幅領域と同一の層構造となってい
る。可飽和吸収領域74とは、電界印可時ないしは無電
界時ないしは光増幅作用を持たないような程度の電流を
印可した時に、光増幅領域71で発生させた光を吸収す
る性質を有する領域である。
【0036】また、ここで用いる可飽和吸収領域74と
しては種々の構成をとることができる。可飽和吸収領域
として、光増幅領域と同じ構造であり、電流注入をしな
い領域か、注入しても利得を持たないような低注入状態
にある領域を使用する。これにより、光増幅領域でも可
飽和吸収領域として作用させることができる。可飽和吸
収領域74にパルスが入射すると、パルスの前半部が可
飽和吸収領域74の吸収によって削り取られるのに対し
て、パルスのピーク近傍およびパルスの後半部ではパル
スのピーク近傍の強い光によって可飽和吸収領域74の
パルスの吸収能力が飽和し、パルスはそのまま通過する
ことになる。
【0037】この構造においてもモードロックにより短
光パルスを発生させることができる。しかも、可飽和吸
収領域74がパルスを急峻化するので、急峻化されたパ
ルスを発生させることができる。
【0038】また、電流注入を行なわない量子井戸ない
しは半導体層も可飽和吸収領域として作動させることが
できる。なお、可飽和吸収領域としては、量子井戸の方
が弱い光で飽和し、特性としては優れている。この構造
を具体化したものを実施例6で説明する。
【0039】(実施例6)図6は量子井戸の可飽和吸収
領域を設けた短光パルス光源の第2の例を示すものであ
る。この例の短光パルス光源80は、量子井戸の可飽和
吸収領域84と量子井戸の光導波路領域82と光導波路
領域81と量子井戸の光変調領域83を接続した構造で
ある。
【0040】この例の構造において、可飽和吸領域84
は、量子井戸であり、層構造としては、光変調領域83
と同一の層構造である。光変調領域83には逆バイアス
に加えて高周波電圧を印可し、可飽和領域84には逆バ
イアスのみを印可することで、光増幅領域81で発生さ
せた光を可飽和吸収領域84で吸収するようにしてい
る。
【0041】この構造においてもモードロックにより短
光パルスを発生させることができる。しかも、可飽和吸
収領域84がパルスを急峻化するので、急峻化されたパ
ルス光を発生させることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載した
発明によれば、ファブリペロー共振器内に光増幅領域と
光変調領域と光導波路領域を直列接続した構成となって
いるので、光増幅領域で光を発生させ、光変調領域への
印可電圧を変調し、光変調領域の損失を変調することに
よって全体での利得を変調してモードロックを起こし、
従来の短光パルス光源に比較してパルス幅の短い短光パ
ルスを発生させることができる。また、光導波路領域を
設けたことで、変調周波数の調節を行なうことができ
る。
【0043】更に、光導波路領域を設けているので、素
子長を長くすることにより変調周波数を高め、変調利得
を高くすることができる。また、光導波路領域を設ける
ことで、光増幅領域を長くしなくとも素子長を長くでき
るので、光のパルス幅を広げてしまう光増幅領域を長く
しなくとも素子長を長くすることができ、パルス幅の短
い短光を発生させることができる。
【0044】また、請求項2に記載した発明によれば、
光増幅領域と量子井戸領域とをファブリペロー発振器内
に設け、量子井戸領域の一部に電極を設けてこれを光変
調領域とし、電極を設けない領域を光導波路領域とする
ので、この構造によっても同様にモードロックを起こし
て短光パルスを発生させ、変調周波数の調節を実施でき
る。
【0045】更に、請求項3に記載した発明によれば、
請求項1または2記載の短光パルス光源において、前記
各領域に加えて半導体層ないしは量子井戸層を有する可
飽和吸収領域を設けたので、光変調領域に逆バイアスに
加えて高周波電圧を印可し、可飽和吸収領域に逆バイア
スのみを印可することで、モードロックを起こして短光
を発生させ、更に、光増幅領域で発生させた光を吸収し
てパルスの急峻化をなすことができ、従来の短光パルス
光源に比較してパルス幅の短い短光パルスを発生させる
ことができる。また、光導波路領域を有するので、光の
変調周波数を調節することもできる。
【0046】また、請求項1〜3に記載のいずれかの短
光パルス光源を用い、光増幅領域に直流電流を印可し、
更に、光変調領域に逆バイアス電圧を重畳した高周波電
圧を印可し、該高周波電圧の周期を、光が該短光パルス
光源内を往復する時間またはその整数分の一に一致させ
ることで従来の短光パルス光源に比較してパルス幅の短
い短光パルスを発生させることができる効果がある。ま
た、光導波路領域を設けたものを使用するので、素子長
を長くすることにより変調周波数を高め、変調利得を高
くすることができる。また、光導波路領域を設けること
で、光増幅領域を長くしなくとも素子長を長くできるの
で、光のパルス幅を広げてしまう光増幅領域を長くしな
いので、パルス幅の短い短光を発生させることができ
る。更に、可飽和吸収領域を接続した構造の短光パルス
光源を用いる方法によれば、可飽和吸収領域でのパルス
の急峻化作用を利用することができ、より急峻化させた
短光パルスを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示す断面図であ
る。
【図2】図2は本発明の第2実施例を示す断面図であ
る。
【図3】図3は本発明の第3実施例を示す断面図であ
る。
【図4】図4は本発明の第4実施例を示す断面図であ
る。
【図5】図5は本発明の第5実施例を示す断面図であ
る。
【図6】図6は本発明の第6実施例を示す断面図であ
る。
【図7】図7は従来のモードロックレーザの第1の例を
示す断面図である。
【図8】図8は従来のモードロックレーザの第2の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
20 短光パルス領域、 21 基板、 22
光増幅領域、23 光導波路領域、 24 光変調領
域、25 電極層、 26 キャップ層、 27
クラッド層、28 活性層、 29 クラッ
