JPH11258841A - 電荷発生層用分散液および該分散液を用いた電子写真感光体 - Google Patents

電荷発生層用分散液および該分散液を用いた電子写真感光体

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JPH11258841A
JPH11258841A JP5981698A JP5981698A JPH11258841A JP H11258841 A JPH11258841 A JP H11258841A JP 5981698 A JP5981698 A JP 5981698A JP 5981698 A JP5981698 A JP 5981698A JP H11258841 A JPH11258841 A JP H11258841A
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JP
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dispersion
resin
photoreceptor
charge generation
generation layer
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JP5981698A
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Hideki Nagamura
秀樹 長村
Nobuaki Hirota
展章 廣田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な塗工面を有し、ピンホールや濃度ムラな
どの画像故障のない電子写真感光体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】下記一般式(1)で示されるビスアゾ顔料
が、樹脂と4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサ
ノン、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよび
1,2−ジメトキシエタンから選ばれる少なくとも1種
と炭素数3個以上6個以下の脂肪酸エステルの中から選
ばれる少なくとも1種の溶媒中で分散されたことを特徴
とする電荷発生層用分散液およびそれを用いた電子写真
感光体。 【化1】 (一般式(1)において、Rは水素原子、置換されてい
てもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、また
は複素環基であり、mは0〜2であり、nは0または1
であり、Cp1およびCp2はカプラー残基を表し、各々
同一でも異なっていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電荷発生層用分散
液に関し、詳しくは長期間の分散安定性を向上させた電
荷発生層用アゾ顔料を含む電荷発生層用分散液および良
好な塗工面を有し、ピンホールや濃度ムラなどの画像故
障のない電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の感光体には無機系
の光導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化
亜鉛、シリコンなどが知られており、広く研究され、か
つ実用化されている。これらの無機物質は多くの長所を
持っているのと同時に、種々の欠点をも有している。例
えばセレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結
晶化しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化
亜鉛は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては
帯電性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更
に、セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0003】これに対し、有機系の光導電性物質は成膜
性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性も
よく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感
光体の設計が容易であるなどの利点を有していることか
ら、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0004】ところで、電子写真技術に於て使用される
感光体は、一般的に基本的な性質として次のようなこと
が要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対
して帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所で
の漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって
帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4)光
照射後の残留電荷が少ないことなどである。
【0005】しかしながら、今日まで有機系光導電性物
質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性
ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これら
は必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、また
