JP2006214286A - オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易な構成により、作動オイルの温度に応じた吐出圧の制御を適切に行うことが可能なオイルポンプを提供する。
【解決手段】 弁ハウジング41内で往復動作可能に設けられ、弁ハウジング41内での位置によってポンプ本体1からの作動オイルの吐出圧を制御する弁体42と、弁ハウジング41内における弁体42の一方側に形成されてポンプ本体1からの作動オイルの吐出圧が作用する第一弁室43と、弁ハウジング41内における弁体42の他方側に形成されて作動オイルが流入可能とされた第二弁室44とを備える第一制御弁4と、作動オイルの温度に応じて動作し、第二弁室44に流入する作動オイルの油圧を制御する第二制御弁7と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、吐出圧を制御するための制御弁を備えることにより、作動オイルの吐出圧を適切に制御することが可能なオイルポンプに関する。
作動オイルの吐出圧を制御可能なオイルポンプに関する技術として、例えば下記の特許文献1には、以下のようなオイルポンプの構成が開示されている。このオイルポンプは、図15に示すように、ポンプ室110を有するポンプ本体101と、駆動源によりポンプ室110内で回転されるロータ102と、該ロータ102の回転に伴いポンプ室110に作動オイルを吸い込む吸込ポート136と、ロータ102の回転に伴いポンプ室110から作動オイルを吐出する第1吐出ポート131及び第2吐出ポート132とを有し、作動オイルの供給先に連通する吐出油路105と第1吐出ポート131とをつなぎ、該第1吐出ポート131からの作動オイルを吐出油路105に送給する第1油路151と、吐出油路105と第2吐出ポート132とをつなぎ、該第2吐出ポート132からの作動オイルを吐出油路105に送給する第2油路152と、該第2油路152につながると共に吸込ポート136側に連通する帰還油路106と、第1油路151の油圧、油温、スロットル開度、駆動源である内燃機関の回転数等に応じて制御信号を出力する制御装置107と、第1油路151、第2油路152及び帰還油路106につながって配置され、制御装置107の制御信号に基づいて作動する制御弁104を備えた構成となっている。
ここで、制御弁104は、具体的には比例電磁制御手段108により駆動される。そして、制御装置107は、第1油路151の油圧、油温、スロットル開度、内燃機関の回転数を直接または間接的に検出し、その検出信号に基づいて、所定の吐出特性が得られる様に制御弁104を動作させる制御信号を出力する。これにより、内燃機関の使用条件に応じて、電磁制御により最適な吐出圧に設定でき、無駄なポンプ仕事を低減することができる。
特許3531769号公報(第1−2頁及び第6頁、第8−9図)
しかしながら、上記のようなオイルポンプの構成では、制御弁104を駆動するためのソレノイド等の電磁制御手段108、この電磁制御手段108に対する制御信号を生成するための制御装置107、更には、この制御装置107に対して油圧、油温、スロットル開度等の情報を出力するためのセンサ等の検知手段を備える必要があり、オイルポンプの吐出圧を制御するための構成が複雑になり、オイルポンプの製造コストの上昇要因になるという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成により、作動オイルの温度に応じた吐出圧の制御を適切に行うことが可能なオイルポンプを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るオイルポンプの特徴構成は、弁ハウジング内で往復動作可能に設けられ、前記弁ハウジング内での位置によってポンプ本体からの作動オイルの吐出圧を制御する弁体と、前記弁ハウジング内における前記弁体の一方側に形成されてポンプ本体からの作動オイルの吐出圧が作用する第一弁室と、前記弁ハウジング内における前記弁体の他方側に形成されて作動オイルが流入可能とされた第二弁室とを備える第一制御弁と、作動オイルの温度に応じて動作し、前記第二弁室に流入する作動オイルの油圧を制御する第二制御弁と、を備える点にある。
この特徴構成によれば、前記第二制御弁が、作動オイルの温度に応じて、前記弁体を挟んで作動オイルの吐出圧が作用する前記第一弁室に対向する前記第二弁室に流入させる作動オイルの油圧を制御することにより、前記弁体の位置を作動オイルの温度に応じて調整することができる。したがって、前記ポンプ本体からの作動オイルの吐出圧を制御する前記第一制御弁を駆動するためにソレノイド等の電磁制御手段を備える必要がなく、簡易な構成により、作動オイルの温度に応じた吐出圧の制御を適切に行うことができる。
また、前記ポンプ本体からの作動オイルの吐出圧が作用する前記第一制御弁とは別に第二制御弁を設けたことにより、作動オイルの温度に応じて動作する前記第二制御弁が作動オイルの吐出圧の脈動による影響を受けない構成とすることができる。したがって、前記第二制御弁を作動オイルの温度に応じて動作させるための機構として疲労強度の低い部材を用いることも可能となる。
ここで、前記第一制御弁は、前記弁体を前記第一弁室側へ移動させる方向に付勢する付勢機構を備え、前記第二制御弁は、作動オイルの温度が予め定めた所定の温度条件を満たすときに、前記第二弁室と前記第一弁室とを連通させる構成とすると好適である。
このような構成とすれば、作動オイルの温度が予め定めた所定の温度条件を満たすときには、前記第二弁室と前記第一弁室とが連通してこれらの室内の油圧が互いに同じになり、前記付勢機構の付勢力により、前記第一制御弁の弁体がその移動範囲における前記第一弁室側の終端位置まで移動する動作を行うことになる。したがって、前記弁体が第一弁室側の移動範囲の終端位置にあるときに、当該温度条件に対応する適切な吐出圧に制御するように前記第一制御弁を構成しておくことにより、非常に簡易な構成により、作動オイルの温度に応じた吐出圧の制御を適切に行うことが可能になる。
また、前記第二制御弁は、弁ハウジング内で往復動作して前記第二弁室と前記第一弁室とを連通させるか否かを切り替える弁体と、作動オイルの温度に応じて前記弁体の往復動作方向に伸縮する感温伸縮体により前記弁体を動作させる弁体作動機構とを備える構成とすると好適である。
このような構成とすれば、作動オイルの温度が伝達され、作動オイルの温度に応じて前記弁体の往復動作方向に伸縮する感温伸縮体により前記弁体を動作させる簡易な構成により、作動オイルの温度に応じた吐出圧の制御を適切に行うことが可能になる。
また、前記ポンプ本体からの作動オイルの吐出圧が作用する前記第一制御弁とは別に第二制御弁を設けているので、前記第二制御弁の前記感温伸縮体が作動オイルの吐出圧の脈動による影響を受けない構成とすることができる。したがって、前記感温伸縮体として疲労強度の低い部材を用いることも可能となる。
ここで、前記第二制御弁の前記感温伸縮体は、形状記憶合金、サーモワックス、又はバイメタルを用いて構成することが可能である。
〔第一の実施形態〕
以下に、本発明の第一の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両に搭載され、エンジンを駆動源として油圧を発生させて該エンジンの各部に作動オイルを供給するオイルポンプXを例として説明する。図1は、本実施形態に係るオイルポンプXの構成を示す概念図である。
