JP7403339B2 - 自動麺ゆで装置 - Google Patents
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Description
そして、本発明の自動麺ゆで装置は、ロボットアームが、麺かごに麺が入ったユニットを保持した状態で、湯槽へのユニットの移動と、湯槽から洗浄槽へのユニットの移動と、洗浄槽から冷却槽へのユニットの移動と、冷却槽からのユニットの移動とを、それぞれ行い、麺をゆでる過程、麺を洗浄する過程、麺を冷却する過程、のそれぞれの過程を自動で行う。
これにより、複数の機構を使用する場合と比較して、制御を容易に行うことができる。
さらに、ロボットアームは、ロボットアームの先端部の位置や動作を容易に変更することができるので、複数の機構を使用する場合と比較して、設計の自由度が大きくなり、変更や動作の追加が容易にできる。
これにより、一連の過程(麺をゆでる過程、洗浄する過程、冷却する過程)の作業を効率良く行うことができる。そして、作業者の手で1つの麺かごを持って麺かごを移動させる場合や、ロボットアームが1つの麺かごを保持して移動させる場合と比較して、一連の過程の作業の効率を向上することができる。
図1に示す自動麺ゆで装置1は、麺を自動でゆでるための自動麺ゆで装置であり、各種の麺(そば、うどん、ラーメン、パスタ等)に適用可能である。
そして、この自動麺ゆで装置1は、湯槽2と、洗浄槽3と、冷却槽4と、ユニット置き場5とが連結され、さらに、各槽2,3,4の上方にロボットアーム11を設けて、構成されている。
湯槽2には、湯を加熱するヒーター、麺を攪拌するために気泡又は湯を噴出させる噴出口、湯の温度を制御するための温度センサ、等が必要に応じて設けられる。
図1の自動麺ゆで装置1では、湯槽2が、前後方向よりも左右方向がやや長い構成となっている。
洗浄槽3には、洗浄用の水を供給する供給部(供給口又は供給管)、洗浄後の水を排出する排出口、等が設けられる。
洗浄槽3において、ゆでた麺を水で洗浄することにより、あら熱を取り、ぬめりを除去することができる。
図1の自動麺ゆで装置1では、洗浄槽3が、前後方向に長い構成となっている。
冷却槽4には、冷却水を供給する供給部(供給口又は供給管)、水を排出する排出口、等が設けられる。
冷却槽4において、麺を冷却することにより、ゆでた麺をしめることができる。
図1の自動麺ゆで装置1では、冷却槽4が、前後方向に長い構成となっている。
図1の自動麺ゆで装置1では、ユニット置き場5は、自動麺ゆで装置1の左右方向に長いレーンが並行して複数本設けられた構成となっている。
それぞれのレーンは、棒状のレールで仕切られており、前後2本のレールの間にユニットを置く。
図1の装置に使用しているロボットアーム11は、数個の回動が可能な関節部によって、腕部が連結されて構成されている。図1に示すロボットアーム11は、まっすぐで短い腕部、ほぼまっすぐな腕部、根元側が屈曲していて長い腕部、を有している。
ロボットアーム11の先端部には、ユニットを保持するための保持部12を有する。
保持部12の構成は、ユニットを保持することが可能であれば、特に限定されず、従来公知の構成を含む各種の構成を採用することができる。
保持部12の構成として、例えば、2つの部材でユニットの被保持部を挟む構成、ユニットの被保持部と嵌めこむ構成(孔と突起、凹部と凸部、等)、ユニットの被保持部を吸着させる構成(吸引等)が考えられる。
そのためには、ロボットアーム11の保持部12が、ユニットの被保持部の所定の位置で保持できるように、位置決めを行う。例えば、ユニット置き場5のレーンや湯槽2において、ユニットを置く位置を常に同じ位置に位置決めすることが考えられる。また例えば、ユニットの所定の位置に目印を設けておいて、ロボットアーム11側でユニットの目印を検知して、保持部12の位置を調整することが考えられる。
制御部は、CPU(Central Processing Unit)等を有して構成され、コンピュータプログラムの実行により、ロボットアーム11の動作を制御する。
