JP4122690B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等によって形成される静電荷像を現像するためのトナーの製造方法に関し、さらに詳しくは、粒径分布が狭く、印字カブリが少ないトナーを効率よく製造することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置等において使用されるトナーは、種々の方法で製造されている。例えば、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤等を溶融混練して均一に分散させた後、粉砕し、所望の粒径になるように分級する方法(いわゆる粉砕法)や、着色剤などを含有する単量体組成物の液滴を重合し、必要に応じて会合(凝集)させて、直接にトナー粒子を製造する方法(いわゆる重合法)が知られている。
この重合法では、着色剤などを含有する単量体組成物の液滴を如何に均一微細化するかによって、得られるトナー粒子の特性が左右される。
単量体組成物を調製する方法として、メディア型分散機を用いて、初期粘度の10倍以上の粘度変化をさせる程度に分散させる方法(特開平6−75429号公報)が提案されている。しかし、粘度変化がこれほどまでに大きく変化するように分散させた分散液を重合しても、得られるトナーは粒径分布が広く、長期間の運転において感光体カブリや紙カブリを起こしてしまって画像特性が低下することがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粒径分布が狭く、カブリが少ないトナーを効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、重合法によるトナーの製造方法における諸問題を克服するために鋭意研究した結果、重合性単量体中に着色剤等を分散する工程を、メディア型分散機を用いて、特定の回転速度および滞留時間で行うことによって、粒径分布が狭く、カブリを起こさないトナー粒子を効率よく安定的に製造し得ることを見いだし、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、 重合性単量体を含む分散媒体中に、メディア型分散機を用いて、撹拌体の先端速度を3〜20m/s、滞留時間を0.03〜0.5時間で着色剤を分散させ単量体組成物Aを得る分散工程と、 単量体組成物Aに帯電制御剤および離型剤を分散若しくは溶解させる工程と、 次いで、分散安定剤を含む水系分散媒体中で該組成物Aを液滴化する造粒工程と、 該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程と を含むトナーの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、 重合性単量体を含む分散媒体(A)中に、メディア型分散機を用いて、撹拌体3〜20m/s、滞留時間を0.03〜0.5時間で、着色剤を分散し単量体組成物Aを得る分散工程と、 重合性単量体を含む分散媒体(B)中に帯電制御剤を分散若しくは溶解し単量体組成物Bを得る工程と、 重合性単量体を含む分散媒体(C)中に離型剤を分散若しくは溶解し単量体組成物Cを得る工程と、 単量体組成物Aに帯電制御剤および離型剤を分散若しくは溶解させる工程としての単量体組成物Aと単量体組成物Bと単量体組成物Cとを重合性単量体を含む分散媒体(D)に分散し重合性組成物Dを得る工程と、 分散安定剤を含む水系分散媒体中で該重合性組成物Dを液滴化する造粒工程と、 該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程と を含むトナーの製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、重合性単量体を含む分散媒体中に、メディア型分散機を用いて、撹拌体の先端速度を3〜20m/s、滞留時間を0.03〜0.5時間で着色剤を分散させ単量体組成物Aを得る分散工程と、単量体組成物Aに帯電制御剤および離型剤を分散若しくは溶解させる工程と、次いで、分散安定剤を含む水系分散媒体中で該組成物Aを液滴化する造粒工程と、該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程を含むものである。
【0006】
本発明製法の分散工程で用いるメディア型分散機は、ステーター2と撹拌体7とからなり、ステーターには、単量体組成物Aを導入する口1と排出する口6とがあり、撹拌体が回転可能にステーター内に配置され、ステーターと撹拌体とで形成される空間にメディアが充填され、回転する撹拌体によってメディアが動くようになっている。
メディア型分散機には、ステーターの形状や置き方によって、横置型円筒式、縦置型円筒式、逆三角形状式などの形式がある。図1に横置型円筒式メディア型分散機を、図2に縦置型円筒式メディア型分散機を、図3に逆三角形状のアニュラー式メディア型分散機を示した。
前記メディア型分散機の具体的なものとして、アトライタ(三井三池製)、マイティミル(井上製作所製)、ダイヤモンドファインミル(三菱重工製)、ダイノミル(シンマルエンタープライゼス製)、アペックスミル(コトブキ技研製)等を挙げることができる。これらのうち、横置型のダイノミルは粘度変化を抑えて良好な分散ができるので、本発明の製法に好適である。
【0007】
メディアとしては、耐摩耗性に優れたビーズが用いられる。メデイアの直径は、通常、0.5mm以上、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは0.5〜3mmである。ビーズの密度は、通常、3g/cm以上、好ましくは4.5g/cm以上である。ビーズの材質は、ジルコンやジルコニアなどの高硬度のセラミックス;スチールなどの高硬度金属が好適に用いられる。メディアの充填量は、粉砕効率を考慮すると、通常、50〜90容積%であり、好ましくは60〜85容積%である。
【0008】
本発明においては、撹拌体の先端速度を3〜20m/s、好ましくは8〜20m/sにすることが必要である。また本発明においては、メディア型分散機で分散される単量体組成物Aの滞留時間を0.03〜0.5時間、好適には0.05〜0.3時間にする。この回転速度と滞留時間とにすることによって、帯電量分布に優れ、印字カブリを起こさないトナーを得ることが可能になる。
【0009】
