JP2679297B2 - 食器洗浄機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は洗浄水の噴射により食器・調理器具の洗浄を
行う食器洗浄機に関するものである。

従来の技術 従来、この種の食器洗浄機の一般的な運転方法につい
て第３図に基づき説明する。食器・調理器具等を上かご
１と下かご２とで構成して食器かごの所定の場所に収納
して洗浄槽３に配置した後、洗剤を投入して運転を開始
すると、まず給水弁（図示せず）の動作により所定量の
洗浄水が洗浄槽の底部４に供給される。この給水工程に
引き続いて、洗浄ポンプ５により加圧された洗浄水が洗
剤と共にアームノズル６及びタワーノズル７に設けた噴
出孔から噴射される本洗工程が行われる。なお、以下回
転ノズル６とタワーノズル７をまとめて洗浄ノズル８と
呼ぶ。この本洗工程では、洗浄槽３内に設けたヒータ９
に通電して洗浄水及び食器が所定温度まで加熱される。
所定時間の本洗工程を経ると、次に食器等から洗い落と
された汚れを含む洗浄水を排水ポンプ10により排水する
排水工程に入る。引き続き、新たに洗浄水を供給する給
水工程と、洗浄水を洗浄ノズル８から噴射することで洗
剤や残菜（食器に汚れとして付着していた食品のことを
残菜と呼ぶ）等で汚れた食器等をすすぐためのすすぎ工
程と、洗浄水を機外に排出する排水工程とが連続して４
回繰り返されて洗浄が終了する。このとき残菜は洗浄槽
内底部に設けたフィルター11内に捕集される。特に最終
のすすぎ工程は加熱すすぎ工程と呼ばれ、ヒータ９に通
電して洗浄水及び食器を所定温度まで加熱するものであ
った。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の食器洗浄機では上かご１の食器
等の洗浄ノズルをタワーノズル７で構成しているため、
下かご２の一部をタワーノズル７に接触しないように洗
浄槽３後部から中央部まで略Ｕ字形に切り欠くことが必
要であり、洗浄槽３の内容積に比較して食器の収納容量
が少ないという問題点があった。また、タワーノズル７
の噴出孔から噴射のみでは上かご１のコーナー部の食器
に対して十分に洗浄水が噴射されないで、食器等の洗浄
不良や再付着（一度食器から洗い落とされた汚れが再び
他の食器に汚染すること）の原因となるという問題点も
あった。なお、これらの問題点を解決するものとして、
従来から下部のアームノズルに加えて、上部にもアーム
ノズルを配置したものがあるが、この場合アームノズル
の回転軌跡の範囲には食器等を収納することができない
ものであり、且つ洗浄槽の幅寸法と奥行寸法に差異の大
きい長方形断面のものでは、アームノズルの回転軌跡が
この長方形の短辺以下に制限されるために、上かご１及
び下かご２のコーナー部の食器に対する洗浄性能が不十
分となるものである。

本発明は上記の問題点に鑑み、洗浄ノズルを改善し
て、食器を効率よく配置して収納容量を拡大しかつ食器
かごのコーナー部に配置された食器等に対する洗浄性能
を向上するとともに、簡単な構成で洗浄中の棒状ノズル
の反りや変形を防ぎ洗浄性能を安定させた食器洗浄機を
提供するとともに食器かご出し入れの際、洗浄中の棒状
ノズルの反りや変形を常に防ぎ信頼性を向上させた食器
洗浄機を提供することである。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するための手段は、開口部を有する洗
浄槽と、この開口部を開閉する蓋と、前記洗浄槽内に被
洗浄物を収納する食器かごと、洗浄水を前記被洗浄物に
噴射する噴射孔を有す洗浄ノズルを備え、この洗浄ノズ
ルは洗浄槽の長手方向に形成した棒状ノズルと、この棒
状ノズルの一端より洗浄水流路を延長して噴出孔を設け
た推進ノズルとからなり、棒状ノズルは一端が洗浄槽に
支持され他端は自由端としこの自由端を前記洗浄槽の側
壁間を連結するとともに蓋側に設けた支持部材により回
転自在に支持する食器洗浄機とするものである。

