JP4339618B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄槽内に収容した食器に洗浄水を噴射して食器を洗浄する食器洗い機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、食器洗い機は洗浄槽内に配置した食器かごに並べられた食器などの被洗浄物に洗浄水を噴射して洗浄する。このとき、食器かごに並べられた多数の被洗浄物に満遍なく洗浄水が噴射されるように、洗浄水を噴射する洗浄ノズルの配置が重要な要素となる。特に、洗浄槽内に多数の被洗浄物が収容できるように食器かごを複数段に設けた場合には、各段の被洗浄物に対して洗浄水が均等に噴射される必要があるが、上段に配置された食器かごに収容された被洗浄物には、下方から噴射した洗浄水は下段に並べられた被洗浄物が障害となって充分に洗浄水が行き渡らず、上段に収容された被洗浄物に対する洗浄能力が低下することになる。
【0003】
一般に洗浄ノズルは洗浄槽の下方に配設され、下方から上方に向けて洗浄水を噴射するので、被洗浄物は汚れの付着量が多い内側が下向きになるように食器かごに収容される。このとき、湯飲み茶碗や汁碗などの糸底がある食器には、糸底内に細かい残菜が堆積しやすくなる。
【0004】
これらの問題を解決するために、洗浄槽内の多方向から被洗浄物に洗浄水を噴射できるように複数の洗浄ノズルを配置した食器洗い機が知られている。しかし、複数の洗浄ノズルから洗浄水を噴射できるようにするためには、洗浄槽に溜める給水量を増加させる必要があり、洗浄水を加熱するための加熱時間が長くなり、運転時間や消費電力が増加し、使用水量が増加するために洗浄ポンプを大型化する必要が生じるためコストアップにつながり、多量の洗浄水を使用することに伴う騒音、振動の増加などの問題が発生する。
【0005】
そこで、複数の洗浄ノズルを設けて洗浄能力を向上させても給水量が増加せず、上記のような問題が発生しないように構成された食器洗い機が開発されている(特許文献1参照)。この食器洗い機では、図5に示すように、洗浄槽22内の下方、上方、背面、側面にそれぞれ回転する洗浄ノズル29、30、31、32が配設されている。これらの各洗浄ノズル29〜32には、洗浄ポンプ33で加圧された洗浄水が分水装置35から順次送給される。このように洗浄水は各洗浄ノズル29〜32に同時に送給されるのではなく、各洗浄ノズル29〜32に順次送給されるので、給水量を増加させることがなく、洗浄水は多数の被洗浄物に複数方向から噴射される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−218721号公報(第3〜5頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のように洗浄槽内に複数の回転する洗浄ノズルを配設すると、洗浄槽内の被洗浄物を収容するための容積は、複数の回転する洗浄ノズルを配設するために必要な空間により削減され、同一の被洗浄物収容量を有する食器洗い機に比して大型化せざるを得ず、特に、家庭用の卓上型食器洗い機では限られたスペースに設置するので、大型化は設置場所が限定される問題点があった。
【0008】
また、同先願技術においては、回転する洗浄ノズルを複数配置することによる上記問題点を解決すべく、図6(a)(b)に示すように、下方に回転する洗浄ノズル52、54を配設し、背面側に棒状ノズル53あるいは背面に固定ノズル55を水平方向に配設した構成が開示されている。この構成によって被洗浄物を収容するスペースが洗浄ノズルの配置によって削減されることは解消される。しかし、前述したように上方から洗浄水が噴射されることがなくなるので、主に下方から噴射される洗浄水によって洗浄するために下向きに収容された被洗浄物の底面に洗浄水が噴射される状態は少なくなり、糸底のある食器類に残りやすい細かい残菜を洗い出すことができない問題があった。
【0009】
