JP2005010672A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー及びトナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性、保存安定性、及び対オフセット性等の特性を向上させる、コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置にて用いられる電子写真技術に要するトナー及びトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】母粒子2に付着させるコア・シェル構造を有する有機微粒子3として架橋型の有機微粒子3を用い、しかもシェル部32よりコア部31の架橋度を高くする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、母粒子に微粒子を付着させて作製するトナー及びそのトナーの製造方法に関し、特にコピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置にて用いられる電子写真技術に要するトナー及びトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置では、感光体ドラムを均一に帯電させ、帯電させた感光体ドラム上に形成すべき画像に基づく光像を走査して静電潜像を形成し、形成した静電潜像に、着色料を含む粉体のトナーを付着させることで可視画像化させる現像を行い、得られた可視画像をコピー用紙等のシート上に転写し、そして転写したトナーをシートに定着させることにより画像を形成する電子写真技術が用いられている。
【0003】
トナーをシートに定着させる方法としては、トナーを加熱溶融しコピー用紙等のシートに定着させる加熱定着方法、及び加圧することによりトナーを組成変形させてシートに定着させる圧力定着方法が代表的な定着方法であり、加熱定着方法としては、装置の簡便性及び定着後の画像品質等の見地より、トナーの加熱に用いられる加熱媒体として熱ロールを使用するヒートロール定着方法が最も普及している。
加熱定着方法においては、トナーを低温で溶融しシート上に定着させる必要がある。
特に最近では省エネルギの観点からトナーの低温定着性に対する要求は高く、トナーに含まれる樹脂の低分子量化及びワックスの添加により、軟化温度を低下させることで低温定着性に対する要求に対応している。
【0004】
ところが樹脂の低分子量化及びワックスの添加による方法は、低温定着性には効果を有するが、保存安定性及び長期ランニング時の耐久性が低下するという問題が生じる。
そこでトナーとなる母粒子の表面に微粒子を付着させることで低温定着性と、保存安定性及び耐久性との両方を満足させる各種の方法が提案されている。
【0005】
その中のひとつとしてソープフリー乳化重合法によって製造された非架橋型の有機微粒子を外添する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
またコア・シェル構造を有する非架橋型の有機微粒子を外添する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
さらに母粒子表面と逆極性を有する微粒子を電気的に付着させる方法が開示されている(例えば特許文献3及び特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開昭60−186854号公報
【特許文献2】
特開平9−281742号公報
【特許文献3】
特開平1−59239号公報
【特許文献4】
特開平2−105162号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特許文献1及び特許文献2に示す方法で製造されたトナーは、耐久性が十分でないという問題があり、耐久性に関する問題を解決すべく微粒子の添加量を増加させた場合には、オイルレス定着におけるワックスの染み出し効果が抑制され、耐オフセット性が低下するという問題が生じる。
【0010】
さらに特許文献3及び特許文献4に示す方法では、母粒子と逆の極性に帯電する官能基を有するため、帯電性の悪化という問題がある。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コア・シェル構造を有する有機微粒子を母粒子に付着させて製造するトナーにおいて、架橋型の有機微粒子を用いることにより、微粒子の添加量を増加させることなく耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、しかも有機微粒子のシェル部にイオン性の官能基を含ませることにより、帯電性に優れたトナー及びそのトナーの製造方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のトナーは、母粒子に、該母粒子より粒径が小さいコア・シェル構造を有する有機微粒子を付着させて製造するトナーにおいて、前記有機微粒子は、架橋型であることを特徴とする。
【0013】
本発明のトナーでは、母粒子に付着させるコア・シェル構造を有する有機微粒子として架橋型の有機微粒子を用いることにより、優れた低温定着性を備えるだけでなく、非架橋型の有機微粒子と比べて少量の添加量でも耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、また微粒子の添加量を増加させる必要がないので、オイルレス定着における剥離剤(ワックス)の染み出し効果抑制による耐オフセット性の低下を防止することが可能である。
【0014】
本発明のトナーは、前記有機微粒子のシェル部の架橋度は、コア部の架橋度より低いことを特徴とする。
【0015】
本発明のトナーでは、コア部の架橋度を高くすることにより、シェル部がミクロドメインを形成して耐久性を向上させることが可能であり、またシェル部の架橋度が低いため有機微粒子及び母粒子間並びに有機微粒子同士での融着を促進し、これにより長期ランニング時における耐久性を維持することが可能であり、しかも定着時にシェル部が軟化して、剥離剤がシェル部に沿って表面に染み出すようになるので、耐オフセット性を向上させることが可能である。
【0016】
本発明のトナーは、前記有機微粒子のシェル部は、イオン性の官能基を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明のトナーでは、有機微粒子のシェル部にイオン性の官能基を含ませることにより、帯電性を向上させることが可能である。
【0018】
本発明のトナーは、前記有機微粒子は、イオン性の官能基を中和することで粒径が1.2倍以上となることを特徴とする。
【0019】
本発明のトナーでは、有機微粒子のイオン性の官能基を中和することにより、有機微粒子が膨潤するため、有機微粒子及び母粒子間並びに有機微粒子同士での融着を促進し、長期ランニング時における耐久性を向上させることが可能である。
特に粒径が1.2倍以上になった場合に、融着の促進が顕著である。
【0020】
本発明のトナーは、前記有機微粒子は、中和前の粒径が30〜300nmであることを特徴とする。
【0021】
本発明のトナーでは、中和前の粒径を30nm以上とすることにより、耐久性を向上させることが可能であり、中和前の粒径を300nm以下とすることにより、低温定着性及び透明性を向上させることが可能である。
【0022】
本発明のトナーは、前記有機微粒子は、ソープフリー乳化重合法により作製したことを特徴とする。
【0023】
本発明のトナーでは、乳化剤が有機微粒子に固定化されているソープフリー乳化重合法にて作製することにより、トナー表面へのブリードが少なくなり、高温高湿度下での帯電安定性の低下を防止することが可能である。