図1に示すように、本実施形態に係るオイルポンプXは、クランクシャフトにより回転駆動されるロータ2を備えたポンプ本体1と、ポンプ本体1から作動オイルが吐出される第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32と、ポンプ本体1へ作動オイルを吸い込む吸込ポート36と、作動オイルの供給先であるエンジン各部等に連通する吐出油路5と、ポンプ本体1からの作動オイルの吐出圧の制御を行う第一制御弁4と、作動オイルの温度に応じて動作して第一制御弁4の動作制御を行う第二制御弁7と、第一制御弁4を通過した余剰の作動オイルを吸込ポート36側へ返送する帰還油路6と、を備えている。以下、これらの各部について詳述する。
(ポンプ本体)
オイルポンプXに係るポンプ本体1は金属製(例えばアルミ系合金、鉄系合金)であり、ポンプ本体1内部にはポンプ室10が形成されている。ポンプ室10には、多数個の内歯11を備えたドリブンギヤを構成する内歯車部12が形成してある。
ポンプ室10には金属製のロータ2が回転自在に配置されている。ロータ2は駆動源としてのエンジンのクランクシャフトに接続され、クランクシャフトと同期して回転する。ロータ2の回転数は、例えば、600〜7000rpm程度となる様に設計してある。
ロータ2には、多数個の外歯21を備えたドライブギヤを構成する外歯車部22が形成してある。内歯11及び外歯21はトロコイド曲線又はサイクロイド曲線等で規定されている。ロータ2の回転方向は矢印A1方向であり、ロータ2の回転に伴いロータ2の外歯21が内歯11に次々と入り込み、内歯車部12も同方向に回転する。外歯21と内歯11とにより空間22a〜22kが形成される。図1に示す例では、空間22fは最も容積が大きなものであり、空間22a及び22kは最も容積が小さくなっている。
このとき、例えば、空間22a〜22eにいくに従い、次第に容積が大きくなるため吸込圧が発生し、作動オイルの吸込作用が得られる。また、空間22g〜22kは、次第に容積が小さくなるため吐出圧が発生し、作動オイルの吐出作用が得られる。
(吐出ポート、吸込ポート)
ポンプ本体1の側面には、ポンプ本体1から作動オイルが吐出される第1吐出ポート31及び第2吐出ポート32を備えた吐出ポート群33が設けられている。これらの吐出ポート群33は、ロータ2の回転に伴いポンプ室10から作動オイルを吐出するポートである。第一吐出ポート31は端辺31a、31cを備えており、第二吐出ポート32は端辺32a、32cを備えている。これらの第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32は、吐出油路5に連通している。
また、ポンプ本体1の側面には、吸込ポート36も設けられている。吸込ポート36は、ロータ2の回転に伴いポンプ室10に作動オイルを吸い込むポートである。吸込ポート36は端辺36a、36cを備えている。この吸込ポート36は、オイルパン等に連通する吸込油路8に連通している。
本実施形態においては、矢印A1に示す回転方向において、第一吐出ポート31は第二吐出ポート32よりも上流側に配置している。また第一吐出ポート31の開口面積は、第二吐出ポート32の開口面積に比較して大きく設定してある。
第一吐出ポート31と第二吐出ポート32とは、仕切部37によって仕切られており、互いに独立した吐出機能を有する。
なお、仕切部37の幅は、ロータ回転による内歯11と外歯21の歯間の空間の圧縮工程の中で歯間の作動オイルの閉じ込みによる油圧上昇が起きないように、第一吐出ポート31と第二吐出ポート32との間に位置する歯間の幅より狭くすると好適である。
(吐出油路)
吐出油路5は、エンジン各部等の作動オイルの供給先に連通し、それらの各供給先に作動オイルを送給する油路である。作動オイルの供給先としては、例えば、エンジンのクランクシャフトのジャーナル等の軸受、弁開閉時期制御装置、シリンダとピストンの間の摺動部等、作動オイルによる潤滑や油圧による駆動を必要とするエンジン各部が対象となる。また、エンジン以外の車両の各部に作動オイルを供給する構成とすることも可能である。
本実施形態においては、吐出油路5は、第一制御弁4を介して第一吐出ポート31と第二吐出ポート32とをつなぐポート連結油路51を有している。そして、第一吐出ポート31は直接吐出油路5に連通し、第二吐出ポート32はポート連結油路51及び第一吐出ポート31を介して吐出油路5に連通する構成となっている。
また、ポート連結油路51の途中には第一制御弁4が設けられている。この第一制御弁4の構成については後で詳細に説明する。
(帰還油路)
帰還油路6は、第一制御弁4を通過した余剰の作動オイルを吸込ポート36側へ返送する油路である。なお、図示は省略するが、帰還油路6をオイルパン等に連通させてドレン油路とした構成とすることも可能である。
(第一制御弁)
第一制御弁4は、弁ハウジング41内で往復動作可能に設けられ、弁ハウジング41内での位置によってポンプ本体1からの作動オイルの吐出圧を制御する弁体42と、弁ハウジング41内における弁体42の一方側に形成されてポンプ本体1からの作動オイルの吐出圧が作用する第一弁室43と、弁ハウジング41内における弁体42の他方側に形成されて作動オイルが流入可能とされた第二弁室44と、弁体42を第一弁室43側へ移動させる方向に付勢する付勢機構45と、を備えている。
本実施形態においては、第一制御弁4は、弁体42を動作させてポート連結油路51を連通又は遮断することにより第二吐出ポート32と吐出油路5とを連通又は遮断し、吐出油路5に吐出される作動オイルの吐出圧を、第一吐出ポート31のみからの吐出圧と第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの吐出圧との間で切り換える制御を行う。それにより、ポンプ本体1からの作動オイルの吐出圧を制御する。
弁体42は、円筒状の弁ハウジング41内で摺動自在に配置されている。ここでは、図1における弁体42の下側に形成された弁室を第一弁室43、上側に形成された弁室を第二弁室44とする。第一弁室43は、第一伝達油路52を介して吐出油路5と連通している。これにより、弁体42の一方の面(図1における下面)に作動オイルの吐出圧が作用する。一方、第二弁室44には、付勢機構45を構成するバネ45aが配置されている。弁体42は、このバネ45aにより第一弁室43側へ移動させる方向(図1における矢印B1方向)に付勢されている。このような構成により、弁体42は、バネ45aによる第一弁室43側へ移動させる方向(図1における矢印B1方向)の付勢力と、第一弁室43内の作動オイルの吐出圧による第二弁室44側へ移動させる方向(図1における矢印B2方向)の力との均衡により位置が定まることになる。また、この第二弁室44は、後述する第一弁間油路91及び第二弁間油路92を介して第二制御弁7と連通されており、第二制御弁7を介して作動オイルが流入可能に構成されている。
また、弁体42には、第二吐出ポート32からの作動オイルの吐出先を制御するための2個の通油路が設けられており、これらのうち第二弁室44側(図1における上側)の通油路を第一通油路42a、第一弁室43側(図1における下側)の通油路を第二通油路42bとする。
弁ハウジング41には、ポート連結油路51の第二吐出ポート32側と連通する第一切換ポート41a、ポート連結油路51の第一吐出ポート31側と連通する第二切換ポート41b、帰還油路6と連通する第一帰還ポート41c及び第二帰還ポート41d、第一弁室43と第一伝達油路52とを連通させて第一弁室43に作動オイルの吐出圧を作用させる吐出圧ポート41e、第一弁間油路91と連通する第一背圧ポート41f、並びに第二弁間油路92と連通する第二背圧ポート41gが設けられている。