本発明が目的とするところは、洗浄槽内の被洗浄物収容スペースを減少させることなく複数方向から洗浄水を噴射することができるようにした食器洗い機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、洗浄槽内に配設された食器かごに収容された被洗浄物に、複数の洗浄水噴射口を備えた複数の洗浄ノズルから洗浄水を噴射して洗浄する食器洗い機において、前記食器かごは、洗浄槽内の上段と下段に備えられ、前記複数の洗浄ノズルは、洗浄槽の下方に配設された回転洗浄ノズルと、洗浄槽の背面に配設された固定洗浄ノズルとを備えてなり、前記固定洗浄ノズルは、上段の前記食器かごの下に略水平方向に洗浄水噴射口を配列した水平部位と、前記水平部位に洗浄水を導くと共に上段の前記食器かごより高い位置に開口する洗浄水噴射口を備えた垂直部位とを設け、前記水平部位は、前記垂直部位の両側に形成されるとともに、上段の食器かごに収容された被洗浄物の内面に向けて上方に洗浄水を噴射する洗浄水噴射口が複数に開口し、前記垂直部位と前記水平部位とは、交差する部分で内部が連通しており、さらに前記複数の洗浄ノズルに対して洗浄水を順次給水する分水手段を備え、洗浄水が前記分水手段から前記固定洗浄ノズルに供給される場合、前記水平部位と前記垂直部位とから噴射された洗浄水がそれぞれ、上段の前記食器かごに収容された被洗浄物の内面と外面とを洗浄することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、食器かごに収容された被洗浄物に対して洗浄槽の下方に配設された回転洗浄ノズルと側壁に配設された固定洗浄ノズルとから洗浄水が噴射されるので、複数方向からの洗浄水の噴射により効率よく洗浄がなされる。また、下方の回転洗浄ノズルから噴射される洗浄水は下段に収容された被洗浄物が障害となって充分な洗浄水の噴射が得られない状態となりがちであるが、固定洗浄ノズルの水平部位に設けられた複数の洗浄水噴射口から噴射される洗浄水により上段に収容された被洗浄物に洗浄水が噴射されるので、上段の食器かごに収容された被洗浄物に対する洗浄効果を向上させることができる。
【0012】
特に、固定洗浄ノズル水平部位は、垂直部位の両側に形成されるとともに、上段の前記食器かごに収容された被洗浄物の内面に向けて上方に洗浄水を噴射する洗浄水噴射口が複数に開口しているので、下方の回転洗浄ノズルから噴射される洗浄水が下段の食器かごに収容された被洗浄物が障害となって上段の食器かごに収容された被洗浄物に噴射され難い状態でも、固定洗浄ノズルから噴射される洗浄水によって洗浄される。
【0013】
また、固定洗浄ノズルの垂直部位は、上段の食器かごより高い位置に開口する洗浄水噴射口に洗浄水を導くように構成されているので、この洗浄水噴射口は被洗浄物に対して上方から洗浄水を噴射することができ、下向きに収容されて水平部位の洗浄水噴射口からの洗浄水が当たり難い上部にも洗浄水が噴射され、特に糸底のある湯飲み茶碗のような食器の糸底に溜まりやすい細かい残菜が洗い出される効果を奏する。
【0014】
また、固定洗浄ノズルの垂直部位の両側に設けられた水平部位は、食器かごの高さ位置に応じて個々の形成高さ位置が異なるように形成することにより、上段の食器かごが段違いに形成されているような場合に、それに対応して洗浄水噴射口の形成高さ位置を変えると、上段の食器かごに収容された被洗浄物に対する洗浄性を向上させることができる。このとき、略十字状に形成された固定洗浄ノズルは左右で高さが異なることになる。
【0015】
また、複数の洗浄ノズルに対して洗浄水を順次給水する分水手段を設けることにより、使用する水量を増加させることなく複数方向から洗浄水を噴射する効果的な洗浄方法を適用することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下に示す実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
図1及び図2は、実施形態に係る食器洗い機1の洗浄槽2内に被洗浄物10を収容した状態を正面側及び側面側から見た状態で示すもので、洗浄槽2の下方には第1の回転洗浄ノズル3及び第2の回転洗浄ノズル4が配設され、洗浄槽2の背面には略十字状に形成された固定洗浄ノズル5が配設されている。また、洗浄槽2内には、被洗浄物10を収容する下段食器かご6及び上段食器かご7がそれぞれ前後方向に引き出しできるように配設されている。洗浄槽2内に収容された被洗浄物10に対して前記第1の回転洗浄ノズル3、第2の回転洗浄ノズル4及び固定洗浄ノズル5から洗浄水を噴射することにより、被洗浄物10が洗浄される。
【0018】