【0024】
本発明のトナーは、前記母粒子の1.02〜1.10倍の粒径であることを特徴とする。
【0025】
本発明のトナーでは、母粒子の粒径の1.02倍以上にすることにより、有機微粒子により形成される表面層を厚くして耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、母粒子の粒径の1.10倍以下とすることにより、剥離剤の染み出し効果抑制による耐オフセット性の低下を防止することが可能である。
【0026】
本発明のトナーの製造方法は、コア・シェル構造を有する架橋型の有機微粒子を、中和剤を含む溶液と混合する工程と、有機微粒子が混合された溶液中に、剥離剤及び着色剤を含み母粒子を形成させる組成物を分散させる工程と、溶液中から組成物を分離する工程とを含むことを特徴とする。
【0027】
本発明のトナーの製造方法では、中和剤にて中和することにより有機微粒子が膨潤して分散能が発現し、分散能が発現した有機微粒子を分散剤として用いることで、有機微粒子が母粒子の表面に均一な膜を形成するので低温定着性及び耐久性の高いトナーを簡単な工程にて製造することが可能である。
【0028】
本発明のトナーの製造方法は、前記有機微粒子は、イオン性の官能基を含み、溶液中に組成物を分散させた後、有機微粒子に含まれるイオン性の官能基を逆中和する工程を更に含むことを特徴とする。
【0029】
本発明のトナーの製造方法では、有機微粒子に含まれるイオン性の官能基を逆中和することにより、分散剤を除去する必要が無く環境安定性を維持することが可能である。
【0030】
本発明のトナーの製造方法は、前記組成物は、エチレン性の不飽和結合を有する単量体を含み、溶液中に組成物を分散させた後、加熱により単量体を重合させる工程を更に含むことを特徴とする。
【0031】
本発明のトナーの製造方法では、エチレン性の不飽和結合を有する単量体を含む組成物を、ラジカル重合を開始させる開始剤と共に溶液中に分散させた上で加熱することにより、単量体をラジカル重合させたトナーを製造することができ、これにより小粒径であるため解像度が高く、また球形であるため耐久性に優れたトナーを製造することが可能である。
【0032】
本発明のトナーの製造方法は、前記組成物は、結着剤を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明のトナーの製造方法では、結着剤を含む組成物を用いた乳化分散法にてトナーを製造することができ、これにより小粒径であるため解像度が高く、また球形であるため耐久性に優れたトナーを製造することが可能である。
しかも透明性の高いポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂等の樹脂にて製造することができるでカラーの画像の形成に適したトナーを製造することが可能である。
【0034】
本発明のトナーの製造方法は、前記組成物は、分散前の動粘度が100St以下であることを特徴とする。
【0035】
本発明のトナーの製造方法では、優れた品質のトナーを安定して製造することが可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明のトナーを模式的に示す断面図であり、図2は本発明のトナーに付着させる有機微粒子を模式的に示す断面図である。
図1中1は、コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置に適用されている電子写真技術に要する本発明のトナーであり、本発明のトナー1は、母粒子2に、母粒子2より粒径が小さい多数の有機微粒子3を付着させたカプセル構造をなし、低温定着性及び保存安定性に優れたオイルレス定着用として使用される。
母粒子2は、オイルレス定着用として使用するために必要な剥離剤(ワックス)21を含んでいる。
そして本発明のトナー1では、母粒子2に付着させる有機微粒子3として、コア部31及びコア部31を被覆するシェル部32を有するコア・シェル構造をなす有機微粒子3を用いている。
さらに有機微粒子3は架橋型をなしており、非架橋型の有機微粒子と比べて少量の添加量でも耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、また有機微粒子の添加量を増加させる必要がないので、オイルレス定着における剥離剤21の染み出し効果抑制による耐オフセット性の低下を防止している。
特にコア・シェル構造を有する有機微粒子3のコア部31の架橋度がシェル部32より高いため、シェル部32がミクロドメインを形成して耐久性を向上させ、また架橋度の低いシェル部32が有機微粒子3及び母粒子2間並びに有機微粒子3同士での融着を促進し、これにより長期ランニング時における耐久性を維持し、しかも定着時にシェル部32が軟化して、剥離剤21がシェル部32に沿って表面に染み出すようになるので、耐オフセット性を向上させる。
【0037】
図1及び図2を用いて説明したコア・シェル構造を有する有機微粒子を製造する方法としては、乳化剤を使用せずに、反応性乳化剤、親水性モノマーの過硫酸塩系開始剤、共重合させるイオン性又は非イオン性の水溶性エチレン性不飽和単量体、水溶性ポリマー及びオリゴマー、分解型乳化剤、並びに架橋型乳化剤等の薬剤を用いるソープフリー乳化重合法が好ましい。
本発明のトナーの製造に適用されるソープフリー乳化重合法としては、特定の方法に限定するものではなく、当業者にとって周知の方法を適用すればよい。
本発明のトナーに要する有機微粒子の製造に適用されるソープフリー乳化重合法にて用いられる反応性乳化剤としては、HS−5、HS−10、HS−20、RN−20、RN−30、RN−50、H−3881及びH−3855(以上第一工業製薬社製)並びにRA−1022(日本乳化剤社製)等の薬剤を例示列挙することができる。
またソープフリー乳化重合法にて用いられる開始剤としては、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、及び2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕等の水溶性の薬剤を例示列挙することができる。
【0038】
本発明のトナーに要する有機微粒子の製造において、コア・シェルの2層構造を形成する方法としては特に限定するものではないが、例えばエチレン性不飽和単量体及び架橋性共重合単量体を重合させてコア部を形成し、更にコア部より架橋剤の割合を小さくすべくエチレン性不飽和単量体、架橋性性共重合単量体及びイオン性の官能基を有する単量体を重合させてシェル部を形成させるという二段階の重合を行うことにより実現することができる。
なお本発明のトナーに要する有機微粒子のシェル部をイオン性の官能基を中和することにより、有機微粒子の粒子径が中和前の1.2倍以上となるような樹脂設計を行うことが好ましく、また1.3倍以上、更には1.5倍以上とすることがより好ましい。
有機微粒子のイオン性の官能基を中和することにより、有機微粒子が膨潤するため、有機微粒子及び母粒子間並びに有機微粒子同士での融着を促進し、長期ランニング時における耐久性及び耐オフセット性を向上させることができ、特に粒径が1.2倍以上になった場合に、その効果が顕著に表れるからである。
【0039】
有機微粒子のコア・シェル構造の形成に要するエチレン性不飽和単量体としては特に制限されるものではなく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル等の化合物を例示列挙することができ、これらの化合物は1種類で使用してもよく、また2種類以上を併用するようにしてもよい。
【0040】
