JP2008513743A - 圧力センサ - Google Patents

Abstract

本発明は、ハウジング２と、金属膜５によって前記ハウジング２の上に取り付けた、圧力室１０に露出してもよいハウジング要素３と、前記ハウジング要素３に作用して測定セル４に伝達される圧力を、これから得られる力として間接的に測定することができる前記測定セル４とを含む圧力センサ１に関する。本発明によれば、前記圧力センサ１は、ピンとして実現されたハウジング要素３を含み、前記ハウジング２から突き出ている。このような配置構成の利点は、圧力の測定を実施するためには、圧力室１０への小さなドリル孔のみを備える必要しかないことである。ピン３は、その前端部が、組み立てた状態では圧力室１０の壁１１にほぼ到達する程度に長いことだけを必要とする。

Description

本発明は、ハウジング、金属膜によってハウジングの上に取り付けた圧力室に露出してもよいハウジング要素、並びに測定セルであって、ハウジング要素に作用して結果的これから得られた力として測定セルに伝達される圧力を間接的に測定することができる測定セルを含む圧力センサに関する。

最初に述べた形式の圧力センサは長年にわたって使用されている。例えば、欧州特許第０９０２２６７号はこの形式の圧力センサを記載している。しかし多くの適用例では、圧力センサは高い温度を受けるので、高温に影響されない測定素子を使用しなければならない。更に別の実施例では、圧力センサを中に取り付けるために十分に大きな機械部品に大きなドリル孔を作ることは不可能である。

本発明の目的は、小さなドリル孔の中に設置することもできる圧力センサを提供することである。

この目的は、独立請求項の特徴によって達成されている。

本発明の基礎をなす着想は、本発明による圧力センサが、ピンとして実現されてハウジングから突き出たハウジング要素を含むことである。この構成の利点は、圧力測定を実施するためには圧力室への単なる小さなドリル孔だけを準備する必要しかないことである。ピンは、その前端部が少なくとも組み立てられた状態では、ほぼ圧力室の壁にまで延びるだけの長さであることが必要である。特に、この目的のために準備されたドリル孔は、圧力室の壁に対して直角である必要はない。この構成の別の利点は、測定セルが圧力室に直接に隣接せず、したがって高い温度が圧力室を占める場合でも、必然的に耐高温である必要はない。

次に、図面を参照して本発明を更に詳しく説明する。すべての図において指示番号は同一である。

図１は、従来の技術による圧力センサ１の概略断面図である。一般的に、これは、ハウジング２と、ハウジング要素が隣接して設置されている測定セル４とを有し、ハウジング要素は、測定室１０からの圧力を測定セル４に伝達することができる。一般的に薄い板又は膜であるハウジング要素３は、溶接個所９においてハウジング２に溶接され、溶接個所９は、一方では圧力室１０に対する圧力センサ１の内部の封止部として機能し、他方ではハウジング要素３の可動性を保証する。したがって工作物１４の壁１１の中に設けられた取付け開口部１２の中に、ねじ８によって、ハウジング要素３の外側表面が圧力室１０の壁１１とほぼ連続的に延在するように、圧力センサ１を取り付けることができる。ハウジング２に対する圧力室１０の封止ゾーン１３は、例えばねじ８の背後の区域にある。

図２は、本発明による圧力センサ１の様々な変形例を示す。このセンサも又、ハウジング２、測定セル４、並びにハウジング要素３を有する。測定セル４は圧力センサ１の中央に配置されている。現況技術とは対照的に、このハウジング要素３は、長さが直径の少なくとも２倍、好ましくは４倍であるピンの形で実現されている。このピン３もやはり圧力センサ１内の中央に配置されている。従来の技術と比較して、別の相違は、ハウジング要素３がハウジング２の先まで延びていることである。

図２ａ）及び２ｂ）は各々、ハウジング２に対する圧力室１０の封止ゾーン１３、１３’の構造的解決策が異なる同じ表示の半面図である。この封止ゾーン１３、１３’をねじ８の前方又は背後に任意に配置することができるので、圧力センサ１を工作物１４の取付け開口部１２の中に取り付けている間に、ハウジング２の１つの区域が、取付け開口部１２の対応する突出部によって封止可能である。

