JP5163437B2 - 差動出力回路および通信装置 - Google Patents
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Description
図1において、C1,C2は容量を示す。
PMOSトランジスタQ3,Q4、電流源I2、負荷抵抗Rload2、容量C2を含んで第2のカレントミラー回路CM2が形成されている。
PMOSトランジスタQ1、Q3はゲートとドレインが接続されるダイオード接続されている。
たとえば、大電流にバイアスされた状態でのダイオード微分抵抗は小さいことからその状態でのゲート電圧の遷移は速く、したがってスレーブQ2の出力の変化も速い。
逆に小電流にバイアスされた状態では微分抵抗が高くゲート電位とスレーブ電流の遷移は遅い。
したがって、カレントミラーを2個用いてマスター電流に差動の電流信号を与えたとしても、スレーブ出力電流の遷移は差動の対称乱れによって同相ノイズが生じる。
差動出力の平均値すなわち同相成分に変動が生じる。
このノイズは差動信号を遠距離に伝送するときに輻射を生じやすいという問題があった。
また、差動信号とは別の同相信号を非同期的に重畳した場合には、このような差動カレントミラーの出力の遷移に伴って出力される同相成分が同相信号のノイズとなって通信を妨害するという不利益がある。
このカレントミラーを差動で用いると遷移においても同相ノイズを出さない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態(差動出力回路の第1の構成例)
2.第2の実施形態(差動出力回路の第2の構成例)
3.第3の実施形態(差動出力回路の第3の構成例)
4.第4の実施形態(差動出力回路の第4の構成例)
5.第5の実施形態(差動出力回路の第5の構成例)
6.第6の実施形態(差動出力回路の第6の構成例)
7.第7の実施形態(通信装置の第1の構成例)
8.第8の実施形態(通信装置の第2の構成例)
9.第9の実施形態(通信装置の第3の構成例)
10.第10の実施形態(通信装置の第4の構成例)
11.第11の実施形態(通信装置の第5の構成例)
12.第12の実施形態(終端回路の構成例)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る差動出力回路の構成例を示す回路図である。
さらに、差動出力回路10は、第1の負荷抵抗Rload11と第2の負荷抵抗Rload12の一端同士の接続ノードND11を所定電位Vbiasにバイアスするバイアス電源VB11を有する。
第1のマスター側トランジスタQ11は、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが電源電位源VDDに接続され、ドレインが電流源I11に接続されている。
第1のスレーブ側トランジスタQ12は、ドレインが第1の負荷抵抗Rload11の他端に接続され、その接続点により第1の出力ノードND12が形成されている。第1の出力ノードND12からは差動出力信号のうち、一方の差動出力信号VoutPが出力される。
第1のスレーブ側トランジスタQ12は、ソースが電源電位源VDDに接続され、ゲートは第1のボルテージフォロワA11の出力に接続されている。
また、トランジスタQ12のゲートと電源電位源VDDとの間に容量C11が存在する。
第2のマスター側トランジスタQ13は、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが電源電位源VDDに接続され、ドレインが電流源I12に接続されている。
第2のスレーブ側トランジスタQ14は、ドレインが第2の負荷抵抗Rload12の他端に接続され、その接続点により第2の出力ノードND13が形成されている。第2の出力ノードND13からは差動出力信号のうち、他方の差動出力信号VoutNが出力される。
第2のスレーブ側トランジスタQ14は、ソースが電源電位源VDDに接続され、ゲートは第2のボルテージフォロワA12の出力に接続されている。
また、トランジスタQ14のゲートと電源電位源VDDとの間に容量C11が存在する。
カレントミラー回路11において、第1のマスター側トランジスタQ11と第1のスレーブ側トランジスタQ12の間に立ち上がりと立ち下がりのスルーレートが等しいボルテージフォロワA11が配置されている。
第1のマスター側トランジスタQ11のゲートG11には、マスター電流IinPの電流源I11と、第1のマスター側トランジスタQ11と第1のボルテージフォロワA11の寄生容量しかつかない。
したがって、電流源I11の電流IinPの出力をステップ的に変動させたときのゲートG11における遷移時間は差動出力回路10が出すべき出力遷移時間よりはるかに短くすることができる。
このスルーレートは、第1のボルテージフォロワA11の出力電流とゲートG12の容量で決まり、第1のマスター側トランジスタQ11のバイアス状態によらない。