さらに有機微粒子のコア・シェル構造の形成に要するエチレン性不飽和単量体は、共重合させることが可能な他の単量体と共に重合させるようにしても良く、エチレン性不飽和単量体と共重合させることが可能な他の単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等の単量体を例示列挙することができる。
これらの単量体は1種類で使用しても、また2種類以上を併用するようにしても良い。
【0041】
有機微粒子のコア・シェル構造の形成に要する架橋性共重合単量体としては、ラジカル重合することが可能なエチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する単量体、及び相互に反応することが可能な官能基を有する2種類以上のエチレン性不飽和単量体等の架橋性共重合単量体を例示列挙することができる。
【0042】
ラジカル重合することが可能なエチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する単量体としては、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、及び2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物等の単量体を例示列挙することができる。
さらに具体的には、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールアリロキシジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート及びジビニルベンゼン等の単量体を例示列挙することができ、これらは1種類で使用しても良く、また2種類以上を併用してもよい。
【0043】
本発明のトナーに要する有機微粒子のシェル部の形成には、上述したエチレン性不飽和結合を有する単量体等の共重合することが可能な単量体、架橋型の重合性不飽和単量体、及びイオン性の官能基を含む重合性不飽和単量体等の単量体を配合する。
イオン性の官能基を含む重合性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単量体と、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有単量体と、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体と、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート等の燐酸基含有単量体と等の単量体を例示列挙することができる。
【0044】
本発明のトナーでは、母粒子の表面に有機微粒子を付着させることにより、粒径が1.02〜1.10倍となることが好ましく、更には1.04〜1.08倍とすることがより好ましい。
即ち有機微粒子を付着させていない母粒子の粒子径をRaとし、有機微粒子が表面に付着した状態での粒子径をRgとした場合、1.10≧Rg/Ra≧1.02を満足することが好ましく、更には1.08≧Rg/Ra≧1.04を満足することがより好ましい。
Rg/Ra≧1.02とすることにより、有機微粒子により形成される表面層を厚くして耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、Rg/Ra≦1.10とすることにより、剥離剤の染み出し効果抑制による耐オフセット性の低下を防止することが可能である。
【0045】
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーの製造方法では、先ず第1工程としてコア・シェル構造を有する架橋型の有機微粒子を、中和剤を含む水溶液と混合する。
このように有機微粒子を中和剤にて中和することにより、有機微粒子の粒径が1.2倍以上に膨潤して、分散能が発現し、分散能が発現した有機微粒子を分散剤として用いることにより、有機微粒子を母粒子の表層に均一に分散させて均一な膜を形成させることが可能となるため、低温定着性及び耐久性に優れたトナーを製造することが可能となる。
【0046】
中和剤としては、カルボキシル基、燐酸基、及びスルホン酸基等の官能基とイオン対を形成し得る化合物であればよく、具体的には、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリアリルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチル−n−ラウリルアミン、ジメチル−n−パルミチルアミン、ジメチル−n−ステアリルアミン、ジメチル−ベンジルアミン、及びジメチルアニリン等の第3級アミン類と、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジアリルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン、及びジフェニルアミン等の第2級アミン類と、t−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、n−ブチルアミン、2−アミノベンゾトリフルオリド、m−アミノアセトフェノン、及び4−アミノアセトアニリド等の第1級アミン類と等の窒素含有化合物を例示列挙することができる。
またメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル等の化合物であっても良い。
さらに有機微粒子の表面がアミノ基、アンモニウム基、スルフォニウム基、及びホスホニウム基等の官能基である場合には、それらの官能基とイオン結合させる酸性化合物であればよく、具体的には、塩酸、硫酸、及び酢酸等の酸性化合物を例示列挙することができる。
なおこれらの化合物は1種類で使用しても良く、また2種類以上を併用してもよい。
また中和剤は有機微粒子の膨潤度合いに応じて適宜量添加される。
【0047】
そして本発明のトナーの製造方法では、第2工程として、有機微粒子が混合された水溶液中に、剥離剤及び着色剤を含み母粒子を形成させる組成物(以下組成物Aという)を混合する。
このとき組成物Aの動粘度は、100St以下、即ちガードナー粘度計による測定にてZ5以下となるようにすることにより、水溶液中への分散が容易で、粒子径が大きくなることを防止することができる。
【0048】
組成物AをZ5以下の粘度に制御する方法として、有機溶剤及び前述したエチレン性不飽和結合を有する単量体等の薬剤を添加する方法、並びに加熱する方法等の方法がある。
有機溶剤を添加する場合、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類と、酢酸エチル及び酢酸ブチル等の酢酸エステル類と、n−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、及びピロール等の含窒素複素環式と、ヘキサン及びシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素と、N−メチルホルムアミド及びN,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類と、ジエチルエーテル等のエーテル類と、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物と等の有機溶剤を、添加する溶剤として例示列挙することができる。
これらの溶剤は1種類で用いても2種類以上混合して用いても良く、特に樹脂の溶解性が高く、脱溶剤が容易なメチルエチルケトン、トルエン及びキシレン等の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0049】
本発明のトナーに要する着色剤は、有機系及び無機系を問わず、様々な種類及び様々な色の顔料を用いることが可能である。
