JP3383602B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

気体圧縮機

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JP3383602B2
JP3383602B2 JP02634699A JP2634699A JP3383602B2 JP 3383602 B2 JP3383602 B2 JP 3383602B2 JP 02634699 A JP02634699 A JP 02634699A JP 2634699 A JP2634699 A JP 2634699A JP 3383602 B2 JP3383602 B2 JP 3383602B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カーエアコンシス
テムの一部として車両に搭載される気体圧縮機に関し、
特に、車両の高速走行時に生じる気体圧縮機の冷力増大
とこれによる過冷房を簡単な構造で安価に防止できるよ
うにしたものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の気体圧縮機は、図5に示
すように内周略楕円状のシリンダ1を有し、シリンダ1
の両端面にはサイドブロック2、3が取り付けられ、シ
リンダ1の内側にはロータ4が収納されている。 【0003】ロータ4は、これに一体に形成されたロー
タ軸5と、そのロータ軸5の先端側および後端側を支持
する軸受6、7とを介して回転可能に設けられ、また、
ロータ4の外周面にはベーン溝8が複数形成され(図6
参照)、ベーン溝8にはベーン9が摺動可能に装着され
ている。ベーン9はシリンダー1内壁に向って付勢され
るが、この付勢力は、ベーン溝8底部の背圧室20に供
給されるオイルにより発生するベーン背圧と、ロータ4
の回転による遠心力との総合力からなる。 【0004】上記のようなシリンダ1、サイドブロック
2、3、ロータ4、ベーン9等からなる組立構造体が圧
縮機本体10であり、このような圧縮機本体10は一端
開口型のケーシング11内に収納されている。なお、ケ
ーシング11の開口端にはフロントヘッド12が取り付
けられており、このフロントヘッド12の内側にはサイ
ドブロック2との間で形成される吸入室13が設けら
れ、また、ケーシング11の密閉端とリア側のサイドブ
ロック3との間の後方空間は吐出室14として構成され
ている。 【0005】図6に示す如く、シリンダ1の内周側はシ
リンダ1内壁、サイドブロック2、3内面、ロータ4外
周面、およびベーン9によって複数の小室に仕切られる
が、その仕切り形成された小室は圧縮室15と称され、
ロータ4の回転により容積の大小変化を繰り返す。この
ような圧縮室15の容積変化が生じると、吸入室13の
低圧冷媒ガスが圧縮室15に吸い込まれ、かつ圧縮室1
5の容積変化で低圧冷媒ガスの圧縮が行われる。そし
て、圧縮後の高圧冷媒ガスは、吐出室14へ吐出され
る。 【0006】圧縮室15の容積は上述の通り大小変化す
るが、その圧縮室15が幾何学的に最大の容積となるの
は、ベーン9が5枚の場合、当該ベーン9がロータ4の
回転により図5に示すような位置に移動したときであ
る。そして、圧縮室15が幾何学的最小容積から上記の
ような幾何学的最大容積(図5中ハッチ記入部分)へ移
行する直前までの過程においては、サイドブロック2、
3の吸入口50を介して圧縮室15と吸入室13が連通
し、吸入室13の低圧冷媒ガスが圧縮室15内に吸い込
まれる(吸入過程)。次に、圧縮室15が幾何学的最大
容積となると、吸入口50による圧縮室15と吸入室1
3の連通性がなくなり、圧縮室15が外界から遮断さ
れ、その圧縮室15内に冷媒ガスが閉じ込められる。そ
の後、圧縮室15の容積は幾何学的最小容積に向って徐
