JP2006241201A - スチレン系樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、優れた機械特性、流動性ならびに難燃性付与が容易であり、また一般的な成形材料として実用性の高いスチレン系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを含むスチレン系樹脂組成物であり、該スチレン系樹脂組成物が構造周期0.001〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造を有することを特徴とするスチレン系樹脂組成物であり、かつ前記(A)成分、(B)成分は下記式(1)および(2)を満足する温度T(℃)が存在する組み合わせであることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
a/b≧0.1 (1)
180≦T≦300 (2)
a:(A)成分の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
b:(B)成分の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
【選択図】 なし

Description

本発明は、優れた機械特性を活かして構造材料や、優れた規則性を活かして機能材料として有用に用いることができるスチレン系樹脂組成物に関する。また、ナノメーターオーダーからミクロンオーダーに構造制御可能なスチレン系樹脂組成物の製造方法に関する。
スチレン系樹脂は優れた機械的性質、成形加工性、外観によって電気・電子機器、自動車、機械部品、雑貨、その他各種用途など広範な分野で使用されている。しかしながら、スチレン系樹脂は耐衝撃性が低く、さらには耐熱性に劣ることが知られている。そのため耐衝撃性を改善するためゴム等の柔軟成分の添加や、耐熱性を改善するためガラス転移温度の高い樹脂や結晶性樹脂を添加するなど種々の技術が提案されてきた。
中でも、スチレン系樹脂の靭性、耐熱性を改良する方法として、他の熱可塑性樹脂を配合する方法が数多く試みられている。中でもスチレン系樹脂と配合する熱可塑性樹脂の代表的なものとしてポリカーボネート樹脂が多数報告されている。しかしスチレン系樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーブレンドは相溶性に劣るため、スチレン系樹脂の特長である機械的性質、成形加工性、外観を低下させる問題が生じていた。
そこでこれらの問題を解決する方法として、ポリカーボネート系樹脂とポリスチレン系樹脂に、さらにエポキシ変性/酸変性のジエン系ブロック共重合体を相溶化剤として添加する方法(特許文献1)など種々相溶化剤の検討がなされてきている。しかしながら、単純に相溶化剤を添加し溶融混練する方法ではスチレン系樹脂との相溶性改良は十分ではなく、その結果、靭性改良効果が十分ではなかった。
またポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂に、極限粘度が1.5dl/g以上、重量平均分子量/数平均分子量比が3.0を超える芳香族ビニル、シアン化ビニルよりなる共重合体を添加し溶融成形加工性を改良する方法(特許文献2)、ポリカーボネート樹脂と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーへ、ある特定範囲内のSP(溶解度パラメーター)値を有する相溶化剤を添加する方法(特許文献3)、さらにポリカーボネート樹脂にアクリロニトリル含量の少ないABS樹脂を添加し相溶性と滞留安定性を改良する方法(特許文献4)が開示されている。しかしながら該公報記載の発明により得られる樹脂組成物は、押出機などによる溶融混練や溶融ブレンドの後、射出成形、ブロー成形するなどの一般的な方法で製造されるため、規則的な周期構造を形成せず、靭性向上に十分な効果が得られていないのが現状である。
さらにマトリックスを構成するポリカーボネート系樹脂とドメインを構成するスチレン系樹脂、およびマトリックスとドメインの界面の少なくとも一部に衝撃改良剤が粒子状に連なって介在させる方法(特許文献5)が開示されている。しかしながら該公報記載の発明により得られる樹脂組成物は、海島構造からなる数μm程度のものであり、その構造の規則性も低いものであるため、靭性向上に十分な効果が得られていないのが現状である。
またスピノーダル分解によって相分離せしめた、2成分以上の樹脂からなるポリマーアロイであり、周期構造が0.01〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離が0.01〜1μmの分散構造とする方法(特許文献6)、および2成分以上の樹脂からなるポリマーアロイであり、周期構造が0.01〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離が0.01〜1μmの分散構造とする制振部材用樹脂組成物(特許文献7)が開示されている。しかしながら該公報記載のポリマーアロイは、溶融混練後、特殊なプレス成形によって該構造物を得たものであり、このものを単純に射出成形等の一般的な成形方法で成形すると、成形を経る間に構造周期が大きくなりすぎ優れた物性が得られず、また安定して上記相構造を得ることができなかった。
特開平11−080528号公報(第2頁) 特開平11−080470号公報(第2頁、第4頁) 特開2000−234051号公報(第2頁、第4−5頁) 特開2000−026713号公報(第2頁、第6頁) 特開平11−349758号公報(第2頁、4−5頁) 特開2003−286414号公報(第2頁、第15−17頁) 特開2003−286410号公報(第2頁頁)
本発明は、上記課題を解決し、優れた機械特性、流動性を有し、かつ難燃性付与が容易であり、また上記優れた性能を有する成形品が安定して得られる、一般的な成形材料として実用性の高いスチレン系樹脂組成物を提供することをその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、(A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを含み、構造周期0.001〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造に構造制御されたスチレン系樹脂組成物を得るに際し、、その溶融粘度が特定の関係にある(A)成分および(B)成分を用いることにより、上記課題を解決することを見出し本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(1)(A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを含み、構造周期0.001〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造を有するスチレン系樹脂組成物であり、かつ前記(A)成分、(B)成分は下記式(1)および(2)を満足する温度T(℃)が存在する組み合わせであることを特徴とするスチレン系樹脂組成物、
a/b≧0.1 (1)
180≦T≦300 (2)
a:(A)スチレン系樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
b:(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
(2)前記(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載のスチレン系樹脂組成物、
(3)前記スチレン系樹脂組成物が、溶融混練を経て製造されたものであることを特徴とする前記(1)および(2)に記載のスチレン系樹脂組成物、
(4)前記スチレン系樹脂組成物に配合する(A)成分と(B)成分が、溶融混練時の剪断下では相溶し、吐出後の非剪断下で相分離する組み合わせであることを特徴とする前記(3)に記載のスチレン系樹脂組成物であって、また
