JP2005268630A - クロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は上述した問題点を解決することを目的としてなされたもので、製品板(歪み取り焼鈍前の電磁鋼板)の耐食性および耐粉吹き性、耐べタツキ性が良好な絶縁被膜付き電磁鋼板を提供すること。
【解決手段】Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を主成分とする絶縁被膜を有する電磁鋼板において、該絶縁被膜が、該無機物の各々をSiO換算、Al換算、PO換算し合計した量で100質量部に対し、Zr化合物をZrO換算で10〜90質量部含有する、耐食性、耐粉吹き性、および耐ベタツキ性に優れたクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロム化合物を含有しない無機物を主成分とする絶縁被膜付き電磁鋼板に関する。
モータや変圧機等に使用される電磁鋼板の絶縁被膜は、層間抵抗だけでなく、加工成形時の利便さおよび保管、使用時の安定性など種々の特性が要求される。電磁鋼板は多様な用途に使用されるため、その用途に応じて種々の絶縁被膜の開発が行われている。電磁鋼板に打抜加工、せん断加工、曲げ加工などを施すと残留歪みにより磁気特性が劣化するが、劣化した磁気特性を回復させるため750〜850℃程度で歪取り焼純を行う場合が多い。この場合には絶縁被膜が歪取り焼鈍に耐えるものでなければならない。
絶縁被膜は、(1)溶接性、耐熱性を重視し、歪取り焼鈍に耐える無機被膜、(2)打抜性、溶接性の両立を目指し歪取り焼鈍に耐える樹脂含有の無機被膜、(3)特殊用途で歪取り焼鈍不可の有機被膜、の3種に大別されるが、汎用品として歪取り焼鈍に耐えるのは(1)、(2)の無機質を含む被膜であり、両者ともクロム化合物を含むものであった。特に、(2)のタイプで有機樹脂を含有したクロム酸塩系絶縁被膜は、1コート1ベークの製造で無機系絶縁被膜に比較して打抜性を格段に向上させることができるので広く利用されている。例えば、特許文献1には、少なくとも1種の2価金属を含む重クロム酸塩系水溶液に、該水溶液中のCrO:100重量部に対し有機樹脂として酢酸ビニル/ベオバ比が90/10〜40/60の比率になる樹脂エマルジョンを樹脂固形分で5〜120重量部および有機還元剤を10〜60重量部の割合で配合した処理液を、基地鉄板の表面に塗布し、常法による焼付け工程を経て得たものであることを特徴とする電気絶縁被膜を有する電磁鋼板が記載されている。
しかし、昨今、環境意識が高まり、電磁鋼板の分野においてもクロム化合物を含まない絶縁被膜を有する製品が需要家等からも望まれている。
そこで、クロム化合物を含まない絶縁被膜付き電磁鋼板が開発され、例えば、クロムを含まず打抜性が良好な絶縁被膜として樹脂およびコロイダルシリカ(アルミナ含有シリカ)を成分としたものが特許文献2に記載されている。また、コロイド状シリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾルの1種または2種以上よりなり、水溶性またはエマルジョン樹脂を含有する絶縁被膜が特許文献3に記載され、クロムを含まないリン酸塩を主体とし、樹脂を含有した絶縁被膜が特許文献4に記載されている。
しかし、これらのクロム化合物を含まない絶縁被膜付き電磁鋼板は、クロム化合物を含む場合と比べ、無機物同士の結合が比較的弱く、耐食性が劣化する問題があった。また、スリット加工においてフェルトで鋼板表面を擦ってバックテンションをかけた場合(テンションパッドの使用)、粉吹き発生の問題があった。さらに、条件によっては、ベタツキの顕在化の問題があった。
例えば、特許文献3にコロイド状シリカ、アルミナゾル、ジルコニアゾルの1種または2種以上を使用して絶縁被膜を形成する方法が記載されている。しかし、この方法を適用しても、ジルコニアゾルの混合比率が約50質量%以上であると、前記の問題が発生する場合があった。
また、特許文献4に記載されているリン酸塩被膜でクロムを含まない組成の場合にはベタツキが発生し、前記の問題が顕在化する傾向があった。
特公昭60−36476号公報 特開平10−130858公報 特開平10−46350公報 特許第2944849明細書
本発明は上述した問題点を解決することを目的としてなされたもので、製品板(歪取り焼鈍前の電磁鋼板)の耐食性、耐粉吹き性、および耐べタツキ性が良好なクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を主成分として、Zr化合物を特定量含有させることで、前記被膜特性を有するクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(a)〜(c)を提供する。
(a) Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を主成分とする絶縁被膜を有する電磁鋼板において、