図2に示すユニット21は、底板22と側板26と天板27とが組み立てられて、構成されている。底板22と側板26と天板27は、例えば、ステンレス製の薄板で作製することができる。
底板22の左右のつば24を、例えば、湯槽2の縁に掛けることにより、湯槽2にユニット21を置くことができる。
底板22の前後のつば25を、例えば、ユニット置き場5のレールに掛けることにより、ユニット置き場5のレーンに置くことができる。
図2に示す側板26は、略台形状であり、下部に開口を有し、開口の両側で底板22に取り付けられている。
この天板27は、ユニット21がロボットアーム11の保持部12に保持される、被保持部となる。
ユニット21の被保持部を、前述したようにロボットアーム11の保持部12と嵌め込む構成とする場合には、例えば、天板27の所定の位置に孔又は凹部を設けて、ロボットアーム11の保持部12に孔に対応した突起又は凹部に対応した凸部を設ける。
また、例えば、前述したようにユニットに目印を設けた構成とする場合には、例えば、天板27の所定の位置に、検知可能な目印(孔、突起、着色部、等)を設ける。
ユニット21に使用する麺かごとしては、水平断面が円形の麺かごを使用することができる。
ここで、図2のユニット21に使用する麺かごの一形態の概略構成図を、図3に示す。
図3に示す麺かご31は、金属製の麺かごに、手持ち用の柄32が取り付けられた構成である。
作業者が、麺かご31に麺を入れて、麺を入れた麺かご31をユニット21に収容することにより、図1の自動麺ゆで装置1において麺かご31内の麺をゆでることが可能になる。
この場合の噴出口の位置と麺かご31の位置との関係を、図4に示す。図4は、麺かご31と噴出口35を上から見た図である。
図4に示すように、断面円形の麺かご31の中心部から図中上にずらした位置に、噴出口35を設ける。これにより、麺かご31の中心部の真下に噴出口35を設けた構成と比較して、麺を回転させてよくほぐすことができる。
なお、図4では、麺かご31の円周と中心の間の半分の位置に噴出口35を設けているが、麺かご31の中心から噴出口35をずらす量は、図4の半分には限定されない。
そして、本実施の形態の自動麺ゆで装置1において、より好ましくは、麺の水切りの際に、ロボットアーム11がユニット21を斜めに傾けた状態で保持して、水切りを行う。
図5に示すように、ユニット21を傾斜させた状態で図示しないロボットアームによって保持して、麺かご31内の麺の水切りを行う。
ユニット21を傾斜させることにより、ユニット21に収容された麺かご31も傾斜する。麺かご31は、中心部が窪んでいるので、中心部に麺が集まり、中心部では麺の密度が大きくなる。そのため、麺かご31を垂直に立てた状態よりも、麺かご31を傾斜させた状態の方が、中心部よりも麺の密度が小さい部分に水が集まるので、水切りがしやすくなる。
そして、湯槽2内の水が加熱されて、麺をゆでる温度(例えば、97℃~99℃)になってから、作業者は、麺をゆでる作業を開始する。
また、作業者は、麺を冷却する過程が終わりユニット置き場5に置かれたユニット21から、麺かご31を取り出す。そして、作業者は、麺かご31の中の麺を、麺かご31から取り出して、食器(丼など)又は容器(食器に入れる前に一時的に麺を保持する容器)に入れる。
さらに、作業者は、麺を取り出して空になった麺かご31を洗浄する。
その後、作業者は、洗浄した麺かご31に、ゆでる前の麺(生麺)を入れて、ユニット置き場5に置かれたユニット21に収容する。
以降、これらの作業を繰り返す。
図6では、自動麺ゆで装置1の左右方向であるX方向の矢印と、自動麺ゆで装置1の前後方向であるY方向の矢印とを、図1に付与している。なお、図6では、ユニット21の図示を省略している。
ロボットアーム11は、麺を入れた麺かご31を収容したユニット21がユニット置き場5に置かれたことを検知して、動作を開始する。
次に、ロボットアーム11は、ユニット21に収容された麺かご31が湯槽2の湯に浸かるように、ユニット21を湯槽2に下げる。この状態で、図6のY方向(前後方向)にユニット21を揺動させる。揺動は、所定の回数(例えば、2往復)行う。ユニット21を揺動させることにより、棒などを使わなくても、麺をほぐして麺に湯を入りやすくすることができる。
