JP3394695B2 - 食器洗浄装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食器類を洗浄する
食器洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の食器洗浄装置においては、洗浄
室に食器類を収容し、該洗浄室に設けられた洗浄ノズル
から食器類に向かって洗浄用水を噴射することにより食
器の洗浄が行われる。洗浄される食器類は、洗浄室に収
容自在のかごに支持され、洗浄室の一側壁に設けられた
開閉扉から該洗浄室内へ入れられる。そして前記食器類
は、洗浄室内で前記かごに支持された状態で洗浄され
る。

【０００３】従来、この種の食器洗浄装置において比較
的小型のものでは、洗浄室の底部に前記洗浄ノズルが設
けられており、かごに支持された食器類は、その下方か
ら噴射される洗浄用水によって洗浄される。また、該食
器洗浄装置は比較的小型であることにより洗浄室も狭
く、食器類をかごに効率よく配置することにより限られ
たスペースを有効に利用していた。具体的には、前記か
ごは、一部（例えば前半部）に大皿等の比較的大きい食
器を支持し、他部（例えば後半部）に小皿やコップ等の
比較的小さな食器を支持する。このとき、小皿やコップ
等は、上下二段に支持することによって比較的狭いとこ
ろに効率よく配置していた。

【０００４】しかし、このように前記かごに支持された
食器類を洗浄室の底部に設けられた洗浄ノズルによって
洗浄すると、小皿やコップ等の比較的小さな食器を上下
二段に支持している部分では、下段に支持されている食
器が邪魔となって上段に支持されいる食器に洗浄ノズル
からの洗浄用水が届かず、上段に支持された食器の洗浄
が不十分となる不都合がある。

【０００５】そこで、特開平３−２３７９６３号公報に
見られるように、洗浄室の底部に設けられた洗浄ノズル
に加えて、洗浄室の一側壁から内方に延出する棒状の他
の洗浄ノズルを設けることが考えられる。この場合に
は、食器類を支持するかごは、大型の食器を支持するも
のと、小型の食器を支持するものとが用意され、小型の
食器を支持するかごが前記他の洗浄ノズルの上方に位置
し、大型の食器を支持するかごが洗浄室の底部に設けら
れた洗浄ノズルと他の洗浄ノズルとの間に位置するよう
に洗浄室内に収容される。これにより、大型の食器は洗
浄室底部の洗浄ノズルにより洗浄され、小型の食器は他
の洗浄ノズルにより洗浄されるので、十分な洗浄効果を
得ることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、比較的大型の
食器洗浄装置では、洗浄室内に十分な食器類の収容スペ
ースが得られるため、洗浄室の一側壁から内方に延出す
る棒状の他の洗浄ノズルを設けることができるが、前述
したような小型の食器洗浄装置に前記のような洗浄室の
内方に延出する他の洗浄ノズルを設けると、洗浄室内が
極端に狭くなり、大皿等の比較的大きい食器が収容でき
なくなったり、収容可能な食器の数が少なくなる不都合
がある。

【０００７】かかる不都合を解消して、本発明は、洗浄
室を狭くすることなく、上下二段に支持された食器を確
実に洗浄することができる比較的小型の食器洗浄装置を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、食器類を収容する洗浄室と、該洗浄室
の底部に設けられ、該洗浄室に収容された食器類に洗浄
用水を噴射する複数の噴射孔を備えた第１の洗浄ノズル
と、該第１の洗浄ノズルに洗浄用水を送る第１の送水管
とを備える食器洗浄装置において、前記洗浄室の側壁内
面に沿って横方向に延設され、該洗浄室内の食器類に向
かって洗浄用水を噴射する複数の噴射孔を有する第２の
洗浄ノズルと、前記洗浄室の側壁外方から該側壁を介し
て前記第２の洗浄ノズルに接続して洗浄用水を送る第２
の送水管とを備え、前記第２の洗浄ノズルは、前記洗浄
室の側壁内面に形成されて前記第２の送水管に連通する
溝状の案内路と、前記複数の噴射孔が形成されて前記案
内路に対応して該案内路を覆う覆板とによって構成され
ていることを特徴とする。