作用 洗浄工程では棒状ノズルから主に上部の食器かごに対
して、またアームノズルから主に下部の食器かごに対し
て洗浄水が噴射されて、食器等を洗浄するものであり、
さらに下かごにはタワーノズル方式のような略Ｕ字形の
切り欠き部がない構成のため食器の収納容量の拡大が図
れると同時に、上部には棒状ノズルを配置した構成のた
め直径の大きい皿類が洗浄できる。また、洗浄工程で棒
状ノズルからの噴射に加えて、複数個のアームノズルか
らの噴射により、下かごのコーナー部に配置した食器に
限らず小物類まで効率よく洗浄することができるもので
あり、小物類をコーナー部に配置することで食器の収納
容量が大きくしかも食器収納時の操作性が高まるもので
ある。さらに、棒状ノズルの一端を洗浄槽に軸支し棒状
ノズルの水路を設けるとともに洗浄槽に支持部材を設け
前記棒状ノズルの自由端を回転自在に軸支することによ
り棒状ノズルが両端支持用の梁の反りや変形に強くなる
ことから、洗浄中の水温の上昇や食器出し入れの際の棒
状ノズルの反りや変形を防ぎ操作性や信頼性が高まるも
のである。

実施例 以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について説
明する。

第１図と第２図は実施例における食器洗浄機の構成を
示す。図に於て、12は洗浄槽、13は食器を出し入れする
際の洗浄槽12の開口部を開閉するための蓋、14は洗浄ポ
ンプである。15・16・17は洗浄ポンプ14により加圧され
た洗浄水を噴射する噴出孔を備えた洗浄ノズルである。
16は、この棒状ノズル15の一端に取り付けられている噴
出孔を備えた推進ノズル、17はアームノズルである。18
は残菜を捕集するフィルターであり、その下部には洗浄
ポンプ14の吸込口と排水ポンプ（図示せず）の吸込口に
連通した排水口を備えている。19・20は、食器等の被洗
浄物を洗浄槽12内に収納する食器かごであってそれぞれ
上かご・下かごである。41は洗浄槽12に設けられた支持
部材Ｃであり、第２図に示すように洗浄槽の側壁間を連
結するとともに蓋側に設けられており、棒状ノズル15の
軸15aを支持する。22は洗浄水を加熱するヒータ、23は
前記洗浄ポンプ14・排水ポンプ等の運転を制御する制御
装置である。

上記構成において以下その動作について説明する。所
定量の洗剤を投入し、食器等を洗浄槽12内の上かご19、
下かご20に収納して蓋13を閉じて運転を開始する。ここ
まで給水弁（図示せず）に通電することで、洗浄水の供
給が開始される。続いて、洗浄ポンプ14により洗剤を含
む洗浄水が加圧され各洗浄ノズル供給される。特に本実
施例では、棒状ノズル15は推進ノズル16の噴出孔からの
洗浄水の噴射による反力を推進力として、軸心を中心と
した回転をしながら上かご19・下かご20の食器等に対し
て洗浄水を噴射する構成としている。つまり、下かご20
の食器等には同時にアームノズル17からの噴射もあっ
て、上下両方向から洗浄が行なわれ、食器等に付着した
汚れは洗い落とされる。この工程で汚れを含む洗浄水
は、フィルター18でろ過されながら洗浄ポンプ14へ送ら
れて、棒状ノズル15と推進ノズル16・アームノズル17か
ら再び噴射されることを繰り返す。また本実施例では、
この本洗工程で洗浄槽12内に設けたヒータ22に通電し
て、洗浄水及び食器等を所定温度にまで加熱する構成と
している。所定時間の本洗工程を経ると、次に汚れた洗
浄水を排水する排水工程が行なわれ、洗浄槽12内の洗浄
水はフィルター18でろ過されながら排水ポンプへ送られ
て、機外へ排出される。引き続き、新たに洗浄水を供給
する給水工程と、洗浄水を棒状ノズル15と推進ノズル16
・アームノズル17から噴射することで洗剤や残菜等で汚
れた食器等をするぐためのすすぎ工程と、洗浄水を機外
に排出する排水工程とが連続して４回繰り返されて洗浄
が終了する。こうして残菜はフィルター18内に捕集され
る。特に最終のすすぎ工程では加熱が行われ、洗浄工程
を終了する。またアームノズル17は、主に下かご20に対
して洗浄水を噴射し食器等を洗浄する。

