JP2016011594A - 油圧調整装置 - Google Patents

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Tetsuji Watanabe
哲治 渡邊
伊藤 慎一郎
Shinichiro Ito
慎一郎 伊藤
伸二 風岡
Shinji Kazaoka
伸二 風岡
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Abstract

【課題】低温時であってもポンプ容量を低減することが可能な油圧調整装置を提供する。【解決手段】オイルポンプ5の吐出ポート50cから吐出されたオイルの制御油圧室TCへの供給量をOCV60によって変更してオイルポンプ5のポンプ容量を変更可能とする。OCV60をバイパスして吐出ポート50cと制御油圧室TCとを連通させるバイパス通路72を設ける。バイパス通路72に、吐出ポート50cからの吐出油圧の上昇に伴って開弁するバイパスバルブ72aを設ける。オイル温度が所定値未満である場合にはOCV60を閉鎖状態にし、吐出ポート50cから吐出されたオイルの一部をバイパス通路72を経て制御油圧室TCに供給することにより、ポンプ容量を低減させる。OCV60と制御油圧室TCとの間の制御油圧供給通路71(71b)にワンウェイバルブ71cを設け、ポンプ容量増大時に制御油圧室TCからOCV60へのオイルの流入を防止する。【選択図】図2

Description

本発明は可変容量型オイルポンプを備えた油圧調整装置に係る。特に本発明は、電磁バルブ等の制御油圧調整バルブによる制御油圧の調整によってポンプ容量を可変とするオイルポンプを備えた油圧調整装置に関する。なお、本明細書における「油圧調整装置」の概念は、前記可変容量型オイルポンプ、前記制御油圧調整バルブ、および、これらに接続される油圧経路を含んでいる。
従来、エンジンに装備されるオイルポンプとして、エンジンの動力を受けて作動する機械式オイルポンプを採用する場合に、エンジンの動力損失を低減することを目的として、可変容量型オイルポンプが適用されることがある(例えば特許文献1などを参照)。
特許文献1に開示されている可変容量型オイルポンプは、互いに噛み合うインナロータおよびアウタロータの回転により、吸入ポートから吸い込んだオイルを吐出ポートから吐出する内接ギヤポンプにおいて、アウタロータを外周から回転自在に保持する調整リングを設けている。そして、ポンプハウジング内に設けられた制御油圧室(この特許文献1では加圧空間と称している)に導入されるオイルの油圧(以下、制御油圧という場合もある)を受けて調整リングが変位するようになっている。これにより、吸入ポートおよび吐出ポートに対するインナロータおよびアウタロータの相対的な位置が変化し、この位置の変化によって入力軸の1回転あたりの吐出量、即ちポンプ容量が変化する。
また、同文献の段落0072〜0078や図面の図8などに開示されているように、前記制御油圧室に導入される制御油圧を変更するための構成としては、この制御油圧室に連通する加圧油路に電磁バルブ(OCV;Oil Control Valve)を接続している。つまり、この電磁バルブによって前記制御油圧を変更することで、ポンプ容量を可変としている。
具体的に、ポンプ容量を小さくするときには、電磁バルブを加圧位置に切り換えてオイルを制御油圧室に送り込み、制御油圧室の容積が大きくなる向きに調整リングを変位させる。
反対にポンプ容量を大きくするときには、電磁バルブをドレン位置に切り換えることによって制御油圧室からオイルを排出し、この制御油圧室の容積が小さくなる向きに調整リングを変位させる。この際、制御油圧室から排出されるオイルは、加圧油路を電磁バルブまで還流した後に、電磁バルブ内部の油路を通ってドレンされるようになっている。
特開2013−100737号公報
ところで、エンジンの低温始動時等にあっては、オイルの温度が低く、その粘度が高くなっている。このため、前記電磁バルブを前記加圧位置に切り換えたとしても、制御油圧室にオイルを迅速に送り込むことが困難になり、ポンプ容量の制御性が悪化してしまう。つまり、エンジンの低温始動時には、ポンプ容量を小さくするべく電磁バルブを加圧位置に切り換えても、調整リングを変位させることが困難である。
このため、一般には、ポンプ容量の制御性が確保されるまで、つまり、オイルの温度が所定値以上(例えば−10℃以上)に達するまで、電磁バルブを加圧位置に切り換えないようにしている。
このように電磁バルブを加圧位置に切り換えないようにした場合、調整リングは、制御油圧室の容積を最小とする位置となり、ポンプ容量は最大となる。つまり、エンジンの低温始動時にあっては、オイルの温度が所定値に達するまでの間はポンプ容量は最大となっている。このため、オイルポンプを作動させるための動力が大きく必要になり(オイルポンプの作動によるエンジンの動力損失が大きくなり)、エンジンの燃料消費率の悪化を招くことになる。
本発明は、低温時であってもポンプ容量を変更することが可能な(ポンプ容量を低減することが可能な)油圧調整装置を提供するものである。
−発明の解決原理−
本発明の解決原理は、制御油圧調整バルブ(電磁バルブ)によるポンプ容量の制御性が悪化する状況にあっては、この制御油圧調整バルブをバイパスする通路を利用して制御油圧室にオイルを供給し、これによりポンプ容量を変更(例えばポンプ容量を低減)できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、制御油圧室の容積を変更することで変位可能な容量調整部材を備え、この容量調整部材の変位位置に応じて入力軸の1回転あたりの吐出量が変更可能とされた可変容量型オイルポンプと、前記制御油圧室へのオイルの供給量を調整する制御油圧調整バルブとを備えた油圧調整装置を前提とする。この油圧調整装置に対し、前記可変容量型オイルポンプの吐出ポートと前記制御油圧室とを前記制御油圧調整バルブを介して連通可能とする制御油圧供給通路と、前記制御油圧調整バルブをバイパスして前記吐出ポートと前記制御油圧室とを連通可能とするバイパス通路とを備えさせる。また、前記制御油圧調整バルブは、油温が所定温度以上となった際に開弁されるようになっている。そして、前記バイパス通路に、油温が前記所定温度以上となって前記制御油圧調整バルブが開弁する前に、開弁可能なバイパスバルブを設けている。
この場合に、前記可変容量型オイルポンプは、前記制御油圧室の容積が拡大するように前記容量調整部材が変位した場合には、前記制御油圧室の容積が縮小するように前記容量調整部材が変位した場合に比べて、前記入力軸の1回転あたりの吐出量が少なくなるように構成されている。
この特定事項により、油温が所定温度以上である場合には、制御油圧調整バルブが開弁する。この場合、オイルの粘度は比較的低いため、制御油圧供給通路を流れて制御油圧室へ供給されるオイルの量は制御油圧調整バルブによって容易に調整でき、これにより、制御油圧室の容積が変更可能となる。そして、この制御油圧室の容積が変更されることで容量調整部材が変位し、この容量調整部材の変位位置に応じて、入力軸の1回転あたりの吐出量が変更可能となる。つまり、油温が所定温度以上である場合には、制御油圧調整バルブによって可変容量型オイルポンプのポンプ容量が可変となる。
一方、油温が所定温度未満である場合には、制御油圧調整バルブが閉弁する。この場合、制御油圧調整バルブが開弁する前に、バイパス通路に設けられたバイパスバルブが開弁することになり、バイパス通路によって吐出ポートと制御油圧室とが連通し、制御油圧調整バルブをバイパスして、バイパス通路から制御油圧室へオイルが供給されることになる。つまり、オイルの粘度は比較的高くなっているものの、制御油圧調整バルブを通過させないことにより、制御油圧室へのオイルの供給を円滑に行うことができる。即ち、内部の流路が比較的狭くなっている制御油圧調整バルブを通過させないことにより、制御油圧室へのオイルの供給が円滑に行える。これにより、制御油圧室の容積が拡大するように容量調整部材が変位し、この容量調整部材の変位位置に応じて入力軸の1回転あたりの吐出量が変更可能となる。つまり、油温が所定温度未満である場合には、制御油圧調整バルブにオイルを通過させること無しに可変容量型オイルポンプのポンプ容量が可変となる。
このように、本解決手段では、油温が所定温度未満であって、オイルの粘度が比較的高くなっている状況であっても、ポンプ容量が可変となる。そして、制御油圧室の容積が拡大するように容量調整部材が変位した場合にポンプ容量が小さくなるように(入力軸の1回転あたりの吐出量が少なくなるように)なっておれば、油温が所定温度未満である状況であっても(制御油圧調整バルブが閉弁している状況であっても)、ポンプ容量を小さくでき、オイルポンプを作動させるための動力を小さくできて(オイルポンプの作動によるエンジンの動力損失を小さくできて)、エンジンの燃料消費率の改善を図ることができる。
前記バイパスバルブの構成としては、前記バイパス通路において前記バイパスバルブよりも前記吐出ポート側の圧力が前記制御油圧室側の圧力よりも所定値だけ高くなった際に開弁するものであることが好ましい。
これによれば、油温が所定温度未満である状況において、オイルポンプの作動が開始して吐出ポート側の圧力が上昇していく際に、この吐出ポート側の圧力が制御油圧室側の圧力よりも所定値だけ高くなった場合にバイパスバルブが開弁し、バイパス通路によって吐出ポートと制御油圧室とが連通することになる。このため、バイパス通路から制御油圧室へのオイルの供給開始タイミングを、バイパスバルブの前後差圧(吐出ポート側の圧力と制御油圧室側の圧力との差)に応じて決定することができる。つまり、オイルの温度に関わりなく、制御油圧室へのオイルの供給開始タイミングを設定することが可能である。このため、油温が所定温度未満である状況であっても、所望のタイミングでポンプ容量を小さくすることができ、オイルポンプを作動させるための動力を小さくできて、エンジンの燃料消費率の改善を図ることができる。
また、一般にオイルの粘度が高いほど吐出ポート側の圧力は上昇しやすい。このため、油温が低いほどバイパスバルブの前後差圧が所定圧(バイパスバルブを開弁させる差圧)に達するまでに要する期間が短くなり、迅速にポンプ容量を小さくすることができ、燃料消費率の改善効果を早期に得ることができる。
前記制御油圧調整バルブの構成としては、前記可変容量型オイルポンプの前記吐出ポートと前記制御油圧室とを連通させる開弁状態と、これらを非連通とする閉弁状態との間で切り換え可能となっている。そして、前記制御油圧調整バルブが開弁される前記所定温度としては、オイルの粘度が所定値以下となる値に設定されていることが好ましい。
ここでいう「オイルの粘度が所定値以下」とは、制御油圧調整バルブを開弁させた場合に、制御油圧供給通路によって吐出ポートから制御油圧室へのオイルの供給が円滑に行える範囲に相当する。
これによれば、制御油圧調整バルブを開弁してもオイルの粘度が高くなっていることに起因してポンプ容量の変更が不能になる(またはポンプ容量の変更が適正に行えなくなる)といった状況を招くことがなくなる。つまり、制御油圧調整バルブによるポンプ容量の変更が適正に行えないオイル粘度となっている期間中は、制御油圧調整バルブの閉弁状態が維持される。そして、この場合、前述したようにバイパスバルブが開弁することによってバイパス通路から制御油圧室へのオイルの供給が行われる。このため、ポンプ容量の制御性が悪化してしまうといった状況を招くことなく、オイルの粘度が高い状況であってもポンプ容量の制御が良好に行える。
また、前記制御油圧供給通路における前記可変容量型オイルポンプの前記制御油圧室と前記制御油圧調整バルブとの間には、前記制御油圧室から前記制御油圧調整バルブに向けてのオイルの流通を阻止する逆止弁を設けておくことが好ましい。
これによれば、例えば油温が所定温度以上となり、制御油圧調整バルブによってポンプ容量を調整する際において、制御油圧室の容積を小さくしてポンプ容量を変更する場合にあっては、この制御油圧室から排出されるオイルが制御油圧調整バルブに流れ込むことがなくなる。一般に制御油圧調整バルブ内部に形成されている油路はその油路面積が小さいため、この制御油圧調整バルブ内部にオイルを流通させる場合には、その流通するオイルをオイルフィルタ等によって浄化しておき、バルブ内部での異物の噛み込み等を回避しておく必要がある。本解決手段の構成では、制御油圧室から排出されるオイルが制御油圧調整バルブに流れ込むことがないため、この制御油圧室から排出されるオイル(制御油圧室に供給されていたオイル)が浄化されている必要は無くなる(オイルフィルタを通過した後のオイルである必要は無くなる)。このため、油温が所定温度未満であった際にバイパス通路を経て制御油圧室に供給されていたオイルは浄化されている必要はない。これにより、オイルフィルタの配設位置が制約されることがなくなる(バイパス通路にオイルフィルタを配設しておく必要がなくなる)。その結果、油圧機器のレイアウト自由度を高めることが可能になる。
前述の如く制御油圧室と制御油圧調整バルブとの間に逆止弁を設ける構成にあっては、前記可変容量型オイルポンプのポンプハウジングに、前記制御油圧室のオイルをオイルパンに向けて排出可能とするドレン孔を設けておくことが好ましい。
これによれば、例えば油温が所定温度以上となり、制御油圧調整バルブによってポンプ容量を調整する際において、制御油圧室の容積を小さくしてポンプ容量を変更する場合にあっては、この制御油圧室のオイルはドレン孔からオイルパンに向けて排出されることになる。これにより、制御油圧室から排出されるオイルを制御油圧調整バルブに流れ込ませないようにしながらもオイルパンに回収する構成を容易に実現することができる。つまり、制御油圧室からオイルを排出するための構成の簡素化を図りながら、オイルの排出によるポンプ容量の変更を円滑に行うことができる。
また、前記制御油圧供給通路および前記バイパス通路のうち前記制御油圧供給通路のみに、前記吐出ポートから吐出されたオイルを浄化するオイルフィルタを設ける。そして、このオイルフィルタを、前記制御油圧供給通路における前記制御油圧調整バルブよりも前記吐出ポート側に配置しておくことが好ましい。
前述した如く、前記制御油圧供給通路は、可変容量型オイルポンプの吐出ポートと制御油圧室とを制御油圧調整バルブを介して連通可能とするものである。つまり、油温が所定温度以上である場合には、この吐出ポートから吐出されたオイルは制御油圧調整バルブを通過して制御油圧室に供給される。そして、この制御油圧供給通路における制御油圧調整バルブよりも吐出ポート側にオイルフィルタを設けておくことにより、制御油圧調整バルブには、オイルフィルタによって浄化されたオイルが流通することになり、制御油圧調整バルブ内部での異物の噛み込み等に起因する動作不良を抑制することができる。
