JP3608688B2 - オイルポンプ装置 - Google Patents

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    • F04C2/10Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C2/102Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member the two members rotating simultaneously around their respective axes

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオイルポンプ装置に関する。本発明は駆動源例えば車両の内燃機関のクランクシャフトの回転数の増加に伴い油圧が増大する特性をもつオイルポンプ装置に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
オイルポンプ装置においては、ロータの回転数が増加すると、吐出ポートから吐出される作動油の吐出量が増加するため、オイルポンプ装置により生じる油圧が増大する。
ところで従来より、2台のギヤポンプを一体的に装備したオイルポンプ装置が知られている(実開昭61−23485号公報)。このものは、油圧が小さくなりがちな低速回転領域では、2台のギヤポンプを駆動させて作動油の吐出量を確保し、これにより必要油圧を確保する。一方、高速回転領域では、吐出量が増大して油圧の増大が期待できるので、1台のギヤポンプのみを駆動させ、必要以上の油圧を回避し、仕事効率を向上させている。
【0003】
また従来より図9に示す様にリリーフ弁300を装備したオイルポンプ装置も知られている。このものでは吸込ポート101及び吐出ポート102を備えたポンプボディ100と、ポンプボディ100のポンプ室105に回転自在に配置された多数の歯を備えたロータ200と、吐出ポート102からの作動油の油圧に応答して作動するリリーフ弁300とを有する。
【0004】
このものにおいても、前述同様にロータ200の回転数が増加すると、吐出ポート102からの作動油の吐出量が増加するので、オイルポンプ装置により生じる油圧が増大するものである。そしてロータ200の回転数が増加して基準圧(P1)以上の油圧が生じた場合には、吐出ポート102からの作動油の油圧がリリーフ弁300のバネの付勢力に打ち勝つので、リリーフ弁300が開放作動し、これにより余剰の作動油をリリーフ弁300のリリーフポートから外部に排出する様にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した実開昭61−23485公報に係るオイルポンプ装置によれば、ギヤポンプを2台必要とするので、小型化の面で不利であり、車体等の基体に搭載する場合には搭載性の面で不利である。
また図9に示すオイルポンプ装置によれば、前述した様に基準圧(P1)以上の油圧が生じた場合には、吐出ポート102から吐出される作動油の油圧でリリーフ弁300を開放作動させ、余剰の作動油をリリーフポートから外部に排出するものである。従って、外部に排出される余剰の作動油についても、基準圧(P1)以上の大きな油圧が作用しているので、オイルポンプ装置は余分の仕事をしていることになり、オイルポンプ装置における仕事効率の面で好ましくない。
【0006】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、その課題は、ロータの回転数が増加して必要油圧が確保された場合において、排出される余剰の作動油には複数ある吸込ポートの一部へ圧送帰還させる手段を採用することにより、仕事効率の向上を図り得、これによりオイルポンプの駆動馬力の低減に有利であり、更に小型化の面で有利であり、車体等の基体に搭載する場合において搭載性の向上を図り得るオイルポンプ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るオイルポンプ装置は、(a)駆動源によって回転動作するロータにより容積が変化する複数の空間群が形成されるとともに、該空間群のうち縮小側空間が吐出ポートに連通し、拡大側空間が、ポンプ室の周方向において互いに連通しておらず互いに独立した複数の吸込ポートに分かれて連通して、該吐出ポートから吐出される作動油を被送給部に送給するオイルポンプと、(b)上記オイルポンプの動作状態を、上記複数の互いに独立した吸込ポートを互いに連通して上記拡大側空間に吸込を行わせる第1状態と、上記吐出ポートを上記複数の互いに独立した吸込ポートの少なくとも一つに連通させ、該連通された吸込ポートに対応した一部の拡大側空間に上記吐出ポートからの作動油を圧送する第2状態とに切換可能な制御弁とを具備したことにある。
【0008】
請求項2の発明の要旨は、上記制御弁が、上記供給路の油圧に基づいて上記切換制御を行い、該油圧が所定域よりも小さなときには上記第1状態に切換え、該油圧が所定域よりも大きなときには上記第2状態に切換えることにある。
請求項3の発明の要旨は、上記供給路の油圧、油温、スロットル開度、機関の回転数のうち少なくとも一つを検出して取得した制御信号を出力する制御手段を有し、上記制御弁が、上記制御手段からの制御信号に基づいて上記切換制御を行うことにある。
【0009】
請求項4の発明の要旨は、上記制御弁が、上記供給路の油圧若しくは上記制御手段の制御信号に基づいて上記オイルポンプの動作状態を、ポンプ室の周方向において互いに連通しておらず上記複数の互いに独立した吸込ポートを互いに連通して上記拡大側空間群に吸込を行わせる第1状態と、上記吐出ポートを上記複数の吸込ポートの一つに連通させ、該連通された吸込ポートに対応した一部の拡大側空間に上記吐出ポートからの作動油を圧送し吸込動作を残りの拡大側空間だけに行わせる第2状態と、上記吐出ポートを互いに独立したすべての吸込ポートに連通させて上記吐出ポートからの作動油を上記拡大側空間に圧送する第3状態とに切換るようにしたことにある。
【0010】
本発明の被送給部は、送給油路から作動油が送給される機関の意味であり、ベアリング等の潤滑装置、内燃機関のシリンダやピストン等の様に油冷される装置、或いは油圧作動式のアクチュエータ等が挙げられる。
【0011】
【作用及び発明の効果】
本発明のオイルポンプ装置において、駆動源の回転数の増加に伴いロータの回転数が増加し、吐出ポートから作動油の吐出量が増加し、これにより供給路の油圧が増大する。
駆動源の回転数及びロータの回転数が小さくて供給路の油圧が所定域(Pm)よりも小さなときには、制御弁は第1状態となり、複数の吸込ポートが一つの吸込ポートとなって拡大側空間に作動油が吸い込まれる。従ってオイルポンプは、拡大側空間の全部が吸込し、よって、ロータの回転数が小さくても、被送給部に送給される必要油圧は確保される。
【0012】
一方、ロータの回転数が増して吐出ポートからの吐出量が増し、供給路の油圧が所定域よりも大きくなったときには、制御弁はオイルポンプを第2状態とし、拡大側空間の一部だけで吸込を行わせる。これによりポンプの仕事が低減され、それにもかかわらず被送給部に送給される必要油圧は確保される。
換言すれば、駆動源及びロータの回転数が増して吐出ポートからの吐出量が増し、供給路の油圧が所定域よりも大きくなり、供給路のみで必要油圧が確保される場合には、拡大側空間の一部だけで吸込をさせ、残りの拡大側空間には余剰の作動油を圧送することで吸込が行われなくなる。
【0013】
とりわけ、請求項4の発明のように、第1〜第3状態に切換可能とすれば、ロータの低回転数域、中回転数域、高回転数域とで最適な油量を供給するきめ細かな制御が可能となる。
このように本発明は、余剰の作動油を吸込ポートの拡大側空間に帰還しているので、拡大側空間は吸込を行うことなく、作動油がオイルポンプを循環し、オイルポンプ装置における余分の仕事は低減または回避され、オイルポンプ装置の駆動馬力を低減できる。
【0014】
