JP2005090954A - ディーセルエンジン用圧力グロープラグ - Google Patents

Abstract

【課題】シリンダの燃焼室内の圧力に関する信号がグロープラグ本体の幾何形状および安定性によって影響を受けないディーゼル・エンジン用の圧力グロープラグを提供する。
【解決手段】圧力グロープラグは、ディーゼル・エンジンのシリンダに挿入されるグロープラグ本体（２）と、グロープラグ本体内に配置される加熱ロッド（１）と、加熱ロッドによって伝達されるシリンダの燃焼室内の圧力が作用するように、加熱ロッドとグロープラグ本体との間に配置される圧力センサ（９）とを有する。加熱ロッドは、軸線方向にスライドして移動するように、すなわち、対応するスライド要素、例えば、膜（７）またはシール（３）によってスライドして移動するように、グロープラグ本体内に配置される。
【選択図】図１

Description

本発明は、ディーゼル・エンジンのシリンダに挿入されるグロープラグ本体と、前記グロープラグ本体内に配置される加熱ロッドと、加熱ロッドによって伝達されるシリンダの燃焼室内の圧力が作用するように予備圧力が加えられて加熱ロッドとグロープラグ本体との間に配置される圧力センサとを有するディーゼル・エンジン用の圧力プラグに関する。

このタイプの圧力グロープラグは、ＥＰ１０９６１４１Ａ３号にて知られている。

この知られている圧力グロープラグにおいて、グロープラグ本体および加熱ロッドは、燃焼室側で固定されるように互いに接続され、グロープラグ本体は、圧力が加えられたとき弾性的な形で半径方向に変形することができるような安定性を有する。シリンダの燃焼室内の圧力は、グロープラグ本体および加熱ロッドに作用し、その結果、内燃エンジンのシリンダに固定されるように配置されたグロープラグ本体は弾性的に変形する一方、加熱ロッドはグロープラグ本体に対して軸線方向に移動する。グロープラグ本体に対するこの移動は、予備圧力が加えられた圧力センサを解放し、予備圧力が加えられた状態と解放された状態との間の電荷状態の差は、燃焼室内の圧力に関する信号の形態で受信され、評価される。

このような圧力グロープラグは、低温でディーゼル・エンジンを始動するために低温始動補助として、また、望ましくない作動条件の下で中間のグロー機能を実現するために働き、例えば、ピエゾ電子セラミック材料またはストレイン・ゲージから成る圧力センサは、シリンダ内の燃焼プロセスの情報を得ることを、並びにこの情報を評価し、これに応じて燃焼プロセスを制御することを可能にする。このような圧力グロープラグを使用すると、排気ガスおよび燃料消費の低減に関して調節することができるディーゼル・エンジンを得ることができる。

しかしながら、知られている圧力グロープラグの欠点は、圧力センサの圧力の伝達が、グロープラグの幾何形状および安定性に依存していることである。
ＥＰ１０９６１４１Ａ３号

本発明は、圧力の伝達がグロープラグ本体の幾何形状および安定性にもはや依存せず、シリンダの燃焼室内の圧力に関する信号がグロープラグ本体の幾何形状および安定性によって影響を受けないような最初に述べたタイプの圧力グロープラグを開発することを目的とする。

本発明によれば、この目的は、加熱ロッドが、軸線方向にスライドするように移動することができるようにグロープラグ本体内に配置されること、および加熱ロッドが、シリンダの燃焼室内の圧力を圧力センサに伝達することによって達成される。
すなわち、ディーゼル・エンジンのシリンダに挿入されるグロープラグ本体と、
前記グロープラグ本体内に配置される加熱ロッドと、
前記シリンダの燃焼室内の圧力が作用するように予備圧力が加えられて前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置される圧力センサとを有するディーゼル・エンジン用の圧力グロープラグであって、
前記加熱ロッドが、軸線方向にスライドするように移動して、前記シリンダの前記燃焼室内の圧力を前記圧力センサに伝達することができるように、前記グロープラグ本体内に配置されることを特徴とするディーゼル・エンジン用の圧力グロープラグが提供される。

