JP2005057744A - 差動増幅器及びデータドライバと表示装置 - Google Patents

差動増幅器及びデータドライバと表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
消費電力を抑えたままで高速化を実現する差動増幅器の提供。
【解決手段】
差動増幅段4と、高位側電源VDDと出力端子3間に接続され、制御端子10に差動第1出力が接続される、プルアップ用の第1のトランジスタ101と、出力端子3と低位側電源VSS間に接続され、制御端子20に差動第2出力が接続される、プルダウン用の第2のトランジスタ102と、容量素子110と、容量素子110を出力端子3と第1トランジスタ101の制御端子10間、又は、出力端子3と第2のトランジスタ102の制御端子20間に、切替自在に接続するスイッチ111、112と、を有する出力増幅段5を備えている。
【選択図】
図1

Description

本発明は、差動増幅器及びそれを用いた表示装置に関する。
近年、表示装置は薄型、軽量、低消費電力を特長とする液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Device)が幅広く普及し、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC(Personal Computer)等のモバイル機器の表示部に多く利用されてきた。しかし最近では表示装置の大画面化や動画対応の技術も高まり、モバイル用途だけでなく据置型の大画面表示装置や大画面液晶テレビも実現可能になってきている。
これらの液晶表示装置は高精細表示が可能なアクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置が利用されている。
図28は、液晶表示装置を説明するための図である。なお、図28には、表示部の1画素に接続される主要な構成の等価回路のみが示されている。以下、図28を参照して、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置について、簡単に説明する。一般に、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置の表示部960は、透明な画素電極964及び薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;「TFT」という)963をマトリックス状に配置した半導体基板(例えばカラーSXGAパネルの場合、1280×3画素列、1024画素行で構成)と、面全体に1つの透明な電極966を形成した対向基板と、これら2枚の基板を対向させて間に液晶を封入した構造からなる。そして、スイッチング機能を持つTFT963を走査信号により制御し、TFT963がオンとなるときに映像信号に対応した階調電圧を画素電極964に印加し、各画素電極964と対向基板電極966との間の電位差により、液晶の透過率を変化させ、その電位差を、液晶容量965で一定期間保持し、これにより、画像が表示される。半導体基板上には、各画素電極964へ印加する複数のレベル電圧(階調電圧)を送るデータ線962と、走査信号を送る走査線961とが格子状に配線され(上記カラーSXGAパネルの場合、データ線は1280×3本、走査線は1024本)、走査線961及びデータ線962は、互いの交差部に生じる容量や対向基板電極との間に挟まれる液晶容量などにより大きな容量性負荷となっている。
なお、走査信号は、ゲートドライバ970より走査線961に供給され、また各画素電極964への階調電圧の供給はデータドライバ980よりデータ線962を介して行われる。1画面分のデータの書き換えは1フレーム期間(1/60・秒)で行われ、各走査線で1画素行毎順次選択され、その選択期間内に各データ線より階調電圧が供給される。なおゲートドライバ970は少なくとも2値の走査信号を供給すればよいのに対し、データドライバ980は大きな容量性負荷であるデータ線を高い電圧精度の階調電圧で高速に駆動しなければならないため、データドライバ980のバッファ部には、駆動能力の高い差動増幅器が多く用いられている。また、このような差動増幅器は、低消費電力化のため、電源電圧範囲とダイナミックレンジ(駆動電圧範囲)とがほぼ一致する、Rail−to−rail差動増幅器が多く用いられる(例えば下記特許文献1、2、下記非特許文献1参照)。
次に、従来のRail−to−rail差動増幅器について説明する。図29は、例えば下記特許文献1に開示されている差動増幅器である。また下記特許文献2においても、下記特許文献1が引用されている。図29に示した差動増幅器は、下記非特許文献1にも詳しく紹介されている。以下、図29に示した差動増幅器について簡単に説明する。
図29を参照すると、この差動増幅器は、差動増幅段が、電流源710で駆動されるNチャネル差動対711、712と、電流源720で駆動されるPチャネル差動対721、722と、トランジスタ対713、714とトランジスタ対715、716を2段縦積して構成されるカスコード型のカレントミラー回路71と、トランジスタ対723、724とトランジスタ対725、726を2段縦積して構成されるカスコード型のカレントミラー回路72と、トランジスタ731、732、及び741、742でそれぞれ構成される浮遊電流源73、74とを備え、出力増幅段は、トランジスタ101、102で構成されるプッシュプル出力段よりなる。VDDは高電位側電源、VSSは低電位側電源である。
Nチャネル差動対711、712の出力は、カレントミラー回路71(トランジスタ対713、714と、トランジスタ対715、716の接続点)に入力され、Pチャネル差動対721、722の出力は、カレントミラー回路72(トランジスタ対723、724とトランジスタ対725、726の接続点)に入力されている。カレントミラー回路71、72は、浮遊電流源73、74により結合されている。出力増幅段のトランジスタ101の制御端は、第1差動出力端子であるトランジスタ716のドレインと浮遊電流源74の接続点(端子10)に接続され、トランジスタ102の制御端は、第2差動出力端子であるトランジスタ726のドレインと浮遊電流源74の接続点(端子20)に接続されている。浮遊電流源をなすトランジスタ731、732、741、742のゲートには、バイアス電圧V1、V2、V3、V4がそれぞれ与えられている。トランジスタ712、722のゲートは、入力端子1に接続されて非反転入力端子をなし、トランジスタ711、721のゲートは、入力端子2に接続されて反転入力端子をなす。非反転入力端子1及び反転入力端子2には、電圧VinP、VinNがそれぞれ与えられる。
図29に示した差動増幅器の動作について説明する。非反転入力端子の電圧VinPと反転入力端子の電圧VinNが等しいときに定常状態となっている。定常状態では、同極性の差動トランジスタ対にそれぞれ流れる電流は等しい。またカレントミラー回路71から浮遊電流源73、74を介してカレントミラー回路72に流れる2系統の電流パスは、浮遊電流源73、74によりそれぞれ一定の電流に制御されている。
非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNより高くなると、Nチャネル差動対711、712のそれぞれに流れる電流は、トランジスタ711に流れる電流が減少し、トランジスタ712に流れる電流は増加する。トランジスタ711に流れる電流の減少により、トランジスタ713に流れる電流も減少し、カレントミラー回路71によりトランジスタ714、716に流れる電流も減少する。このとき浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点(端子10)側からトランジスタ726との接続点側へ定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、トランジスタ101のゲート電圧は引き下げられ、トランジスタ101によって電源VDDから出力端子3への充電電流が増加する。一方、Pチャネル差動対721、722のそれぞれに流れる電流は、非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNより高くなると、トランジスタ721に流れる電流が増加し、トランジスタ722に流れる電流は減少する。トランジスタ721に流れる電流の増加により、トランジスタ723に流れる電流も増加し、カレントミラー回路72により、トランジスタ724、726に流れる電流も増加する。このとき、浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点側から、トランジスタ726との接続点側へ、定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、トランジスタ102のゲート電圧は引き下げられ、トランジスタ102により、出力端子3から電源VSSへの放電電流が減少する。したがって、出力電圧Voutは上昇する。
非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNよりも低くなると、Nチャネル差動対711、712のそれぞれに流れる電流は、トランジスタ711に流れる電流が増加し、トランジスタ712に流れる電流は減少する。トランジスタ711に流れる電流の増加により、トランジスタ713に流れる電流も増加し、カレントミラー回路71によりトランジスタ714、716に流れる電流も増加する。このとき浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点側からトランジスタ726との接続点側へ、定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、トランジスタ101のゲート電圧は引き上げられ、トランジスタ101によって電源VDDから出力端子3への充電電流が減少する。一方、Pチャネル差動対721、722のそれぞれに流れる電流は、非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNよりも低くなると、トランジスタ721に流れる電流が減少し、トランジスタ722に流れる電流は増加する。トランジスタ721に流れる電流の減少により、トランジスタ723に流れる電流も減少し、カレントミラー回路72により、トランジスタ724、726に流れる電流も減少する。このとき、浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点側からトランジスタ726との接続点側へ、定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、トランジスタ102のゲート電圧は引き上げられ、トランジスタ102により出力端子3から電源VSSへの放電電流が増加する。よって、出力電圧Voutは低下する。
図29に示した差動増幅器をデータドライバのバッファ部として用いる場合には、反転入力端子2と出力端子3とが共通接続されたボルテージフォロワ構成で用いられる。そして、映像信号に対応した階調電圧が差動増幅器の非反転入力端子1に入力され、その階調電圧が電流増幅されて出力端子3から出力されてデータ線を駆動する。
また、下記特許文献2では、図29に示す差動増幅器を用いた高スルーレート差動増幅回路として、図30に示すような構成が提案されている。図30は消費電力の増加をできるだけ抑えて高速化を実現しようとする差動増幅器である。
図30を参照すると、高スルーレート差動増幅回路には、差動段の電流源710、720とそれぞれ並列に副電流源回路75、76が設けられている、ことが特徴である。副電流源回路75は、電流源750とトランジスタ751が直列形態で接続され、トランジスタ751のゲートは、プッシュプル出力段のトランジスタ102のゲートと共通接続されている。副電流源回路76は、電流源760とトランジスタ761が直列形態で接続され、トランジスタ761のゲートはプッシュプル出力段のトランジスタ101のゲートと共通接続されている。副電流源回路75、76の作用は、プッシュプル出力段のトランジスタ101、102の充電動作時や放電動作時に、それぞれのゲート電圧が変化し、そのときに、トランジスタ751、761がオンとなり、差動段に流れる電流を電流源750や760の分だけ増やすことができる。したがって、出力が一定の定常状態での消費電流を抑えたまま、充電動作や放電動作時にのみ、差動段に流れる電流を増やすことで、高速動作させることができる。
特開平6−326529号公報(第1図) 特開2001−156559号公報(第1図) 「アナログ・ディジタル混載システムLSI(低電圧・低消費電力回路技術)」(培風館)、第253頁
前述したように、近年、液晶表示装置は高精細化、大型化が進み、データ線の負荷容量も高精細化、大型化に伴って増大している。据置型の大画面表示装置ではバッテリー寿命の心配がなく、データドライバのバッファ部に用いられる差動増幅器は消費電力の抑制よりも精細度の増加や画面サイズ拡大に応じた高速動作が求められている。したがって、本発明が解決しようとする課題は、少なくとも、表示装置の高精細化、大型化による大容量のデータ線負荷に対して、十分な高速動作を実現する差動増幅器を提供することにある。またノートPCなどのモバイル用途の大画面表示装置では、バッテリー寿命も重要な性能となるため、データドライバのバッファ部に用いられる差動増幅器は消費電力を抑えたままでの高速化が求められている。しかし従来の差動増幅器は、安定動作を維持して高速化を実現しようとすると消費電力が増加するという課題がある。それは、上記特許文献2で説明されているように、大きなダイナミックレンジを必要とする差動増幅器において、外部負荷を駆動するときのスルーレートは、差動入力部の電流値に比例し、位相補償容量の容量値に逆比例するという特性があるためである。
このため、スルーレートを向上するには、差動入力部に流す電流を増加させるか、位相補償容量を小さくする必要があるが、差動入力部の電流を増加させると消費電流が増大し、位相補償容量を小さくすると安定性が失われる、という課題がある。
これに対して、図30に示した構成(上記特許文献2)では、差動入力部に流す電流を増加させる期間を充電動作及び放電動作時に限定させることにより、消費電力の増加を最小限に抑えて、高スルーレート化を実現している。
しかしながら、図30に示した差動増幅器においても、充電動作及び放電動作が頻繁に行われると、消費電流の平均値が上昇し、消費電力が増加する。特に、液晶表示装置の高精細化、大型化においては、データ線の負荷容量の増大だけでなく、データ線の駆動周波数も増加するため、結果的に、充電動作及び放電動作が頻繁となり、消費電力が増加する、という課題がある。
したがって、本発明が解決しようとするもう一つの課題は、液晶表示装置の高精細化、大型化による大容量のデータ線負荷に対して、消費電力を抑えたままで高速化を実現する差動増幅器を提供することにある。さらに、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで高速化を実現する差動増幅器を提供することも、本発明が解決しようとする課題の一つである。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、データ線負荷容量や駆動周波数があまり大きくない中小型の液晶表示装置に対して、所定の駆動速度を保ったまま消費電力を低減する差動増幅器を提供することにある。
上記課題の少なくとも1つを解決するための手段を提供する本発明の1つのアスペクトに係る増幅回路は、非反転入力端子、反転入力端子、第1差動出力端子及び第2差動出力端子を備えた差動増幅段と、出力端子と第1電源との間に接続され制御端が前記第1差動出力端子に接続された第1のトランジスタと、前記出力端子と第2電源との間に接続され制御端が前記第2差動出力端子に接続された第2のトランジスタと、容量素子を含む容量接続制御回路と、を備えた出力増幅段よりなる差動増幅器において、前記容量接続制御回路は、少なくとも、前記容量素子が前記出力端子と前記第1のトランジスタの制御端との間に接続された第1の接続状態と、前記容量素子が前記出力端子と前記第2のトランジスタの制御端との間に接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する、ことを特徴とする。
本発明に係る差動増幅器は、差動増幅段の差動出力の変更時、第1、第2のトランジスタの制御端での差動増幅段からの差動出力が確定する前に、容量素子の接続を切り替えることで、第1、第2のトランジスタのうち、オフからオンへ切替えられることになる一のトランジスタの制御端の電圧を、前記一のトランジスタがオンする向きへ変化させ、前記一のトランジスタによる前記出力端子の充電又は放電を速めている。
かかる構成の本発明によれば、差動増幅器のプッシュプル出力段の2つのトランジスタの一方の制御端と出力端子との間に容量素子を接続した状態と、他方の制御端と前記出力端子との間に前記容量素子を接続した状態とを切り替えることにより、ブートストラップ作用を生じさせ、消費電力を増やすことなく、高速駆動を実現できる。
本発明においては、前記容量接続制御回路は、前記容量素子の第1端子が、前記第1のトランジスタの制御端に接続され、前記容量素子の第2端子が、前記出力端子に接続された第1の接続状態と、前記容量素子の第1端子が、前記第2のトランジスタの制御端に接続され、前記容量素子の第2端子が前記出力端子に接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する手段を備えている。
あるいは、本発明においては、前記容量接続制御回路は、前記容量素子の第1端子が、前記第1のトランジスタの制御端に接続され、前記容量素子の第2端子が、前記出力端子に接続された第1の接続状態と、前記容量素子の前記第1端子が、前記出力端子に接続され、前記容量素子の前記第2端子が、前記第2のトランジスタの制御端に接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する手段を備えている。
本発明においては、前記容量素子は、位相補償およびブートストラップ作用をなす容量素子である。
本発明において、前記容量接続制御回路は、以下に好適な実施形態として説明されるように、第1の容量素子(110)と、前記第1の容量素子の第1端子と前記第1のトランジスタ(101)の制御端(10)との間に挿入されている第1のスイッチ(111)と、前記第1の容量素子(110)の第1端子と前記第2のトランジスタ(102)の制御端(20)との間に挿入されている第2のスイッチ(112)と、を備え、前記容量端子の第2端子は前記出力端子に接続され、前記出力端子の充電期間には、前記第1のスイッチがオンとされ、前記第2のスイッチはオフとされ、前記出力端子の放電期間には、前記第1のスイッチがオフとされ、前記第2のスイッチはオンとされる構成としてもよい。
本発明において、前記容量接続制御回路は、以下に好適な実施形態として説明されるように、第1の容量素子(210)と、前記第1の容量素子の第1端子と第1のトランジスタ(101)の制御端(10)との間に挿入されている第1のスイッチ(211)と、第1の容量素子の第2端子と第2のトランジスタ(102)の制御端(20)との間に挿入されている第2のスイッチ(212)と、第1の容量素子(210)の第1端子と出力端子(3)との間に挿入されている第3のスイッチ(213)と、前記第1の容量素子の第2端子と出力端子(3)との間に挿入されている第4のスイッチ(214)と、を備え、前記出力端子の充電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオンとされ、前記第2及び第3のスイッチがオフとされ、前記出力端子の放電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオフとされ、前記第2及び第3のスイッチがオンとされる構成としてもよい。
本発明において、前記容量接続制御回路は、以下に好適な実施形態として説明されるように、第1の容量素子(210)と、前記第1の容量素子の第1端子と第1のトランジスタ(101)の制御端(10)との間に挿入されている第1のスイッチ(211)と、第1の容量素子の第2端子と第2のトランジスタ(102)の制御端(20)との間に挿入されている第2のスイッチ(212)と、第1の容量素子(210)の第1端子と出力端子(3)との間に挿入されている第3のスイッチ(213)と、前記第1の容量素子の第2端子と出力端子(3)との間に挿入されている第4のスイッチ(214)と、を備え、前記出力端子の充電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオフとされ、前記第2及び第3のスイッチがオンとされ、前記出力端子の放電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオンとされ、前記第2及び第3のスイッチがオフとされる構成としてもよい。
本発明において、前記差動増幅段は、高位側電源に接続されている第1の定電流源と、前記第1の定電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第1導電型のトランジスタ対よりなる第1の差動対と、前記第1の差動対の出力対に接続されている第1の負荷回路と、低位側電源に接続されている第2の定電流源と、前記第2の定電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第2導電型のトランジスタ対よりなる第2の差動対と、前記第2の差動対の出力対に接続されている第2の負荷回路を備え、前記第1及び第2の負荷回路のそれぞれの出力端が、前記差動増幅段の前記第2及び第1差動出力端子とされている構成としてもよい。そして前記第1及び第2の負荷回路のそれぞれの出力端間を結合する浮遊電流源等の結合手段を備えていてもよい。具体的には、前記第1及び第2の負荷回路は、第2、第1導電型のトランジスタよりなる第1、第2のカレントミラー回路よりなる。あるいは、前記第1の負荷回路が、第2導電型のトランジスタよりなる第1のカスコード型カレントミラー回路よりなり、前記第2の負荷回路が、第1導電型のトランジスタよりなる第2のカスコード型カレントミラー回路よりなり、前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の入力側は第1の浮遊電流源を介して結合され、前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の出力側は第2の浮遊電流源を介して結合され、前記出力増幅段の前記第2及び第1のトランジスタの制御端が、前記第1カスコード型カレントミラー回路の出力端と前記第2の浮遊電流源との接続点と、前記第2カスコード型カレントミラー回路の出力端と前記第2の浮遊電流源との接続点と、にそれぞれ接続されている構成としてもよい。
また本発明においては、前記第1の容量素子とは別に容量素子を備えていてもよく、一端が、前記出力端子に接続され、他端が、前記第1及び第2のトランジスタの制御端にそれぞれ接続されている第2及び第3の容量素子を含む構成としてもよい。もしくは、一端が、前記出力端子に接続され、他端が、前記第2及び第1の差動対の出力対の一方にそれぞれ接続されている第2及び第3の容量素子を含む構成としてもよい。
前記課題を解決する手段を提供する本発明の他のアスペクトに係る表示装置のデータドライバは、上記した本発明に係る差動増幅器をバッファ部として備えている。
本発明の他のアスペクトに係る表示装置のデータドライバは、上記した本発明に係る差動増幅器をバッファ部として備え、前記第1の接続状態と前記第2の接続状態との切り替え制御を極性信号に応じて行う。
さらに、本発明の他のアスペクトに係る表示装置は、上記した本発明に係る差動増幅器をデータ線を駆動する回路として備えている。
本発明の別のアスペクトの差動増幅器によれば、非反転入力端子、反転入力端子、第1差動出力端子及び第2差動出力端子を備えた差動増幅段と、出力端子と第1電源との間に接続され、前記第1の差動出力端子からの信号に基づき、前記出力端子を充電する第1のトランジスタと、前記出力端子と第2電源との間に接続され、前記第2の差動出力端子からの信号に基づき、前記出力端子を放電する第2のトランジスタと、容量素子を含む容量接続制御回路と、を備えた出力増幅段よりなる差動増幅器において、前記容量接続制御回路は、少なくとも、前記容量素子が前記出力端子と前記第1差動出力端子との間に接続された第1の接続状態と、前記容量素子が前記出力端子と前記第2差動出力端子の間に接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する構成としてもよい。
