JP2005140022A - エンジンの油供給装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 吸込ポート36と第1吐出ポート31と第2吐出ポート32とを備えたポンプ本体1と、送給油路5と、第1油路61と、第2油路62と、送給油路5への作動オイルの油圧に応答して作動する弁体47を備えた油圧制御バルブ4からの作動オイルを吸込ポート36に返送する帰還油路66とを備え、さらに、弁体47が、作動オイル収容部48を第1弁室48aと第2弁室48bとに分割し、送給油路5への作動オイルの油圧が所定域のときに、第2吐出ポート32からの作動オイルを第1弁室48a経由で送給油路5に送給し、送給油路5への作動オイルの油圧が所定域よりも大きいときに、第2吐出ポート32からの作動オイルを第2弁室48b経由で送給油路5に送給する油供給装置X。
【選択図】 図1
Description
そして、この制御弁は、第1油路の油圧が所定域よりも小さいときには第1油路と第2油路との作動オイルを合流させて送給油路に送給する第1形態と、第1油路の油圧が所定域よりも大きいときには第1油路と第2油路との作動オイルの合流を阻止し、第1油路の作動オイルを送給油路に送給すると共に第2油路の作動油を帰還油路に帰還させる第2形態とに切換可能となっていた。
ロータの回転数が所定回転数(N1)を越えるY点からの第1中速域は、第1油路の油圧上昇に伴って弁体が制御弁内を摺動し、帰還油路への経路が連通する状態となる。このため回転数の増加に対する吐出量の増加割合が小さくなる(図9:Y−Z線)。
ロータの回転数が更に増加して第2中速域であるZ点に到達すると、弁体が更に制御弁内を摺動して第1油路と第2油路との作動オイルの合流が阻止される(第2形態)。このとき、油供給装置からの作動オイルの吐出量は第1吐出ポートの吐出量を示す一点鎖線b上にあり、その後の高速域では、略一点鎖線bに近似した特性となる。つまり、送給油路への作動オイルの送給量は、第1吐出ポートの吐出量と略等しくなる。
一方、ロータの回転数が増して第1吐出ポートからの吐出量が増して第1油路のみで必要油圧が確保される場合には、第2吐出ポートから送給された第2油路における余剰の作動オイルを帰還油路を介して吸込ポート側に帰還させる第2形態とする。この様に余剰の作動オイルを送給油路に送給することなく、第2油路から帰還油路に帰還させれば、余剰の作動オイルには大きな油圧が作用しない。よって、第1油路のみで必要油圧が確保された場合において、オイルポンプ装置における余分の仕事は低減または回避され、油供給装置の駆動馬力を低減できる。
ここで、図9に示したように、ロータの回転数が増加してZ点に到達すると、油供給装置からの作動オイルの吐出量(図9実線)は第1吐出ポートの吐出量を示す一点鎖線bに近似した特性となっている。この一点鎖線bと実線との間の差は、上述した油漏れ等に起因する。
上記目的を達成するための本発明に係るエンジンの油供給装置の第1特徴構成は、クランクシャフトと同期して駆動するロータの回転に伴って作動オイルを吸い込む吸込ポートを備えると共に、前記ロータの回転に伴って作動オイルを吐出する第1吐出ポート及び第2吐出ポートを備えたポンプ本体と、作動オイル被送給部に作動オイルを送給する送給油路と、少なくとも前記第1吐出ポートからの作動オイルを前記送給油路に送給する第1油路と、前記第2吐出ポートからの作動オイルを前記送給油路に送給する第2油路と、前記送給油路への作動オイルの油圧に応答して作動する弁体を備えた油圧制御バルブからの作動オイルを前記吸込ポート及びオイルパンの少なくとも何れか一方に返送する帰還油路とを備えたエンジンの油供給装置において、前記弁体が、前記油圧制御バルブ内に作動オイルを収容する作動オイル収容部を第1弁室と第2弁室とに分割し、前記送給油路への作動オイルの油圧が所定域のときに、前記第2吐出ポートからの作動オイルを前記第1弁室経由で前記送給油路に送給し、前記送給油路への作動オイルの油圧が前記所定域よりも大きいときに、前記第2吐出ポートからの作動オイルを前記第2弁室経由で前記送給油路に送給するように構成してある点にあり、その作用効果は以下の通りである。
内燃機関の回転数及びロータ2の回転数が増して第1吐出ポートから吐出された作動オイルの油圧が所定量よりも大きくなり、第1吐出ポートからの作動オイルだけで送給油路の必要油圧が確保された場合には、第1油路からの作動オイルと第2油路からの作動オイルとを合流させる必要がなくなる(図8:P−Q線、Q−R線)。
