JP2016191317A - オイルポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】中間ランド圧を抑制することで、駆動トルクの上昇を抑制することができるオイルポンプを提供する。
【解決手段】第1吐出ポート10は、回転体3の両側面に開口するハウジング側第1吐出ポート10aおよびカバー側第1吐出ポート10bを備え、第2吐出ポート11は、回転体3の両側面に開口するハウジング側第2吐出ポート11aおよびカバー側第2吐出ポート11bを備えている。全吐出状態では、ハウジング側第2吐出ポート11aが、外部通路30、中間ポート12を介してポンプ室8に連通する。これにより、ハウジング側第2吐出ポート11aから吐出された作動油はポンプ室8を経由してカバー側第2吐出ポート11bに吐出される。
【選択図】図9

Description

本発明は、主に車両に搭載されるオイルポンプに関する。
従来、例えば特許文献1に示されるオイルポンプが知られている。このオイルポンプは、インナーロータおよびアウターロータが噛合されてなる回転体を備えた所謂内接歯車ポンプで構成され、インナーロータとアウターロータとによって区画されるポンプ室の容積拡大に伴い、吸入ポートからポンプ室に作動油を吸入する。そして、吸入ポートよりも回転体の回転方向後方には、第1吐出ポートおよび第2吐出ポートが設けられており、回転体の回転に伴うポンプ室の容積縮小により作動油を昇圧し、第1吐出ポートおよび第2吐出ポートから吐出する。
こうした2つの吐出ポートを備えたオイルポンプは、第1吐出ポートから吐出される作動油を所定の供給先に供給する半吐出状態と、第1吐出ポートから吐出される作動油に、第2吐出ポートから吐出される作動油を合流させて供給する全吐出状態とに切り換え可能に構成されている。これにより、供給先で要求される圧力に応じて、半吐出状態および全吐出状態を切り換えることで、エネルギーロスを低減することができる。
特開2012−2189号公報
上記のように、第1吐出ポートおよび第2吐出ポートを備えた所謂2ポート型のオイルポンプにおいては、第1吐出ポートと第2吐出ポートとの間でポンプ室の圧力が極めて高くなり、中間ランド圧が発生して駆動トルクが上昇してしまうおそれがある。
そこで、本発明は、中間ランド圧を抑制することで、駆動トルクの上昇を抑制することができるオイルポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のオイルポンプは、ケーシングに形成される油圧室と、前記油圧室内に回転自在に収容され、該油圧室を回転方向に区画してポンプ室を形成する回転体と、前記油圧室に開口し、前記ポンプ室に作動油を導く吸入ポートと、前記吸入ポートよりも前記回転体の回転方向後方に設けられ、前記回転体の一方の側面に開口する合流側第1吐出ポート、および、該回転体の他方の側面に開口する被合流側第1吐出ポートを含んで構成される第1吐出ポートと、前記第1吐出ポートよりも前記回転体の回転方向後方に設けられ、前記回転体の一方の側面に開口する合流側第2吐出ポート、および、該回転体の他方の側面に開口する被合流側第2吐出ポートを含んで構成される第2吐出ポートと、を備え、前記吸入ポートから前記ポンプ室に吸入された作動油を、該ポンプ室の容積を縮小して昇圧した後に、前記第1吐出ポートから吐出する半吐出状態、および、該第1吐出ポートおよび前記第2吐出ポートの双方から吐出する全吐出状態に切り換え可能なオイルポンプであって、前記合流側第1吐出ポートを前記被合流側第1吐出ポートに接続する合流通路と、前記油圧室に開口し、前記合流側第1吐出ポートと前記合流側第2吐出ポートとの間に設けられ、前記ポンプ室を介して少なくとも前記被合流側第2吐出ポートと連通する中間ポートと、前記油圧室の外部に設けられ、少なくとも前記合流側第2吐出ポートと前記中間ポートとを接続する外部通路と、前記外部通路に設けられ、前記全吐出状態では前記合流側第2吐出ポートと前記中間ポートとを連通させ、前記半吐出状態では該合流側第2吐出ポートと該中間ポートとの連通を遮断する作動弁と、を備え、前記全吐出状態では、前記合流側第1吐出ポートから吐出された作動油が、前記合流通路を介して前記被合流側第1吐出ポートから吐出される作動油に合流した後に供給先に送出され、前記合流側第2吐出ポートから吐出された作動油が、前記外部通路、前記中間ポートおよび前記ポンプ室を介して前記被合流側第2吐出ポートから吐出されることを特徴とする。
また、前記外部通路は、前記合流側第2吐出ポート、前記中間ポート、前記合流側第1吐出ポートを接続し、前記作動弁は、前記半吐出状態では、前記中間ポートを前記合流側第1吐出ポートに連通させ、前記全吐出状態では、該中間ポートを前記合流側第2吐出ポートに連通させるとよい。
本発明によれば、中間ランド圧を抑制することで、駆動トルクの上昇を抑制することができる。
オイルポンプを構成するハウジング、回転体、カバーの分解斜視図である。 ハウジング、回転体、カバーの正面図である。 回転体を収容したハウジングの正面図である。 ポンプ室、第1吐出ポート、第2吐出ポート、中間ポートの位置関係を説明する図である。 外部通路に収容される作動弁を説明する図である。 図5の一点鎖線部分における断面を概念的に示す図である。 半吐出状態を説明する図である。 全吐出状態を説明する図である。 全吐出状態における作動油の流れを説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、オイルポンプ1を構成するハウジング2、回転体3、カバー4の分解斜視図である。図1に示すオイルポンプ1は、所謂内接歯車ポンプであって、ハウジング2およびカバー4で形成されるケーシング5内に回転体3が収容される。