(第二制御弁)
第二制御弁7は、作動オイルの温度に応じて動作して第一制御弁4に対する制御、具体的には第一制御弁4の第二弁室44に流入する作動オイルの油圧を制御するための弁である。本実施形態においては、第二制御弁7は、作動オイルの温度が予め定めた所定の温度条件Jを満たすときに、第一制御弁4の第二弁室44を吐出油路5と連通させて第二弁室44と第一弁室43とを連通させる制御を行う。これにより、第二制御弁7は、作動オイルの温度が前記温度条件Jを満たすときには、第二弁室44内の油圧と第一弁室43内の油圧とを同じとし、付勢機構45の付勢力により第一制御弁4の弁体42を第一弁室43側の終端位置まで移動させる動作制御を行う。一方、作動オイルの温度が前記温度条件Jを満たさないときには、第二制御弁7は、第一制御弁4の第二弁室44を帰還油路6と連通させる制御を行う。この状態では、第二弁室44内の油圧は第一弁室43内の油圧に対して十分に低くなるため、付勢機構45のバネ45aによる付勢力と第一弁室43内の油圧との均衡により弁体42の位置が定まる。したがって、第一制御弁4は、作動オイルの吐出圧に応じて弁体42の位置が移動して吐出油路5に吐出される作動オイルの吐出圧を制御する。
本実施形態においては、オイルポンプXは車両のエンジンの各部に対して作動オイルの供給を行うことから、作動オイルの温度は通常の使用条件では常温〜110℃となり、エンジンが高負荷で長時間動作した場合等に110〜130℃程度の高温となる場合があると想定される。そこで、このような高温状態での第一制御弁4の動作制御を切り換えるために、作動オイルの前記温度条件Jとしては、ここでは一例として「約110℃〜約130℃」という温度条件とする。
上記のような制御を行うため、本実施形態においては、第二制御弁7は、弁ハウジング71内で往復動作して第二弁室44と第一弁室43とを連通させるか否かを切り替える弁体72と、作動オイルの温度に応じて弁体72の往復動作方向に伸縮する感温伸縮体73aにより弁体72を動作させる弁体作動機構73と、を備えている。
弁体72は、円筒状の弁ハウジング71内で摺動自在に配置されている。この弁体72には、第一制御弁4の第二弁室44の連通先を制御するための通油路72aが設けられている。
弁ハウジング71には、第二伝達油路53を介して吐出油路5と連通する高圧ポート71a、帰還油路6と連通する低圧ポート71b、オイルパン等と連通するドレインポート71c、第一弁間油路91と連通する第一連通ポート71d、及び第二弁間油路92と連通する第二連通ポート71eが設けられている。また、弁ハウジング71には、弁体72が所定範囲内に位置するときに低圧ポート71bと弁体72の通油路72aとを連通させるための連通路71fが設けられている。
弁体作動機構73は、弁体72の一方側(図1においては上側)に、温度に応じて弁体72の往復動作方向に伸縮する感温伸縮体73aを設け、弁体72の他方側(図1においては下側)に弾性体73bを設けた構成を有している。本例では、弾性体73bとしてはバネを用いている。また、感温伸縮体73aとしては形状記憶合金製のバネを用いている。そして、感温伸縮体73aが設けられている弁ハウジング71内の空間には、低圧ポート71bを介して帰還油路6から作動オイルが流入するようになっている。したがって、感温伸縮体73aは常に作動オイルに浸されおり、作動オイルの温度が伝達され得る状態となっている。そして、感温伸縮体73aの周囲の作動オイルの温度が前記温度条件Jを満たすときに、感温伸縮体73aが弁体72の往復動作方向に伸び、弾性体73bを圧縮して弁体72を他方側(図1においては下方)に動作させる構成となっている。本例では、作動オイルの前記温度条件Jを約110℃〜約130℃としているので、感温伸縮体73aは、その周囲の作動オイルの温度が約110℃以上となったときに弁体72の往復動作方向に伸びることにより、弁体72を下方に動作させる。
この第二制御弁7は第一制御弁4とは独立して動作するように設けられている。そして、ポンプ本体1の構造上、作動オイルの吐出圧は脈動するが、第二制御弁7の弁体72に対しては、作動オイルの吐出圧は高圧ポート71aを介して側面から作用するように構成されており、作動オイルの吐出圧の脈動が感温伸縮体73aに影響を与えないような構成となっている。したがって、疲労強度の弱い形状記憶合金製のバネを感温伸縮体73aとして用いても疲労破壊を生じることがないような設計となっている。
(第一制御弁及び第二制御弁の動作)
次に、ポンプ本体1のロータ2の回転数の増加、及び作動オイルの温度の上昇に伴う第一制御弁4及び第二制御弁7の動作について詳細に説明する。図2〜8は、本実施形態に係るオイルポンプXのポンプ本体1の図示を省略し、第一制御弁4及び第二制御弁7の各状態での作動オイルの流れを示す図である。
また、図9の(a)及び(b)は、常用温度域(ここでは常温〜約110℃)と高温域(ここでは約110〜130℃)のそれぞれの油温でのロータ2の回転数と吐出油路5での作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフであり、(a)は油温が80℃の場合、(b)は油温が130℃の場合の例を示している。ここで、図における直線L1は第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出される作動オイルの吐出圧とロータ2の回転数との関係を表す直線であり、直線L2は第一吐出ポート31のみから吐出される作動オイルの吐出圧とロータ2の回転数との関係を表す直線である。
この図9において、ハッチングで示されている領域W1〜W4は、作動オイルの供給先において必要となる油圧を示している。具体的には、領域W1は弁開閉時期制御装置の必要油圧、領域W2はクランクジャーナルの必要油圧、領域W3はエンジンの高回転域でピストン冷却用のオイルを供給するピストンジェットの必要油圧、領域W4はエンジンのアイドリング必要油圧を示している。オイルポンプXは、上記の必要油圧以上の油圧の作動オイルを吐出油路5に供給するように動作する必要がある。
まず、作動オイルの温度が約110℃より低い常用温度域であるとき、すなわち作動オイルの温度が前記温度条件Jを満たさないときの第一制御弁4及び第二制御弁7の動作について説明する。このとき、第二制御弁7は、図2〜6に示すように、第一制御弁4の第二弁室44を帰還油路6と連通させる「常用状態」となる。この常用状態では、第二制御弁7の弁体72は、第一弁間油路91に連通する第一連通ポート71dと低圧ポート71bに連通する連通路71fとを、通油路72aを介して連通させる位置となる。これにより、第一制御弁4の第二弁室44は帰還油路6と連通する。
そして、このように作動オイルの温度が約110℃より低い常用温度域であるとき、すなわち第二制御弁7が常用状態に維持されるとき、第一制御弁4は、弁体42を動作させて下記のA〜Eの状態を呈し、吐出油路5に吐出される作動オイルの吐出圧の制御を行う。このときのロータ2の回転数と吐出油路5からの作動オイルの吐出圧との関係を示すのが図9(a)のグラフである。
・状態A
エンジン始動直後等、ロータ2の回転数が少ない低速域(例えば1500回転程度まで)であって、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの作動オイルの吐出圧が低く、図9(a)に示すように低圧側に設定された所定の第一領域I内にあるときには、第一制御弁4は、図2に示すように、弁体42がその可動範囲における第一弁室43側の終端位置にあり、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行う。