上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備してい
るとはいい難い。
【0006】一方、有機系の低分子光導電性化合物につ
いては、感光体形成に用いる結着剤などを選択すること
により、皮膜性や接着性、可撓性など機械的強度に優れ
た感光体を得ることができるものの、高感度の特性を保
持し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0007】このような点を改良するためにキャリア発
生機能とキャリア輸送機能とを異なる物質に分担させ、
より高感度の特性を有する有機感光体が開発されてい
る。機能分離型と称されているこのような感光体の特徴
は、それぞれの機能に適した材料を広い範囲から選択で
きることであり、任意の性能を有する感光体を容易に作
製し得ることから多くの研究が進められてきた。
【0008】このうち、キャリア発生機能を担当する物
質としては、フタロシアニン、スクエアリウム色素、ア
ゾ顔料、ペリレン顔料等の多種の物質が検討され、中で
もアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、高い
電荷発生効率が期待できることから広く研究され、電子
写真感光体として高感度、高耐久性を有するアゾ顔料の
実用化も進んでいる。
【0009】また、これらキャリア発生機能を有する顔
料はその分子構造だけでなく、顔料合成後の洗浄や粉砕
等の処理や感光体形成用分散液の調整方法によっても、
先に掲げた感光体として要求される基本的な性質が大き
く変化することが知られている。そこで、特開昭63−
301955号公報には特定構造を有するアゾ顔料に対
し、ケトン系溶剤中で加熱処理する方法、特開平4−5
6964号公報にはハロゲン系溶剤で処理する方法、特
開平7−152188号公報にはビスアゾ顔料を1,4
−ジオキサンを処理溶媒としてボールミルで粉砕処理す
る方法等が開示されている。
【0010】しかしながら、上記の方法は、結果として
顔料それ自身またはそれを用いた感光体の電子写真特性
を考慮しているに過ぎず、試験的に短時間で分散液の調
整や塗布を行って電子写真感光体を製造するには問題な
くとも、時間経過での増粘による分散液の安定性の欠如
や大きいチキソトロピー性のために局所的な粘度勾配お
よび濃度勾配が発生し、例えば支持体に浸漬塗工する
際、支持体上部と下部との濃度ムラや、同時複数塗工に
よる他の支持体の干渉によるモアレ、画像にした場合の
画像ムラや画像欠陥等が発生しやすく、先に掲げた感光
体として要求される基本的な性質や高い耐久性などの要
求を満足するものは未だ十分に得られていないのが現状
である。
【0011】また、特開昭57−144560号公報に
は分散液中に有機顔料を溶解させる溶剤を含有させる方
法、特開昭63−172276号公報にはアゾ系顔料を
アルキルグリコールアセテート媒体中に分散させる方法
等が開示されているが、同様に、先に掲げた感光体とし
て要求される基本的な性質や高い耐久性などの要求を満
足するものは未だ十分に得られていないのが現状であ
る。
【0012】以上述べたように電子写真感光体の作製に
は種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体とし
て要求される基本的な性質や高い耐久性などの要求を満
足するものは未だ十分に得られていないのが現状であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電荷発生層
用分散液に関し、詳しくは長期間の分散安定性を向上さ
せた電荷発生層用アゾ顔料を含む電荷発生層用分散液お
よび良好な塗工面を有し、ピンホールや濃度ムラなどの
画像故障のない電子写真感光体に関するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討をした結果、下記一般式
(1)で示されるビスアゾ顔料が、樹脂と4−メチル−
2−ペンタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルおよび1,2−ジメトキシエタン
から選ばれる少なくとも1種と炭素数3個以上6個以下
の脂肪酸エステルの中から選ばれる少なくとも1種の溶
媒中で分散された分散液を、導電性支持体上に塗布する
事でピンホールや画像故障のない電子写真感光体である
ことを見出し、本発明の目的を達成するに至った。
【0015】
【化2】
【0016】(一般式(1)において、Rは水素原子、
置換されていてもよいアルキル基、アラルキル基、アリ
ール基、または複素環基であり、mは0〜2であり、n
は0または1であり、Cp1およびCp2はカプラー残基
を表し、各々同一でも異なっていてもよい。)
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各構成要素につい
て詳細に説明する。
【0018】本発明にかかわる一般式(1)で示される
アゾ顔料のカップラー残基Cp1、Cp2の具体例として
は、例えば表1〜14に示されるものが挙げられる。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
【表9】
【0028】
【表10】
【0029】
【表11】
【0030】
【表12】
【0031】
【表13】
【0032】
【表14】
【0033】本発明にかかわる一般式(1)で示される
アゾ顔料の具体例としては、例えば表15〜17に示さ
れるものが挙げられる。式中、Cpはカップラー残基を
示す。
【0034】
【表15】
【0035】
【表16】
【0036】
【表17】
【0037】本発明にかかわるアゾ顔料は、単独または
2種以上を混合して用いることができる。
【0038】本発明においてアゾ顔料の分散に用いる溶
媒は、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよび1,
2−ジメトキシエタンの少なくとも1種と炭素数が3個