したがって、電流の増加方向の変化にも減少方向の変化にも同じスルーレートで第1のスレーブ側トランジスタQ12のゲートG12を駆動することが可能である。
すなわち、第1および第2のカレントミラー回路11,12の第1および第2のスレーブ側トランジスタQ12、Q14のゲートG12、G14の電圧は極性反転対称に電圧が遷移する。
その結果、第1および第2のスレーブ側トランジスタQ12、Q14の出力する電流もおおむね対称になり総和がほぼ一定の同相成分の少ない差動信号を出力することができる。
トランジスタの非線形性による電流歪みによって遷移中の出力電流の総和は厳密には一定にならない。
しかし、その変動はボルテージフォロアが無い場合のトランジスタQ11とQ12のダイオード抵抗の変動によるゲートG11とG12の非対称遷移による電流総和の変動よりは小さい。
また、トランジスタと電源の間に線形抵抗を挿入することで歪による電流総和の変動をさらに小さくすることができる。
このため、ダイオード接続のマスター側トランジスタQ1とQ3が流す電流の瞬時値は相補性を保つことができない。
その結果、トランジスタQ1のゲートG1の電位とトランジスタQ3のゲートG3の電位に制御されたトランジスタQ2とQ4からの出力電流においても相補性を保つこができない。
このために、G1とG3の時定数は信号源電流の変化に対して十分小さくすることができる。
すなわちダイオード接続された第1のマスター側トラジスタQ11と第2のマスター側トランジスタQ13の電流は信号源電流にほぼ完全に追従して変化し、和が一定という相補性を保つことができる。
第1のボルテージフォロワA11がゲートG11の電位からゲートG12を、第2のボルテージフォロワA12がゲートG13の電位からゲートG14の電位を再生することでスレーブ側トランジスタQ12とQ14の出力電流も相補性を保つことができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る差動出力回路を示す回路図である。
第2の実施形態の差動出力回路10Aは、第1の実施形態に差動出力回路10がPMOSカレントミラーで形成された電流ソース型差動出力回路として形成されたのに対し、極性を入れ替えて電流シンク型差動出力回路10Aとして形成されている。
さらに、第2の実施形態の差動出力回路10Aは、第1のカレントミラー回路11Aおよび第2のカレントミラー回路12Aに差動信号IinP・IinNとともに同相信号Icomを重畳できるように電流源I21、I22が接続されている。
電流源I21およびその接続回路により重畳部21が形成され、電流源I22およびその接続回路により重畳部22が形成される。
第1のマスター側トランジスタQ11Aは、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが基準電圧源VSSに接続され、ドレインおよびゲートが電流源I11および電流源I21に接続されている。
第1のスレーブ側トランジスタQ12Aは、ドレインが第1の負荷抵抗Rload11の他端に接続され、その接続点により第1の出力ノードND12Aが形成されている。
第1のスレーブ側トランジスタQ12Aは、ソースが基準電位源VSSに接続され、ゲートは第1のボルテージフォロワA11の出力に接続されている。
また、トランジスタQ12Aのゲートと基準電位源VSSとの間に容量C11が存在する。
第2のマスター側トランジスタQ13Aは、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが基準電圧源VSSに接続され、ドレインおよびゲートが電流源I12および電流源I22に接続されている。
第2のスレーブ側トランジスタQ14Aは、ドレインが第2の負荷抵抗Rload12の他端に接続され、その接続点により第2の出力ノードND13Aが形成されている。
第2のスレーブ側トランジスタQ14Aは、ソースが基準電位源VSSに接続され、ゲートは第2のボルテージフォロワA12の出力に接続されている。
また、トランジスタQ12Aのゲートと基準電位源VSSとの間に容量C12が存在する。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る差動出力回路を示す回路図である。
第3の実施形態の差動出力回路10Bは、第1の実施形態に差動出力回路10がPMOSカレントミラーで形成された電流ソース型差動出力回路に加えて、電流シンク型出力回路を並列に用いてプッシュプル型の差動出力回路として形成されている。
第3のマスター側トランジスタQ15は、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが基準電位源VSSに接続され、ドレインが電流源I13に接続されている。
第3のスレーブ側トランジスタQ16は、ドレインが第1の負荷抵抗Rload11の他端、すなわち第1の出力ノードND12に接続されている。第1の出力ノードND12からは差動出力信号のうち、一方の差動出力信号VoutPが出力される。