々に減少する方向に移行し、このような圧縮室15の容
積減少が生じると、その容積変化で圧縮室15内の冷媒
ガスが圧縮される。 【0007】なお、圧縮後の高圧冷媒ガスは、シリンダ
1の吐出ポート、吐出弁を通過してシリンダ1外周の切
欠き部とケーシング11との隙間に流出し、さらにシリ
ンダ1とリア側のサイドブロック3の高圧ガス通路、同
サイドブロック3後部の油分離器16を経由して吐出室
14に至る。 【0008】吐出室14の底部はオイル溜り17となっ
ており、このオイル溜り17のオイルは、吐出室14に
吐出した高圧冷媒ガスの吐出圧が作用することで、リア
側のサイドブロック3の油穴18からロータ軸5後端側
の軸受7に圧送され、該軸受7の潤滑を行う。また、オ
イル溜り17のオイルは、リア側のサイドブロック3の
油穴18からシリンダ1の油穴18側に分流した後、フ
ロント側のサイドブロック2の油穴18を経由してロー
タ軸5先端側の軸受6に圧送され、該軸受6の潤滑をも
行う。そして、軸受6、7に達したオイルは、その軸受
6、7通過時に絞られた後、さらに、サイドブロック
2、3のロータ側端面に設けられている一対のサライ溝
19、19を介して、ベーン溝8底部の背圧室20に供
給され、ベーン背圧を形成する。 【0009】ここで、吸入口50の構成(形状)・作用
・効果についてより詳細に説明する。 【0010】(1)図6からも明らかであるように、サ
イドブロック2に設けられた吸入口50は、コンプレッ
サ回転軸中心に最も近い内周面がロータ4の外周面とほ
ぼ一致するように円弧状に形成されている。 【0011】ほぼ一致させている理由は、仮に一致して
いないと以下のような不具合が発生するからである。 【0012】まず第一に、回転軸中心を基準として吸入
口50の内周面がロータ4の外周面よりも外側に形成さ
れると、吸入口50と圧縮室15が連通している開口部
A(吸入口内周面と、該内周面のロータ回転方向につな
がる終端部A1と、ロータ回転方向と反対側につながる
前端部A2と、シリンダ1の楕円内周面とで区画された
三角形に近似した部分(図6中ドット記入部))の面積
が小さくなり、冷媒ガスを圧縮室15に吸入する際に絞
り効果による圧力損失が生じ、冷媒ガスが十分に吸入で
きない。 【0013】第二に、吸入口50の内周面がロータ4の
外周面よりも内側に形成されると、運転時に吸入圧力と
吐出圧力の中間圧力となるベーン背圧室20と低圧の吸
入口50との距離が縮まり、ロータ4とサイドブロック
2との隙間を流れるベーン背圧室20からのオイルの量
が増え、ベーン背圧が下がってベーン9のチャタリング
(ベーンがシリンダ吐出孔付近にあるとき、ベーン先端
がシリンダ楕円内周面から離脱する現象)を起こした
り、冷媒ガスと共にオイルを多量に吸い込んで、オイル
圧縮して騒音を発生させたりしてしまう。 【0014】(2)吸入口内周面のロータ回転方向につ
ながる終端部A1が湾曲して形成されている。 【0015】この理由は、圧縮室15に冷媒ガスを吸入
し閉じ込める際に、連通状態にあった吸入室13と圧縮
室15との急激な遮断を防止するためである。 【0016】すなわち、ロータ4の回転にともなってベ
ーン9が回転し、ベーン9の回転方向側の側面が吸入口
50の終端部A1に差し掛かろうとするとき、まず吸入
口終端部A1のシリンダ内周面との交差部とロータ外周
面とがほぼ一致する部分から遮断が始まり、半月形の開
口部形状から徐々に弓形へと移行し、開口面積が徐々に
小さくなりながら最終的にベーン9の回転方向側の側面
と吸入口内周面の湾曲した終端部A1との接触部分で遮
断されるため、急激な遮断とはならない。 【0017】仮にこの終端部A1が直線的であるとし
て、ベーン9の回転方向側の側面との相対する角度が同
じである場合には、急激に開口部Aが遮断され圧縮が開
