JPH08143742A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH08143742A
JPH08143742A JP29009294A JP29009294A JPH08143742A JP H08143742 A JPH08143742 A JP H08143742A JP 29009294 A JP29009294 A JP 29009294A JP 29009294 A JP29009294 A JP 29009294A JP H08143742 A JPH08143742 A JP H08143742A
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monomer
component
resin composition
weight
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JP29009294A
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Yasuaki Ii
康明 井伊
Nobumitsu Fukuyama
信光 福山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐熱性、耐衝撃性を損なうことな
く流動性、層状剥離性に優れる成形品を与えうる熱可塑
性樹脂組成物を得ることを目的とする。 【構成】 PC/ABS系熱可塑性樹脂組成物におい
て、260℃の温度下における剪断速度103sec-1下で
のPC成分の溶融粘度とABS成分との溶融粘度の比が
1/3以下または2.5以上であることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、耐衝撃性、流動
性、および層状剥離性に優れた射出成形品を与え得る熱
可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】優れた耐衝撃性、流動性を有する熱可塑
性樹脂としてABS樹脂に代表されるゴム変性熱可塑性
樹脂組成物が広く利用されている。ABS樹脂は耐熱性
に欠けるため高温下での使用には制限があった。このた
めABS樹脂の耐熱性を改良する方法が種々提案されて
いる。例えば特公昭38−15225号公報にはABS
樹脂とポリカーボネート樹脂とを配合した樹脂組成物で
あるいわゆるPC/ABSアロイが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】PC/ABSアロイ
は耐熱性、耐衝撃性についての性能は満足できるもので
あるが、基本的に相溶しない樹脂を混合しているために
成形品において相分離構造を発現し成形外観を損ねたり
成形品の表面において樹脂の剥離を起こす層状剥離を発
生する欠点がある。特に最近必要とされている大型で肉
厚の薄い成形品においては射出成形時に樹脂の流動方向
に沿った配向が発生しやすく、この配向により層状剥離
が顕著に発生する傾向にある。従って、この層状剥離が
PC/ABSアロイの使用用途を狭める原因となってい
る。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは上記の問
題点を解決するために鋭意検討の結果、ポリカーボネー
ト樹脂とABS樹脂に代表されるゴム変性樹脂組成物の
射出成形時の溶融粘度が特定の関係を満足する際に耐熱
性、耐衝撃性を損なうことなく流動性、層状剥離性に優
れる成形品を与えうる樹脂組成物が得られることを見い
だし本発明に至った。すなわち本発明の要旨とするとこ
ろは、 (A)ポリカーボネート系樹脂 30〜70重量部 (B)ゴム質重合体30〜80重量%の存在下に芳香族
ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、アクリル酸エス
テル単量体及びメタクリル酸エステル単量体の中から選
ばれる少なくとも1種類の単量体70〜20重量%を重
合して得られるグラフト共重合体 20〜60重量部 (C)芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、マ
レイミド系単量体、アクリル酸エステル単量体及びメタ
クリル酸エステル単量体からなる群から選ばれる少なく
とも1種類の単量体を重合して得られる重合体 40重
量部以下を合計量100重量部となるように配合さた熱
可塑性樹脂組成物において、260℃の温度下における
剪断速度103sec-1下での上記(A)成分の溶融粘度と
(B)および(C)成分との溶融粘度の比が1/3以下
または2.5以上であることを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物にある。
【0005】本発明における(A)成分であるポリカー
ボネート系樹脂とは、ジヒドロキシジアリールアルカン
から得られ、任意に枝分かれしていても良い。これらポ
リカーボネート樹脂は公知の方法により製造されるもの
であり、一般にジヒドロキシまたはポリヒドロキシ化合
物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させること
により製造される。適当なジヒドロキシジアリールアル
カンはヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基、
塩素原子または臭素原子を有するものも含む。ジヒドロ
キシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、
4,4’−ジヒドロキシ−2,2’−ジフェニルプロパ
ン(ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノール
Aおよびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイ
ソプロピルベンゼン等が挙げられる。また分岐したポリ
カーボネートは、例えばジヒドロキシ化合物の一部、例
えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシで置換すること
により製造される。ポリヒドロキシ化合物の具体例とし
ては、1,4−ビス−(4’,4,2−ジヒドロキシト
リフェニルメチル)−ベンゼン、フロロダルシノール、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキ
シフェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,
4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタ
ン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−
ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−エタンならびに2,2−ビス[4,4’−(4,
4’−ジヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]プロ
パン等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂の分子量は
後述のように溶融粘度を特定の範囲にすることを可能な
らしめる範囲内において任意のものを使用することがで
き、またこれらのポリカーボネート樹脂は単独で又は混
合して用いても差し支えない。
【0006】本発明の樹脂組成物中の(A)成分である
ポリカーボネート系樹脂の配合量は組成物100重量部
に対して30〜70重量部であることが必要であり、好
ましくは40〜60重量部である。配合量が30重量部
に満たない場合には樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性が不
十分となり好ましくない。また配合量が70重量部を越
える場合には樹脂組成物の流動性を低下させ成形性を損
なうのとともに流動性の低下が樹脂の流動方向に沿った
配向を強く引き起こすために層状剥離が発生しやすくな
り好ましくない。
【0007】本発明における成分(B)であるグラフト
共重合体はゴム質重合体の存在下に芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体およびアクリル酸エステル単
量体及びメタクリル酸エステル単量体からなる群から選
ばれる少なくとも1種の単量体を重合させて得られる。
【0008】本発明のゴム質重合体ジエン系ゴム、アク
リル系ゴム、シリコーン系ゴム、エチレン−プロピレン
ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムまたこれらの
複合ゴムが使用できる。ジエン系ゴムの具体例としては
ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどのブタジエ
ン系ゴムが挙げられる。アクリル系ゴムの具体例として
はアクリル酸エチル重合体、アクリル酸ブチル重合体、
アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体等が挙げ
られる。本発明に用いられるゴム質重合体としてはこれ
らのゴム質重合体を混合して使用しても差し支えない。
【0009】また本発明のグラフト共重合体に使用され
る単量体としては芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル
単量体、アクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エ
ステル単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の
単量体であることが必要である。芳香族ビニル単量体の
具体的な例としてはスチレン、α−メチルスチレン、臭
素化スチレン等が挙げられる。シアン化ビニル系単量体
の具体例としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等が挙げられる。アクリル酸エステル単量体の具体例
としてはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル等が挙げられる。メタクリル酸エステルの具
体例としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げ
られる。これらの単量体は単独で用いることができるほ
か必要に応じて組み合わせて使用しても差し支えない。
【0010】グラフト共重合体に使用されるゴム質重合
体の含有量としてはグラフト共重合体中に30〜80重
量%含有されていることが必要であり、グラフト共重合
体中のグラフト硬質樹脂の含有量はグラフト重合体中に
70〜20重量%含有されていることが必要である。グ
ラフト共重合体中のゴム質重合体が30重量%に満たな
い場合すなわちグラフト共重合体中のグラフト硬質樹脂
が70重量%を越える場合には樹脂組成物の耐衝撃性が
劣ったものとなり好ましくなく、グラフト共重合体中の
ゴム質重合体が80重量%を越える場合すなわちグラフ
ト共重合体中のグラフト硬質樹脂が20重量%に満たな
い場合には樹脂組成物の耐熱性が劣ったものとなり好ま
しくない。
【0011】グラフト共重合体を製造する方法としては
乳化重合法、乳化懸濁重合法など公知の手段を用いるこ