本発明の好適な製法においては、メディア型分散機を通過する単量体組成物Aの供給量を、分散機内のみかけ線速で、通常0.05〜2m/分、好ましくは0.1〜1m/分にする。みかけ線速をこの範囲内にするために、メディア型分散機から排出された単量体組成物Aを分散機導入口に循環させることもできる。また、分散機内に滞留する単量体組成物Aの量は、通常10〜50容量%、好ましくは15〜40容量%である。
また、分散機内での単量体組成物Aの温度は、通常0〜50℃、好ましくは20〜45℃である。この温度範囲にすることによって、帯電量分布に優れ、印字カブリの起きないトナーがより容易に得られる。
本発明の好適な製法においては、分散後に得られる単量体組成物Aの粘度が、分散する前の粘度(初期粘度)の10倍未満、好ましくは1〜8倍である。粘度変化を抑えることによって、帯電量分布に優れたトナーが得られやすくなる。
【0010】
本発明に用いる分散媒体は重合性単量体を含有するものである。
該重合性単量体の主成分としてモノビニル系単量体を挙げることができる。この重合性単量体が重合され、重合体粒子中の結着樹脂成分となる。
モノビニル系単量体の具体例としては、スチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどの不飽和カルボン酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系単量体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル単量体;等のモノビニル系単量体が挙げられる。これらのモノビニル系単量体は、単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらのモノビニル系単量体のうち、スチレン系単量体、不飽和カルボン酸単量体、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸の誘導体などが好ましく、特にスチレン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステルが好適に用いられる。
【0011】
これらのモノビニル系単量体とともに任意の架橋性モノマーを重合性単量体として用いると、定着性、特にオフセット性が向上する。架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能エチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性モノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。本発明では、架橋性モノマーを、モノビニル系単量体100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
【0012】
また、本発明では、重合性単量体としてマクロモノマーを使用することができる。マクロモノマーは、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。
マクロモノマー分子鎖の末端に有するビニル重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができ、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好適である。
マクロモノマーの量は、モノビニル系単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.05〜1重量部である。この範囲であれば保存性と定着性との良好なバランスが得られる。
【0013】
前記分散媒体には着色剤が分散される。着色剤は、一般にトナー用の着色剤として周知の染料や顔料を使用することができる。
黒色着色剤として、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;などを挙げることができる。カーボンブラックを用いる場合、一次粒径が20〜40nmであるものを用いると良好な画質が得られ、またトナーの環境への安全性も高まるので好ましい。
カラートナー用の着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤などがある。
イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、83、90、93、97、120、138、155、180及び181等が挙げられる。
【0014】
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、C.I.ピグメントバイオレット19、等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、及び60等が挙げられる。
これら着色剤は、全重合性単量体(着色重合体粒子を得るために使用される重合性単量体の総量)100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。単量体組成物A中の分散媒体の量は40〜99重量%、好ましくは70〜95重量%である。
【0015】
さらに、着色剤のトナー粒子中への均一分散化を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の滑剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;極性基含有高分子分散助剤;などを単量体組成物A中に存在させてもよい。このような滑剤や分散助剤は、着色剤の重量を基準として、通常、1/1000〜1/2程度の割合で用いられる。
本発明における分散工程後の分散媒体中の着色剤等の平均分散粒径は、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。
【0016】
本発明の製造方法においては、得られるトナー粒子の特性を調整するために、帯電制御剤、分子量調整剤、離型剤などの他の配合剤を含有させることができる。これら配合剤は、前記同様の分散媒体に着色剤とは別個に分散若しくは溶解させることができ、又は前記単量体組成物Aに分散若しくは溶解させることができる。本発明の製法においては、帯電制御剤を前記同様の分散媒体に、メディア型分散機を必要に応じて用いて、分散させ単量体組成物Bを得、離型剤を前記同様の分散媒体に溶解させ若しくはメディア型分散機を必要に応じて用いて、分散させ単量体組成物Cを得、次いで単量体組成物Aと単量体組成物Bと単量体組成物Cとを前記同様の分散媒体に、メディア型分散機を必要に応じて用いて、混合または分散し重合性組成物Dを得ることが特に好ましい。
