JPH11145554A - 半導体パルスレーザ装置 - Google Patents

半導体パルスレーザ装置

Info

Publication number
JPH11145554A
JPH11145554A JP30840597A JP30840597A JPH11145554A JP H11145554 A JPH11145554 A JP H11145554A JP 30840597 A JP30840597 A JP 30840597A JP 30840597 A JP30840597 A JP 30840597A JP H11145554 A JPH11145554 A JP H11145554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
passive
laser
passive waveguide
gain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP30840597A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Kunimatsu
大介 国松
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Shin Arataira
慎 荒平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP30840597A priority Critical patent/JPH11145554A/ja
Publication of JPH11145554A publication Critical patent/JPH11145554A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝搬損失のない優れた光出力パルスが得られ
かつ小型化する。 【解決手段】 第1利得領域(II)と、第1利得領域の
一端に設けられた第1受動導波路領域(I)と、第1利
得領域の他端に設けられた可飽和吸収領域(III)と、可
飽和吸収領域に連接して設けられた第2受動導波路領域
(IV)とからなる被制御受動モード同期部100と、被
制御受動モード同期部の第2受動導波路領域側に一体化
形成された制御発振部200とをそれぞれ共通の基板1
0上に具えて単一の光素子として形成されていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体パルスレ
ーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザを用いた光パルス発
生装置としては、利得領域と可飽和吸収領域とからなる
受動モード同期レーザがある。しかしながら、受動モー
ド同期レーザの出力パルスは、時間ジッタが大きいとい
う問題がある。この問題を克服する方法の一つに、光シ
ンクロナス受動モード同期法がある。この方法は、外部
から制御光パルス信号を受動モード同期レーザに注入し
て出力光パルスを出力させるものである。このような光
シンクロナス受動モード同期法の一例として、文献I
(文献I:IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS. VO
L.8.NO. 5.MAY 1996、pp.617〜619)に開示さ
れた方法がある。この方法において、受動モード同期レ
ーザは、外部から光ファイバを介して所定の時間的に安
定な制御光パルスが入射される。入射された制御光パル
ス信号は、受動モード同期レーザの利得領域で発振した
発振光と可飽和吸収領域で同期が取られる。そして、受
動モード同期レーザの出射端面から時間的に安定な出力
光パルス(短パルス列)を出力する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光シンクロナス受動モード同期法は、外部から制御光パ
ルス信号を光ファイバを介して受動モード同期レーザに
注入するため、以下に述べるような問題がある。
【0004】制御光パルス信号を受動モード同期レー
ザに注入する過程において、光強度の損失がある。
【0005】光ファイバと受動モード同期レーザとの
結合段階で、高精度な光学的結合を行う必要があり、光
学調整が非常に煩雑である。
【0006】光ファイバから制御光パルスを受動モー
ド同期レーザに入射した際の偏波面(電界の振動面)の