第1油路のみで必要油圧が確保された場合には、第2油路における余剰の作動オイルを送給油路に送給することなく帰還油路に帰還させれば、余剰の作動オイルには大きな油圧が作用しない。
従って、必要油圧が確保された場合においては、余分の仕事は低減、回避され、その分油供給装置の駆動馬力は低減される。
そのため、本構成では、送給油路への作動オイルの油圧が所定域よりも大きいときに、第2吐出ポートからの作動オイルを第2弁室経由で送給油路に送給するように構成した。このとき、送給油路への作動オイルの送給量が一旦、第1吐出ポートからの作動オイルのみとなった後であっても、送給油路への作動オイルの送給量を、再度、第1吐出ポートの吐出量と第2吐出ポートの吐出量とを合わせた量(図8:S−T線)とすることができる。
これにより、ロータ回転数が高速域においても、再度、送給できる作動オイルの容量を増大できるため、作動オイル被送給部に送給する必要油量を確実に確保できる。
本発明に係るエンジンの油供給装置の第2特徴構成は、前記第1弁室及び前記第2弁室は、前記第2油路と連通するとき、前記第1吐出ポート及び前記帰還油路の少なくとも何れか一方と連通するように構成してある点にある。
図3において、第1弁室48aが第2油路62と連通するとき、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通する、つまり、第1弁室48aは第1吐出ポート31と連通する。このとき、帰還ポート43aを閉状態とするように構成してある。
図4において、弁体47の弁室40内の摺動に伴い、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通すると共に、帰還ポート43aを開状態、つまり、第1弁室48aは帰還油路66と連通するように構成してある。
従って、第1弁室48aは、第2油路62と連通するとき、第1吐出ポート31及び帰還油路66の少なくとも何れか一方と連通するように構成してある。
図5の状態からさらに弁体47が弁室40内を摺動すると、第1弁室48aの下面と第2弁室48bの上面を規定する分割体47aの直ぐ下面で、第2弁室48bにおいて、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通開始する。
図6において、第2弁室48bが第2油路62と連通するとき、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通する、つまり、第2弁室48bは第1吐出ポート31と連通する。このとき、帰還ポート43aを閉状態とするように構成してある。
図7において、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通すると共に、帰還ポート43aが開状態、つまり、第2弁室48bは帰還油路66と連通するように構成してある。
従って、第2弁室48bは、第2油路62と連通するとき、第1吐出ポート31及び帰還油路66の少なくとも何れか一方と連通するように構成してある。
本実施例では、車両に搭載して内燃機関のクランクシャフトの回転に伴い油圧を発生させる油供給装置を示す。図1に油供給装置の概念構成図、図2に実際の搭載設計図の概要を示す。
油供給装置Xに係るポンプ本体1は金属製(例えばアルミ系合金、鉄系合金)であり、ポンプ本体1内部にはポンプ室10が形成されている。ポンプ室10には、多数個の内歯11を備えたドリブンギヤを構成する内歯車部12が形成してある。
ロータ2には、多数個の外歯21を備えたドライブギヤを構成する外歯車部22が形成してある。内歯11及び外歯21はトロコイド曲線又はサイクロイド曲線等で規定されている。ロータ2の回転方向は矢印A1方向であり、ロータ2の回転に伴いロータ2の外歯21が内歯11に次々と入り込み、内歯車部12も同方向に回転する。外歯21と内歯11とにより空間22a〜22kが形成される。図1では、空間22kは最も容積が大きなものであり、空間22e及び22fは最も容積が小さくなっている。
このとき、例えば、空間22e〜22aにいくに従い、次第に容積が大きくなるため吸込圧が生成し、作動オイルの吸込作用が得られる。また、空間22j〜22fは、次第に容積が小さくなるため吐出圧が生成し、作動オイルの吐出作用が得られる。
また、ポンプ本体1には、吸込ポート36が形成してある。吸込ポート36は、ロータ2の回転に伴いポンプ室10に作動オイルを吸い込むポートである。吸込ポート36は端辺36a、36cを備えている。
尚、仕切部37の幅は、ロータ回転による内歯11と外歯21の歯間の空間の圧縮工程の中で歯間の作動オイル閉じ込みによる油圧上昇が起きないように、メイン吐出ポート31とサブ吐出ポート32との間に位置する歯間の幅より狭くする。