あるいは、本発明の別のアスペクトの差動増幅器によれば、高位側電源に接続されている第1の電流源と、前記第1の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第1導電型のトランジスタ対よりなる第1の差動対と、前記第1の差動対の出力対に接続されている第1の負荷回路と、低位側電源に接続されている第2の定電流源と、前記第2の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第2導電型のトランジスタ対よりなる第2の差動対と、前記第2の差動対の出力対に接続されている第2の負荷回路を備え、前記第1の負荷回路が第1のカスコード型カレントミラー回路よりなり、前記第2の負荷回路が第2のカスコード型カレントミラー回路よりなる差動増幅段と、前記出力端子と第1電源との間に接続され、前記第2の負荷回路の出力に基づき、前記出力端子を充電する第1のトランジスタと、前記出力端子と第2電源との間に接続され、前記第1の負荷回路の出力に基づき、前記出力端子を放電する第2のトランジスタと、を備えた出力段と、容量素子と、を備え、さらに、前記容量素子が、前記出力端子と、前記第2のカスコード型カレントミラー回路の複数段のカレントミラー回路の接続点の1つに接続された第1の接続状態と、前記容量素子が前記出力端子と前記第1のカスコード型カレントミラー回路の複数段のカレントミラー回路の接続点の1つに接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する容量接続制御回路と、を備えている構成としてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、差動増幅器のプッシュプル出力段の2つのトランジスタの一方の制御端と出力端子との間に容量素子を接続した状態と、他方の制御端と前記出力端子との間に前記容量素子を接続した状態とを切り替えることにより、ブートストラップ作用を生じさせて消費電力を増やすことなく高速駆動を実現できる、という効果を奏する。
また、本発明によれば、一定の駆動能力を備えた差動増幅器において、消費電力を削減することができる。
さらに、本発明によれば、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで高速化を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明に係る差動増幅器は、好適な一実施形態において、差動増幅段4が、非反転入力端子1、反転入力端子2、第1差動出力端子10及び第2差動出力端子20を備え、出力増幅段5が、出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続され制御端が第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続され制御端が第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端が出力端子3に接続され他端がスイッチ111、112を介して端子10及び端子20にそれぞれ接続された容量素子110とを備えて構成される。差動増幅段4は、入力端子1、2に入力された信号電圧を差動で受け、差動増幅した出力を差動出力端子10、20に出力し、出力増幅段5は、差動出力端子10、20の電圧変化に基づいて、トランジスタ101、102により出力端子3を充電又は放電させることができる。なおここで容量素子110及びスイッチ111、112は容量接続制御回路をなしている。また出力端子3には、図示されていない外部負荷が接続される。
上記差動増幅器において、容量素子110は端子10と出力端子3との間に接続された接続状態と、端子20と出力端子3との間に接続された接続状態とに切り替え可能に制御される。すなわちスイッチ111、112は一方がオンのとき他方はオフとなるように少なくとも制御される。具体的には充電動作を行うあるデータ出力期間T1において、出力期間の開始時にスイッチ111、112をそれぞれオン、オフとし、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時にスイッチ111、112をそれぞれオフ、オンとする。
これにより、データ出力期間T1では、容量素子110の接続切り替えと同時に端子10が低電位側に引っ張られ、トランジスタ101が瞬間的に動作して、データ出力期間T1の開始直後にある一定量の充電動作が行われる。
またデータ出力期間T2でも、容量素子110の接続切り替えと同時に、端子20が高電位側に引っ張られ、トランジスタ102が瞬間的に動作して、データ出力期間T2の開始直後にある一定量の放電動作が行われる。なお、開始直後の瞬時の充電動作または放電動作の後は、どちらの場合も差動増幅段4の出力に応じてトランジスタ101、102が動作し、通常の差動増幅器の動作となる。このような作用は、ブートストラップの一種である。
すなわち、本発明は、出力段におけるブートストラップを利用して差動増幅器の高速化を実現している。出力期間の開始時に、ブートストラップを利用して、強制的にある一定量の充電動作または放電動作を行うことで、大きなダイナミックレンジに対しても高速駆動を行うことができる。そして、これは、消費電流を増やさずとも、高速化を実現することもできる。
なお、容量素子110は、ブートストラップによる高速化の作用を及ぼすだけでなく、位相補償容量としても作用し、出力の安定化も可能にしている。
また、本発明に係る差動増幅器は、その好ましい別の一実施の形態において、差動増幅段4が、非反転入力端子1、反転入力端子2、第1差動出力端子10及び第2差動出力端子20を備え、出力増幅段6が出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続され制御端が第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続され制御端が第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端がスイッチ211、213を介して端子10及び出力端子3にそれぞれ接続され、他端がスイッチ212、214を介して端子20及び出力端子3にそれぞれ接続された容量素子210を備えて構成される。差動増幅段4は、入力端子1、2に入力された信号電圧を差動で受け、差動増幅した出力を差動出力端子10、20に出力し、出力増幅段6は、差動出力端子10、20の電圧変化に基づいて、トランジスタ101、102により出力端子3を充電又は放電させることができる。なお、容量素子210及びスイッチ211、212、213、214は、容量接続制御回路をなしている。また出力端子3には、図示されない外部負荷が接続されている。
上記差動増幅器において、容量素子210は、端子10と出力端子3との間に接続された接続状態と、端子20と出力端子3との間に接続された接続状態とに切り替え可能に制御される。すなわちスイッチ211、214の組とスイッチ212、213の組は一方の組がオンのとき、他方の組はオフとなるように少なくとも制御される。具体的には、充電動作を行うあるデータ出力期間T1において、出力期間の開始時に、スイッチ211、214をオン、スイッチ212、213をオフとし、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時にスイッチ211、214をオフ、スイッチ212、213をオンとする。これによりデータ出力期間T1では容量素子210の接続切り替えと同時に端子10が低電位側に引っ張られ、トランジスタ101が瞬間的に動作してデータ出力期間T1の開始直後にある一定量の充電動作が行われる。またデータ出力期間T2でも容量素子210の接続切り替えと同時に端子20が高電位側に引っ張られ、トランジスタ102が瞬間的に動作してデータ出力期間T2の開始直後にある一定量の放電動作が行われる。なお、開始直後の瞬時の充電動作または放電動作の後は、どちらの場合も差動増幅段4の出力に応じてトランジスタ101、102が動作して通常の差動増幅器の動作となる。このような作用はブートストラップの一種である。すなわち本発明はブートストラップを利用した差動増幅器の高速化手段である。出力期間の開始時にブートストラップを利用して強制的にある程度の充電動作または放電動作を行うことで、大きなダイナミックレンジに対しても高速駆動を行うことができる。そしてこれは消費電流を増やさずとも高速化を実現することもできる。なお本実施の形態では、スイッチ211、214の組とスイッチ212、213の組の制御を入れ替えても同様の効果を得ることができる。また容量素子210はブートストラップによる高速化の作用を及ぼすだけでなく、位相補償容量としても作用し出力の安定化も可能にしている。
なお、外部負荷の駆動において、大きな電圧変化を伴う駆動には時間がかかるが小さな電圧変化を伴う駆動は元々時間がかからない。したがって上記それぞれの実施の形態において、大きな電圧変化を伴う駆動時には容量素子110または210の接続状態を変化させて、ブートストラップを利用した高速化を実施し、小さな電圧変化を伴う駆動時には容量素子110または210の接続状態を変化させずに駆動を行うこともできる。
また、上記各実施の形態では、充電動作及び放電動作に伴って消費電流を増やす必要がないため、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで高速化を実現することができる。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお各図面において、同じ構成の素子または同じ機能の機能ブロックには、同一の参照番号が付されている。また各図面では、トランジスタは、絶縁ゲート型トランジスタで構成したものを示しており、絶縁ゲート型以外の構成の場合には、その旨記述する。
図1は、本発明の第1の実施例の差動増幅器の構成を示す図である。図1を参照すると、本発明の一実施例をなす差動増幅器は、差動増幅段4が非反転入力端子1、反転入力端子2、第1差動出力端子10及び第2差動出力端子20を備え、出力増幅段(出力駆動段)5が、出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続されゲートが第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続されゲートが第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端が出力端子3に接続され他端がスイッチ111、112を介して端子10及び端子20にそれぞれ接続された容量素子110を備えて構成される。差動増幅段4は、入力端子1、2に入力された信号電圧を差動で受け、差動増幅した出力を差動出力端子10、20に出力し、出力増幅段5は、差動出力端子10、20の電圧変化に基づいて、トランジスタ101、102により出力端子3を充電又は放電させることができる。なおここで容量素子110及びスイッチ111、112は容量接続制御回路をなしている。また、出力端子3には、図示されない外部負荷(データ線負荷)が接続されている。なお容量素子110は、メタル容量(配線容量)、ゲート容量の他、容量性要素を具備したものであれば任意である。
図2は、上記差動増幅器の制御方法を説明するための図である。図2に示すように、充電動作を行う、あるデータ出力期間T1において、出力期間の開始時に、スイッチ111、112をそれぞれオン、オフとし、放電動作を行う、あるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時に、スイッチ111、112をそれぞれオフ、オンとなるように制御する。
上記制御による作用を説明する。まず、出力期間T2からT1へ替わる場合について説明する。
出力期間T2では、容量素子110は端子20と出力端子3との間に接続されている。出力期間T2の終了間際では、出力安定状態に達しているものとすると、トランジスタ101、102のゲート・ソース間電圧は、それぞれ閾値電圧に近い値で安定しており、このときの端子10、20の電位を、それぞれV10、V20とする。また、出力期間T2では、放電動作が行われているため、出力電圧Vout=Vout2は低電位であるとし、容量素子110には、電圧Vout2と電圧V20の電位差を保つ電荷が蓄えられている。
この状態から、出力期間T1に切り替わると、出力期間T1の開始時に、端子20に接続されていた容量素子110の一端は、瞬時に端子10に接続され、容量素子110は、端子10と出力端子3との間に接続された状態に、切り替えられる。接続切り替え直後、容量素子110は、電位差を保持しようとし、大容量負荷(データ線)が接続された出力端子3も、電圧Vout2を保持しようとするため、電位保持能力の弱い端子10の電位は、接続切り替え直前の容量素子110の一端の電圧V20まで引き下げようとする降圧作用を受ける。したがって、接続切り替えにより、端子10の電位は、瞬間的に引き下げられ、これにより、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対する一時的な充電動作が生じる。これが、容量素子110の接続切り替えによるブートストラップ作用である。なお端子10の電位の降圧作用は、差動増幅段4から端子10側への電荷の供給や端子10の変動による出力電圧Voutの上昇などにより、次第に緩和されていく。
一方、差動増幅段4は、出力期間T1の開始とともに、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段4の出力に基づく出力増幅段5の動作は、期間T1の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ充電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ充電作用の途中から、差動増幅段4の出力による充電動作に切り替わる。したがって、図1の差動増幅器の出力期間T2からT1への動作は、出力期間T1の開始とともに、ブートストラップ作用により、瞬間的に出力端子3の充電動作が行われ、出力電圧Voutを一定量引き上げ、その後、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じた充電動作が行われる。
次に、出力期間T1からT2へ替わる場合について説明する。出力期間T1では、容量素子110は端子10と出力端子3との間に接続されている。出力期間T1の終了間際では出力安定状態に達しているものとすると、トランジスタ101、102のゲート・ソース間電圧は、それぞれ閾値電圧に近い値で安定しており、このときの端子10、20の電位もそれぞれV10、V20である。また、出力期間T1では充電動作が行われていることから、出力電圧Vout=Vout1は高電位であるとし、容量素子110には、出力電圧Vout1と電圧V10の電位差を保つ電荷が蓄えられている。
この状態から出力期間T2に切り替わると、出力期間T2の開始時に、端子10に接続されていた容量素子の一端は、瞬時に端子20に接続され、容量素子110は、端子20と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。接続切り替え直後、容量素子110は電位差を保持しようとし、大容量負荷(データ線)が接続された出力端子3も電圧Vout1を保持しようとする。このため、電位保持能力の弱い端子20の電位は、接続切り替え直前の容量素子110の一端の電圧V10まで引き上げようとする昇圧作用を受ける。
したがって、接続切り替えにより端子20の電位は、瞬間的に引き上げられ、これにより、トランジスタ102のゲート・ソース間電圧が拡大し、出力端子3に対する一時的な放電動作が生じる。これが、容量素子110の接続切り替えによるブートストラップ作用である。なお、端子20の電位を引き上げる作用は、差動増幅段4から端子20側への電荷の供給や端子20の変動による出力電圧Voutの低下などにより、次第に緩和されていく。
一方、差動増幅段4は、出力期間T2の開始とともに非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段4の出力に基づく出力増幅段5の動作は、期間T2の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ放電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ放電作用の途中から、差動増幅段4の出力変化による放電動作に切り替わる。したがって、図1の差動増幅器の出力期間T1からT2への動作は、出力期間T2の開始とともにブートストラップ作用により、瞬間的に出力端子3の放電動作が行われ、出力電圧Voutを一定量引き下げ、その後、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じた放電動作が行われる。
以上のように、図1の差動増幅器は、図2のスイッチ制御により、ブートストラップ作用を生じさせ、従来よりも、高速な充電動作及び放電動作を実現できる。また消費電流を増やすことなく高速動作が可能である。なお、ブートストラップ作用による高速化は、大振幅(充放電切替前後での出力端子電圧の電圧変化が大きい)の駆動において効果的であり、小振幅(出力端子電圧の電圧変化が小さい)の駆動では行わなくてもよい。その場合には、スイッチ状態を変えず、容量素子110の接続状態を保持したままにすれば、ブートストラップ作用は生じず、通常の差動増幅器の動作で、小振幅の駆動を行うことができる。
また、図1の差動増幅器は、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで高速化を実現することができる。
以下、位相補償容量を固定接続した回路構成を比較例として、本発明の原理を詳細に説明する。図32は、出力端子3とトランジスタ101のゲートの間に容量611が接続され、出力端子3とトランジスタ102のゲートの間に容量612が接続された回路構成において、出力端子3の出力電圧Voutを1Vから9Vに充電する場合の動作を説明する図であり、図32(A)は出力端子電圧が1V、図32(B)は充電後の出力端子電圧Vout=9Vのときの各ノード電圧の一例を示している。図32(A)に示すように、充電切替直前の放電動作安定状態において、出力電圧Voutは低電位状態とされ、V10は9V、V20は1Vとされ、出力端子電圧Vout=1Vであるため、容量611、612の端子間電圧ΔV1、ΔV2は、それぞれ8V、0Vとされる。
放電期間からの切替後の充電期間において、差動増幅段(例えば図1の4)が動作し、その出力の変化により、端子10の電圧V10が引き下げられて、トランジスタ101がオンし、出力端子電圧Voutは上昇する。そして図32(B)に示すような充電動作安定状態に到達する。この充電動作安定状態では、出力端子電圧Voutが9Vに変化し、端子10の電圧V10も9Vに戻り、容量611、612の端子間電圧ΔV1、ΔV2は、それぞれ0V、8Vとなる。容量611、612はともに、0Vから8Vへまたは8Vから0Vへと端子間電圧の変化が大きく、その電荷は、差動増幅段(例えば図1の4)から、端子10、20を介して供給される。容量611、612の容量値が大きいほど、差動増幅段からの電荷供給量も大となり時間を要する。すなわち、差動増幅段の電荷供給能力がスルーレートを決めている。
容量611、612が、多段カスコード型のカレントミラーの中間接続点と出力端子3間に接続される場合も、上記と同様である。
図33(A)は、比較例の入出力波形を示す図である。なお出力波形は、出力端子電圧Voutを反転入力端子電圧VinNとして帰還入力したときの、入力信号VinPに対する出力波形である。入力信号VinPの立ち上がり及び立ち下がりに対して、差動増幅段の出力の変化により、出力信号Voutは一定のスルーレートで上昇し、また下降する。位相容量を固定接続した比較例では、差動増幅段からの出力を受けて、徐々に位相容量の充放電と出力端子電圧Voutの変化が行われるため、時間がかかる。図33(B)は、図32に示した位相容量を固定接続した比較例における、プッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。出力期間T1(充電期間)の開始後、V10は9Vから下がりトランジスタ101をオンさせ、安定状態で再び9Vに戻り(V20は1Vのまま)、出力期間T2(放電期間)への切替後、V20が1Vから上昇しトランジスタ102をオンさせ安定状態で再び1Vに戻る(V10は9Vのまま)。
次に、上記比較例と対比して、本発明の動作を説明する。図34および図35は、図1において、図2に示したスイッチ制御を行った場合の作用を説明するための図である。すなわち、本実施例において、出力端子電圧Voutを1Vから9Vに充電する場合の作用を説明するための図である。充電期間への切替直前の放電動作安定状態においては、図34(A)に示すように、スイッチ111がオフ(開)、スイッチ112がオン(閉)状態であり、出力端子電圧Voutが1V、端子20の電圧V20が1Vであることから、容量110の端子間電圧ΔVは0Vとされる。また端子10の電圧V10は9Vとされる。
この状態から、図34(B)に示すように、充電期間への切替直後では、スイッチ111がオンし、スイッチ112がオフし、端子10の電圧V10(9V)は、容量素子110による降圧作用により、低電圧側に変化し(図の矢印「降圧作用」参照)、端子電圧V10の低電圧化を受け、出力端子電圧Voutがトランジスタ101による急速な充電で、出力端子電圧Voutは一気に上昇する。そして図35に示すような充電動作安定状態に到達する。この充電動作安定状態では、出力端子電圧Voutが9Vに変化し、端子10の電圧V10も9Vに戻り、容量110の端子間電圧ΔVは0Vとなる。なお切替直後から充電動作安定状態への変化の過程では、容量110の端子間電圧ΔVは、端子電圧V10や出力端子電圧Voutの変化で、多少の電位差変化があるものの、それほど大きな電位差変化はない。またこの容量110の端子間電圧ΔVの電位差変化を充電動作安定状態のΔV=0Vに戻す作用は、出力端子電圧Voutの立ち上がりの途中から動作する差動増幅段(図1の4)の出力により行われ、端子10を介して容量110に電荷が送られることにより安定状態に向かう。また端子電圧V20は、出力端子電圧Voutの急速な上昇により、スイッチ112やトランジスタ102の寄生容量を介して、わずかな昇圧作用を受け、この結果、トランジスタ102がオンし、一時的な、貫通電流を生じる場合もあるが、通常は、十分小さく消費電力への影響は小さい。
以上のように本発明の高速動作のメカニズムは、図1の差動増幅段4からの出力の変化を受ける前に、容量素子110の接続状態の切替を行うことにより、出力端子電圧Voutの変化後の安定状態に、瞬時に近づけることで、容量素子110の端子間電圧ΔVをほとんど変えずに、出力端子電圧Voutだけを変化させることができる。かかる構成により、高速動作を実現している。
また、放電期間からの切替後の充電期間において、充電動作の安定状態では、容量110の端子間電圧ΔVは再び0Vとなって安定状態となるため、図1の差動増幅段4から容量110に供給される電荷は少なくてよい。このため、本発明によれば、差動増幅段4の消費電流を増やすことなく高速な動作が実現できる。
次に、図1に示した本実施例をより詳細に説明するため、その具体例について説明する。図3は、図1に示した実施形態の一具体例を示す図である。図3を参照すると、出力増幅段5において、スイッチ111、112は、それぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタで構成され、それぞれのゲートには外部信号S1の反転信号が入力される。そして、外部信号S1は、図4に示すように、制御される。