変動によって動作が不安定になる。
【0007】さらに、従来の受動モード同期レーザ
は、光ファイバとか制御光パルス発生装置とかを必要と
するため、装置が大型化する。
【0008】そこで、伝搬損失が少なく、光学結合調整
が簡単で、動作安定性も良く、かつ小型化できる半導体
パルスレーザ装置の出現が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、この発明の半
導体パルスレーザ装置によれば、第1利得領域と、この
第1利得領域の一端に設けられた第1受動導波路領域
と、第1利得領域の他端に設けられた可飽和吸収領域
と、この可飽和吸収領域に連接して設けられた第2受動
導波路領域とからなる被制御受動モード同期部と、被制
御受動モード同期部の第2受動導波路領域側に一体化形
成された制御発振部とをそれぞれ共通の基板上に具えて
単一の光素子として形成されていることを特徴とする。
【0010】このように、この発明では、被制御受動モ
ード同期部に制御発振部を一体化形成して構成されてい
るので、装置自体をコンパクト(小型化)にすることが
できる。
【0011】また、制御発振部を能動モード同期構造と
し、かつ被制御受動モード同期部に一体化形成してある
ので、光ファイバとの結合による光強度損失がなくな
る。また、従来行われていたような光特性毎に光学的結
合の調整を取り直す必要がなくなる。また、被制御受動
モード同期部と制御発振部とが直接結合されているの
で、光パルスの偏波面の変動が低減され、動作が安定す
る。
【0012】また、制御発振部と被制御受動モード同期
部とは、直接結合されているため、被制御受動モード同
期部へ注入される制御光パルスの偏波面での変動がなく
なり、動作が安定する。
【0013】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、制御発振部は、第2利得領域と、この第2利得領域
の一端に設けられた第3受動導波路領域と、第2利得領
域の他端に設けられた第4受動導波路領域とを以て構成
してあるのが良い。
【0014】このような構成にすることにより、第2利
得領域に変調電圧を印加して制御光パルスを発振させか
つ第3および第4受動導波路領域を伝播させることがで
きる。
【0015】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、第1および第2受動導波路領域の実効屈折率と第3
および第4受動導波路領域の実効屈折率とを変えて、す
なわち異なる値として構成してあるのが良い。
【0016】このような構成にすることにより、制御発
振部で発振した制御光パルスと被制御受動モード同期部
の第1利得領域で発振した発振光の周波数(ブラッグ波
長)を変えることができるので、それぞれの周回周波数
の波長選択を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態の半導体パルスレーザ装置につき説明す
る。なお、図1および図2の各構成成分の大きさ、形状
および配置関係は、この発明が理解できる程度に概略的
に示してあるにすぎず、従って、この発明は、何ら図示
例に限定されるものではない。
【0018】[半導体パルスレーザ装置の構造]図1を
参照して、この発明の半導体パルスレーザ装置の実施の
形態につき説明する。尚、図1は、この発明の半導体パ
ルスレーザ装置の主要構造を説明するために供する断面
図である。ここでは、図を明確化するため、図中断面を
表す斜線の一部を省略して示す。
【0019】この被制御受動モード同期部100は、第
1利得領域(II)と、第1利得領域(II)の一端に設け
られた第1受動導波路領域(I)と、第1利得領域(I
I)の他端に設けられた可飽和吸収領域(III)と、この
可飽和吸収領域(III)に連接して設けられた第2受動導
波路領域(IV)とを具えている。この発明の半導体パル
スレーザ装置は、被制御受動モード同期部100の第2
受動導波路領域(IV)側に一体化形成された制御発振部
200とをそれぞれ共通の基板10上に具えて単一の光
素子として形成されている。尚、ここでは、被制御受動
モード同期部100をスレーブレーザと称し、制御発振
部200をマスターレーザと称する。また、第1および
第2受動導波路領域(IおよびIV)を、ここでは第1分
布帰還領域(DBR領域)および第2分布帰還領域(D
BR領域)とも称する。
【0020】また、マスターレーザ200は、第2利得