また、バイパス通路にオイルフィルタを設けていないことにより、油温が所定温度未満である場合におけるポンプ容量の低減を迅速に行うことができる。つまり、バイパス通路にオイルフィルタを設けた場合、オイルフィルタ内部にオイルが満たされるまでオイルフィルタからオイルが流出しないため、バイパス通路から制御油圧室へオイルを供給するタイミングに遅れが生じてしまうことになるが、本解決手段では、バイパス通路にオイルフィルタを設けていないことで、バイパス通路に流入したオイルを迅速に(バイパスバルブが開弁した後、直ちに)制御油圧室へ供給することが可能になる。これにより、油温が所定温度未満である場合におけるポンプ容量の低減を迅速に行うことが可能である。なお、バイパス通路を経て制御油圧室へ供給されたオイルはオイルフィルタを通過していないため浄化されていないものとなるが、前述したドレン孔を設けておけば、このドレン孔からオイルは排出されるため、制御油圧調整バルブに流れ込むことはない。このため、制御油圧調整バルブ内部での異物の噛み込み等に起因する動作不良を招くことはない。
また、比較的高い粘度のオイルが流れる可能性のあるバイパス通路にあっては、油圧が上昇しやすく、このバイパス通路にオイルフィルタを設けた場合には、オイルフィルタの耐圧性能を十分に高めたものとしておく必要があるが、本解決手段では、バイパス通路にオイルフィルタを設けないことにより、その必要が無くなる。
前記バイパス通路の通路長さとしては、制御油圧供給通路の通路長さよりも短く設定されていることが好ましい。
これによれば、油温が所定温度未満である状況において、バイパス通路を経て制御油圧室へオイルを供給する場合の流通抵抗を低減でき、この制御油圧室へのオイルの供給が円滑に行えて、ポンプ容量の変更が迅速に行える。
本発明では、油温が所定温度未満であって制御油圧調整バルブが閉弁状態であっても、バイパス通路から制御油圧室へオイルを供給してポンプ容量を変更できるようにしている。このため、油温が所定温度未満であってもポンプ容量を低減することが可能になる。
本発明の実施の形態に係るエンジンのオイル供給系を概略的に示す構成図である。 実施の形態に係るオイルポンプの構造(ポンプ容量が最大の状態)と、制御系の概略構成とを示す図である。 制御系を省略して、ポンプ容量が最小の状態を示す図2相当図である。 OCVの動作を説明するための図であって、図4(a)はOCVの開弁状態を、図4(b)はOCVの閉弁状態をそれぞれ示す断面図である。 バイパスバルブの動作を説明するための図であって、図5(a)はバイパスバルブの閉弁状態を、図5(b)はバイパスバルブの開弁状態をそれぞれ示す図である。 ポンプ容量の基本的な制御におけるOCV電流値と、エンジン回転数と、ポンプ吐出圧との相互の関係を示す図である。 オイル温度が所定値未満である際におけるオイルの流れを説明するためのオイル供給系の概略構成図である。 オイル温度が所定値以上である際におけるオイルの流れを説明するためのオイル供給系の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。この実施の形態では、自動車用の4気筒ガソリンエンジンのオイル供給系統に本発明を適用した場合について説明するが、これに限ることはない。
−エンジンおよびオイル供給系統の概略構成−
まず、図1に仮想線で外形を示すように、本実施形態に係るエンジン1は、クランクシャフト13の長手方向(図1における左右方向)に複数のシリンダ(図示せず)が設けられた直列多気筒エンジンである。各シリンダそれぞれにはピストン12(図1では一つのみを示している)が収容されている。各ピストン12は、コネクティングロッド12aを介してクランクシャフト13に連結されている。クランクシャフト13は、複数のクランクジャーナル13aによってエンジン1の下部(クランクケース)に回転自在に支持されている。
エンジン1の上部には、各シリンダ毎に吸気バルブ12bおよび排気バルブ12cが2つずつ配設されている。各バルブ12b,12cは、図示省略の吸気ポートおよび排気ポートをそれぞれ開閉する。吸気ポートには燃料を噴射するインジェクタ(図示せず)が配設されている。
エンジン1の動弁系は、吸気側および排気側の2本のカムシャフト14,15を有するDOHCタイプとなっている。各カムシャフト14,15は、それぞれ複数のカムジャーナル14a,15aによって回転自在に支持されている。そして、各カムシャフト14,15の前端部(図1の左側端部)にそれぞれカムスプロケット14b,15bが取り付けられ、タイミングチェーン3によってクランクシャフト13の回転が伝達されるようになっている。
また、クランクシャフト13の前端部の下方にはオイルポンプ(可変容量型オイルポンプ)5が配設されている。このオイルポンプ5の入力軸5aにはポンプスプロケット5bが取り付けられている。ポンプスプロケット5bには、チェーン4によってクランクシャフト13の回転が伝達されるようになっている。そして、クランクシャフト13の回転が伝達されてオイルポンプ5が作動すると、オイルパン16内に貯留されているエンジンオイル(以下、単にオイルともいう)が、図示省略のオイルストレーナを介してオイルポンプ5に吸い上げられた後、吐出油路6aに吐出される。
オイルポンプ5から吐出されたオイルは、吐出油路6aからオイルフィルタ6を流通してオイル供給系2のメインギャラリ20に至る。図1の例ではメインギャラリ20は、エンジン1の長手方向に延びている。メインギャラリ20には複数の分岐オイル通路が繋がっている。メインギャラリ20に達したオイルは、これら分岐オイル通路によってエンジン1の潤滑部(前記ピストン12やシリンダライナ、クランクジャーナル13a、カムジャーナル14a,15aなど)に分配される。例えば、メインギャラリ20から下方に延びる複数の分岐オイル通路21によって、クランクジャーナル13aにオイルが供給される。また、メインギャラリ20の両端からそれぞれ上方に延びる分岐オイル通路22,23によって、カムジャーナル14a,15aなどにオイルが供給される。
−オイルポンプの構造−
次に、オイルポンプ5の構造について、図2および図3を参照して詳細に説明する。これらの図に示すようにオイルポンプ5は内接ギヤポンプであり、入力軸5aにより回転される外歯車のドライブロータ51と、これに噛み合って回転される内歯車のドリブンロータ52とを備えている。ドリブンロータ52の外周は調整リング53によって保持されている。この調整リング53は、後述するようにドライブロータ51およびドリブンロータ52を変位させることにより、ポンプ容量を変更する容量調整部材として機能する。
オイルポンプ5のハウジング50には、エンジン1の内方に向かって開放する収容凹部50aが形成され、図示しないカバーが重ね合わされるようになっている。この収容凹部50aに前記ドライブロータ51、ドリブンロータ52、調整リング53などが収容される。また、収容凹部50aの底部の中央付近を入力軸5aが貫通し、この入力軸5aの端部に前記ポンプスプロケット5bが取り付けられている。
前記ドライブロータ51は、例えばスプライン(図示せず)によって入力軸5aに取り付けられている。このドライブロータ51の外周にはトロコイド曲線など(例えばインボリュート、サイクロイドなど)で形成された外歯51aが複数(図の例では11個)、形成されている。一方、前記ドリブンロータ52はリング状に形成されている。このドリブンロータ52の内周には前記ドライブロータ51の外歯51aと噛み合う複数の内歯52aが形成されている。この内歯52aの歯数は、ドライブロータ51の外歯51aの歯数よりも1つ多く(図の例では12)なっている。