図4を参照すると、外部信号S1は、充電動作を行うあるデータ出力期間T1において出力期間の開始時にローレベルからハイレベルに変化させ、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時にハイレベルからローレベルに変化させる。これにより、出力期間T1で、スイッチ111、112がそれぞれオン、オフし、出力期間T2で、スイッチ111、112がそれぞれオフ、オンし、図1及び図2と同じ作用及び効果を実現することができる。
図5は、本発明の第2の実施例の差動増幅器の構成を示す図である。図5を参照すると、本発明の第2の実施例をなす差動増幅器は、差動増幅段4が非反転入力端子1、反転入力端子2、第1差動出力端子10及び第2差動出力端子20を備え、出力増幅段6が出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続されゲートが第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続されゲートが第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端がスイッチ211、213を介して端子10及び出力端子3にそれぞれ接続され、他端がスイッチ212、214を介して端子20及び出力端子3にそれぞれ接続された容量素子210を備えて構成される。差動増幅段4は、入力端子1、2に入力された信号電圧を差動で受け、差動増幅した出力を差動出力端子10、20に出力し、出力増幅段6は、差動出力端子10、20の電圧変化に基づいて、トランジスタ101、102により出力端子3を充電又は放電させることができる。なおここで容量素子210及びスイッチ211、212、213、214は容量接続制御回路をなしている。なおスイッチ211、212をトランジスタ等で構成した場合にはスイッチの両端間に寄生容量をもつが、この寄生容量をそれぞれC211、C212とする。出力端子3には、図示されない外部負荷(データ線負荷)が接続されている。また容量素子210は、メタル容量(配線容量)、ゲート容量の他、容量性要素を具備したものであれば任意である。またC211、C212は通常の容量素子であってもよい。
図6は、図5に示した差動増幅器の第1の制御方法を説明するための図である。図6に示すように、充電動作を行うあるデータ出力期間T1において、出力期間の開始時にスイッチ211、214をオン、スイッチ212、213をオフとし、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時にスイッチ211、214をオフ、スイッチ212、213をオンとなるように制御する。
上記切替制御による作用を次に説明する。まず、出力期間T2からT1へ替わる場合について説明する。
出力期間T2では、容量素子210は端子20と出力端子3との間に接続されている。出力期間T2の終了間際では、出力安定状態に達しているものとすると、トランジスタ101、102のゲート・ソース間電圧はそれぞれ閾値電圧に近い値で安定しており、このときの端子10、20の電位は、図1の説明と同様にV10、V20である。また出力期間T2では、放電動作が行われているので、出力電圧Vout=Vout2は低電位であるとし、容量素子210には、電圧Vout2と電圧V20の電位差(Vout2−V20)を保つ電荷が蓄えられている。
この状態から、出力期間T1に切り替わると、出力期間T1の開始時に、出力端子3に接続されていた容量素子210の一端は、瞬時に端子10に接続され、端子20に接続されていた容量素子210の他端は、瞬時に出力端子3に接続され、容量素子210は、端子10と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。接続切り替え直後、容量素子210は、電位差を保持しようとし、大容量負荷(データ線)が接続された出力端子3も電圧Vout2を保持しようとするため、電位保持能力の弱い端子10の電位は、電圧Vout2に、容量素子210の電位差(Vout2−V20)が加算された電圧(2Vout2−V20)まで引き下げようとする降圧作用を受ける。したがって、接続切り替えにより、端子10の電位は、電圧Vout2に依存した作用で瞬間的に引き下げられ、これにより、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が拡大し、出力端子3に対する一時的な充電動作が生じる。これが、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用である。次に、寄生容量C211、C212について説明しておく。寄生容量C211は、容量素子210の接続切り替え直後、両端がショートされるため作用を生じることはない。また寄生容量C212は、容量素子210の接続切り替え直後、両端間の電位差ゼロの状態から端子20と出力端子3との間に接続された状態に変化するが、電圧V20と電圧Vout2との電位差が小さいため、端子20の電位を大きく変動させるほどの作用は生じない。したがって、図6のスイッチ制御では、容量素子210のC211、C212による作用は十分小さい。なお、容量素子210の接続切り替え直後の端子10の電位に対する降圧作用は、差動増幅段4から端子10側への電荷の供給や、端子10の変動による出力電圧Voutの上昇などにより、次第に緩和されていく。
一方、差動増幅段4は、出力期間T1の開始とともに、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段4の出力に基づく出力増幅段6の動作は、期間T1の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ充電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ充電作用の途中から、差動増幅段4の出力変化による充電動作に切り替わる。したがって、図5の差動増幅器の出力期間T2からT1への動作は、出力期間T1の開始とともに、ブートストラップ作用により、瞬間的に、出力端子3の充電動作が行われ、出力端子電圧Voutを、一定量引き上げ、その後、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じた充電動作が行われる。
次に、出力期間T1からT2へ替わる場合について説明する。出力期間T1では容量素子210は端子10と出力端子3との間に接続されている。出力期間T1の終了間際では出力安定状態に達しているものとすると、トランジスタ101、102のゲート・ソース間電圧はそれぞれ閾値電圧に近い値で安定しており、このときの端子10、20の電位も、それぞれV10、V20である。また出力期間T1では充電動作が行われているので、出力電圧Vout=Vout1は高電位であるとし、容量素子210には電圧Vout1と電圧V10の電位差(V10−Vout1)を保つ電荷が蓄えられている。この状態から出力期間T2に切り替わると、出力期間T2の開始時に出力端子3に接続されていた容量素子210の一端は瞬時に端子20に接続され、端子10に接続されていた容量素子210の他端は瞬時に出力端子3に接続され、容量素子210は端子20と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。接続切り替え直後、容量素子210は電位差を保持しようとし、大容量負荷(データ線)が接続された出力端子3も電圧Vout1を保持しようとするため、電位保持能力の弱い端子20の電位は、電圧Vout1から、容量素子210の電位差(端子間電圧)(=V10−Vout1)を減算した電圧(=2Vout1−V10)まで引き上げようとする昇圧作用を受ける。したがって、接続切り替えにより端子20の電位は電圧Vout1に依存した作用で瞬間的に引き上げられ、これにより、トランジスタ102のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対する一時的な放電動作が生じる。これが、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用である。なお、寄生容量C211、C212について説明すると、寄生容量C212は容量素子210の接続切り替え直後、両端がショートされるため作用を生じることはない。また寄生容量C211は、容量素子210の接続切り替え直後、両端間の電位差ゼロの状態から端子10と出力端子3との間に接続された状態に変化するが、電圧V10と電圧Vout1との電位差が小さいため、端子10の電位を大きく変動させるほどの作用は生じない。したがって、図6のスイッチ制御では容量素子210のC211、C212による作用は十分小さい。なお容量素子210の接続切り替え直後の端子20の電位に対する降圧作用は、差動増幅段4から端子20側への電荷の供給や端子20の変動による出力電圧Voutの低下などにより次第に緩和されていく。一方差動増幅段4は、出力期間T2の開始とともに非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段4の出力に基づく出力増幅段6の動作は、期間T2の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ放電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ放電作用の途中から差動増幅段4の出力変化による放電動作に切り替わる。したがって図5の差動増幅器の出力期間T1からT2への動作は、出力期間T2の開始とともにブートストラップ作用により瞬間的に出力端子3の放電動作が行われて出力電圧Voutを一定量引き下げ、その後、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じた放電動作が行われる。
図37および図38は、図6に示したスイッチ制御による図5の差動増幅器の作用を説明するための図であり、出力端子電圧Voutを1Vから9Vに充電する場合の作用を説明するための図である。図37(A)は、充電期間への切替直前の放電動作安定状態を示している。図37(A)に示すように、出力端子電圧Voutは低電位状態であり、スイッチ211はオフ、スイッチ212がオンとされ、容量210の端子間電圧ΔVは0Vとされる。図37(B)に示すように、切替直後(充電期間開始時)において、電圧V10は、容量210により降圧作用を受けて、低電圧側に変化し、これにより出力端子電圧Voutがトランジスタ101の急速な充電作用で一気に上昇する。そして図38に示すような充電動作安定状態に到達する。この充電動作安定状態では、出力端子電圧Voutが9Vに変化し、端子10の電圧V10も9Vに戻り、容量210の端子間電圧ΔVは0Vとなる。なお切替直後から充電動作安定状態への変化の過程では、容量210の端子間電圧ΔVは、端子電圧V10や出力端子電圧Voutの変化で、多少の電位差変化があるものの、それほど大きな電位差変化はない。またこの容量210の端子間電圧ΔVの電位差変化を充電動作安定状態のΔV=0Vに戻す作用は、出力端子電圧Voutの立ち上がりの途中から動作する差動増幅段(図5の4)の出力により行われ、端子10を介して容量210に電荷が送られることにより安定状態に向かう。また端子電圧V20は、出力端子電圧Voutの急速な上昇で、補助容量C212やトランジスタ102の寄生容量を介してわずかな昇圧作用を受け、一時的な貫通電流を生じる場合があるが、通常は十分小さく消費電力への影響は小さい。
以上のように本発明の高速動作のメカニズムは、図5の差動増幅段4からの出力の変化を受ける前に、容量210の接続を切替えることにより、出力変化後の安定状態に瞬時に近づけること(すなわち、容量210の端子間電圧をほとんど変えずに、出力端子電圧Voutだけ変化させること)ができるため高速な動作が実現できる。
また、放電期間からの切替後の充電期間において、充電動作の安定状態では、容量210の端子間電圧ΔVは、再びΔV=0Vで安定状態となるため、図5の差動増幅段4から容量210に供給される電荷は少なくてよい。このため、本発明によれば、差動増幅段4の消費電流を増やすことなく高速な動作が実現できる。
次に、図5に示した差動増幅器における別の制御方法について説明する。図7は、図5に示した差動増幅器の第2の制御方法を示す図である。図7に示すように、充電動作を行うあるデータ出力期間T1において、出力期間の開始時にスイッチ211、214をオフ、スイッチ212、213をオンとし、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時にスイッチ211、214をオン、スイッチ212、213をオフとなるように制御する。すなわち、図7は、図6とは逆のスイッチ制御を行う。このようなスイッチ制御においても図6の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。ただし、この制御方法の作用は、図6のスイッチ制御の場合とは、やや異なる。
図7に示した制御方法による作用を次に説明する。まず、出力期間T2からT1へ替わる場合について説明する。
出力期間T2では、容量素子210は端子10と出力端子3との間に接続されている。出力期間T2の終了間際では出力安定状態に達しているものとすると、トランジスタ101、102のゲート・ソース間電圧はそれぞれ閾値電圧に近い値で安定しており、このときの端子10、20の電位は、図1の説明と同様にV10、V20である。また出力期間T2では放電動作が行われているので出力電圧Vout=Vout2は低電位であるとし、容量素子210には、電圧V10と電圧Vout2の電位差(V10−Vout2)を保つ電荷が蓄えられている。また、スイッチ211はオン状態で、その寄生容量C211は、両端間の電位差ゼロの状態になっている。
この状態から、出力期間T1に切り替わると、出力期間T1の開始時に、端子10に接続されていた容量素子210の一端は、瞬時に出力端子3に接続され、出力端子3に接続されていた容量素子210の他端は、瞬時に端子20に接続され、容量素子210は端子20と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。また、スイッチ211はオフ状態となり、その寄生容量C211の一端は電圧V10、他端には電圧Vout2が瞬時に印加される。接続切り替え直後、寄生容量C211、容量素子210は電位差を保持しようとし、大容量負荷(データ線)が接続された出力端子3も電圧Vout2を保持しようとするため、電位保持能力の弱い端子10の電位は、寄生容量C211を介して、電圧Vout2まで引き下げようとする降圧作用を受け、端子20の電位は電圧Vout2から容量素子210の電位差(V10−Vout2)が減算された電圧(2Vout2−V10)まで引き下げようとする降圧作用を受ける。
したがって、接続切り替えにより端子10の電位は電圧Vout2に依存した作用で瞬間的に引き下げられ、これにより、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対する一時的な充電動作が生じる。一方、端子20の電位も引き下げられるが、これにより、トランジスタ102はオフ状態になるだけであり、出力電圧に影響を及ぼさない。これが、本実施例における、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用である。なお、寄生容量C212は、容量素子210の接続切り替え直後、両端がショートされるため作用を生じることはない。また、容量素子210の接続切り替え直後の端子10の電位に対する降圧作用は、差動増幅段4から端子10側への電荷の供給や端子10の電位の変動による出力電圧Voutの上昇などにより次第に緩和されていく。
一方、差動増幅段4は、出力期間T1の開始とともに、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段4の出力に基づく出力増幅段6の動作は、期間T1の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ充電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ充電作用の途中から、差動増幅段4の出力変化による充電動作に切り替わる。したがって、図5の差動増幅器の出力期間T2からT1への動作は、出力期間T1の開始とともにブートストラップ作用により、瞬間的に出力端子3の充電動作が行われて出力電圧Voutを一定量引き上げ、その後、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じた充電動作が行われる。
次に、出力期間T1からT2へ替わる場合について説明する。出力期間T1では容量素子210は端子20と出力端子3との間に接続されている。出力期間T1の終了間際では出力安定状態に達しているものとすると、トランジスタ101、102のゲート・ソース間電圧はそれぞれ閾値電圧に近い値で安定しており、このときの端子10、20の電位もそれぞれV10、V20である。また出力期間T1では充電動作が行われているので出力電圧Vout=Vout1は高電位であるとし、容量素子210には電圧Vout1と電圧V20の電位差(Vout1−V20)を保つ電荷が蓄えられている。またスイッチ212はオン状態で、その寄生容量C212は両端間の電位差ゼロの状態になっている。
この状態から出力期間T2に切り替わると、出力期間T2の開始時に端子20に接続されていた容量素子210の一端は瞬時に出力端子3に接続され、出力端子3に接続されていた容量素子210の他端は瞬時に端子10に接続され、容量素子210は端子10と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。またスイッチ212はオフ状態となり、その寄生容量C212の一端は電圧V20、他端には電圧Vout1が瞬時に印加される。接続切り替え直後、寄生容量C212、容量素子210は電位差を保持しようとし、大容量負荷(データ線)が接続された出力端子3も電圧Vout1を保持しようとするため、電位保持能力の弱い端子20の電位は寄生容量C212を介して電圧Vout1まで引き上げようとする昇圧作用を受け、端子10の電位は電圧Vout1に容量素子210の電位差(Vout1−V20)が加算された電圧(2Vout1−V20)まで引き上げようとする昇圧作用を受ける。
したがって、接続切り替えにより端子20の電位は電圧Vout1に依存した作用で瞬間的に引き上げられ、これによりトランジスタ102のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対する一時的な放電動作が生じる。一方、端子10の電位も引き上げられるが、これによりトランジスタ101はオフ状態になるだけで出力電圧に影響を及ぼさない。これは、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用である。なお寄生容量C211は容量素子210の接続切り替え直後、両端がショートされるため作用を生じることはない。また、容量素子210の接続切り替え直後の端子20の電位に対する昇圧作用は、差動増幅段4から端子20側への電荷の供給や端子20の電位の変動による出力電圧Voutの低下などにより次第に緩和されていく。
一方、差動増幅段4は、出力期間T2の開始とともに非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段4の出力に基づく出力増幅段6の動作は、期間T2の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ放電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ放電作用の途中から差動増幅段4の出力変化による放電動作に切り替わる。したがって、図5の差動増幅器の出力期間T1からT2への動作は、出力期間T2の開始とともにブートストラップ作用により瞬間的に出力端子3の放電動作が行われて出力電圧Voutを一定量引き下げ、その後、非反転入力端子電圧及び反転入力端子電圧VinP、VinNの差電圧に応じた放電動作が行われる。
図40および図41は、図7に示したスイッチ制御による図5の差動増幅器の作用を説明するための図であり、出力端子電圧Voutを1Vから9Vに充電する場合の作用を説明するための図である。図40(A)に示すように、充電期間への切替直前の放電動作安定状態では、出力端子電圧Voutは低電位状態とされ、スイッチ211はオン、スイッチ212はオフとされ、容量210の端子間電圧ΔVの電圧は8Vとされ、寄生容量C211の端子間電圧ΔV1は0Vとされる。そして、図40(B)に示すように、充電期間への切替直後において、端子電圧V10が寄生容量C211により降圧作用を受けて低電圧側に変化し、これにより出力端子電圧Voutがトランジスタ101の急速な充電作用で一気に上昇する。一方、端子電圧V20は、容量210により降圧作用を受けるが、出力端子電圧Voutの変化には影響を与えない。そして図41に示すような充電動作安定状態に到達する。この充電動作安定状態では、出力端子電圧Voutが9Vに変化し、端子10、20の電圧V10、V20もそれぞれ9V、1Vに戻り、容量210の端子間電圧ΔVは8Vとなり、寄生容量C211の端子間電圧ΔV1も0Vとなる。なお切替直後から充電動作安定状態への変化の過程では、容量210や寄生容量C211の端子間電圧ΔV、ΔV1は、端子電圧V10、V20や出力端子電圧Voutの変化で、多少の電位差変化があるものの、それほど大きな電位差変化はない。また容量210や寄生容量C211の端子間電圧ΔV、ΔV1の電位差変化を充電動作安定状態のΔV=8VやΔV1=0Vに戻す作用は、出力端子電圧Voutの立ち上がりの途中から動作する差動増幅段(図5の4)の出力により行われ、端子10、20を介して容量210や寄生容量C211に電荷が送られることにより安定状態に向かう。また端子電圧V20は、出力端子電圧Voutの急速な上昇があっても、容量210による降圧作用を受けているため、貫通電流は生じない。
以上のように本発明の高速動作のメカニズムは、図5の差動増幅段4からの出力の変化を受けるとる前に、容量210の接続切替により、出力変化後の安定状態に瞬時に近づけること(すなわち容量210の電位差をほとんど変えずに出力端子電圧Voutだけ変化させること)ができるため高速な動作が実現できる。
また、放電期間からの切替後の充電期間において、充電動作の安定状態では、容量210の端子間電圧ΔVは、再びΔV=8Vで安定状態となるため、図5の差動増幅段4から容量210に供給される電荷は少なくてよい。また寄生容量C211は容量値が小さいため、差動増幅段4から容量C211に供給される電荷は非常に少なくてよい。このため、本発明によれば、差動増幅段4の消費電流を増やすことなく高速な動作が実現できる。
以上のように、図5の差動増幅器は、図6又は図7に示したスイッチ制御により、ブートストラップ作用を生じさせることで、従来よりも、高速な充電動作、及び放電動作を実現することができる。また、消費電流を増やさずとも、高速動作が可能である。なお、ブートストラップ作用による高速化は、大振幅の駆動において効果的であり、小振幅の駆動では行わなくてもよい。その場合には、スイッチ状態を変えず、容量素子210の接続状態を保持したままにすれば、ブートストラップ作用は生じず、通常の差動増幅器の動作で小振幅の駆動を行うことができる。
また、図5に示した差動増幅器は、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで、高速化を実現することができる。
なお、図5に示した差動増幅器が、図1と異なる点は、ブートストラップによって変化する端子10、20の電位への作用が、図1では出力電圧に依存しない一定の作用であるのに対して、図5では、接続切り替え直前の出力電圧(Vout1やVout2)に依存している点である。
図1に示した差動増幅器では、小振幅の駆動において、接続切り替えを行った場合、ブートストラップ作用により出力電圧が大きく変化し、オーバーシュートやアンダーシュートが発生する場合がある。
これに対して、図5に示した差動増幅器では、小振幅の駆動の場合でも、ブートストラップ作用によるオーバーシュートやアンダーシュートを、小さく抑えることができる。