ユニット21を揺動させた後に、ロボットアーム11は、ユニット21のつば24が湯槽2に掛かるように、ユニット21を湯槽2に置く。これにより、ユニット21に収容された麺かご31の中の麺をゆでることができる。そして、麺を、所定の時間(例えば、100秒)ゆでる。
すなわち、ロボットアーム11は、図6に示したように、ユニット21を所定の角度(例えば、40度)傾斜させた状態として、所定の時間(例えば、4秒)水切りを行う。
また、洗浄槽3がY方向(前後方向)に長い形状であるため、ロボットアーム11は、湯槽2では長手方向を図6のX方向としていたユニット21を90度回転させて、ユニット21の長手方向を図6のY方向としてから、洗浄槽3に移動させる。
なお、図1に示す自動麺ゆで装置1では、湯槽2の上における水切りと、ユニット21の90度回転とは、どちらを先に行うことも可能である。そして、ロボットアーム11は、水切りと、ユニット21の90度回転とを、決めた順序で実行する。
また、傾斜させたユニット21を垂直な状態に復元する動作は、ユニット21を移動する動作や、水切り後に90度回転させる場合の90度回転させる動作と、同時に行うことが可能である。
このように、ユニット21の傾斜や復元を、ユニット21の回転や移動と同時に行うことにより、別々に行う場合と比較して、所要時間を短縮することができる。
その後、ロボットアーム11は、ユニット21を持ち上げて、ユニット21に収容された麺かご31を洗浄槽3の洗浄水から取り出し、洗浄槽3の上で水切りを行う。すなわち、ロボットアーム11は、図5に示したように、ユニット21を所定の角度(例えば、40度)傾斜させた状態として、所定の時間(例えば、2秒)水切りを行う。
水切りの後に、ロボットアーム11は、傾斜させたユニット21を垂直な状態に復元すると共に、ユニット21を洗浄槽3の上から冷却槽4の上に移動させる。
その後、ロボットアーム11は、ユニット21を持ち上げて、ユニット21に収容された麺かご31を冷却槽4の冷却水から取り出し、水切りを行う。すなわち、ロボットアーム11は、図5に示したように、ユニット21を所定の角度(例えば、40度)傾斜させた状態として、所定の時間(例えば、2秒)水切りを行う。
なお、このユニット21を復元する際には、単純にユニット21だけを回転させて垂直な状態に復元するよりも、ロボットアーム11の保持部12の位置を右側(湯槽2側)に戻しながらユニット21を垂直な状態に復元する方が望ましい。このように保持部12の位置を右側に戻しながらユニット21を垂直な状態に復元することにより、ユニット置き場5に置かれている他のユニット21の麺に、麺かご31から水がかからない。
そして、ロボットアーム11は、冷却槽42では長手方向を図6のY方向としていたユニット21を90度回転させて、ユニット21の長手方向を図6のX方向とする。
その後、ロボットアーム11は、ユニット21を、冷却槽4の上からユニット置き場5の所定の位置に移動させる。
以上述べたように、ロボットアーム11を動作させることにより、ユニット21に収容された麺かご31内の麺に、麺をゆでる過程、洗浄する過程、冷却する過程を自動的に行うことができる。
第1のユニットと第2のユニットを使用する場合に、例えば、第1のユニットを湯槽2に置いて麺をゆでている間に、第2のユニットをユニット置き場5から湯槽2に運んで湯槽2に置くことが可能である。そして、第2のユニットを湯槽2に置いて麺をゆでている間に、第1のユニットを湯槽2から洗浄槽3と冷却槽4を経てユニット置き場5まで運ぶことが可能である。
さらに第3のユニットを使用して、第3のユニットに麺を入れた麺かごを収容し、第1のユニットがユニット置き場5に戻ってくるまでに、第3のユニットをユニット置き場5に置くようにすれば、複数のユニットを並行して動作させることを繰り返すことが可能である。
また、本実施の形態の自動麺ゆで装置1は、複数個の麺かご31を収容するユニット21を使用する。
そして、ロボットアーム11が、麺かご31に麺が入ったユニット21を保持した状態で、湯槽2への移動と、湯槽2から洗浄槽3への移動と、洗浄槽3から冷却槽4への移動と、冷却槽4からの移動とを、それぞれ行って、麺をゆでる過程、麺を洗浄する過程、麺を冷却する過程、のそれぞれの過程を自動で行う。