とができる。
【0012】本発明における成分(C)である重合体は
芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、マレイミ
ド系単量体、アクリル酸エステル単量体及びメタクリル
酸エステル単量体からなる群から選ばれる少なくとも1
種類の単量体を重合して得られる。芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体、アクリル酸エステル単量体
及びメタクリル酸エステル単量体としては前述のグラフ
ト共重合体を製造する際に使用する単量体を使用するこ
とができる。マレイミド系単量体の具体例としてはマレ
イミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミ
ド、N−プロピルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−p−ブロモマレイミド、N−シクロヘキシルマ
レイミド等が挙げられる。これらの単量体は単独あるい
は混合して使用することができる。これらの単量体から
なる重合体を製造する手段としては、乳化重合法、懸濁
重合法、溶液重合法、塊状重合法などの公知の方法を用
いることができる。また、単量体混合物を重合して得ら
れる重合体を使用する以外にも、別々に重合して得られ
た重合体をブレンドして使用することも可能である。
【0013】本発明の組成物中の成分(C)の含有量は
樹脂組成物100重量部当たり40重量部以下であるこ
とが必要である。成分(C)が40重量部を越える場合
には得られる樹脂組成物の耐衝撃性、耐熱性が劣ったも
のとなり好ましくない。
【0014】本発明の熱可塑性樹脂組成物のようなPC
/ABSアロイ系の成形材料は一般に使用される成形温
度範囲は200℃〜320℃の範囲であり、特に採用さ
れる温度範囲は240℃〜280℃の範囲である。本発
明は成形品の表面付近の微細な構造が決定される温度条
件、流動条件下での溶融粘度に注目しているものであり
具体的に代表的な条件としては温度260℃で剪断速度
103sec-1を考えている。この条件下での溶融粘度
の測定には測定装置として加熱可能なシリンダーに、加
えている力が測定できるピストンとオリフィスを備えた
押し出し型の溶融粘度測定装置を採用することが可能で
ある。本発明の樹脂組成物はこの測定条件下で測定され
る成分(A)の溶融粘度と成分(B)および成分(C)
の溶融粘度とが両者のどちらかが他方よりも大きくなる
際に射出成形品の層状剥離が発生しにくくなるという事
実に基づくものである。すなわち、260℃の温度下に
おける剪断速度103sec-1下における成分(A)の
溶融粘度と成分(B)および成分(C)の溶融粘度の比
が1/3以下であるかまたは2.5以上であることが必
要である。好ましくは1/5以下であるかまたは3以上
である。
【0015】本発明の樹脂組成物を製造する方法として
は成分(A)、成分(B)および成分(C)を各々予め
単独に製造したのちに通常のブレンド方法であるヘンシ
ェルミキサー、タンブラーなどを使用して混合したの
ち、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーなど
通常の賦形に用いられる装置により賦形して樹脂組成物
となす方法を採用することができる。また、本発明の樹
脂組成物には通常の添加剤として使用される抗酸化剤、
熱安定剤、耐光性向上剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑
剤、離型剤、帯電防止剤、摺動性向上剤、着色剤などを
添加しても差し支えない。
【0016】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。実施例、比較例の中で「%」および「部」は各々
「重量%」および「重量部」を意味する。実施例、比較
例の中での各種の物性の評価方法は下記の方法によっ
た。
【0017】1.アイゾット衝撃強度 ASTM D−256に従い測定した。
【0018】試片は厚さ1/4”ノッチ付き射出成形品
とした。
【0019】2.熱変形温度 ASTM D−648に従い測定した。
【0020】荷重は18.6kg/cm2とし試片は射出成形
品とした。
【0021】3.層状剥離テスト 試片は射出成形機(名機製作所(株)製M−100AII
型)を使用してシリンダー温度260℃金型温度60℃
の条件で60mm×90mm×2mmの板状試片をゲートが中
央1点である金型で成形し、得られた試片のゲート部分
を起点として頂点に向かってナイフにより切り込みを入
れ、鉄筆でゲート部分から表面を引きはがそうとした際
の樹脂の剥離を目視観察した。評価結果は、○:層状剥
離は見られない、×:全体に層状剥離が見られる、の2
段階に分類した。
【0022】4.粘度比の測定 樹脂組成物を構成する成分(A)、成分(B)と成分
(C)のブレンド物の溶融粘度の比は各々の溶融粘度を
別々に測定して比を求めた。測定装置は東洋精機製キャ
ピログラフを使用して、シリンダー温度260℃キャピ
ラリーとして直径1mm、長さ10mm(L/D=10/
1)を使用し、剪断速度が103sec-1での溶融粘度を測
定した。
【0023】(製造例1)グラフト共重合体B−1の製
造 攪拌機付き反応器に次の物質を仕込んだ。
【0024】 純水 140 部 ポリブタジエン(固形分として) 60 部 不均化ロジン酸カリウム 2 部 デキストローズ 0.3 部 硫酸第一鉄7水塩 0.005 部 ピロリン酸ナトリウム 0.2 部 上記物質を窒素気流中60℃で加熱攪拌した後、スチレ
ン28部、アクリロニトリル12部、t−ドデシルメル
カプタン0.2部およびクメンヒドロペルオキシド0.