ハウジング２、並びに取り付けた状態のハウジング要素３を除いて圧力センサのその他いずれの構成部分も、圧力室１０に対する工作物１４の壁１１に到達せず、したがって、圧力室の中を占めることのある高温を受けることはない。これは特に測定セル４のためには有利である。

工作物１４の壁１１における取付け開口部１２を、前部から圧力室１０へ真っ直ぐ延びる区域では、単に狭いドリル孔で構成することができ、このドリル孔の中にハウジング要素３をはめ込むことができる。したがってドリル孔を、圧力センサ１を収容するために十分に大きくする必要はない。この方式では、圧力センサ１を、例えば非常に薄いことで知られているシリンダ・ヘッド・ガスケットの中に取り付けることができる。

ピンの形のハウジング要素３は、圧力センサ１の内部に対して非常によく封止しなければならない。この目的のために、ハウジング２に取り付ける金属膜５を使用する。この膜５は環形状で実現されてリング膜を形成し、これは図３に拡大図で示されている。このリング膜５は、ハウジング要素３を内側に向かって取り囲み、ハウジングに対してその外縁部で封止を形成する。この膜５は、ハウジング要素３に及び／又は溶接個所においてハウジング２に溶接されることが好ましい。膜５は、圧力負荷の下での使用中に起るハウジング要素３の動きを可能にするために十分に可とう性である。

高温領域で使用するために、膜５を、耐高温材料から、好ましくはニッケル・ベースの合金から作るべきである。この材料によって、この形式の膜５は長い使用寿命を有することになる。

この構造の１つの利点は、有効膜表面（直径）の膜厚に対する比を最適化することによって、力の分路を最小限に抑えることができることである。例えば熱拡張などのハウジング効果は、この環状膜５によって緩和される。

この方法で、圧力センサ１の感度は増加する。小さな力の分路によって、取付けの感度も非常に小さくなる。膜封止部によって、直線性及びヒステリシスは０．２％より低くなる。膜５は、単質点振動系におけるばねのように作用する。この系を、非常に小さな加速度感度を有するように最適化することができる。

測定セル４として圧電測定セル４を使用することは好ましい。圧力室１０における圧力は、力としてハウジング要素３を介して測定セル４の上に作用する。したがって、本発明による配置構成では、力測定セルが測定セル４として使用され、これによって、間接的に測定を行う圧力センサ１が得られる。

図２ｃ）では、加速度補償圧力センサが、本発明による圧力センサ１の基礎として使用されている。勿論、特別の目的のために設計されたどのような圧力センサでも使用することができる。特に圧力センサ・ラインの取付けに関する多くの構造的変更、又は材料の選択が知られており、これらを本発明と組み合わせることができる。

測定セル４に、取付け状況とは関係なくプレストレスを与えることができる。これは、測定セル４を、完成した構成部分として圧力センサ１の既存のハウジングの中に構築しようとする場合に利点となる。

この構造では、有効膜表面（直径）の膜厚に対する最適化された比によって、力の分路を最小限に抑えることができるのが利点である。例えば熱拡張などのハウジング効果が、この環状膜５によって緩和される。

図２ｃ）においては又、圧力室１０の壁１１に対して傾斜した、即ち圧力室１０の壁１１に対して直角ではない取付け開口部１２を提供する可能性が示されている。これは、工作物１４が他の構成部分と共に、例えば交差してはならない冷却導管又は加熱導管と共に取り付けられる場合に、要求されることがある。本発明による圧力センサ１は、特に射出成形ツールの中の圧力を測定するために適している。

本発明による圧力センサ１はまた燃焼室、特にエンジンの燃焼室、例えばディーゼル・エンジンにおける燃焼室の中の圧力を測定するために適することができる。この目的のためには、図２ｃ）による圧力センサ１を使用することが好ましい。この圧力センサ１はヒータ・プラグの中に統合される。この場合、力伝達ハウジング要素３はヒータ・プラグのヒータ・ピンである。このヒータ・プラグは又、加熱することができない、対応する模擬プラグであってもよい。特に、測定セル４とハウジング要素３との間に圧縮部材６を配置することができ、これは力を同様にハウジング要素３に伝達する。特に、圧力室１０の封止ゾーン１３が取り付けられている封止部分７は、ハウジング２とは区別される要素にすることができる。この場合、更に膜５はこの封止部分７に気密に封止され、好ましくは溶接され、したがって封止部は静止して確保される。