第3のスレーブ側トランジスタQ16は、ソースが基準電位源VSSに接続され、ゲートは第3のボルテージフォロワA13の出力に接続されている。
また、トランジスタQ16のゲートと基準電位源VSSとの間に容量C13が存在する。
第4のマスター側トランジスタQ17は、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが基準電位源VSSに接続され、ドレインが電流源I14に接続されている。
第4のスレーブ側トランジスタQ18は、ドレインが第2の負荷抵抗Rload11の他端、すなわち第2の出力ノードND13に接続されている。第2の出力ノードND13からは差動出力信号のうち、他方の差動出力信号VoutNが出力される。
第4のスレーブ側トランジスタQ18は、ソースが基準電位源VSSに接続され、ゲートは第4のボルテージフォロワA14の出力に接続されている。
また、トランジスタQ18のゲートと基準電位源VSSとの間に容量C14が存在する。
図6は、本発明の第4の実施形態に係る差動出力回路を示す回路図である。
差動出力回路30は、第1の負荷抵抗Rload31と第2の負荷抵抗Rload32の一端同士の接続ノードND31を所定電位Vbiasにバイアスするバイアス電源VB31を有する。
差動出力回路30は、第1のマスター側トランジスタQ31、第1の電流源I31、第1のスレーブ側トランジスタQ32、および容量C31を含んで構成されている。
差動出力回路30は、第2のマスター側トランジスタQ33、第2の電流源I32、第2のスレーブ側トランジスタQ34、および容量C32を含んで構成されている。
そして、差動出力回路30は、ゲート駆動回路31を有する。
そして、ゲート駆動回路31は、設定したクランプレベルの一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、この電圧を第1のスレーブ側トランジスタQ32および第2のスレーブ側トランジスタQ34のゲートに供給する。
これにより、ゲート駆動回路31は、第1のマスター側トランジスタQ31と第1のスレーブ側トランジスタQ32によりカレントミラーを形成し、第2のマスター側トランジスタQ33と第2のスレーブ側トランジスタQ34によりカレントミラーを形成する。
または、ゲート駆動回路31は、第1のマスター側トランジスタQ31と第2のスレーブ側トランジスタQ34によりカレントミラーを形成し、第2のマスター側トランジスタQ33と第1のスレーブ側トランジスタQ32によりカレントミラーを形成する。
第1のマスター側トランジスタQ31は、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが電源電位源VDDに接続され、ドレインが電流源I31に接続されている。
第1のスレーブ側トランジスタQ32は、ドレインが第1の負荷抵抗Rload31の他端に接続され、その接続点により第1の出力ノードND32が形成されている。第1の出力ノードND32からは差動出力信号のうち、一方の差動出力信号VoutPが出力される。
第1のスレーブ側トランジスタQ32は、ソースが電源電位源VDDに接続され、ゲートは第1のゲート駆動回路31の出力に接続されている。
また、トランジスタQ32のゲートと電源電位源VDDとの間に容量C31が存在する。
第2のマスター側トランジスタQ33は、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが電源電位源VDDに接続され、ドレインが電流源I32に接続されている。
第2のスレーブ側トランジスタQ34は、ドレインが第2の負荷抵抗Rload32の他端に接続され、その接続点により第2の出力ノードND33が形成されている。第2の出力ノードND33からは差動出力信号のうち、他方の差動出力信号VoutNが出力される。
第2のスレーブ側トランジスタQ34は、ソースが電源電位源VDDに接続され、ゲートはゲート駆動回路31の出力に接続されている。
また、トランジスタQ34のゲートと電源電位源VDDとの間に容量C32が存在する。
NMOSトランジスタQ40のドレインが電源電位源VDDに接続され、ソースがPMOSトランジスタQ37のソースに接続され、その接続点によりノードND35が形成されている。PMOSトランジスタQ37のドレインが基準電位源VSSに接続されている。
そして、NMOSトランジスタQ39、Q40のゲートがPMOSトランジスタQ35のソースに接続されている。
PMOSトランジスタQ36,Q37のゲートがNMOSトランジスタQ38のソースに接続されている。
ノードND34は、第1のスレーブ側トランジスタQ32のゲートに接続され、ノードND35が第2のスレーブ側トランジスタQ34のゲートに接続されている。
スイッチSW32は、固定端子aが基準電位源VSSに接続された電流源I36に接続され、端子bがノードND34に接続され、端子cがノードND35に接続されている。