具体的には、弁体42は、第一帰還ポート41c及び第二帰還ポート41dを閉鎖し、第一通油路42aをポート連結油路51の第二吐出ポート32側と第一吐出ポート31側の双方に連通した状態とする。これにより、第二吐出ポート32から吐出された作動オイルは、第一制御弁4及び第一吐出ポート31を介して吐出油路5に供給される。すなわち、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が所定の第一領域Iのときに、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方を吐出油路5と連通させ、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行う。つまり、このときの吐出油路5への作動オイルの送給量は、第一吐出ポート31の吐出量と第二吐出ポート32の吐出量とを合わせた量となる。
このとき、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、図9(a)のO―P線で示される特性、つまり、ロータ2の回転数が増加するに伴って吐出圧が増加する特性が得られる。
なお、付勢機構45を構成するバネ45aの付勢力並びに弁体42の第一通油路42a及び第二通油路42bの位置及び形状等は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に応じて弁体42を動作させて適切に状態A〜Eとなるように設定される。
・状態B
ロータ2の回転数が上昇することにより第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの作動オイルの吐出圧が上昇し、この作動オイルの吐出圧が上記第一領域Iを超えて、この第一領域Iより高圧側に設定された第二領域II内にあるときには、第一制御弁4は、図3に示すように、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給するとともに、その作動オイルの一部を第一帰還ポート41cから帰還油路6へ供給する制御を行う。
具体的には、弁体42は、図2に示される第一弁室43側の終端位置よりもやや第二弁室44側(図2における上側)に移動し、第二帰還ポート41dを閉鎖した状態のまま、弁体42の第一通油路42aを、ポート連結油路51の第二吐出ポート32側及び第一吐出ポート31側、並びに帰還油路6と連通させた状態とする。これにより、第二吐出ポート32から吐出された作動オイルは、第一制御弁4及び第一吐出ポート31を介して吐出油路5に供給されるとともに、一部が帰還油路6に供給される。すなわち、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が上記第二領域IIにあるときには、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方を吐出油路5及び帰還油路6の双方に連通させ、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルの一部を吐出油路5へ供給し、残りの一部を帰還油路6へ供給する制御を行う。
このとき、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、図9(a)のP―Q線で示される特性、つまり、帰還油路6への経路が連通する状態となるため、ロータ2の回転数の増加による吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)の増加が小さくなる特性が得られる。
・状態C
ロータ2の回転数が更に上昇することにより、一部が帰還油路6へ供給される状態での第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの作動オイルの吐出圧が上記第二領域IIを超えて、この第二領域IIより高圧側に設定された第三領域IIIにあるときには、第一制御弁4は、図4に示すように、第一吐出ポート31から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給するとともに、第二吐出ポート32から吐出された作動オイルを帰還油路6へ供給する制御を行う。
具体的には、弁体42は、図3に示される位置よりも更に第二弁室44側(図3における上側)に移動し、第二帰還ポート41dを閉鎖した状態のまま、第一通油路42aをポート連結油路51の第二吐出ポート32側及び第一帰還ポート41cを介する帰還油路6と連通させた状態とする。このとき、第二通油路42bはポート連結油路51の第一吐出ポート31側とのみ連通している。これにより、第二吐出ポート32から吐出された作動オイルは帰還油路6へ供給され、第一吐出ポート31から吐出された作動オイルのみが吐出油路5に供給される。すなわち、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が上記第三領域IIIにあるときには、第二吐出ポート32と吐出油路5との連通を遮断して第二吐出ポート32を帰還油路6と連通させ、第一吐出ポート31を吐出油路5と連通させることにより、第一吐出ポート31から吐出された作動オイルのみを吐出油路5へ供給する制御を行う。
このとき、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、図9(a)のQ―R線で示される特性、つまり、このときの吐出油路5への作動オイルの送給量は、第一吐出ポート31からの吐出量と等しくなる。
・状態D
ロータ2の回転数が更に上昇し、第一吐出ポート31からの作動オイルの吐出圧が上記第三領域IIIを超えて、この第三領域IIIより高圧側に設定された第四領域IVにあるときには、第一制御弁4は、図5に示すように、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行う。
具体的には、弁体42は、図4に示される位置よりも更に第二弁室44側(図4における上側)に移動し、第二通油路42bをポート連結油路51の第二吐出ポート32側と第一吐出ポート31側の双方に連通し、ポート連結油路51と第一帰還ポート41cとの連通を遮断し、更に第二帰還ポート41dを閉鎖した状態とする。これにより、第二吐出ポート32から吐出された作動オイルは、第一制御弁4及び第一吐出ポート31を介して吐出油路5に供給される。すなわち、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が上記第四領域IVのときに、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方を吐出油路5と連通させ、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行う。つまり、このときの吐出油路5への作動オイルの送給量は、第一吐出ポート31の吐出量と第二吐出ポート32の吐出量とを合わせた量となる。
図9(a)に示す例では、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、R−S線で示されるように急上昇する。すなわち、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの吐出圧となる状態で、図9(a)のS−T線と一致する吐出圧で、後述する第五領域V内に入り、吐出圧がリリーフされる。