以上6個以下の脂肪酸エステル(以下、炭素数が3個以
上6個以下の脂肪酸エステルを、本発明にかかわる脂肪
酸エステルと記載する。)であり、その具体例としては
ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブ
チル、ギ酸イソブチル、ギ酸t−ブチル、ギ酸アミル、
ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、
酢酸t−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エ
チル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピ
ル、酪酸メチル、酪酸エチル、イソ酪酸メチル、および
イソ酪酸エチルの他、乳酸メチル、乳酸エチル、ピルビ
ン酸メチル、酢酸エチルセロソルブ、およびクロロ酢酸
エチル等の各種置換基を有する脂肪酸エステルが挙げら
れる。
【0039】これら本発明に係わる4−メチル−2−ペ
ンタノン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルおよび1,2−ジメトキシエタンの含有
率は、多ければ多いほど分散性は上がるものの、分散液
の安定性が低下するため、全溶媒重量に対し、1〜90
重量%が好ましく、5〜70%がより好ましい。これら
の溶媒は2種以上混合して用いてもかまわない。
【0040】これら本発明にかかわる脂肪酸エステルの
内、顔料の分散性に優れるばかりでなく、常温(分散液
調製時)において揮発しにくく、塗工乾燥時に蒸発しや
すい溶媒蒸発性のバランスに優れる、ASTM.D.3
539.76に規定される相対蒸発速度が2〜4の酢酸
イソプロピルおよび酢酸プロピルが特に好ましい。
【0041】一方、脂肪酸エステルであっても、本発明
にかかわる脂肪酸エステル以外の溶媒は、溶媒蒸発性の
バランスに劣り、炭素数2以下の脂肪酸エステルに観ら
れるように、常温(分散液調製時)において揮発しやす
くて分散液濃度の変動が大きかったり、逆に炭素数7以
上の脂肪酸エステルに多く観られるように、塗工乾燥時
においても蒸発しにくく、効率よく電子写真感光体を製
造することができないため好ましくない。
【0042】本発明において分散に使用する装置は、ボ
ールミル、縦型ビーズミル、水平型ビーズミル、米国レ
ッドデビル社製のペイントコンディショナーなどの分散
メディアを用いる分散機であり、ロールミル、衝撃ミル
などの分散メディアを用いない分散機は使用されない。
【0043】本発明で用いる分散メディアの材質として
は、ソーダガラス(SiO270〜73%、Na2O13
〜15%)、低アルカリガラス(SiO242〜52
%、Al3313〜23%、CaO10〜25%、Ca
O+MgO18〜32%)、イットリア含有ジルコニア
(ZrO293〜95%、Y234〜6%)が好まし
い。分散メディアの形状は直径数mmのビーズ状のもの
がよく使われる。
【0044】本発明の電子写真感光体は、本発明の電荷
発生層用分散液を用いることにより得られる。感光体の
形態としては種々のものが知られているが、少なくとも
導電性支持体上に電荷発生層および電荷輸送層を設けた
積層型の感光体に用いることができる。電荷発生層と電
荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必
要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感
光体表面にオーバーコート層を、電荷発生層と電荷輸送
層との間に中間層を設けることもできる。本発明の分散
液を用いて感光体を作製する支持体としては金属製ドラ
ム、金属板、導電性加工を施した紙、プラスチックフィ
ルムのシート状、ドラム状あるいはベルト状の支持体な
どが使用される。
【0045】更に、金属粉末、金属酸化物、カーボンブ
ラック、炭素繊維、ヨウ化銅、電荷移動錯体、無機塩、
イオン伝導性の高分子電解質等の導電性物質を適当な結
着剤樹脂と共に塗工しポリマーマトリックス中に埋め込
んで導電処理を施したプラスチックやセラミック、紙等
で構成されるドラム、シート、ベルト等や、このような
導電性物質を含有し導電性となったプラスチック、セラ
ミック、紙等のドラム、シート、ベルト等が挙げられ
る。
【0046】それらの支持体上へ感光層を形成するため
に用いるフィルム形成性結着剤樹脂としては利用分野に
応じて種々のものがあげられる。例えば、複写用感光体
の用途ではポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、塩ビ樹脂、フェノキシ樹脂などがあげられ
る。これらの樹脂は、単独あるいは共重合体として2種
以上を混合して用いることができる。また、これらの中
でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテ
ル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン樹脂、アクリル
樹脂等は感光体としての電位特性に優れ、特にポリビニ
ルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂およびスチレンア
クリル樹脂が特に優れている。
【0047】電荷発生層に含有されるこれらの樹脂は、
アゾ顔料に対して10〜500重量%が好ましく、50
〜150重量%がより好ましく、膜厚は0.001〜5
μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。樹脂
の比率が高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また
樹脂の比率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。
また、電荷輸送層に含有されるこれらの樹脂は、電荷輸