(5)(A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を溶融混錬によって得る製造方法であって、下記式(1)および(2)を満足する温度条件で溶融混練することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法、
a/b≧0.1 (1)
180≦T≦300 (2)
a:(A)スチレン系樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
b:(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
(6)前記溶融混練時の剪断下で(A)成分と(B)成分が相溶し、吐出後の非剪断下で相分離することを特徴とする前記(5)に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法であって、また
(7)前記(1)〜(6)に記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とする成形品である。
本発明により、優れた機械特性、流動性を有し、かつ難燃性付与が容易であり、また上記優れた性能を有する成形品が安定して得られる、一般的な成形材料として実用性の高いスチレン系樹脂組成物を得ることができるようになった。
以下に本発明の樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明で用いる(A)スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ゴム変性スチレン系樹脂、およびゴム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンオキシドとのポリマーブレンド体(変性ポリフェニレンオキシド樹脂)などが挙げられる。
またゴム変性スチレン系樹脂は、通常ゴム状重合体の存在下に、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン系単量体および必要に応じこれと共重合可能なビニル単量体を加えた単量体混合物を、例えば塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合、沈殿重合または乳化重合等の方法により重合または共重合(以下「(共)重合」と称する場合もある)することにより得られるものであり、スチレン系単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体にグラフトした構造をとったものと、スチレン系単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体に非グラフトした構造をとったものとを含むものである。
このようなゴム変性スチレン系樹脂の具体例としては、例えば、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム−スチレン共重合体)およびAES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)などが挙げられる。

具体的には、ゴム質重合体5〜80重量部に対し、スチレン系単量体を20重量%以上含有する単量体または単量体混合物95〜20重量部をグラフト重合して得られるグラフト(共)重合体10〜100重量%と、スチレン系単量体を20重量%以上含有する単量体または単量体混合物を重合して得られるスチレン系(共)重合体0〜90重量%とからなるものが好適である。
上記ゴム質重合体としては、ガラス転移温度が0℃以下のものが好適であり、具体的にはポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体などのジエン系ゴム、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系ゴム、ポリイソプレン、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−脂肪酸ビニル共重合体、およびエチレン−プロピレン−ジエン系三元共重合体などが挙げられる。なかでもポリブタジエンまたはブタジエン共重合体の使用が好ましい。
スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−エチルスチレンおよびp−t−ブチルスチレンなどが挙げられるが、特にスチレンの使用が好ましい。
スチレン系単量体以外の単量体としては、一層の耐衝撃性、耐薬品性向上を目的とする場合にはシアン化ビニル系単量体が、また靭性および色調の向上を目的とする場合には(メタ)アクリル酸エステル系単量体が、それぞれ好ましく用いられる。
シアン化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましく用いられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸およびメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル化物などが挙げられるが、特にメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。
また、必要に応じて他のビニル系単量体、例えばビニルトルエンなど、スチレン系単量体以外の芳香族ビニル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミド、およびN−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体などを使用することもできる。
上記のグラフト(共)重合体において用いる単量体または単量体混合物は、樹脂組成物の耐衝撃性の観点から、スチレン系単量体が20重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上である。シアン化ビニル系単量体を混合する場合には、樹脂組成物の成形加工性の観点から、60重量%以下であることが好ましく、特に50重量%以下が好ましく用いられる。また(メタ)アクリル酸エステル系単量体を混合する場合には、靱性および耐衝撃性の観点から、80重量%以下であることが好ましく、特に75重量%以下が好ましく用いられる。単量体また単量体混合物におけるスチレン系単量体、シアン化ビニル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体の配合量の総和は、95〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは90〜30重量%である。
グラフト(共)重合体を得る際のゴム質重合体と単量体混合物との配合割合は、樹脂組成物の耐衝撃性の観点から、全グラフト(共)重合体100重量部中に、ゴム質重合体が5重量部以上であることが好ましく、より好ましくは10重量部以上である。また、樹脂組成物の耐衝撃性および成形品の外観の観点からは、80重量部以下であることが好ましく、より好ましくは70重量部以下である。また、単量体または単量体混合物の配合割合は、は95重量部以下、好ましくは90重量部以下、あるいは20重量部以上、好ましくは30重量部以上である。
グラフト(共)重合体は、公知の重合法で得ることができる。例えば、ゴム質重合体ラテックスの存在下に単量体および連鎖移動剤の混合物と乳化剤に溶解したラジカル発生剤の溶液を連続的に重合容器に供給して乳化重合する方法などによって得ることができる。
グラフト(共)重合体は、ゴム質重合体に単量体または単量体混合物がグラフトした構造をとったグラフト(共)重合体の他に、グラフトしていない(共)重合体を含有したものである。グラフト(共)重合体のグラフト率は特に制限がないが、耐衝撃性および光沢が均衡してすぐれる樹脂組成物を得るためには、20〜80重量%、特に25〜50重量%の範囲であることが好ましい。ここで、グラフト率は次式により算出される値である。
グラフト率(%)=[<ゴム質重合体にグラフト重合したビニル系共重合体量>/<グラフト共重合体のゴム含有量>]×100
グラフトしていない(共)重合体の特性は特に制限されないが、メチルエチルケトン可溶分の極限粘度[η](30℃で測定)が、0.25〜1.00dl/g、特に0.25〜0.80dl/gの範囲であることが、すぐれた耐衝撃性の樹脂組成物を得るために好ましい条件である。
