JPH0752684Y2 - 自動洗浄機における洗浄液噴射装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、主として食器類などに洗浄液を噴射して自
動的に洗浄するようにした自動洗浄機における洗浄液噴
射装置、特に方形箱型の洗浄用ラック内に縦に入れた複
数の食器を、その上下に配したノズルからの洗浄液及び
仕上水の噴射により洗浄するようにしたラック式食器洗
浄機に適した洗浄液噴射装置に関するものである。

「従来の技術、考案が解決せんとする問題点」 従来、箱型の洗浄用ラック内に多数の食器を立て掛けて
洗浄室内に入れ、ラックの上下に設けた洗浄ノズル管か
ら洗浄液及び仕上液を噴射することにより、自動的に洗
浄するようにしたラック式食器洗浄機が知られている。

ところが、従来のこの種の食器洗浄機の洗浄ノズル管は
一般的に固定式のものが多く、そのためノズル管の各ノ
ズルから噴射される洗浄液の噴射方向が一定で、食器に
対して洗浄液が噴射されない死点を生じ、洗浄が不完全
となる欠点があった。

また従来、長手方向に沿って複数の傾斜ノズルを設けた
ノズル管を、その洗浄液の噴射力により垂直な給液支持
管を中心として水平旋回させながら、矩形箱型の洗浄用
ラック又はコンベヤ上を移送する洗浄用ラック内に斜め
に入れた多数の食器を洗浄するようにした洗浄液噴射装
置も知られている。

しかしながら、この旋回噴射ノズル装置においては、食
器に対して洗浄液の噴射される位置を移動させることが
できるが、洗浄液の噴射方向は一定であるため、同様に
食器に対して洗浄液が噴射されない死点を生じ、洗浄が
不完全となる欠点があり、しかもラックの四隅の部分に
洗浄液が噴射されないため、この部分にある食器の洗浄
が不完全となる欠点もあった。

一方、食器を搬送コンベヤ上に載せて移動させながら、
その上下の洗浄ノズルから洗浄液を噴射することによっ
て洗浄するようにしたコンベヤ式食器洗浄機において
は、ノズル管をその軸芯回りに揺動回転させて洗浄液の
噴射方向を変化させるようにした洗浄ノズル装置を用い
たものも知られているが、上下に設置した複数のノズル
管をそれぞれ一連に揺動回転させる機構が複雑で、特に
洗浄ノズル管と仕上ノズル管をほぼ同位置に並設する必
要があるラック式食器洗浄機においては洗浄ノズル管と
仕上ノズル管を揺動回転させねばならないため、さらに
揺動回転機構が複雑化し、事実上困難であるという問題
があった。

「問題点を解決するための手段」 この考案は前記従来の課題を解決するために、洗浄液の
送液管に縦向きの揺動給液管を上下方向の中間部におい
て回転連通口を介して水平軸回りに揺動自在に支承し、
この揺動給液管の上端部及び下端部にはそれぞれこれと
交差状をなす上部分給管及び下部分給管を左右方向の中
間部において回転連通口を介して水平軸回りに揺動自在
に支承し、これら上下の分給管にはそれぞれ複数本の上
部洗浄ノズル管及び下部洗浄ノズル管を前方に突設し、
また下部にはそれぞれ上部仕上用分給管及び下部仕上用
分給管を取付け、この上下の仕上用分給管には、それぞ
れ複数本の上部仕上ノズル管及び下部仕上ノズル管を前
方に突設し、前記上下の分給管の互いに上下に相対する
端部には、それぞれ連結ロッドがその端部において枢着
してなる自動洗浄機における洗浄液噴射装置を提案する
ものである。

また、この考案は、揺動給液管の下端部に回転連通口を
介してヘッダーを水平軸回りに回転自在に支承し、この
ヘッダーの左右には、円弧型又は鉤形に屈曲された支持
管の一端をそれぞれ回転連通口により水平軸芯回りに回
転自在に連結し、各支持管の他端は揺動給液管と交差状
をなす下部分給管の中間部上面に接続してなる自動洗浄
機における洗浄液噴射装置を提案するものである。