また、ドリブンロータ52の中心はドライブロータ51の中心に対して所定量、偏心しており、その偏心している側とは反対側(図2の左上側)においてドライブロータ51の外歯51aとドリブンロータ52の内歯52aとが噛み合っている。一方、ドリブンロータ52の外周は、調整リング53のリング状の本体部53aによって摺動可能に保持されている。こうして調整リング53に保持されたドライブロータ51およびドリブンロータ52によって、11葉12節のトロコイドポンプが構成されている。
詳しくは、図2,3に表れているように2つのロータ51,52の間の環状の空間には円周方向に並んで複数の作動室Rが形成され、これらの作動室Rが、2つのロータ51,52の回転に連れて円周方向に移動しながら、その容積が徐々に増大または減少する。こうして徐々に作動室Rの容積が増大してゆく範囲(図の左下側の範囲)が、吸入ポート50bからオイルを吸入する吸入範囲となり、反対に徐々に作動室Rの容積が減少してゆく範囲(図の右上側の範囲)が、オイルを加圧しながら吐出ポート50cへ送り出す吐出範囲となる。
すなわち、図2,3に破線で示すように、ハウジング50の収容凹部50aの底面には、前記の吸入範囲に対応して吸入ポート50bが開口し、また、吐出範囲に対応して吐出ポート50cが開口している。吸入ポート50bは、ハウジング50の内部に形成された油路(図示せず)を介してオイルストレーナの油路に連通されるとともに、その一部が調整リング53の外側において、後述する低圧室TLに臨んで開口している。一方、吐出ポート50cは、図2,3に破線で示すようにハウジング50の内部に形成されて、前記吐出油路6aに連通している。
このように構成されたオイルポンプ5は、クランクシャフト13によって駆動されて、入力軸5aの回転によりドライブロータ51およびドリブンロータ52が互いに噛み合いながら回転する。そして、それらドライブロータ51およびドリブンロータ52の間に形成される複数の作動室Rが、吸入範囲を移動しながら吸入ポート50bからオイルを吸い込み、その後、吐出範囲を移動しながらオイルを吐出ポート50cへ吐出する。
−容量可変機構−
本実施形態のオイルポンプ5は、ドライブロータ51の1回転毎に吐出されるオイルの量、即ちポンプ容量が変更可能な容量可変機構を備えている。この容量可変機構は、ハウジング50の収容凹部50a内に形成した制御油圧室TCの油圧によって、調整リング53を回動(変位)させる構成である。この調整リング53の変位によって、吸入ポート50bおよび吐出ポート50cに対するドライブロータ51およびドリブンロータ52の相対的な位置が変化し、ポンプ容量が変更される。
前記調整リング53は、ドリブンロータ52を保持するリング状の本体部53aと、この本体部53aの外周から外方に張り出す張出部53bと、これよりも大きく外方に延びるアーム部53cとを備えている。また、低圧室TLにあっては、収容凹部50aとアーム部53cとの間にコイルバネ54が圧縮された状態で介在されている。このため、調整リング53は、アーム部53cに作用するコイルバネ54の押圧力によって、図2の時計回りに回動するように付勢されている。また、調整リング53の張出部53bには略円弧形状の長穴53d,53eが形成され、これら長穴53d,53eには、ハウジング50に一体形成されたガイドピン55,56がそれぞれ挿入されている。これにより、調整リング53の回動方向が規制されている。
前記調整リング53のアーム部53cは、ハウジング50の収容凹部50a内に周方向に並んで形成される制御油圧室TCと低圧室TLとの間を仕切っている。すなわち、アーム部53cの先端に配設されたシール材57によって、制御油圧室TCと低圧室TLとの間のオイルの流通が制限されている。低圧室TLは、図2において収容凹部50a内の左側から下側にかけて形成され、前述したように吸入ポート50bの一部が開口している。
一方、制御油圧室TCは、図2において収容凹部50a内の左上側に、シール材57,58によってオイルの流通が制限されて形成されている。また、ハウジング50の収容凹部50aの底面には、この制御油圧室TCに臨むように制御油圧導入開口50eが形成されている。
−制御油圧供給通路およびバイパス通路−
次に、本実施形態の特徴である制御油圧供給通路71およびバイパス通路72について説明する。これら制御油圧供給通路71およびバイパス通路72は、前記制御油圧室TCにオイルを供給するための通路として形成されている。以下、具体的に説明する。
図2に示すように、オイルポンプ5の吐出ポート50cには、前記吐出油路6aが接続されている。一方、オイルポンプ5の制御油圧室TC(前記制御油圧導入開口50e)には、供給油路6bが接続されている。
前記制御油圧供給通路71およびバイパス通路72は、それぞれ上流端が前記吐出油路6aに連通し、下流端が供給油路6bに連通している。つまり、吐出油路6aの下流側は制御油圧供給通路71およびバイパス通路72に分岐されている。また、供給油路6bの上流側では制御油圧供給通路71とバイパス通路72とが合流している。これにより、これら制御油圧供給通路71およびバイパス通路72は、それぞれオイルポンプ5の吐出ポート50cと制御油圧室TCとを連通可能とする通路として設けられている。つまり、吐出ポート50cから吐出されたオイルの一部を制御油圧室TCに供給可能とする通路として設けられている。
また、制御油圧供給通路71にはオイルコントロールバルブ(OCV;制御油圧調整バルブ)60が設けられている。つまり、この制御油圧供給通路71は、オイルポンプ5の吐出ポート50cと制御油圧室TCとをOCV60を介して連通可能とするものとなっている。
ここでOCV60について具体的に説明する。このOCV60は、制御油圧室TCへのオイルの供給量を調整することによって制御油圧室TCの容積を変更可能とするものである。図4に示すように、OCV60は、電磁ソレノイド62によってスプール63を駆動するものである。OCV60のケーシング61には導入ポート61aおよび導出ポート61bが形成されている。一方、スプール63は、内部が中空であって、この中空内部に連通するポートとして制御ポート63aおよび供給ポート63bが形成されている。
ケーシング61の導入ポート61aには、前記制御油圧供給通路71のうち吐出油路6aに連通する上流側通路71aが接続されている。一方、ケーシング61の導出ポート61bには、前記制御油圧供給通路71のうち供給油路6bに連通する下流側通路71bが接続されている。
そして、OCV60は、エンジン1のECU(Electronic Control Unit)100から電磁ソレノイド62に印加される電流値(OCV電流値)に応じて、スプール63の位置が変化する。このスプール63の位置に応じて、OCV60は開弁状態と閉弁状態との間で切り換え可能となっている。具体的に、スプール63が図4(a)に示す位置にある場合には、ケーシング61の導入ポート61aとスプール63の制御ポート63aとが連通すると共に、ケーシング61の導出ポート61bとスプール63の供給ポート63bとが連通する。この状態が、OCV60の開弁状態である。また、スプール63が図4(b)に示す位置にある場合には、ケーシング61の導入ポート61aとスプール63の制御ポート63aとが非連通となると共に、ケーシング61の導出ポート61bとスプール63の供給ポート63bとが非連通となる。この状態が、OCV60の閉弁状態である。