本発明の圧力グロープラグの特に好ましい実施形態および追加の開発については特許請求の範囲の請求項２から１０の主題として記載されている。
すなわち、前記グロープラグ本体は、軸線方向に２つの部分に分割され、半径方向膜が前記２つの部分の間に配置されるとともに前記加熱ロッドに固定されるように接続されていてもよい。
また、膜が、前記燃焼室側のグロープラグ本体の端面に配置され、前記加熱ロッドに固定されるように接続されていてもよい。
また、スライド要素が、前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置されていてもよい。
また、シールが、燃焼室側において、前記グロープラグ本体と前記加熱ロッドとの間に設けられていてもよい。
また、シールは、接続側において、前記グロープラグ本体と前記加熱ロッドとの間に設けられていてもよい。
燃焼室側において前記グロープラグ本体と前記加熱ロッドとの間に設けられている前記シールは、スライドシールから成ってもよい。
前記圧力センサは、前記加熱ロッドによって伝達されるシリンダの前記燃焼室の圧力によって解放されるように、予備圧力の下で前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置されていてもよい。
また、前記圧力センサは、前記加熱ロッドによって伝達される前記燃焼室内の圧力を受けるように、前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置されていてもよい。
また、可撓性支持要素が、接続側において、前記グロープラグ本体に配置され、前記支持要素は、ストレイン・センサを支持しており、前記加熱ロッドによって伝達された圧力が前記支持要素の軸線方向の伸長を生じさせるようにされていてもよい。

本発明による圧力グロープラグにおいて、燃焼圧は、加熱ロッドを介して直接伝達され、すなわち、グロープラグ本体の幾何形状および安定性がこの圧力伝達に関与したり、または、この圧力伝達に影響を及ぼしたりすることがない。このグロープラグは、全ての従来の機能を実行することができる。

これにより、現行の燃焼プロセスの情報を得て、それを評価すること、並びに放出値、消費値、ノイズの発生および電力の増加をそれぞれ低減または最適化するために、燃焼プロセスを直接および直ちに操作することが可能になる。それに対応するディーゼル・エンジンの制御は、グロープラグ本体と圧力センサとが基本的に独立して配置され、互いに強固に連結されていないという事実に故に実現することができる。

本発明の好ましい実施形態を図面を参照して以下にさらに詳細に説明する。

２つの部品、すなわち、接続側の上方部分２．２および燃焼室側の下方部分２．１から成るグロープラグ本体内に配置された加熱ロッド１を含む、本発明による圧力グロープラグの第１の実施形態が図１に示されている。加熱ロッド１は、接続側の小径部分を有し、膜７は、この領域で加熱ロッド１に固定されている。膜７は、グロープラグ本体２への加熱ロッド１の熱の伝達を達成するとともに、圧力グロープラグのグロー機能に必要な接地接続を保証し、グロープラグの接続側の方向に対する気密性を保持するように装置をシールする。この目的のために、膜７は、例えば、レーザ溶接によって本体上方部分２．１の端面に強固に配置される。

膜７からグロープラグの接続側の方向に接触管６が延びており、前記接触管は、加熱ロッド１のグロー管１．１に固定されている。加熱ロッド１の内極１．２および接触管６は、接続側でグロープラグハウジング２を越えて延びており、グロープラグハウジングの接続側の部分内にはＯリング４が設けられている。このＯリングは、接触管６によってグロープラグ本体の上方部分２．２内で加熱ロッド１の延長部の中心を決める。

また、グロープラグ本体の下方部分２．１には、シリンダ内の燃焼圧力が加熱ロッド１を介して膜７に排他的に伝達されるように、グロープラグ本体の下方部分２．１に対して加熱ロッド１の中心を決め、それを密封するＯリング３が設けられている。

グロープラグ本体の下方部分２．１および上方部分２．２およびその間に配置された膜７は、レーザ溶接によって一緒に溶接されることが好ましい。

圧力グロープラグの電気接続は、接続部分１１および内極１．２の補助によって実現され、この場合、該接続部分は、ねじまたはプラグタイプの形態の接続部分としてもよい。

接続側の端部において、内極１．２と接触管６との間にＯリング５の形態の密封要素が設けられる。

圧力センサ装置９が、グロープラグ本体の上方部分２．２の接続側の端面に配置され、それに対して絶縁される。センサ装置９は、予備圧力下に、グロープラグ本体２と接触管６との間に配置される。この目的のために、張力要素１０を設けてよく、この張力要素は、例えば、ねじ、溶接、圧着によって接触管６上に適宜固定される。