領域(VI)と、当該第2利得領域(VI)の一端に設けら
れた第3受動導波路領域(V)と、第2利得領域(VI)
の他端に設けられた第4受動導波路領域(VII)とを以て
構成してある。尚、ここでは、第3および第4受動導波
路領域(VおよびVII)を第3DBR領域および第4DB
R領域とも称する。
【0021】この実施の形態では、上述した各領域I〜
VII は、順次につながって設けられている。そして、ス
レーブレーザ100の第1DBR領域(I)は、基板
(n−InP基板)10を含むn−InPクラッド層1
1、InGaAsPガイド層12、InGaAsP受動
導波路層14、InGaAsPガイド層18、p−In
Pクラッド層20および第1p側オーミック電極22に
より構成されている。また、InGaAsPガイド層1
8には、グレーティング(回折格子)19が形成されて
いる。
【0022】また、スレーブレーザ100の第1利得領
域(II)は、基板(n−InP基板)10を含むn−I
nPクラッド層11、InGaAsPガイド層12、I
nGaAsP活性層16、InGaAsPガイド層1
8、p−InPクラッド層20および第2p側オーミッ
ク電極24により構成されている。
【0023】また、スレーブレーザ100の可飽和吸収
領域(III)は、基板(n−InP基板)10を含むn−
InPクラッド層11、InGaAsPガイド層12、
InGaAsP活性層16、InGaAsPガイド層1
8、p−InPクラッド層20および第3p側オーミッ
ク電極26により構成されている。すなわち、この実施
の形態では、第1利得領域(II)と可飽和吸収領域(II
I)とは同一構成としてある。また、可飽和吸収領域(II
I)は、マスターレーザ200からの光パルスによる変調
をより有効的に受光できるように、できるだけマスター
レーザ200に近接した領域に設けてある。従って、こ
の実施の形態では、可飽和吸収領域(III)を第1利得領
域(II)と第2DBR領域(IV)との間に設けてある。
【0024】また、スレーブレーザ100の第2DBR
領域(IV)は、基板(n−InP基板)10を含むn−
InPクラッド層11、InGaAsPガイド層12、
InGaAsP受動導波路層14、InGaAsPガイ
ド層18、p−InPクラッド層20および第4p側オ
ーミック電極28により構成されている。また、InG
aAsPガイド層18には、グレーティング19が形成
されている。尚、この実施の形態では、上述した第1D
BR領域(I)と第2DBR領域(IV)とは同一構成と
してある。
【0025】一方、マスターレーザ200の第3DBR
領域(V)は、基板(n−InP基板)10を含むn−
InPクラッド層11、InGaAsPガイド層12、
InGaAsP受動導波路層14、InGaAsPガイ
ド層18、p−InPクラッド層20および第5p側オ
ーミック電極30により構成されている。また、InG
aAsPガイド層18には、グレーティング19が形成
されている。
【0026】また、マスターレーザ200の第2利得領
域(VI)は、基板(n−InP基板)10を含むn−I
nPクラッド層11、InGaAsPガイド層12、I
nGaAsP活性層16、InGaAsPガイド層1
8、p−InPクラッド層20および第6p側オーミッ
ク電極32により構成されている。尚、この実施の形態
では、第2利得領域(VI)と第1利得領域(II)とは、
同一構成としてある。
【0027】また、マスターレーザ200の第4DBR
領域(VII)は、基板(n−InP基板)10を含むn−
InPクラッド層11、InGaAsPガイド層12、
InGaAsP受動導波路層14、InGaAsPガイ
ド層18、p−InPクラッド層20および第7p側オ
ーミック電極34により構成されている。また、InG
aAsPガイド層18には、グレーティング19が形成
されている。尚、この実施の形態では、第4DBR領域
(VII)と第3DBR領域(V)とは同一構成としてあ
る。
【0028】また、基板10の裏面には、n側オーミッ
ク電極36が設けられている。さらに、スレーブレーザ
100の出射端面37には、反射防止膜38が設けられ
ており、マスターレーザ200の端面39には反射防止
膜40が設けられている。
【0029】このように、反射防止膜38および40を
設けることにより、マスターレーザ200の制御光パル
スがスレーブレーザ100の出射端面37で戻り光とな