本実施例では、従来下かご20を洗浄槽12に収納するた
めに必要であった略Ｕ字形の切り欠き部を下かご20に設
ける必要がない。したがって、下かご20の食器の収納容
量が増大でき、収納容量をタワーノズル方式と同量とし
て食器の収納間隔を拡大して使い勝手を向上することも
可能である。同時に、上部に形成した棒状ノズル15がそ
の水平面上で回転しない構成であるので、下かご20には
棒状オンズル15とほぼ同一の高さまでの直径の大きい皿
類を収容することができる。なお本実施例のような構成
とすれば、洗浄槽の幅寸法と奥行寸法に差異の大きい長
方形断面のものであっても、上部にアームノズルを形成
した場合その回転軌跡がこの長方形の短辺以下に制限さ
れることがなく、タワーノズルを形成した場合下かごの
食器等が障壁となることのために上かご１のコーナー部
に収容されている食器に対する洗浄性能が不十分となる
といった従来の問題点を解消することができ、高い洗浄
性能を得られる。

また、この支持方法により、常に棒状ノズル15が両端
で支持されるため、洗浄中の水温の上昇や食器出し入れ
の際、棒状ノズル15に接触することなどによる反りや変
形がなくなり、より信頼性及び操作性が良くなるもので
ある。

なお、本実施例では、棒状ノズル15やアームノズル17
に水を供給する水路を洗浄槽12の外側に設けているが、
洗浄槽の中に設けてもノズルの構成が変わらなければよ
い。

発明の効果 以上のように洗浄槽の側壁間を連結するとともに蓋側
に棒状ノズルを回転自在に軸支するための支持部材を設
け棒状ノズルの自由端を軸支した構成とすることによ
り、常に棒状ノズルが両端で支持され、洗浄中の水温の
上昇や食器出し入れの際棒状ノズルに接触することなど
による棒状ノズルの反りや変形がなく、下かごを棒状ノ
ズルとアームノズルにより直接洗浄することができ優れ
た実用的価値の高い食器洗浄機を提供することができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例における食器洗浄機の要部断面
図、第２図は同要部部分図、第３図は従来の食器洗浄機
の要部断面図を示す図である。 12……洗浄槽、13……蓋、14……洗浄ポンプ、15……棒
状ノズル、17……アームノズル、19……上かご、20……
下かご、41……支持部材Ｃ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 幸男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 実公 昭44−21889（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】開口部を有する洗浄槽と、この開口部を開
   閉する蓋と、前記洗浄槽内に被洗浄物を収納する食器か
   ごと、洗浄水を前記被洗浄物に噴射する噴射孔を有する
   洗浄ノズルを備え、前記洗浄ノズルは洗浄槽の長手方向
   に形成した棒状ノズルと、この棒状ノズルの一端より洗
   浄水流路を延長して噴出孔を設けた推進ノズルとからな
   り、前記棒状ノズルは一端が洗浄槽に支持され他端は自
   由端とし、この自由端を前記洗浄槽の側壁間を連結する
   とともに蓋側に設けた支持部材により回転自在に支持す
   る食器洗浄機。