さらに、この考案は、上部洗浄ノズル及び上部仕上ノズ
ルを、先端に向って上り勾配に突設してなる自動洗浄機
における洗浄液噴射装置を提案するものである。

「作用」 洗浄液は送液管から揺動給液管中を通って上下の分給管
に導入され、各洗浄ノズル管の洗浄ノズルから噴射され
る。

仕上水は、洗浄液による洗浄後において仕上供給管から
導入管を介して仕上用分給管に導入され、各仕上ノズル
管の洗浄ノズルから噴射される。

上記洗浄液又は仕上水を噴射しながら、回転体を回転駆
動することにより、上部分給管はその回転連通口を中心
として揺動すると共に、揺動給液管が上部分給管と共に
回転連通口を中心として揺動し、これに伴って連結ロッ
ドを介して下部分給管も同様に揺動する。

下部分給管がヘッダーに支持管を介して取付けられてい
る場合には、上記上部分給間の揺動に伴って連結ロッ
ド、揺動作動アーム、ヘッダー及び支持管を介して下部
分給管が同様に揺動する。

そして、上下の分給管の揺動によって、これらに取付け
た上下の洗浄ノズル管及び上下の仕上洗浄ノズル管が揺
動し、同時にこれらに取付けたノズルの洗浄液及び仕上
水の噴射方向を変化させる。

下部洗浄ノズル管及び下部仕上洗浄ノズル管は、支持管
の回転連通口を支点として先端を上向きに回動すること
により、排水受の上方を広く開放して排水受上に堆積し
た洗浄滓などの除去及び清掃を容易に行うことができ
る。

また、上部洗浄ノズル管及び上部仕上ノズル管は、先端
方向に向って上り勾配に傾斜して取付けられているた
め、洗浄後においてノズル管周囲に付着した洗浄液の水
滴が管を伝わって取付基端側に流れ、仕上洗浄後の食器
上に滴下することが防止される。

「実施例」 以下この考案を図面に示す実施例について説明すると、
第1,2図はラック式食器洗浄機に設置した実施例を示し
たもので、洗浄液噴射装置１は機体２の上部に設けた洗
浄室３内に設置され、機体２の下部には洗浄済みの洗浄
液を排水受４により集水して、適宜汚れた洗浄液をオー
バーフローすると共に新液を補給しながら貯溜する洗浄
液タンク５及び送液ポンプ（図示せず）が設置されてい
る。

洗浄室３内には、洗浄液の噴射が通過するように底面が
格子状をなし、多数の食器Ｗを突起部に斜めに立て掛け
て保持するようにした矩形箱型の洗浄用ラックＲを載置
するための支持枠６が設置されている。

洗浄室３の内部背面には、洗浄液タンク５内の洗浄液を
送液ポンプにより圧送する送液管７が縦に配管され、そ
の先端部の前面に縦向きの揺動給液管８が上下方向の中
間部において回転連通口９を介して水平軸回りに揺動自
在に支承されている。

揺動給液管８の上端部の前面には、これと交差状をなす
上部分給管10がその左右方向の中間部において回転連通
口11を介して水平軸回りに揺動自在に支承され、また揺
動給液管８の下端部の前面にはヘッダー12が回転連通口
13を介して水平軸回りに回転自在に支承されている。

ヘッダー12の左右には、円弧型又は鉤形に屈曲された支
持管14,14の一端がそれぞれ回転連通口15により水平軸
芯回りに回転自在に連結され、各支持管14,14の他端は
揺動給液管８に交差状をなす下部分給管10′の中間部上
面に接続されており、その結果下部分給管10′は左右の
支持管14を介してヘッダー12の下方から前部上方にかけ
て回動自在となっている。

上下の分給管10,10′の前面上部には、それぞれ複数本
の上部洗浄ノズル管16及び下部洗浄ノズル管16′が前方
に突設され、また前面下部にはそれぞれ上部仕上用分給
管17及び下部仕上用分給管17′取付けられている。

上部仕上用分給管17及び下部仕上用分給管17′の前面に
は、それぞれ複数本の上部仕上ノズル管18及び下部仕上
ノズル管18′が上部洗浄ノズル管16,16間及び下部洗浄
ノズル管16′,16′間において前方に突設されている。

上下の洗浄ノズル管16,16′には、その長手方向に沿っ
て複数のノズル19,19′が互いに対向方向に取付けら
れ、また上下の仕上ノズル管18,18′にはその長手方向
に沿って複数のノズル20,20′が互いに対向方向に取付
けられている。

揺動給液管８の上端部は上端に向って機体２の背面側に
傾斜しており、これによって上部洗浄ノズル管16及び上
部仕上ノズル管18は、先端方向に向って上り勾配に傾斜
して取付けられており、これによって洗浄後、これにノ
ズル管周囲に付着した洗浄液の水滴が管を伝わって取付
基端側に流れ、仕上洗浄後の食器上に滴下することを防
止するようになっている。