この理由について、図6のスイッチ制御による図5の差動増幅器のブートストラップ作用において、端子10の電位が受ける降圧作用を例に挙げて以下に説明する。出力期間T2から出力期間T1への変化における接続切り替え直後の端子10の電位は、上記に説明したように、電圧(2Vout2−V20)への降圧作用を受ける。
この降圧作用は、接続切り替え直前(出力期間T2)の出力電圧Vout2に依存しており、例えば電圧Vout2がV20と同電位のときは、接続切り替え直後の端子10の電位は電圧V20への降圧作用を受ける。
また、接続切り替え直前の電圧Vout2が低電位側電源VSS付近でVout2<V20のときは、接続切り替え直後の端子10の電位は電圧V20よりも更に低い電位への強い降圧作用を受ける。また電圧Vout2がやや高くVout2>V20のときは、接続切り替え直後の端子10の電位は電圧V20よりも高い電位への弱い降圧作用を受ける。すなわち接続切り替え直前の出力電圧Vout2が低いほど接続切り替え直後の端子10の電位が受ける降圧作用は強く、電圧Vout2が高くなるにつれ接続切り替え直後の端子10の電位が受ける降圧作用は弱くなる。
したがって、接続切り替え直後のブートストラップによる充電作用は、接続切り替え直前の出力電圧Vout(=Vout2)が低いほど強く、高くなるにつれて弱くなる。このような作用は、端子20の電位が受ける昇圧作用についても同様で、容量素子210の接続切り替え直後のブートストラップによる放電作用は、接続切り替え直前の出力電圧Vout(=Vout1)が高いほど強く、低くなるにつれて弱くなる。
同様に、図5に示した差動増幅器に対して、図7に示したスイッチ制御を行う場合においても、接続切り替え直後のブートストラップによる充電作用は、接続切り替え直前の出力電圧Vout(=Vout2)が低いほど強く、高くなるにつれて弱くなり、接続切り替え直後のブートストラップによる放電作用は、接続切り替え直前の出力電圧Vout(=Vout1)が高いほど強く、低くなるにつれて弱くなる。
このため、図5に示した差動増幅器は、大振幅の駆動では強いブートストラップ作用で高速な駆動が可能であり、中間電圧付近の小振幅の駆動では弱いブートストラップ作用でオーバーシュートやアンダーシュートを抑えた駆動が可能である。
図8は、図5に示した実施例の一具体例を示す図である。図8を参照すると、この実施例において、スイッチ211、212はそれぞれPチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタで構成され、それぞれのゲートには外部信号S1が入力される。また、スイッチ213、214はそれぞれトランスファーゲートスイッチで構成され、それぞれ外部信号S1及びS1の反転信号が入力される。なおスイッチ211、212の寄生容量C211、C212は図示していないが、トランジスタ211、212のドレイン・ソース間の寄生容量として内在している。そして、図8において外部信号S1を図9及び図10のように制御する。
図9を参照すると、外部信号S1は充電動作を行うあるデータ出力期間T1において出力期間の開始時にハイレベルからローレベルに変化させ、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において出力期間の開始時にローレベルからハイレベルに変化させる。これにより出力期間T1でスイッチ211、214がオン、スイッチ212、213がオフし、出力期間T2でスイッチ211、214がオフ、スイッチ212、213がオンし、図6のスイッチ制御による図5の差動増幅器と同じ作用及び効果を実現することができる。
また図10を参照すると、外部信号S1は充電動作を行うあるデータ出力期間T1において出力期間の開始時にローレベルからハイレベルに変化させ、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において出力期間の開始時にハイレベルからローレベルに変化させる。これにより出力期間T1でスイッチ211、214がオフ、スイッチ212、213がオンし、出力期間T2でスイッチ211、214がオン、スイッチ212、213がオフし、図7のスイッチ制御による図5の差動増幅器と同じ作用及び効果を実現することができる。
図11は、本発明の第3の実施例の差動増幅器の構成を示す図である。図11は、図3の差動増幅段4として、図29に示した差動増幅器を適用した実施例である。図11を参照して、差動増幅段の構成を以下に説明する。図11を参照すると、差動増幅段は、電流源710で駆動されるNチャネル差動対711、712と、電流源720で駆動されるPチャネル差動対721、722と、トランジスタ713、714、715、716で構成されるカスコード型のカレントミラー回路71と、トランジスタ723、724、725、726で構成されるカスコード型のカレントミラー回路72と、浮遊電流源73、74とで構成される。浮遊電流源73、74の具体構成は、省略しているが、図29と同一の構成、もしくは同等の機能をもつ。VDDは高電位側電源、VSSは低電位側電源である。Nチャネル差動対711、712の出力はカレントミラー回路71に入力され、Pチャネル差動対721、722の出力はカレントミラー回路72に入力されている。カレントミラー回路71、72は浮遊電流源73、74により結合されている。またトランジスタ716と浮遊電流源74の接続点は差動増幅段の差動第1出力端子10をなし、トランジスタ726と浮遊電流源74の接続点は差動増幅段の差動第2出力端子20をなしている。またトランジスタ712、722は入力端子1に接続されて非反転入力端子をなし、トランジスタ711、721は入力端子2に接続されて反転入力端子をなす。非反転入力端子1及び反転入力端子2には電圧VinP、VinNがそれぞれ与えられている。なお差動増幅段の詳細な動作は図29において説明したのと同様である。
また、図11の出力増幅段5の構成は、図3に示した構成と同一であり、出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続されゲートが第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続されゲートが第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端が出力端子3に接続され他端がPチャネルトランジスタスイッチ111、Nチャネルトランジスタスイッチ112を介して端子10及び端子20にそれぞれ接続された容量素子110とで構成される。トランジスタスイッチ111、112のそれぞれのゲートには外部信号S1の反転信号が入力される。なお、出力端子3には、図示されない外部負荷(データ線負荷)が接続されている。
図11の差動増幅器の構成は、差動増幅段及びプッシュプル出力段(トランジスタ101、102)が、図29の差動増幅器と同じ構成となっている。図11の差動増幅器の動作を以下に説明する。なお、以下の説明では反転入力端子2と出力端子3とが共通接続されたボルテージフォロワ構成の動作について説明する。ボルテージフォロワ構成においては、出力電圧Voutを反転入力端子の電圧VinNとして帰還入力することで、出力電圧Voutを非反転入力端子の電圧VinPと等しい電圧に駆動することができる。
まず、外部信号S1が充電動作及び放電動作に関係なくハイレベルまたはローレベルに固定された状態の図11の差動増幅器の動作について説明する。このとき、容量素子110は、端子10と出力端子3との間に接続された状態または端子20と出力端子3との間に接続された状態のいずれかとなるが、接続状態が固定されているため、容量素子110は、単に位相補償容量として作用する。したがって、図11の差動増幅器の動作は、図29の差動増幅器と同様に、入力信号VinPの変化に対して一定のスルーレートで出力電圧Voutが変化する。
以下に、容量素子110の接続状態が固定されたボルテージフォロワ構成の図11の差動増幅器の動作を説明する。このときの図11の差動増幅器の動作は、非反転入力端子の電圧VinPと出力電圧Voutが等しいときに定常状態となる。定常状態では同極性の差動トランジスタ対にそれぞれ流れる電流は等しい。またカレントミラー回路71から浮遊電流源73、74を介してカレントミラー回路72に流れる2系統の電流パスは、浮遊電流源73、74によりそれぞれ一定の電流に制御されている。
充電動作を行うデータ出力期間において、非反転入力端子の電圧VinPを高電位側のある電圧に変化させると、Nチャネル差動対711、712のそれぞれに流れる電流は、トランジスタ711に流れる電流が減少し、トランジスタ712に流れる電流は増加する。トランジスタ711に流れる電流の減少により、トランジスタ713に流れる電流も減少し、カレントミラー回路71によりトランジスタ714、716に流れる電流も減少する。このとき、浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点(端子10)側からトランジスタ726との接続点(端子20)側へ定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、端子10の電位は引き下げられ、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が拡大して電源VDDから出力端子3への充電電流が増加する。一方、Pチャネル差動対721、722のそれぞれに流れる電流は、非反転入力端子の電圧VinPを高電位側のある電圧に変化させると、トランジスタ721に流れる電流が増加し、トランジスタ722に流れる電流は減少する。トランジスタ721に流れる電流の増加により、トランジスタ723に流れる電流も増加し、カレントミラー回路72によりトランジスタ724、726に流れる電流も増加する。このとき浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点(端子10)側からトランジスタ726との接続点(端子20)側へ定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、端子20の電位は引き下げられ、トランジスタ102のゲート・ソース間電圧が縮小して出力端子3から電源VSSへの放電電流が減少する。このような作用により、出力電圧Voutは電圧VinPまで上昇したところで安定し、定常状態となる。
また放電動作を行うデータ出力期間では、非反転入力端子の電圧VinPを低電位側のある電圧に変化させると、Nチャネル差動対711、712のそれぞれに流れる電流は、トランジスタ711に流れる電流が増加し、トランジスタ712に流れる電流は減少する。トランジスタ711に流れる電流の増加により、トランジスタ713に流れる電流も増加し、カレントミラー回路71によりトランジスタ714、716に流れる電流も増加する。このとき、浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点(端子10)側からトランジスタ726との接続点(端子20)側へ定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、端子10の電位は引き上げられ、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が縮小して電源VDDから出力端子3への充電電流が減少する。一方、Pチャネル差動対721、722のそれぞれに流れる電流は、非反転入力端子の電圧VinPを低電位側のある電圧に変化させると、トランジスタ721に流れる電流が減少し、トランジスタ722に流れる電流は増加する。トランジスタ721に流れる電流の減少により、トランジスタ723に流れる電流も減少し、カレントミラー回路72によりトランジスタ724、726に流れる電流も減少する。このとき浮遊電流源74は、トランジスタ716との接続点(端子10)側からトランジスタ726との接続点(端子20)側へ定常状態と同じ一定の電流を流そうとするため、端子20の電位は引き上げられ、トランジスタ102のゲート・ソース間電圧が拡大して出力端子3から電源VSSへの放電電流が増加する。このような作用により出力電圧Voutは電圧VinPまで低下したところで安定し、定常状態となる。
次に図11の差動増幅器において、外部信号S1が、図4と同様に制御される場合のボルテージフォロワ構成の動作を説明する。図4と同様に、外部信号S1を充電動作を行う、あるデータ出力期間T1において、出力期間の開始時に、ローレベルからハイレベルに変化させ、放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、出力期間の開始時に、ハイレベルからローレベルに変化させる。これにより、出力期間T1でスイッチ111、112がそれぞれオン、オフに制御され、出力期間T2でスイッチ111、112がそれぞれオフ、オンに制御される。上記スイッチ制御による作用は、図1の差動増幅器と同様である。
出力期間T2から出力期間T1へ替わる場合では、非反転入力端子の電圧VinPが高電位側のある電圧に変化するとともに、出力期間T1の開始時に容量素子110は端子20と出力端子3との間に接続された状態から端子10と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。接続切り替え直後、端子10の電位はブートストラップ作用により瞬間的に引き下げられ、これにより、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対して一時的な充電動作が生じる。
一方差動増幅段は、出力期間T1の開始とともに電圧VinPの高電位側へ電圧変化に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段の出力に基づく出力増幅段5の動作は、期間T1の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ充電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ充電作用の途中から差動増幅段の出力による充電動作に切り替わる。したがって、図11の差動増幅器の出力期間T2からT1への動作は、出力期間T1の開始とともに瞬間的に出力端子3の充電動作が行われて出力電圧Voutを一定量引き上げ、その後、一定のスルーレートでの充電動作が行われ、出力電圧Voutが電圧VinPと等しい電圧まで到達したところで安定して定常状態となる。
出力期間T1から出力期間T2へ替わる場合では、非反転入力端子の電圧VinPが低電位側のある電圧に変化するとともに、出力期間T2の開始時に容量素子110は端子10と出力端子3との間に接続された状態から端子20と出力端子3との間に接続された状態に切り替えられる。接続切り替え直後、端子20の電位はブートストラップ作用により瞬間的に引き上げられ、これによりトランジスタ102のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対して一時的な放電動作が生じる。
一方差動増幅段は、出力期間T2の開始とともに電圧VinPの低電位側へ電圧変化に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段の出力に基づく出力増幅段5の動作は、期間T2の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ放電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ放電作用の途中から差動増幅段の出力による放電動作に切り替わる。したがって、図11の差動増幅器の出力期間T1からT2への動作は、出力期間T2の開始とともに瞬間的に出力端子3の放電動作が行われて出力電圧Voutを一定量引き下げ、その後、一定のスルーレートでの放電動作が行われ、出力電圧Voutが電圧VinPと等しい電圧まで到達したところで安定して定常状態となる。
以上のように、図11の差動増幅器は外部信号S1の制御により、図1や図3の差動増幅器で説明した作用及び効果を実現できる。すなわち充電動作及び放電動作を行うあるデータ出力期間の開始時にブートストラップ作用を生じさせ、従来よりも高速な充電動作及び放電動作を実現できる。また、消費電流を増やさずとも高速動作が可能である。なお、ブートストラップ作用による高速化は大振幅の駆動において効果的であり、小振幅の駆動では行わなくてもよい。その場合には、スイッチ状態を変えず、容量素子110の接続状態を保持したままにすれば、ブートストラップ作用は生じず、通常の差動増幅器の動作で小振幅の駆動を行うことができる。また、図11の差動増幅器は、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで、高速化を実現することができる。
図12は、本発明の第4の実施例の差動増幅器の構成を示す図である。図12も、図29の差動増幅器に対して、本発明を適用した実施例であり、図8の差動増幅段4の一具体例でもある。図12の差動増幅段の構成は図11と同一であるため、説明は省略する。また図12の出力増幅段6の構成は、図8と同一であり、出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続されゲートが第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続されゲートが第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端がPチャネルトランジスタスイッチ211、トランスファーゲートスイッチ213を介して端子10及び出力端子3にそれぞれ接続され、他端がNチャネルトランジスタスイッチ212、トランスファーゲートスイッチ214を介して端子20及び出力端子3にそれぞれ接続された容量素子210とで構成される。トランジスタスイッチ211、212のそれぞれのゲートには外部信号S1が入力され、トランスファーゲートスイッチ213、214には外部信号S1とその反転信号が入力される。トランジスタスイッチ211、212は両端間にドレイン・ソース間の寄生容量(不図示)をもち、この寄生容量をそれぞれC211、C212とする。また出力端子3には外部負荷(データ線負荷)が接続されている。
図12の差動増幅器の構成も図11と同様に、上記差動増幅段及びトランジスタ101、102よりなるプッシュプル出力段の部分が図29の差動増幅器と同じ構成となっている。図12の差動増幅器の動作についてもボルテージフォロワ構成の場合について説明する。外部信号S1が充電動作及び放電動作に関係なくハイレベルまたはローレベルに固定された状態では、容量素子210は端子10と出力端子3との間に接続された状態または端子20と出力端子3との間に接続された状態のいずれかとなり、このとき容量素子210は単に位相補償容量として作用する。したがって、このときの図12の差動増幅器の動作は図29の差動増幅器と同様の動作となり、入力信号VinPの変化に対して一定のスルーレートで出力電圧Voutが変化する。
次に外部信号S1が図9及び図10に示した様に制御される場合のボルテージフォロワ構成の図12の差動増幅器の動作を説明する。図9の制御では、外部信号S1を、充電動作を行うあるデータ出力期間T1及び放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、それぞれの出力期間の開始時に、ハイレベルからローレベルおよびローレベルからハイレベルに変化させる。また図10の制御では、外部信号S1を、充電動作を行うあるデータ出力期間T1及び放電動作を行うあるデータ出力期間T2において、それぞれの出力期間の開始時に、ローレベルからハイレベルおよびハイレベルからローレベルに変化させる。これにより、図9及び図10のそれぞれの制御において、出力期間T1及びT2で、スイッチ211、212、213、214のオン、オフ状態が制御され、図5や図8の差動増幅器で説明したのと同様の作用となる。すなわち、出力期間T2からT1へ替わる場合では、非反転入力端子の電圧VinPが高電位側のある電圧に変化するとともに、出力期間T1の開始時に容量素子210の接続状態が切り替えられる。接続切り替え直後、端子10の電位はブートストラップ作用により瞬間的に引き下げられ、これにより、トランジスタ101のゲート・ソース間電圧が拡大して、出力端子3に対する一時的な充電動作が生じる。
このとき差動増幅段は、出力期間T1の開始とともに電圧VinPの高電位側へ電圧変化に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段の出力に基づく出力増幅段6の動作は、期間T1の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ充電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、ブートストラップ充電作用の途中から差動増幅段の出力による充電動作に切り替わる。したがって、図12の差動増幅器の出力期間T2から出力期間T1への動作は、出力期間T1の開始とともに瞬間的に出力端子3の充電動作が行われて出力電圧Voutを一定量引き上げ、その後、一定のスルーレートでの充電動作が行われ、出力電圧Voutが電圧VinPと等しい電圧に到達したところで安定して定常状態となる。
また、出力期間T1から出力期間T2へ替わる場合では、非反転入力端子の電圧VinPが低電位側のある電圧に変化するとともに、出力期間T2の開始時に、容量素子210の接続状態が切り替えられる。接続切り替え直後、端子20の電位はブートストラップ作用により、瞬間的に引き上げられ、これにより、トランジスタ102のゲート・ソース間電圧が拡大して、一時的な放電動作が生じる。
このとき差動増幅段は、出力期間T2の開始とともに、電圧VinPの低電位側へ電圧変化に応じて動作し始めるが、その出力が差動出力端子10、20に伝達されるまでに応答遅延がある。そのため、差動増幅段の出力に基づく出力増幅段6の動作は、期間T2の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ放電作用よりも動作開始のタイミングが遅れ、差動増幅段に応答遅延があるため、出力期間T2の開始とともに瞬時に動作するブートストラップ放電作用よりも動作開始が遅れ、ブートストラップ放電作用の途中から差動増幅段の出力による放電動作に切り替わる。したがって、図12の差動増幅器の出力期間T1から出力期間T2への動作は、出力期間T2の開始とともに、瞬間的に出力端子3の放電動作が行われ、出力電圧Voutを一定量引き下げ、その後、一定のスルーレートでの放電動作が行われ、出力電圧Voutが電圧VinPと等しい電圧に駆動されたところで安定して定常状態となる。
以上のように、図12の差動増幅器は外部信号S1の制御により、図5や図8の差動増幅器で説明した作用及び効果を実現できる。すなわち、充電動作及び放電動作を行うあるデータ出力期間の開始時に、ブートストラップ作用を生じさせ、従来技術よりも、高速な充電動作及び放電動作を実現できる。また消費電流を増やすことなく、高速動作を可能としている。なお、ブートストラップ作用による高速化は大振幅の駆動において効果的であり、小振幅の駆動では行わなくてもよい。その場合にはスイッチ状態を変えず、容量素子210の接続状態を保持したままにすれば、ブートストラップ作用は生じず、通常の差動増幅器の動作で小振幅の駆動を行うことができる。また図12の差動増幅器は、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで高速化を実現することができる。
図13及び図14は、それぞれ、図11の応用例を示す図である。図13に示す回路構成では、端子10と出力端子3との間に、容量素子121を設け、端子20と出力端子3との間に容量素子122が設けられている。また図14に示す回路構成では、トランジスタ714と716との接続点と出力端子3との間に容量素子123を設け、トランジスタ724と726との接続点と出力端子3との間に容量素子124が設けられている。容量素子121、122及び123、124による作用を以下に説明する。