始されるため、衝撃的なトルク変動が発生し、振動・騒
音発生の原因となる。また、仮にベーン9の回転方向側
の側面との相対する角度を変えて斜めに交差するように
構成したとしても、開口部Aの面積が小さくなり吸入圧
力損失を生じる原因となる。 【0018】(3)吸入口50は、シリンダ1を軸方向
に貫通しているシリンダ吸入孔1aと連通するように開
口している。 【0019】この理由は、冷媒ガスをフロント側とリア
側のサイドブロック2、3双方から吸入させたいためで
ある。 【0020】(4)吸入口内周面のコンプレッサ回転軸
中心に最も近い前端部A2が、シリンダ楕円内周短径部
とロータ外周とが離間した直後の位置に設けられてい
る。 【0021】この理由は、吸入口開口部Aの面積を極力
大きくし、高速回転時以外の回転数領域では吸入圧力損
失を生じさせないようにするためであるとともに、圧縮
室15への冷媒ガスの導入のタイミングを極力早め、十
分な吸入量を確保したいためである。 【0022】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の気体圧縮機によると、圧縮室15の容積が
幾何学的最大容積となったときに、圧縮室15と吸入室
13の連通性を断ち、圧縮室15内に冷媒ガスを閉じ込
める構成であるため、常時、幾何学的に最大の冷媒ガス
閉じ込み容積で運転される。また、その冷媒ガス閉じ込
み容積は、気体圧縮機の容量(大きさ)によって異なる
が、いずれも真夏の街中走行条件下で車室内を冷やすの
に必要な冷力との関係から決められている。このため、
高速走行時のように、気体圧縮機の運転が高速回転数領
域で行われるようになると、圧縮室15の幾何学的最大
容積と略同等の冷媒ガス閉じ込み容積で、つまり圧縮機
の最大の能力で冷媒ガスを必要以上に吸い込み圧縮して
しまい、その分異常に冷力が上がり、冷やしすぎとな
る。なお、冷凍サイクルが所要動力の何倍の冷凍能力を
出せるかを表す手段としてCOPがあるが、上記のよう
な不要な冷媒ガスの吸い込みと圧縮は、貴重な動力の無
駄使いとなり、COPの低下を招いている。 【0023】また、上記のような冷媒ガス閉じ込み容積
を高速走行と低速走行とで変化させることが可能な気体
圧縮機として、いわゆる可変容量型気体圧縮機が知られ
ているが、この種の可変容量型気体圧縮機は、冷媒ガス
閉じ込み量の調整手段として、たとえば容量制御板やこ
れを駆動する駆動機構等を別途内臓するため、構造が複
雑でコスト高である。さらに、吸入口を回転方向に拡大
して吸入ガス閉じ込み容積を小さくすると、一度幾何学
的最大容積となった圧縮室に吸い込まれた冷媒ガスの余
剰分が、再び吸入室側へ排出されることになり、吸入脈
動による騒音の原因となったり、その排出のために余計
な動力を消費するというバイパスロスを生じる原因とな
ったりする。 【0024】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、車両の高速走行時に生じ
る気体圧縮機の冷力増大と、これによる過冷房を簡単な
構造で安価に防止できる気体圧縮機を提供することにあ
る。 【0025】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は冷媒ガスを吸入する吸入室と、冷媒ガスを
容積を変化させて圧縮する圧縮室と、前記吸入室と前記
圧縮室とを連通させる吸入口とを備え、前記圧縮室内へ
の冷媒ガス閉じ込み容積が、前記吸入室と該圧縮室との
前記吸入口での連通が遮断されることにより決定される
ベーンが5枚または7枚の回転型気体圧縮機において、
前記吸入口が圧縮室を形成するサイドブロック内面に設
けられ、前記吸入口の圧縮室側開口断面形状が、ロータ
回転軸中心側の内周面がロータの外周面と一致し、ロー
タ回転方向につながる終端部が冷媒ガス閉じ込み容積と