スチレン系(共)重合体はスチレン系単量体を必須とする共重合体である。スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレンおよびo−エチルスチレンなどが挙げられるが、特にスチレンが好ましく使用される。これらは1種または2種以上を用いることができる。
スチレン系単量体以外の単量体としては、一層の耐衝撃性、耐薬品性向上を目的とする場合にはシアン化ビニル系単量体が、また靭性および色調の向上を目的とする場合には(メタ)アクリル酸エステル系単量体が好ましく用いられる。
シアン化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびエタクリロニトリルなどが挙げられるが、特にアクリロニトリルが好ましく使用される。(メタ)アクリル酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸およびメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル化物などが挙げられるが、特にメタクリル酸メチルが好ましく使用される。
また、必要に応じて使用されるこれらと共重合可能な他のビニル系単量体としては、ビニルトルエンなど、スチレン系単量体以外の芳香族ビニル系単量体、マレイミド、N−メチルマレイミドおよびN−フェニルマレイミドなどのマレイミド系単量体が挙げられる。
本発明において、マレイミド系単量体を共重合したスチレン系共重合体、即ち、マレイミド基変性スチレン系共重合体は、ポリスチレン系樹脂中に含有させて使用することにより、樹脂組成物の耐熱性を向上でき、さらに難燃性も特異的に向上できるため、好ましく使用することができる。
スチレン系(共)重合体の構成成分であるスチレン系単量体の割合は、樹脂組成物の耐衝撃性の観点から、全単量体に対し20重量%以上が好ましく、より好ましくは50重量%以上の範囲である。シアン化ビニル系単量体を混合する場合には、耐衝撃性、流動性の観点から、60重量%以下が好ましく、さらに好ましくは50重量%以下の範囲である。また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を混合する場合には、靭性、耐衝撃性の観点から、80重量%以下が好ましく、さらに好ましくは75重量%以下の範囲である。更に、これらと共重合可能な他のビニル系単量体を混合する場合には、60重量%以下が好ましく、特に50重量%以下の範囲が好ましい。
スチレン系(共)重合体の特性には制限はないが、メチルエチルケトン溶媒を用いて、30℃で測定した極限粘度[η]が、0.25〜5.00dl/g、特に0.35〜3.00dl/gの範囲のものが、すぐれた耐衝撃性および成形加工性を有する樹脂組成物が得られることから好ましい。
スチレン系(共)重合体の製造法には特に制限がなく、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状−懸濁重合法および溶液−塊状重合法など通常の方法を用いることができる。
また、本発明においては、必要に応じてカルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基およびオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種の官能基を含有する変性スチレン系重合体(以下、変性スチレン系重合体と略称する。)を用いることもできる。
この変性スチレン系(共)重合体としては、スチレン系単量体を含む一種または二種以上のビニル系単量体を重合または共重合して得られる構造を有し、かつ分子中にカルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基およびオキサゾリン基から選ばれた少なくとも一種の官能基を含有する重合体である。これらの官能基を含有する化合物の含有量については制限されないが、特に変性ビニル系重合体100重量部当たり0.01〜20重量%の範囲であることが好ましい。
変性スチレン系重合体中にカルボキシル基を導入する方法には特に制限はないが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、無水マレイン酸、フタル酸およびイタコン酸などのカルボキシル基または無水カルボキシル基を有するビニル系単量体を所定のビニル系単量体と共重合する方法、γ,γ´−アゾビス(γ−シアノバレイン酸)、α,α´−アゾビス(α−シアノエチル)−p−安息香酸および過酸化サクシン酸などのカルボキシル基を有する重合開始剤および/またはチオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプト−イソ酪酸および2,3または4−メルカプト安息香酸などのカルボキシル基を有する重合度調節剤を用いて、所定のビニル系単量体を(共)重合する方法、およびメタクリル酸メチルやアクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系単量体と所定のビニル系単量体、必要に応じてシアン化ビニル系単量体との共重合体をアルカリによってケン化する方法などを用いることができる。
上記ヒドロキシル基を導入する方法についても特に制限はないが、例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、メタクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、メタクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、シス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、トランス−5−ヒドロキシ−2−ペンテン、4,4−ジヒドロキシ−2−ブテンなどのヒドロキシル基を有するビニル系単量体を、所定のビニル系単量体と共重合する方法などを用いることができる。
上記エポキシ基を導入する方法についても特に制限はないが、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルおよびp−グリシジルスチレンなどのエポキシ基を有するビニル系単量体を、所定のビニル系単量体と共重合する方法などを用いることができる。
中でも、メタクリル酸グリシジルを共重合させることによりエポキシ基を導入したエポキシ変性ビニル系共重合体は、スチレン系樹脂中に含有させて使用した場合、本発明の樹脂組成物の難燃性、衝撃強度を向上することができる。
上記アミノ基を導入する方法についても特に制限はないが、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノスチレンなどのアミノ基およびその誘導体を有するビニル系単量体を、所定のビニル系単量体と共重合する方法などを用いることができる。
上記オキサゾリン基を導入する方法についても特に制限はないが、例えば2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンおよび2−スチリル−オキサゾリンなどのオキサゾリン基を有するビニル系単量体を所定のビニル系単量体と共重合する方法などを用いることができる。
本発明の(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂と本発明で規定する相構造を形成し得る熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマ、ポリアルキレンオキサイド、あるいはカルボキシル基等を含有するオレフィン系共重合体等の樹脂等を挙げることができるが、好ましくはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、中でも耐衝撃性、耐熱性改良のためにはポリカーボネート樹脂を含む事が最も効果的である。