なお、上部洗浄ノズル管16及び上部仕上ノズル管18は、
揺動給液管８の上端部を傾斜させることなく上部分給管
10に対して傾斜させて取付けてもよい。

ヘッダー12の上端には、横向きの揺動作動アーム21がそ
の左右方向の中間部において固定されている。

揺動作動アーム21と上部分給管10の上下に相対する端部
には、それぞれ連結ロッド22がその端部において枢着さ
れ、これによって揺動作動アーム21、上部分給管10及び
左右の連結ロッド22,22とから平行四辺形リンク機構が
構成されている。

上部分給管10の一端側にはブラケット23が取付けられ、
このブラケット23はモーター24によって水平軸回りに回
転する回転体25の外周端にピン26で枢着されている。

上部仕上用分給管17及び下部仕上用分給管17′には、仕
上供給管27からフレキシブルな導入管28を介して水道水
等の仕上水が圧送されるようになっている。

揺動給液管８の下部背面には機体２の背面上を転動する
ローラ29が取付けられ、これによって下部に加わる各ノ
ズル管の荷重を機体２の背面に支持しながら、揺動給液
管８を円滑に揺動させるようになっている。

以上の構成において、回転体25を回転駆動することによ
り、上部分給管10はその回転連通口11を中心として揺動
すると共に、揺動給液管８が上部分給管10と共に回転連
通口９を中心として揺動し、これに伴って連結ロッド2
2、揺動作動アーム21、ヘッダー12及び支持管14を介し
て下部分給管10′が同様に揺動する。

そして、上下の分給管10,10′の揺動によって、これら
に取付けた上下の洗浄ノズル管16,16′及び上下の仕上
洗浄ノズル管18,18′が揺動し、同時にこれらに取付け
たノズル19,19′及び20,20′の洗浄液及び仕上水の噴射
方向を変化させる。

従って、洗浄用ラックＲ内の食器Ｗに対して、その上下
から噴射される洗浄液及び仕上水は噴射方向を繰り返し
変化しながら死点を生ずることなく緊密に当たり、食器
の全面を隈なく完全に洗浄することができる。

下部洗浄ノズル管16′及び下部仕上洗浄ノズル管18′
は、支持管14の回転連通口15を支点として先端を上向き
に回動することにより、排水受４の上方を広く開放して
排水受４上に堆積した洗浄滓などの除去及び清掃を容易
に行うことができる。

なお、上記の実施例においては、下部洗浄ノズル管16′
及び下部仕上洗浄ノズル管18′を排水受４の上方に仰向
させることによって、排水受４上のスペースを開放し、
洗浄滓の除去、清掃を容易にする構成について説明した
が、排水受４上に清掃に充分なスペースを確保するか、
あるいは例えば、排水受４を機体２から引き出し収納自
在とするなど、その清掃を容易化する構造を採用する場
合には、下部洗浄ノズル管16′及び下部仕上洗浄ノズル
管18′を排水受４の上方に仰向させる機構は必ずしも必
要ではない。

従って、この場合には揺動給液管８の上端部及び下端部
の前面に、これと交差状をなす上部分給管10及び下部分
給管10′をそれぞれその左右方向の中間部において回転
連通口11を介して水平軸回りに揺動自在に支承し、両分
給管10,10′の上下に相対する端部に連結ロッド22,22を
その端部において枢着することによって連結し、平行四
辺形リンク機構を構成させる。

なお、この場合には下部分給管10′の一側端にブラケッ
ト23を取付けて、これをモーターによって水平軸回りに
回転する回転体25の外周端にピン26で枢着してもよい。

「考案の効果」 以上の通りこの考案によれば、一個の駆動源である回転
体を回転駆動することにより、上下の分給管を揺動給液
管と共に揺動し、各分給管に取付けた上下の洗浄ノズル
管及び上下の仕上洗浄ノズル管を揺動させて、これらの
ノズルから噴射される洗浄液及び仕上水の噴射方向を変
化させることができ、これによって洗浄用ラック内の食
器に対して、死点を生ずることなく緊密に洗浄液又は仕
上水を噴射して食器の全面を隈なく完全に洗浄すること
ができる。