洗浄槽2の底部には、洗浄ポンプ8の吸い込み側に連通した排水口9が設けられ、排水口9には残菜を収集する残菜フィルタ11と、洗浄水を加熱するヒータ12とが配設されている。残菜フィルタ11を透過した洗浄水は洗浄ポンプ8に吸い込まれて加圧され、分水手段13によって第1及び第2の各回転洗浄ノズル3、4及び固定洗浄ノズル5に洗浄水の送給が順次切り替えられ、第1及び第2の各回転洗浄ノズル3、4及び固定洗浄ノズル5から洗浄水が噴射される。
【0019】
上記構成になる食器洗い機1は、扉15を開いて被洗浄物10を収容した下段食器かご6及び上段食器かご7が洗浄槽2内に収納され、洗剤が投入されて扉15により洗浄槽2が閉じられると運転を開始して、洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程の順に実行する。
【0020】
まず、給水弁が動作して所定量の洗浄水が洗浄槽2内に給水される。給水された洗浄水はヒータ12によって加熱され、洗浄ポンプ8によって加圧されて分水手段13から第1、第2の各回転洗浄ノズル3、4及び固定洗浄ノズル5に選択的に洗浄水が送給される。ここでは、分水手段13は第1の回転洗浄ノズル3、第1の回転洗浄ノズル3及び第2の回転洗浄ノズル4、第2の回転洗浄ノズル4、固定洗浄ノズル5の順に所定時間毎に洗浄水の送給を切り替えるように動作する。第1及び第2の回転洗浄ノズル3、4は送給された洗浄水が噴射口から噴出する噴流によって回転し、回転移動する洗浄水を噴射して主に下段食器かご6に収容された被洗浄物10を洗浄する。また、固定洗浄ノズル5は上段食器かご7の下に水平方向に配列された噴射口から洗浄水を上段食器かご7方向に噴射して下向きに収容された被洗浄物10の内面を洗浄すると共に、上部に開口する洗浄水噴射口20aから略水平方向に扇状に噴射される洗浄水により被洗浄物10の外面を洗浄する。
【0021】
洗浄槽2内に第1及び第2の各回転洗浄ノズル3、4及び固定洗浄ノズル5から噴射された洗浄水は被洗浄物10を洗浄して洗浄槽2の下部に流下し、排水口9に集められて再びヒータ12によって加熱され、残菜フィルタ11を透過して再び洗浄ポンプ8から分水手段13を経て第1及び第2の各回転洗浄ノズル3、4及び固定洗浄ノズル5に送給される。洗浄水が噴射されて被洗浄物10から脱落した残菜は残菜フィルタ11に捕集される。また、洗浄水の温度は温度センサ14によって検出されており、所定温度を越えるとヒータ12への通電が停止されるので、洗浄に適した温度が維持される。
【0022】
所定時間の洗浄工程が終了すると、汚れを含む洗浄水は排水ポンプ16から機外に排出され、洗浄槽2内に新たに洗浄水が給水される。給水された洗浄水は洗浄ポンプ8の運転により第1及び第2の各回転洗浄ノズル3、4及び固定洗浄ノズル5から噴射され、被洗浄物10に付着した洗剤や残菜等を洗い流すすすぎ工程が実行される。このとき、下段食器かご6及び上段食器かご7に下向きに収容されている被洗浄物10の外面、特に湯飲み茶碗や汁碗などの糸底に残っている細かい残菜などは、すすぎ工程によって洗い出すことが困難であったが、本実施形態の構成においては、固定洗浄ノズル5の上部に設けられた洗浄水噴射口20aから洗浄水が噴射されるので、糸底にも洗浄水が当たって細かい残菜等が洗い出される。
【0023】
このすすぎ工程は、所定時間の運転の後、すすぎによって洗剤や残菜を洗い出した洗浄水は排水ポンプ16から機外に排出され、洗浄槽2内には新たな洗浄水が給水され、再びすすぎ動作を行う工程を3回実行し、洗浄水を機外に排出してすすぎ工程を終了する。
【0024】
続いて乾燥工程が実行され、図示しない送風機から洗浄槽2内に送給される外気がヒータ12によって加熱され、送風と加温との両方の効果によって被洗浄物10に付着した水滴の蒸発が促進される。この乾燥工程が所定時間実施された後、運転が停止されて食器洗浄のすべての工程が終了する。
【0025】
上記各工程における洗浄槽2内への洗浄水の給水制御、洗浄ポンプ8及び排水ポンプ16の駆動制御、温度センサ14による温度検出に基づくヒータ12への通電制御、乾燥工程における送風機の駆動制御などは、食器洗い機本体内に設けられた図示しない制御装置によって実施される。
【0026】