るのを防止し、かつマスターレーザ200の一方からの
戻り光を防止することができる。
【0030】この実施の形態では、第1および第2DB
R領域(IおよびIV)のグレーティング(回折格子)1
9のピッチを同一ピッチとし、第3および第4DBR領
域(VおよびVII)の回折格子19のピッチを同一ピッチ
としてあり、かつ、第1および第2DBR領域(Iおよ
びIV)の回折格子のピッチと第3および第4DBR領域
(VおよびVII)の回折格子のピッチとを変えてある。こ
のような回折格子19を形成することにより、部分的に
反射された光の波長の位相を全て揃えることができる。
従って、それぞれの第1、第2、第3および第4DBR
領域(I、IV、VおよびVII)では、電流注入を行った場
合、周波数は、周期構造のピッチにより等価的に変えら
れて、選択波長が可能となる。
【0031】また、ここでは、第1、第2、第3および
第4DBR領域の受動導波路層14のバンド・ギャップ
波長を、第1および第2利得領域の活性層16のバンド
・ギャップ波長よりも短くしてある。このため、第1お
よび第2利得領域(IIおよびVI)で発振した光を、第
1、第2、第3および第4DBR領域(I、IV、Vおよ
びVII)で光を吸収させずに、伝播させることができる。
従って、第1、第2、第3および第4DBR領域での伝
搬損失を小さくすることができる。また、各領域間は、
電気的に十分なアイソレーションを持たせてあり、それ
ぞれの領域間で光の干渉効果が生じないように構成され
ている。
【0032】また、第1、第2、第3および第4DBR
領域(I、IV、VおよびVII)と第1および第2利得領域
(IIおよびVI)には、電流注入するための第1、第2、
第4、第5、第6および第7p側オーミック電極(2
2、24、28、30、32および34)を設けてあ
る。また、可飽和吸収領域(III)には逆バイアス電圧を
印加するための第3p側オーミック電極26を設けてい
る。
【0033】上述したように、この実施の形態では、ス
レーブレーザ100とマスターレーザ200とを共通の
基板10上に集積化して形成してあるので、従来に比
べ、装置自体をコンパクトにすることができる。また、
両者を一体化形成してあるので、従来のように、光特性
毎に光学結合を調整する必要がなくなり、作業効率が著
しく向上する。
【0034】また、両者を直接結合してあるので、マス
ターレーザ200で発振する制御光パルス信号をスレー
ブレーザ100に注入する際に、光強度損失や偏波面の
変動がなくなるため、効率良くスレーブレーザの出射端
面から出力光パルスを出力させることができ、かつ動作
も安定する。
【0035】[半導体パルスレーザ装置の製造方法]次
に、図1を参照して、この発明の半導体パルスレーザ装
置の製造方法につき簡単に説明する。
【0036】この実施の形態では、共通の基板10とし
て、例えばn−InP基板を用いる。この基板10上
に、有機気相成長(MOVCD)法を用いてn−InP
クラッド層11を形成する。次に、MOVCD法を用い
て、InGaAsPガイド層12を形成し、選択成長法
を用いて、ガイド層12上にInGaAsP活性層16
とInGaAsP受動導波路層14とを成長させる。続
いて、活性層16および受動導波路層14上に、MOC
VD法を用いてInGaAsPガイド層18を形成す
る。その後、このガイド層18の上面にグレーティング
19を形成する。
【0037】次に、グレーティング19を含むガイド層
18上に、MOCVD法を用いてp−InPクラッド層
20を形成する。
【0038】次に、例えばCVD法を用いてp−InP
クラッド層20上に、p側オーミック電極予備膜(図示
せず)を形成する。その後、ホトリソグラフィ技術を用
いてp側オーミック電極予備膜をエッチングして、第
1、第2、第3、第4、第5、第6および第7p側オー
ミック電極22、24、26、28、30、32および
34を形成する。
【0039】次に、例えばCVD法を用いて、基板10
の裏面にn側オーミック電極36を形成する。
【0040】さらに、スレーブレーザ100の出射端面
37側に、例えばCVD法を用いて、反射防止膜38を
形成し、一方、マスターレーザ200の端面39側にも
反射防止膜40を形成する。ここでは、反射防止膜38
および40を例えばSiO2ガラスとする。
【0041】[半導体パルスレーザ装置の動作説明]次
に、図2を参照して、この発明の半導体パルスレーザ装
置の動作につき説明する。