ハウジング2およびカバー4は、回転体3を収容し、ハウジング2の対向面2aとカバー4の対向面4aが当接した状態で、不図示の締結部材で締結される。
図2は、ハウジング2、回転体3、カバー4の正面図であり、図2(a)には、ハウジング2の対向面2a側を示し、図2(b)には、回転体3のうち、カバー4との対向面側を示し、図2(c)には、カバー4の対向面4a側を示す。
図2(a)に示すように、ハウジング2の対向面2aには、回転体3が収容される収容穴6が設けられている。この収容穴6は、ハウジング2の対向面2aから回転体3の回転軸方向に窪む断面円形の穴で構成されており、カバー4で閉塞された状態で、収容穴6の内部が油圧室7となる。
回転体3は、油圧室7内に回転自在に収容され、エンジンの回転動力などを受けて回転する。図2(b)に示すように、回転体3は、外周面に複数の外歯3aが設けられたインナーロータ3bと、内周面に複数の内歯3cが設けられたアウターロータ3dで構成される。インナーロータ3bとアウターロータ3dとの複数の隙間がポンプ室8となっており、回転体3は、油圧室7を回転方向(図2(b)中、反時計回り方向)に区画してポンプ室8を形成している。
インナーロータ3bは、エンジンの動力で回転する不図示のシャフトが中心に挿通され、シャフトと一体回転する。外歯3aは、内歯3cよりも歯の数が1つ少なく、インナーロータ3bとアウターロータ3dとは、互いに偏心した状態で噛合されている。インナーロータ3bが図2(b)中実線の矢印方向に回転すると、アウターロータ3dも一体となって回転するが、このとき、複数のポンプ室8が、順次、縮小と拡大を繰り返すこととなる。
そして、ハウジング2に形成される収容穴6の底面6aには、ハウジング側吸入ポート9a、ハウジング側第1吐出ポート10a、ハウジング側第2吐出ポート11aが設けられている。ハウジング2に形成されるハウジング側吸入ポート9a、ハウジング側第1吐出ポート10a、ハウジング側第2吐出ポート11aは、いずれも底面6aに設けられる窪みで構成され、回転体3の回転方向(図2(a)に破線の矢印で示す)に互いに間隔を維持して、ハウジング側吸入ポート9a、ハウジング側第1吐出ポート10a、ハウジング側第2吐出ポート11aの順に配されている。また、底面6aであって、ハウジング側第1吐出ポート10aとハウジング側第2吐出ポート11aとの間には、中間ポート12が形成されている。この中間ポート12も、ハウジング側第1吐出ポート10aおよびハウジング側第2吐出ポート11aと同様に、底面6aに形成される窪みで構成されている。
また、カバー4の対向面4aのうち、収容穴6に対向する対向部分4bには、カバー側吸入ポート9b、カバー側第1吐出ポート10b、カバー側第2吐出ポート11bが設けられている。カバー4に形成されるカバー側吸入ポート9b、カバー側第1吐出ポート10b、カバー側第2吐出ポート11bは、いずれもカバー4を貫通する貫通孔で構成され、回転体3の回転方向(図2(c)に破線の矢印で示す)に互いに間隔を維持して、カバー側吸入ポート9b、カバー側第1吐出ポート10b、カバー側第2吐出ポート11bの順に配されている。
なお、ハウジング側吸入ポート9a、カバー側吸入ポート9bは、回転体3の回転軸方向に対向する位置に形成され、ハウジング側第1吐出ポート10a、カバー側第1吐出ポート10b、および、ハウジング側第2吐出ポート11a、カバー側第2吐出ポート11bも、それぞれ回転体3の回転軸方向に対向配置されている。以下では、ハウジング側吸入ポート9a、カバー側吸入ポート9bを総称して吸入ポート9と呼び、ハウジング側第1吐出ポート10a、カバー側第1吐出ポート10bを総称して第1吐出ポート10と呼び、ハウジング側第2吐出ポート11a、カバー側第2吐出ポート11bを総称して第2吐出ポート11と呼ぶ場合がある。
図3(a)は、収容穴6に回転体3を収容したハウジング2の正面図であり、図3(b)は、回転体3を透過させて吸入ポート9、第1吐出ポート10、第2吐出ポート11、中間ポート12を一体に示したハウジング2の正面図である。吸入ポート9は、油圧室7のうち、回転体3の回転に伴ってポンプ室8が容積を拡大する範囲に開口しており、容積拡大による負圧作用でポンプ室8に作動油を導く。第1吐出ポート10および第2吐出ポート11は、吸入ポート9よりも回転体3の回転方向後方であって、回転体3の回転に伴ってポンプ室8が容積を縮小する範囲に開口しており、容積縮小による圧縮作用で圧縮されたポンプ室8内の作動油が吐出される。
また、図2および図3に示すように、ハウジング2およびカバー4が組み付けられた状態において、回転体3が収容される収容穴6(油圧室7)の径方向外方には、吸入通路21および合流通路22が設けられている。吸入通路21は、ハウジング2の内部において、ハウジング側吸入ポート9aと連通している。同様に、合流通路22は、ハウジング2の内部において、ハウジング側第1吐出ポート10aと連通している。吸入通路21および合流通路22は、ハウジング2およびカバー4が組み付けられた状態において、回転体3の回転軸方向に延在する。そして、吸入通路21および合流通路22は、いずれもハウジング2側の一端が閉塞されているのに対して、カバー4側の端部は、カバー4を貫通している。