そして、第1および第2のスレーブ側トランジスタQ32とQ34のゲートG31とG32は、トランジスタQ36,Q37,Q39,Q40でクランプされている。
スイッチSW31が端子aと端子bが接続され、第1のスレーブ側トランジスタQ32側のゲートG31を選択したとき、電位はトランジスタQ36によってクランプされる。
電流源I35で駆動されたトランジスタQ36のゲート‐ソース間電圧(GS間)電圧が電流源I34で駆動されたトランジスタQ38のGS間電圧と等しくなるように電流源I34が調整されている。
これにより、第1のスレーブ側トランジスタQ32のゲートG31の電圧はトランジスタQ38のゲート電圧Ghighに等しくなり、第1のスレーブ側トランジスタQ32と第2のマスター側トランジスタQ33によりカレントミラーが形成される。
トランジスタQ40とQ35のGS間電圧が同じになるように電流源I33が調整されている。
これにより、第2のスレーブ側トランジスタQ34のゲートG32の電圧はトランジスタQ35のゲート電圧Glowと等しくなり、第2のスレーブ側トランジスタQ34と第1のマスター側トランジスタQ31によりカレントミラーが形成される。
これにより、第1および第2のスレーブ側トランジスタQ32,Q34のゲートG31とG32がクランプされた状態での出力電流をカレントミラーにより定めることができる。
第1のスレーブ側トランジスタQ32のゲートG31はSW32を介した電流源I36により容量C31が放電することによって電圧が下がっていく。このときトランジスタQ36はカットオフしてクランプは機能しない。
第2のスレーブ側トランジスタQ34のゲートG32の電圧はG1とは逆にGlow電圧からGhigh電圧まで充電されてゆく。
その結果、第1および第2のスレーブ側トランジスタQ32とQ34の出力する電流もおおむね対称になり総和がほぼ一定になるので同相成分の少ない差動信号を出力することができる。
図7は、本発明の第5の実施形態に係る差動出力回路を示す回路図である。
図7の第2のゲート駆動回路31Aは、図6のゲート駆動回路と同様の構成を有している。また、図7においては図6の符号に符号Aを付して各構成要素を示している。
第1のマスター側トランジスタQ31Aは、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが基準電圧源VSSに接続され、ドレインおよびゲートが電流源I31に接続されている。
第1のスレーブ側トランジスタQ32Aは、ドレインが第1の負荷抵抗Rload31の他端に接続され、その接続点により第1の出力ノードND32Aが形成されている。
第1のスレーブ側トランジスタQ32Aは、ソースが基準電位源VSSに接続され、ゲートはゲート駆動回路31Aの出力に接続されている。
また、トランジスタQ32Aのゲートと基準電位源VSSとの間に容量C31が存在する。
第2のマスター側トランジスタQ33Aは、ドレインとゲートが接続された、いわゆるダイオード接続されており、ソースが基準電圧源VSSに接続され、ドレインおよびゲートが電流源I32に接続されている。
第2のスレーブ側トランジスタQ34Aは、ドレインが第2の負荷抵抗Rload32の他端に接続され、その接続点により第2の出力ノードND33Aが形成されている。
第2のスレーブ側トランジスタQ34Aは、ソースが基準電位源VSSに接続され、ゲートはゲート駆動回路31Aの出力に接続されている。
また、トランジスタQ34Aのゲートと基準電位源VSSとの間に容量C32が存在する。
図8は、本発明の第6の実施形態に係る差動出力回路を示す回路図である。
第6の実施形態の差動出力回路30Bは、第4の実施形態の差動出力回路30がPMOSカレントミラーで形成された電流ソース型差動出力回路に加えて、第5の実施形態の電流シンク型出力回路を並列に用いてプッシュプル型の差動出力回路として形成されている。
図9は、本発明の第7の実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。
図9の通信装置100は、本発明の実施形態に係る差動出力回路を含むドライバを送信器に有する。
そして、通信装置100は、差動伝送路110に対して送信器120,130にそれぞれ並列に受信器140,150を有する。
差動伝送路110の一端側では、送信器130の近傍で1本の終端抵抗Rterm1で終端され、送信器120の出力は2本の終端抵抗Rterm2を介して差動伝送路110に接続されている。
差動伝送路110の他端側では、送信器120の近傍で1本の終端抵抗Rterm1で終端され、2本の終端抵抗Rterm2を介してDCのバイアス電源VB100に接続されている。
差動伝送路110の両端に送信器120,130と並列に設けた受信器140,150は負荷に生じた和信号から並列の送信器120,130の目標出力を減算することによって他端の送信器の信号を得ることができる。
図10は、本発明の第8の実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。