これにより、特許文献1や特許文献2のように複数の機構を使用する場合と比較して、制御を容易に行うことができる。すなわち、図1に示すロボットアーム11は、各関節部の回動の量と回動速度を設定することにより、先端部の位置や動作の速度を設定することができるので、容易に動作を制御することができる。
さらに、ロボットアーム11は、制御部の制御プログラム等の変更により、ロボットアーム11の先端部の位置や動作を容易に変更することができるので、複数の機構を使用する場合と比較して、設計の自由度が大きくなり、変更や動作の追加が容易にできる。
これにより、一連の過程(麺をゆでる過程、洗浄する過程、冷却する過程)の作業を効率良く行うことができる。そして、作業者の手で1つの麺かご31を持って麺かご31を移動させる場合や、ロボットアームが1つの麺かご31を保持して移動させる場合と比較して、一連の過程の作業の効率を向上することができる。
作業者が麺かごやユニットを持って水切りした場合、傾斜角度や保持時間にばらつきが生じることがありうるが、ロボットアーム11を使用しているので、傾斜角度や保持時間を一定にして水切りを行うことができる。
ただし、ユニットに収容できる麺かごの数を多くすると、麺かごを収容した状態のユニットの重量が増大してロボットアームへの負荷が大きくなることや、ユニットの長さが大きくなって各槽やユニット置き場に広い面積が必要となる。
これらのことを考慮して、ユニットに収容できる麺かごの数は、2個~4個の範囲が好ましい。
ユニット21の底板22の平板部が矩形状であると、他の形状(例えば円形状)と比較して、自動麺ゆで装置の設計やユニットの移動の動作が容易である。
ユニット21の麺かご用開口23の形状を円形とすれば、図3に示したような、一般的な断面円形の麺かご31をそのまま使用することができる。
しかし、ユニットの底板の形状や麺かご用開口の形状は、図2のユニット21のそれぞれの形状には限定されず、他の形状を採用することも可能である。
また、ユニットの側板や天板等の形状も、図2に示したユニット21のそれぞれの形状には限定されず、ユニットの動作、麺かごの収容や麺かごの取り出しに支障がなければ、他の形状を採用することもできる。
そして、ユニットの被保持部は図2のユニット21の天板27に限らず、他の形状のユニットを使用する場合には、天板以外の位置を被保持部とすることが可能である。
例えば、自動麺ゆで装置の両側にロボットアームを設けて、それぞれのロボットアームの動作に支障がないように動作させることにより、2個のユニットをそれぞれ独立して移動させることが可能である。
Claims (3)
- 湯を溜めて麺をゆでるための湯槽と、
水を溜めて麺を水で洗浄するための洗浄槽と、
冷却水を溜めて麺を冷却するための冷却槽と、
ロボットアームと、
を備え、
複数個の麺かごを収容するための麺かご用開口が設けられた底板と、前記底板の上部に設けられ、前記ロボットアームに保持される被保持部と、前記湯槽に掛けるために前記底板に設けられたつばと、を備えたユニットを使用して、
前記ロボットアームは、前記麺かごに麺が入った前記ユニットを保持した状態で、前記湯槽への前記ユニットの移動と、前記湯槽から前記洗浄槽への前記ユニットの移動と、前記洗浄槽から前記冷却槽への前記ユニットの移動と、前記冷却槽からの前記ユニットの移動とを、それぞれ行い、
麺をゆでる過程、麺を洗浄する過程、麺を冷却する過程、のそれぞれの過程を自動で行う
自動麺ゆで装置。 - 前記湯槽から前記洗浄槽への前記ユニットの移動と、前記洗浄槽から前記冷却槽への前記ユニットの移動と、前記冷却槽からの前記ユニットの移動の、それぞれの移動の前に、前記ロボットアームがユニットを斜めに傾けた状態で保持して、麺の水切りを行う請求項1に記載の自動麺ゆで装置。
- 前記湯槽は、前記麺かごの中心部からずらした位置に、気泡又は湯を噴出させる噴出口が設けられている請求項1又は2に記載の自動麺ゆで装置。
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