【０００９】本発明によれば、前記第１のノズルと第２
のノズルとの両方からの洗浄用水の噴射によって、洗浄
室内の食器類の洗浄を確実に行うことができる。

【００１０】また、前記第２の洗浄ノズルは、前記洗浄
室の側壁内面に沿って設けられている。これにより、前
記第１のノズルの他に第２のノズルを設けても、従来の
ように洗浄室内に向かって延出させる場合に比べて、洗
浄室内が狭くなることもなく、装置を比較的小型に形成
しても食器の収容スペースを十分に確保することができ
る。そして特に、例えば洗浄室内において、一部に大皿
等の大型の食器を支持すると共に他部に小皿やコップ等
の小型の食器を上下二段に支持するようなかごを使用し
て洗浄を行う場合には、該かごの上段に支持された食器
に対向する洗浄室の側壁に前記第２の洗浄ノズルを設
け、該第２の洗浄ノズルから、上段の食器に向かって洗
浄用水を噴射することで、上段の食器を確実に洗浄する
ことができる。

【００１１】

【００１２】前記第２の洗浄ノズルを前記案内路と前記
覆板とによって構成することにより、洗浄室の側壁面か
らの該第２の洗浄ノズルの突出量を極めて小とし、しか
も溝状の案内路により十分な量の洗浄用水を噴射孔に案
内することができる。

【００１３】また、本発明において、前記第２の洗浄ノ
ズルの噴出孔は、縦方向に延びるスリット状に形成され
ており、洗浄用水を少なくとも上方に向かって扇状に噴
出することが好ましい。こうすることにより、前記第２
の洗浄ノズルが洗浄室の側壁に沿って設けられていて
も、該第２の洗浄ノズルの上方に位置する食器に対し
て、確実に洗浄用水を当てることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づ
いて説明する。図１は本実施形態の食器洗浄装置を示す
説明図、図２は第２の洗浄ノズルの説明的分解斜視図で
ある。

【００１５】本実施形態の食器洗浄装置１は、図１にそ
の概略構成を示すように、食器類を収容して洗浄を行う
洗浄室２を備える。該洗浄室２は装置前面の開閉扉３を
介してかご４に支持された食器類を収容する。該洗浄室
２の後壁には、給水弁（電磁弁）５ａにより該洗浄室２
内に洗浄用水を供給する供給路５が設けられている。該
洗浄室２の底部には、前記供給路５を介して洗浄室２内
に供給された洗浄用水を貯留する貯留部６が設けられて
いる。該貯留部６の下部には、残菜フィルタ７を介して
洗浄用水を洗浄室２の外部に導出する導出管８が設けら
れている。該導出管８には洗浄用水をその下流側に向か
って強制的に送り出すポンプ９が設けられている。該ポ
ンプ９の下流側には、前記洗浄室２の底部に設けられた
第１の洗浄ノズル１０に洗浄用水を送るための第１の送
水管１１と、排水管１２とが切換弁１３を介して分岐し
て接続されている。排水管１２は、図示しないが、悪臭
や汚水の逆流を防止するためのトラップとして作用する
逆Ｕ字状に屈曲する揚程部を備えている。また、第１の
送水管１１から分岐して第２の送水管１４が接続され、
該第２の送水管１４には洗浄室２の後側壁１５に設けら
れた第２の洗浄ノズル１６が接続されている。

【００１６】前記第１の洗浄ノズル１０は、水平に延び
る中空のアーム１７と該アームの上面に設けられた複数
の噴射孔１８を備え、第１の送水管１１を介して送られ
る洗浄用水を食器に向かって噴射する。

【００１７】前記切換弁１３は、前記ポンプ９によって
前記貯留部６から導出される洗浄用水を、第１の送水管
１１と排水管１２とで切り換える。即ち、洗浄時には、
導出管８を介してポンプ９により第１の送水管１１に洗
浄用水を送り、洗浄が終了したとき、導出管８を介して
ポンプ９により排水管１２に洗浄用水を送る。なお、第
１の送水管１１に送られた洗浄用水は、第１の洗浄ノズ
ル１０に送られると共に、第１の送水管１１から分岐す
る第２の送水管１４を介して第２の洗浄ノズル１６へ送
られる。

【００１８】前記かご４は、前記洗浄室２に収容したと
き装置前面の開閉扉３側に大皿等の大型食器を支持する
大型食器支持部１９を備え、洗浄室２の後側壁１５側に
小皿や茶わん等の小型食器を支持する小型食器支持部２
０を備えている。更に、該小型食器支持部２０の上段に
は、コップや湯飲み等を支持するコップ支持部２１が設
けられている。このように、該かご４は、小型食器支持
部２０とコップ支持部２１とにより上下二段に食器を支
持するので、洗浄室２が比較的狭くても、食器を比較的
多く収容することができるようになっている。