即ち黒色顔料として用いられる着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、及びマグネタイト等の顔料を例示列挙することができる。
【0050】
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、及びタートラジンレーキ等の着色剤を例示列挙することができる。
【0051】
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、及びインダスレンブリリアントオレンジGK等の着色剤を例示列挙することができる。
【0052】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、及びブリリアントカーミン3B等の着色剤を例示列挙することができる。
【0053】
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、及びメチルバイオレットレーキ等の着色剤を例示列挙することができる。
【0054】
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、及びインダスレンブルーBC等の着色剤を例示列挙することができる。
【0055】
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、及びファイナルイエローグリーンG等の着色剤を例示列挙することができる。
【0056】
またマイクロリス(チバスペシャリティーケミカルズ社製)等のフラッシング法で処理された着色剤を用いることにより、着色剤の分散性が高いカラー画像に適したトナーを製造することが可能となる。
【0057】
なお着色剤の含有量は、例えばトナー中に結着樹脂を配合する場合、結着樹脂100重量部に対して20重量部より多いと透明性が低下、特に混合色であるグリーン、レッド及びブルーの透明性及び色再現性が低下し、更には人間の肌色の再現性も低下し易く、また着色剤の含有量が5重量部より少ないと、着色力が低下して高画像濃度の高品位画像が得られ難くなり、付着量を多くする必要が生じるため画像形成に要するコストが上昇する。
したがって着色剤の含有量は、トナーの結着樹脂100重量部に対して4〜20重量部、更には8〜14重量部の使用がより好ましい。
【0058】
本発明のトナー中には、上述した着色剤以外に、結着樹脂、磁性粉、オフセット防止剤、及び帯電制御剤等の成分を必要に応じて配合することが可能である。
結着樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に制限されるものではない。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、及びアクリル酸2−エチルヘキシル等アクリル系単量体と、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、及びメタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体と、アクリル酸、メタクリル酸、及びスチレンスルホン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和酸単量体と、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のビニルニトリル類と、ビニルメチルエーテル、及びビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類と、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類と等の化合物を例示列挙することができる。
またエチレン、プロピレン、及びブタジエン等のオレフィン類等の単量体等の単独重合体と、それらの単量体を2種類以上組み合せた共重合体と、それら単独重合体及び/又は共重合体の混合物と、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、及びポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂と、それら樹脂及びビニル系樹脂の混合物と、それら樹脂の共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体と等の化合物を結着樹脂として例示列挙することができる。
なお上述した様々な樹脂の中でポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂が透明性及び耐久性の点で優れている。
【0059】
磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイト、及び各種フェライト等の磁性体を例示列挙することができる。
【0060】
本発明のトナーの定着性向上のために用いられる剥離剤としては、各種剥離剤、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレン、及びポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスを例示列挙することができる。
なお剥離剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部とすることが好ましい。
【0061】
帯電制御剤としては、負帯電トナー用及び正帯電トナー用の2種類がある。
負帯電トナー用の帯電制御剤としては、クロム・アゾ錯体染料と、鉄アゾ錯体染料と、コバルト・アゾ錯体染料と、サリチル酸と、サリチル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体、及びホウ素錯体と、サリチル酸塩化合物と、ナフトール酸と、ナフトール酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素錯体と、ナフトール酸塩化合物と、ベンジル酸と、ベンジル酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素錯体と、ベンジル酸塩化合物と、長鎖アルキル・カルボン酸塩と、長鎖アルキル・スルホン酸塩と等の界面活性剤類を例示列挙することができる。
正帯電トナー用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、ニグロシン染料誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等の誘導体を例示列挙することが可能である。
なお帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
【0062】
また本発明のトナーにおいては、結着樹脂、磁性粉、オフセット防止剤、及び帯電制御剤をトナー中に分散する場合に分散剤を用いるようにしても良い。
分散剤としては、BYK−182、BYK−161、BYK−162、BYK−163、BYK−164、BYK−116、BYK−111、BYK−2000、及びBYK−2001(以上ビックケミー社製)、Solsperse−20000、及びSolsperse−38500(以上アビシア社製)、EFKA−4046、EFKA−4047、EFKA−2000、EFKA−2002、EFKA−4009、及びEFKA−4010(以上エフカーケミカルズ社製)、並びにサーフィノールGA(エアープロダクツ社製)等の市販を例示列挙することができる。
これらの分散剤は1種類で用いても2種類以上混合するようにしても良い。
【0063】