図11の差動増幅器では、容量素子110がブートストラップ容量として機能するとともに、位相補償容量としても機能する。しかし、容量素子110は、端子10と出力端子3との間に接続された状態、または端子20と出力端子3との間に接続された状態になっており、端子10又は20の少なくとも一方は容量素子110と接続されない状態となる。例えば、あるデータ出力期間において、電圧VinP、VinNの差電圧の変化に応じて出力電圧Voutが高速に変化する場合、出力電圧Voutが速やかに安定状態に到達するためにはトランジスタ101の充電能力とトランジスタ102の放電能力が速やかに釣り合わなければならない。このためには、トランジスタ101、102のそれぞれのゲートに接続されている端子10及び20の電位も、速やかに安定しなければならない。
図11の差動増幅器において、端子10及び20のうち、容量素子110が接続されている側は、容量素子110が位相補償を行うため容易に安定するが、容量素子110が接続されていない側は、他に位相補償を行うものがないと、不安定になり易い。したがって、出力電圧Voutが電圧VinPに到達直後、出力電圧Voutが多少の振動を生じる場合がある。
これに対して、図13及び図14では、端子10及び20のうち、容量素子110が接続されない側も、容易に安定するように、容量素子121、122及び容量素子123、124が設けられている。なお、図14の容量素子123、124は、端子10、20に直接接続されていないが、容量素子123は、トランジスタ716が端子10に供給する電流の変化を安定させ、容量素子124は、トランジスタ726が端子20から引き抜く電流の変化を安定させるため、容量素子123、124は、端子10、20を安定させる作用がある。
すなわち図13及び図14は、出力波形の振動を抑えて波形整形を行うことのできる構成である。なお、容量素子121、122及び123、124は、容量素子110よりも、比較的小さい容量値で形成することが好ましい。これは、容量素子121、122及び123、124の容量値が大きくなると、ブートストラップ動作時の端子10及び20の変動が抑制されるためである。一方、このことを利用して、容量素子110と容量素子121、122または容量素子110と容量素子123、124の容量値の比率を考慮して設計すれば、ブートストラップ動作時の出力電圧Voutの昇圧レベルや降圧レベルを制御することも可能である。なお図13及び図14は、図11の差動増幅器の駆動安定性を高めるための補助容量素子(121、122、123、124)の代表的な接続例を示したもので、これ以外の接続方法も可能である。例えば、端子10と高電位側電源VDDとの間、端子20と低電位側電源VSSとの間にそれぞれ補助容量素子を設けてもよい。また容量素子110の接続切替に応じて、端子10及び20の容量素子110が接続されない側に接続されるような、接続切替可能な補助容量素子を設けてもよい。
以下に図14の差動増幅器の作用について電圧波形を参照して説明する。なお図14に示すように、補助容量123、124を2段カスコードカレントミラーの1、2段目の接続点と出力端子3に接続されている。図36(A)は、図4のスイッチ制御(信号S1の制御)による、図14のボルテージフォロワ構成の入出力波形(VinP、Vout)を示す図である。図36(A)において、1出力期間T1(充電)のはじめに、前述したように、容量110のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの上昇(立ち上がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に(高スルーレート)、ある電圧(図では4.5V近辺)まで上昇し、その後、差動増幅段の出力に応じて、トランジスタ101による充電作用が行われ、すなわち、スルーレートを緩和させて(傾きを鈍らせて)、10Vまで上昇する。1出力期間T2(放電)への切替時、容量110のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの下降(立ち下がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時にある電圧(図では5.5V近辺)まで下降し、その後、差動増幅段の出力に応じてトランジスタ102による放電作用が行われ、スルーレートを緩和させて(傾きを鈍らせて)、低電圧側に下降する。なお、緩和されたスルーレート(傾き)は、容量110の接続が固定された状態のスルーレートにほぼ等しい。図36(B)は、図36(A)の出力端子電圧の変化に対応して、図14におけるプッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。電圧波形V10、V20の様子から、ブートストラップ作用により図14の差動増幅器のプッシュプル出力段に余計な貫通電流(VDDからトランジスタ101、102を通してVSSに流れる電流であり、「Short Circuit Current」ともいう)が発生するかどうかを確認することができる。出力期間開始直後のブートストラップ作用時に、電圧V10、V20が安定状態における電位よりもそれぞれ低電位側及び高電位側に同時に変化すれば貫通電流が発生する。図36(B)より、丸印で囲んで示す位置にわずかな貫通電流が発生するが、電流値は小さく消費電力への影響も小さい。
図15及び図16は、それぞれ、図12の応用例を示す図である。図15に示す構成では、端子10と出力端子3との間に容量素子221を設け、端子20と出力端子3との間に容量素子222が設けられている。
また図16に示す構成では、トランジスタ714と716との接続点と出力端子3との間に容量素子223が設けられ、トランジスタ724と726との接続点と出力端子3との間に容量素子224が設けられている。容量素子221、222及び223、224による作用は、図13、図14に示した構成の場合と同様であり、以下に簡単に説明する。図12の差動増幅器でも容量素子210がブートストラップ容量として機能するとともに位相補償容量としても機能する。あるデータ出力期間において、電圧VinP、VinNの差電圧の変化に応じて出力電圧Voutが高速に変化したときに、出力電圧Voutが速やかに安定状態に到達するためには、トランジスタ101、102のそれぞれのゲートに接続されている端子10及び20の電位も速やかに安定しなければならない。しかし、端子10又は20の少なくとも一方は容量素子210と接続されない状態になっている。
そこで、図15及び図16に示す構成においても、端子10及び20のうち、容量素子210が接続されない側でも容易に安定するように、容量素子221、222及び223、224が設けられている。なお、図16の容量素子223、224は端子10、20に直接接続されていないが、図14の容量素子123、124と同様の作用により、容量素子223、224は、端子10、20を安定させることができる。
すなわち、図15及び図16は、図13及び図14と同様に出力波形の振動を抑えて波形整形を行うことのできる構成である。なお、容量素子221、222及び223、224は、容量素子210よりも比較的小さい容量値で形成することが好ましい。これは、容量素子221、222及び223、224の容量値が大きくなると、ブートストラップ動作時の端子10及び20の変動が抑制されるためである。一方、このことを利用して、容量素子210と容量素子221、222または容量素子210と容量素子223、224の容量値の比率を考慮して設計すれば、ブートストラップ動作時の出力電圧Voutの昇圧レベルや降圧レベルを制御することも可能である。なお図15及び図16も、図12の差動増幅器の駆動安定性を高めるための補助容量素子(221、222、223、224)の代表的な接続例を示したもので、これ以外の接続方法も可能である。
以下に図16の差動増幅器の作用を電圧波形を参照して説明する。なお図16に示すように、補助容量223、224を2段カスコードカレントミラーの1、2段目の接続点と出力端子3間に接続されている。図39(A)は、図9に示したスイッチ制御(信号S1の制御)による図16のボルテージフォロワ構成の入出力波形(VinP、Vout)を示す図である。図39(A)に示すように、入力端子電圧VinPの上昇(立ち上がり)に際して、出力端子電圧Voutは容量素子210のブートストラップ作用により瞬時に上昇し、そのあと、差動増幅段の出力に基づき、トランジスタ101による充電作用によりスルーレートを緩和させて上昇する。また入力端子電圧VinPの下降(立ち下がり)に際して、出力端子電圧Voutは容量素子210のブートストラップ作用により瞬時に下降し、そのあと、差動増幅段の出力に基づき、トランジスタ102による放電作用により、スルーレートを緩和させて下降する。なお、緩和されたスルーレート(傾き)は、容量210の接続が固定された状態のスルーレートにほぼ等しい。図39(B)は、図39(A)の出力端子電圧に変化に対応して、図16におけるプッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。図36(B)と同様に電圧波形V10、V20の様子から、ブートストラップ作用により図16の差動増幅器のプッシュプル出力段に余計な貫通電流が発生するかどうかを確認することができる。図39(B)より、丸印で囲んで示す位置にわずかな貫通電流が発生するが、電流値は小さく消費電力への影響も小さい。
図42(A)は、図10に示したスイッチ制御(信号S1の制御)による図16のボルテージフォロワ構成の入出力波形(VinP、Vout)を示す図である。図42(A)に示すように、入力端子電圧VinPの上昇(立ち上がり)に際して、出力端子電圧Voutは容量素子210のブートストラップ作用により瞬時に上昇し、そのあと、差動増幅段の出力に基づき、トランジスタ101による充電作用により上昇する。また入力端子電圧VinPの下降(立ち下がり)に際して、出力端子電圧Voutは容量素子210のブートストラップ作用により瞬時に下降し、そのあと、差動増幅段の出力に基づき、トランジスタ102による放電作用によりスルーレートを緩和させて下降する。なお、緩和されたスルーレート(傾き)は、容量210の接続が固定された状態のスルーレートにほぼ等しい。図42(B)は、図42(A)の出力端子電圧に変化に対応して、図16におけるプッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。図42(B)より、ブートストラップ作用による貫通電流はほとんど発生せず、消費電力への影響はほとんどない。
次に、本発明の別の実施例の差動増幅器について説明する。図17は、本発明の第5の実施例の差動増幅器の構成を示す図である。図17は、図31の差動増幅器に本発明を適用したもので、図3の実施例である。図31の差動増幅器は、Rail−to−rail差動増幅器ではないが、一般によく知られた単純な差動増幅器であり、本実施例は、本発明が、図29の差動増幅器以外の差動増幅器に対しても適用可能であることを示すものでもある。
図31の差動増幅器について、以下に簡単に説明しておく。図31を参照すると、差動増幅段は、電流源810で駆動されるNチャネル差動対811、812と、電流源820で駆動されるPチャネル差動対821、822と、Nチャネル差動対811、812の出力対に接続され負荷回路をなすカレントミラー回路813、814と、Pチャネル差動対821、822の出力対に接続され負荷回路をなすカレントミラー回路823、824とで構成される。VDDは高電位側電源、VSSは低電位側電源である。カレントミラー回路813、814の入力端(トランジスタ813のドレイン)と、Nチャネル差動対の出力端(トランジスタ811のドレイン)の接続点は、差動増幅段の第1差動出力端子10をなし、カレントミラー回路823、824の入力端(トランジスタ823のドレイン)とPチャネル差動対の出力端(トランジスタ821のドレイン)の接続点は、差動増幅段の第2差動出力端子20をなしている。
また、トランジスタ811、821のそれぞれのゲートは共通接続され非反転入力端子1をなし、トランジスタ812、822のそれぞれのゲートは共通接続され反転入力端子2をなす。非反転入力端子1及び反転入力端子2には電圧VinP、VinNがそれぞれ与えられている。
出力増幅段は、トランジスタ101、102よりなるプッシュプル出力段で、トランジスタ101、102のそれぞれのソースは電源VDD、VSSに接続され、それぞれのドレインは出力端子3に共通接続され、それぞれのゲートは第1差動出力端子10及び第2差動出力端子20に接続される。
図31の差動増幅器の動作は、非反転入力端子の電圧VinPと反転入力端子の電圧VinNが等しいときに定常状態となり、同極性の差動トランジスタ対にそれぞれ流れる電流は等しい。非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNより高くなると、Nチャネル差動対811、812のトランジスタ811に流れる電流が増加し、トランジスタ812に流れる電流が減少する。そしてカレントミラー回路813、814はトランジスタ814に流れる電流のミラー電流をトランジスタ813に流すため、トランジスタ813に流れる電流は減少する。これにより第1差動出力端子10すなわちトランジスタ101のゲート電圧が引き下げられ、トランジスタ101によって電源VDDから出力端子3への充電電流が増加する。一方、Pチャネル差動対821、822のそれぞれに流れる電流は、非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNより高くなると、トランジスタ821に流れる電流が減少し、トランジスタ822に流れる電流は増加し、そしてカレントミラー回路823、824のトランジスタ823に流れる電流は増加する。これにより第2差動出力端子20すなわちトランジスタ102のゲート電圧も引き下げられ、トランジスタ102により出力端子3から電源VSSへの放電電流が減少する。したがって出力電圧Voutは上昇する。
非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNより低くなると、Nチャネル差動対811、812のトランジスタ811に流れる電流が減少し、トランジスタ812に流れる電流が増加し、そしてカレントミラー回路813、814に流れる電流は増加する。これにより第1差動出力端子10すなわちトランジスタ101のゲート電圧が引き上げられ、トランジスタ101によって電源VDDから出力端子3への充電電流が減少する。一方、Pチャネル差動対821、822のそれぞれに流れる電流は、非反転入力端子の電圧VinPが反転入力端子の電圧VinNより低くなると、トランジスタ821に流れる電流が増加し、トランジスタ822に流れる電流は減少し、そしてカレントミラー回路823、824のトランジスタ823に流れる電流は減少する。これにより第2差動出力端子20すなわちトランジスタ102のゲート電圧も引き上げられ、トランジスタ102により出力端子3から電源VSSへの放電電流が増加する。したがって出力電圧Voutは低下する。
なお、図31に示した差動増幅器では、低位側電源VSSから高位側電源VDDまでの電源電圧範囲に対して、VSSからNチャネル差動対811、812のトランジスタ閾値電圧範囲、及びVDDからPチャネル差動対821、822のトランジスタ閾値電圧範囲では、それぞれの差動対が動作できないため、ダイナミックレンジ(入出力電圧範囲)はやや狭い。
図17は、上記に説明した図31の差動増幅器に対して本発明を適用した構成で、図17の出力増幅段5の構成は図3と同一であり、出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続されゲートが第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続されゲートが第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端が出力端子3に接続され他端がPチャネルトランジスタスイッチ111、Nチャネルトランジスタスイッチ112を介して端子10及び端子20にそれぞれ接続された容量素子110とで構成される。トランジスタスイッチ111、112のそれぞれのゲートには外部信号S1の反転信号が入力される。また図17では波形整形のため、図13と同様に端子10と出力端子3との間に容量素子121を設け、端子20と出力端子3との間に容量素子122を設けた構成を示す。補助容量121、122は図17と異なる接続方法も可能である。例えば、端子10と高電位側電源VDDとの間、端子20と低電位側電源VSSとの間にそれぞれ補助容量を設けてもよい。また容量素子110の接続切替に応じて、端子10及び20の容量素子110が接続されない側に接続されるような、接続切替可能な追加容量素子を設けてもよい。なお図面に記載していないが出力端子3には外部負荷(データ線負荷)が接続されている。
図17の差動増幅器の動作を以下に説明する。外部信号S1が充電動作及び放電動作に関係なくハイレベルまたはローレベルに固定された状態の場合、容量素子110は端子10と出力端子3との間に接続された状態または端子20と出力端子3との間に接続された状態のいずれかとなるが、接続状態が固定されているため容量素子110は単に位相補償容量として作用する。したがって、このときの図17の差動増幅器の動作は、図31の差動増幅器と同様に、入力信号電圧VinP、VinNの差電圧の変化に対して一定のスルーレートで出力電圧Voutが変化する。外部信号S1が図4と同様に制御される場合の図17の差動増幅器の動作は、図1や図3の差動増幅器の動作の説明と同様である。すなわち外部信号S1の制御により充電動作及び放電動作を行うあるデータ出力期間の開始時にブートストラップ作用を生じさせ、従来よりも高速な充電動作及び放電動作を実現できる。また後述する補助容量の最適な接続方法を考慮すれば、消費電流を増やさずとも高速動作が可能である。なお、ブートストラップ作用による高速化は大振幅の駆動において効果的であり、小振幅の駆動では行わなくてもよい。その場合にはスイッチ状態を変えず、容量素子110の接続状態を保持したままにすれば、ブートストラップ作用は生じず、通常の差動増幅器の動作で小振幅の駆動を行うことができる。
次に、本発明の第6の実施例の差動増幅器について説明する。図18は、本発明の第6の実施例の差動増幅器の構成を示す図である。図18も、図31の差動増幅器に本発明を適用したもので、図8の実施例の一つである。図18の出力増幅段6の構成は、図8に示した構成と同一であり、出力端子3と高電位側電源VDDとの間に接続されゲートが第1差動出力端子10に接続されたPチャネル型トランジスタ101と、出力端子3と低電位側電源VSSとの間に接続されゲートが第2差動出力端子20に接続されたNチャネル型トランジスタ102と、一端がPチャネルトランジスタスイッチ211、トランスファーゲートスイッチ213を介して端子10及び出力端子3にそれぞれ接続され、他端がNチャネルトランジスタスイッチ212、トランスファーゲートスイッチ214を介して端子20及び出力端子3にそれぞれ接続された容量素子210とで構成される。トランジスタスイッチ211、212のそれぞれのゲートには外部信号S1が入力され、トランスファーゲートスイッチ213、214には外部信号S1とその反転信号が入力される。
また図18では、波形整形のため、図15と同様に端子10と出力端子3との間に容量素子221を設け、端子20と出力端子3との間に容量素子222を設けた構成を示す。補助容量221、222は図18と異なる接続方法も可能である。なお図面に記載していないがトランジスタスイッチ211、212は両端間にドレイン・ソース間の寄生容量をもち、この寄生容量をそれぞれC211、C212とする。また出力端子3には外部負荷(データ線負荷)が接続されている。
図18を参照して、本実施例の差動増幅器の動作について以下に説明する。外部信号S1が充電動作及び放電動作に関係なくハイレベルまたはローレベルに固定された状態の場合、容量素子210は端子10と出力端子3との間に接続された状態または端子20と出力端子3との間に接続された状態のいずれかとなるが、接続状態が固定されているため容量素子210は単に位相補償容量として作用する。したがって、このときの図18の差動増幅器の動作は、図31の差動増幅器と同様に、入力信号電圧VinP、VinNの差電圧の変化に対して一定のスルーレートで出力電圧Voutが変化する。
外部信号S1が図9や図10と同様に制御される場合の図18の差動増幅器の動作は、図5や図8の差動増幅器の動作の説明と同様である。
すなわち外部信号S1の制御により充電動作及び放電動作を行うあるデータ出力期間の開始時にブートストラップ作用を生じさせ、従来よりも、高速な充電動作及び放電動作を実現できる。また後述する補助容量の最適な接続方法を考慮すれば、消費電流を増やさずとも高速動作が可能である。なお、ブートストラップ作用による高速化は、大振幅の駆動(充放電切替前後での出力端子電圧の電圧変化が大きい駆動)において効果的であり、小振幅の駆動(充放電切替前後での出力端子電圧の電圧変化が小さい駆動)の駆動では行わなくてもよい。その場合には、スイッチ状態を変えず、容量素子210の接続状態を保持したままにすれば、ブートストラップ作用は生じず、通常の差動増幅器の動作で小振幅の駆動を行うことができる。また、図18の差動増幅器は、充電動作及び放電動作が頻繁に行われても、消費電力を抑えたままで高速化を実現することができる。なお、図18において、負荷回路をなすカレントミラー回路の出力トランジスタ813、823のドレイン間に浮遊電流源(図16の74参照)を備えた構成としてもよい。
以上のように、本発明が適用できる差動増幅器は、図29及び図31に示した差動増幅器にとどまらず、それ以外の様々な差動増幅器に対しても適用することができる。すなわち図1、図3、図5、図8の各構成において好適な差動増幅段4を構成すれば、本発明と同様の効果を実現することができる。
図19は、図12の構成を更に具体的に示したものである。電流源710、720はそれぞれNチャネルトランジスタ及びPチャネルトランジスタで構成でき、それぞれのゲートにバイアス電圧BIASN、BIASPを与えることにより差動対に流す電流を制御することができる。図12以外の構成でも同様に適用できることは勿論である。
図19の変形例として、ガラスやプラスチックなど絶縁性基板上に形成したバックゲートのないトランジスタで差動増幅器を構成してもよい。
図1から図18までの差動増幅器も、ガラスやプラスチックなど絶縁性基板上に形成したバックゲートのないトランジスタに置き換えた構成が可能であり、図1から図18までに説明したのと同様の作用と効果を実現することができる。
図20は、図19の変形例を示す図であり、バイポーラトランジスタなどの接合型トランジスタで構成した差動増幅器を示す。この場合、図19のトランジスタのドレイン、ソース、ゲートは、それぞれ、接合型トランジスタのコレクタ、エミッタ、ベースに対応する。図1から図18までの差動増幅器も、接合型トランジスタに置き換えた構成が可能である。
図20では、トランジスタ全てを、接合型トランジスタに置き換えた構成を示したが、絶縁ゲート型トランジスタと組み合わせて構成してもよい。なお接合型トランジスタでは、ベース・エミッタ間に電流が流れるが、絶縁ゲート型トランジスタで構成した差動増幅器と、作用はほとんど変わらない。その理由を、出力段増幅段のトランジスタ101が、PNP型の接合型トランジスタ、トランジスタ102がNPN型の接合型トランジスタで構成された場合について簡単に説明する。
トランジスタ101のベース(端子10)の電位及びトランジスタ102のベース(端子20)の電位がデータ出力期間の開始時にブートストラップ作用により瞬時に変化すると、ベース電流が一時的に増加し、ベース電流の増加に伴ってコレクタ・エミッタ間に流れる電流も増加する。したがって、ブートストラップ作用による高速動作を実現することができる。以上のように、図20の差動増幅器も、図1から図18までに説明したのと同様の効果を実現することができる。
次に、本発明の実施例に係るシミュレーション結果について説明する。図21は、シミュレーションに用いたデータ線負荷の等価回路である。液晶表示装置のデータ線負荷は、大画面パネルでは配線総容量が約100pF、配線抵抗も数十kΩになる場合がある。シミュレーションでは、本発明の差動増幅器の出力端子3を、図21の等価回路の一端(端子3)に接続し、大画面パネルでのデータ線負荷に対してシミュレーションを行った。
また、本発明と、従来技術を比較するための比較例では、図29の差動増幅器、本発明として、図16の差動増幅器を用いて、比較し、それぞれボルテージフォロワ構成でシミュレーションを行った。