送給油路5は、作動オイル被送給部7に作動オイルを送給する油路である。
作動オイル被送給部7は、例えば、給油を必要とするすべり軸受やベアリング等の潤滑装置、内燃機関の動弁機構、内燃機関のシリンダやピストン等の駆動機構が挙げられる。
このとき、図1では、サブ吐出ポート32から吐出された作動オイルは、油圧制御バルブ4及びメイン吐出ポート31を経由した後、第1油路61を経て送給油路5に送給される場合を例示してある。
油圧制御バルブ4は、送給油路5への作動オイルの油圧に応答して作動する弁体47を備えており、弁体47が摺動自在な空間である弁室40を備えている。弁室40には、弁体47がバネ49に矢印B1方向に付勢された状態で装入してある。
さらに、弁体47には、作動オイル収容部48を第1弁室48aと第2弁室48bとに分割する分割体47aが設けてある。
エンジン始動直後等、ロータ2の回転数が少ない低速域の場合(例えば1500回転程度まで)、吐出ポート群33から吐出された第1油路61の作動オイルの油圧により送給油路5へ作動オイルを送給する。また、このときの油圧が中間油路61r及び油圧制御バルブ4の第1弁ポート41を介して弁体47に作用する。これにより弁体47を駆動させる弁体駆動力F1が生じる。弁体駆動力F1がバネ49の付勢力F3よりも小さなときには(F1<F3)、バネ49により弁体47は矢印B1方向に移動する(図1)。
つまり、送給油路5への作動オイルの油圧が所定域のときに、サブ吐出ポート32からの作動オイルを第1弁室48a経由で送給油路5に送給可能となっている。
このとき、送給油路5へ送給される油量は、図8のO―P線で示される特性、つまり、ロータ2の回転数が増加するに伴い、メイン吐出ポート31からの作動オイルの吐出量が増加し、第1油路61の油圧が増大すると共に、サブ吐出ポート32からの作動オイルの吐出量が増加し、第2油路62の油圧が増大する特性が得られる。
駆動源である内燃機関のクランクシャフトの回転数の増加に伴ってロータ2の回転数が増加し、ロータの回転数が所定回転数(N1:例えば1500回転)を越える第1中速域において、弁体駆動力F1が増加してバネ49の付勢力F3に打ち勝つと(F1>F3)、弁体駆動力F1と付勢力F3とが均衡するまで弁体47は矢印B2方向(図1参照)に移動する。
このとき、送給油路5へ送給される油量は、図8のP−Q線で示される特性となる。つまり、帰還油路66への経路が連通する状態となるため、ロータの回転数の増加に対する吐出量の増加割合が小さくなる。
ロータの回転数がさらに上昇するN2(例えば2500回転)以上になると、弁体47はさらに矢印B2方向(図1参照)に移動する。
つまり、送給油路5への作動オイルの油圧が所定域より大きいときに、メイン吐出ポート31からの作動オイルを送給油路5に送給し、サブ吐出ポート32からの作動オイルを、第1弁室48aを経由して帰還油路66に送給可能となる。
このとき、送給油路5へ送給される油量は、図8のQ−R線で示される特性となる。つまり、形態Cの場合、送給油路5への油量はメイン吐出ポート31からの油量と等しくなる。
ロータの回転数がさらに上昇するN3(例えば4000回転)以上の第2中速域になると、弁体47はさらに矢印B2方向(図1参照)に移動する。
つまり、送給油路5への作動オイルの油圧が所定域よりも大きいときに、サブ吐出ポート32からの作動オイルを第2弁室48b経由で送給油路5に送給するように構成することになる。
このとき、送給油路5への油量は、図8のR―T線で示される特性となる。つまり、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通した後、作動オイルの帰還ポート43aへの移送が停止するため、帰還ポート43aへ移送されていた作動オイルの移送先が送給油路5に変更される。そのため、送給油路5への作動オイルの送給量が上昇し(図8:R―S線)、その後、メイン吐出ポート31の吐出量とサブ吐出ポート32の吐出量とを合わせた量となる(図8:S―T線)。
ロータの回転数がさらに上昇するN4(例えば4500回転)以上になる高速域になると、弁体47はさらに矢印B2方向(図1参照)に移動する。
このとき、送給油路5へ送給される油量は、図8のT―U線で示される特性となる。つまり、帰還油路66への経路が連通する状態となるため、ロータの回転数の増加に対する吐出量の増加割合が小さくなる。