また供給路のみで必要油圧が確保された場合には、余分の仕事を省略でき仕事効率が高まるので、実開昭61−23485号公報に係る装置とは異なり、2台一体的に装備せずともよく、オイルポンプ装置の小型化、ひいては軽量化に有利である。よって車体等の基体に搭載する際における搭載性の向上に有利である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオイルポンプ装置の第1実施形態の例を説明する。この例は車両に搭載して内燃機関のクランクシャフトにより回転して油圧を発生させるものである。
図1にオイルポンプ装置の概念構成図を示す。図1に示すオイルポンプ装置に係るオイルポンプ1は金属製(例えばアルミ系合金、鉄系合金)のポンプボディ1aを備えている。ポンプボディ1aには凹部1a1が形成されており、該凹部1a1内には多数個の内歯11を備えたドリブンギヤを構成するアウタロータ3が回転自在に嵌合されている。アウタロータ3内には、アウターロータ3の軸心に対して所定量偏心した軸心を有するインナーロータ2が同偏心軸を中心に回転可能に配設されている。インナーロータ2は駆動源としての内燃機関のクランクシャフトに接続され、クランクシャフトと共に回転する。なおインナーロータ2の回転数は一般的には600〜7000rpm程度となるように設計されている。
【0016】
インナーロータ2には、多数個の外歯21を備えたドライブギヤを構成する外歯車部が形成されている。内歯11及び外歯21はトロコイド曲線又はサイクロイド曲線で規定されている。
インナーロータ2の回転方向は半時計方向(矢視A1)方向であり、インナーロータ2の回転に伴ないインナーロータ2の外歯21が内歯11に次々と入り込み、アウターロータ3も同方向に回転する。外歯21と内歯11とにより図1に示す空間22a〜22kに分割されたポンプ室10が形成される。図1に示す空間22aは最も容積が大きなものであり、空間22fは最も容積が小さなものである。
【0017】
空間22aよりも下流の空間22b〜22f(縮小側空間)は、次第に容積が縮小するため吐出圧が生成し、作動油の吐出作用が得られる。また空間22fよりも上流の空間22g〜22k(拡大側空間)は、次第に容積が拡大するため吸込圧が生成し、作動油の吸込作用が得られる。
オイルポンプ1のポンプボディ1aには、上記空間22b〜22fに連通した吐出ポート33が形成されている。吐出ポート33は、インナーロータ2の回転に伴いポンプ室10からオイルを吐出するポートである。ポンプボディ1aには吸込ポート31が吸込ポートAと吸込ポートBとに分離して形成されている。吸込ポートAは、空間22g〜22iに連通し、吸込ポートBは空間22kに連通している。
【0018】
本実施形態では、矢印A1に示す回転方向において、吸込ポートBは吸込ポートAよりも下流に位置している。また吸込ポートAの開口面積は、吸込ポートBの開口面積に比較して大きく設定されている。図1から理解できる様に、内歯11と外歯21との接触点E1、E2によって吸込ポートAと吸込ポートBを区分けしている。よって吸込ポートAと吸込ポートBとは、ポンプ室10の周方向において互いに連通しておらず、従って吸込ポートAと吸込ポートBとは互いに独立した吸込機能を有する。また、吸込ポートAには、オイルパン、リザーバ、オイルタンク等の油貯蔵部69に延在した吸込管路66が連通されている。勿論、この油貯蔵部69には、被送給部80に送給された作動油の一部が帰還されるようになっている。
【0019】
吐出ポート33に連通した供給路5は、内燃機関の送給部80に作動油を導出する通路であり、途中に分岐路6Aと分岐路6Bをもつ。分岐路6Aの先端はスプール形の制御弁7の制御ポート71に接続され、分岐路6Bの先端は、同制御弁7の第3中間ポート72に接続されている。制御弁7は、オイルポンプ1のポンプボディ1aに形成された弁室78内に軸方向に摺動可能に配設された弁体77を有し、該弁室78は、制御ポート71に常時連通されるヘッド室75を弁室78内に形成する第1弁部77aと、弁体77を常時ヘッド室75へ向けて付勢する伸縮スプリング79が収容された背面室79aを弁室78内に形成する第2弁部77bとを備えている。