つまり、ハウジング2には、吸入通路21および合流通路22を構成する窪みが形成されており、カバー4には、ハウジング2に形成された窪みと対向する位置に、吸入通路21および合流通路22を構成する貫通孔が形成されている。したがって、ハウジング2内において、ハウジング側第1吐出ポート10aから吐出された作動油は、合流通路22を介してカバー4側へ導かれる。
詳しくは後述するが、カバー4のうち対向面4aと反対側の面は、エンジン本体に固定される。このエンジン本体には、カバー4に形成されたカバー側吸入ポート9b、カバー側第1吐出ポート10b、カバー側第2吐出ポート11bに接続される流路が形成されている(図6参照)。そして、カバー側第1吐出ポート10bに接続される流路は、合流通路22にも接続されている。したがって、ハウジング側第1吐出ポート10aから吐出された作動油は、合流通路22を介してカバー4側へ導かれた後に、カバー側第1吐出ポート10bから吐出された作動油と合流して、所望の供給先に供給されることとなる。
このように、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11の双方から作動油が吐出されるオイルポンプ1は、供給先で要求される圧力に応じて、半吐出状態と全吐出状態とに運転状態を切り換えて用いられる。具体的には、供給先の要求圧力が低い場合には、運転状態を半吐出状態に切り換え、第1吐出ポート10から吐出される作動油のみを所定の供給先に供給し、第2吐出ポート11から吐出される作動油は、潤滑油として各部位に供給したり、タンクに還流したりする。一方、供給先の要求圧力が高い場合には、運転状態を全吐出状態に切り換え、第1吐出ポート10から吐出される作動油に、第2吐出ポート11から吐出される作動油を合流させて所定の供給先に供給する。このように、半吐出状態および全吐出状態のいずれかに運転状態を切り換えることにより、エネルギーロスを低減することができる。
図4は、ポンプ室8、第1吐出ポート10、第2吐出ポート11、中間ポート12の位置関係を説明する図であり、ハウジング2の収容穴6に回転体3を収容した状態を示す。図4に示すように、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11は、回転体3の回転方向に離隔して配されている。そして、回転体3によって区画されるポンプ室8は、図4(a)に示すように、まず、第1吐出ポート10に連通し、ポンプ室8内で昇圧された作動油が第1吐出ポート10から吐出される。その後、回転体3がさらに回転すると、ポンプ室8は第2吐出ポート11に連通し、第1吐出ポート10で吐出されずにポンプ室8に残留した作動油が、第2吐出ポート11から吐出される。
このように、ポンプ室8は、第1吐出ポート10に連通した後に第2吐出ポート11に連通することとなるが、本実施形態のオイルポンプ1は、図4(b)に示すように、第1吐出ポート10と第2吐出ポート11とが、ポンプ室8を介して連通することはない。換言すれば、ポンプ室8は、第1吐出ポート10と対向して連通した状態から回転体3の回転方向に移動すると、第1吐出ポート10と非対向(非連通)となった後に、第2吐出ポート11と対向(連通)する。
この場合、第1吐出ポート10と第2吐出ポート11との間でポンプ室8が完全に密閉されることとなり、ポンプ室8内の圧力が極めて高くなって、所謂中間ランド圧が発生してしまう。このように、中間ランド圧が発生すると、駆動トルクが上昇し、エンジン全体の燃費効率が低下してしまう。そこで、中間ランド圧の発生を抑制すべく、ポンプ室8が密閉されないように、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11を、ポンプ室8を介して連通させることが考えられる。このようにすれば、第1吐出ポート10と第2吐出ポート11との間でポンプ室8が密閉されることがなくなり、ポンプ室8における中間ランド圧の発生を抑制することができる。
ところが、ポンプ室8を介して第1吐出ポート10および第2吐出ポート11を連通させてしまうと、上記の半吐出状態において、第1吐出ポート10の圧力が低下してしまう。そのため、半吐出状態で対応できる要求圧力の範囲が狭くなり、結果、全吐出状態で対応しなければならない機会が増加してしまう。特に、供給先の要求圧力が、半吐出状態で対応できる圧力を僅かに超える場合に全吐出状態として対応すると、余剰の作動油が大量に発生してしまい、エネルギーロスが顕著となる。
そこで、本実施形態では、ハウジング側第1吐出ポート10aとハウジング側第2吐出ポート11aとの間に中間ポート12を形成するとともに、この中間ポート12を介して、ポンプ室8をハウジング側第1吐出ポート10aまたはハウジング側第2吐出ポート11aに連通させる。以下に、ポンプ室8と、ハウジング側第1吐出ポート10aまたはハウジング側第2吐出ポート11aとの連通状態を切り換えるための具体的な構成について詳述する。