なる位置にあり、前端部がシリンダ楕円内周短径部とロ
ータ外周とが離間した直後の位置となっており、前記圧
縮室内への冷媒ガス閉じ込み容積が、該圧縮室の幾何学
的最大容積より1%〜7%小さい容積であり、該圧縮室
の幾何学的最大容積より小さい容積とする手段が、前記
吸入口の終端部を、幾何学的最大容積を形成していると
きの圧縮室の後端部よりも、回転方向後方へ配設したも
のであることを特徴とする。 【0026】 【0027】本発明では、高速走行時のように気体圧縮
機の運転が高速回転数の領域で行われる場合において
も、圧縮室の幾何学的最大容積より小さい冷媒ガス閉じ
込み容積で運転されることから、複雑でコスト高の要因
となる容量制御板とその駆動機構を用いることなく、高
速走行時の冷媒ガスの吸い込み圧縮量が減り、吐出する
冷媒ガス量を効率的に減少させることができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る気体圧縮機の
実施形態について図1乃至図4を基に詳細に説明する。 【0029】なお、本実施形態の気体圧縮機の基本的な
構成、たとえば、内周略楕円状のシリンダ1を有し、シ
リンダ1の両端面にはサイドブロック2、3が取り付け
られていること、シリンダ1の内側にはロータ軸5とそ
の軸受6、7を介して回転可能に設けられたロータ4が
配設されていること、ロータ4の外周面にはベーン溝8
が形成され、ベーン溝8にはベーン9が摺動可能に装着
されていること、並びに、圧縮室15内に冷媒ガスが閉
じ込められ、かつ圧縮室15の容積がロータ4の回転に
より変化すると、この圧縮室15の容積変化で、該圧縮
室15内の冷媒ガスが圧縮される等については従来と同
様であり、従来と同一部材には同一符号を付し、その詳
細説明は省略する。 【0030】本実施形態の気体圧縮機においても、冷媒
ガスの圧縮にあたり、圧縮室15内に冷媒ガスを閉じ込
めるが、その圧縮室15内に冷媒ガスを閉じ込めたとき
の圧縮室15の容積(以下「冷媒ガス閉じ込み容積」と
いう。)が従来の気体圧縮機に比べ小さく設けられてい
る。 【0031】すなわち、本実施形態では、図1に示すよ
うに、圧縮室15が幾何学的最大容積(図6の斜線部
分)となる前に圧縮室15と吸入室13の連通性を断つ
ことのできる形状の吸入口100を設けたことにより、
圧縮室15の幾何学的最大容積より小さい冷媒ガス閉じ
込み容積となるように構成されている。 【0032】したがって、本実施形態の気体圧縮機で
は、圧縮室15が幾何学的最大容積となる前に、吸入口
100を介する圧縮室15と吸入室13の連通性がなく
なる、つまり従来に比べ冷媒ガスを閉じ込むタイミング
が早くなり、それだけ冷媒ガス閉じ込み容積が圧縮室1
5の幾何学的最大容積より小さくなるものとしている。
図1中O−A線は本発明における閉じ込み位置、同図中
O−B線は従来の閉じ込み位置を示したものであり、こ
のO−A線とO−B線を比較すると、本発明の方が冷媒
ガスの閉じ込みタイミングが早いことが分かる。また、
図1中の斜線部分が本発明における冷媒ガス閉じ込み容
積であり、これと図6中の斜線部分で示した従来の冷媒
ガス閉じ込め容積とを比較すると、本発明の方が冷媒ガ
ス閉じ込み容積が小さいことが分かる。なお、O−B線
からO−A線までの範囲内で冷媒ガスの閉じ込みタイミ
ングが早くなった場合、冷媒ガス閉じ込め容積は幾何学
的最大容積に対して1%〜7%程度減容される。 【0033】上記のように冷媒ガスを閉じ込むタイミン
グが早くなると、高速走行時のように気体圧縮機の運転
が高速回転数領域で行われる場合、吸入圧力損失が生
じ、冷媒ガス密度が低下し、冷媒ガス吐出量が減る。こ
のように冷媒ガスの吐出量が減少すると、圧縮比が下が
りCOP値が向上し、また、気体圧縮機の動力も軽減さ
れる。なお、低回転数領域では、圧力損失は発生せず、