送物質に対して20〜1000重量%が好ましく、50
〜500重量%がより好ましく、膜厚は5〜100μm
が好ましく、10〜40μmがより好ましい。樹脂の比
率が高すぎると感度が低下し、また、樹脂の比率が低く
なりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招く恐
れがある。
【0048】これらの樹脂の中には、引っ張り、曲げ、
圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良
するために、可塑性を与える物質を加えることができ
る。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、D
BP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP
等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニト
リルゴム、塩素化炭化水素などがあげられる。これらの
物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を
及ぼすので、その割合は結着剤樹脂に対し20%以下が
好ましい。
【0049】その他、感光体中への添加物として酸化防
止剤やカール防止剤などを必要に応じて添加することが
できる。
【0050】電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送
物質がある。前者の例としては、例えば特開昭54−1
50128号公報、同55−46761号公報、同57
−64244号公報、同58−184947号公報、同
59−15251号公報、同60−146248号公
報、同60−177350号公報、同60−23014
2号公報、同60−255854号公報、特開平1−1
02469号公報、同2−96767号公報、同2−2
10451号公報、同2−226160号公報、同3−
73958号公報、同4−4260号公報等に示されて
いるヒドラゾン類、特開昭52−4242号公報、同5
6−52756号公報、同57−210343号公報、
同58−65440号公報、同60−98437号公
報、同61−134354号公報、同63−22566
0号公報、特開平1−142642号公報、同2−19
0864号公報、同2−230255号公報、同5−3
03220号公報等に示されているアリールアミン類、
特開昭57−148750号公報、同62−28725
7号公報、同63−205659号公報、特開平2−8
4658号公報、同3−75660号公報等に示されて
いる置換エチレン類、特開昭62−237458号公
報、特開平2−51162号公報、同2−184857
号公報等に示されているエナミン類、特開昭56−12
3544号公報、同59−231073号公報等に示さ
れているオキサゾール類、特開昭61−32850号公
報に示されているトリフェニルメタン類等を挙げること
ができる。
【0051】ヒドラゾン類の具体例としては化学式
(2)〜(19)、アリールアミン類の具体例としては
化学式(20)〜(35)、置換エチレン類の具体例と
しては化学式(36)〜(42)、エナミン類の具体例
としては化学式(43)〜(45)、オキサゾール類の
具体例としては化学式(46)〜(48)、トリフェニ
ルメタン類の具体例としては化学式(49)等の化合物
を挙げることができるが、本発明はこれらに限定される
ものではない。また、これら正孔輸送物質は単独、また
は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】
【化8】
【0058】
【化9】
【0059】
【化10】
【0060】
【化11】
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】一方、電子輸送物質としては、例えばクロ
ラニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメ
タン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、1,3,7
−トリニトロジベンゾチオフェン等の他、特開昭61−
233750号公報、同63−70257号公報、同6
3−104061号公報等に示されているアントラキノ
ン類、特開平5−148214号公報、同5−2327
22号公報、同5−313384号公報等に示されてい
るスチルベン類、特開平4−338760号公報、同4
−338761号公報、同4−338762号公報等に
示されているポリシアノ芳香環類、特開平5−1950
5号公報、同5−19510号公報、同5−30727
2号公報に示されているナフタレンビスカルボキシイミ
ド類、Japan Hard copy ’89論文集
p71−74、特開平4−285670号公報、同5−
992号公報、同5−92937号公報等に示されてい
るキノン類等が挙げられる。
【0065】アントラキノン類の具体例としては化学式
(50)〜(53)、スチルベン類の具体例としては化
学式(54)〜(56)、ポリシアノ芳香環類の具体例
としては化学式(57)〜(58)、ナフタレンビスカ
ルボキシイミド類の具体例としては化学式(59)〜
(61)、キノン類の具体例としては化学式(62)〜
(66)等の化合物を挙げることができるが、本発明は
これらに限定されるものではない。また、これらの電荷
輸送物質は単独、または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。
【0066】
【化15】
【0067】
【化16】
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】本発明の電子写真感光体は、常法によって
製造することができ、感光体の形態に応じて種々の添加