該絶縁被膜が、
該無機物の各々をSiO換算、Al換算、PO換算し合計した量で100質量部に対し、
Zr化合物をZrO換算で10〜90質量部含有する、
耐食性、耐粉吹き性、および耐ベタツキ性に優れたクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
(b) 前記Zr化合物が、水溶性のZr化合物を含む組成物を鋼板に塗布し、焼付けて得られる、前記(a)に記載のクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
(c) 前記絶縁被膜が、前記無機物の各々と前記Zr化合物とをSiO換算、Al換算、PO換算、ZrO換算し合計した量で100質量部に対し、
さらに樹脂を、50質量部以下含有する、前記(a)または(b)に記載のクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
尚、「クロムフリー」もしくは「クロムを含まない」とは意図的にクロムを含有させることがないことを意味し、クロムを全く含有しないことを意味しない。つまり、クロムが原料等から不純物として混入すること等は、前記無機物の各々と前記Zr化合物とをSiO換算、Al換算、PO換算、ZrO換算し合計した量で100質量部に対し、混入等したCr化合物がCrO換算した量で0.1質量部以下であれば、許容される。
本発明により製品板の耐食性、耐粉吹き性、および耐ベタツキ性に優れるクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板を得ることができる。
以下に、本発明に係るクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板を、その製造プロセス例に基づいて具体的に説明する。
本発明は、
Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を主成分とする絶縁被膜を有する電磁鋼板において、
該絶縁被膜が、
該無機物の各々をSiO換算、Al換算、PO換算し合計した量で100質量部に対し、
Zr化合物をZrO換算で10〜90質量部含有する、
耐食性、耐粉吹き性、および耐ベタツキ性に優れたクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板
である。
本発明において、電磁鋼板(電気鉄板)は、比抵抗を変化させて所望の磁気特性を得るために調整されたどのような組成の鋼板でもよく、特に制限されない。また、絶縁被膜が形成される電磁鋼板の表面は、未処理のままでもよく、あるいは前処理されていてもよい。前処理は任意であるが、アルカリなどによる脱脂処理、および、塩酸、硫酸、リン酸などの酸洗処理が好ましく適用される。
前記電磁鋼板の表面に、Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物と、Zr化合物とを含む処理液を使用して、実質的にクロムを含まない絶縁被膜付き電磁鋼板を形成する。
<Zr化合物>
本発明ではZr化合物を特定量含有することが必要である。適切な量としては、Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を、各々、SiO換算、Al換算、PO換算し、それらを合計した量の100質量部に対して、10〜90質量部であり、好ましくは15〜80質量部であり、さらに好ましくは20〜70質量部である。Zr化合物は3つ以上、一般には4つの結合手を持つので、架橋反応を起こすことでクロム化合物を使用しなくても強靭な被膜を形成することができるが、特に、Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を主成分として、Zr化合物を該特定含有量で含有した場合においてのみ、大きな効果が得られるからである。
Zr化合物が単体または主成分とした場合では結合手が多いためネットワークがうまく形成されず、却って脆弱な被膜になり耐食性も劣ると考えられ、逆に添加量が少ない場合には当然ながらその効果が発揮されない。つまり、他の特定の無機物の存在があって始めてその効果を発揮できるものと考えられる。
結合の形態としては酸素を介してAl−O−Zr−O−Al、Si−O−Zr−O−Si、P−O−Zr−O−Pといった結合状態になっていると考えられる。また、有機樹脂に対してもカルボキシル基、水酸基などに対してCO−O−Zr−O−OC、C−O−Zr−O−Cといった結合を取っていると考えられる。シリコーンなどの樹脂に対しても同様の効果があると考えられる。
つまり、Si、Al、Pからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、Zr元素とを含有する複合酸化物被膜が形成されていると考えられる。