なお着色料の分散剤は、着色料100重量部に対して100重量部より多い場合に高温環境下での帯電安定性及び定着性に悪影響を及ぼすため、着色料100重量部に対して100重量部以下、更には50重量部以下にすることがより好ましい。
【0064】
そして本発明のトナーの製造方法では、第3工程として、有機微粒子及び組成物Aを混合した水溶液に、回転羽根を有する分散機を用いて機械的なシェアをかけることにより、組成物Aを水溶液内に均一に分散させる。
本発明のトナーの製造方法にて用いられる回転羽根を有する分散機としては、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサー(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、及びファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、及びフィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチ又は連続両用乳化機等の市販の乳化機又は分散機を例示列挙することができる。
【0065】
そして本発明の製造方法では、第4工程として、水溶液中に均一になるように組成物Aを分散させた後、組成物Aに付着した有機微粒子に含まれる、第1工程にて中和されたイオン性の官能基を逆中和する。
イオン性の官能基を逆中和することにより、分散剤を除去する必要が無く環境安定性を維持することが可能となり、しかも有機微粒子の外添を必要としない工業的生産性の優れたカプセル型のトナーの製造を可能とする。
なお逆中和剤としては、アンモニア水及び塩酸水溶液等の溶液を例示列挙することができる。
【0066】
そして本発明の製造方法では、第5工程として、水溶液中から分散されている有機微粒子が付着した組成物Aを分離する。
【0067】
そして本発明の製造方法では、第6工程として、水溶液中から分離した組成物Aを乾燥し、篩分し、更に必要に応じて様々な添加剤を添加することにより本発明のトナーを得ることができる。
なお第6工程における乾燥、篩分及び添加の方法としては特定の方法に限定されるものではない。
【0068】
例えば流動性の調整、感光体上へのトナー・フィルミングの防止、及び感光体ドラム上の残留トナーのクリーニング性の向上を目的として添加する添加剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛等の無機酸化物と、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、及びスチレン等の化合物の単独及び共重合体樹脂微粒子と、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、及びステアリン酸等の高級脂肪酸及びその高級脂肪酸の金属塩と、カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、及び窒化ホウ素と等の薬剤を例示列挙することができる。
なおこれらの各種添加剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましい。
【0069】
なお本発明のトナーの製造方法において、エチレン性不飽和結合を有する単量体を含む組成物Aを用いる場合、上述した第3工程にて組成物Aを、ラジカル重合を開始させる開始剤と共に水溶液中に分散させた後、組成物Aを分散させた水溶液を反応缶へ移送し、そして窒素気流下で所定温度まで加熱して所定時間撹拌することにより、単量体がラジカル重合して高分子化する。
このようにしてラジカル重合を進行させることにより、小粒径で球形のトナーを製造することができ、このようにして製造されたトナーは小粒径であることにより解像度が高い画像を形成することが可能で、また球形であることにより耐久性に優れている。
【0070】
本発明のトナーの製造方法において、ラジカル重合を開始させる開始剤としては、ラウリルパーオキサイド及びベンジルパーオキサイド等の水不溶性の開始剤を例示列挙することができる。
【0071】
また本発明の製造方法において、組成物A中に有機溶剤を含有している場合には、上述した第3工程後に分散懸濁液中に含有する有機溶媒を減圧蒸留等の方法により系外へ除去する処理が行われる。
減圧蒸留等の方法により有機溶剤を除去することにより、小粒径で球形のトナーを製造することができ、このようにして製造されたトナーは小粒径であることにより解像度が高い画像を形成することが可能で、また球形であることにより耐久性に優れており、しかも透明性の高いポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂等の樹脂を用いて製造することも可能であり、透明性の高い樹脂を用いて製造したトナーは、カラー画像の形成に適した特性を有する。
【0072】
上述した方法により製造した本発明のトナーは、コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置にてコピー用紙等のシート上に画像を形成すべく用いられる。
本発明のトナーを使用した画像形成装置では、シート上に画像を形成する場合に、感光体ドラムを均一に帯電させ、帯電させた感光体ドラム上に形成すべき画像に基づく光像を走査して静電潜像を形成し、形成した静電潜像に、本発明のトナーを付着させることで可視画像化させる現像を行い、得られた可視画像をシート上に転写し、そして転写したトナーをシートに定着させることにより画像を形成する。
【0073】
【実施例】
次に各種条件を変えて作製した本発明のトナー及び比較サンプル用のトナーの作製条件及び評価を実施例として説明する。
先ずトナーに要する有機微粒子の作製方法について説明する。
なお作製した有機微粒子に対しては膨潤率の算出を行う。
膨潤率は、DLS−700(大塚電子社製)を用いてシェル部形成前の段階での体積平均粒径La及びシェル部形成後中和剤を混合し膨潤させた段階での体積平均粒径Lbを測定し、下記の式1により算出する。
【0074】
膨潤率=Lb/La ……式1
但し、La:シェル部形成前の体積平均粒径
Lb:中和後の体積平均粒径
【0075】
(有機微粒子MG−1)
攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、及び冷却管を備えた反応容器に、RA−1022(アニオン型反応性乳化剤、日本乳化剤社製)2重量部、脱イオン水168重量部を仕込み、摂氏80度に昇温する。
これにRA−1022(アニオン性反応乳化剤、日本乳化剤社製)2重量部、脱イオン水252重量部、スチレン50重量部、n−ブチルアクリレート20重量部及びエチレングリコールジメタクリレート6.0重量部からなるモノマー混合液(プレエマルション)と、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.5重量部及び脱イオン水62重量部からなる開始剤水溶液56重量部とを同時に110分かけて滴下し、更に60分間撹拌する。
そしてアクリル酸9.5重量部、スチレン5.0重量部、n−ブチルアクリレート5.0重量部、及びエチレングリコールジメタクリレート0.5重量部からなるモノマー混合液20重量部と残りの開始剤水溶液6.5重量部とを同時に10分かけて滴下し、更に3時間攪拌した後、反応を終了させることにより有機微粒子MG−1を作製する。
このような条件により作製した有機微粒子MG−1のシェル部形成前の体積平均粒径は102nmであり、1Nアンモニア水を所定量加えて中和することにより、体積平均粒径が158nmまで膨潤する。
即ち有機微粒子MG−1の微粒子膨潤率は、158/102=1.55となる。
【0076】
(有機微粒子MG−2)