差動伝送路110の一端側では、送信器120の近傍で1本の終端抵抗Rterm1で終端され、送信器120の出力は2本の終端抵抗Rterm2を介して差動伝送路110に接続されている。
差動伝送路110の他端側では、送信器130の近傍で1本の終端抵抗Rterm1で終端され、2本の終端抵抗Rterm2を介してDCのバイアス電源180に接続されている。
また、差動伝送路110の他端側には受信器170が接続されている。
本実施形態の差動出力回路(出力回路)は出力の電位によらない正確な差動電流を常に出力する。したがって、差動信号対に同相電位で別の信号を重畳しても差動信号に乱れが生じることがなく、また同相信号にとってのノイズとなる差動信号駆動に付随する同相信号への漏洩が小さい。
差動伝送路110側から送信器を見たインピーダンスは差動モードでは終端抵抗Rterm1と終端抵抗Rterm2の並列抵抗が、同相モードでは2並列の抵抗Rterm2が見える。
たとえば、終端抵抗Rterm1を1kΩ、終端抵抗Rterm2を56Ωとすると、差動で約100Ω、同相で28Ωで終端されたことになり、電磁界結合のある対になった伝送路としては典型的な差動100Ω、同相30Ωにインピーダンス整合する。
このような伝送路に送信器160で同相電圧信号を送り込むと、受信器170は差動対の平均電圧として信号を受信できる。
この伝送は送信器120から受信器150への差動信号伝送および送信器130から受信器140への差動信号伝送と干渉せずに実現する。
図11は、本発明の第9の実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。
図12は、本発明の第10の実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。
また、通信装置100Cは、送信器160の代わりにバイアス電源220を有し、差動伝送路110の一端側も抵抗Rterm2を通してDC電圧でバイアスされている。
図13は、本発明の第11の実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。
そして、送信器120Cに並列に受信器230が接続されている。
そして、本第11の実施形態によれば、差動信号の遷移中でも同相信号を揺らさないことから差動同時双方向通信と同時かつ非同期に小振幅の同相信号による通信を重畳できる。そして、単純な駆動回路で差動信号と同相信号の同時非同期通信が実現できる。
図14(A)および(B)は、本発明の第12の実施形態に係る通信系の終端回路の構成例を示す図である。
図14(A)は終端回路300を示し、図14(B)は終端回路300Aを示している。
両伝送路111,112に同じ信号を印加した場合に生じる偶モード伝送の特性インピーダンスは両伝送路に極性が反転した差動信号を印加した場合の奇モードのインピーダンスの4分の1になる。
したがって、奇モード特性インピーダンスの半分の値の抵抗Rtermで図14(A)の終端回路300に示すように、抵抗Rtermで終端をすれば偶奇両モードに整合終端する。
この場合、図14(B)に示すように、2種類の抵抗の組み合わせ抵抗Rterm1とRterm2もしくはRterm3とRterm4を使うと偶奇両モードに整合終端することができる。
整合に必要な回路定数は、次の通りである。
Rterm2 / 2 = 偶モード特性インピーダンス
1/Rterm1 + 1/(2*Rterm2)= 1/奇モード特性インピーダンス
Rterm3 / 2 + Rterm4 =偶モード特性インピーダンス
2*Rterm3 = 奇モード特性インピーダンス
Rterm1=600Ω
Rterm2=60Ω
Rterm3=50Ω
Rterm4=5Ω
また、反射による輻射の増大を抑制することができる。
この終端回路を適用した通信装置によれば、反射ノイズが生じないので差動信号と同相信号の同時かつ非同期重畳通信が安定に実現できる。
30,30A,30B・・・差動出力回路、Q31・・・第1のマスター側トランジスタ、Q32・・・第1のスレーブ側トランジスタ、Q33・・・第2のマスター側トランジスタ、Q34・・・第2のスレーブ側トランジスタ、31・・・ゲート駆動回路(第1のゲート駆動回路)、31A・・・第2のゲート駆動回路、I31・・・第1の電流源、I32・・・第2の電流源、I31A・・・第3の電流源、I32A・・・第4の電流源、Rload31,Rload32・・・負荷抵抗、VB31・・・バイアス電源、100,100A〜100D・・・通信装置、300,300A・・・終端装置。
Claims (9)
- 一端同士が接続された第1の負荷抵抗および第2の負荷抵抗と、
上記第1の負荷抵抗と上記第2の負荷抵抗の上記一端同士の接続ノードを所定電位にバイアスするバイアス電源と、
ゲート駆動回路と、
ゲートとドレインが接続された第1のマスター側トランジスタと、
上記第1のマスター側トランジスタのドレインに接続された第1の電流源と、