物質と共に適当な溶媒中に溶解または分散し、その分散
液を先に述べた導電性支持体上に塗工し、乾燥して感光
体を製造することができる。
【0071】電荷輸送層用の塗工溶媒としてはクロロホ
ルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエ
タン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶
媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系溶媒、蟻酸メチル、酢酸エチル、メチルセロソルブア
セテート等のエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルム
アミド、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、ジメ
チルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒およびアル
コール系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は
単独または2種以上の混合溶媒として使用することがで
きる。
【0072】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0073】実施例1 例示化合物P−13で示される電子写真感光体用顔料で
あるアゾ顔料3重量部とポリビニルブチラール樹脂(積
水化学製;BL−S)3重量部とをジエチレングリコー
ルジメチルエーテル60重量部と酢酸イソプロピル14
0重量部に混合し、レッドデビル社製のペイントコンデ
ィショナー装置により直径1mmの低アルカリガラスビ
ーズ(小原光学製;ハイビーD・20)と共に4時間分
散した。
【0074】こうして得た分散液を、一定のコーン回転
数にして測定開始時と3分間後の粘度変化量をRE型粘
度計(東機産業(株)製RE100型)にて調べたとこ
ろ、3分間の粘度変化量は0.1cpsであった。ま
た、分散液を室温で30日間静置した後の粘度を調べ、
時間経過による粘度変化を調べた。その結果、分散液作
製直後の粘度2.2cpsに対し、30日後の粘度は
2.3cpsであった。粘度の測定条件は、20℃、コ
ーン回転数は20rpmで行った。
【0075】これからも分かるように、3分間コーンを
一定回転数で回転させた時の粘度の変化量が極めて小さ
く、また時間経過による初期の粘度変化も極めて小さい
ことが分かった。
【0076】こうして得た顔料分散液を金属アルミニウ
ム薄板(JIS規格 #1050)上に、アプリケータ
ーにて塗布して、膜厚約0.2μmの電荷発生物質の被
膜を形成した。塗布性の結果は、良好であった。次に化
学式(17)で示される化合物を、ポリアリレート樹脂
(ユニチカ製U−ポリマー)と1:1の重量比で混合
し、ジクロロエタンを溶媒として10%の溶液を作り、
上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗工して、膜
厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
【0077】この様に作製した積層型電子写真感光体を
ドラム状アルミ素管に貼りつけ、市販の事務用複写機に
装着し、画像を形成させ、その画像に故障がないか評価
した結果、画像故障、濃度ムラは、全くみられなかっ
た。
【0078】次にこの感光体を、静電記録試験装置(川
口電気製EPA−8200)により電子写真特性評価を
行なった。測定条件:印加電圧−6kV、標準スタティ
ック方式、照射光(白色光)照度2luxで行った。そ
の結果、帯電電位が−740V、半減露光量が1.0ル
ックス・秒と高感度の値を示した。
【0079】次に、この感光体をアルミニウム製のドラ
ム素管に貼り付け、ドラム感光体評価装置(ジェンテッ
ク(株)製シンシア90)により、帯電露光の繰り返し
特性を評価した。測定は、コロナ印加電圧:−6.5k
V、プロセス速度160mm/秒、TCCD2モードで
の5000回の帯電および光除電の繰り返しを行った。
光除電はタングステンランプアレイを用いて行った。そ
の結果、初期の帯電電位が−750V、残留電位が−1
0Vに対し、5000回の繰り返し後は、帯電電位は−
740V、残留電位は−18Vと変化が極めて小さいこ
とが分かった。
【0080】実施例2〜8 実施例1で使用した分散溶媒を表18に記した溶剤にか
えた以外は、実施例1と同様に分散液を作製し、実施例
1と同様に粘度特性を評価した。いずれの場合も脂肪酸
エステルは全溶媒量に対し、30重量%とした。結果を
表18に示す。また、実施例1と同様に感光体を作製
し、実施例1と同様に電子写真特性および画像特性を評
価した。結果を塗布性は表18に、電子写真特性および
画像特性は表19に示す。
【0081】
【表18】
【0082】
【表19】
【0083】
【表20】
【0084】表18〜表20より、分散溶媒として4−
メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルおよび1,2−ジメトキ
シエタンと炭素数3個以上6個以下の脂肪酸エステルを
用いた場合は、3分間コーンを一定回転数で回転させた
時の粘度の変化量が極めて小さく、また時間経過による
初期の粘度変化も極めて小さく、極めて分散安定性の高
い分散液であることが分かった。また、塗布性が良好
で、その感光体は画像故障もなく、繰り返しによる感
度、帯電特性にもほとんど変化がなかった。
【0085】比較例1〜7 実施例1の分散溶媒を表21に示した溶媒と重量比にか
えた以外は、実施例1と同様に分散液を作製し、粘度特
性を評価した。結果を表21に示す。また、実施例1と
同様に塗布性、画像特性を評価し、表22に結果を示し
た。また、実施例1と同様に繰り返し特性を評価し、表
23に結果を示した。
【0086】
【表21】
【0087】