【0042】スレーブレーザ100の第3p側オーミッ
ク電極26には、直流電圧源50が接続されている。ま
た、第1、第2および第4p側オーミック電極22、2
4、および28には、直流電流源52、54および56
が接続されている。
【0043】一方、マスターレーザ200の第5、第6
および第7p側オーミック電極30、32および34
は、直流電流源58、60および62が接続されてい
る。また、第6p側オーミック電極32に接続された直
流電流源60には、当該直流電流源60と直列に変調電
圧源64が接続されている。そして、それぞれの電圧源
50および電流源(52、54、56、58、60およ
び62)は、共通線66に接続され、また、この共通線
66は、アース68に接続されている。
【0044】この半導体パルスレーザ装置を動作させる
場合は、まず、マスターレーザ200の第2利得領域
(VI)に直流電流源および変調電圧源60および64か
ら電気的変調を加えて能動モード同期を起こさせる。す
なわち、第2利得領域(VI)に変調電圧を注入すると、
活性層16で発振してレーザ光を生じる。このレーザ光
が第3および第4DBR領域(VおよびVII)の受動導波
路層14に入射され、所定の周回周波数の周期を持った
制御光パルスが生成される。尚、ここで、周回周波数
(または繰り返し周波数)は、第2利得領域(VI)の長
さと、第3および第4DBR領域(VおよびVII)の実効
進入長の長さとの和(M)で決まる。
【0045】このとき、周回周波数の繰り返し周期T2
を、出力光パルスの周回周波数の繰り返し周期T1 の整
数倍にするのが良い。すなわち、ここでは、周回周波数
の繰り返し周期T2 をT2 =m×T1 とする。但し、m
は整数とする。続いて、制御光パルスをスレーブレーザ
100に注入する。
【0046】一方、第1利得領域(II)に直流電流源5
4から直流電流を注入する。また、可飽和吸収領域(II
I)に直流電圧源50から逆バイアス電圧を印加する。こ
のとき、第1利得領域(II)で発振した光は、第1DB
R領域(I)、可飽和吸収領域(III)および第2DBR
領域(IV)に伝搬される。このとき、マスターレーザ2
00の第2利得領域(VI)で発振した発振波長は、第1
および第2DBR領域の受動導波路層14を透過する。
マスターレーザ200で発振した制御光パルスがスレー
ブレーザ100に効率良く注入され、注入された制御光
パルスが可飽和吸収領域(III)に伝播される。この制御
光パルスは、スレーブレーザ100で受動同期モードさ
れてスレーブレーザ100の出射端面37から出力光パ
ルス(OP)を出力する。
【0047】このときの出力光パルスの周回周波数の繰
り返し周期T1 は、第1利得領域(II)の活性層16の
長さ、第1および第2DBR領域(IおよびIV)の受動
導波路層14の実効進入長との和(L)で決まる。すな
わち、この例では、スレーブレーザの周回周波数の繰り
返し周期T1 は、(1)式で表される。
【0048】T1 =2ηg L/c・・・・・(1) 但し、ηg は、第1および第2DBR領域の実効屈折
率、Lは、共振器の長さ(スレーブレーザの導波路
長)、cは、光速(3.0×108 m/秒)とする。
【0049】次に、図3を参照して、半導体パルスレー
ザ装置の反射率特性につき説明する。尚、図3は、スレ
ーブレーザとマスターレーザの光電力の反射率特性を説
明するための図である。図中、横軸に波長(μm)を取
り、縦軸に光電力の反射率(R)を取って示す。
【0050】このような反射率特性から各領域の波長の
デチューニングを計算で算出することができる。そし
て、このデチューニングから時間ジッタの安定性を知る
ことができる。
【0051】まず、文献IIに開示された回折格子の反射
率の式を用いて、スレーブレーザ100とマスターレー
ザ200の反射率を計算する。このとき用いた計算式
は、(2)式とする(文献II:半導体レーザと光集積回
路、オーム社、昭和59年発行,p.327)。
【0052】
【数1】
【0053】ここでは、各パラメータを以下のように設
定した。すなわち、スレーブレーザ100の回折格子1
9に対しては、ブラッグ波長λBAをλBA=1.550μ
m、第1および第2DBR領域の長さLBAをLBA=20
0μm、結合係数κA をκA=30cm-1、損失係数α
A をαA =10cm-1とし、マスターレーザ200の回
折格子19に対しては、ブラッグ波長λBBをλBB=1.