有機微粒子MG−1の製造方法において、反応性乳化剤及び脱イオン水を増量することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が38nmであり、中和後の体積平均粒径が49nmである有機微粒子MG−2を作製する。
なお有機微粒子MG−2の微粒子膨潤率は、49/38=1.29となる。
【0077】
(有機微粒子MG−3)
有機微粒子MG−1の製造方法において、反応性乳化剤及び脱イオン水を増量することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が25nmであり、中和後の体積平均粒径が38nmである有機微粒子MG−3を作製する。
なお有機微粒子MG−3の微粒子膨潤率は、38/25=1.52となる。
【0078】
(有機微粒子MG−4)
有機微粒子MG−1の製造方法において、アクリル酸9.5重量部をアクリル酸メチルに変更することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が95nmであり、中和後の体積平均粒径が146nmである有機微粒子MG−4を作製する。なお有機微粒子MG−4の微粒子膨潤率は、146/95=1.54となる。
【0079】
(有機微粒子MG−5)
有機微粒子MG−1の製造方法において、エチレングリコールジメタクリルレート6.0重量部及び0.5重量部をアクリル酸メチルに変更することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が98nmであり、中和後の体積平均粒径が193nmである有機微粒子MG−5を作製する。
なお有機微粒子MG−5の微粒子膨潤率は、193/98=1.97となる。
【0080】
(有機微粒子MG−6)
有機微粒子MG−1の製造方法において、RA−1022(アニオン性反応乳化剤)2重量部をドデシルスルホン酸ナトリウムに変更することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が120nmであり、中和後の体積平均粒径が180nmである有機微粒子MG−6を作製する。
なお有機微粒子MG−6の微粒子膨潤率は、180/120=1.50となる。
【0081】
(有機微粒子MG−7)
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を有するセパラブルフラスコに、脱イオン水300mlを投入し、窒素置換を行った後、摂氏75度に昇温する。
これにメチルメタクリレート5重量部及び亜硫酸ナトリウム(和光純薬社製)1重量部を加えて10分間撹拌する。
そしてスチレン45重量部、n−ブチルアクリレート27重量部及びエチレングリコールジメタクリレート8.0重量部からなるモノマー混合液を2時間かけて滴下し、更に60分間撹拌する。
さらにアクリル酸5.8重量部、スチレン5.0重量部、n−ブチルアクリレート4.0重量部、及びエチレングリコールジメタクリレート0.2重量部からなるモノマー混合液15重量部を10分かけて滴下し、更に3時間攪拌後、反応を終了させることにより有機微粒子MG−7を作製する。
このような条件により作製した有機微粒子MG−7のシェル部形成前の体積平均粒子径は270nmであり、1Nアンモニア水を所定量加えて中和することにより、体積平均粒径が337nmまで膨潤する。
即ち有機微粒子MG−7の微粒子膨潤率は、337/270=1.25となる。
【0082】
(有機微粒子MG−8)
有機微粒子MG−7の製造方法において、亜硫酸ナトリウム及び脱イオン水の量を変更することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が350nmであり、中和後の体積平均粒径が483nmである有機微粒子MG−8を作製する。
なお有機微粒子MG−8の微粒子膨潤率は、483/350=1.38となる。
【0083】
(有機微粒子MG−9)
有機微粒子MG−7の製造方法において、2段階に分けて滴下するモノマー混合液を1度に滴下することにより、シェル部形成前の体積平均粒径が255nmであり、中和後の体積平均粒径が260nmである有機微粒子MG−9を作製する。
なお有機微粒子MG−9の微粒子膨潤率は、260/255=1.02となる。
MG−9では、モノマー混合溶液を2段階に分けずに1度に滴下することにより、コア・シェル構造の架橋構造を形成することはなく、単一の架橋構造を形成する。
【0084】
次にトナーに要する母粒子を形成させる組成物の作成方法について説明する。
組成物は、所定量のモノマー、樹脂溶液、着色剤、分散剤、帯電制御剤及び剥離剤を以下の条件で配合しものにガラスビーズを加え、分散機を用いて室温で3時間分散することにより作製する。
【0085】
(組成物P−1)
スチレン:500重量部
n−ブチルアクリレート:238重量部
ジビニルベンゼン:2重量部
フタロシアニンブルー:120重量部
BYK−164(ビックケミー社製顔料分散剤):40重量部
荷電調整剤:25重量部
ポリプロピレンワックス:75重量部
ラウリルパーオキサイド:20重量部
【0086】
(組成物P−2)
SE−105(大日本インキ化学工業社製ポリエステル樹脂):780重量部
トルエン:1500重量部
フタロシアニンブルー:120重量部
荷電調整剤:25重量部
ポリプロピレンワックス:75重量部
【0087】
次に有機微粒子及び組成物を用いたトナーの作成方法について説明する。
なお作製したトナー粒子の体積平均粒子径及び変動係数は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて測定する。
またトナー表面のカプセル層の厚みは、コールターマルチサイザーIIを用いて、母粒子の体積平均粒子径Raと、有機微粒子が表面に付着してトナー粒子を形成した状態での体積平均粒子径Rgとを測定し、下記の式3により算出する。
【0088】
カプセル層厚み=Rg/Ra ……式2
但し、Ra:母粒子の体積平均粒子径
Rg:トナー粒子の体積平均粒子径
【0089】
(トナーT−1)
固形分散分換算で50重量部の有機微粒子MG−1及び所定量の1Nアンモニア水を含む水溶液1000重量部に、組成物P−1を450重量部加え、ポリトロン(キネマティカ社製)にて粒子径を測定しつつ所定の粒子径になるまで分散処理を行う。
分散処理により得られた分散液を攪拌装置、温度計、窒素導入口、及び冷却管を備えたセパラブルフラスコに投入し、窒素置換を行った後、摂氏78度で5時間撹拌することにより重合反応を行わせる。
得られた分散液に1N塩酸水溶液を加えることにより逆中和した後、減圧加熱を行うことにより組成物表面への有機微粒子の付着及び未反応単量体の除去を行う。
そして得られた溶液に脱イオン水を加えて洗浄及び濃縮を繰り返した後、凍結乾燥機にて乾燥させることにより粉末を得る。
得られた粉末100重量部と、シランカップリング剤及びジメチルシリコーンオイルにて表面処理を行った疎水性シリカ微粉体(BET比表面積120m /g)1.0重量部とを混合して、負摩擦帯電性のトナーT−1を作製する。
このトナーT−1の体積平均粒子径は5.5μmであり、母粒子の体積粒子径Raと有機微粒子が表面に付着した状態での体積平均粒子径Rgとの比により示されるカプセル層の厚みRg/Raは1.03である。
【0090】
(トナーT−2)
トナーT−1の製造方法において、有機微粒子MG−1の配合量を70重量部にすることにより、体積平均粒子径が5.6μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.05であるトナーT−2を作製する。
【0091】
(トナーT−3)
トナーT−1の製造方法において、有機微粒子MG−1の配合量を115重量部にすることにより、体積平均粒子径が5.3μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.09であるトナーT−3を作製する。