ドレインが上記第1の負荷抵抗の他端に接続された第1のスレーブ側トランジスタと、
ゲートとドレインが接続された第2のマスター側トランジスタと、
上記第2のマスター側トランジスタのドレインに接続された第2の電流源と、
ドレインが上記第2の負荷抵抗の他端に接続された第2のスレーブ側トランジスタと、を含み、
上記ゲート駆動回路は、
上記第1のマスター側トランジスタおよび第2のマスター側トランジスタのゲート電圧が供給され、上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲート電圧に上下のクランプレベルを設定し、一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、当該電圧を上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲートに供給し、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、または、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成する
差動出力回路。 - ゲートとドレインが接続された第3のマスター側トランジスタと、
上記第3のマスター側トランジスタのドレインに接続された第3の電流源と、
ドレインが上記第1の負荷抵抗の他端に接続された第3のスレーブ側トランジスタと、
ゲートとドレインが接続された第4のマスター側トランジスタと、
上記第4のマスター側トランジスタのドレインに接続された第4の電流源と、
ドレインが上記第2の負荷抵抗の他端に接続された第4のスレーブ側トランジスタと、
第1のゲート駆動回路と、
第2のゲート駆動回路と、を含み、
上記第1のマスター側トランジスタ、上記第2のマスター側トランジスタ、上記第1のスレーブ側トランジスタ、および上記第2のスレーブ側トランジスタは、第1導電型のトランジスタにより形成され、
上記第3のマスター側トランジスタ、上記第4のマスター側トランジスタ、上記第3のスレーブ側トランジスタ、および上記第4のスレーブ側トランジスタは、第2導電型のトランジスタにより形成され、
上記第1のゲート駆動回路は、
上記第1のマスター側トランジスタおよび第2のマスター側トランジスタのゲート電圧が供給され、上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲート電圧に上下のクランプレベルを設定し、一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、当該電圧を上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲートに供給し、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、または、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成する
上記第2のゲート駆動回路は、
上記第3のマスター側トランジスタおよび第4のマスター側トランジスタのゲート電圧が供給され、上記第3のスレーブ側トランジスタおよび上記第4のスレーブ側トランジスタのゲート電圧に上下のクランプレベルを設定し、一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、当該電圧を上記第3のスレーブ側トランジスタおよび上記第4のスレーブ側トランジスタのゲートに供給し、
上記第3のマスター側トランジスタと上記第3のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第4のマスター側トランジスタと上記第4のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、または、
上記第3のマスター側トランジスタと上記第4のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第4のマスター側トランジスタと上記第3のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成する
請求項1記載の差動出力回路。 - 上記各カレントミラー回路のマスター側電流に、差動信号とともに同相信号を重畳する重畳部を含む
請求項1または2記載の差動出力回路。 - 一対の差動伝送路の両端側に配置された複数の送信器を有し、
上記各送信器は、上記差動伝送路に差動出力可能な差動出力回路を含み、
上記差動出力回路は、
一端同士が接続された第1の負荷抵抗および第2の負荷抵抗と、
上記第1の負荷抵抗と上記第2の負荷抵抗の上記一端同士の接続ノードを所定電位にバイアスするバイアス電源と、
ゲート駆動回路と、
ゲートとドレインが接続された第1のマスター側トランジスタと、
上記第1のマスター側トランジスタのドレインに接続された第1の電流源と、