第1弁部77aと第2弁部77bの間は小径の軸部で連結されており、これにより両弁部77a、77b間に弁通路76が形成される。弁室78には、吸込ポートAに通路62を介して連通した第1中間ポート73と、吸込ポートBに通路63を介して連通した第2中間ポート74と、分岐路6Bに連通した第3中間ポート72とが形成されている。第1中間ポート73は、弁体77がヘッド室75内の油圧により伸縮スプリング79に抗して摺動することにより、第1弁部77aによって制御ポート71及び第2中間ポート74とのヘッド室75及び弁通路76を介した連通を開閉制御されるように、弁室78内に開口しており、第3中間ポート72は、弁体77の上記摺動により第2弁部77bによって弁通路76を介した第2中間ポート74との連通を開閉制御されるように弁室78内に開口している。尚、第2中間ポート74は、弁通路76に常時開口している。
【0020】
従って弁体77の位置によって制御弁7は、上記オイルポンプ1の動作状態を、第1状態(第1、第2中間ポート73、74を弁通路76を介して連通し、吸込ポートA、Bを互いに連通した状態)、第2状態(第3中間ポート72、第2中間ポート74を弁通路76を介して連通し、分岐路6Bを吸込ポートBに連通した状態)及び第3状態(制御ポート71、第1中間ポート73をへッド室75を介して連通し、分岐路6Aを吸込ポートAに連通した状態)に切換え制御可能に構成される。第1状態は図1に対応し、第2状態は図2に対応し、第3状態は図3にそれぞれ対応している。尚、通路62、63、分岐路6A、6B、吸込管路66の一部、供給路5の一部は制御弁7と同様にオイルポンプ1のポンプボディ部1aに形成されている。また、背面室79aには圧力抜き孔79bが設けられる。
【0021】
さて本例のオイルポンプ装置の作動について説明する。クランクシャフトの回転数が零から上昇する低回転域では、伸縮スプリング79の力が供給路5の油圧より勝り、制御弁7は、図1のように各中間ポート73、74を弁通路76で連通し吸込ポートAと吸込ポートBを互いに連通する。両吸込ポートA、Bが連通することは、空間22g〜22kが吸込することであり、オイルポンプ1は、油貯蔵部69の作動油を吸込管路66を通して空間22g〜22kより吸込み、空間22b〜22eより吐出ポート33に吐出する。吐出した作動油は供給路5から内燃機関に送給される。
【0022】
このとき図5に示す低回転域(回転数0<N≦N1)の特性が得られる。図5において、特性αは、吸込ポートA,B共に吸込が行われる場合の吐出特性であり、特性βは、吸込ポートA,Bのいずれか一方の吸込が行われる場合の吐出特性である。低回転域の特性は、上記特性αに一致したものとなる。このように内燃機関の回転数が低回転域にあっては、通常の吸込と吐出が行われ、必要油圧は充分確保される(第1状態)。
【0023】
一方、内燃機関の回転数が増加して低回転域と中回転域の境界値N1(内燃機関の回転数が例えば1500rpm)を越えた場合には、インナーロータ2の回転数も増す。この場合には、吐出ポート33からの作動油の吐出量が増加するので、供給路5の作動油の油圧も境界値N1に応じて上昇し所定域(Pm)よりも大きくなる。この油圧により、弁体77が図1において伸縮スプリング79に抗して図示右方に摺動され、図4に示すように、中回転域の前半では、制御弁7は、弁体77の第1弁部77aが第1中間ポート73の一部を弁通路76に開口させ、第2弁部77bが第2中間ポート74及び第3中間ポート72の一部を弁通路76に開口させる過渡状態に位置される。この過渡状態では、吸込ポートA(空間22g〜22i)で吸込がなされると共に、吸込ポートB(空間22k)で通路62の一部が開口することにより絞られた第1中間ポート73、弁通路76、第2中間ポート74及び通路63を介して吸込がなされる(吸込ポートBでは、制限された吸込がなされる。)。これと同時に、吸込ポートBが、通路63、第2中間ポート74、弁通路76及びその一部が開口することにより絞られた第3中間ポート72を介して分岐路6Bと連通し、これにより内燃機関の被送給部80に送給されるべき作動油の一部が吸込ポートBにて吸込まれる(圧送される)。このとき、図5に示す中回転域の前半(N1<N<N2)の特性が得られる。更に内燃機関の回転数が増加してN2以上になると、インナーロータ2の回転数も増し、吐出ポート33からの作動油の吐出量が増加して供給路5の作動油の油圧も更に上昇する。この油圧は、図2から理解できるように弁体77を図上右側に移動し、第2中間ポート74を弁通路76に連通するが第1中間ポート73を閉塞する。第1中間ポート73が閉塞されると、油貯蔵部69の作動油を吸い込むポンプ動作は、空間22g〜22iで行われる(第2状態)。