十分な冷媒ガス吐出量を得ることができる。 【0034】但し、冷媒ガスを閉じ込めるタイミングが
あまりに早すぎると、圧縮室15の冷媒ガス閉じ込み容
積が小さくなりすぎて、圧縮される冷媒ガスの容量が激
減し、冷力が著しく低下し、COP値が悪くなってしま
う。そこで、このような不具合を避ける観点から、圧縮
室15の冷媒ガス閉じ込み容積は、その幾何学的最大容
積に対して1%〜7%程度の減容となるのが好ましい。
図2に示すように、COP値からみると、ベーン9の数
が5枚の場合は%の減容、7枚の場合は3.5%の減
容が望ましい。 【0035】次に、ベーン9の移動と冷媒ガスの吸い込
み動作との関係を説明する。ベーン9はロータ4と一体
にロータ4の回転方向に移動し、その移動の途中で吸入
口100上を通過するが、ベーン9が吸入口100に達
すると、その到達時点から吸入口100を介して圧縮室
15と吸入室13が連通し、吸入室13の冷媒ガスが圧
縮室15側に吸い込まれる。そして、吸入口100上か
らベーン9が完全に離れると、圧縮室15と吸入室13
の連通性が断たれ、圧縮室15内に冷媒ガスが閉じ込め
られる。 【0036】ところで、本実施形態では、圧縮室15の
容積が幾何学的最大容積となる前に圧縮室15と吸入室
13の連通性を断つことのできる形状の吸入口100を
採用したが、そのように圧縮室15の容積が幾何学的最
大容積となる前に圧縮室15と吸入室13の連通性を断
つようにするためには、上述のベーン9の移動と冷媒ガ
スの吸い込み動作との関係からすると、圧縮室15の容
積が幾何学的最大容積となる時期より早く、ベーン9が
吸入口100から離れてしまうことが条件となる。 【0037】そこで、本実施形態の吸入口100は、ベ
ーン9の吸入口100からの早期離脱を図れるように、
ベーン9進行方向の開口径を従来に比し短くしている
(図3および図4参照)。これをさらに具体的に説明す
ると、図6に示す従来の気体圧縮機では、吸入口終端部
A1と幾何学的最大容積を形成しているときの圧縮室1
5の後端部B1とがほぼ一致していたが、図1に示すよ
うに、本実施形態の気体圧縮機は、吸入口終端部A1
を、幾何学的最大容積を形成しているときの圧縮室15
の後端部B1よりも、回転方向後方へ配設したものであ
る。なお、ここで回転方向とは図1中矢印イで示したロ
ータ4回転方向(時計回り)を意味する。 【0038】要するに、本実施形態では、従来に比しベ
ーン9移動方向の開口径を短縮した形状の吸い込み10
0を採用することにより、圧縮室15の容積が幾何学的
最大容積となる前に圧縮室15と吸入室13の連通性を
断ち、冷媒ガス閉じ込み容積が圧縮室15の幾何学的最
大容積より小さくなるように構成したものである。 【0039】以上説明した通り、本実施形態の気体圧縮
機にあっては、圧縮室15の冷媒ガス閉じ込み容積を、
該圧縮室15の幾何学的最大容積より小さく設けたもの
である。このため、特に、高速走行時のように気体圧縮
機の運転が高速回転数領域で行われる場合においても、
圧縮室15の幾何学的最大容積より小さい冷媒ガス閉じ
込み容積で運転されることから、複雑でコスト高の要因
となる容量制御板やその駆動装置を用いることなく、簡
単に、高速走行時の冷媒ガスの吸い込み圧縮量を減らす
ことができ、高速走行時に必要以上に冷媒ガスを吸い込
み圧縮してしまうことによる不具合、すなわち、高速走
行下での気体圧縮機の冷力の異常な増大と、これによる
過冷房を簡単な構造で安価に防止できる。 【0040】また、上記の如く高速走行時における冷媒
ガスの異常な吸い込みと圧縮が軽減されると、圧縮後の
高圧冷媒ガスの吐出量も減り、吐出ガスの温度が低下
し、吐出ガスが流れるエアコンシステムホースの対熱的
な耐久性が向上する他、圧縮比が低下し、これに伴いコ
ンプレッサー仕事量と騒音も低下する。 【0041】 【0042】 【発明の効果】本発明に係る気体圧縮機にあっては、上