図5は、外部通路30に収容される作動弁40を説明する図であり、図5(a)は、図2(a)と同様、ハウジング2の対向面2a側の正面図を示し、図5(b)は、図5(a)に示す底面6aよりも回転軸方向奥側(対向面2aと反対側)におけるハウジング2の断面図を示す。また、図6は、図5の一点鎖線部分における断面を概念的に示す図である。上記したように、ハウジング側吸入ポート9a、ハウジング側第1吐出ポート10a、ハウジング側第2吐出ポート11a、中間ポート12は、収容穴6の底面6aに形成される窪みで構成されている。底面6aには、収容穴6に収容される回転体3の側面が対向しており、回転体3が収容される部分が油圧室7となることから、ハウジング側吸入ポート9a、ハウジング側第1吐出ポート10a、ハウジング側第2吐出ポート11a、中間ポート12は、油圧室7に開口していることとなる。
そして、図5(b)に示すように、ハウジング2のうち、底面6aを境にして油圧室7(回転体3)と反対側には、ハウジング側第1吐出ポート10aとハウジング側第2吐出ポート11aとを接続する外部通路30が形成されている。この外部通路30は、中間ポート12が開口する位置を通るように、ハウジング側第1吐出ポート10aからハウジング側第2吐出ポート11aまで直線状に延在している。
ここで、外部通路30のうち、中間ポート12を境にしてハウジング側第1吐出ポート10aまで延伸する部分が第1外部通路31となり、この第1外部通路31を介して、中間ポート12とハウジング側第1吐出ポート10aとが接続されることとなる。また、外部通路30のうち、中間ポート12を境にしてハウジング側第2吐出ポート11aまで延伸する部分が第2外部通路32となり、この第2外部通路32を介して、中間ポート12とハウジング側第2吐出ポート11aとが接続されることとなる。つまり、第1外部通路31および第2外部通路32は、中間ポート12との接続部で互いに接続されている。
そして、外部通路30には、第1外部通路31側から第2外部通路32側まで移動自在に設けられ、第1外部通路31および第2外部通路32を開閉する作動弁40(図5および図6中クロスハッチングで示す)が収容されている。図6に示すように、作動弁40には、第1外部通路31側に伸びるスプール40aが固定されており、このスプール40aに形成された第1フランジ部40bに、作動弁40を第1外部通路31側に引き付けるコイルバネで構成された付勢部材41(図中一点鎖線で示す)が固定されている。
作動弁40には、ハウジング側第1吐出ポート10aの圧力と、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力とが対向して作用する。このとき、ハウジング側第1吐出ポート10aの圧力が、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力よりも高く、しかも、付勢部材41の弾性力(引き付ける力)に打ち勝つと、図6(a)に示すとおり、外部通路30に設けられたストッパー42に作動弁40が着座する。このように、ハウジング側第1吐出ポート10aの圧力を受けて第2外部通路32側に作動弁40が移動した状態では、第1外部通路31が開かれるとともに、第2外部通路32が閉じられる。これにより、ポンプ室8は、中間ポート12および第1外部通路31を介して、ハウジング側第1吐出ポート10aに連通することとなる。
一方、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力が、ハウジング側第1吐出ポート10aの圧力と同等程度になると、作動弁40は、付勢部材41の弾性力により、図6(b)に示すとおり、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力を受けて第1外部通路31側に移動する。これにより、第2外部通路32が開かれるとともに第1外部通路31が閉じられ、ポンプ室8は、中間ポート12および第2外部通路32を介して、ハウジング側第2吐出ポート11aに連通することとなる。このように、作動弁40は、第1外部通路31および第2外部通路32のいずれか一方を開いているとき、第1外部通路31および第2外部通路32のいずれか他方を閉じることとなる。
また、スプール40aには第2フランジ部40cが設けられており、図6(b)に示すように、作動弁40が第1外部通路31側に移動すると、第2フランジ部40cに、圧縮コイルバネ43の付勢力が作用する。この圧縮コイルバネ43は、第1外部通路31側から第2外部通路32側へ作動弁40を付勢する付勢力を作用させるもので、ハウジング側第1吐出ポート10aとハウジング側第2吐出ポート11aとの差圧が、設計値の範囲内にあるときに、作動弁40を図6(b)の位置に保持しつつ、作動弁40のさらなる第1外部通路31側への移動を許容する。
なお、図6に示すように、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11のいずれか一方と中間ポート12とがポンプ室8を介して連通しているとき、このポンプ室8は、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11のいずれか他方と非連通となるように寸法設計がなされている。以下に、上記のオイルポンプ1を採用した、車両のトランスミッションの油圧制御装置について説明する。
図7は、半吐出状態を説明する図であり、図8は、全吐出状態を説明する図である。図7(b)に示すように、油圧制御装置100は、上記のオイルポンプ1と、油圧回路110とを含んで構成される。油圧回路110は、オイルポンプ1のカバー側吸入ポート9bおよび吸入通路21に接続される吸入路112を備えている。この吸入路112は、ストレーナ114を介してタンクTに接続されており、オイルポンプ1が駆動すると、ポンプ室8の負圧作用により、タンクTに貯留された作動油が、ストレーナ114で濾過された後にケーシング5内に吸入され、吸入ポート9からポンプ室8に導かれる。