なお図29と図16において、差動増幅段の各トランジスタ及びプッシュプル出力段のトランジスタ101、102は同じ素子サイズで構成し、図29と図16の消費電流をほぼ同じにした。
また図29において、位相補償容量を図16の容量素子223、224と同じ配置で設け、図29の位相補償容量の合計値と図16の容量素子210、223、224の合計容量値がほぼ同程度になるようにし、位相余裕も同程度となるような条件でシミュレーションを行った。
また駆動条件は、図29、図16ともに、電源電圧10V、1データ出力期間20μsとし、非反転入力端子1の入力電圧VinPに0.2Vと9.8Vを交互に入力した。また図16では、1データ出力期間毎に、容量素子210の接続状態を切り替えるように、外部信号S1を制御している。
図22は、図29と図16の差動増幅器において、図21のデータ線負荷を駆動したときの入出力電圧波形の比較結果を示す図である。図22において、VinP(点線)は共通の入力電圧波形、VoutA(破線)は、図29の出力電圧の波形(比較例)、VoutB(実線)は、図16の出力電圧波形(本発明)である。
出力電圧波形は、出力端子3の電圧(出力端子電圧)の波形であり、データ線負荷近端の電圧変化の様子である。データ線負荷遠端(端子9)の電圧変化は、データ線負荷近端の電圧変化に対して負荷をなす抵抗と容量の時定数で決まるため、差動増幅器の駆動速度の比較は、データ線負荷近端の電圧変化の様子の比較を行えば、十分である。
図22を参照すると、図29の差動増幅器の出力電圧波形VoutAはデータ出力期間の開始とともに、一定のスルーレートで上昇または低下をする。一方、図16の差動増幅器の出力電圧波形VoutBは、データ出力期間の開始直後、瞬時に電圧振幅の半分以上のレベルまで変化し、その後VoutAとほぼ同程度のスルーレートで上昇または低下をしている。
データ出力期間の開始直後の瞬時の電圧変化は、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用によるものである。このためVoutBの方が、VoutAよりも高速であることは明らかである。この作用は、プッシュプル出力段のトランジスタ101、102のそれぞれのゲート端子電圧の変化の様子からも確認することができる。
図23は、図22に示す入出力電圧波形の駆動を行ったときの、図29と図16のプッシュプル出力段のトランジスタ101、102のそれぞれのゲート端子電圧の変化の様子を比較したものである。図29のトランジスタ101、102のゲート端子電圧波形をV10A、V20A(破線)、図16のトランジスタ101、102のゲート端子電圧波形をV10B、V20B(実線)で示す。なお出力安定状態で、V10A、V10Bは9V付近、V20A、V20Bは1V付近の値をとり、充電動作時には、V10A、V10Bは低下し、変化する電圧レベルが低いほど、それぞれのトランジスタ101の充電能力は高くなり、放電動作時には、V20A、V20Bは上昇し、変化する電圧レベルが高いほど、それぞれのトランジスタ102の放電能力は高くなる。
図23を参照すると、V10A、V20Aは、充電動作及び放電動作それぞれのデータ出力期間開始から4.8μs付近で1つのピーク値をとるのに対して、V10B、V20Bは、充電動作及び放電動作それぞれのデータ出力期間開始直後とデータ出力期間開始から2.4μs付近の2箇所でピーク値をとっている。それぞれのピークは充電能力または放電能力が極大となるところである。V10B、V20Bのデータ出力期間開始直後のピークは、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用によるものである。またV10B、V20Bの2つ目のピークは、ブートストラップ作用から通常の差動増幅器の動作に切り替わった後の充電能力または放電能力のピークである。なお、このV10B、V20Bの2つ目のピークのデータ出力期間開始からの発生時間は、V10A、V20Aのピークの発生時間の約半分であり、ブートストラップ作用を行ったことにより通常の差動増幅器の動作に切り替わった後の充電能力または放電能力が最大に到達するまでの時間も早くなっていることがわかる。したがって、V10B、V20Bの電圧変化の様子からも、図16の差動増幅器(本発明)の方が、図29の差動増幅器(比較例)よりも、高速動作であることが確認できる。
以上のように、図22、図23に示したシミュレーション結果から、消費電流がほぼ同じ図29と、図16の差動増幅器において、容量素子210の接続切り替えによるブートストラップ作用により高速駆動が実現できることが確認できた。また図22に示した出力波形の比較から、図29の差動増幅器で図16と同等の駆動速度を実現するためには、図29の回路のスルーレートを約2倍に向上する必要があり、そのためには、図29の差動増幅段に流す電流を数倍に上げなければならず、消費電力が増大する。逆に、図16の差動増幅器を、図29と同程度の駆動速度とする場合には、図16の差動増幅段に流す電流を減らすことができ、このため、消費電力を減らすことができる。なお、図22、図23では、図16に示した実施例の回路構成での回路シミュレーションの結果を示したが、本発明の他の実施例でも、図16とほぼ同様の出力電圧波形となる。なお既に前述した図36、図39、図42も上記シミュレーションによる電圧波形であり、消費電力を増やすことなく高速動作を実現できることは既に説明した通りである。
次に、本実施例における、波形整形用の補助容量(図13の第2、第3の容量121、122、図14の第2、第3の容量123、124)の接続形態による影響について説明する。なお、これらの補助容量についても、メタル容量(配線容量)、ゲート容量の他、容量性要素を具備したものであれば任意である。
本実施例においては、補助容量の有無に関係なく、ブートストラップ作用による高速化を実現できる。
本実施例においては、補助容量の接続の仕方により、貫通電流が発生する場合があり、消費電力に影響する。
本実施例の図13、図15、図17及び図18に示すように、補助容量を出力端子3と制御端10、20との間に設けた場合、ブートストラップ作用により、出力端子電圧Voutが急速に変化すると、大きな貫通電流が一時的に発生する。ただし、後述されるように、図15及び図18の差動増幅器において、図10のスイッチ制御が行われる場合には、貫通電流を抑えられる。
また、本実施例の図14及び図16に示すように、補助容量を出力端子3と制御端10、20以外の端子との間に設けた場合、ブートストラップ作用により出力端子電圧Voutが急速に変化しても、貫通電流は十分小さく抑えられる。
図43(A)、図43(B)は、第2、第3の位相容量の接続による作用について説明するための図で、図43(A)は図13の121、122の場合、図43(B)は図14の123、124の場合をそれぞれ代表例として示している。図43(A)、図43(B)は、それぞれ放電動作を行う出力期間から充電動作を行う出力期間への切替直後の作用を示している。
図43(A)に示すように、切替直後(充電期間)において、ブートストラップ作用により端子10の電圧V10が降圧作用を受けてVoutが急速に上昇する。補助容量121、122を出力端子と制御端10、20の間に設けた場合、Voutが急速に上昇すると、容量122を介してV20が昇圧作用を受けるため、プッシュプル出力段(トランジスタ101、102)において、高位側電源VDDから低位側電源VSSへ貫通電流が一時的に発生する。そのため低消費電力の差動増幅器として使用する場合には、補助容量の接続としては好ましくない。一方、図43(B)に示すように、補助容量123、124を出力端子と多段カスコード型カレントミラーの接続点との間に設けた場合、Voutが急速に上昇しても、端子20の電圧V20は容量124を介して変動することはない。Voutが急速に上昇するときに、トランジスタ102のゲート・ソース間の寄生容量を介して電圧V20がわずかに変動する場合があるが、その作用は小さく、したがって貫通電流が生じにくい。そのため、低消費電力の差動増幅器として使用する場合の補助容量の接続としては好ましい。以上、図13及び図14の補助容量の接続による作用を説明したが、他の実施例についても図13及び図14と同様の補助容量の接続では、それぞれ上記と同様の作用を生じる。
ただし、2つの補助容量を出力端子と制御端10、20の間に設けた構成でも、図8の差動増幅器において図10のスイッチ制御(信号S1の制御)を行う場合には、貫通電流を小さく抑えることができる。これは、図40を参照して説明した作用と同様に、ブートストラップ充電作用では、端子電圧V20が降圧作用を受けるので、補助容量によるV20の昇圧作用が生じても相殺されるためである。したがって図8の差動増幅器の具体例である図15や図18では、図10のスイッチ制御(信号S1の制御)を行う場合には貫通電流を小さく抑えることができる。また、他の補助容量の接続例として、補助容量の一端を端子10及び20に接続し、他端を任意の固定電源(例えばVDDやVSS)端子との間に設けた構成でもよい。この場合、ブートストラップ作用によりVoutが急速に変動しても、電圧V10やV20の変動を小さく抑える作用があり、貫通電流が生じにくい。
以下に、二つの補助容量を出力端子と制御端10、20の間に設けた本発明の差動増幅器の作用について、入出力電圧波形(シミュレーション)を参照して説明する。図44(A)は、図4のスイッチ制御(信号S1の制御)による、図13の差動増幅器をボルテージフォロワ構成とした入出力波形(VinP、Vout)を示す図である。図44(A)において、1出力期間T1(充電)のはじめに、容量110のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの上昇(立ち上がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に上昇し、その後、トランジスタ101により10Vまで上昇する。1出力期間T2(放電)への切替時、容量110のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの下降(立ち下がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に下降し、その後、トランジスタ102により低電圧側に下降する。したがってブートストラップ作用による高速動作は実現されている。一方、図44(B)は、図44(A)の出力端子電圧Voutの変化に対応して、図13におけるプッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。電圧波形V10、V20の様子から、ブートストラップ作用により、図13の差動増幅器のプッシュプル出力段に余計な貫通電流が発生するかどうかを確認することができる。図44(B)より、丸印で囲んで示す位置に大きな貫通電流が発生している。したがって、図13の差動増幅器では、消費電力は抑制することができない。
図45(A)は、図9に示したスイッチ制御(信号S1の制御)による、図15の差動増幅器をボルテージフォロワ構成とした入出力波形(VinP、Vout)を示す図である。図45(A)において、1出力期間T1(充電)のはじめに、容量210のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの上昇(立ち上がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に上昇し、その後、トランジスタ101により10Vまで上昇する。1出力期間T2(放電)への切替時、容量210のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの下降(立ち下がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に下降し、その後、トランジスタ102により低電圧側に下降する。したがってブートストラップ作用による高速動作は実現されている。一方、図45(B)は、図45(A)の出力端子電圧Voutの変化に対応して、図15におけるプッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。図44(B)と同様に、電圧波形V10、V20の様子から、ブートストラップ作用により、図15の差動増幅器のプッシュプル出力段に余計な貫通電流が発生するかどうかを確認することができる。図45(B)より、丸印で囲んで示す位置に大きな貫通電流が発生している。したがって、図9に示したスイッチ制御(信号S1の制御)による図15の差動増幅器では、消費電力を抑制することができない。
図46(A)は、図10のスイッチ制御(信号S1の制御)による、図15の差動増幅器をボルテージフォロワ構成とした入出力波形(VinP、Vout)を示す図である。図46(A)において、1出力期間T1(充電)のはじめに、容量210のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの上昇(立ち上がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に上昇し、その後、トランジスタ101により10Vまで上昇する。1出力期間T2(放電)への切替時、容量210のブートストラップ作用により、入力端子電圧VinPの下降(立ち下がり)に対して出力端子電圧Voutは、瞬時に下降し、その後、トランジスタ102により低電圧側に下降する。したがってブートストラップ作用による高速動作は実現されている。一方、図46(B)は、図46(A)の出力端子電圧Voutの変化に対応して、図15におけるプッシュプル出力段の制御端10、20の電圧波形V10、V20を示す図である。図44(B)と同様に、電圧波形V10、V20の様子から、ブートストラップ作用により、図15の差動増幅器のプッシュプル出力段に余計な貫通電流が発生するかどうかを確認することができる。図46(B)より、丸印で囲んで示す位置に貫通電流はほとんど発生しない。これは、充電期間(T1)開始時では、ブートストラップ作用による端子電圧V20の降圧作用が、補助容量222を介したV20の昇圧作用を制御し、放電期間(T2)開始時では、ブートストラップ作用による端子電圧V10の昇圧作用が、補助容量221を介したV10の降圧作用を抑制するためである。したがって、図10に示したスイッチ制御(信号S1の制御)による図15の差動増幅器では、消費電力を増やすことなく高速動作を実現することができる。なお、2つの補助容量を出力端子と制御端10、20の間に設けた図17及び図18の差動増幅器についても、いずれも高速動作を実現することはできるが、消費電力を抑える場合には、図10のスイッチ制御(信号S1の制御)による図18の差動増幅器が好ましい。
次に、位相容量と波形整形の補助容量(第2、第3の容量)の容量比による作用について説明する。図47は、図10に示したスイッチ制御(信号S1の制御)による、図16の差動増幅器をボルテージフォロワ構成とした入出力波形を示す図である。図47において、
・出力端子電圧VoutC1は、位相容量210と補助容量223、224の容量比が10対3、
・出力端子電圧VoutC2は、位相容量210と補助容量223、224の容量比が6対5、
・出力端子電圧VoutC3は、位相容量210と補助容量223、224の容量比が2対7、
にそれぞれ対応している。
位相容量(110または210)と補助容量の容量比は、位相容量の比率が大きいほど、出力期間開始時の瞬時に変化するVoutの電圧変化量も大きくなる。したがってブートストラップ作用による瞬時の電圧変化量の制御を、位相容量(110または210)と補助容量の容量比の調整によって行うことができる。
次に、本発明の実施例に係る表示装置について説明する。図24及び図25は、本発明に係る差動増幅器を液晶表示装置のデータドライバのバッファ回路510として用いた場合の実施例を説明するための図である。図24、図25について説明するにあたり、まず、液晶表示装置の駆動方法について、簡単に説明しておく。以下では、代表的な駆動方法のドット反転駆動とコモン反転駆動の2つについて簡単に説明する。液晶表示装置の駆動方法では、液晶の劣化を防ぐため、液晶の両端電極(画素電極と対向基板電極)に印加する電圧の極性を、通常1フレーム毎に反転させた交流駆動が行われる。ドット反転駆動では、対向基板電極電圧Vcomを一定とし、Vcomよりも高電位側(正極性)の階調電圧と、Vcomよりも低電位側(負極性)の階調電圧と、を交互に、画素電極に印加する。そのため、液晶に印加する最大電圧の約2倍の電源電圧が必要となる。また、表示品質を高めるため、隣り合う画素電極に印加する電圧極性も、できるだけ異なるように駆動する。したがって、ドット反転駆動を行うデータドライバは、一般に、隣り合うバッファ回路から出力される階調電圧の極性は異なる。また、1つのバッファ回路から出力される階調電圧の極性も、mデータ出力期間毎に、極性反転を行い、自然数mが小さいほど、表示品質も高くなる。
一方、コモン反転駆動では、コモン電極(対向基板電極)電圧Vcomを、高電位と低電位の2つの電圧レベルに交互に駆動することで、極性反転を行い、液晶に印加する最大電圧とほぼ同じ電源電圧範囲の階調電圧を用いることができる。ただし、コモン反転駆動では、少なくとも同一画素行の極性は等しくなるため、ドット反転駆動よりも表示品質は劣る。したがって、コモン反転駆動を行うデータドライバは、一般に、隣り合うバッファ回路から出力される階調電圧の極性は等しい。また、1つのバッファ回路から出力される階調電圧の極性も、mデータ出力期間毎極性反転を行い、自然数mが小さいほど表示品質は高くなる。
以上、ドット反転駆動とコモン反転駆動の2つについて簡単に説明したが、それぞれの駆動方法は、その特徴に応じて用いられている。例えば、ドット反転駆動は、高画質が要求される大画面の液晶表示装置等に広く適用され、コモン反転駆動は、低電力が要求される小型携帯機器用の液晶表示装置等に広く適用されている。なお、以下の説明では、それぞれの駆動方法が適用された各液晶表示装置に対して、本発明を適用する場合の構成例とその作用効果を説明する。
図24は、本発明の差動増幅器をドット反転駆動の液晶表示装置のデータドライバのバッファ回路510として用いた場合の構成を説明するための図である。なお、バッファ回路510に適用する本発明の差動増幅器は、ボルテージフォロワ構成(すなわち非反転入力端子に入力信号を供給し、出力端子を反転入力端子に帰還接続する構成)で用いる。
図24を参照すると、このデータドライバは、階調電圧発生回路520と、デコーダ530(選択回路)と、バッファ回路510と、を少なくとも備えて構成される。階調電圧発生回路520は、電源VAと電源VB間に接続された抵抗ストリングで構成され、抵抗ストリングの各端子(タップ)から複数の階調電圧を出力する。デコーダ530は、複数の階調電圧及び映像デジタル信号を入力し、映像デジタル信号に対応した階調電圧を選択してバッファ回路510へ出力する。バッファ回路510は、極性信号POLまたはその反転信号POLBのいずれか一方と、デコーダ530から出力された階調電圧とを入力し、入力階調電圧(VinP)を電流増幅して出力端子に出力する。各バッファ回路510の出力端子は、表示部のデータ線に接続される。デコーダ530及びバッファ回路510は出力ごとに設けられ、階調電圧発生回路520は、全出力で共有することができる。また、デコーダ530に入力される映像信号は、好ましくは、図示されないデータレジスタやラッチ、レベルシフタ等で処理された映像デジタル信号を用いられる。
バッファ回路510について更に詳しく説明すると、ドット反転駆動では、隣り合うバッファ回路510から出力される階調電圧の極性は異なり、例えばあるデータ出力期間において、図24の奇数番目のバッファ回路の出力は正極性、偶数番目のバッファ回路の出力は負極性となる。また、mデータ出力期間毎に、それぞれの極性は反転される。ドット反転駆動において、駆動速度が遅くなるのは、バッファ回路510の出力電圧が大振幅の場合であり、極性反転のときに生じる。なお、連続する出力期間で極性が同じ場合には、出力電圧の変化は小さいため、駆動速度は比較的早い。
したがって、図24に示す例では、バッファ回路510の出力電圧が大振幅の場合に高速駆動を行うため、極性信号POLまたはその反転信号POLBを本発明の差動増幅器の外部信号S1として用いる。このときの外部信号S1と、バッファ回路510の出力電圧波形について、図26、図27を参照して説明する。
図26及び図27の電圧波形は、図22のシミュレーション結果を参考にしたバッファ回路510の出力電圧波形を、模式的に示した図であり、VoutAは従来の差動増幅器、VoutBは、本発明の差動増幅器の場合をそれぞれ表している。また、それぞれ図中の電圧VMは、対向基板電極電圧Vcomに対応する。
図26は、m=1の1データ出力期間毎に、極性反転を行う場合の実施例における電圧波形であり、正極性で電圧VH1、負極性で電圧VL1を駆動するときの出力電圧波形である。極性反転を1データ出力期間毎に行うため、充電動作と放電動作とが交互に行われる。
従来の差動増幅器の出力電圧波形VoutAは、データ出力期間の開始とともに一定のスルーレートで変化する。これに対して、本発明の差動増幅器の出力電圧波形VoutBは、データ出力期間の開始時に、ブートストラップ作用により、瞬時に、一定量の電圧レベルまで変化した後、VoutAと同程度のスルーレートで変化する。したがって、本発明の差動増幅器を用いたバッファ回路510は、従来の回路よりも高速駆動を実現できる。
図27は、m=2の2データ出力期間毎に極性反転を行う場合の実施例における電圧波形を示す波形図であり、正極性で電圧VH1、VH2を連続で駆動し、負極性で電圧VL1、VL2を駆動するときの出力電圧波形である。
時間t0では、負極性から正極性に変わるため充電動作が行われ、時間t2では、正極性から負極性に変わるため放電動作が行われ、VoutA、VoutBそれぞれの場合とも電圧振幅(電圧変動量)が大きくなる。一方、時間t1、時間t3では、極性は変わらず、VoutA、VoutBとも電圧振幅(電圧変動量)は小さい。
図27に示すように、従来の差動増幅器の出力電圧波形VoutAは、各データ出力期間開始とともに、電圧振幅(電圧変動量)に関係なくほぼ一定のスルーレートで変化するが、本発明の差動増幅器の出力電圧波形VoutBは、時間t0、t2では、データ出力期間の開始時に、ブートストラップ作用により、瞬時に、一定量の電圧レベルまで変化した後、VoutAと同程度のスルーレートで変化し、時間t1、t3では、VoutAと同様に、データ出力期間開始とともに、一定のスルーレートで変化する。
したがって、本発明の差動増幅器を用いたバッファ回路510は、電圧振幅が大きくなるデータ出力期間で、従来の差動増幅器よりも、高速駆動を実現できる。
以上より、図24のデータドライバは、ドット反転駆動において、本発明の差動増幅器をバッファ回路510に適用することにより、ブートストラップ作用による高速動作を実現することができる。また、本発明の貫通電流のほとんどない差動増幅器を用いれば、データ線の駆動周波数が増加して充電動作や放電動作が頻繁に行われる場合でも、消費電力(データ線充放電を除く差動増幅器の消費電力)を増やすことなく高速動作を実現することが可能である。また、十分な駆動速度が実現されている場合には、差動増幅器の消費電流を低減し、消費電力を削減することもできる。
図25は、本発明の差動増幅器をコモン反転駆動の液晶表示装置のデータドライバのバッファ回路510として用いた場合の構成を説明するための図である。なお、バッファ回路510に適用する本発明の差動増幅器は、ボルテージフォロワ構成で用いる。図25を参照すると、このデータドライバは、階調電圧発生回路520と、デコーダ530(選択回路)と、バッファ回路510と、判別回路540とを少なくとも備えて構成される。なお、階調電圧発生回路520、デコーダ530は、いずれも、図24に示した構成と同じであるため、説明は省略する。
判別回路540は、極性信号POLと映像デジタル信号を入力し、バッファ回路510に入力される階調電圧が電源電圧範囲の中間付近の電圧VMに対して、高電位側か低電位側かを判別する判別信号を、バッファ回路510に出力する。なお、判別回路540に入力される映像デジタル信号は、一部の上位ビットだけでよく、最も簡単には最上位ビットだけでもよい。