この機能に関して、上述した圧力グロープラグは後述するように作動する。

ディーゼル・エンジンのシリンダの圧力は、加熱ロッド１に作用し、その結果、加熱ロッド１が軸線方向に移動され、膜７が接触管６を接続側のグロープラグ本体２の部分２．２に対して移動させる。この相対運動は、予備圧力装置、すなわち、張力要素１０に伝達され、予備圧力が加えられた圧力センサ装置９を解放させる。この結果、電子回路によって検出され、評価されることができる電荷または電圧変化が生じる。センサ装置９の予備圧力は、センサが解放されたとき、評価することができる信号の変化を与えるように作用する。

各シリンダ圧力の情報は、センサ装置９の信号を評価することによって得ることができる。

図２Ａおよび図２Ｂは、図１に示す実施形態と同じ基本設計を有する本発明による圧力グロープラグの第２の実施形態の２つの変形例を示す。

図１に示す実施形態と対比して記述すると、センサ装置９は、図２Ａに示すような接触管６の肩部にまたは図２Ｂに示すように接触管６に固定される支持リングに、または張力要素１０によってグロープラグ本体の上方部分２．２に対して締め付けらる（braced）接触管６の端部に直接、絶縁する形で支持される。

上記センサ装置９を支持する肩部または対応する上記支持リングを内極に直接配置することも考えることができる。

第２の実施形態において、加熱ロッド１に作用するシリンダ圧力は、センサ装置９に作用する圧力を増加させる。なぜならば、センサ装置９は、グロープラグ本体の上方部分２．２に接続されている張力要素１０に対してさらに強く押されるからである。したがって、第１の実施形態に類似したセンサ装置９の出力信号に生じる変化を評価することができる。

図３Ａおよび図３Ｂは、本発明による圧力グロープラグの第３の実施形態を示している。その基本的な構成は、図１および図２に示す先の２つの実施形態の基本的な構成に対応している。

図３Ａに示す実施形態において、センサ素子８は、例えば、ボウル型の膜(bowl-type membrane)などのストレイン・ゲージの形態で実現され、支持要素９上に配置される。この支持要素は、軸線方向に所定の可撓性を有するものであり、ここにおいて、センサ素子は、例えば、溶接によって接触管６とグロープラグ本体２の上方部分２．２との間に直接固定される。

この実施形態において、グロープラグ本体の上方部分２．２に対する加熱ロッド１、または接触管６の形態の延長部分の動きは、シリンダ圧力の増大によって可撓性支持要素９を伸長させる。その結果生じるセンサ素子８の引張応力または伸長は、検出して評価することができる信号の変化を生じる。

図３Ｂに示す第３の実施形態の変形例において、センサ素子、例えば、ストレイン・ゲージは、半径方向に配置される。この実施形態において、センサ素子に作用する圧力またはセンサ素子の変形は、軸線方向において検出されるだけではなく、半径方向においても検出される。

図４は、本発明による圧力グロープラグの１つの実施形態を示し、この実施形態によれば、グロープラグ本体２は、１つの部品のみから成り、燃焼室側の端部には、図１に示した実施形態の膜７と同じ機能を有する膜７が設けられている。しかしながら、図４に示した実施形態において、膜７は、グロープラグ本体を密封すると同時に、外部に固定されていることからグロープラグ本体をシリンダヘッド２０に対して密封する密封面を形成する。

また、図５に示す実施形態において、グロープラグ本体２は、１つの部品のみから成り、加熱ロッド１および燃焼室に対するグロープラグ本体２の内部シール並びに外部シールがＯリング３および４の組み合わせによって実現される。この場合において、Ｏリング４は、接触管６の形態の加熱ロッド１延長部の中心を決めるためにも作用する。

図５Ａに示す実施形態において、グロー管１とグロープラグ本体２との間にスライディング要素１２が設けられ、このスライディング要素は、グロープラグ本体２と加熱ロッド１との間に配置される。スライディング要素は、グロープラグ本体２と接触管６との間に配置されてもよい。スライディング要素は、加熱ロッド１を案内し、グロープラグ本体２に対する加熱ロッド１の本来の中心を決めるように作用する。

図５Ａは、センサ装置が、図１に示されている構成とは反対に、接触管６の肩部にある変形例を示し、図５Ｂは、センサ装置が加熱ロッド１の接触管６に固定されているリング上にある変形例を示し、図５Ｃは、図３Ａにしたがったセンサ装置による変形例を示している。