上記ポリカーボネート樹脂としては芳香族ホモポリカーボネートと芳香族コポリカーボネートより選ぶことができる。製造方法としては、2官能フェノール系化合物に苛性アルカリ及び溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法、あるいは二官能フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法を挙げることができる。該芳香族ポリカーボネートは粘度平均分子量が1万〜10万の範囲が好適である。ここで、上記2官能フェノール系化合物は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等であり、特に2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好ましい。本発明において、2官能フェノール系化合物は、単独で用いてもよいし、あるいはそれらを併用してもよい。
(A)スチレン系樹脂とポリカーボネート樹脂とのアロイ化においては、両者が本発明の溶融粘度範囲にあれば、容易に所望の相構造を得ることができるが、あらかじめ後述する樹脂組成および温度に対する相図を作成する事でさらに容易に構造制御範囲を知ることが可能となる。
上記ポリエステル樹脂とは、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル、もしくはエステル形成誘導体と、ジオールとを、公知の方法により縮合させて得られるものが挙げられ、芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステル、液晶ポリエステルなどが使用できる。ここで、上記芳香族ジカルボン酸としては、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられ、これらのエステル形成誘導体も、ポリエステル樹脂の製造に用いることができる。上記ジオールの例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの2〜6個の炭素原子を有するポリメチレングリコール、または1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAおよびこれらエステル形成誘導体が挙げられる。
ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリビスフェノールAイソフタレートなどが挙げられる。上記ポリエステル樹脂は、o−クロロフェノール溶媒中における25℃での極限粘度(〔η〕25℃、o−クロロフェノール、単位dl/g)が0.4〜2のものが好ましく、さらに好ましくは0.6〜1.5のものである。
(A)スチレン系樹脂とポリエステル樹脂とのアロイ化においては、両者の分子量を下げることにより相溶領域が拡大し、容易に所望の相構造を得ることができる。
上記ポリアミド樹脂としては、通常、ジアミンとジカルボン酸との縮合によって製造されるものや、ラクタムの開環重合によって製造されるものなどが使用できる。これらのポリアミド樹脂の好ましい例としては、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン4,6などが挙げられる。また、ナイロン6/6,6、ナイロン6/6,10、ナイロン6/12、ナイロン6/6,12、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/6,6/12などの共重合ポリアミド類も使用できる。さらに、ナイロン6/6,T(T;テレフタル酸成分)、テレフタル酸、イソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸とメタキシリレンジアミン、あるいは脂環族ジアミンから得られる半芳香族ポリアミド類、ポリエステルアミドなどを用いることもできる。上記ポリアミド樹脂は、90%ギ酸溶媒中、濃度1g/100cc、温度25℃で測定した相対粘度〔ηrel 〕が1.0〜4.0のものが好ましく、さらに好ましくは1.5〜3.5のものである。以上のポリアミド樹脂は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
(A)スチレン系樹脂とポリアミド樹脂とのアロイ化においては、スチレン系樹脂中のシアン化ビニル含有量を増加させることにより、両者のSP(溶解度パラメーター)値を近似させるなどの方法により相溶領域が拡大し、容易に所望の相構造を得ることができる。
本発明でのスチレン系樹脂組成物を構成する樹脂成分の組成については特に制限がないが、スチレン系樹脂組成物を構成する樹脂成分の合計100重量%に対して、通常(A)スチレン系樹脂が10〜95重量%の範囲が好ましく用いられ、さらには15〜85重量%の範囲がより好ましく、特に20〜80重量%の範囲であれば両相連続構造が比較的得られやすいので好ましく用いられる。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、構造周期0.001〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造を有することが必要である。かかる構造物を得るためには、(A)スチレン系樹脂と(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とが、一旦相溶解し、後述のスピノーダル分解によって構造形成せしめることが好ましい。さらにこの構造形成の実現のためには、(A)スチレン系樹脂と(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とが、後述の部分相溶系や、剪断場依存型相溶解・相分解する系であることが好ましい。
一般に、2成分の樹脂からなるポリマーアロイには、これらの組成に対して、ガラス転移温度以上、熱分解温度以下の実用的な全領域において相溶する相溶系や、逆に全領域で非相溶となる非相溶系や、ある領域で相溶し、別の領域で相分離状態となる、部分相溶系があり、さらにこの部分相溶系では、その相分離状態の条件によってスピノーダル分解によって相分離する場合と、核生成と成長によって相分離する場合がある。
さらに3成分以上からなるポリマーアロイの場合は、3成分以上のいずれもが相溶する系、3成分以上のいずれもが非相溶である系、2成分以上のある相溶した相と、残りの1成分以上の相が非相溶な系、2成分が部分相溶系で、残りの成分がこの2成分からなる部分相溶系に分配される系などがある。本発明で好ましい3成分以上からなるポリマーアロイは、2成分が部分相溶系で、残りの成分がこの2成分からなる部分相溶系に分配される系であり、この場合ポリマーアロイの構造は、2成分からなる部分相溶系の構造で代替できることから、以下2成分の樹脂からなるポリマーアロイで代表して説明する。
スピノーダル分解による相分離とは、異なる2成分の樹脂組成および温度に対する相図においてスピノーダル曲線の内側の不安定状態で生じる相分離のことを指し、また核生成と成長による相分離とは、該相図においてバイノーダル曲線の内側であり、かつスピノーダル曲線の外側の準安定状態で生じる相分離のことを指す。
かかるスピノーダル曲線とは、組成および温度に対して、異なる2成分の樹脂を混合した場合、相溶した場合の自由エネルギーと相溶しない2相における自由エネルギーの合計との差(ΔGmix)を濃度(φ)で二回偏微分したもの(∂2ΔGmix
/∂φ2)が0となる曲線のことであり、またスピノーダル曲線の内側では、∂2ΔGmix/∂φ2<0の不安定状態であり、外側では∂2ΔGmix/∂φ2>0である。
またかかるバイノーダル曲線とは、組成および温度に対して、系が相溶する領域と相分離する領域の境界の曲線のことである。
ここで本発明における相溶する場合とは、分子レベルで均一に混合している状態のことであり、具体的には異なる2成分の樹脂を主成分とする相がいずれも0.001μm以上の相構造を形成していない場合を指し、また、非相溶の場合とは、相溶状態でない場合のことであり、すなわち異なる2成分の樹脂を主成分とする相が
互いに0.001μm以上の相構造を形成している状態のことを指す。相溶するか否かは、例えばPolymer Alloys and Blends, Leszek A Utracki, hanserPublishers,Munich Viema New York,P64,に記載の様に、電子顕微鏡、示差走査熱量計(DSC)、その他種々の方法によって判断することができる。