下部洗浄ノズル管及び下部仕上洗浄ノズル管は、支持管
の回転連通口を支点として先端を上向きに回動できるの
で、排水受の上方を広く開放して排水受上に堆積した洗
浄滓などの除去及び清掃を容易に行うことができる。

また、上部洗浄ノズル管及び上部仕上ノズル管は、先端
方向に向って上り勾配に傾斜して取付けられているの
で、洗浄後においてノズル管周囲に付着した洗浄液の水
滴が管を伝わって取付基端側に流れ、仕上洗浄後の食器
上に滴下することによる汚れを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の洗浄液噴射装置をボックスタイプの
ラック式食器類自動洗浄機設置した実施例を示す縦断正
面図、第２図は同縦断側面図である。 １……洗浄液噴射装置、２……機体、３……洗浄室、４
……排水受、５……洗浄液タンク、６……支持枠、７…
…送液管、８……揺動給液管、９……回転連通口、10…
…上部分給管、11……回転連通口、12……ヘッダー、13
……回転連通口、14……支持管、15……回転連通口、16
……上部洗浄ノズル管、16′……下部洗浄ノズル管、17
……上部仕上用分給管、17′……下部仕上用分給管、18
……上部仕上ノズル管、18′……下部仕上ノズル管、19
……ノズル、19′……ノズル、20……ノズル、20′……
ノズル、21……揺動作動アーム、22……連結ロッド、23
……ブラケット、24……モーター、25……回転体、26…
…ピン、27……仕上供給管、28……導入管、29……ロー
ラ、Ｒ……洗浄用ラック、Ｗ……食器。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄液の送液管に縦向きの揺動給液管が上
   下方向の中間部において回転連通口を介して水平軸回り
   に揺動自在に支承され、前記揺動給液管の上端部及び下
   端部にはそれぞれこれと交差状をなす上部分給管及び下
   部分給管が左右方向の中間部において回転連通口を介し
   て水平軸回りに揺動自在に支承され、前記上下の分給管
   にはそれぞれ複数本の上部洗浄ノズル管及び下部洗浄ノ
   ズル管が前方に突設され、また下部にはそれぞれ上部仕
   上用分給管及び下部仕上用分給管が取付けられ、この上
   下の仕上用分給管には、それぞれ複数本の上部仕上ノズ
   ル管及び下部仕上ノズル管が前方に突設され、前記上下
   の分給管の互いに上下に相対する端部には、それぞれ連
   結ロッドがその端部において枢着され、前記上部分給管
   又は下部分給管の一側端に取付けたブラケットをモータ
   ーによって水平軸回りに回転する回転体の外周端に枢着
   してなることを特徴とする自動洗浄機における洗浄液噴
   射装置。
2. 【請求項２】洗浄液の送液管に縦向きの揺動給液管が上
   下方向の中間部において回転連通口を介して水平軸回り
   に揺動自在に支承され、前記揺動給液管の上端部にはこ
   れと交差状をなす上部分給管が左右方向の中間部におい
   て回転連通口を介して水平軸回りに揺動自在に支承さ
   れ、前記揺動給液管の下端部には回転連通口を介してヘ
   ッダーが水平軸回りに回転自在に支承され、前記ヘッダ
   ーの左右には、円弧型又は鉤形に屈曲された支持管の一
   端がそれぞれ回転連通口により水平軸芯回りに回転自在
   に連結され、前記各支持管の他端は前記揺動給液管と交
   差状をなす下部分給管の中間部上面に接続され、前記上
   下の分給管には、それぞれ複数本の上部洗浄ノズル管及
   び下部洗浄ノズル管が前方に突設され、また下部にはそ
   れぞれ上部仕上用分給管及び下部仕上用分給管が取付け
   られ、この上下の仕上用分給管には、それぞれ複数本の
   上部仕上ノズル管及び下部仕上ノズル管が前方に突設さ
   れ、前記ヘッダーにはその左右に両端を突設した揺動作
   動アームが固定され、この揺動作動アームと上部分給管
   の互いに上下に相対する端部には、それぞれ連結ロッド
   がその端部において枢着され、前記上部分給管の一側端
   に取付けたブラケットをモーターによって水平軸回りに
   回転する回転体の外周端に枢着してなることを特徴とす
   る自動洗浄機における洗浄液噴射装置。
3. 【請求項３】上部洗浄ノズル及び上部仕上ノズルは、先
   端に向って上り勾配に突設してなることを特徴とする請
   求項１又は請求項２記載の自動洗浄機における洗浄液噴
   射装置。