他の点において、センサ装置およびその機能は、図２および図３に示す実施形態のものと同じである。

図６Ａおよび図６Ｂは、本発明による圧力グロープラグの他の実施形態を示し、この実施形態の設計および機能は、図５に示す実施形態のものに対応する。しかしながら、この場合、スライディング要素は設けられていない。加熱ロッド１は、Ｏリング３および４の補助によってフローティング形態でグロープラグ本体２内に支持されている。

この実施形態において、加熱ロッド１は最も大きな力をセンサ素子に及ぼし、その結果、この場合にセンサ素子が最も大きな圧力の変化を受ける。この結果、加えられる圧力に応じて電荷の状態にさらに大きな変化が生じる。

加熱ロッド１からグロープラグ本体２への接地接続は、別の接地線または図３に示したセンサ装置９の支持要素とともに直接形成してもよい。

センサ装置および図６に示した実施形態の機能は、図２および図３に示した実施形態の機能に対応している。

本発明による圧力グロープラグにおいて、加熱ロッド１は、例えば、膜、スライディング要素および／またはＯリングによって、グロープラグ本体２内に可動に配置されている。これは、シリンダの燃焼室の燃焼によって生成される圧力がグロープラグ本体に及ぼす影響を低減する。この方法によって、グロープラグ本体は、もはや燃焼圧力の伝達に関係することがなくなる。

本発明による圧力グロープラグの第１の実施形態の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第２の実施形態の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第２の実施形態の他の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第３の実施形態の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第３の実施形態の他の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第４の実施形態の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第５の実施形態の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第５の実施形態の他の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第５の実施形態の更に他の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第６の実施形態の変形例の断面図である。 本発明による圧力グロープラグの第６の実施形態の他の変形例の断面図である。

符号の説明

１ 加熱ロッド
１．２ 内極
２ グロープラグ本体
２．２ 上方部分
５ Ｏリング
７ 膜
９ 圧力センサ装置
２０ シリンダヘッド

Claims (10)

1. ディーゼル・エンジンのシリンダに挿入されるグロープラグ本体と、
   前記グロープラグ本体内に配置される加熱ロッドと、
   前記シリンダの燃焼室内の圧力が作用するように予備圧力が加えられて前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置される圧力センサとを有するディーゼル・エンジン用の圧力グロープラグであって、
   前記加熱ロッドが、軸線方向にスライドするように移動して、前記シリンダの前記燃焼室内の圧力を前記圧力センサに伝達することができるように、前記グロープラグ本体内に配置されることを特徴とするディーゼル・エンジン用の圧力グロープラグ。
2. 前記グロープラグ本体が、軸線方向に２つの部分に分割され、半径方向膜が前記２つの部分の間に配置されるとともに前記加熱ロッドに固定されるように接続されることを特徴とする請求項１に記載のグロープラグ。
3. 膜が、前記燃焼室側のグロープラグ本体の端面に配置され、前記加熱ロッドに固定されるように接続されていることを特徴とする請求項１に記載のグロープラグ。
4. スライド要素が前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置されていることを特徴とする請求項２に記載のグロープラグ。
5. シールが、燃焼室側において、前記グロープラグ本体と前記加熱ロッドとの間に設けられていることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載のグロープラグ。
6. シールが、接続側において、前記グロープラグ本体と前記加熱ロッドとの間に設けられていることを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載のグロープラグ。
7. 燃焼室側において前記グロープラグ本体と前記加熱ロッドとの間に設けられているシールが、スライドシールから成ることを特徴とする請求項５に記載のグロープラグ。
8. 前記圧力センサが、前記加熱ロッドによって伝達されるシリンダの前記燃焼室の圧力によって解放されるように、予備圧力の下で前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のグロープラグ。
9. 前記圧力センサが、前記加熱ロッドによって伝達される前記燃焼室内の圧力を受けるように、前記加熱ロッドと前記グロープラグ本体との間に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のグロープラグ。
10. 可撓性支持要素が、接続側において、前記グロープラグ本体に配置され、前記支持要素は、ストレイン・センサを支持しており、前記加熱ロッドによって伝達された圧力が前記支持要素の軸線方向の伸長を生じさせることを特徴とする請求項１に記載のグロープラグ。
    
    
    

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