ドレインが上記第1の負荷抵抗の他端に接続された第1のスレーブ側トランジスタと、
ゲートとドレインが接続された第2のマスター側トランジスタと、
上記第2のマスター側トランジスタのドレインに接続された第2の電流源と、
ドレインが上記第2の負荷抵抗の他端に接続された第2のスレーブ側トランジスタと、を含み、
上記ゲート駆動回路は、
上記第1のマスター側トランジスタおよび第2のマスター側トランジスタのゲート電圧が供給され、上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲート電圧に上下のクランプレベルを設定し、一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、当該電圧を上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲートに供給し、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、または、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成する
通信装置。 - ゲートとドレインが接続された第3のマスター側トランジスタと、
上記第3のマスター側トランジスタのドレインに接続された第3の電流源と、
ドレインが上記第1の負荷抵抗の他端に接続された第3のスレーブ側トランジスタと、 ゲートとドレインが接続された第4のマスター側トランジスタと、
上記第4のマスター側トランジスタのドレインに接続された第4の電流源と、
ドレインが上記第2の負荷抵抗の他端に接続された第4のスレーブ側トランジスタと、
第1のゲート駆動回路と、
第2のゲート駆動回路と、を含み、
上記第1のマスター側トランジスタ、上記第2のマスター側トランジスタ、上記第1のスレーブ側トランジスタ、および上記第2のスレーブ側トランジスタは、第1導電型のトランジスタにより形成され、
上記第3のマスター側トランジスタ、上記第4のマスター側トランジスタ、上記第3のスレーブ側トランジスタ、および上記第4のスレーブ側トランジスタは、第2導電型のトランジスタにより形成され、
上記第1のゲート駆動回路は、
上記第1のマスター側トランジスタおよび第2のマスター側トランジスタのゲート電圧が供給され、上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲート電圧に上下のクランプレベルを設定し、一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、当該電圧を上記第1のスレーブ側トランジスタおよび上記第2のスレーブ側トランジスタのゲートに供給し、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、または、
上記第1のマスター側トランジスタと上記第2のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第2のマスター側トランジスタと上記第1のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成する
上記第2のゲート駆動回路は、
上記第3のマスター側トランジスタおよび第4のマスター側トランジスタのゲート電圧が供給され、上記第3のスレーブ側トランジスタおよび上記第4のスレーブ側トランジスタのゲート電圧に上下のクランプレベルを設定し、一方のクランプレベルから一定のスルーレートで他方のクランプレベルまで電圧を遷移し、当該電圧を上記第3のスレーブ側トランジスタおよび上記第4のスレーブ側トランジスタのゲートに供給し、
上記第3のマスター側トランジスタと上記第3のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第4のマスター側トランジスタと上記第4のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、または、
上記第3のマスター側トランジスタと上記第4のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成し、上記第4のマスター側トランジスタと上記第3のスレーブ側トランジスタとによりカレントミラーを形成する
請求項4記載の通信装置。 - 上記各カレントミラー回路のマスター側電流に、差動信号とともに同相信号を重畳する重畳部を含む
請求項4または5記載の通信装置。 - 差動伝送路の同相電位を用いて差動信号と同時非同期の同相信号を伝送する
請求項4から6のいずれか一に記載の通信装置。 - 同相伝送信号が同時双方向通信である
請求項7記載の通信装置。 - デルタ結合もしくはY結合された3本の抵抗により差動伝送路の奇モード伝播にも偶モード伝播にも整合する終端回路を有する
請求項4から8のいずれか一に記載の通信装置。
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