図２ｅ）は、本発明による圧力センサ１の別の変形例を示す。この実施例では、ハウジング要素３はその質量を減らすために中空で実現されている。この方法では、ピン３の固有周波数は増加し、この結果、測定中の妨害は減少する。軽い材料、例えばチタンやセラミックを使用することによって質量を減らすことができる。

従来の技術による圧力センサの概略断面図である。 前方封止部を備えた本発明による圧力センサの概略断面図である。 ショルダ封止部を備えた本発明による圧力センサの概略断面図である。 加速度補償（Ａｎｔｉｓｔｒａｉｎ）を備えた本発明による圧力センサの概略断面図である。 ヒータ機能を備えた本発明による圧力センサの概略断面図である。 質量を減らしたピンを備えた本発明による圧力センサの概略断面図である。 本発明による圧力センサの膜区域における概略部分断面図である。

符号の説明

１ 圧力センサ
２ ハウジング
３ ハウジング要素、ピン
４ 測定セル
５ 膜
６ 圧縮要素
７ 封止部分
８ ねじ
９ 溶接個所
１０ 圧力室
１１、１１’ 圧力室の壁
１２ 壁の取付け開口部
１３、１３’ 圧力室の封止ゾーン
１４ 工作物

Claims (15)

1. ハウジング（２）と、金属膜（５）によって前記ハウジング（２）に取り付けられた圧力室（１０）に露出され得るハウジング要素（３）と、前記ハウジング要素（３）に作用して、測定セル（４）に伝達される圧力を、それから得られる力として間接的に測定することができる前記測定セル（４）とを含む圧力センサ（１）であって、前記ハウジング要素（３）がピンとして実現され、前記ハウジング（２）から突き出ることを特徴とする圧力センサ（１）。
2. 前記ハウジング要素（３）の長さが、その直径の少なくとも２倍、好ましくは少なくとも４倍であることを特徴とする請求項１に記載の圧力センサ。
3. 前記測定セル（４）が圧電測定セルであることを特徴とする請求項１又は２に記載の圧力センサ。
4. 前記測定セル（４）が力測定セルであることを特徴とする請求項１から３までのいずれかに記載の圧力センサ。
5. 前記測定セル（４）が前記圧力センサ（１）の内部の中央に配置されていることを特徴とする請求項１から４までのいずれかに記載の圧力センサ。
6. 前記膜（５）が前記ピン（３）に溶接されていることを特徴とする請求項１から５までのいずれかに記載の圧力センサ。
7. 前記膜（５）が前記ハウジング（２）に溶接されていることを特徴とする請求項１から６までのいずれかに記載の圧力センサ。
8. 前記膜（５）が封止部分（７）に溶接されて、前記圧力室（１０）と前記圧力センサ（１）のために備えられた取付け開口部（１２）との間に封止部を形成することを特徴とする請求項１から７までのいずれかに記載の圧力センサ。
9. 前記測定セル（４）が、前記圧力センサ（１）の取付け状態とは関係なくプレストレスが与えられることを特徴とする請求項１から８までのいずれかに記載の圧力センサ。
10. 前記膜（５）が本質的に環形状を有することを特徴とする請求項１から９までのいずれかに記載の圧力センサ。
11. 前記膜（５）耐高温材料で、好ましくはニッケルをベースとする合金から作られていることを特徴とする請求項１から１０までのいずれかに記載の圧力センサ。
12. 前記圧力センサ（１）が、燃焼室、特にエンジンの燃焼室の中の圧力を測定するようになっていることを特徴とする請求項１から１１までのいずれかに記載の圧力センサ。
13. 前記圧力センサ（１）がヒータ・プラグの中に統合されていることを特徴とする請求項１２に記載の圧力センサ。
14. 前記圧力センサ（１）が、射出成形ツールの中の圧力を測定するようになっていることを特徴とする請求項１から１３までのいずれかに記載の圧力センサ。
15. 前記圧力センサ（１）が、シリンダ・ヘッド・ガスケットの中に構築されるようになっていることを特徴とする請求項１から１４までのいずれかに記載の圧力センサ。
    

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