3部を連続的に2時間にわたり滴下した。滴下終了後さ
らに1時間攪拌した後、重合を終了した。得られたグラ
フト共重合体ラテックスに抗酸化剤としてブチル化ヒド
ロキシトルエン2部を加えて5%硫酸水溶液で凝固して
洗浄の後、乾燥して白色粉末のグラフト共重合体B−1
を得た。
【0025】(製造例1−2)グラフト共重合体B−2
の製造 攪拌機付き反応器に純水200部を仕込み窒素置換を行
った後、80℃の温度で過硫酸カリウム0.06部を加
えて、アクリロニトリル3.25部、スチレン9.75
部、トリアリルイソシアヌレート0.06部、ジオクチ
ルスルホサクシネート0.3部を30分にわたって連続
的に滴下して架橋樹脂ラテックスを得た。
【0026】さらに過硫酸カリウム0.24部を追加点
かした後n−ブチルアクリレート47.3部、アクリロ
ニトリル4.7部、トリアリルイソシアヌレート0.3
部、ジオクチルスルホサクシネート0.3部を2時間に
わたって連続的に滴下してアクリルゴムラテックスを得
た。引き続いてアクリロニトリル10部、スチレン30
部、n−オクチルメルカプタン0.04部、過酸化ベン
ゾイル0.2部を2時間にわたって連続的に滴下してグ
ラフト共重合体のラテックスを得た。得られたグラフト
共重合体ラテックスを5倍量の塩化カルシウム水溶液で
凝固して洗浄の後、乾燥して白色粉末のグラフト共重合
体B−2を得た。
【0027】(製造例2)重合体C−1〜3の製造 成分(C)として表1に示した仕込み組成でAS樹脂C
−1〜3を通常の懸濁重合法により製造した。
【0028】C−1〜C−3とも共通の仕込み物質とし
て下記のものを使用した。
【0029】 純水 200部 リン酸カルシウム 1部 GAFAC GB520 1部 (分散助剤 東邦化学(株)製) (AIBN:アソ゛ヒ゛スイソフ゛チロニトリル、t−DM:tert-ト゛テ゛シ
ルメルカフ゜タン)
【0030】
【表1】
【0031】(実施例1)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−2(三菱化成製(株)ノバレックス70
22A)を50部、成分(B)としてグラフト共重合体
B−1を20部、成分(C)として重合体C−1を30
部を用い、添加剤としてアデカスタブAO−50(旭電
化(株)製)0.3部、アデカスタブAO−412S
(旭電化(株)製)0.3部、メタブレンP−551
(三菱レイヨン(株)製)0.5部を加えて、ヘンシェ
ルミキサーで混合した後、二軸押出機(東芝機械(株)
製TEM−35B)にてシリンダー温度250℃で賦形
して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを成形
して各種測定を行った結果を表2に示す。この樹脂組成
物は層状剥離が発生しないとともに、アイゾット衝撃強
度および熱変形温度も優れていることがわかる。
【0032】
【表2】
【0033】(比較例1)比較例1として、成分(A)
にA−2を20部、成分(B)にB−1を20部、成分
(C)にC−1を60部用いて実施例1と同様にして樹
脂組成物のペレットを得て性能を評価した結果を表2に
示す。
【0034】本発明の樹脂組成物の範囲をはずれて成分
(A)が少なく、成分(C)が多い場合には耐衝撃性、
耐熱性が劣った樹脂組成物となることがわかる。
【0035】(比較例2)比較例2として、成分(A)
にA−2を80部、成分(B)にB−1を20部用いて
成分(C)を配合せずに実施例1、比較例1と同様にし
て樹脂組成物のペレットを得て性能を評価した結果を表
2に示す。
【0036】本発明の樹脂組成物の範囲をはずれて成分
(A)が多い場合には、層状剥離が発生しやすいことが
わかる。
【0037】(溶融粘度の測定)ポリカーボネート樹脂
A−2(三菱化成(株)製ノバレックス7022A)、
A−3(三菱化成(株)製ノバレックス7030A)そ
れぞれ単独での溶融粘度を測定した結果を表−3に示
す。また、三菱化成(株)製ノバレックス7022を5
0部と三菱瓦斯化学(株)製AL−071を50部ヘン
シェルミキサーで混合したのち二軸押出機でシリンダー
温度260℃で賦形してポリカーボネート樹脂A−1と
して、溶融粘度を測定した結果を表3に示す。
【0038】実施例および比較例で使用した樹脂組成物
中の成分(B)と成分(C)とのブレンド物として、B
−1を20部とC−1を30部、B−1を20部とC−
2を30部、B−1を20部とC−3を30部それぞれ
ヘンシェルミキサーで混合した後二軸押出機にてシリン
ダー温度200℃で賦形してペレットを得た。このブレ
ンド物の溶融粘度を測定した結果を表3に示す。
【0039】また、同様にして製造例1−2で得たグラ
フト共重合体B−2を20部とC−1を30部をヘンシ
ェルミキサーで混合して二軸押出機でシリンダー温度2
00℃で賦形してペレットを得て溶融粘度を測定した結
果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】(実施例2)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−1を50部、成分(B)としてグラフト