【0024】
また、上記中回転域の後半においては、第3中間ポート72が分岐路6Bと連通し、内燃機関に送給されるべき作動油の一部が分岐路6B→弁通路76→通路63を経て吸込ポートBに圧送される。従って、吸込ポートBに連通した空間22kは吸込を行わず、吐出圧で作動油が空間22kに圧送され、オイルポンプ1の行う仕事は吸込ポートAに連通した22g〜22iだけで行われる。この時の吐出特性は、図5に示すように、低回転域の増加特性より吸込ポートBの特性分が減じられたものとなり、オイルポンプ1の吸込仕事を減じて内燃機関に必要な油圧を効率良く得ることができる(中回転域)。尚、本実施形態では、図5において、中回転域の前半の特性線が特性βと交差する回転数N2にて上記した過渡状態から第2状態へ切替わるようにしたが、この切替わる回転数は、例えば第1中間ポート73の位置を適宜変更することにより、高くしたり、低くしたりすることが可能であり、内燃機関の仕様に応じて変更することができる。尚、これらの場合、第2状態に切替わった後、速やかに特性βに沿った吐出特性となる。
【0025】
更に内燃機関の回転数が上昇し、中回転域と高回転域の境界値N3を超えると、供給路5の作動油の油圧も上昇し、制御弁7の弁体77は更に右側に移動され分岐路6Aをも吸込ポートAに連通させる。これにより供給路5からの作動油の油圧により空間22g〜22i、22kに作動油が圧送される(第3状態)。即ち、供給路5に送給された作動油の一部がオイルポンプ1で循環して、ポンプ仕事を低減している。
【0026】
この時の吐出特性は、図5の回転数N3以上の領域に示すように、その後の回転数の増加に応じて中回転域と同様の増加特性を呈する。
こうして本実施形態では、供給路の作動油を複数の吸込ポートに回転数(油圧)に応じて段階的に圧送しているので、内燃機関側で回転数に応じて必要なだけの作動油を送給しつつオイルポンプの駆動馬力低減を行うことができる。特に、高回転時には内燃機関側での必要な油量だけしか吸込まないため、吸込通路、例えばストレーナ等を大きくしたりする必要がない。また実開昭61−23485号公報のように2台のギヤポンプを一体的に装備したオイルポンプに対して、1組のロータにて設定できるので、オイルポンプの小型化ひいては軽量化に有利であり、オイルポンプの車体等への搭載性が向上する。
【0027】
次に図6及び図7に示す第2実施形態によって本発明を更に説明する。図6の実施形態において、低回転域において吸込ポートA、Bを連通させる構成は第1実施形態と同じであるが、中回転域及び高回転域において制御弁9を駆動する分岐路6Aからの作動油をそのまま吸込ポートBに圧送するようにして、第1実施形態の分岐路6Bを省略した構成としている。
【0028】
すなわち、制御弁9は供給路5から分岐してポンプボディ1aに形成された分岐路6Aにヘッド室95が連通され、弁体97を吐出圧をもつ作動油で伸縮スプリング99が収嵌された背面室99a側へ押すだけの構成となっている。そして、弁室98には、通路62への開口となる第1中間ポート93と、通路63への開口となる第2中間ポート94と、分岐路6Aへの開口となる制御ポート91とが形成され、更に第2中間ポート94を実質的に第2弁部97bのストローク方向長さより大きくさせるサイド通路94aが形成される。なお、背面室99aには圧力抜き孔99bが形成される。また、第1弁部97aは常に背面室99aと第1中間ポート93とを仕切っている。
【0029】