詳細な理論によると、スピノーダル分解では、一旦相溶領域の温度で均一に相溶した混合系の温度を、不安定領域の温度まで急速にした場合、系は共存組成に向けて急速に相分離を開始する。その際濃度は一定の波長に単色化され、構造周期(Λm)で両分離相が共に連続して規則正しく絡み合った両相連続構造を形成する。この両相連続構造形成後、その構造周期を一定に保ったまま、両相の濃度差のみが増大する過程をスピノーダル分解の初期過程と呼ぶ。
さらに上述のスピノーダル分解の初期過程における構造周期(Λm)は熱力学的に下式のような関係がある。
Λm〜[│Ts−T│/Ts]-1/2(ここでTsはスピノーダル曲線上の温度)
ここで本発明でいうところの両相連続構造とは、混合する樹脂の両成分がそれぞれ
連続相を形成し、互いに三次元的に絡み合った構造を指す。この両相連続構造の模
式図は、例えば「ポリマーアロイ基礎と応用(第2版)(第10.1章)」(高分子学会編:東京化学同人)に記載されている。
スピノーダル分解では、この様な初期過程を経た後、波長の増大と濃度差の増大が同時に生じる中期過程、濃度差が共存組成に達した後、波長の増大が自己相似的に生じる後期過程を経て、最終的には巨視的な2相に分離するまで進行するが、本発明で規定する構造を得るには、この最終的に巨視的な2相に分離する前の所望の構造周期に到達した段階で構造を固定すればよい。
また中期過程から後期過程にかける波長の増大過程において、組成や界面張力の影響によっては、片方の相の連続性が途切れ、上述の両相連続構造から分散構造に変化する場合もある。この場合には所望の粒子間距離に到達した段階で構造を固定すればよい。
ここで本発明にいうところの分散構造とは、片方の樹脂成分が主成分であるマトリックスの中に、もう片方の樹脂成分が主成分である粒子が点在している、いわゆる海島構造のことをさす。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、構造周期0.001〜1μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの範囲の分散構造に構造制御されていることが必要であり、より優れた機械特性を得るためには、構造周期0.01〜0.5μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.01〜0.5μmの範囲の分散構造に制御することが好ましく、さらには、構造周期0.01〜0.3μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.01〜0.3μmの範囲の分散構造に制御することがより好ましい。かかる構造周期の範囲、および粒子間距離の範囲に制御することにより本発明効果である優れた機械特性や流動性、難燃性を有する構造物を効果的に得ることができる。
一方、上述の準安定領域での相分離である核生成と成長では、その初期から海島構造である分散構造が形成されてしまい、それが成長するため、本発明の様な規則正しく並んだ構造周期0.001〜1μmの範囲の両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの範囲の分散構造を形成させることは困難である。
またこれらのスピノーダル分解による両相連続構造、もしくは分散構造を確認するためには、規則的な周期構造が確認されることが重要である。これは例えば、光学顕微鏡観察や透過型電子顕微鏡観察により、両相連続構造が形成されることの確認に加えて、光散乱装置や小角X線散乱装置を用いて行う散乱測定において、散乱極大が現れることの確認が必要である。なお、光散乱装置、小角X線散乱装置は最適測定領域が異なるため、構造周期の大きさに応じて適宜選択して用いられる。この散乱測定における散乱極大の存在は、ある周期を持った規則正しい相分離構造を持つ証明であり、その周期Λm は、両相連続構造の場合構造周期に対応し、分散構造の場合粒子間距離に対応する。またその値は、散乱光の散乱体内での波長λ、散乱極大を与える散乱角θm を用いて次式により計算することができる。
Λm =(λ/2)/sin(θm /2)
上記スピノーダル分解を実現させるためには、スチレン系樹脂とスチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を相溶状態とした後、スピノーダル曲線の内側の不安定状態とすることが必要である。
まずこの2成分以上からなる樹脂で相溶状態を実現する方法としては、共通溶媒に溶解後、この溶液から噴霧乾燥、凍結乾燥、非溶媒物質中の凝固、溶媒蒸発によるフィルム生成等の方法により得られる溶媒キャスト法や、部分相溶系を、相溶条件下で溶融混練による溶融混練法が挙げられる。中でも溶媒を用いないドライプロセスである溶融混練による相溶化が、実用上好ましく用いられる。
溶融混練により相溶化させるには、通常の押出機が用いられるが、2軸押出機を用いることが好ましい。また、樹脂の組合わせによっては射出成形機の可塑化工程で相溶化できる場合もある。相溶化のための温度は、部分相溶系の樹脂が相溶する条件である必要がある。
次に上記溶融混練により相溶状態とした樹脂組成物をスピノーダル曲線の内側の不安定状態として、スピノーダル分解せしめるに際し、不安定状態とするための温度、その他の条件は、樹脂の組み合わせによっても異なり一概にはいえないが、相図に基づき、簡単な予備実験をすることにより設定することができる。
スピノーダル分解による構造生成物を固定化する方法としては、急冷等による短時間で相分離相の一方または両方の成分の構造固定や、一方が熱硬化する成分である場合、熱硬化性成分の相が反応によって自由に運動できなくなることを利用した構造固定や、さらに一方が結晶性樹脂である場合、結晶性樹脂相を結晶化によって自由に運動できなくなることを利用した構造固定が挙げられる。
本発明において(A)スチレン系樹脂と(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを上記スピノーダル分解により相分離させて本発明のスチレン系樹脂組成物とするには、前述したようにスチレン系樹脂と部分相溶系や、剪断場依存型相溶解・相分解する系を組み合わせることが好ましい。
一般に部分相溶系には、同一組成において低温側で相溶しやすくなる低温相溶型相図を有するものや、逆に高温側で相溶しやすくなる高温相溶型相図を有するものが知られている。この低温相溶型相図における相溶と非相溶の分岐温度で最も低い温度を、下限臨界共溶温度(lower critical solution temperature略してLCST)と呼び、高温相溶型相図における相溶と非相溶の分岐温度で最も高い温度を、上限臨界共溶温度(upper critical solution temperature略してUCST)と呼ぶ。
部分相溶系を用いて相溶状態となった2成分以上の樹脂は、低温相溶型相図の場合、LCST以上の温度かつスピノーダル曲線の内側の温度にすることで、また高温相溶型相図の場合、UCST以下の温度かつスピノーダル曲線の内側の温度にすることでスピノーダル分解を行わせることができる。
またこの部分相溶系によるスピノーダル分解の他に、非相溶系においても溶融混練によってスピノーダル分解を誘発すること、例えば溶融混練時等の剪断下で一旦相溶し、非剪断下で再度不安定状態となり相分解するいわゆる剪断場依存型相溶解・相分解によってもスピノーダル分解による相分離が可能であり、この場合においても、部分相溶系の場合と同じくスピノーダル分解様式で分解が進行し規則的な両相連続構造を有する。さらにこの剪断場依存型相溶解・相分解は、スピノーダル曲線が剪断場により変化し、不安定状態領域が拡大するため、スピノーダル曲線が変化しない部分相溶系の温度変化による方法に比べて、その同じ温度変化幅においても実質的な過冷却度(│Ts−T│)が大きくなり、その結果、上述の関係式におけるスピノーダル分解の初期過程における構造周期を小さくすることが容易となるためより好ましく用いられる。かかる溶融混練時の剪断下により相溶化させるには、通常の押出機が用いられるが、2軸押出機を用いることが好ましい。また、樹脂の組合わせによっては射出成形機の可塑化工程で相溶化できる場合もある。この場合における相溶化のための温度、初期過程を形成させるための熱処理温度、および初期過程から構造発展させる熱処理温度や、その他の条件は、樹脂の組み合わせによ