共重合体B−1を20部、成分(C)として重合体C−
3を30部用いて他は実施例1と同様にして樹脂組成物
のペレットを得た。各種物性を評価した結果を表4に示
す。
【0042】実施例1と同様に層状剥離を発生せずに耐
衝撃性、耐熱性共に優れた性能を有していることがわか
る。
【0043】
【表4】
【0044】(実施例3)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−3を50部、成分(B)としてグラフト
共重合体B−1を20部、成分(C)として重合体C−
1を30部用いて他は実施例1と同様にして樹脂組成物
のペレットを得た。各種物性の測定結果を表4に示す。
【0045】(比較例3)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−1を使用した以外は実施例1と同様にし
て樹脂組成物のペレットを得た。物性の測定結果を表4
に示す。
【0046】(比較例4)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−3を50部、成分(B)としてグラフト
共重合体B−1を20部、成分(C)として重合体C−
2を30部用いた他は実施例1と同様にして樹脂組成物
のペレットを得た。各種物性を測定した結果を表4に示
す。
【0047】成分(A)と成分(B)および成分(C)
との溶融粘度比は実施例1では3であり、実施例2では
1/10であり、実施例3では3.2である。樹脂組成
物の成分の構成比は本発明の範囲内にあっても溶融粘度
比が本発明の範囲外である比較例3、比較例4では層状
剥離が発生しやすいことがわかる。
【0048】(実施例4)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−2を50部、成分(B)としてグラフト
共重合体B−2を20部、成分(C)としてC−1を3
0部用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペ
レットを得た。各種物性の測定結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】(比較例5)成分(A)としてポリカーボ
ネート樹脂A−1を50部、成分(B)としてグラフト
共重合体B−2を20部、成分(C)としてC−1を3
0部用いた以外は実施例1と同様にして樹脂組成物のペ
レットを得た。各種物性の測定結果を表5に示す。
【0051】実施例4と比較例5を比べると本発明の樹
脂組成物は層状剥離が発生しにくいことがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は上述の成
分から上述の組成比で構成されており、射出成形により
耐熱性、耐衝撃性に優れると共に層状剥離を発生しにく
い成形品を与えうるものであり電気機器、自動車、事務
機器などの幅広い用途に適した樹脂組成物である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリカーボネート系樹脂 30〜
    70重量部 (B)ゴム質重合体30〜80重量%の存在下に芳香族
    ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、アクリル酸エス
    テル単量体及びメタクリル酸エステル単量体の中から選
    ばれる少なくとも1種類の単量体70〜20重量%を重
    合して得られるグラフト共重合体 20〜60重量部 (C)芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、マ
    レイミド系単量体、アクリル酸エステル単量体及びメタ
    クリル酸エステル単量体からなる群から選ばれる少なく
    とも1種類の単量体を重合して得られる重合体 40重
    量部以下を合計量100重量部となるように配合された
    熱可塑性樹脂組成物において、260℃の温度下におけ
    る剪断速度103sec-1下での上記(A)成分の溶融粘度
    と(B)および(C)成分との溶融粘度の比が1/3以
    下または2.5以上であることを特徴とする熱可塑性樹
    脂組成物。
JP29009294A 1994-11-24 1994-11-24 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH08143742A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241201A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Toray Ind Inc スチレン系樹脂組成物およびその製造方法

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