【0092】
(トナーT−4)
トナーT−1の製造方法において、有機微粒子MG−1の配合量を160重量部にすることにより、体積平均粒子径が5.5μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.12であるトナーT−4を作製する。
【0093】
(トナーT−5)
固形分散分換算で70重量部の有機微粒子MG−2及び所定量の1Nアンモニア水を含む水溶液1000重量部に、組成物P−1を1075重量部加え、ポリトロン(キネマティカ社製)にて粒子径を測定しつつ所定の粒子径になるまで分散処理を行う。
分散処理により得られた分散液に1N塩酸水溶液を加え逆中和した後、減圧加熱を行うことにより組成物表面への有機微粒子の付着及び有機溶媒の除去を行う。
そして得られた溶液に脱イオン水を加えて洗浄及び濃縮を繰り返した後、凍結乾燥機にて乾燥させることにより粉末を得る。
得られた粉末100重量部と、シランカップリング剤及びジメチルシリコーンオイルにて表面処理を行った疎水性シリカ微粉体(BET比表面積120m /g)1.0重量部とを混合してトナーT−5を作製する。
このトナーの体積平均粒子径は、5.8μmであり、カプセル層の厚みRg/Raは1.04である。
【0094】
(トナーT−6)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−3を用いることにより、体積平均粒子径が5.2μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.03であるトナーT−6を作製する。
【0095】
(トナーT−7)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−4を用いることにより、体積平均粒子径が5.5μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.05であるトナーT−7を作製する。
【0096】
(トナーT−8)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−5を用いることにより、体積平均粒子径が5.7μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.05であるトナーT−8を作製する。
【0097】
(トナーT−9)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−6を用いることにより、体積平均粒子径が5.9μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.04であるトナーT−9を作製する。
【0098】
(トナーT−10)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−7を用いることにより、体積平均粒子径が6.4μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.06であるトナーT−10を作製する。
【0099】
(トナーT−11)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−8を用いることにより、体積平均粒子径が6.0μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.04であるトナーT−11を作製する。
【0100】
(トナーT−12)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりに有機微粒子MG−9を用いることにより、体積平均粒子径が10.8μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.03であるトナーT−12を作製する。
【0101】
(トナーT−13)
トナーT−2の製造方法において、有機微粒子MG−1の替わりにポリビニルアルコール(日本合成化学社製GH−17)10重量部を用いることにより、体積平均粒子径が5.6μmであり、カプセル層の厚みRg/Raが1.00であるトナーT−13を作製する。
ポリビニルアルコールでは、母粒子に付着しないためカプセル層を形成することはなく、Rg/Raが1.00となる。
【0102】
そして作製したトナーT−1〜T−13を用いて画像形成装置により画像形成処理を行い、以下の評価を行った。
なお各評価における画像サンプルはプロセススピード88mm/secのシャープ社製ARC−150機を用いて未定着画像を作成した後、オイルレス型の定着方式の外部定着機にて所定の温度で定着を行った。
なお試験紙には75g/m 紙を用い、オフセット評価には52g/m 紙を用いている。
【0103】
(評価1:オフセット性測定による定着性評価)
所定のチャートで画出しを行った未定着画像を、外部定着機を用いて温度を変化させながら定着させ、定着ローラー2周目以降の紙面へのオフセットの有無を目視で評価する。
なお実使用上問題が無いレベルである摂氏130〜190度でオフセットが発生していないもの及び摂氏120〜200度でオフセットが発生していないものを夫々「○」及び「◎」とし、それ以外の実使用上問題が発生する可能性が有ると考えられるものを「×」として評価する。
【0104】
(評価2:白地カブリ測定によるトナー耐久性評価)
気温摂氏20度、相対湿度50%の環境下で、A4サイズの白紙10000枚に対して画像形成を行い、10000枚印刷後の白紙部分を目視により、実使用上問題が無いものを「◎」又は「○」とし、実使用上問題が発生する可能性が有ると考えられるものを「×」とする評価を行う。
【0105】
(評価3:環境帯電測定による帯電安定性評価)
フェライト粒子(パウダーテック社性60μm)及びトナーを95:5の割合で混合し、摂氏30度、相対湿度80%(環境条件HH)及び摂氏10度、相対湿度20%(環境条件LL)の環境下でボールミルにて30分撹拌後、帯電量を測定する。
環境条件HHでの帯電量/環境条件LLでの帯電量の値を百分率で算出して、80%以上を「◎」、70%以上を「○」、そして70%未満を「×」とする3段階の評価を行い、「◎」及び「○」を実使用上問題が無いレベルとする評価を行う。
【0106】
(評価4:透明性評価)
オーバーヘッドプロジェクター専用シート(シャープ社製CX−7A4C)に対して画像濃度が1.7となる様にマゼンタ色のトナー付着量を調整して画像形成する。
オーバーヘッドプロジェクター専用シート上に形成された画像を試料として、直読ヘーズコンピュータC光源用HGM−2DP(スガ試験機社製)を使用して、拡散透過光量及び全透過光量を測定しヘーズ値を算出することにより透明性の評価を行う。
なおヘーズ値とは、透明な試料に平行光線を入射させ、試料を透過した光線のうち拡散する光線の光量を拡散透過光量Tdとし、試料を透過した拡散光線及び平行光線の全光量を全透過光量Ttとした場合、下記の式3にて示される様に透明な試料を透過した光線が拡散する程度を示す指標であり、ヘーズ値が小さいほど拡散透過光量が少なく透明性が高いことを示す。
【0107】
ヘーズ値(%)=(Td/Tt)×100 ……式3
但し、Td:拡散透過光量
Tt:全透過光量
【0108】
算出したヘーズ値が20以下を「◎」、25以下を「○」、そして25以上を「×」とする3段階の評価を行い、「◎」及び「○」を実用上問題がないレベルとする評価を行う。
【0109】
評価1乃至評価4の評価方法により夫々のトナー粒子を「◎」、「○」及び「×」の三段階で評価した結果を下記の表1に示す。
【0110】
【表1】
Figure 2005010672
【0111】