すなわち、OCV電流値が零であれば、電磁ソレノイド62は電磁力を発生しないので、図4(b)に示すようにコイルバネ64の押圧力によってスプール63が閉弁位置(図の右端の位置)に付勢され、OCV60は閉弁状態となる。この場合、前記上流側通路71aと下流側通路71bとが非連通となり、これにより、制御油圧供給通路71における吐出ポート50cと制御油圧室TCとの間は遮断される。
一方、OCV電流値が大きくなって、電磁ソレノイド62の発生する電磁力が大きくなると、図4(a)に示すようにスプール63が開弁位置(図の左側の位置)に切り換えられて、OCV60は開弁状態となる。この場合、前記上流側通路71aと下流側通路71bが連通し、これにより、制御油圧供給通路71によって吐出ポート50cと制御油圧室TCとが連通する。そして、前記開弁状態においてOCV電流値を徐々に大きくしてゆくと、電磁ソレノイド62の発生する電磁力も徐々に大きくなっていき、これによりスプール63の位置を連続的に変化させることができる。これにより、各ポート61a,63a、61b,63b同士を連通する油路の断面積が連続的に変化することで、導出ポート61bから送り出されるオイルの量、即ち制御油圧が、OCV電流値に対して比例的に変化するようになる。
このようにOCV60によって制御油圧を調圧することで、制御油圧室TCの油圧を増大または減少させて、アーム部53cに作用する押圧力を調整することができる。すなわち、制御油圧室TCの油圧によってアーム部53cには、調整リング53を図2,3の反時計回りに回動させるような押圧力が作用しており、この押圧力とコイルバネ54の押圧力とがバランスするように、図2に示す最大ポンプ容量の状態と図3に示す最小ポンプ容量の状態との間で、調整リング53の位置が決まることになる。
また、制御油圧供給通路71の下流側通路71bには、ワンウェイバルブ(逆止弁)71cが設けられている。このワンウェイバルブ71cは、制御油圧供給通路71の下流側通路71bにおいてOCV60側(ワンウェイバルブ71cよりもOCV60側)の油圧が、供給油路6b側(ワンウェイバルブ71cよりも供給油路6b側)の油圧よりも所定値以上高くなった場合に開放されるチェックバルブによって構成されている。つまり、このワンウェイバルブ71cは、制御油圧室TCからOCV60に向けてのオイルの流通を阻止する逆止弁として配設されている。このワンウェイバルブ71cが開放される前記差圧の値は、制御油圧供給通路71を経て制御油圧室TCにオイルを供給する場合(後述するように、油温が所定値以上である場合)に、メインギャラリ20に向けてのオイルの供給量が確保できる油圧が、前記上流側通路71aからメインギャラリ20に亘って生じるように設定されるものであって、実験やシミュレーションによって適宜設定される。
更に、前記オイルフィルタ6は、制御油圧供給通路71の上流側通路71aにおけるメインギャラリ20の分岐位置よりも上流側(吐出油路6a側)に設けられている。つまり、オイルフィルタ6は、制御油圧供給通路71におけるOCV60よりも吐出ポート50c側に配置されている。このため、吐出ポート50cから吐出油路6aに向けて吐出されたオイルが、前記メインギャラリ20およびOCV60を流れる場合には、このオイルはオイルフィルタ6を通過して浄化されたものとなる。
一方、前記バイパス通路72は、その経路長さが、前記制御油圧供給通路71の経路長さに比べて大幅に短く設定された油路として設けられている。例えば制御油圧供給通路71の経路長さに比べて1/10程度の長さの油路としてバイパス通路72は設けられている。この値はこれに限定されるものではない。このようにバイパス通路72の経路長さが、制御油圧供給通路71の経路長さに比べて大幅に短く設定できる理由は、制御油圧供給通路71には、前述したように、オイルフィルタ6、OCV60、および、ワンウェイバルブ71c等といった複数の油圧機器が備えられているのに対し、後述するように、バイパス通路72に必要な油圧機器としてはバイパスバルブ72aのみとなっているからである。なお、バイパス通路72に備えられる油圧機器としてはバイパスバルブ72aのみには限定されない。
バイパス通路72の途中には、前記バイパスバルブ72aが配設されている。このバイパスバルブ72aは、図5にも示すように、バイパス通路72において吐出油路6a側(バイパスバルブ72aよりも吐出油路6a側の上流側通路72b)の油圧が、供給油路6b側(バイパスバルブ72aよりも供給油路6b側の下流側通路72c)の油圧よりも所定値以上高くなった場合に開放されるチェックバルブによって構成されている。つまり、このバイパスバルブ72aは、コイルバネ72dによって閉弁側に付勢されたチェックボール72eを備え、前後差圧(上流側通路72bと下流側通路72cとの差圧)が所定値に達した場合に、コイルバネ72dの付勢力に抗してチェックボール72eが開弁側に移動する構成となっている。図5(a)はバイパスバルブ72aの閉弁状態を、図5(b)はバイパスバルブ72aの開弁状態をそれぞれ示している。
また、このバイパスバルブ72aにおけるチェックボール72eの外径寸法は、下流側通路72cの内径寸法に対して十分に小さく設定されている。例えば、オイルの温度が−30℃であって、その粘度がかなり高い状態であっても、バイパスバルブ72aの開弁状態では上流側通路72bから下流側通路72cへのオイルの流通が可能となる寸法に設定されている。例えば、図5(b)に示すバイパスバルブ72aの開弁状態においてチェックボール72eの外面と下流側通路72cの内面との間に3mm以上の空間が形成されるようになっている。
このバイパスバルブ72aが開放される前後差圧(上流側通路72bと下流側通路72cとの差圧)の値は、バイパス通路72を経て制御油圧室TCにオイルを供給する場合(後述するように、油温が所定値未満である場合)に、メインギャラリ20に向けてのオイルの供給量が確保できる油圧であって、且つオイルフィルタ6やその他の油圧機器の許容油圧を上回ることのない油圧が前記上流側通路72bからメインギャラリ20に亘って生じるように設定されるものであり、実験やシミュレーションによって適宜設定される。例えば500kPaに設定されている。以下、このバイパスバルブ72aが開放される前後差圧を「バイパスバルブ開弁差圧」と呼ぶこととする。
このように、バイパス通路72は、OCV60をバイパスすると共に、オイルポンプ5の吐出ポート50cと制御油圧室TCとをバイパスバルブ72aを介して連通可能とするものとなっている。
また、前記ハウジング50のうち、前記制御油圧室TCに臨む領域には、比較的小径のドレン孔50dが形成されている。このドレン孔50dは、制御油圧室TCの容積を小さくしてポンプ容量を大きくする場合に、この制御油圧室TCのオイルをオイルパン16に向けて排出するためのものである。このドレン孔50dは、内径寸法が例えば1.0mmに設定されている。この値はこれに限定されるものではない。
−ECU−