また、油圧回路110は、カバー側第1吐出ポート10bおよび合流通路22に接続される第1供給路116と、カバー側第2吐出ポート11bに接続される第2供給路118と、を備えている。ポンプ室8で昇圧された作動油は、第1吐出ポート10から第1供給路116に吐出されるとともに、第1吐出ポート10から吐出されずにポンプ室8に残留した作動油は、第2吐出ポート11から第2供給路118に吐出されることとなる。
第1供給路116には、トランスミッションの油圧機構120が接続されており、第2供給路118には、潤滑対象122が接続されている。油圧機構120は、第1供給路116から供給される作動油の油圧(ライン圧)で各種の部品を作動させ、こうした部品の作動により変速等を行う。また、潤滑対象122は、トランスミッション内の各部品の潤滑部分であり、潤滑対象122においては、第2供給路118から供給される作動油が潤滑油として機能する。
また、第1供給路116および第2供給路118は、接続路124によって互いに接続されており、この接続路124にコントロール弁126が設けられている。このコントロール弁126にはパイロットライン126aが接続されており、このパイロットライン126aのパイロット圧が、リニアソレノイド128によってリニアに制御される。リニアソレノイド128によってパイロットライン126aのパイロット圧が制御されると、そのパイロット圧に応じて、コントロール弁126が接続路124の開度をリニアに調整することとなる。
さらに、第1供給路116には、接続路124の接続箇所よりも上流側に、分岐路130が接続されており、第2供給路118には、接続路124の接続箇所よりも上流側にポート切換弁132が設けられている。ポート切換弁132は、第2吐出ポート11から吐出された作動油を、分岐路130を介して第1供給路116に合流させる第1切換位置(図8(b))と、第2吐出ポート11から吐出された作動油を、第2供給路118を介して潤滑対象122に導く第2切換位置(図7(b))とに切り換え可能な2位置3ポート弁で構成されている。
なお、第2供給路118のうち、接続路124との接続箇所と潤滑対象122との間には、潤滑対象122への供給圧を一定に保持するためのオリフィス134が設けられており、このオリフィス134の上流には、余剰の作動油を吸入側に還流させる還流路136が接続されている。
そして、油圧制御装置100は、スロットル開度センサ、車速センサ、T/M回転センサ、ライン圧センサなどの各種のセンサ150と、センサ150からの出力値に応じて、ポート切換弁132およびリニアソレノイド128を制御する制御部152と、を備えている。ここで、ライン圧は、油圧機構120へ供給される作動油の油圧を示し、ライン圧センサはライン圧を測定する。制御部152は、センサ150の出力値から油圧機構120における要求圧力(必要流量)を演算し、演算結果に基づいて、リニアソレノイド128の開度制御、および、ポート切換弁132の切り換え制御を行う。
このとき、油圧機構120における要求圧力(必要流量)が低ければ、制御部152が、ポート切換弁132を図7(b)に示す第2切換位置に保持し、オイルポンプ1の運転状態を半吐出状態とする。この半吐出状態では、第2吐出ポート11から吐出された作動油は、第2供給路118を介して潤滑対象122に導かれ、余剰分が還流路136を介して吸入側に還流される。また、半吐出状態では、第1吐出ポート10から吐出された作動油のみが、第1供給路116を介して油圧機構120に導かれる。このとき、制御部152は、リニアソレノイド128を制御して、コントロール弁126(接続路124)の開度を調整している。
具体的には、ライン圧センサが検出するライン圧が、油圧機構120の要求圧力よりも小さい場合、制御部152は、コントロール弁126(接続路124)の開度を小さくする。また、これとは逆に、ライン圧センサが検出するライン圧が、油圧機構120の要求圧力よりも大きい場合、制御部152は、コントロール弁126(接続路124)の開度を大きくする。このように、制御部152は、要求圧力(必要流量)を確保するべく、ライン圧に基づくフィードバック制御を行う。
ここで、第1供給路116の圧力は、第2供給路118の圧力よりも高く、また、コントロール弁126は、接続路124を完全に閉じきることはない。したがって、オイルポンプ1の駆動時には、常に、第1供給路116から吐出された作動油の一部が、接続路124を介して第2供給路118に導かれ、第2吐出ポート11から吐出された作動油と合流する。接続路124から第2供給路118に導かれた作動油は、潤滑対象122に供給されるとともに、余剰分が還流路136を介して吸入側に還流される。
フィードバック制御により、コントロール弁126(接続路124)の開度を小さくすると、第1供給路116の圧力すなわち供給圧が高まり、油圧機構120への供給流量が増加する。これとは逆に、コントロール弁126(接続路124)の開度を大きくすると、第2供給路118に合流する作動油量が増加し、第1供給路116の圧力すなわち供給圧が低下することになる。
以上のように、半吐出状態では、油圧機構120に接続される第1供給路116は、潤滑対象122や吸入側に接続される第2供給路118よりも圧力が高い。そして、第1供給路116は第1吐出ポート10に接続されており、第2供給路118は第2吐出ポート11に接続されていることから、半吐出状態においては、第1吐出ポート10の圧力が、第2吐出ポート11の圧力よりも高くなっている。