内燃機関の回転数及びロータ2の回転数が増してメイン吐出ポート31から吐出された作動オイルの油圧が所定域よりも大きくなり、メイン吐出ポート31からの作動オイルだけで送給油路5の必要油圧が確保された場合には、第1油路61からの作動オイルと第2油路62からの作動オイルとを合流させる必要がなくなる(図8:P−Q線、Q−R線)。
第1油路61のみで必要油圧が確保された場合には、第2油路62における余剰の作動オイルを送給油路5に送給することなく帰還油路66に帰還させれば、余剰の作動オイルには大きな油圧が作用しない。
そのため、本発明では、送給油路5への作動オイルの油圧が所定域よりも大きいときに、サブ吐出ポート32からの作動オイルを第2弁室48b経由で送給油路5に送給するように構成した。このとき、送給油路5への作動オイルの送給量は、再度、メイン吐出ポート31の吐出量とサブ吐出ポート32の吐出量とを合わせた量(図8:S−T線)とすることができる。
これにより、ロータ回転数が高速域においても、再度、送給できる作動オイルの容量を増大できるため、送給する必要油量を確実に確保できる。
図3において、第1弁室48aが第2油路62と連通するとき、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通する、つまり、第1弁室48aは第1吐出ポート31と連通する。このとき、帰還ポート43aを閉状態とするように構成してある。
図4において、弁体47の弁室40内の摺動に伴い、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通すると共に、帰還ポート43aを開状態、つまり、第1弁室48aは帰還油路66と連通するように構成してある。
従って、第1弁室48aは、第2油路62と連通するとき、第1吐出ポート31及び帰還油路66の少なくとも何れか一方と連通するように構成してある。
図5の状態からさらに弁体47が弁室40内を摺動すると、第1弁室48aの下面と第2弁室48bの上面を規定する分割体47aの直ぐ下面で、第2弁室48bにおいて、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通開始する。
図6において、第2弁室48bが第2油路62と連通するとき、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通する、つまり、第2弁室48bは第1吐出ポート31と連通する。このとき、帰還ポート43aを閉状態とするように構成してある。
図7において、第2弁ポート42と合流ポート44とが連通すると共に、帰還ポート43aが開状態、つまり、第2弁室48bは帰還油路66と連通するように構成してある。
従って、第2弁室48bは、第2油路62と連通するとき、第1吐出ポート31及び帰還油路66の少なくとも何れか一方と連通するように構成してある。
31 第1吐出ポート
32 第2吐出ポート
36 吸込ポート
4 油圧制御バルブ
47 弁体
48 作動オイル収容部
48a 第1弁室
48b 第2弁室
5 送給油路
61 第1油路
62 第2油路
66 帰還油路
X 油供給装置
Claims (2)
- クランクシャフトと同期して駆動するロータの回転に伴って作動オイルを吸い込む吸込ポートを備えると共に、前記ロータの回転に伴って作動オイルを吐出する第1吐出ポート及び第2吐出ポートを備えたポンプ本体と、
作動オイル被送給部に作動オイルを送給する送給油路と、
少なくとも前記第1吐出ポートからの作動オイルを前記送給油路に送給する第1油路と、
前記第2吐出ポートからの作動オイルを前記送給油路に送給する第2油路と、
前記送給油路への作動オイルの油圧に応答して作動する弁体を備えた油圧制御バルブからの作動オイルを前記吸込ポート及びオイルパンの少なくとも一方に返送する帰還油路とを備えたエンジンの油供給装置において、
前記弁体が、前記油圧制御バルブ内に作動オイルを収容する作動オイル収容部を第1弁室と第2弁室とに分割し、
前記送給油路への作動オイルの油圧が所定域のときに、前記第2吐出ポートからの作動オイルを前記第1弁室経由で前記送給油路に送給し、
前記送給油路への作動オイルの油圧が前記所定域よりも大きいときに、前記第2吐出ポートからの作動オイルを前記第2弁室経由で前記送給油路に送給するように構成してあるエンジンの油供給装置。 - 前記第1弁室及び前記第2弁室は、前記第2油路と連通するとき、前記第1吐出ポート及び前記帰還油路の少なくとも何れか一方と連通するように構成してある請求項1に記載のエンジンの油供給装置。
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