ド層、 30 クラッド層、31 コア層、
32 クラッド層、 33 電極層、34 キャップ
層、 35 クラッド層、 36 光吸収層、37
クラッド層、 38 電極層、40、50、6
0、70、80短光パルス光源、41、51、61、7
1、81 光増幅領域、42、52、62、72、82
光導波路領域、43、53、63、73、83 光変
調領域、74、84 可飽和吸収領域、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増
    幅領域と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収
    端を有し量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合に
    よって構成される光変調領域と、該光変調領域の吸収端
    より短波長に光吸収端をもつ半導体層ないしは量子井戸
    層をコア層とする光導波路領域の3つの領域が、同一平
    面内で直列に接続され、該3つの領域が直列配置された
    構造の両端部に光の反射面が形成されてなることを特徴
    とする半導体短光パルス発生装置。
  2. 【請求項2】 半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増
    幅領域と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収
    端をもつ量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合部
    を備えた量子井戸領域とを具備して構成され、該光増幅
    領域と該量子井戸領域とが同一平面内で直列に接続さ
    れ、該2つの領域が直列配置された構造の両端部に光の
    反射面が形成され、更に該量子井戸領域の一部に該量子
    井戸層に電界を印可するための電極が設けられ、電極形
    成領域が光変調領域にされ、非電極形成領域が光導波路
    領域にされてなることを特徴とする半導体短光パルス発
    生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の短光パル
    ス発生装置において、直列接続された光増幅領域と光導
    波路領域と光変調領域に対して可飽和吸収領域が直列接
    続されてなることを特徴とする半導体短光パルス発生装
    置。
  4. 【請求項4】 半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増
    幅領域と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収
    端を有し量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合に
    よって構成される光変調領域と、該光変調領域の吸収端
    より短波長に光吸収端をもつ半導体層ないしは量子井戸
    層をコア層とする光導波路領域の3つの領域が、同一平
    面内で直列に接続され、該3つの領域が直列配置された
    構造の両端部に光の反射面が形成されてなる半導体短光
    パルス発生装置を用い、光増幅領域に直流電流を印可
    し、更に、光変調領域に逆バイアス電圧を重畳した高周
    波電圧を印可し、該高周波電圧の周期を、前記短光パル
    ス光源内を光が往復する時間またはその整数分の一に一
    致させて短光パルスを発生させることを特徴とする短光
    パルスの発生方法。
  5. 【請求項5】 半導体ダブルヘテロ接合部を備えた光増
    幅領域と、該光増幅領域の発光波長より短波長に光吸収
    端をもつ量子井戸層をはさむ半導体ダブルヘテロ接合部
    を備えた量子井戸領域とを具備して構成され、該光増幅
    領域と該量子井戸領域とが同一平面内で直列に接続さ
    れ、該2つの領域が直列配置された構造の両端部に光の
    反射面が形成され、更に該量子井戸領域の一部に該量子
    井戸層に電界を印可するための電極が設けられ、電極形
    成領域が光変調領域にされ、非電極形成領域が光導波路
    領域にされてなる半導体短光パルス発生装置を用い、光
    増幅領域に直流電流を印可し、更に、光変調領域に逆バ
    イアス電圧を重畳した高周波電圧を印可し、該高周波電
    圧の周期を、前記短光パルス光源内を光が往復する時間
    またはその整数分の一に一致させて短光パルスを発生さ
    せることを特徴とする短光パルスの発生方法。
  6. 【請求項6】請求項3記載の半導体短光パルス発生装置
    を用い、光増幅領域に直流電流を印可し、更に、光変調
    領域に逆バイアス電圧を重畳した高周波電圧を印可し、
    可飽和吸収領域に逆バイアス電圧を印可し、該高周波電
    圧の周期を、前記短光パルス光源内を光が往復する時間
    またはその整数分の一に一致させて短光パルスを発生さ
    せることを特徴とする短光パルスの発生方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11251686A (ja) * 1998-03-05 1999-09-17 Mitsubishi Electric Corp 変調器付半導体レーザ及びその製造方法
US6031851A (en) * 1996-10-11 2000-02-29 Nec Corporation Mode-locked semiconductor laser and method of driving the same
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JP2012195545A (ja) * 2011-03-18 2012-10-11 Seiko Epson Corp テラヘルツ波発生装置、カメラ、イメージング装置および計測装置

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