っても異なり一概にはいえないが、種々の剪断条件下での相図に基づき、簡単な予備実験をすることにより条件を設定することができる。また上記射出成形機の可塑化工程での相溶化を確実に実現させる方法として、予め2軸押出機で溶融混練し相溶化させ、吐出後氷水中などで急冷し相溶化状態で構造を固定させたものを用いて射出成形する方法などが好ましい例として挙げられる。
また、本発明を構成するスチレン系樹脂組成物に、さらにポリマーアロイを構成する成分を含むブロックコポリマーやグラフトコポリマーやランダムコポリマーなどのコポリマーである第3成分を添加することは、相分解した相間における界面の自由エネルギーを低下させるため、両相連続構造における構造周期や、分散構造における分散粒子間距離の制御を容易にするため好ましく用いられる。この場合通常、かかるコポリマーなどの第3成分は、それを除く2成分の樹脂からなるポリマーアロイの各相に分配されるため、2成分の樹脂からなるポリマーアロイ同様に取り扱うことができる。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、(A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを含むポリマーアロイであり、上述特異的な相分離構造を実用的な成形加工条件下で、安定して得るために、前記(A)成分、(B)成分は下記式(1)および(2)を満足する温度T(℃)が存在する組み合わせとなるように、各成分の溶融粘度を適切に制御することが必要である。
a/b≧0.1 (1)
180≦T≦300 (2)
a:(A)スチレン系樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
b:(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
(ここで、溶融粘度は、温度、ずり速度、オリフィスなどの測定条件を同一としてキャピログラフィーで測定した値であり、また測定温度は各成分およびその他の添加剤の混練する温度を示す。)
スチレン系樹脂組成物を構成する樹脂成分の溶融粘度の関係については、本発明の相構造をとるのであれば特に上限はないが、好ましくは0.1〜10の範囲で用いられ、さらには0.1〜7の範囲がより好ましく、特に0.1〜5の範囲であれば両相連続構造がより安定して得られやすいので好ましく用いられる。
各成分の溶融粘度を調整する方法としては、特に制限はないが、例えば(イ)加水分解により目的の溶融粘度となるように調整する方法、(ロ)目的の溶融粘度となる分子量のポリマーを使用する方法、(ハ)分子量の異なるポリマーを混合して目的の溶融粘度となるように調整する方法および(ニ)目的の溶融粘度となるような任意の添加剤を混合する方法などが挙げられる。
本発明のスチレン系樹脂組成物は、上述の構造周期0.001〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造という特異的な相構造を、実用的な成形によって安定的に得ることができ、スチレン系樹脂の優れた機械特性、成形加工性、外観を損なうことなく、機械特性、流動性、および難燃性(JIS K 7021に準じて測定した限界酸素指数(LOI))付与が容易になるという効果を発現する。
さらに本発明においては、容易に難燃性を付与できることから、好ましく難燃剤を添加する事ができる。本発明に用いられる難燃剤は特に制限はなく、いわゆる一般の難燃剤であり、リン系化合物やハロゲン系有機化合物の他、メラミン等の窒素含有有機化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物、ポリオルガノシロキサン系化合物、酸化ヒ素、酸化アンチモン、酸化ビスマス、また、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物、シリカなどが用いられるが、好ましくはリン系化合物、またはハロゲン系有機化合物および、ハロゲン系有機化合物と酸化アンチモンの併用であるが、特に好ましくはリン系化合物である。
リン系化合物としては、リンを含有する有機または無機化合物であれば特に制限はなく、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリホスファゼン、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネートおよびホスフィンオキシドなどが挙げられる。中でも、ポリホスファゼンおよびホスフェートが好ましく、芳香族ホスフェートが特に好ましく使用できる。
リン系化合物の含有量は一般に(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲で用いられる。好ましくは0.5〜25重量部の範囲であり、特に好ましい範囲としては1〜20重量部の範囲にある場合である。0.1重量部未満では必要な難燃効果が発揮されず、30重量部を超えると樹脂の機械的強度、耐熱性を大きく低下させるため好ましくない。
ハロゲン系有機化合物としては、例えば、ヘキサクロロペンタジエン、ヘキサブロモジフェニル、オクタブロモジフェニルオキシド、トリブロモフェノキシメタン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモフタルイミド、ヒキサブロモブテン、トリクロロテトラブロモフェニル−トリフォスフェート、ヘキサブロモシクロドデカンやこれらを各種置換基で変性した化合物が挙げられる。
ハロゲン系有機化合物の含有量は一般に(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲で用いられる。好ましくは0.5〜25重量部の範囲であり、特に好ましい範囲としては1〜20重量部の範囲にある場合である。0.1重量部未満では必要な難燃効果が発揮されず、30重量部を超えると樹脂の機械的強度を大きく低下させるため好ましくない。
本発明の樹脂組成物においては、難燃性を高めるためにさらに難燃剤に滴下防止剤を併用すると効果的である。滴下防止剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のパーフルオロアルカンポリマー、シリコンゴム、およびこれらをビニル系化合物でグラフト重合したグラフト重合体、高分子量アクリロニトリル−スチレン、高分子量PMMA等の高分子量ビニル系共重合体、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられるが、特にポリテトラフルオロエチレンをアクリル変性したものが好ましく用いられる。
滴下防止剤の含有量は一般に(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲で好ましく用いられる。特に好ましい範囲としては0.05〜3重量部の範囲にある場合である。0.01重量部未満では燃焼時の滴下防止効果が不十分であり、高い難燃性が得られず、5重量部を超えると流動性、および剛性等の機械的強度を低下させるため好ましくない。
さらに本発明においては、強度及び寸法安定性等を向上させるため、必要に応じて充填材を用いてもよい。充填材の形状としては繊維状であっても非繊維状であってもよく、繊維状の充填材と非繊維状充填材を組み合わせて用いてもよい。かかる充填材としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これら繊維状および/または非繊維状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
強度及び寸法安定性等を向上させるため、かかる充填材を用いる場合、その配合量は特に制限はないが、通常(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.1〜200重量部配合される。
本発明のスチレン系樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物、などの離型剤、防食剤、着色防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミニウムなどの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、発泡剤などの通常の添加剤を添加することができる。