【００１９】そして、図１に示すように、洗浄室２の後
側壁１５に設けられた第２の洗浄ノズル１６は、前記か
ご４の小型食器支持部２０とコップ支持部２１との間の
位置に対向するように設けられている。更に詳しく説明
すれば、該第２の洗浄ノズル１６は、図２に示すよう
に、洗浄室２の後側壁１５に形成された洗浄用水を案内
する溝状の案内路２２と、該案内路２２を洗浄室２の内
側から覆う覆板２３とによって構成されている。該案内
路２２には、前記第２の送水管１４が接続されている。
該案内路２２が洗浄室２の後側壁１５に設けられている
ことにより、前記第２の送水管１４は洗浄室２の外側に
沿って配管される。

【００２０】覆板２３は、案内路２２にネジ止めされて
固着されている。該覆板２３には、その長手方向に所定
間隔を存して形成されて、案内路２２から送られる洗浄
用水を洗浄室２内に噴射する複数の噴射孔２４が形成さ
れている。該噴射孔２４は、図２に示すように、覆板２
３の上半部にスリット状に形成されており、該噴射孔２
４から噴射される洗浄用水は、前記かご４のコップ支持
部２１（図１参照）に向かって扇状に噴出される。

【００２１】以上のように構成された第２の洗浄ノズル
１６によって、洗浄室２を狭くすることなく、前記かご
４のコップ支持部２１に支持されたコップ等の食器を確
実に洗浄することができる。即ち、該案内路２２は、洗
浄室２の後側壁１５に溝状に形成され、該案内路２２
を、噴出孔２４を備える覆板２３により覆うことで、洗
浄室２内への突出量が極めて少なく、しかも、覆板２３
の噴射孔２４によって前記かご４のコップ支持部２１に
支持されたコップ等の食器に確実に洗浄用水を当てるこ
とができる。

【００２２】なお、本実施形態においては、前記第２の
洗浄ノズル１６を洗浄室の後側壁１５に沿って設けた例
を示したが、かご４の形状に応じて（例えば、食器を上
下二段に支持する位置が洗浄室２の左右何れかの側壁に
対向する場合）、前記第２の洗浄ノズル１６を左右何れ
かの側壁に沿って設けてもよい。更に、例えば図示しな
いが、開閉扉１３のヒンジ２５（図１参照）の揺動に追
従して屈曲自在に第２の送水管１４を配管すれば、開閉
扉３の内面に沿って前記第２の洗浄ノズル１６を設ける
ことも可能であることは言うまでもない。

【００２３】また、本実施形態においては、前記第２の
洗浄ノズル１６の噴出孔２４をスリット状としたが、少
なくとも前記かご４のコップ支持部２１に向かって洗浄
用水を噴射する複数の円孔を前記覆板２３に設けてもよ
い。

【００２４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の食器洗浄装置を示す説明
図。

【図２】第２の洗浄ノズルの説明的分解斜視図。

【符号の説明】

１…食器洗浄装置、２…洗浄室、１０…第１の洗浄ノズ
ル、１１…第１の送水管、１５…後側壁（側壁）、１６
…第２の洗浄ノズル、１４…第２の送水管、２２…案内
路、２３…覆板、２４…噴射孔。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食器類を収容する洗浄室と、該洗浄室の底
   部に設けられ、該洗浄室に収容された食器類に洗浄用水
   を噴射する複数の噴射孔を備えた第１の洗浄ノズルと、
   該第１の洗浄ノズルに洗浄用水を送る第１の送水管とを
   備える食器洗浄装置において、 前記洗浄室の側壁内面に沿って横方向に延設され、該洗
   浄室内の食器類に向かって洗浄用水を噴射する複数の噴
   射孔を有する第２の洗浄ノズルと、前記洗浄室の側壁外
   方から該側壁を介して前記第２の洗浄ノズルに接続して
   洗浄用水を送る第２の送水管とを備え、 前記第２の洗浄ノズルは、前記洗浄室の側壁内面に形成
   されて前記第２の送水管に連通する溝状の案内路と、前
   記複数の噴射孔が形成されて前記案内路に対応して該案
   内路を覆う覆板とによって構成されている ことを特徴と
   する食器洗浄装置。
2. 【請求項２】前記第２の洗浄ノズルの噴出孔は、縦方向
   に延びるスリット状に形成されており、洗浄用水を少な
   くとも上方に向かって扇状に噴出することを特徴とする
   請求項１記載の食器洗浄装置。