【表22】
【0088】
【表23】
【0089】表21〜23より、いずれの場合も塗布性
または画像特性に難があり、概して繰り返しによる帯電
性の変動が大きかった。
【0090】実施例9 次に、実施例1で用いたポリビニルブチラール樹脂をポ
リエーテル樹脂(旭電化製;BPX−33)にかえた以
外は実施例1と同様に分散液を作製し、粘度特性を評価
した。結果を表24に示す。また、実施例1と同様に塗
布性、画像特性を評価し、表25に結果を示した。ま
た、実施例1と同様に繰り返し特性を評価し、表26に
結果を示した。
【0091】実施例10 次に、実施例1で用いたポリビニルブチラール樹脂をス
チレンアクリル樹脂(星光化学;S−635)にかえた
以外は実施例1と同様に分散液を作製し、粘度特性を評
価した。結果を表24に示す。また、実施例1と同様に
塗布性、画像特性を評価し、表25に結果を示した。ま
た、実施例1と同様に繰り返し特性を評価し、表26に
結果を示した。
【0092】
【表24】
【0093】
【表25】
【0094】
【表26】
【0095】実施例11〜17 実施例4のアゾ顔料(P−13)を表27に示したアゾ
顔料にかえた以外は、実施例4と同様に分散液を作製
し、粘度特性を評価した。結果を表27に示す。また、
実施例1と同様に塗布性、画像特性を評価し、表28に
結果を示した。また、実施例1と同様に繰り返し特性を
評価し、表29に結果を示した。
【0096】
【表27】
【0097】
【表28】
【0098】
【表29】
【0099】比較例8 実施例4のアゾ顔料(P−13)を下記化学式(67)
に示したアゾ顔料にかえた以外は、実施例4と同様に分
散液を作製し、実施例1と同様に粘度特性を評価した。
その結果、3分間の粘度変化量は4.2cpsであっ
た。また、分散液作製直後の粘度10.8cpsに対
し、30日後はゲル化していた。
【0100】また、実施例1と同様に感光体を作製し、
実施例1と同様に塗布性、画像特性を評価した。その結
果、塗布ムラが発生し、画像にも濃度ムラの画像故障が
発生した。
【0101】
【化19】
【0102】実施例18 実施例1で用いた電荷輸送物質である化学式(17)を
化学式(36)にかえた以外は実施例1と同様に感光体
を作製した。実施例1と同様の画像試験を行った結果、
画像故障は全くみられなかった。また、実施例1と同様
に電子写真特性および繰り返し試験を行った結果、半減
露光量は1.0ルックス・秒と高感度の値を示した。ま
た、実施例1と同様に繰り返し特性を評価した結果、初
期の帯電電位が−790V、残留電位が−11Vに対
し、5000回の繰り返し後は、帯電電位は−780
V、残留電位は−20Vと変化が極めて小さいことが分
かった。
【0103】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば長期間分散安定性を有する電荷発生層用分散液が提供
でき、該分散液を用いれば、良好な塗工面を有し、かつ
画像故障のない電子写真感光体を提供することができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正内容】
【0080】実施例2〜8 実施例1で使用した分散溶媒を表18に記した溶剤にか
えた以外は、実施例1と同様に分散液を作製し、実施例
1と同様に粘度特性を評価した。結果を表18に示す。
また、実施例1と同様に感光体を作製し、実施例1と同
様に電子写真特性および画像特性を評価した。結果を塗
布性は表18に、電子写真特性および画像特性は表19
に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるビスアゾ顔
    料が、樹脂と4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキ
    サノン、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよび
    1,2−ジメトキシエタンから選ばれる少なくとも1種
    と炭素数3個以上6個以下の脂肪酸エステルの中から選
    ばれる少なくとも1種の溶媒中で分散されたことを特徴
    とする電荷発生層用分散液。 【化1】 (一般式(1)において、Rは水素原子、置換されてい
    てもよいアルキル基、アラルキル基、アリール基、また
    は複素環基であり、mは0〜2であり、nは0または1
    であり、Cp1およびCp2はカプラー残基を表し、各々
    同一でも異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 前記樹脂がポリビニルブチラール樹脂、
    ポリエーテル樹脂およびスチレンアクリル樹脂から選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記
    載の電荷発生層用分散液。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれか1項に記載
    の電荷発生層用分散液を用いたことを特徴とする電子写
    真感光体。
JP5981698A 1998-03-11 1998-03-11 電荷発生層用分散液および該分散液を用いた電子写真感光体 Pending JPH11258841A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001312078A (ja) * 2000-04-28 2001-11-09 Sharp Corp 電子写真感光体およびその製造方法
US7267918B2 (en) 2003-06-20 2007-09-11 Sharp Kabushiki Kaisha Toner and method of manufacturing toner

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