記の如く圧縮室の冷媒ガス閉じ込み容積を、該圧縮室の
幾何学的最大容積より小さく設けたものである。このた
め、特に、高速走行時のように気体圧縮機の運転が高速
回転数の領域で行われる場合においても、圧縮室の幾何
学的最大容積より小さい冷媒ガス閉じ込み容積で運転さ
れることから、複雑でコスト高の要因となる容量制御板
とその駆動機構を用いることなく、高速走行時の冷媒ガ
スの吸い込み圧縮量が減り、吐出する冷媒ガス量を効率
的に減少させることができ、高速走行下での気体圧縮機
の冷力の異常な増大と、これによる過冷房を簡単な構造
で安価に防止できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態である気体圧縮機の吸入口
形状と冷媒閉じ込み容積との関係の説明図。 【図2】冷媒ガス閉じ込み容積の減少率とCOPとの関
係の説明図。 【図3】フロント側のサイドブロックにおける従来の吸
入口の形状と本発明の吸入口の形状との比較説明図。 【図4】リア側のサイドブロックにおける従来の吸入口
の形状と本発明の吸入口の形状との比較説明図。 【図5】従来の気体圧縮機の断面図。 【図6】ベーン数5枚の従来の気体圧縮機における吸入
口形状と冷媒閉じ込み容積との関係の説明図。 【符号の説明】 1 シリンダ 1a シリンダ吸入孔 2 フロントサイドブロック 3 リアサイドブロック 4 ロータ 5 ロータ軸 6、7 軸受 8 ベーン溝 9 ベーン 10 圧縮機本体 11 ケーシング 12 フロントヘッド 13 吸入室 14 吐出室 15 圧縮室 16 油分離器 17 オイル溜り 18 油穴 19 サライ溝 20 背圧室 50 従来の吸入口 100 本発明の吸入口 A 開口部 A1 吸入口終端部 A2 吸入口前端部 B1 幾何学的最大容積時の圧縮室後端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−288178(JP,A) 特開 平10−47284(JP,A) 実開 昭60−120288(JP,U) 特許2678455(JP,B2) 特許2809780(JP,B2) 特公 平4−27394(JP,B2) 特公 平7−65587(JP,B2) 特公 平3−29994(JP,B2) 特公 平6−70437(JP,B2) 実公 平3−10395(JP,Y2)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 冷媒ガスを吸入する吸入室と、冷媒ガス
    を容積を変化させて圧縮する圧縮室と、前記吸入室と前
    記圧縮室とを連通させる吸入口とを備え、前記圧縮室内
    への冷媒ガス閉じ込み容積が、前記吸入室と該圧縮室と
    の前記吸入口での連通が遮断されることにより決定され
    ベーンが5枚または7枚の回転型気体圧縮機におい
    て、 前記吸入口が圧縮室を形成するサイドブロック内面に設
    けられ、前記吸入口の圧縮室側開口断面形状が、ロータ
    回転軸中心側の内周面がロータの外周面と一致し、ロー
    タ回転方向につながる終端部が冷媒ガス閉じ込み容積と
    なる位置にあり、前端部がシリンダ楕円内周短径部とロ
    ータ外周とが離間した直後の位置となっており、 前記圧縮室内への冷媒ガス閉じ込み容積が、該圧縮室の
    幾何学的最大容積より1%〜7%小さい容積であり、該
    圧縮室の幾何学的最大容積より小さい容積とする手段
    が、前記吸入口の終端部を、幾何学的最大容積を形成し
    ているときの圧縮室の後端部よりも、回転方向後方へ配
    設したものであることを特徴とする気体圧縮機。
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