・状態E
第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの作動オイルの吐出圧が上昇し、この作動オイルの吐出圧が上記第四領域IVを超えて、この第四領域IVより高圧側に設定された第五領域V内にあるときには、第一制御弁4は、図6に示すように、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給するとともに、その作動オイルの一部を第一帰還ポート41cから帰還油路6へ供給し、更に第一弁室43を第二帰還ポート41dと連通させて作動オイルの一部を帰還油路6へ供給する制御を行う。
具体的には、弁体42は、図5に示される位置よりも更に第二弁室44側(図5における上側)に移動し、弁体42の第二通油路42bを、ポート連結油路51の第二吐出ポート32側及び第一吐出ポート31側、並びに帰還油路6と連通させ、更に第一弁室43と第二帰還ポート41dとを連通させた状態とする。これにより、第二吐出ポート32から吐出された作動オイルは、第一制御弁4及び第一吐出ポート31を介して吐出油路5に供給されるとともに一部が帰還油路6に供給される。更に、吐出油路5に供給された作動オイルの一部は第一伝達油路52及び第一弁室43を介して帰還油路6に供給される。すなわち、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が上記第五領域Vにあるときには、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方を吐出油路5及び帰還油路6の双方に連通させるとともに、吐出油路5を帰還油路6に連通させ、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルの一部を吐出油路5へ供給し、残りの一部を帰還油路6へ供給する制御を行う。
このとき、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、図9(a)のS―T線で示される特性、つまり、帰還油路6への経路が連通する状態となるため、ロータ2の回転数の増加による吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)の増加が小さくなる特性が得られる。
以上のように第一制御弁4を動作させることにより、ロータ2の回転数が低い領域(エンジンの低回転域)で急速に油圧を立ち上げて(図9(a)のO−P線)弁開閉時期制御装置の必要油圧(図9(a)の領域W1)を確保し、ロータ2の回転数が中程度の領域(エンジンの中回転域)ではクランクジャーナルの必要油圧(図9(a)の領域W2)を確保できる程度に油圧を低く抑える(図9(a)のP−Q線及びQ−R線)ことによりオイルポンプXの動作抵抗を低くしてエンジンの負荷を軽減し、更にロータ2の回転数が高い領域(エンジンの高回転域)ではピストンジェットの必要油圧(図9(a)の領域W3)を確保できるように高い油圧を発生させる(図9(a)のR−S線及びS−T線)ことが可能となる。
次に、作動オイルの温度が約110℃以上となったときの第一制御弁4及び第二制御弁7の動作について説明する。このとき、第二制御弁7は、図7に示すように第二弁室44が吐出油路5と帰還油路6の双方と連通する「中間状態」を経て、図8に示すように第二弁室44が吐出油路5と連通する「高温状態」となる。そして、第一制御弁4は、第二弁室44と第一弁室43とが連通してこれらの室内の油圧が互いに同じになり、付勢機構45の付勢力により、弁体42がその移動範囲における第一弁室43側の終端位置まで移動する動作を行う。これにより、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に関わらず、上記状態Aと同様の状態が維持され、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行う。
・中間状態
第二制御弁7は、作動オイルの温度が110℃前後となったとき、弁体作動機構73の感温伸縮体73aが弁体72の往復動作方向に伸びる動作を開始する。これにより、弁体72の反対側に設けられた弾性体73bが圧縮され、図7に示すように、弁体72は図における下方に移動し、通油路72aが高圧ポート71a及び低圧ポート71b、並びに第一連通ポート71d及び第二連通ポート71eに連通する位置に移動する。これにより、第一制御弁4の第二弁室44は吐出油路5と帰還油路6の双方と連通した状態となり、第二弁室44に吐出圧の作動オイルの流入が開始される。
この中間状態は、弁体72の移動途中で第二制御弁7が一時的にとる状態であり、感温伸縮体73aが更に伸びることにより、第二制御弁7は次の「高温状態」に移行する。
・高温状態
作動オイルの温度が約110℃以上の高温域となったとき、すなわち作動オイルの温度が上記温度条件Jを満たすとき、第二制御弁7は、上記中間状態を経て高温状態となる。すなわち、感温伸縮体73aが弁体72の往復動作方向に更に伸び、弾性体73bが更に圧縮され、図8に示すように、弁体72は図における下方に移動し、通油路72aが高圧ポート71a及び第二連通ポート71eに連通する位置となる。これにより、第一制御弁4の第二弁室44は、第二伝達油路53を介して吐出油路5と連通する。よって、第一制御弁4の第二弁室44は、吐出油路5を介して第一弁室43と連通し、第二弁室44と第一弁室43との油圧が互いに同じになる。したがって、第一制御弁4では、付勢機構45の付勢力により、弁体42がその移動範囲における第一弁室43側の終端位置まで移動する動作を行う。これにより、第一制御弁4は、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に関わらず、上記状態Aと同様の状態が維持され、第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行う。
このとき、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、図9の(b)に示されるように、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が第一領域I〜第四領域IVのいずれにあるかに関わらず、O―S線で示される特性、すなわち、ロータ2の回転数が増加するに伴って吐出圧が増加する特性が得られる。
なお、本例では、オイルポンプXの破損等を防止するため、吐出油路5に設けたリリーフ弁(図示は省略)により、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)が第四領域IVより高圧側に設定された第五領域V内にあるときには、吐出油路5内の作動オイルの一部を帰還油路6へ供給して吐出圧をリリーフする構成としている。このとき、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)は、図9(b)のS―T線で示される特性、つまり、ロータ2の回転数の増加による吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)の増加が小さくなる特性が得られる。