前記のような容量可変機構の動作によるポンプ容量の制御は、エンジン制御用のECU100によって行われる。本実施形態のECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびバックアップRAMなどを備えた公知のものである。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶し、バックアップRAMは、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する。
ECU100には、図2に模式的に表しているように、エンジン1のクランクポジションセンサ101、エアフローセンサ102、スロットル開度センサ103、排気空燃比センサ104、水温センサ105、油温センサ106、油圧センサ107等の各種センサが接続されている。ECU100は、それらの各種センサから入力される信号などに基づいて、エンジン1の運転制御のための所定の制御プログラムを実行する。
そして、ECU100は、オイルの温度が所定値以上(例えば−10℃以上)となっている状態でエンジン1が運転している場合には、エンジン1の運転条件に基づいて上述したように容量可変機構を動作させ、オイルポンプ5の容量制御を行う。これは基本的にはエンジン1の負荷率やエンジン回転数に応じてOCV60への指令値を変更するもので、負荷率が高いときにはポンプ容量を増大させる一方、負荷率が低いときにはポンプ容量を減少させる。また、エンジン回転数、即ちオイルポンプ5の入力軸5aの回転数が変化してもオイルの吐出圧が維持されるように、エンジン回転数に応じてポンプ容量を変化させる。
一例として図6には、ECU100からOCV60への指令値(OCV電流値)と、エンジン回転数と、オイルポンプ5の吐出圧との相互の関係を示す。この図から、OCV電流値の制御によってポンプ容量を変更すれば、ポンプ吐出圧を調整できることが分かる。すなわち、エンジン回転数が或る程度以上、高ければ、その変化によらずポンプ吐出圧を好適に維持することができ、これにより、オイル供給系2のメインギャラリ20の油圧を好適に維持することができる。
−オイルポンプの容量可変動作−
次に、前述の如く構成された油圧調整装置(オイルポンプ5、OCV60、および、これらに接続される通路71,72を含む装置)におけるオイルポンプ5の容量可変動作について説明する。この容量可変動作の特徴は、オイルの温度が所定値未満である場合と、所定値以上である場合とで、ポンプ容量を変更するために制御油圧室TCへ供給されるオイルの供給経路が異なっている点にある。
まず、前記OCV60の制御として、前記油温センサ106によって検出されている油温が所定値(例えば−10℃)未満である場合には、OCV電流値が零とされる。これにより、電磁ソレノイド62は電磁力を発生しないので、図4(b)に示すように、コイルバネ64の押圧力によってスプール63が閉弁位置(図の右端の位置)に付勢され、OCV60は閉弁状態となる。この閉弁状態では、ケーシング61の導入ポート61aから導出ポート61bへのオイルの流通が阻止される。
このようにOCV60を閉弁状態とする理由は、ポンプ容量の制御性を確保するためである。つまり、エンジン1の低温始動時等であって油温が所定値未満となっている状況ではオイルの粘度が高くなっているため、OCV60を開弁状態(スプール63を図4(a)に示す位置とする状態)にしたとしても、制御油圧室TCにオイルを迅速に送り込むことが困難になり、ポンプ容量の制御性が悪化してしまう。つまり、油温が所定値未満であるときには、ポンプ容量を小さくするべくOCV60を開弁状態に切り換えても、調整リング53を回動させることが困難である。このため、油温が所定値以上に達するまで(ポンプ容量の制御性が確保されるまで;例えば油温が−10℃以上に達するまで)、OCV60の制御を禁止している。なお、前記油温センサ106によって検出されている油温としては、オイルパン16内に貯留されているオイルの温度が挙げられる。また、水温センサ105によって検出される冷却水温度から油温を推定するようにしてもよい。
このように、OCV60は、油温が所定値未満である場合には閉弁状態に制御され、油温が所定温度以上となった際に開弁状態に制御されるようになっている。また、このOCV60が開弁状態とされる前記所定温度(例えば−10℃)は、オイルの粘度が所定値以下となる値に応じて設定されている。つまり、ポンプ容量の制御性を確保できるオイルの流動性を得ることが可能なオイル粘度に対応する油温として前記所定温度は実験等に基づいて設定されている。
(油温が所定値未満である場合)
油温が所定値未満であってOCV60が閉弁状態となっている状況で、エンジン1の始動に伴ってオイルポンプ5が作動を開始すると、吐出ポート50cからオイルが吐出されるのに伴って、吐出油路6aおよびバイパス通路72の上流側通路72bの油圧が上昇していく。この際、制御油圧室TCにはオイルが供給されておらず、オイルポンプ5のポンプ容量は最大となっている。つまり、オイルポンプ5の作動開始後、吐出油路6aおよびバイパス通路72の上流側通路72bの油圧は急速に上昇していく。
この上流側通路72bの油圧(バイパスバルブ72aの上流側の油圧)と下流側通路72cの油圧(バイパスバルブ72aの下流側の油圧)との間の差圧が前記バイパスバルブ開弁差圧に達するまでは、バイパスバルブ72aは閉弁状態にある(図5(a)を参照)。このため、この差圧がバイパスバルブ開弁差圧に達するまでの期間では、吐出ポート50cから吐出されたオイルは、吐出油路6aを経た後、オイルフィルタ6に達し、このオイルフィルタ6で浄化されながらオイルフィルタ6の内部を満たしていく。そして、オイルフィルタ6の内部にオイルが満たされると、この浄化後のオイルがオイルフィルタ6からメインギャラリ20に向けて流出し、このオイルが、分岐オイル通路21,22,23によってエンジン1の潤滑部(前記ピストン12やシリンダライナ、クランクジャーナル13a、カムジャーナル14a,15aなど)に分配されることになる。
前述したようにバイパスバルブ開弁差圧は、オイルフィルタ6やその他の油圧機器の許容油圧を上回ることのない油圧が前記上流側通路72bからメインギャラリ20に亘って生じるように設定されている。このため、このようにバイパスバルブ72aが閉弁状態にある場合は、オイルポンプ5からの吐出油圧は比較的低く(バイパスバルブ開弁差圧よりも低く)、前記許容油圧を上回ることがない。このため、オイルフィルタ6やその他の油圧機器に対して許容油圧を上回る油圧が作用することはなく、オイルフィルタ6やその他の油圧機器は保護される(高圧が作用して破損するといったことはない)。
そして、オイルポンプ5からの吐出油圧が上昇し、上流側通路72bの油圧(バイパスバルブ72aの上流側の油圧)と下流側通路72cの油圧(バイパスバルブ72aの下流側の油圧)との間の差圧がバイパスバルブ開弁差圧に達した場合には、バイパスバルブ72aが開放する(図5(b)を参照)。つまり、油温が前記所定温度(−10℃)以上となってOCV60が開弁状態とされる前に前記差圧がバイパスバルブ開弁差圧に達して、バイパスバルブ72aが開放する。このバイパスバルブ72aの開放により、吐出ポート50cと制御油圧室TCとがバイパス通路72によって連通され、図7に示すように(この図7では、オイルが流通する流路のみを実線で示している)、吐出ポート50cから吐出されたオイルは、制御油圧供給通路71を流れることなく、つまり、OCV60をバイパスし、バイパス通路72を経て制御油圧室TCに供給される。これにより、コイルバネ54の付勢力に抗して、制御油圧室TCが拡大するように調整リング53が図中の反時計回りに回動し、ポンプ容量が低減することになる。