上記構成によっても第1実施形態と同様に図5のような吐出特性を呈する。先ず、弁体97は、低回転域の油圧では伸縮スプリング99の力が勝り、図1に示すように第1中間ポート93と第2中間ポート94とを弁通路96を介して連通させた位置となり(第1状態)、オイルポンプ1は、吸込ポートA、Bが互いに連通して共に吸込み動作し、特性αで表される最大のポンプ仕事を行う。中回転域前半の油圧では、弁体97は、図7(A)に示すように、第1中間ポート93と第2中間ポート94とを弁通路96を介して連通させ、かつサイド通路94aを介してヘッド室95と通路63とを連通させた過渡状態の位置となる。この場合、吸込ポートAは第1実施形態と同様にその拡大する空間22g〜22iで吸込み動作し、吸込ポートBには絞られた第2中間ポート94より油貯蔵部69における作動油が吸込まれると同時に、サイド通路94aを通して供給路5からの吐出された作動油の一部が分岐路6Aより圧送される。この過渡状態も吐出された作動油の一部を吸込む経路が弁体97を移動させる分岐路6Aよりの直接の作動油を吸込ポートBに圧送する経路に変っただけで、吐出特性としては図5の中回転域の前半(N1<N<N2)の特性と同じになり、吸込ポートBに分岐路6Aよりの吐出圧を有する作動油が圧送される分、ポンプ仕事は低減される。次に、中回転域の後半の油圧では、図7(B)に示すように、弁体97は第1中間ポート93と第2中間ポート94とを第2弁部97bで仕切る位置に移動し、分岐路6Aからの吐出圧を有する作動油をサイド通路94aを通して吸込ポートBに圧送する(第2状態)。この場合も、吐出圧の作動油を送る経路が異なるだけで図5の中回転域後半(N2<N<N3)の特性と同じになり、吸込ポートBに分岐路6Aよりの吐出圧の作動油が圧送される分、ポンプ仕事は低減される。更に回転数が増加し、高回転域の油圧となると、図7(C)に示すように、弁体97は第2弁部97bが図中第1中間ポート93よりも左側となる位置に移動し、分岐路6Aと通路62、63とをそれぞれ連通した第3状態となり、吐出圧の作動油を吸込ポートA、Bに圧送する。これにより吸込ポートA、B共に吐出圧の作動油が圧送され、図5のN3以上の特性と同じになって、ポンプ仕事を低減している。
【0030】
このように上記第2実施形態によっても中回転域及び高回転域においてポンプ仕事の低減を図ることができるが、この第2実施形態では、第1実施形態の分岐路6Bを設ける必要がないためポンプボディ1aがコンパクトになり、内燃機関への搭載性が良好となる。
ところで上記した各実施形態では1は吸込ポート31をA,B2個に分離したが、更に分離数を増加してもよい。この場合、通路62、63を吸込ポートの増加に対応して増やし、かつ、制御弁7、97のポート数と弁部の数も変更すればよい。
【0031】
図8は更に第3実施形態を示す。この例では制御弁7は周知の比例電磁制御手段90により駆動される。供給路5の油圧、油温、スロットル開度、内燃機関の回転数に応じた出力信号を発生する電気制御装置91の出力信号により、比例電磁制御手段90は制御される。
この比例電磁制御手段90、電気制御装置91、制御弁7以外の基本構成は、上記した図1に示す例と同様であるため、同様の機能を奏する部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
この例では、供給路の油圧、油温、スロットル開度、内燃機関の回転数を直接または間接的に検出し、検出信号に基づいて、図5の特性、特に境界値N1、N2を制御して中回転域の特性を可変することができる。
その他、本発明は車両以外に他の産業機器に使用するオイルポンプ装置にも適用でき、更にトロコイド式のオイルポンプに限らず、更にポンプの駆動形態もクランクシャフト直結駆動式に限らず例えばタイミングベルトによるプーリ駆動式等でも良い等、適宜選択できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に関し、ロータが低回転域である状態におけるオイルポンプ装置の構成図である。
【図2】ロータが中回転域(後半)である状態におけるオイルポンプ装置の動作説明図である。