本発明のZr化合物としては、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、リン酸ナトリウムジルコニウム、六フッ化ジルコニウムカリウム、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシステアレートなどを挙げることができ、無機成分との相性によって選択できる。これらは1種または2種以上混合して用いることができる。
本発明のZr化合物は、ペースト状の水に不溶性のものより、水溶性のものが好ましい。上記の結合が強固となり、より緻密な被膜を形成するからである。
<Si化合物>
Si化合物としては、コロイダルシリカが好ましく適用される。
コロイダルシリカはSiOを主成分とする無機コロイドでありアモルファス状であることが多い。粒子径は、好ましくは20nm以下、さらに好ましくは10nm以下であり、小さいほど良好な被膜が形成されるため、下限は特に限定されない。超微細な粒子はその表面積が大きいことにより、他の成分との相互作用が高くなって被膜の強さが増すものと考えられる。ただし、粒子径が小さくなるに従いシリカ粒子同士および他成分との間で凝集が起こりやすくなるため、コロイダルシリカの濃度を低くしなければならなくなる。これらの点を考慮して実用に耐え得る粒子径に設定することができる。
平均粒子径はBET法(吸着法による比表面積から換算)により測定できる。また、電子顕微鏡写真から実測した平均値で代用することも可能である。
<Al化合物>
Al化合物としては水酸基および有機酸からなるAl化合物および/またはその脱水反応物が好ましく適用され、例えば、アルミナゾルを挙げることができる。水系塗料にて鋼板に塗布焼付けするため、Al化合物は水に溶解またはコロイドや懸濁状態で分散できるものであることが好ましい。また、形状は特性上問題なければ羽毛状、球状など、どのようなものでも構わない。
<P化合物>
P化合物としてはリン酸塩が適用でき、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸鉄、リン酸亜鉛などを挙げることができる。
Si化合物、Al化合物、P化合物は十分な被膜特性が得られれば単独または複合して用いることができる。具体的な例としてはシリカゾルとアルミナゾル、リン酸塩とシリカゾル、リン酸塩とアルミナゾル、シリカゾルとアルミナゾルとリン酸塩の複合系を挙げることができる。
<樹脂について>
本発明では、絶縁被膜を形成するための上記処理液中に、Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を、各々、SiO換算、Al換算、PO換算し、それらとZr化合物をZrO換算した量との合計した量の100質量部に対して、50質量部以下で樹脂を含ませることが好ましい。樹脂を含まなくても実用上十分な被膜を形成できるが、樹脂を少量添加することにより更に耐食性を向上させることができる。これは、無機成分のみでは造膜時などの収縮によりクラックが入りやすいが、樹脂添加により収縮応力が緩和されるためと考えられる。
樹脂を添加した場合、300℃以下の低温焼付で製造した場合においても、耐食性に優れる。
このような効果を得るためには、Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を、各々、SiO換算、Al換算、PO換算し、それらとZr化合物をZrO換算した量との合計した量の100質量部に対して、樹脂を10質量部以上含ませることが好ましい。一方、50質量部を超えると、歪取り焼鈍後の被膜が脆弱となり、剥離しやすくなる傾向があるので、50質量部以下とする。より好ましい上記で規定される樹脂量は10〜40質量部である。
樹脂成分としては特に指定しないが、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等の1種または2種以上の水性樹脂(エマルジョン、ディスパーション、水溶性)であることが好ましい。
<その他添加剤>
尚、被膜の性能や均一性を一層向上させるために、必要に応じて、界面活性剤、防錆剤、ホウ酸、シランカップリング剤、潤滑剤、酸化防止剤等の添加剤を配合してもよい。この場合、十分な被膜特性を維持するために乾燥後の被膜固形分重量に対して10質量%程度以下とすることが好ましい。
<絶縁被膜形成法>
電磁鋼板上にSi化合物、Al化合物、P化合物、Zr化合物、そして必要ならば樹脂等を含む処理液を塗布して焼付けることにより被膜を形成する。絶縁被膜形成方法は一般工業的に用いられるロールコーター、フローコーター、スプレー、ナイフコーター等種々の方法が適用可能である。焼付け方法についても通常実施されるような熱風式、赤外式、誘導加熱式等の通常の方法が適用可能である。焼付け温度も通常レベルであればよく、到達温度で150〜350℃程度であればよい。
<焼鈍方法>