その結果、半吐出状態では、図7(a)に示すように、作動弁40は、ハウジング側第1吐出ポート10a(第1吐出ポート10)の圧力を受けて、付勢部材41の弾性力に抗して第2外部通路32側に移動し、第1外部通路31を開くとともに第2外部通路32を閉じる。これにより、中間ポート12に対向する位置まで移動したポンプ室8は、中間ポート12および第1外部通路31を介してハウジング側第1吐出ポート10a(第1吐出ポート10)に連通する。
したがって、第1吐出ポート10と第2吐出ポート11との間に位置するポンプ室8が、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11のどちらにも対向しない状態になったとしても、ポンプ室8の圧力を第1吐出ポート10の圧力範囲に収めることができる。つまり、ポンプ室8の極端な圧力上昇を抑制し、駆動トルクが上昇するといった事態を回避することができる。また、中間ポート12および第1外部通路31を介して、ポンプ室8内の作動油を第2吐出ポート11側へ戻すことができるので、半吐出状態において、油圧機構120に供給する作動油量を十分に確保することが可能となる。
一方、油圧機構120における要求圧力(必要流量)が高い場合には、制御部152が、ポート切換弁132を図8(b)に示す第1切換位置に保持し、オイルポンプ1の運転状態を全吐出状態とする。この全吐出状態では、第2吐出ポート11から吐出された作動油が、分岐路130を介して第1供給路116に合流する。これにより、オイルポンプ1から吐出された作動油の全流量が第1供給路116に導かれることとなり、油圧機構120に高圧の作動油を供給することが可能となる。なお、全吐出状態においても、フィードバック制御により、コントロール弁126(接続路124)の開度調整がなされており、第1供給路116に導かれた作動油の余剰分が、接続路124および第2供給路118を介して潤滑対象122に供給されることとなる。
以上のように、全吐出状態では、第2吐出ポート11から吐出された作動油が、分岐路130を介して第1供給路116に供給され、第1吐出ポート10から吐出された作動油と合流する。そのため、全吐出状態においては、第1吐出ポート10の圧力と、第2吐出ポート11の圧力とがほぼ均衡している。
その結果、全吐出状態では、図8(a)に示すように、作動弁40は、ハウジング側第2吐出ポート11a(第2吐出ポート11)の圧力を受けるとともに、付勢部材41の弾性力(引き込み力)によって、第1外部通路31側に移動し、第2外部通路32を開くとともに第1外部通路31を閉じる。これにより、中間ポート12に対向する位置まで移動したポンプ室8は、中間ポート12および第2外部通路32を介してハウジング側第2吐出ポート11a(第2吐出ポート11)に連通する。
したがって、全吐出状態において、第1吐出ポート10と第2吐出ポート11との間に位置するポンプ室8が、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11のどちらにも対向しない状態になったとしても、ポンプ室8の圧力を第2吐出ポート11の圧力範囲に収めることができる。つまり、半吐出状態と同様、全吐出状態においても、ポンプ室8の極端な圧力上昇を抑制し、駆動トルクが上昇するといった事態を回避することができる。
また、全吐出状態では、半吐出状態に比べて、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力が高くなるため、ハウジング側第2吐出ポート11a側で油振が生じるおそれがある。本実施形態では、作動弁40が第1外部通路31側に移動した状態で、スプール40aに圧縮コイルバネ43の付勢力が作用しているので、ハウジング側第2吐出ポート11a側で発生した油振を圧縮コイルバネ43によって吸収することができる。このように、圧縮コイルバネ43は、少なくとも作動弁40が第1外部通路31側に移動して、第2外部通路32を開いた状態で、第2吐出ポート11側に発生する油振に起因する作動弁40の振動を吸収する振動吸収部材として機能することとなる。
ここで、図6〜図8からも明らかなように、第1吐出ポート10は、回転体3の一方の側面に開口するハウジング側第1吐出ポート10a(合流側吐出ポート)と、回転体3の他方の側面に開口するカバー側第1吐出ポート10b(被合流側吐出ポート)と、を含んでいる。ハウジング側第1吐出ポート10aおよびカバー側第1吐出ポート10bは、ケーシング5に形成された合流通路22を介して接続され、ハウジング側第1吐出ポート10aから吐出された作動油は、合流通路22を介してカバー側第1吐出ポート10bから吐出される作動油に合流した後に、所望の供給先に送出される。また、第1外部通路31は、中間ポート12とハウジング側第1吐出ポート10aとを接続している。
これに対して、第2吐出ポート11は、回転体3の一方の側面に開口するハウジング側第2吐出ポート11a(合流側第2吐出ポート)と、回転体3の他方の側面に開口するカバー側第2吐出ポート11b(被合流側第2吐出ポート)と、を含んでいる。ここで、ケーシング5には、ハウジング側第1吐出ポート10aとカバー側第1吐出ポート10bとを接続する第1合流通路22が形成されているのに対して、ハウジング側第2吐出ポート11aとカバー側第2吐出ポート11bとを接続する通路が設けられていない。