前記制御油圧供給通路71の下流側通路71bにはワンウェイバルブ71cが設けられているため、バイパス通路72を流れたオイルが下流側通路71bからOCV60に流れ込むことはない。つまり、オイルフィルタ6を通過していないオイルがOCV60に流れ込むことはない。
また、この際、バイパス通路72を経て制御油圧室TCに供給されたオイルの一部は、前記ハウジング50に形成されたドレン孔50dからオイルパン16に向けてドレンされていく。
従って、この場合に設定されるポンプ容量は、バイパス通路72から制御油圧室TCに供給されるオイルの量、および、ドレン孔50dからオイルパン16に向けてドレンされるオイルの量によって決定される制御油圧室TCの圧力(制御油圧)と、前記コイルバネ54の付勢力とがバランスした状態における調整リング53の回動位置によって決定されることになる。
例えば、エンジン1の始動初期のアイドリング運転状態では、負荷率が低いため、燃料消費率を考慮すればポンプ容量は最小となっていることが好ましい。この点に鑑みた場合、制御油圧室TCの内圧を迅速に高めて、調整リング53の回動位置をポンプ容量最小位置(図3に示す位置)まで早期に到達させることが好ましいため、この点では、ドレン孔50dの内径はできるだけ小さいことが好ましいことになる。しかしながら、その後(後述するように油温が所定値以上となった場合)は、エンジン1の負荷率が急速に高くなった場合に、潤滑性能等を考慮すればポンプ容量を急速に増大させる必要がある。この点に鑑みた場合、制御油圧室TCのオイルを早急に排出して、調整リング53の回動位置をポンプ容量最大位置(図2に示す位置)に向けて回動させることが好ましいため、この点では、ドレン孔50dの内径はできるだけ大きいことが好ましいことになる。これらの点を考慮し、実験やシミュレーションによってドレン孔50dの内径は設定されることになる。実際には、上述した如く1.0mmに設定されている。
なお、このようにバイパスバルブ72aが開放した場合にも、メインギャラリ20に向けて流れるオイルの油圧はオイルフィルタ6やその他の油圧機器の許容油圧を上回ることがないため、これらオイルフィルタ6やその他の油圧機器は保護される。
このように、油温が所定値未満であってOCV60が閉弁状態となっている状況であっても、バイパスバルブ72aの開弁により、バイパス通路72によって制御油圧室TCへオイルを供給することが可能である。つまり、オイルの粘度は比較的高くなっているものの、OCV60を通過させないことにより、制御油圧室TCへのオイルの供給を円滑に行って、ポンプ容量を小さくすることが可能である。このため、オイルポンプ5を作動させるための動力を小さくできて(オイルポンプ5の作動によるエンジン1の動力損失を小さくできて)、エンジン1の燃料消費率の改善を図ることができる。
(油温が所定値以上となった場合)
前記油温センサ106によって検出されている油温が所定値(例えば−10℃)以上となった場合には、OCV電流値が制御されて、電磁ソレノイド62の電磁力が調整される。これにより、図4(a)に矢印で示すようにOCV60内の油路をオイルが流通して、導出ポート61bから制御油圧供給通路71の下流側通路71bへオイルが送り出されるようになる。この場合、オイルの粘度は比較的低いため、制御油圧供給通路71を流れて制御油圧室TCへ供給されるオイルの量はOCV60によって容易に調整でき、これにより、制御油圧室TCの容積が変更可能となる。そして、この制御油圧室TCの容積が変更されることで調整リング53の回動位置が変化し、この調整リング53の回動位置に応じて、ポンプ容量が変更可能となる。つまり、OCV60によってポンプ容量が可変となる。
この場合にも、制御油圧室TCに供給されたオイルの一部は、前記ハウジング50に形成されたドレン孔50dからオイルパン16に向けてドレンされていく。このため、OCV電流値は、このドレン孔50dからドレンされるオイル量を考慮しながら、エンジン1の運転状態に応じたポンプ容量が得られるように制御されることになる。
そして、この際、バイパス通路72におけるバイパスバルブ72aの前後差圧がバイパスバルブ開弁差圧よりも高くなっている場合には、バイパスバルブ72aが開放していることにより、バイパス通路72にもオイルが流れることになる。つまり、制御油圧室TCへは、制御油圧供給通路71およびバイパス通路72の両方からオイルが供給されることになる。一方、バイパス通路72におけるバイパスバルブ72aの前後差圧がバイパスバルブ開弁差圧よりも低くなっている場合には、バイパスバルブ72aが閉鎖していることにより、図8に示すように(この図8では、オイルが流通する流路のみを実線で示している)バイパス通路72にはオイルが流れず、制御油圧室TCへは、制御油圧供給通路71のみからオイルが供給されることになる。
特に、前述のように油温が所定値未満であってポンプ容量が小さくなっている状態から、油温が所定値以上となり且つエンジン1の負荷率が大きくなってポンプ容量を増大する要求が生じた場合には、制御油圧室TC内のオイルがドレン孔50dから早急に排出されて制御油圧室TCの容積が小さくなることになり、ポンプ容量を急速に増大させることが可能である。
また、このようにポンプ容量を大きくする場合には、制御油圧室TCのオイルがドレン孔50dからオイルパン16に向けて排出されることから、制御油圧室TCのオイルをOCV60に流す必要がなくなる(オイルを、OCV60を経由してオイルパン16に排出する必要がなくなる)。つまり、本実施形態では、バイパス通路72にオイルフィルタを設けていないことにより、このバイパス通路72から制御油圧室TCに供給されたオイルは浄化されていないものとなっているが、この制御油圧室TCのオイルは、OCV60に流れ込むことなく、ドレン孔50dからオイルパン16に向けて排出される。このため、OCV60内部での異物の噛み込み等に起因する動作不良を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態では、油温が所定値未満であってオイルの粘度が高くなっている状況であってもバイパス通路72を利用することでポンプ容量が可変となっている。つまり、内部の流路が比較的狭くなっているOCV60にオイルを通過させないことにより、制御油圧室TCへのオイルの供給を円滑に行うことができる。このため、ポンプ容量の制御性を考慮してOCV60を閉弁状態にしている状況(油温が所定値未満であってオイルの粘度が高くなっている状況)であっても、制御油圧室TCの容積が拡大するように調整リング53を回動させることでポンプ容量を小さくすることが可能になる。その結果、オイルポンプ5を駆動するための動力を小さくできて(オイルポンプ5の作動によるエンジン1の動力損失を小さくできて)、エンジン1の燃料消費率の改善を図ることができる。
また、前記バイパスバルブ開弁差圧は任意に設定可能であることから、バイパス通路72から制御油圧室TCへのオイルの供給開始タイミングを、オイルの温度に関わりなく設定することが可能である。このため、オイルの粘度が高い状況であっても、所望のタイミングでポンプ容量を小さくすることができ、エンジン1の燃料消費率の改善を図ることができる。