【図3】ロータが高回転域である状態におけるオイルポンプ装置の動作説明図である。
【図4】中回転域(前半)である状態における制御弁の動作説明図である。
【図5】オイルポンプ装置の吐出特性図である。
【図6】本発明の第2実施形態に関し、低回転域である状態におけるオイルポンプ装置の構成図である。
【図7】上記オイルポンプ装置の中回転域前半(A)、中回転域後半(B)、高回転域(C)における動作説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態のオイルポンプ装置の構成図である。
【図9】従来のオイルポンプ装置を概略して示す構成図である。
【符号の説明】
図中、1はオイルポンプ、1aはポンプボディ、10はポンプ室、11は内歯、2はロータ、21は外歯、31は吸込ポートA、B、33は吐出ポート、5は供給路、6A、6Bは分岐管、7、9は制御弁であり、各図で同一ないし同等の要素には共通の符号を付す。

Claims (5)

  1. 駆動源によって回転動作するロータにより容積が変化する複数の空間群が形成されるとともに、該空間群のうち縮小側空間が吐出ポートに連通し、拡大側空間が、ポンプ室の周方向において互いに連通しておらず互いに独立した複数の吸込ポートに分かれて連通して、該吐出ポートから吐出される作動油を被送給部に送給するオイルポンプと、
    上記オイルポンプの動作状態を、上記複数の互いに独立した吸込ポートを互いに連通して上記拡大側空間に吸込を行わせる第1状態と、上記吐出ポートを上記複数の互いに独立した吸込ポートの少なくとも一つに連通させ、該連通された吸込ポートに対応した一部の拡大側空間に上記吐出ポートからの作動油を圧送する第2状態とに切換可能な制御弁とを具備していることを特徴とするオイルポンプ装置。
  2. 上記制御弁は、上記吐出ポートの作動油圧に基づいて上記切換制御を行い、該作動油圧が所定域よりも小さなときには上記第1状態に切換え、該作動油圧が所定域よりも大きなときには上記第2状態に切換えることを特徴とする請求項1記載のオイルポンプ装置。
  3. 上記吐出ポートの作動油圧、油温、スロットル開度、機関の回転数のうち少なくとも一つを検出して取得した制御信号を出力する制御手段を有し、
    上記制御弁は、上記制御手段からの制御信号に基づいて上記切換制御を行うことを特徴とする請求項1記載のオイルポンプ装置。
  4. 上記制御弁は、上記吐出ポートの作動油圧若しくは上記制御手段の制御信号に基づいて上記オイルポンプの動作状態を、ポンプ室の周方向において互いに連通しておらず上記複数の互いに独立した吸込ポートを互いに連通して上記拡大側空間群に吸込を行わせる第1状態と、上記吐出ポートを上記複数の互いに独立した吸込ポートの一つに連通させ、該連通された吸込ポートに対応した一部の拡大側空間に上記吐出ポートからの作動油を圧送し吸込動作を残りの拡大側空間だけに行わせる第2状態と、上記吐出ポートを互いに独立したすべての吸込ポートに連通させて上記吐出ポートからの作動油を上記拡大側空間に圧送する第3状態とに切換るようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオイルポンプ装置。
  5. 上記複数の吸込ポートは、ポンプボディ内に配置されたアウターロータの内歯とインナーロータの外歯との接触によりポンプ室の周方向に互いに連通しておらず、互いに独立しており、
    上記複数の吸込ポートのうち一つの吸込ポートは油貯蔵部に連通されており、
    上記吐出ポートに連通する供給路が設けられており、該供給路は、内燃機関の送給部に作動油を導出する通路であり、
    該供給路は、上記複数の吸込ポートのうち一つの吸込ポートに制御弁を介して接続された分岐路と、上記複数の吸込ポートのうち他の吸込ポートに制御弁を介して接続された別の分岐路とをもつことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオイルポンプ装置。
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