図3は、洗浄槽2内から下段食器かご6及び上段食器かご7を外部に取り出した状態を示すもので、固定洗浄ノズル5の形態を分かりやすく示している。固定洗浄ノズル5は扁平筒状に形成された垂直部位5a及び水平部位5bによって略十字状に形成され、垂直部位5aの下端は分水手段13に接続されている。水平部位5bは、上段食器かご7が左右で高さが異なる段差を設けた形状に形成されていることに対応して、垂直部位5aの左右で高さ位置が異なる。この水平部位5bには、上段食器かご7に収容された被洗浄物10に洗浄水を噴射する洗浄水噴射口20bが複数に開口し、上段食器かご7に下向きに収容された被洗浄物10の内面に向けて上方に洗浄水を噴射する。また、垂直部位5aの上方には洗浄水噴射口20aが開口し、略水平方向の扇状に洗浄水を噴射する。尚、水平部位5bに設けられた複数の洗浄水噴射口20bそれぞれは、必ずしも上向きに洗浄水を噴射するのでなく、例えば、箸やスプーン等の収容場所に近い洗浄水噴出口20bは、横向きに洗浄水を噴射して汚れを落とし難い箸やスプーンなどに重点的に洗浄水を噴射するようにしてもよい。また、水平部位5bは、上段食器かご7が段差のないものである場合には、左右で高さ位置が異なる形状に形成する必要はない。
【0027】
固定洗浄ノズル5の垂直部位5aと水平部位5bとは、それらが交差する部分で筒状内部が連通しており、垂直部位5aの下方から供給される洗浄水が垂直部位5a及び水平部位5bに送給され、各洗浄水噴射口20a,20bから噴射されるように構成されている。この固定洗浄ノズル5は、扁平な筒状に形成することによって、洗浄槽2の背面から突出して被洗浄物10の収容スペースを削減してしまうことがない。また、垂直部位5aに設けられた洗浄水噴射口20aは、略水平方向の扇状に洗浄水を噴射するので、洗浄槽2内に収容された被洗浄物10の上方から洗浄水を当てることができ、洗浄水噴射の主体となっている下方から噴射される洗浄水で洗浄され難い被洗浄物10の上面部分を洗浄することができる。特に、糸底のある被洗浄物10、例えば、図1、図2に示す湯飲み茶碗10aのように糸底のある食器は、糸底内に細かい残菜が残りやすくなるが、これに上方から洗浄水が噴射されることにより、細かい残菜が洗い出され、全ての面に洗浄が行き渡る効果が得られる。
【0028】
本実施形態に係る食器洗い機1では、洗浄ノズルが第1及び第2の各回転洗浄ノズル3,4及び固定洗浄ノズル5として設けられているので、洗浄ポンプ8から送給される洗浄水は、分水手段13によって各洗浄ノズルに対して選択的に送給される。ここでは、前述したように第1の回転洗浄ノズル3にのみ洗浄水が送給される状態、第1の回転洗浄ノズル3と第2の回転洗浄ノズル4に洗浄水が送給される状態、第2の回転洗浄ノズル4にのみ洗浄水が送給される状態、固定洗浄ノズル5にのみ洗浄水が送給される状態、の4つの洗浄状態に分水制御される。このように複数の洗浄ノズルに選択的に洗浄水を送給するようにすることにより、複数の洗浄ノズルの全てに同時に洗浄水を送給した場合に洗浄槽2内に溜める給水量が多くなり、使用水量の増加及び温度上昇時間の増加に伴う消費電力量の増加、大型化などの問題を解消することができる。
【0029】
複数の洗浄ノズルに選択的に洗浄水を送給する分水手段13は、先に従来例として示した先願技術において複雑な構造が開示されているが、本実施形態の構成のように3ヶ所の洗浄ノズルに選択的に洗浄水を送給する場合には、図4に示すような簡単な構造に分水手段13を構成することができる。
【0030】
図4は、分水手段13の構成例を模式的に示すもので、中心部に洗浄ポンプ8から洗浄水が供給される円筒状の分水弁40の周面上には、90度方向に2ヶ所の送水開口部41a,41bが開口し、紙面上方を0度として時計回りの90度方向に第1の回転洗浄ノズル3に配管された送水配管42、180度方向に第2の回転洗浄ノズル4に配管された送水配管43、315度方向に固定洗浄ノズル5に配管された送水配管44がそれぞれ分水弁40の周面に対向して配置されている。
【0031】
分水弁40を図示しない駆動手段により回動角度45度毎に回動させ、図4(a)に示す角度位置に回動させると、送水開口部41aが送水配管42の方向に開口するので、洗浄ポンプ8から分水弁40内に供給された洗浄水は第1の回転洗浄ノズル3に送給される。また、図4(b)に示す角度位置に回動させると、送水開口部41aが送水配管43の方向に開口し、送水開口部41bが送水配管42の方向に開口するので、洗浄ポンプ8から分水弁40内に供給された洗浄水は第1の回転洗浄ノズル3と第2の回転洗浄ノズル4とに送給される。また、図4(c)に示す角度位置に回動させると、送水開口部41bが送水配管43の方向に開口するので、第2の回転洗浄ノズル4に洗浄水が送給される。また、図4(d)に示す角度位置に分水弁40を回動させると、送水開口部41aが送水配管44の方向に開口するので、固定洗浄ノズル5に洗浄水が送給される。