これらの添加剤は、本発明のスチレン系樹脂組成物を製造する任意の段階で配合することが可能であり、例えば、少なくとも2成分の樹脂を配合する際に同時に添加する方法や、予め2成分の樹脂を溶融混練した後に添加する方法や、始めに片方の樹脂に添加し溶融混練後、残りの樹脂を配合する方法が挙げられる。
本発明から得られるスチレン系樹脂組成物の成形方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形などを挙げることができるが、中でも射出成形は射出後、金型内で熱処理と構造固定化が同時にできることから好ましく、またフィルムおよび/またはシート押出成形であれば、フィルムおよび/またはシート延伸時に熱処理し、その後の巻き取り前の自然冷却時に構造固定ができることから好ましい。もちろん上記成形品を別途熱処理し構造形成させることも可能である。
本発明におけるスチレン系樹脂組成物は、優れた耐衝撃性、耐熱性、流動性、および難燃性をいかして、構造材料として有用に用いることができ、例えば電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類、雑貨などに好適に使用することができる。
本発明のスチレン系樹脂組成物の成形体は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、パソコン、プリンター、ディスプレイ、CRTディスプレイ、ファックス、コピー、ワープロ、ノートパソコン、携帯電話、PHS、DVDドライブ、PDドライブ、フレキシブルディスクドライブなどの記憶装置のハウジング、シャーシ、リレー、スイッチ、ケース部材、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子機器部品、自動車部品、機械部品、その他各種用途に有用である。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中の部数および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
[参考例1] (A)スチレン系樹脂
<ST−1>グラフト(共)重合体
以下にグラフト共重合体の調製方法を示す。なおグラフト率は次の方法で求めたものである。グラフト共重合体の所定量(m)にアセトンを加え4時間還流した。この溶液を8000rpm(遠心力10,000G(約100×103 m/s2 ))30分遠心分離後、不溶分を濾過した。この不溶分を70℃で5時間減圧乾燥し、重量(n)を測定した。
グラフト率=[(n)−(m)×L]/[(m)×L]×100
ここでLはグラフト共重合体のゴム含有率を意味する。
上記アセトン溶液の濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、析出物(アセトン可溶分)を得た。この可溶分を、70℃で5時間減圧乾燥後、0.4g/100ml(メチルエチルケトン、30℃)に調製し、ウベローデ粘度計を用いて極限粘度を測定した。
また得られたグラフト共重合体を70℃で5時間熱風乾燥後、キャピログラフィーにて溶融粘度を測定した。測定条件はシリンダー温度250℃、剪断速度1000/sec、オリフィス厚み5mm、ダイ直径0.5mmと同一で測定した。
<ST−1−1>
ポリブタジエンラテックス(平均ゴム粒子径0.3μm)50部(固形分換算)の存在下でスチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物50部を加えて乳化重合した。得られたグラフト共重合体は硫酸で凝固した後、洗浄、乾燥してパウダー状として得た。
得られたグラフト共重合体のグラフト率は42%、メチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.37dl/g、溶融粘度は956Pa・sであった。
<ST−1−2>
ポリブタジエンラテックス(平均ゴム粒子径0.2μm)50部(固形分換算)の存在下でメタクリル酸メチル70%、スチレン25%、アクリロニトリル5%からなる単量体混合物50部を加えて乳化重合した。得られたグラフト共重合体は硫酸で凝固した後、洗浄、乾燥してパウダー状として得た。
得られたグラフト共重合体のグラフト率は45%、メチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.30dl/g、溶融粘度は735Pa・sであった。
<ST−2>ビニル系共重合体の調製
以下にビニル系共重合体の調製方法を示す。なお得られたポリマーを、70℃で5時間減圧乾燥後、0.4g/100ml(メチルエチルケトン、30℃)に調製し、ウベローデ粘度計を用いて極限粘度を測定した。
また得られたビニル系共重合体を70℃で5時間熱風乾燥後、キャピログラフィーにて溶融粘度を測定した。測定条件はシリンダー温度250℃、剪断速度1000/sec、オリフィス厚み5mm、ダイ直径0.5mmと同一で測定した。
<ST−2−1>
スチレン−アクリロニトリル共重合体“トヨラック”1050B(東レ(株)製)を使用した。メチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.39dl/g、溶融粘度は108Pa・sであった。
<ST−2−2>
スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物を懸濁重合してビニル系共重合体を調製した。得られたビニル系共重合体のメチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.53dl/g、溶融粘度は174Pa・sであった。
<ST−2−3>
スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物を懸濁重合してビニル系共重合体を調製した。得られたビニル系共重合体のメチルエチルケトン可溶分の極限粘度は0.98dl/g、溶融粘度は371Pa・sであった。
<ST−2−4>
スチレン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物を懸濁重合してビニル系共重合体を調製した。得られたビニル系共重合体のメチルエチルケトン可溶分の極限粘度は2.03dl/g、溶融粘度は647Pa・sであった。
[参考例2] (B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂
120℃で5時間熱風乾燥後、キャピログラフィーにて溶融粘度を測定した。測定条件はシリンダー温度250℃、剪断速度1000/sec、オリフィス厚み5mm、ダイ直径0.5mmと同一で測定した。
<PC−1>芳香族ポリカーボネート“ユーピロン”S3000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を使用した。溶融粘度は839Pa・sであった。
<PC−2>芳香族ポリカーボネート“ユーピロン”S2000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を使用した。溶融粘度は1381Pa・sであった。
<PC−3>芳香族ポリカーボネート“ユーピロン”E2000(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)を使用した。溶融粘度は2429Pa・sであった。
また<ST−2−1>〜<ST−2−4>および<PC−1>〜<PC−3>の剪断速度1000/sec下での溶融粘度の温度依存性を測定した結果のグラフを図1に示した。また図1より得られた結果をもとに、実施例および比較例で用いた(A)スチレン系樹脂および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の組み合わせにおける溶融粘度比の温度依存性のグラフを図2に示した。
[参考例3] 難燃剤
<FR−1>芳香族ビスホスフェート“PX200”(大八化学工業(株)製)を使用した。