上記のように、高油温時に第二制御弁7を動作させ、第一制御弁4に、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に関わらず第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行わせることにより、高油温時の作動オイルの必要吐出圧を確保しつつ、通常の使用条件での作動オイルの温度領域である約110℃より低い常用温度域において最適な吐出圧の特性となるようにオイルポンプXを設計することができる。したがって、常用温度域でのオイルポンプXの動作抵抗を低減することが可能となる。そのため、オイルポンプXを車両のエンジンにより駆動する場合には、エンジンの燃費を向上させる効果もある。そこで、この点について以下に説明する。
図10は、本実施形態と同様の第一制御弁4を備え、第二制御弁7を備えないオイルポンプにおける、常用温度域(ここでは常温〜約110℃)と高温域(ここでは約110〜130℃)のそれぞれの油温でのロータの回転数と作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフであり、(a)は油温が80℃の場合、(b)は油温が130℃の場合の例を示している。ここで、図における直線L1は第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出される作動オイルの吐出圧とロータの回転数との関係を表す直線であり、直線L2は第一吐出ポート31のみから吐出される作動オイルの吐出圧とロータの回転数との関係を表す直線である。これらの直線はともに油温の上昇に伴って傾きが緩やかになる傾向を示す。これは、油温の上昇に伴って作動オイルの粘性が低下し、作動オイルの供給先での作動オイルの漏れが多くなることにより、ロータの回転数の上昇に対する作動オイルの吐出圧の上昇の割合が低くなるためである。
そして、この図10に示す例では、オイルポンプは、上記の本発明に係るオイルポンプXと同様に、ロータの回転数が中程度の領域(エンジンの中回転域)、すなわち図において直線P−Q、Q−R及びR−Sで示される領域において、作動オイルの吐出圧を低く抑えることによりオイルポンプの駆動抵抗を低くしてエンジンの負荷を軽減している。
この際、作動オイルの温度が高い程、ロータの回転数の上昇に対する作動オイルの吐出圧の上昇の割合が低くなるため、作動オイルの温度が高いほど、作動オイルの供給先における所定の必要圧(領域W1〜W4)を上回る吐出圧を確保するためのロータの回転数が高くなる。そのため、第二制御弁7を備えないオイルポンプでは、図10(b)に示すように、作動オイルがとり得ると想定される温度範囲の内で最も高い温度においても作動オイルの供給先における所定の必要圧(領域W1〜W4)を上回る吐出圧を確保することができるように、ポンプ本体におけるロータの回転数に対する作動オイルの吐出量や作動オイルの吐出圧の制御を行う制御弁(本件発明の第一制御弁に相当する弁)等を設計している。すなわち、図10(b)に示す例では、作動オイルの温度の上限と想定されている130℃において、ロータの回転数の全域で、弁開閉時期制御装置の必要油圧(領域W1)、クランクジャーナルの必要油圧(領域W2)、ピストンジェットの必要油圧(領域W3)、エンジンのアイドリング必要油圧(領域W4)をそれぞれ上回る油圧の作動オイルが吐出油路5に供給されるように、ポンプ本体や制御弁等を設計している。
このように、作動オイルがとり得ると想定される最も高い温度を基準としてポンプ本体や制御弁等を設計した場合、作動オイルの温度がそれよりも低い常用温度域にあるときには、図10(a)に示すように、第一制御弁4によりロータの回転数が中程度の領域で作動オイルの吐出圧を低減することができる領域が狭くなるため、オイルポンプの動作抵抗の低減効果が少なくなるという問題がある。すなわち、作動オイルの温度が低い場合には、ロータの回転数の上昇に対する作動オイルの吐出圧の上昇の割合が高くなるため、図10(a)に示すように、第一制御弁4により吐出圧の低減される領域が、図10(b)に示す作動オイルが高温の場合と比較してロータの低回転数側に寄った状態となる。そのため、ピストンジェットの必要油圧(領域W3)が必要となるロータの回転数よりも相当に低い回転数で作動オイルの吐出圧が上昇することになり、余剰の吐出圧が発生する領域Vが生じ、その分だけ、エンジンの負荷の低減効果が少なくなるという問題があった。
そして、実際の車両においては、作動オイルの温度が110〜130℃程度の高温域となる状況は、エンジンが高負荷で長時間動作した場合等のごく限られた場合のみであり、ほとんどの使用条件では常温〜110℃の常用温度域内となる。したがって、図10に示されるような作動オイルの吐出圧の制御では、エンジンの負荷の低減効果が総合的にみて低かった。
一方、本発明に係るオイルポンプXでは、作動オイルの温度が高い時に第二制御弁7を動作させ、第一制御弁4に、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に関わらず第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行わせることにより、高油温時の作動オイルの必要吐出圧を確保しつつ、通常の使用条件での作動オイルの温度領域である約110℃より低い常用温度域において最適な吐出圧の特性となるようにオイルポンプXを設計することができる。したがって、図9(a)に示すように、常用温度域で吐出圧の低減される領域を広く確保できるようにポンプ本体1や第一制御弁4等を設計することができる。よって、常用温度域において、オイルポンプXの動作抵抗を低減することができるロータ2の回転数領域を広くすることが可能となるので、エンジンの負荷の低減効果を高くすることができる。
ここで、上記のような吐出圧の特性を備えるオイルポンプXの設計手法としては、具体的には、オイルポンプXは、ポンプ本体1並びに第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32を、作動オイルの温度が温度条件J(ここでは約110℃〜約130℃)の下限温度(ここでは約110℃)である場合における上記第三領域III内での第一吐出ポート31からの作動オイルの吐出圧(図9(a)のQ―R線で示される部分の吐出圧)が、作動オイルの供給先での必要油圧(ここでは領域W1及びW2)以上となり、作動オイルの温度が温度条件Jの上限温度(ここでは約130℃)である場合における第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの作動オイルの吐出圧が、上記第一領域Iから第五領域Vの全域において(少なくとも上記第一領域I及び第五領域Vにおいて)、作動オイルの供給先での必要油圧(ここでは領域W1〜W4)以上となるように設計すると好適である。このように設計すると、上記温度条件Jを満たさない場合の最も吐出圧が低くなる温度である温度条件Jの下限温度(ここでは約110℃)と、上記温度条件Jを満たす場合の最も吐出圧が低くなる温度である温度条件Jの上限温度(ここでは約130℃)との双方において作動オイルの供給先での必要油圧以上の吐出圧を確保することになり、結果として全ての温度条件下で作動オイルの供給先での必要油圧以上の吐出圧を確保することができる。
〔第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。図11は、この第二の実施形態に係るオイルポンプXの構成を示す概念図である。この図に示すように、本実施形態に係るオイルポンプXは、基本的に上記第一の実施形態と同様の構成を備えているが、第一制御弁4の弁体42の構成のみが上記第一の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態に係るオイルポンプXの弁体42は、上記第一の実施形態における第二通油路42bに相当する通油路を備えておらず、第一通油路42aに相当する通油路のみを備えている。