547μm、第3および第4DBR領域の長さLBBをL
BB=300μm、結合係数κB をκB =20cm-1、損
失係数αB をαB =10cm-1とする。
【0054】図3の計算結果から理解できるように、ス
レーブレーザの反射率最大ピークR1の発振波長は、
1.550μmとなり、マスターレーザの反射率最大ピ
ークR2の発振波長は、1.546μmとなる。
【0055】従って、スレーブレーザの発振波長とマス
ターレーザの発振波長とをデチューニングさせて同期を
とると、 発振波長のデチューニング=1.546−1.55=−
0.004(μm) となる。
【0056】このように、発振波長が短波(マイナス)
側にデチューニングさせると、周知の通り(文献III :
IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS,VOL.8,No.2,FEB
1996,pp.191 〜193 )、比較的安定した時間ジッタを
示すので、スレーブレーザ100の出射端面37から時
間ジッタの小さい安定した出力光パルスを出力させるこ
とが可能となる。従って、時間ジッタに関してはこの発
明の半導体パルスレーザ装置を用いても実質的に従来と
同等な特性を得ることができる。
【0057】上述した実施の形態では、共通の基板の材
料として、InP系基板を用いて素子を構成したが、何
らこの材料に限定されるものではなく、例えばGaAs
系の基板を用いて素子を構成しても良い。
【0058】また、マスターレーザ200には、能動モ
ード同期による光パルス発生方法を採用したが、能動モ
ード同期の代わりに、Qスイッチとか可飽和吸収領域に
変調電圧を印加するハイブリッド受動モード同期によっ
て出力光パルスを生成しても良い。
【0059】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の半導体パルスレーザによれば、第1利得領域と、
第1利得領域の一端に設けられた第1受動導波路領域
と、第1利得領域の他端に設けられた可飽和吸収領域
と、可飽和吸収領域に連接して設けられた第2受動導波
路領域とからなる被制御受動モード同期部と、被制御受
動モード同期部の第2受動導波路領域側に一体化形成さ
れた制御発振部とをそれぞれ共通の基板上に具えて単一
の光素子として形成しているので、装置を従来に比べ、
コンパクトにできる。また、被制御受動モード同期部と
制御発振部とは一体化構造にして形成してあるので、光
学結合の調整が従来に比べ、容易となる。また、両者の
結合効率も向上する。また、制御発振部からの制御光パ
ルスを被制御受動モード後期部に注入する際に、両者が
直接結合されているので、光強度の損失や偏波面による
動作の変動も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体パルスレーザ装置の主要構造
を説明するために供する断面図である。
【図2】この発明の半導体パルスレーザ装置の動作を説
明するために供する構成図である。
【図3】制御発振領域および被制御受動モード同期領域
の波長に対する反射率特性を説明するために供する図で
ある。
【符号の説明】
10:n−InP基板 11:n−InPクラッド層 12、18:InGaAsPガイド層 14:InGaAsP受動導波路層 16:InGaAsP活性層 19:グレーティング 20:p−InPクラッド層 22:第1p側オーミック電極 24:第2p側オーミック電極 26:第3p側オーミック電極 28:第4p側オーミック電極 30:第5p側オーミック電極 32:第6p側オーミック電極 34:第7p側オーミック電極 36:n側オーミック電極 37:出射端面 38、40:反射防止膜 39:端面 50:直流電圧源 52、54、56、58、60、62:直流電流源 64:変調電圧源 66:共通線 68:アース 100:スレーブレーザ 200:マスターレーザ I:第1DBR領域 II:第1利得領域 III:可飽和吸収領域 IV:第2DBR領域 V:第3DBR領域 VI:第2利得領域 VII:第4DBR領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1利得領域と、該第1利得領域の一端
    に設けられた第1受動導波路領域と、前記第1利得領域
    の他端に設けられた可飽和吸収領域と、該可飽和吸収領
    域に連接して設けられた第2受動導波路領域とからなる
    被制御受動モード同期部と、 該被制御受動モード同期部の第2受動導波路領域側に一
    体化形成された制御発振部とをそれぞれ共通の基板上に
    具えて単一の光素子として形成されていることを特徴と
    する半導体パルスレーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体パルスレーザ装
    置において、前記制御発振部は、第2利得領域と、該第
    2利得領域の一端に設けられた第3受動導波路領域と、
    前記第2利得領域の他端に設けられた第4受動導波路領
    域とを以て構成してあることを特徴とする半導体パルス
    レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体パルス
    レーザ装置において、前記第1および第2受動導波路領
    域の実効屈折率と前記第3および第4受動導波路領域の
    実効屈折率とを変えて構成してあることを特徴とする半
    導体パルスレーザ装置。
JP30840597A 1997-11-11 1997-11-11 半導体パルスレーザ装置 Withdrawn JPH11145554A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30840597A JPH11145554A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 半導体パルスレーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30840597A JPH11145554A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 半導体パルスレーザ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11145554A true JPH11145554A (ja) 1999-05-28

Family

ID=17980674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30840597A Withdrawn JPH11145554A (ja) 1997-11-11 1997-11-11 半導体パルスレーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11145554A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6580734B1 (en) 1999-07-07 2003-06-17 Cyoptics Ltd. Laser wavelength stabilization