<FR−2>臭素化エポキシ樹脂“SR−T5000”(坂本薬品工業(株)製)を使用した。
[参考例4] 添加剤
<TZ−1>アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン“メタブレン”A3000(三菱レイヨン(株)製)を使用した。
[実施例1〜19、比較例1〜7]
表1記載の実施例1〜10および比較例1〜2の組成からなる原料を、押出温度250℃に設定した2軸スクリュー押出機(池貝工業社製PCM−30)に、比較例3の組成からなる原料を、押出温度280℃に設定した単軸スクリュー押出機(田辺プラスチックス機械(株)製VS40−32)に供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定したのちペレット状のポリマーを製造した。
得られたペレット状のポリマーを用い、射出成形機(住友重機社製、プロマット40/25)により、射出圧を下限圧+1MPaでそれぞれの試験片を成形し、次の条件で物性を測定した。
[耐衝撃性]:ASTM D256−56Aに従い耐衝撃性を評価した。
[耐熱性]:ASTM D648(荷重:1.82MPa)に従い耐熱性を評価した。
[流動性]:スパイラルフロー(断面形状:幅10mm×厚み2mm)の流動長(スパイラルフロー長)を、シリンダー温度240℃、金型温度60℃、射出圧力50MPaで測定した。
[限界酸素指数]:JIS K7021に従い限界酸素指数を評価した。
さらに上記氷水中にて急冷し、構造を固定したガットおよび射出成形により得られた成形品から厚み100μmの切片を切り出したサンプルについて、ヨウ素染色法によりポリカーボネートを染色後、超薄切片を切り出したサンプルについて、透過型電子顕微鏡にて10万倍に拡大して観察を行った。
また上記氷水中にて急冷し、構造を固定したガットおよび射出成形により得られた成形品から厚み100μmの切片を切り出したサンプルについて、構造周期を小角X線散乱(0.4μ未満の構造周期の場合)もしくは光散乱(0.4μ以上の構造周期の場合)にて測定した。いずれのサンプルもピークが観察され、該ピーク位置(θm)から下式で計算した、構造周期(Λm)を求めた。
Λm =(λ/2)/sin(θm/2)
各サンプルの透過型電子顕微鏡写真から構造の状態、小角X線散乱もしくは光散乱から構造周期、さらには耐衝撃性、耐熱性、流動性、および限界酸素指数の測定結果をそれぞれ表1に示す。
Figure 2006241201
実施例1〜10より、本発明のとおり使用する樹脂成分の溶融粘度を特定の溶融粘度比にする事により1μm以下の両相連続構造および分散構造である微細な相構造を実用的な射出成形において安定して得ることができ、耐衝撃性、耐熱性、流動性、さらには難燃性を飛躍的に改良する事ができた。
比較例1、2のように本発明とは異なる溶融粘度比の樹脂成分を用いた場合には、汎用可能な射出成形では所望の相構造が得られず、機械特性は低いものとなった。さらに比較例3のように単軸スクリュー押出機を用いるなど十分な剪断を付与できず、かつ溶融混練時の混練温度が高すぎる場合には、本発明の所望の相構造が得られないため機械特性は低いものとなった。
表2記載の実施例11〜15の組成からなる原料は実施例1〜10および比較例1〜2と同様に、比較例4〜5の組成からなる原料は比較例3と同様に押出機へ供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定したのちペレット状のポリマーを製造した。その後上記と同様に、機械特性、構造の状態、構造周期の測定を行った。測定結果をそれぞれ表2に示す。
Figure 2006241201
実施例11〜15、比較例4〜5より、ゴム成分を添加しても、本発明のとおり1μm以下の両相連続構造および分散構造である微細な相構造を有することにより、耐衝撃性、耐熱性、流動性、さらには難燃性を飛躍的に改良する事ができた。
表3記載の実施例16〜19、比較例6〜7の組成からなる原料は実施例1〜10および比較例1〜2と同様に押出機へ供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定したのちペレット状のポリマーを製造した。その後上記と同様に、機械特性、構造の状態、構造周期の測定を行った。測定結果をそれぞれ表3に示す。
Figure 2006241201
実施例16〜19より、スチレン系樹脂組成物に難燃剤を添加しても、本発明のとおり1μm以下の両相連続構造である微細な相構造を有することにより、耐衝撃性、耐熱性、流動性を維持したまま、難燃性を飛躍的に改良する事ができた。
比較例6、7のように本発明とは異なる溶融粘度比の樹脂成分を用いた場合には、汎用可能な方法で得られた成形品は所望の相構造が得られず、機械特性は低いものとなった。さらに難燃性は本発明品と比べ顕著に低く、同等の難燃性を発現させるためには大量の難燃剤が必要となる。
電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれらの部品類、雑貨など種々の用途に用いることができる。
実施例で用いた<ST−2−1>〜<ST−2−4>および<PC−1>〜<PC−3>の剪断速度1000/sec下での溶融粘度の温度依存性を測定した結果を示したグラフである。 図1より得られた結果をもとに、実施例および比較例で用いた(A)スチレン系樹脂および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の組み合わせにおける溶融粘度比の温度依存性を示すグラフである。

Claims (7)

  1. (A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂とを含み、構造周期0.001〜1μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造を有するスチレン系樹脂組成物であり、かつ前記(A)成分、(B)成分は下記式(1)および(2)を満足する温度T(℃)が存在する組み合わせであることを特徴とするスチレン系樹脂組成物。
    a/b≧0.1 (1)
    180≦T≦300 (2)
    a:(A)スチレン系樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
    b:(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
  2. 前記(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のスチレン系樹脂組成物。
  3. 前記スチレン系樹脂組成物が、溶融混練を経て製造されたものであることを特徴とする請求項1および2に記載のスチレン系樹脂組成物。
  4. 前記スチレン系樹脂組成物に配合する(A)成分と(B)成分が、溶融混練時の剪断下では相溶し、吐出後の非剪断下で相分離する組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載のスチレン系樹脂組成物。
  5. (A)スチレン系樹脂1種以上および(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を溶融混錬によって得る製造方法であって、下記式(1)および(2)を満足する温度条件で溶融混練することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
    a/b≧0.1 (1)
    180≦T≦300 (2)
    a:(A)スチレン系樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
    b:(B)スチレン系樹脂以外の熱可塑性樹脂の溶融粘度(温度T℃、剪断速度1000/sec)(Pa・s)
  6. 前記溶融混練時の剪断下で(A)成分と(B)成分が相溶し、吐出後の非剪断下で相分離することを特徴とする請求項5に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6に記載のスチレン系樹脂組成物からなることを特徴とする成形品。
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