【0032】
分水手段13を上記構成例のように構成することにより、前述した第1の回転洗浄ノズル3にのみ洗浄水を送給して被洗浄物10を洗浄する状態、第1及び第2の各回転洗浄ノズル3,4に洗浄水を送給して被洗浄物10を洗浄する状態、第2の回転洗浄ノズル4のみに洗浄水を送給して被洗浄物10を洗浄する状態、固定洗浄ノズル5のみに洗浄水を送給して被洗浄物10を洗浄する状態、に順次切り替えることができる。
【0033】
【発明の効果】
以上の説明の通り本発明によれば、食器かごに収容された被洗浄物に対して洗浄槽の下方に配設された回転洗浄ノズルと側壁に配設された固定洗浄ノズルとから洗浄水が噴射されるので、複数方向からの洗浄水の噴射により効率よく洗浄がなされる。また、下方の回転洗浄ノズルから噴射される洗浄水は下段に収容された被洗浄物が障害となって充分な洗浄水の噴射が得られない状態となりがちであるが、固定洗浄ノズルの水平部位に設けられた複数の洗浄水噴射口のうち、上段の食器かごより下方に設けた洗浄水噴射口から上段の食器かごに向け噴射される洗浄水により上段に収容された被洗浄物に洗浄水が噴射されるので、上段の食器かごに収容された被洗浄物に対する洗浄効果を向上させることができる。また、固定洗浄ノズルの垂直部位によって洗浄水が導かれ、かつ上段の食器かごより高い位置に設けられた洗浄水噴射口は被洗浄物に対して上方から洗浄水を噴射するので、下向きに収容されて水平部位の洗浄水噴射口からの洗浄水が当たり難い上部にも洗浄水が噴射され、特に糸底のある湯飲み茶碗のような食器の糸底に溜まりやすい細かい残菜が洗い出される効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る食器洗い機の構成を示す正面図。
【図2】 実施形態に係る食器洗い機の構成を示す側面図。
【図3】 実施形態に係る食器洗い機に設けられた複数の洗浄ノズルの配置を示す正面図。
【図4】 分水手段の構成例をその動作順に示す模式図。
【図5】 従来技術に係る食器洗い機の構成を示す正面図。
【図6】 従来技術に係る食器洗い機における洗浄ノズルの配置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 食器洗い機
2 洗浄槽
3 第1の回転洗浄ノズル
4 第2の回転洗浄ノズル
5 固定洗浄ノズル
5a 垂直部位
5b 水平部位
6 下段食器かご
7 上段食器かご
8 洗浄ポンプ
10、10a 被洗浄物
13 分水手段
20a、20b 洗浄水噴射口

Claims (3)

  1. 洗浄槽内に配設された食器かごに収容された被洗浄物に、複数の洗浄水噴射口を備えた複数の洗浄ノズルから洗浄水を噴射して洗浄する食器洗い機において、前記食器かごは、洗浄槽内の上段と下段に備えられ、前記複数の洗浄ノズルは、洗浄槽の下方に配設された回転洗浄ノズルと、洗浄槽の背面に配設された固定洗浄ノズルとを備えてなり、前記固定洗浄ノズルは、上段の前記食器かごの下に略水平方向に洗浄水噴射口を配列した水平部位と、前記水平部位に洗浄水を導くと共に上段の前記食器かごより高い位置に開口する洗浄水噴射口を備えた垂直部位とを設け、前記水平部位は、前記垂直部位の両側に形成されるとともに、上段の食器かごに収容された被洗浄物の内面に向けて上方に洗浄水を噴射する洗浄水噴射口が複数に開口し、前記垂直部位と前記水平部位とは、交差する部分で内部が連通しており、さらに前記複数の洗浄ノズルに対して洗浄水を順次給水する分水手段を備え、洗浄水が前記分水手段から前記固定洗浄ノズルに供給される場合、前記水平部位と前記垂直部位とから噴射された洗浄水がそれぞれ、上段の前記食器かごに収容された被洗浄物の内面と外面とを洗浄することを特徴とする食器洗い機。
  2. 固定洗浄ノズルの垂直部位と水平部位は、略十字状に形成されてなる請求項1に記載の食器洗い機。
  3. 固定洗浄ノズルの垂直部位の両側に設けられた水平部位は、食器かごの高さ位置に応じて個々の形成高さ位置が異なるように形成されてなる請求項1または2に記載の食器洗い機。
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