また、制御油圧室TCから排出されるオイルがOCV60に流れ込むことがないため、この制御油圧室TCから排出されるオイル(制御油圧室TCに供給されていたオイル)が浄化されている必要は無くなる(オイルフィルタ6を通過した後のオイルである必要はなくなる)。このため、バイパス通路72を経て制御油圧室TCに供給されていたオイルは浄化されている必要はない。これにより、オイルフィルタ6の配設位置が制約されることがなくなる(バイパス通路72にオイルフィルタを配設しておく必要がなくなる)。その結果、油圧機器のレイアウト自由度を高めることが可能になる。
また、バイパス通路72にオイルフィルタを設けていないことで、バイパス通路72に流入したオイルを迅速に(バイパスバルブ72aが開弁した後、直ちに)制御油圧室TCへ供給することが可能になる。これにより、油温が所定温度未満である場合におけるポンプ容量の低減を迅速に行うことが可能である。
また、バイパス通路72は、油温が所定値未満であってOCV60が閉弁状態となっている際にオイルが流れるため、比較的高い粘度のオイルが流れる可能性がある。このように粘度の高いオイルが流れる状況では油圧が上昇しやすい。このため、バイパス通路72にオイルフィルタを設けた場合には、オイルフィルタの耐圧性能を十分に高めたものとしておく必要があるが、本実施形態では、バイパス通路72にオイルフィルタを設けないことにより、その必要が無くなる。つまり、オイルフィルタ6としては、制御油圧供給通路71の上流側通路71aに耐圧性能の比較的低いものを1個だけ配設すればよく、構成の簡素化およびコストの低廉化を図ることができる。
また、油温が所定値未満であってオイルの粘度が高くなっている状況においてバイパス通路72にオイルを流すようにしているため、オイル供給系統に高圧のオイルが流れ込むことがなくなるため、各油圧機器としては許容限界油圧を低く設定することができて、これら油圧機器の小型化を図ることができる。
−他の実施形態−
上述した実施形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定することを意図しない。
前記実施形態では、制御油圧供給通路71およびバイパス通路72の上流端がそれぞれ吐出油路6aに連通し、下流端がそれぞれ供給油路6bに連通していた。つまり、吐出油路6aの下流側は制御油圧供給通路71およびバイパス通路72に分岐され、供給油路6bの上流側では制御油圧供給通路71とバイパス通路72とが合流した構成としていた。本発明はこれに限らず、制御油圧供給通路71およびバイパス通路72の上流端それぞれが個別に吐出ポート50cに連通した構成であってもよい。また、制御油圧供給通路71およびバイパス通路72の下流端それぞれが個別に制御油圧室TCに連通した構成であってもよい。
また、前記実施形態では、制御油圧供給通路71の上流側通路71aにおけるメインギャラリ20の分岐位置よりも上流側(吐出油路6a側)にオイルフィルタ6を配設していた。本発明はこれに限らず、吐出油路6aにオイルフィルタ6を配設するようにしてもよい。但し、この場合、前記バイパス通路72にオイルを流す際に、オイルフィルタ6にオイルが流れることになり、流通抵抗の増大に繋がる可能性があるため、前記実施形態で示した配設位置の方が好ましい。
また、前記実施形態では、本発明を直列多気筒エンジン1に適用した例について説明したが、これにも限定されず、本発明は、単気筒エンジンやV型エンジン、水平対向エンジンなどにも適用可能である。
本発明は、エンジンに装備され、OCVによる制御油圧の変更によってポンプ容量が可変とされた可変容量型オイルポンプを備えた油圧調整装置に適用可能である。
5 オイルポンプ
5a 入力軸
6 オイルフィルタ
50 ハウジング
50c 吐出ポート
50d ドレン孔
53 調整リング(容量調整部材)
60 OCV(制御油圧調整バルブ)
71 制御油圧供給通路
71c ワンウェイバルブ(逆止弁)
72 バイパス通路
72a バイパスバルブ
106 油温センサ
TC 制御油圧室

Claims (8)

  1. 制御油圧室の容積を変更することで変位可能な容量調整部材を備え、この容量調整部材の変位位置に応じて入力軸の1回転あたりの吐出量が変更可能とされた可変容量型オイルポンプと、
    前記制御油圧室へのオイルの供給量を調整する制御油圧調整バルブと、
    を備えた油圧調整装置において、
    前記可変容量型オイルポンプの吐出ポートと前記制御油圧室とを前記制御油圧調整バルブを介して連通可能とする制御油圧供給通路と、
    前記制御油圧調整バルブをバイパスして前記吐出ポートと前記制御油圧室とを連通可能とするバイパス通路とを備え、
    前記制御油圧調整バルブは、油温が所定温度以上となった際に開弁されるようになっており、
    前記バイパス通路には、油温が前記所定温度以上となって前記制御油圧調整バルブが開弁する前に、開弁可能なバイパスバルブが設けられていることを特徴とする油圧調整装置。
  2. 請求項1記載の油圧調整装置において、
    前記可変容量型オイルポンプは、前記制御油圧室の容積が拡大するように前記容量調整部材が変位した場合には、前記制御油圧室の容積が縮小するように前記容量調整部材が変位した場合に比べて、前記入力軸の1回転あたりの吐出量が少なくなるように構成されていることを特徴とする油圧調整装置。
  3. 請求項1または2記載の油圧調整装置において、
    前記バイパスバルブは、前記バイパス通路において前記バイパスバルブよりも前記吐出ポート側の圧力が前記制御油圧室側の圧力よりも所定値だけ高くなった際に開弁する構成となっていることを特徴とする油圧調整装置。
  4. 請求項1、2または3記載の油圧調整装置において、
    前記制御油圧調整バルブは、前記可変容量型オイルポンプの前記吐出ポートと前記制御油圧室とを連通させる開弁状態と、これらを非連通とする閉弁状態との間で切り換え可能となっており、
    前記制御油圧調整バルブが開弁される前記所定温度は、オイルの粘度が所定値以下となる値に設定されていることを特徴とする油圧調整装置。
  5. 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の油圧調整装置において、
    前記制御油圧供給通路における前記可変容量型オイルポンプの前記制御油圧室と前記制御油圧調整バルブとの間には、前記制御油圧室から前記制御油圧調整バルブに向けてのオイルの流通を阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする油圧調整装置。
  6. 請求項5記載の油圧調整装置において、
    前記可変容量型オイルポンプのポンプハウジングには、前記制御油圧室のオイルをオイルパンに向けて排出可能とするドレン孔が設けられていることを特徴とする油圧調整装置。
  7. 請求項1〜6のうち何れか一つに記載の油圧調整装置において、
    前記制御油圧供給通路および前記バイパス通路のうち前記制御油圧供給通路のみに、前記吐出ポートから吐出されたオイルを浄化するオイルフィルタが設けられており、
    このオイルフィルタは、前記制御油圧供給通路における前記制御油圧調整バルブよりも前記吐出ポート側に配置されていることを特徴とする油圧調整装置。
  8. 請求項1〜7のうち何れか一つに記載の油圧調整装置において、
    前記バイパス通路の通路長さは、制御油圧供給通路の通路長さよりも短く設定されていることを特徴とする油圧調整装置。
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