US6625192B2 (en) 2000-01-20 2003-09-23 Cyoptics (Israel) Ltd. High repetition rate optical pulse generator
US6862136B2 (en) 2002-01-31 2005-03-01 Cyoptics Ltd. Hybrid optical transmitter with electroabsorption modulator and semiconductor optical amplifier
WO2005076422A1 (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Nippon Telegraph And Telephone Corporation モード同期レーザ光源およびこれを用いたマルチキャリア光源
JP2007042737A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ
JP2007234868A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Oki Electric Ind Co Ltd モード同期半導体レーザ及びその製造方法
JP2007306483A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology クロック伝送装置
JP2020010345A (ja) * 2016-04-12 2020-01-16 ケーブル テレビジョン ラボラトリーズ,インク. ファイバ通信システム及び方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6580734B1 (en) 1999-07-07 2003-06-17 Cyoptics Ltd. Laser wavelength stabilization
US6625192B2 (en) 2000-01-20 2003-09-23 Cyoptics (Israel) Ltd. High repetition rate optical pulse generator
US6862136B2 (en) 2002-01-31 2005-03-01 Cyoptics Ltd. Hybrid optical transmitter with electroabsorption modulator and semiconductor optical amplifier
WO2005076422A1 (ja) * 2004-02-04 2005-08-18 Nippon Telegraph And Telephone Corporation モード同期レーザ光源およびこれを用いたマルチキャリア光源
US7386018B2 (en) 2004-02-04 2008-06-10 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Mode-locked laser and optical multi-carrier source using same
JP2007042737A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 Mitsubishi Electric Corp 半導体レーザ
JP4606271B2 (ja) * 2005-08-01 2011-01-05 三菱電機株式会社 半導体レーザ
JP2007234868A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Oki Electric Ind Co Ltd モード同期半導体レーザ及びその製造方法
JP2007306483A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology クロック伝送装置
US7508851B2 (en) 2006-05-15 2009-03-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Clock transfer device
JP2020010345A (ja) * 2016-04-12 2020-01-16 ケーブル テレビジョン ラボラトリーズ,インク. ファイバ通信システム及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104993375A (zh) 一种短腔长的分布反馈激光器
JP4288953B2 (ja) 波長可変半導体レーザ
JPH11145554A (ja) 半導体パルスレーザ装置
CN1128607A (zh) 光学转换器和包括该转换器的多路传输系统用的发送器及接收器
JP4301925B2 (ja) 半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子
JP3266497B2 (ja) レーザー装置
JP2976958B2 (ja) 光分散補償素子および該素子を用いた半導体レーザ装置ならびに光通信システム
CA1252188A (en) Single mode injection laser structure
KR100526999B1 (ko) 다영역 dfb 레이저 다이오드
JP4374862B2 (ja) 半導体レーザ、半導体レーザの駆動方法および波長変換素子
JP3227701B2 (ja) モード同期半導体レーザ
JPH0595152A (ja) 半導体短光パルス発生装置および短光パルスの発生方法
CN207082720U (zh) 一种低成本、高成品率的短腔分布反馈激光器
JP2005159118A (ja) ミリ波光源
JPH07193329A (ja) 半導体モードロックレーザ
JPS6362917B2 (ja)
GB2298958A (en) Optical integrated semiconductor laser and waveguide
WO2005060058A1 (ja) 半導体レーザーおよびその製造方法
JP3311238B2 (ja) 光半導体装置、及びその製造方法
JP4606271B2 (ja) 半導体レーザ
JP4606248B2 (ja) 半導体レーザ
JPH10223971A (ja) 半導体パルスレーザ装置およびその製造方法
Mahnkopf et al. Widely tunable complex-coupled distributed feedback laser with photonic crystal mirrors and integrated optical amplifier
JPS63122188A (ja) 光半導体装置
JP2004071875A (ja) 集積型半導体モード同期レーザ、タイミング抽出装置、及び、波長変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050201