したがって、本実施形態に係るオイルポンプXの第一制御弁4は、作動オイルの温度が約110℃より低い常用温度域であるとき、すなわち第二制御弁7が常用状態に維持されるとき、吐出油路5に吐出される作動オイルの吐出圧に応じて、上記第一の実施形態における第一制御弁4の状態A〜C(図2〜4)と同様の状態を呈するように弁体42を動作させる。そして、更に、作動オイルの吐出圧が上昇した場合には、第一弁室43と第二帰還ポート41dとを連通させ、吐出油路5の作動オイルの一部を帰還油路6へ供給することにより吐出圧のリリーフを行う。
そして、第二制御弁7は、上記第一の実施形態に係るオイルポンプXと同様の動作を行う。
図12の(a)及び(b)は、本実施形態に係るオイルポンプXにおける、常用温度域(ここでは常温〜約110℃)と高温域(ここでは約110〜130℃)のそれぞれの油温でのロータ2の回転数と吐出油路5での作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフであり、(a)は油温が80℃の場合、(b)は油温が130℃の場合の例を示している。すなわち、この図12は、上記第一の実施形態に係る図9に対応するものである。
この図12に示すように、本実施形態に係るオイルポンプXでは、作動オイルの温度が約110℃より低い常用温度域であるときには、吐出油路5に吐出される作動オイルの吐出圧に応じて第一制御弁4を動作させることにより、ロータ2の回転数が低い領域(エンジンの低回転域)で急速に油圧を立ち上げて(図12(a)のO−P線)弁開閉時期制御装置の必要油圧(図12(a)の領域W1)を確保し、ロータ2の回転数が中程度より高い領域(エンジンの中・高回転域)ではクランクジャーナルの必要油圧(図9(a)の領域W2)を確保できる程度に油圧を低く抑える(図12(a)のP−Q線及びQ−R線)ことによりオイルポンプXの動作抵抗を低くしてエンジンの負荷を軽減している。
この12(a)に示されるような制御を行うオイルポンプXは、例えば、高回転域でピストンジェットを行わない、すなわち上記第一の実施形態におけるピストンジェットの必要油圧(領域W3)が存在しないエンジンに作動オイルを供給するオイルポンプとして好適に用いられる。
本実施形態に係るオイルポンプXにおいても、上記第一の実施形態と同様に、高油温時に第二制御弁7を動作させ、第一制御弁4に、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に関わらず第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行わせることにより、高油温時の作動オイルの必要吐出圧を確保しつつ、通常の使用条件での作動オイルの温度領域である約110℃より低い常用温度域において最適な吐出圧の特性となるようにオイルポンプXを設計することができる。したがって、常用温度域でのオイルポンプXの動作抵抗を低減することが可能となり、オイルポンプXを車両のエンジンにより駆動する場合には、エンジンの燃費を向上させる効果もある。そこで、この点について以下に説明する。
図13は、本実施形態と同様の第一制御弁4による制御を行うオイルポンプであって第二制御弁7を備えないオイルポンプにおける、常用温度域(ここでは常温〜約110℃)と高温域(ここでは約110〜130℃)のそれぞれの油温でのロータの回転数と作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフであり、(a)は油温が80℃の場合、(b)は油温が130℃の場合の例を示している。すなわち、この図13は、上記第一の実施形態に係る図10に対応するものである。
この図13に示すオイルポンプは、図10に示されるオイルポンプと同様に、作動オイルがとり得ると想定される温度範囲の内で最も高い温度においても作動オイルの供給先における所定の必要圧(領域W1、W2、W4)を上回る吐出圧を確保することができるように、ポンプ本体におけるロータの回転数に対する作動オイルの吐出量や作動オイルの吐出圧の制御を行う制御弁(本件発明の第一制御弁に相当する弁)等を設計している(図13(b)参照)。
このように、作動オイルがとり得ると想定される最も高い温度を基準としてポンプ本体や制御弁等を設計した場合、作動オイルの温度がそれよりも低い常用温度域にあるときには、図13(a)に示すように、第一制御弁4によりロータの回転数が中程度より高い領域で作動オイルの吐出圧を低減することができる領域が狭くなるため、オイルポンプの動作抵抗の低減効果が少なくなるという問題がある。すなわち、作動オイルの温度が低い場合には、ロータの回転数の上昇に対する作動オイルの吐出圧の上昇の割合が高くなるため、図13(a)に示すように、第一制御弁4により吐出圧の低減される領域が、図13(b)に示す作動オイルが高温の場合と比較してロータの低回転数側に寄った状態となる。そのため、全体的にロータの回転数が低いところから高い作動オイルの吐出圧が出力されることになり、余剰の吐出圧が発生する領域Vが生じ、その分だけ、エンジンの負荷の低減効果が少なくなるという問題があった。
一方、本実施形態に係るオイルポンプXでは、作動オイルの温度が高い時に第二制御弁7を動作させ、第一制御弁4に、吐出油路5内の作動オイルの油圧(吐出圧)に関わらず第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方から吐出された作動オイルを吐出油路5へ供給する制御を行わせることにより、高油温時の作動オイルの必要吐出圧を確保しつつ、通常の使用条件での作動オイルの温度領域である約110℃より低い常用温度域において最適な吐出圧の特性となるようにオイルポンプXを設計することができる。したがって、図12(a)に示すように、常用温度域で吐出圧の低減される領域を広く確保できるようにポンプ本体1や第一制御弁4等を設計することができる。よって、常用温度域において、オイルポンプXの動作抵抗を低減することができるロータ2の回転数領域を広くすることが可能となるので、エンジンの負荷の低減効果を高くすることができる。
ここで、上記のような吐出圧の特性を備えるオイルポンプXの設計手法としては、具体的には、オイルポンプXは、ポンプ本体1並びに第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32を、作動オイルの温度が温度条件J(ここでは約110℃〜約130℃)の下限温度(ここでは約110℃)である場合における上記第三領域III内での第一吐出ポート31からの作動オイルの吐出圧(図12(a)のQ―R線で示される部分の吐出圧)が、作動オイルの供給先での必要油圧(ここでは領域W1及びW2)以上となり、作動オイルの温度が温度条件Jの上限温度(ここでは約130℃)である場合における第一吐出ポート31及び第二吐出ポート32の双方からの作動オイルの吐出圧が、上記第一領域Iから第四領域IVの全域において(少なくとも上記第一領域Iにおいて)、作動オイルの供給先での必要油圧(ここでは領域W1、W2及びW4)以上となるように設計すると好適である。このように設計すると、上記温度条件Jを満たさない場合の最も吐出圧が低くなる温度である温度条件Jの下限温度(ここでは約110℃)と、上記温度条件Jを満たす場合の最も吐出圧が低くなる温度である温度条件Jの上限温度(ここでは約130℃)との双方において作動オイルの供給先での必要油圧以上の吐出圧を確保することになり、結果として全ての温度条件下で作動オイルの供給先での必要油圧以上の吐出圧を確保することができる。