次に、バッファ回路510について説明すると、コモン反転駆動では隣り合うバッファ回路510から出力される階調電圧の極性は同じで、図25のバッファ回路の出力は、全て同極性となる。また、m出力期間毎に各バッファ回路の極性は反転される。コモン反転駆動においても、駆動速度が遅くなるのは、バッファ回路510の出力電圧が大振幅の場合であり、これは、極性信号POLと映像デジタル信号によって決まる。
したがって、図25に示す構成では、バッファ回路510の出力電圧が大振幅(電圧の変位が大きい)の場合に、高速駆動を行うため、階調電圧が高電位側か低電位側かを判別する判別回路540の判別信号を、本発明の差動増幅器の外部信号S1として用いている。外部信号S1とバッファ回路510の出力電圧波形について、図26、図27を参照して説明する。
図26及び図27の電圧波形は、図22のシミュレーション結果を参考にしたバッファ回路510の出力電圧波形を模式的に示した図である。VoutAは、比較例の差動増幅器(本発明のブートストラップ作用を有しない差動増幅器)の場合、VoutBは、本発明の差動増幅器の場合を表している。また、図26、図27において、電圧VMは、電源電圧範囲の中間付近の電圧に対応し、例えば全階調が64の場合には、31階調の電圧を電圧VMに割り当ててもよい。
図26は、連続するデータ出力期間で、判別回路540の判別信号(S1)が反転する場合の実施例の電圧波形であり、期間t0−t1では、高電位側の電圧VH1、期間t1−t2では、低電位側の電圧VL1を駆動するときの出力電圧波形である。
図27は、連続するデータ出力期間で、判別回路540の判別信号(S1)が不規則に反転する場合の実施例の電圧波形であり、期間t0−t2では、高電位側の電圧VH1、VH2を連続で駆動し、期間t2−t4では、低電位側の電圧VL1、VL2を連続で駆動するときの出力電圧波形である。
時間t0、t2では、判別信号(S1)が反転するため、階調電圧が低電位側から高電位側へ、または、高電位側から低電位側へ変化し、このときに、VoutA、VoutBそれぞれの電圧振幅が大きくなる。一方、時間t1、時間t3では電圧振幅は小さい。
したがって、図26及び図27とも、比較例の差動増幅器の出力電圧波形VoutAは、各データ出力期間の開始とともに、電圧振幅(電圧変動量)に関係なくほぼ一定のスルーレートで変化する。これに対して、本発明の差動増幅器の出力電圧波形VoutBは、階調電圧が低電位側(電圧Vm未満)から高電位側(電圧Vm以上)へ、または、高電位側から低電位側へ変化するときに、各データ出力期間の開始直後のブートストラップ作用により、瞬時に、一定量の電圧レベルまで変化し、その後、VoutAと同程度のスルーレートで変化する。
したがって、本発明の差動増幅器を用いたバッファ回路510は、電圧振幅が大きくなるデータ出力期間において、比較例のバッファ回路(本発明のブートストラップ作用を具備しない回路)よりも、高速駆動を実現できる。
以上より、図25に示したデータドライバは、コモン反転駆動において、本発明の差動増幅器をバッファ回路510に適用することにより、ブートストラップ作用による高速動作を実現することができる。また、本発明の貫通電流のほとんどない差動増幅器を用いれば、データ線の駆動周波数が増加して充電動作や放電動作が頻繁に行われる場合でも、消費電力(データ線充放電を除く差動増幅器の消費電力)を増やすことなく高速動作を実現することが可能である。また、十分な駆動速度が実現されている場合には、差動増幅器の消費電流を低減し、消費電力を削減することもできる。
なお、図24及び図25に示した構成は、データドライバの一実施例であり、それぞれの構成がドット反転駆動やコモン反転駆動に限定されるものではない。例えば図25において、判別回路540と同等の機能をドット反転駆動に用いてもよいことは勿論である。
また図24及び図25のデータドライバは、図28に示す液晶表示装置のデータドライバ980として用いることができる。本発明によるブートストラップ作用を具備した差動増幅器を備えたデータドライバ980により、データ線負荷が大容量となる大画面の液晶表示装置も容易に駆動することができる。なお、図28に示した液晶表示装置は、データドライバ980を、シリコンLSIとして個別に形成して表示部960に接続する構成としてもよく、あるいは、ガラス基板等の絶縁性基板にポリシリコンTFT(薄膜トランジスタ)等を用いて、回路を形成することにより表示部960と一体で形成することも可能である。
その他の方式も含め、このような表示装置のデータドライバのいずれに対しても、本発明に係る差動増幅器を適用することにより、表示装置の性能を高めることができる。例えば、液晶表示装置と同様に、データ線に多値レベルの電圧信号を出力して表示を行うアクティブマトリクス駆動方式の有機ELディスプレイなどの表示装置に対しても、本発明に係る差動増幅器を適用できることは勿論である。
次に、本発明のさらに別の実施例について説明する。図48は、公知の出力回路の構成を示す図である。この出力回路は、高利得のOPアンプ(演算増幅器)105を負帰還ループに接続することにより、クラスB出力段のクロスオーバ歪を低減する。NPN型バイポーラトランジスタ103とPNP型バイポーラトランジスタ104は、正極性電源VCCHと負極性電源VCCL間に直列形態に接続され、OPアンプ105の出力をベースに共通に入力し、共通接続されたエミッタが出力端子Voutに接続されている。OPアンプ105の非反転入力端に入力信号(VinP)が入力され、反転入力端2には、出力端子Voutが接続されるボルテージフォロワ構成とされる。この出力回路は、OPアンプ105のスルーレートが高速駆動を律速する。
図49は、図48の出力回路に、図1に示した本発明の一実施例を適用した回路構成を示す図である。図48のOPアンプ105を、差動増幅段4と、差動増幅段4からの差動第1出力と差動第2出力を受ける連絡段回路7で構成し、連絡段回路7の出力信号3Aが、出力段回路8を構成するNPN型バイポーラトランジスタ103とPNP型バイポーラトランジスタ104のベースに共通に接続されている。差動増幅段4は、図1の差動増幅段4と同一構成とされ、連絡段回路7は、図1、図3の容量接続制御回路を備えた出力駆動段5と同一構成とされる。すなわち、連絡段回路7は、高位側電源VDDと低位側電源VSS間に直列形態に接続され、連絡段をなすPチャネルトランジスタ101とNチャネルトランジスタ102を備え、差動増幅段4からの差動第1出力がPチャネルトランジスタ101のゲートに接続され、差動増幅段4からの差動第2出力がNチャネルトランジスタ102のゲートに接続されている。容量接続制御回路として、一端が出力端子3に接続された容量素子310が設けられ、容量素子310の他端と、Pチャネルトランジスタ101のゲートとの間にスイッチ(Pチャネルトランジスタ)111が接続され、容量素子310の他端と、Nチャネルトランジスタ102のゲートとの間にスイッチ(Nチャネルトランジスタ)112が接続され、制御信号S1の反転信号がPチャネルトランジスタ111とNチャネルトランジスタ112のゲートに接続されている。制御信号S1は、例えば図4に従って制御される。かかる構成の本実施例によれば、制御信号S1によりオン・オフされるスイッチ111、112により接続先が切り替えられる、容量素子310のブートストラップ作用により、瞬時にノード3Aを高いスルーレートで所定の電位まで立ち上がり、又は立下り遷移させ、その後、ボルテージフォロワ構成の差動増幅段4の出力に基づき、ノード3Aを緩和させたスルーレートで立ち上がり、又は立下らせることができる。これにより高速駆動を実現可能としている。なお、連絡段(Pチャネルトランジスタ101とNチャネルトランジスタ102)を複数段備えた構成としてもよい。連絡段(反転素子)を複数段(奇数段)設けることで、差動増幅段4の差動出力電圧(差動第1出力、差動第2出力の差電圧)と出力端子3の出力端子電圧の位相が逆相の場合、スイッチ111、112の制御は、図2に従う。連絡段(反転素子)を偶数段設けることで、差動増幅段4の差動出力電圧(差動第1出力、差動第2出力の差電圧)と出力端子3の出力端子電圧の位相が同相の場合、スイッチ111、112の制御は、図2と逆の制御で行う。なお、出力段回路8を構成するNPN型バイポーラトランジスタ103とPNP型バイポーラトランジスタ104をNチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタで構成してもよい。なお、連絡段回路7の別の構成例として、連絡段回路7を、図5、図8の出力段回路6と同一の構成としてもよい。上記したように、本発明は、任意のプッシュプル型の出力回路に適用可能である。
上記実施例で説明した差動増幅器は、MOSトランジスタで構成されており、液晶表示装置の駆動回路では、例えば多結晶シリコンからなる、MOSトランジスタ(TFT)で構成してもよい。また、上記実施例で説明した差動増幅器、バイポーラトランジスタにも適用できることは勿論である。この場合、Pチャネルトランジスタは、pnpトランジスタよりなり、Nチャネルトランジスタは、npnトランジスタよりなる。上記実施例では、集積回路に適用した例を示したが、ディスクリート素子構成にも適用できることは勿論である。また、上記実施例では、増幅率1のボルテージフォロワ構成の差動増幅器の例について出力波形を用いて本発明の具体的効果を示したが、任意の増幅率をなす差動増幅器についても同様の効果を得られることは勿論である。
次に本発明の別の実施例について説明する。上記各実施例では、容量素子110、210の接続切替は、出力段をなすトランジスタ101、102のそれぞれの制御端10、20と出力端3との間で行われる差動増幅器について説明したが、出力段をなすトランジスタの制御端の代わりに、差動対の出力対の一方に接続してもよい。具体的には、図50を参照すると、本発明の別の実施例として、図11の変更例が示されている。本実施例では、スイッチ111の一端は、端子10に接続されるのではなく、差動対711、712の出力対の一方であるトランジスタ712側の出力端30と接続されている。端子30は、カスコードカレントミラー回路71のトランジスタ714、716の接続点でもある。また、スイッチ112の一端は、端子20に接続される代わりに、差動対721、722の出力対の一方のであるトランジスタ722側の出力端40と接続されている。端子40は、カスコードカレントミラー回路72のトランジスタ724、726の接続点でもある。それ以外の構成は、図11と同様である。そして、図50におけるスイッチ111、112の制御も、図11と同様に制御信号S1により、図4に示すように行われる。
したがって、出力期間T2から出力期間T1へ切り替るときに、ブートストラップ作用により端子30の電位は瞬間的に引き下げられる。このときカスコードカレントミラー回路71のトランジスタ716は、ゲート・ソース電圧が縮小するため、トランジスタ716を流れる電流が減少する。一方、浮遊電流源74は一定の電流をカスコードカレントミラー71との接続点(端子10)からカスコードカレントミラー72との接続点(端子20)へ流そうとするため、端子10の電位は低下する。すなわち、図50の構成においても、図11と同様に、ブートストラップ作用により端子10の電位を低下させて、トランジスタ101により充電動作を一時的に加速させることができる。また、出力期間T1から出力期間T2へ切り替るときも、ブートストラップ作用により端子40の電位が瞬間的に引き上げられ、これによりカスコードカレントミラー回路72のトランジスタ726のゲート・ソース電圧が縮小し、トランジスタ726を流れる電流が減少し、浮遊電流源74は一定の電流を流そうとするため、端子20の電位は上昇する。すなわち、図50の構成においても、図11と同様に、ブートストラップ作用により端子20の電位を上昇させて、トランジスタ102により放電動作を一時的に加速させることができる。
次に、本発明のさらに別の実施例について説明する。図51は図12の変更例で、スイッチ211の一端は、端子10に接続される代わりに、差動対711、712の出力対の一方であるトランジスタ712側の出力端30と接続されている。この端子30は、カスコードカレントミラー回路71のトランジスタ714、716の接続点でもある。また、スイッチ212の一端は、端子20に接続される代わりに、差動対721、722の出力対の一方であるトランジスタ722側の出力端40と接続されている。この端子40は、カスコードカレントミラー回路72のトランジスタ724、726の接続点でもある。それ以外の構成は図12と同様である。図51におけるスイッチ211、212の制御も、図12と同様に制御信号S1により図9または図10に示すように行う。したがって、出力期間T2から出力期間T1へ切り替るときに、ブートストラップ作用により端子30の電位が瞬間的に引き下げられ、それに伴って端子10の電位も引き下げられ、トランジスタ101により充電動作を一時的に加速させることができる。また、出力期間T1から出力期間T2へ切り替るときに、ブートストラップ作用により端子40の電位が瞬間的に引き上げられ、それに伴って端子20の電位も引き上げられ、トランジスタ102により放電動作を一時的に加速させることができる。
以上のように、容量素子の接続切替によるブートストラップ作用で、電位を瞬間的に変化させる端子は、出力段をなすトランジスタの制御端だけでなく、差動対の一方の出力端であってもよい。また、差動対の負荷回路が多段のカレントミラー回路で構成される場合には、多段間の接続点であってもよい。
なお、図50、図51においても、図13〜図16で設けた容量素子(121、122)、(123、124)、(221、222)又は(223、224)を付加することで、図13〜図16と同様の効果が得られることは勿論である。
以上説明したように、本発明によれば、差動増幅器のプッシュプル出力段の2つのトランジスタの一方の制御端と出力端子との間に容量素子を接続した状態と、他方の制御端と前記出力端子との間に前記容量素子を接続した状態とを切り替えることにより、ブートストラップ作用を生じさせて消費電力を増やすことなく高速駆動を実現できる、という効果を奏し、低消費電力・高速駆動型の駆動回路を実現し、例えば表示装置のデータ駆動回路等に適用して好適とされる。
本発明の第1の実施例の構成を示す図である。 本発明の第1の実施例におけるスイッチのオン・オフ制御を示す図である。 本発明の第1の実施例の具体構成を示す図である。 本発明の第1の実施例の具体構成における信号S1のタイミングを示す図である。 本発明の第2の実施例の構成を示す図である。 本発明の第2の実施例におけるスイッチのオン・オフ制御の一例を示す図である。 本発明の第2の実施例におけるスイッチのオン・オフ制御の他の例を示す図である。 本発明の第2の実施例の具体構成を示す図である。 本発明の第2の実施例の具体構成における信号S1のタイミングの一例を示す図である。 本発明の第2の実施例の具体構成における信号S1のタイミングの他の例を示す図である。 本発明の第3の実施例の構成を示す図である。 本発明の第4の実施例の構成を示す図である。 本発明の第3の実施例の応用例を示す図である。 本発明の第3の実施例の他の応用例を示す図である。 本発明の第4の実施例の応用例を示す図である。 本発明の第4の実施例の他の応用例を示す図である。 本発明の第5の実施例の構成を示す図である。 本発明の第6の実施例の構成を示す図である。 本発明の第4の実施例の具体例を示す図である。 図19の変形例を示す図である。 本発明のシミュレーションに用いたデータ線等価回路を示す図である。 本発明の第4の実施例における、出力端子電圧の波形の一例を示す図である。 本発明の第4の実施例における、端子10、20の電圧波形の一例を示す図である。 本発明の第7の実施例の構成を示す図である。 本発明の第8の実施例の構成を示す図である。 本発明の第7、第8の実施例における、信号S1のタイミング及び出力端子電圧の波形の一例を示す図である。 本発明の第7、第8の実施例における、信号S1のタイミング及び出力端子電圧の波形の他の例を示す図である。 表示装置の構成を示す図である。 従来の差動増幅器の一例を示す図である。 従来の差動増幅器の他の例を示す図である。 従来の差動増幅器のさらに他の例を示す図である。 位相容量の接続が固定されている比較例の作用を説明する図であり、(A)は切替直前(放電期間)、(B)は切替後(充電期間)の接続及び電圧を説明する図である。 (A)は、図29の従来技術の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図2のスイッチ制御による図1の実施例の作用を説明するための図であり、(A)は切替前(放電動作安定状態)、(B)は充電動作切替直後の接続及びノード電圧を説明する図である。 図2のスイッチ制御による図1の実施例の作用を説明するための図であり、切替後(充電動作安定状態)の接続及びノード電圧を説明する図である。 図4の信号S1の制御による図14(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図6のスイッチ制御による図5の実施例の作用を説明するための図であり、(A)は切替前(放電動作安定状態)、(B)は充電動作切替直後の接続及びノード電圧を説明する図である。 図6のスイッチ制御による図5の実施例の作用を説明するための図であり、切替後(充電動作安定状態)の接続及びノード電圧を説明する図である。 図9の信号S1の制御による図16(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図7のスイッチ制御による図5の実施例の作用を説明するための図であり、(A)は切替前(放電動作安定状態)、(B)は充電動作切替直後の接続及びノード電圧をそれぞれ示す図である。 図7のスイッチ制御による図5の実施例の作用を説明するための図であり、切替後(充電動作安定状態)の接続及びノード電圧を説明する図である。 図10の信号S1の制御による図16(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図13又は図14の第2、第3の容量(補助容量)の接続による作用を説明するための図である。 図4の信号S1の制御による図13(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図9の信号S1の制御による図15(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図10の信号S1の制御による図15(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、(B)は、(A)におけるプッシュプル出力段の制御端の電圧波形を示す図である。 図10の信号S1の制御による図16(ボルテージフォロワ構成)の実施例の入出力電圧波形を示す図であり、第1の容量(位相容量)と第2、第3の容量(補助容量)の容量比を変えたときの作用を説明するための図である。 従来の増幅器の構成を示す図である。 図48の増幅器に本発明を適用した実施例を示す図である。 本発明の別の実施例の構成を示す図である。 本発明のさらに別の実施例の構成を示す図である。
符号の説明
1 非反転入力端子
2 反転入力端子
3 出力端子
4 差動増幅段
5、6 出力増幅段
7 連絡段回路
8 出力段回路
10、20 差動出力端子
30、40 出力端
71、72 カレントミラー回路
73、74 浮遊電流源
75、76 副電流源回路
101、721、722、713〜716、821、822、813、814、731、741 Pチャネルトランジスタ
102、711、712、723〜726、811、812、823、824、732、742 Nチャネルトランジスタ
103 NPNバイポーラトランジスタ
104 PNPバイポーラトランジスタ
105 OPアンプ
110、121、122、123、124、210、221、222、223、224、310 容量素子
111、112、211、212、213、214 スイッチ
510 バッファ回路
520 階調電圧発生回路
530 デコーダ
540 判別回路
611、612 容量
710、720、750、760、810、820 定電流源
751、761 トランジスタ
960 表示部
961 走査線
962 データ線
963 TFT
964 画素電極
965 液晶容量
966 対向基板電極
970 ゲートドライバ
980 データドライバ









Claims (52)

  1. 非反転入力端子、反転入力端子、第1差動出力端子、及び、第2差動出力端子を有する差動増幅段と、
    出力端子を有する出力増幅段と、
    を備え、
    前記出力増幅段が、
    前記出力端子と第1電源との間に接続され制御端が前記第1差動出力端子に接続された第1のトランジスタと、
    前記出力端子と第2電源との間に接続され制御端が前記第2差動出力端子に接続された第2のトランジスタと、
    容量素子と、
    少なくとも、前記容量素子が前記出力端子と前記第1のトランジスタの制御端との間に接続された第1の接続状態と、前記容量素子が前記出力端子と前記第2のトランジスタの制御端との間に接続された第2の接続状態と、のうちのいずれかに切り替え制御する容量接続制御回路と、
    を備えている、ことを特徴とする差動増幅器。
  2. 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタが、それぞれ、第1導電型及び第2導電型である、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  3. 前記容量接続制御回路は、
    前記容量素子の第1端子が、前記第1のトランジスタの制御端に接続され、前記容量素子の第2端子が、前記出力端子に接続された第1の接続状態と、
    前記容量素子の第1端子が、前記第2のトランジスタの制御端に接続され、前記容量素子の第2端子が前記出力端子に接続された第2の接続状態と、
    に切り替え制御する手段を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  4. 前記容量接続制御回路は、
    前記容量素子の第1端子が、前記第1のトランジスタの制御端に接続され、前記容量素子の第2端子が、前記出力端子に接続された第1の接続状態と、
    前記容量素子の前記第1端子が、前記出力端子に接続され、前記容量素子の前記第2端子が、前記第2のトランジスタの制御端に接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する手段を備えている、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  5. 前記容量素子は、ブートストラップ作用とともに、位相補償を行う容量素子である、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  6. 一端が前記出力端子に接続され、他端が前記差動増幅段の所定の端子に接続されている第2及び第3の容量素子を含む、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  7. 一端が、前記出力端子に接続され、他端が、前記第1及び第2のトランジスタの制御端にそれぞれ接続されている第2及び第3の容量素子を含む、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  8. 前記容量接続制御回路が、
    第1の容量素子と、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第1のトランジスタの制御端との間に挿入されている第1のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第2のトランジスタの制御端との間に挿入されている第2のスイッチと、
    を備え、
    前記容量端子の第2端子は前記出力端子に接続され、
    前記出力端子の充電期間には、前記第1のスイッチがオンとされ、前記第2のスイッチはオフとされ、
    前記出力端子の放電期間には、前記第1のスイッチがオフとされ、前記第2のスイッチはオンとされる、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  9. 前記容量接続制御回路が、