オイルポンプ1の取り付け環境はさまざまな制約を受けることから、他の部材との干渉を避けるべく、オイルポンプ1の小型化や軽量化が望まれる。ケーシング5には、吸入通路21および合流通路22が形成されており、さらに、ハウジング側第2吐出ポート11aとカバー側第2吐出ポート11bとを接続する流路を設けるとなると、ケーシング5が大型化してしまう。この点、ケーシング5の大型化を防ぐべく、ハウジング側第2吐出ポート11aとカバー側第2吐出ポート11bとを接続する流路の断面積を、合流通路22の断面積よりも小さくすることが考えられるが、流路の断面積を小さくすると、流路抵抗が大きくなり、次のような問題が生じ得る。
図9は、全吐出状態における作動油の流れを説明する図であり、図9(a)に比較例のオイルポンプ1aを示し、図9(b)に本実施形態のオイルポンプ1を示す。図9(a)に示すように、比較例のオイルポンプ1aは、上記の中間ポート12、外部通路30、作動弁40、付勢部材41等を有しておらず、ハウジング側第2吐出ポート11aとカバー側第2吐出ポート11bとを接続する第2合流通路23が設けられている点が本実施形態のオイルポンプ1と異なり、その他の構成はオイルポンプ1と同じである。比較例のオイルポンプ1aにおいては、ケーシング5の大型化を防ぐべく、第2合流通路23の流路断面積を小さくしているが、この場合、ハウジング側第2吐出ポート11aから吐出された作動油が第2合流通路23を流通する際の流路抵抗が大きくなる。
その結果、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力が、カバー側第2吐出ポート11bの圧力よりも高くなり、回転体3が、図9(a)に黒塗りの矢印で示すように、カバー4側に押し付けられる。このように、比較例のオイルポンプ1aにおいて、小型化を図るべく、第2合流通路23の流路断面積を小さくすると、回転体3の両側面における圧力バランスが悪化し、回転体3が、ハウジング側第2吐出ポート11a側からカバー側第2吐出ポート11b側へ押し付けられる。そのため、回転体3の抵抗が大きくなって吐出効率が低下するばかりか、回転体3の片当たりにより、オイルポンプ1の製品寿命が短くなるおそれがある。
これに対して、図9(b)に示すように、本実施形態のオイルポンプ1によれば、全吐出状態において、ハウジング側第2吐出ポート11aが、第2外部通路32および中間ポート12を介してポンプ室8に連通する。これにより、全吐出状態では、ハウジング側第1吐出ポート10aから吐出された作動油が、合流通路22を介してカバー側第1吐出ポート10bから吐出される作動油に合流した後に供給先に送出されるとともに、図中一点鎖線の矢印で示すように、ハウジング側第2吐出ポート11aから吐出された作動油が、外部通路30(第2外部通路32)、中間ポート12およびポンプ室8を介してカバー側第2吐出ポート11bから吐出される。
これにより、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力上昇が抑制され、回転体3の両側面における圧力バランスの悪化を抑制することができる。したがって、比較例のオイルポンプ1aのように、第2合流通路23を設ける必要がなく、1ポート型のオイルポンプと同様に小型化を図ることができる。また、第2合流通路23を設ける必要がないため、回転体3の抵抗が大きくなって吐出効率が低下したり、回転体3の片当たりによりオイルポンプ1の製品寿命が短くなったりするおそれもない。
なお、半吐出状態では、作動弁40によって、ハウジング側第2吐出ポート11aと第2外部通路32との連通が遮断されるが、半吐出状態においては、全吐出状態に比べて、ハウジング側第2吐出ポート11aの圧力が低い。そのため、ハウジング側第2吐出ポート11a側からカバー側第2吐出ポート11b側へ回転体3が押し付けられるといった問題が生じることはない。
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
上記実施形態では、第1外部通路31および第2外部通路32を一体的な構成とし、第1外部通路31および第2外部通路32の開閉を1つの作動弁40で行うこととした。また、上記実施形態では、第1外部通路31および第2外部通路32のいずれか一方を開いているとき、第1外部通路31および第2外部通路32のいずれか他方が閉じられることとした。しかしながら、第1外部通路31および第2外部通路32を別々に設けるとともに、そのそれぞれに作動弁40を設けてもよいし、運転状況等に応じて、第1外部通路31および第2外部通路32の連通を、一時的にオーバーラップさせてもよい。
また、上記実施形態では、第1外部通路31および第2外部通路32を設けることとしたが、第1外部通路31は必須ではない。つまり、上記実施形態では、外部通路30が、ハウジング側第2吐出ポート11a、中間ポート12、ハウジング側第1吐出ポート10aを接続する。そして、作動弁40が、半吐出状態では、中間ポート12をハウジング側第1吐出ポート10aに連通させ、全吐出状態では、中間ポート12をハウジング側第2吐出ポート11aに連通させる。しかしながら、外部通路30は、油圧室7の外部において、少なくともハウジング側第2吐出ポート11aと中間ポート12とを接続していればよく、全吐出状態において、ハウジング側第2吐出ポート11aから吐出された作動油が、外部通路30、中間ポート12およびポンプ室8を介してカバー側第2吐出ポート11bから吐出されればよい。