〔第三の実施形態〕
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。図14は、この第三の実施形態に係るオイルポンプXの構成を示す概念図である。この図に示すように、本実施形態に係るオイルポンプXは、ポンプ本体1からの作動オイルが単一の吐出ポート31からのみ吐出される構成となっている。そのため、本実施形態に係る第一制御弁4は、吐出油路5の作動オイルの吐出圧が高い場合のリリーフ弁としてのみ機能する構成となっている。
したがって、本実施形態に係るオイルポンプXの第一制御弁4は、作動オイルの温度が約110℃より低い常用温度域であるとき、すなわち第二制御弁7が常用状態に維持されるとき、吐出油路5に吐出される作動オイルの吐出圧に応じて動作し、作動オイルの吐出圧が上昇した場合には、第一弁室43と帰還ポート41dとを連通させ、吐出油路5の作動オイルの一部を帰還油路6へ供給することにより吐出圧のリリーフを行う。
このような構成とすることにより、作動オイルの温度が高い場合にはリリーフ弁としての第一制御弁4を動作させない制御とすることができる。したがって、高油温時の作動オイルの必要吐出圧を確保しつつ、通常の使用条件での作動オイルの温度領域である約110℃より低い常用温度域において最適な吐出圧の特性となるようにオイルポンプXを設計することができる。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の各実施形態においては、第二制御弁7の弁体作動機構73を構成する感温伸縮体73aとして、形状記憶合金製のバネを用いる場合について説明した。しかし、感温伸縮体73aはこれに限定されるものではなく、例えば、サーモワックスやバイメタル等を用いることも可能である。また、これらの形状記憶合金、サーモワックス、及びバイメタルのうちの複数を組み合わせて用いることも可能である。
(2)上記の各実施形態においては、第二制御弁7が、作動オイルの温度が予め定めた所定の温度条件Jを満たすときに第二弁室44と第一弁室43とを連通させる構成である場合について説明した。しかし、第二制御弁7の構成はこれに限定されるものではない。すなわち、第二制御弁7は、第一制御弁4の第二弁室44への作動オイルの流入量を調節可能な弁とし、第二弁室44への作動オイルの流入量を調節することにより、第二弁室に流入する作動オイルの油圧を制御する制御弁とすることも好適な実施形態の一つである。このような構成とした場合には、第一制御弁4の弁体42を第一弁室43側へ移動させる方向に付勢する付勢機構45等を備えない構成とすることも可能であり、第二弁室に流入する作動オイルの油圧と、第一弁室43に作用する作動オイルの吐出圧とのバランスにより弁ハウジング41内での弁体42の位置を制御することが可能となる。
(3)上記各実施形態においては、本発明に係るオイルポンプを車両に搭載されるエンジンに適用する場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、車両やエンジン以外のオイルポンプにも適用可能である。
本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプの構成を示す概念図 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(状態A) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(状態B) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(状態C) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(状態D) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(状態E) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(中間状態) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおけるポンプ本体の図示を省略して作動オイルの流れを示す図(高温状態) 本発明の第一の実施形態に係るオイルポンプにおける、常用温度域(a)と高温域(b)のそれぞれの油温でのロータの回転数と吐出油路での作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフ 本発明の第一の実施形態と同様の第一制御弁を備え、第二制御弁を備えないオイルポンプにおける、常用温度域(a)と高温域(b)のそれぞれの油温でのロータの回転数と吐出油路での作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフ 本発明の第二の実施形態に係るオイルポンプの構成を示す概念図 本発明の第二の実施形態に係るオイルポンプにおける、常用温度域(a)と高温域(b)のそれぞれの油温でのロータの回転数と吐出油路での作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフ 本発明の第二の実施形態と同様の第一制御弁を備え、第二制御弁を備えないオイルポンプにおける、常用温度域(a)と高温域(b)のそれぞれの油温でのロータの回転数と吐出油路での作動オイルの吐出圧との関係を示すグラフ 本発明の第三の実施形態に係るオイルポンプの構成を示す概念図 背景技術に係るオイルポンプの構成を示す概念図
符号の説明
1:ポンプ本体
2:ロータ
4:第一制御弁
5:吐出油路
6:帰還油路
7:第二制御弁
31:第一吐出ポート
32:第二吐出ポート
36:吸込ポート
41:第一制御弁の弁ハウジング
42:第一制御弁の弁体
43:第一弁室
44:第二弁室
45:付勢機構
71:第二制御弁の弁ハウジング
72:第二制御弁の弁体
73:弁体作動機構
73a:感温伸縮体
X:オイルポンプ

Claims (4)

  1. 弁ハウジング内で往復動作可能に設けられ、前記弁ハウジング内での位置によってポンプ本体からの作動オイルの吐出圧を制御する弁体と、前記弁ハウジング内における前記弁体の一方側に形成されてポンプ本体からの作動オイルの吐出圧が作用する第一弁室と、前記弁ハウジング内における前記弁体の他方側に形成されて作動オイルが流入可能とされた第二弁室とを備える第一制御弁と、
    作動オイルの温度に応じて動作し、前記第二弁室に流入する作動オイルの油圧を制御する第二制御弁と、
    を備えるオイルポンプ。
  2. 前記第一制御弁は、前記弁体を前記第一弁室側へ移動させる方向に付勢する付勢機構を備え、
    前記第二制御弁は、作動オイルの温度が予め定めた所定の温度条件を満たすときに、前記第二弁室と前記第一弁室とを連通させる請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 前記第二制御弁は、弁ハウジング内で往復動作して前記第二弁室と前記第一弁室とを連通させるか否かを切り替える弁体と、作動オイルの温度に応じて前記弁体の往復動作方向に伸縮する感温伸縮体により前記弁体を動作させる弁体作動機構とを備える請求項1又は2に記載のオイルポンプ。
  4. 前記第二制御弁の前記感温伸縮体は、形状記憶合金、サーモワックス、又はバイメタルを用いて構成されている請求項1から3の何れか一項に記載のオイルポンプ。
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