    第1の容量素子と、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第1のトランジスタの制御端との間に挿入されている第1のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記第2のトランジスタの制御端との間に挿入されている第2のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記出力端子との間に挿入されている第3のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記出力端子との間に挿入されている第4のスイッチと、
    を備え、
    前記出力端子の充電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオンとされ、前記第2及び第3のスイッチがオフとされ、
    前記出力端子の放電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオフとされ、前記第2及び第3のスイッチがオンとされる、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  10. 前記容量接続制御回路が、
    第1の容量素子と、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第1のトランジスタの制御端との間に挿入されている第1のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記第2のトランジスタの制御端との間に挿入されている第2のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記出力端子との間に挿入されている第3のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記出力端子との間に挿入されている第4のスイッチと、を備え、
    前記出力端子の充電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオフとされ、前記第2及び第3のスイッチがオンとされ、
    前記出力端子の放電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオンとされ、前記第2及び第3のスイッチがオフとされる、ことを特徴とする請求項1記載の差動増幅器。
  11. 前記差動増幅段が、
    高位側電源に接続されている第1の電流源と、
    前記第1の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第1導電型のトランジスタ対よりなる第1の差動対と、
    前記第1の差動対の出力対に接続されている第1の負荷回路と、
    低位側電源に接続されている第2の電流源と、
    前記第2の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第2導電型のトランジスタ対よりなる第2の差動対と、
    前記第2の差動対の出力対に接続されている第2の負荷回路と、
    を備え、
    前記第1及び第2の負荷回路のそれぞれの出力端が、前記差動増幅段の前記第2及び第1差動出力端子とされている、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載の差動増幅器。
  12. 前記第1の負荷回路が、第2導電型のトランジスタよりなる第1のカレントミラー回路よりなり、
    前記第2の負荷回路が、第1導電型のトランジスタよりなる第2のカレントミラー回路よりなる、ことを特徴とする請求項11記載の差動増幅器。
  13. 前記第1の負荷回路が、第2導電型のトランジスタよりなる第1のカスコード型カレントミラー回路よりなり、
    前記第2の負荷回路が、第1導電型のトランジスタよりなる第2のカスコード型カレントミラー回路よりなる、ことを特徴とする請求項11記載の差動増幅器。
  14. 前記第1の差動対の出力対は、前記第1のカスコード型カレントミラー回路を構成する、縦積みされた2組のトランジスタ対の接続点に接続され、
    前記第2の差動対の出力対は、前記第2のカスコード型カレントミラー回路を構成する、縦積みされた2組のトランジスタ対の接続点に接続されている、ことを特徴とする請求項13記載の差動増幅器。
  15. 前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の入力側のトランジスタ同士は、第1の浮遊電流源を介して結合され、
    前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の出力側のトランジスタ同士は、第2の浮遊電流源を介して結合され、
    前記出力増幅段の前記第2及び第1のトランジスタの制御端が、前記第1カスコード型カレントミラー回路の出力端と前記第2の浮遊電流源との接続点と、前記第2カスコード型カレントミラー回路の出力端と前記第2の浮遊電流源との接続点と、にそれぞれ接続されている、ことを特徴とする請求項13記載の差動増幅器。
  16. 入力信号を差動で受けて差動増幅する差動増幅段と、
    前記差動増幅段の差動出力に基づき、出力端子を充電又は放電する出力トランジスタ対を有する出力増幅段と、
    容量素子と、
    前記容量素子の二つの端子の一方が、前記出力端子に接続され、他方が、前記出力トランジスタ対のそれぞれの制御端のうちのいずれかに切り替え自在に接続されるように制御する切替手段と、
    を備え、
    前記差動増幅段の差動出力の変更時、前記出力トランジスタ対の前記制御端での前記差動増幅段からの差動出力が確定する前に、前記容量素子の接続を切り替えることで、前記出力トランジスタ対のうち、オフからオンへ切替えられることになる一のトランジスタの制御端の電圧を、
    前記一のトランジスタがオンする向きへと変化させ、前記一のトランジスタによる前記出力端子の充電又は放電を速める、ことを特徴とする差動増幅器。
  17. 前記差動増幅段、及び/又は、前記出力増幅段を構成する少なくとも1つのトランジスタがMOSトランジスタよりなる、ことを特徴とする請求項16記載の差動増幅器。
  18. 前記差動増幅段、及び/又は、前記出力増幅段を構成する少なくとも1つのトランジスタが、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項16記載の差動増幅器。
  19. 前記差動増幅段、及び/又は、前記出力増幅段を構成する少なくとも1つのトランジスタが接合型トランジスタよりなる、ことを特徴とする請求項16記載の差動増幅器。
  20. 請求項1乃至19のいずれか一に記載の差動増幅器をバッファ部として備えている、ことを特徴とする、表示装置のデータドライバ。
  21. 請求項1乃至19のいずれか一に記載の差動増幅器をバッファ部として備え、
    前記容量素子の接続の切り替え制御を極性信号に応じて行う、ことを特徴とする表示装置のデータドライバ。
  22. 請求項1乃至19のいずれか一に記載の差動増幅器をデータ線を駆動する回路として備えている、ことを特徴とする表示装置。
  23. 高位側電源と出力端子間に接続され、制御端を有し、前記制御端に入力される信号に基づき、前記出力端子を充電する第1のトランジスタと、
    前記出力端子と低位側電源間に接続され、制御端を有し、前記制御端に入力される信号に基づき、前記出力端子を放電する第2のトランジスタと、
    第1の容量素子と、
    入力される前記制御信号に基づき、前記第1の容量素子を、前記出力端子と前記第1トランジスタの制御端間に接続するか、又は、前記出力端子と前記第2のトランジスタの制御端間に接続するように制御する切替手段と、
    を備えている、ことを特徴とする出力回路。
  24. 前記出力端子の充電/放電の切替時に、前記切替手段は、入力される前記制御信号に基づき、前記第1の容量素子の接続状態を切り替えることで、前記第1及び第2のトランジスタのうち、オフ状態からオン状態へ切替えられる一のトランジスタの制御端の電圧が、前記一のトランジスタがオンする向きへの変化を受け、前記切替開示時における前記一のトランジスタによる、前記出力端子の充電又は放電開示を速める、ことを特徴とする請求項23記載の出力回路。
  25. 前記第1の容量素子の接続状態を切り替えることで、前記制御端が受ける電圧の変化が、前記出力端子の電圧に依存しない一定電圧である、
    ことを特徴とする請求項23記載の出力回路。
  26. 前記第1の容量素子の接続状態を切り替えることで、前記制御端が受ける電圧の変化が、切替直前の前記出力端子の電圧に依存する電圧である、ことを特徴とする請求項23記載の出力回路。
  27. 前記制御信号により、前記出力端子の充電/放電の切替時における、前記出力端子電圧の変化が相対的に大きい場合に、前記制御信号に基づき、前記第1の容量素子の接続状態の切替制御を行い、前記出力端子電圧の変化が相対的に小さい場合には、前記第1の容量素子の接続の切替を行わない制御が行われる、ことを特徴とする請求項23記載の出力回路。
  28. 前記出力端子と前記第1トランジスタの制御端間、及び、前記出力端子と第2のトランジスタの制御端間に第2及び第3の容量素子をそれぞれ備えている、ことを特徴とする請求項23記載の出力回路。
  29. 第1及び第2の入力端と、第1及び第2の出力端とを有し、前記第1及び第2の入力端間の信号を差動で受け差動増幅する差動増幅段を備え、
    出力増幅段として、請求項23乃至27のいずれか一に記載の前記出力回路を備え、
    前記出力回路の前記第1トランジスタの制御端及び前記第2のトランジスタの制御端には、前記差動増幅段の第1及び第2の出力端が接続されている、ことを特徴とする差動増幅器。
  30. 前記差動増幅段が、
    高位側電源に接続される第1の定電流源と、
    前記第1の定電流源で駆動され、入力対から電圧を差動入力する、第1導電型のトランジスタ対よりなる第1の差動対と、
    前記第1の差動対の出力対に接続されている第1の負荷回路と、
    低位側電源に接続される第2の定電流源と、
    前記第2の定電流源で駆動され、入力対から電圧を差動入力する、第2導電型のトランジスタ対よりなる第2の差動対と、
    前記第2の差動対の出力対に接続されている第2の負荷回路と、
    を備え、
    前記第1及び第2の負荷回路のそれぞれの出力端が、前記差動増幅段の第2、第1の出力端とされている、ことを特徴とする請求項29記載の差動増幅器。
  31. 前記第1及び第2の負荷回路が、それぞれ、第1及び第2のカレントミラー回路よりなる、ことを特徴とする請求項30記載の差動増幅器。
  32. 前記第1の負荷回路が、第2導電型のトランジスタよりなる第1のカスコード型カレントミラー回路よりなり、
    前記第2の負荷回路が、第1導電型のトランジスタよりなる第2のカスコード型カレントミラー回路よりなり、
    前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の入力側同士は、第1の浮遊電流源を介して結合され、
    前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の出力側同士は、第2の浮遊電流源を介して結合され、
    前記第1の差動対の出力対は、前記第1のカスコード型カレントミラー回路を構成する、縦積みされた2組のトランジスタ対の接続点に接続され、
    前記第2の差動対の出力対は、前記第2のカスコード型カレントミラー回路を構成する、縦積みされた2組のトランジスタ対の接続点に接続されている、ことを特徴とする請求項30記載の差動増幅器。
  33. 前記出力端子と前記第2の差動対の出力対の一方との間、及び、前記出力端子と前記第1の差動対の出力対の一方との間に、第2及び第3の容量素子をそれぞれ備えている、ことを特徴とする請求項30記載の差動増幅器。
  34. 前記第1の負荷回路の出力端と前記第2の負荷回路の出力端との間を結合する結合手段を有する、ことを特徴とする請求項11又は30記載の差動増幅器。
  35. 前記結合手段が、前記第1負荷回路の出力端と前記第2の負荷回路の出力端との間に接続された少なくとも1つの浮遊電流源を含むことを特徴とする請求項34記載の差動増幅器。
  36. 反転入力端及び非反転入力端と、第1及び第2の出力端とを有し、前記反転入力端と前記非反転入力端間の信号を差動で受け差動増幅する差動増幅段と、
    入力端と出力端を有するプッシュプル型の出力段回路と、を有し、
    さらに、前記差動増幅段と、前記プッシュプル型の出力段回路間の連絡段回路として、請求項23乃至28のいずれか一に記載の前記出力回路を備え、
    前記連絡段回路を構成する前記出力回路の前記第1トランジスタの制御端及び前記第2のトランジスタの制御端には、前記差動増幅段の第1及び第2の出力端が接続され、
    前記連絡段回路を構成する前記出力回路の出力端子は、前記プッシュプル型の出力段回路の入力端に接続され、
    前記連絡段回路を構成する前記出力回路の前記切替手段は、前記出力回路の前記第1の容量素子が、入力される前記制御信号に基づき、前記プッシュプル型の出力段回路の出力端と前記第1トランジスタの制御端間に接続されるか、又は、前記プッシュプル型の出力段回路の前記出力端と前記第2のトランジスタの制御端間に接続されように制御する、ことを特徴とする増幅器。
  37. 前記プッシュプル型の出力段回路の前記出力端からの出力信号は、前記差動増幅段の反転入力端に帰還入力され、前記差動増幅段の非反転入力端に信号が入力される、ことを特徴とする請求項36記載の増幅器。
  38. 非反転入力端子、反転入力端子と、第1差動出力端子、及び第2差動出力端子を有する差動増幅段と、
    出力端子を有する出力増幅段と、
    を備え、
    前記出力増幅段が、
    前記出力端子と第1電源との間に接続され、前記第1差動出力端子からの信号に基づき、前記出力端子を充電する第1のトランジスタと、
    前記出力端子と第2電源との間に接続され、前記第2差動出力端子からの信号に基づき前記出力端子を放電する第2のトランジスタと、
    容量素子と、
    少なくとも、前記容量素子が前記出力端子と前記第1差動出力端子との間に接続された第1の接続状態と、前記容量素子が前記出力端子と前記第2差動出力端子との間に接続された第2の接続状態と、のうちのいずれかに切り替え制御する容量接続制御回路と、
    を備えている、ことを特徴とする差動増幅器。
  39. 前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタが、それぞれ、第1導電型及び第2導電型である、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  40. 前記容量接続制御回路は、
    前記容量素子の第1端子が、前記第1差動出力端子に接続され、前記容量素子の第2端子が、前記出力端子に接続された第1の接続状態と、
    前記容量素子の第1端子が、前記第2差動出力端子に接続され、前記容量素子の第2端子が前記出力端子に接続された第2の接続状態と、
    に切り替え制御する手段を備えている、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  41. 前記容量接続制御回路は、
    前記容量素子の第1端子が、前記第1差動出力端子に接続され、前記容量素子の第2端子が、前記出力端子に接続された第1の接続状態と、
    前記容量素子の前記第1端子が、前記出力端子に接続され、前記容量素子の前記第2端子が、前記第2差動出力端子に接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する手段を備えている、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  42. 前記容量素子は、ブートストラップ作用とともに、位相補償を行う容量素子である、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  43. 一端が、前記出力端子に接続され、他端が、前記第1及び第2差動出力端子にそれぞれ接続されている第2及び第3の容量素子を含む、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  44. 前記容量接続制御回路が、
    第1の容量素子と、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第1差動出力端子との間に挿入されている第1のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第2差動出力端子との間に挿入されている第2のスイッチと、
    を備え、
    前記容量端子の第2端子は前記出力端子に接続され、
    前記出力端子の充電期間には、前記第1のスイッチがオンとされ、前記第2のスイッチはオフとされ、
    前記出力端子の放電期間には、前記第1のスイッチがオフとされ、前記第2のスイッチはオンとされる、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  45. 前記容量接続制御回路が、
    第1の容量素子と、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第1差動出力端子との間に挿入されている第1のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記第2差動出力端子との間に挿入されている第2のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記出力端子との間に挿入されている第3のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記出力端子との間に挿入されている第4のスイッチと、
    を備え、
    前記出力端子の充電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオンとされ、前記第2及び第3のスイッチがオフとされ、
    前記出力端子の放電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオフとされ、前記第2及び第3のスイッチがオンとされる、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  46. 前記容量接続制御回路が、
    第1の容量素子と、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記第1差動出力端子との間に挿入されている第1のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記第2差動出力端子との間に挿入されている第2のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第1端子と前記出力端子との間に挿入されている第3のスイッチと、
    前記第1の容量素子の第2端子と前記出力端子との間に挿入されている第4のスイッチと、を備え、
    前記出力端子の充電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオフとされ、前記第2及び第3のスイッチがオンとされ、
    前記出力端子の放電期間には、前記第1及び第4のスイッチがオンとされ、前記第2及び第3のスイッチがオフとされる、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  47. 前記差動増幅段が、
    高位側電源に接続されている第1の電流源と、
    前記第1の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第1導電型のトランジスタ対よりなる第1の差動対と、
    前記第1の差動対の出力対に接続され、第2導電型のトランジスタよりなる第1のカスコード型カレントミラー回路よりなる第1の負荷回路と、
    低位側電源に接続されている第2の電流源と、
    前記第2の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第2導電型のトランジスタ対よりなる第2の差動対と、
    前記第2の差動対の出力対に接続され、第1導電型のトランジスタよりなる第2のカスコード型カレントミラー回路よりなる第2の負荷回路と、
    を備え、
    前記第1及び第2の負荷回路のそれぞれの出力端が、前記第2及び第1のトランジスタの制御端に接続され、
    前記第1のカスコード型カレントミラー回路の複数段のカレントミラー回路同士の接続点の1つに前記第1の差動対の出力対が接続され、前記接続点の出力側を前記第2差動出力端子とし、
    前記第2のカスコード型カレントミラー回路の複数段のカレントミラー回路同士の接続点の1つに前記第2の差動対の出力対が接続され、前記接続点の出力側を前記第1差動出力端子とする、ことを特徴とする請求項38記載の差動増幅器。
  48. 前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の入力側のトランジスタ同士は、第1の浮遊電流源を介して結合され、
    前記第1及び第2のカスコード型カレントミラー回路の出力側のトランジスタ同士は、第2の浮遊電流源を介して結合され、
    前記出力増幅段の前記第2及び第1のトランジスタの制御端が、前記第1カスコード型カレントミラー回路の出力端と前記第2の浮遊電流源との接続点と、前記第2カスコード型カレントミラー回路の出力端と前記第2の浮遊電流源との接続点と、にそれぞれ接続されている、ことを特徴とする請求項47記載の差動増幅器。
  49. 差動増幅段と、出力段とを備え、
    前記差動増幅段は、
    高位側電源に接続されている第1の電流源と、
    前記第1の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第1導電型のトランジスタ対よりなる第1の差動対と、
    前記第1の差動対の出力対に接続され、第1のカスコード型カレントミラー回路よりなる第1の負荷回路と、
    低位側電源に接続されている第2の定電流源と、前記第2の電流源で駆動され、前記非反転入力端子と前記反転入力端子をなす入力対から電圧を差動入力する、第2導電型のトランジスタ対よりなる第2の差動対と、
    前記第2の差動対の出力対に接続され、第2のカスコード型カレントミラー回路より第2の負荷回路を備え、
    前記出力段は、
    前記出力端子と第1電源との間に接続され、前記第2の負荷回路の出力に基づき、前記出力端子を充電する第1のトランジスタと、前記出力端子と第2電源との間に接続され、前記第1の負荷回路の出力に基づき、前記出力端子を放電する第2のトランジスタと、を備えた出力段と、
    容量素子と、
    容量接続制御回路を備え、
    前記容量接続制御回路は、前記容量素子が、前記出力端子と、前記第2のカスコード型カレントミラー回路の複数段のカレントミラー回路の接続点の1つに接続された第1の接続状態と、前記容量素子が前記出力端子と前記第1のカスコード型カレントミラー回路の複数段のカレントミラー回路の接続点の1つに接続された第2の接続状態と、に切り替え制御する、ことを特徴とする差動増幅器。
  50. 請求項38乃至49のいずれか一に記載の差動増幅器をバッファ部として備えている、ことを特徴とする、表示装置のデータドライバ。
  51. 請求項38乃至49のいずれか一に記載の差動増幅器をバッファ部として備え、
    前記容量素子の接続の切り替え制御を極性信号に応じて行う、ことを特徴とする表示装置のデータドライバ。
  52. 請求項38乃至49のいずれか一に記載の差動増幅器をデータ線を駆動する回路として備えている、ことを特徴とする表示装置。

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