本発明のクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板は、歪取り焼鈍を施して、例えば、打抜き加工による歪みを除去することができる。好ましい歪取り焼鈍雰囲気としては、N雰囲気、DXガス雰囲気などの鉄が酸化されにくい雰囲気が適用される。ここで、露点を高く、例えばDp5〜60℃程度に設定し、表面および切断端面を若干酸化させることで耐食性をさらに向上させることができる。また、好ましい歪取り焼鈍温度としては700〜900℃、より好ましくは750〜850℃である。歪取り焼鈍温度の保持時間は長い方が好ましいが、2時間以上がより好ましい。
<絶縁被膜付着量>
絶縁被膜の付着量は特に指定しないが、片面あたり0.05〜5g/mであることが好ましい。付着量が0.05g/m未満であると耐食性ばかりか絶縁性が不足する傾向があり、付着量が5g/m超であると、密着性が低下し、塗装焼付時にふくれが発生するなど塗装性が低下する傾向があるからである。より好ましくは0.1〜3.0g/mである。
付着量、即ち、被膜固形分重量はアルカリ剥離による被膜除去後の重量減少から測定することができる。
絶縁被膜は鋼板の両面にあることが好ましいが、目的によっては片面のみでも横わない。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜37および比較例1〜17>
Si化合物、Al化合物、P化合物、Zr化合物、および樹脂を、第1表に示す質量部(換算量)となるように脱イオン水に添加し、各処理液を調整した。ここで、SiO、Al、PO、ZrO換算量の合計が脱イオン水量に対して、50g/l添加された処理液となるように調整した。
これらの各処理液を、板厚0.5mmの電磁鋼板から幅150mm、長さ300mmの大きさに切り出した試験片の表面にロールコーターで塗布し、プロパンガス直火により到達温度230℃で焼付けした後、常温で放冷し、絶縁被膜を形成した。
各性能評価法は以下の通りである。
<耐食性評価>
各処理液を塗布した各試験片を、相対湿度98%、50℃の恒温恒湿槽に2日間保持し、試験片表面の錆び発生面積率を求め、耐食性を下記の判定基準に従って評価した。尚、錆び発生面積率とは、目視による観測全面積に対する、錆び発生面積の合計の百分率である。
(判定基準)
◎;錆び発生面積率=0〜5%
○;錆び発生面積率=5〜20%
△;錆び発生面積率=20〜50%
×;錆び発生面積率=50%以上
<製品板耐粉吹き性>
試験条件:フェルト接触面幅20×10mm、荷重:2kg/cm(0.2MPa)、被膜表面を400m単純往復。試験後の擦り跡を観察し、被膜の剥離状態および粉吹き状態を評価した。
(判定基準)
◎;ほとんど擦り跡が認められない
○;若干の擦り跡および若干の粉吹が認められる程度
△;被膜の剥離が進行し擦り跡および粉吹きがはっきりわかる程度
×;地鉄が露出するほど剥離し粉塵が甚大
<ベタツキ性>
各処理液を塗布した各試験片を、相対湿度80%、50℃の恒温恒湿槽に7日間保持した後、試験片表面の被膜状態を目視等行いベタツキ性を調査し、下記の判定基準に従って評価した。
(判定基準)
あり:吸湿して被膜が白く変色、または、触ってヌメリがある状態
なし:試験前と変化なし
Figure 2005268630
Figure 2005268630
第1表、図1、2から明らかなように、本発明の実施例においては、いずれも耐食性、耐粉吹き性、および耐ベタツキ性に優れている。
図1は、Zr化合物の添加量が耐食性に与える影響を示す図である。 図2は、Zr化合物の添加量が耐粉吹き性に与える影響を示す図である。

Claims (3)

  1. Si化合物、Al化合物、P化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の無機物を主成分とする絶縁被膜を有する電磁鋼板において、
    該絶縁被膜が、
    該無機物の各々をSiO換算、Al換算、PO換算し合計した量で100質量部に対し、
    Zr化合物をZrO換算で10〜90質量部含有する、
    耐食性、耐粉吹き性、および耐ベタツキ性に優れたクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
  2. 前記Zr化合物が、水溶性のZr化合物を含む組成物を鋼板に塗布し、焼付けて得られる、請求項1に記載のクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
  3. 前記絶縁被膜が、前記無機物の各々と前記Zr化合物とをSiO換算、Al換算、PO換算、ZrO換算し合計した量で100質量部に対し、
    さらに樹脂を、50質量部以下含有する、請求項1または2に記載のクロムフリー絶縁被膜付き電磁鋼板。
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