また、上記実施形態では、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11のいずれか一方と中間ポート12とがポンプ室8を介して連通しているとき、このポンプ室8が、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11のいずれか他方と非連通となる場合について説明した。しかしながら、ポンプ室8は、第1吐出ポート10、第2吐出ポート11および中間ポート12と同時に連通する場合があっても構わない。この場合であっても、上記と同様の作用効果を実現することができる。ただし、中間ポート12に連通しているポンプ室8が、第1吐出ポート10および第2吐出ポート11に同時に連通しないように設計すれば、上記実施形態のように、半吐出状態における第1吐出ポート10の吐出圧および吐出流量をより高めることができる。
また、上記実施形態における作動弁40の構成は一例にすぎず、例えば、作動弁40をボール弁で構成することもできる。また、作動弁40を、ハウジング側第1吐出ポート10aとハウジング側第2吐出ポート11aとの圧力差、および、付勢部材41の弾性力で作動させることとしたが、制御部152によって電気的に作動弁40を作動させてもよい。いずれにしても、作動弁40は、外部通路30を開閉することができる構成であれば、その詳細は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、ハウジング2に回転体3を収容することとしたが、カバー4に回転体3を収容してもよい。また、上記実施形態では、オイルポンプ1が内接歯車ポンプである場合について説明したが、油圧室を回転方向に区画してポンプ室を形成する回転体を備えていれば、例えばベーンポンプであってもよい。
また、上記実施形態では、第2吐出ポート11側に発生する油振に起因する作動弁40の振動を吸収する振動吸収部材として、圧縮コイルバネ43を設けたが、振動吸収部材は必須ではない。なお、振動吸収部材を設ける場合には、圧縮コイルバネ43に限らず、例えば、磁石、流体を用いたダンパ、ゴム等を採用することもできる。
本発明は、主に車両に搭載されるオイルポンプに利用できる。
1 オイルポンプ
3 回転体
5 ケーシング
7 油圧室
8 ポンプ室
9 吸入ポート
10 第1吐出ポート
10a ハウジング側第1吐出ポート(合流側第1吐出ポート)
10b カバー側第1吐出ポート(被合流側第1吐出ポート)
11 第2吐出ポート
11a ハウジング側第2吐出ポート(合流側第2吐出ポート)
11b カバー側第2吐出ポート(被合流側第2吐出ポート)
12 中間ポート
22 合流通路
30 外部通路
40 作動弁

Claims (2)

  1. ケーシングに形成される油圧室と、
    前記油圧室内に回転自在に収容され、該油圧室を回転方向に区画してポンプ室を形成する回転体と、
    前記油圧室に開口し、前記ポンプ室に作動油を導く吸入ポートと、
    前記吸入ポートよりも前記回転体の回転方向後方に設けられ、前記回転体の一方の側面に開口する合流側第1吐出ポート、および、該回転体の他方の側面に開口する被合流側第1吐出ポートを含んで構成される第1吐出ポートと、
    前記第1吐出ポートよりも前記回転体の回転方向後方に設けられ、前記回転体の一方の側面に開口する合流側第2吐出ポート、および、該回転体の他方の側面に開口する被合流側第2吐出ポートを含んで構成される第2吐出ポートと、
    を備え、
    前記吸入ポートから前記ポンプ室に吸入された作動油を、該ポンプ室の容積を縮小して昇圧した後に、前記第1吐出ポートから吐出する半吐出状態、および、該第1吐出ポートおよび前記第2吐出ポートの双方から吐出する全吐出状態に切り換え可能なオイルポンプであって、
    前記合流側第1吐出ポートを前記被合流側第1吐出ポートに接続する合流通路と、
    前記油圧室に開口し、前記合流側第1吐出ポートと前記合流側第2吐出ポートとの間に設けられ、前記ポンプ室を介して少なくとも前記被合流側第2吐出ポートと連通する中間ポートと、
    前記油圧室の外部に設けられ、少なくとも前記合流側第2吐出ポートと前記中間ポートとを接続する外部通路と、
    前記外部通路に設けられ、前記全吐出状態では前記合流側第2吐出ポートと前記中間ポートとを連通させ、前記半吐出状態では該合流側第2吐出ポートと該中間ポートとの連通を遮断する作動弁と、
    を備え、
    前記全吐出状態では、前記合流側第1吐出ポートから吐出された作動油が、前記合流通路を介して前記被合流側第1吐出ポートから吐出される作動油に合流した後に供給先に送出され、前記合流側第2吐出ポートから吐出された作動油が、前記外部通路、前記中間ポートおよび前記ポンプ室を介して前記被合流側第2吐出ポートから吐出されることを特徴とするオイルポンプ。
  2. 前記外部通路は、前記合流側第2吐出ポート、前記中間ポート、前記合流側第1吐出ポートを接続し、
    前記作動弁は、
    前記半吐出状態では、前記中間ポートを前記合流側第1吐出ポートに連通させ、前記全吐出状態では、該中間ポートを前記合流側第2吐出ポートに連通させることを特徴とする請求項1に記載のオイルポンプ。
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