表1に示す様に本発明のトナーであるT−1〜T−7及びT−9〜T−11は、コア・シェル構造を有する架橋型の有機微粒子を母粒子に付着させて製造することにより、定着性、耐久性、帯電安定性及び透明性に優れたトナーを得ることができる。
特に中和前の粒径が30〜300nmである有機微粒子を用いることにより、耐久性、定着性及び透明性が優れたトナーを得ることができる。
またRg/Raの値を1.02〜1.10とすることにより、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
これに対し、コア・シェル構造を有するが非架橋であるトナーT−8は耐久性が低いという問題を有しており、架橋型であるが単一構造のトナーT−12は定着性及び耐久性が低いという問題を有している。
【0112】
前記実施の形態に示した原料及び操作手順等の製造条件は、本発明を実現する無数の形態の中の一部を例示して列挙したものであり、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
【0113】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るトナー及びトナーの製造方法では、母粒子に付着させるコア・シェル構造を有する有機微粒子として架橋型の有機微粒子を用いることにより、優れた低温定着性を備えるだけでなく、非架橋型の有機微粒子と比べて少量の添加量でも耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、また微粒子の添加量を増加させる必要がないので、オイルレス定着における剥離剤の染み出し効果抑制による耐オフセット性の低下を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0114】
また本発明では、コア・シェル構造を有する有機微粒子のコア部の架橋度を高くすることにより、シェル部がミクロドメインを形成して耐久性を向上させることが可能であり、またシェル部の架橋度が低いため有機微粒子及び母粒子間並びに有機微粒子同士での融着を促進し、これにより長期ランニング時における耐久性を維持することが可能であり、しかも定着時にシェル部が軟化して、剥離剤がシェル部に沿って表面に染み出すようになるので、耐オフセット性を向上させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0115】
さらに本発明では、有機微粒子のシェル部にイオン性の官能基を含ませることにより、帯電性を向上させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0116】
さらに本発明では、有機微粒子のイオン性の官能基を中和することにより、有機微粒子が膨潤するため、有機微粒子及び母粒子間並びに有機微粒子同士での融着を促進し、長期ランニング時における耐久性を向上させることが可能であり、中和前の粒径を30nm以上とすることにより、耐久性を向上させることが可能であり、中和前の粒径を300nm以下とすることにより、低温定着性及び透明性を向上させることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0117】
さらに本発明では、乳化剤が有機微粒子に固定化されているソープフリー乳化重合法にて作製することにより、トナー表面へのブリードが少なくなり、高温高湿度下での帯電安定性の低下を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0118】
さらに本発明では、トナー粒子の粒径を母粒子の粒径の1.02倍以上になるように樹脂設計することにより、有機微粒子により形成される表面層を厚くして耐久性及び保存安定性を向上させることが可能であり、母粒子の粒径の1.10倍以下とすることにより、剥離剤の染み出し効果抑制による耐オフセット性の低下を防止することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0119】
さらに本発明では、コア・シェル構造を有する架橋型の微粒子を中和剤にて中和することにより有機微粒子が膨潤して分散能が発現し、分散能が発現した有機微粒子を分散剤として用いることで、有機微粒子が母粒子の表面に均一な膜を形成するので低温定着性及び耐久性の高いトナーを簡単な工程にて製造することが可能であり、しかも有機微粒子に含まれるイオン性の官能基を逆中和することにより、分散剤を除去する必要が無く環境安定性を維持することが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のトナーに付着させる有機微粒子を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 トナー
2 母粒子
21 剥離剤
3 有機微粒子
31 コア部
32 シェル部

Claims (12)

  1. 母粒子に、該母粒子より粒径が小さいコア・シェル構造を有する有機微粒子を付着させて製造するトナーにおいて、
    前記有機微粒子は、架橋型であることを特徴とするトナー。
  2. 前記有機微粒子のシェル部の架橋度は、コア部の架橋度より低いことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記有機微粒子のシェル部は、イオン性の官能基を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー。
  4. 前記有機微粒子は、イオン性の官能基を中和することで粒径が1.2倍以上となることを特徴とする請求項3に記載のトナー。
  5. 前記有機微粒子は、中和前の粒径が30〜300nmであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のトナー。
  6. 前記有機微粒子は、ソープフリー乳化重合法により作製したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかひとつに記載のトナー。
  7. 前記母粒子の1.02〜1.10倍の粒径であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかひとつに記載のトナー。
  8. コア・シェル構造を有する架橋型の有機微粒子を、中和剤を含む溶液と混合する工程と、
    有機微粒子が混合された溶液中に、剥離剤及び着色剤を含み母粒子を形成させる組成物を分散させる工程と、
    溶液中から組成物を分離する工程と
    を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  9. 前記有機微粒子は、イオン性の官能基を含み、
    溶液中に組成物を分散させた後、有機微粒子に含まれるイオン性の官能基を逆中和する工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 前記組成物は、エチレン性の不飽和結合を有する単量体を含み、
    溶液中に組成物を分散させた後、加熱により単量体を重合させる工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のトナーの製造方法。
  11. 前記組成物は、結着剤を含むことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のトナーの製造方法。
  12. 前記組成物は、分散前の動粘度が100St以下であることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかひとつに記載のトナーの製造方法。
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