【0017】
本発明に用いられる帯電制御剤として、各種の正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることが可能である。例えば、カルボキシル基または含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン等が挙げられる。より具体的には、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)ボントロンE−84(オリエント化学社製)、ボントロンN−01(オリエント化学社製 )、コピーブルー−PR(クラリアント社製)等の帯電制御剤及び/または4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、スルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂を用いることができる。上記帯電制御剤は、全重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、特に0.03〜8重量部用いることが好ましい。単量体組成物B中における分散媒体の量は70〜99重量%、好ましくは75〜95重量%である。
【0018】
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類;分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン及びこれらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレン及びこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールテトララウレートなどのペンタエリスリトールエステルやジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサラウレートなどのジペンタエリスリトールエステル等多官能エステル化合物;など1種あるいは2種以上が例示される。
【0019】
これらのうち、合成ワックス、末端変性ポリオレフィンワックス類、石油系ワックス及びその変性ワックス、多官能エステル化合物などが好ましい。多官能エステル化合物のなかでも示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜200℃、好ましくは50〜180℃、60〜160℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、同吸熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリスリトールエステルなどの多価エステル化合物が、トナーとしての定着−剥離性バランスの面で特に好ましい。とりわけ分子量が1000以上であり、スチレン100重量部に対し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が10mg/KOH以下であるジペンタエリスリトールエステルは、定着温度低下に著効を示す。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定された値である。
上記離型剤は、全重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、特に1〜15重量部用いることが好ましい。単量体組成物C中における分散媒体の量は70〜99重量%、好ましくは75〜95重量%である。
【0020】
分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;を例示することができる。これらの分子量調整剤は、単量体組成物A〜Cのいずれかに含有させてもよいし、重合開始前に重合性組成物に添加してもよいし、若しくは、重合反応の途中で反応系に添加してもよい。上記分子量調整剤は、全重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用いる。
【0021】
本発明製法の造粒工程では、前記分散工程によって得られた単量体組成物Aを、好ましくは単量体組成物Aと単量体組成物Bと単量体組成物Cとを前記同様の分散媒体に混合または分散して得られる重合性組成物Dを、分散安定剤を含む水系分散媒体中で、液滴化する。
本発明に用いる水系分散媒体は、水を主成分する分散媒であり、これに分散安定剤が含まれているものである。
分散安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物; 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。これらのうち、金属化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。特に架橋性モノマーを共重合させなかった場合には、難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤が、重合中の重合体粒子の分散安定性ならびに、トナーの定着性と保存性とを改善するために好適である。
【0022】
難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、その製法による制限はないが、水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることが好ましい。
本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が大きくなると重合の安定性が崩れ、またトナーの保存性が低下することがある。
分散安定剤は、全重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の割合で使用する。この割合が少ないと充分な重合安定性を得ることが困難であり、凝集物が生成し易くなる。逆に、この割合が多いとトナー粒径が細かくなりすぎるので好ましくないことがある。
【0023】
本発明に用いる水系分散媒体には、分散安定剤の他に、水溶性の有機化合物、あるいは無機化合物が含有されていてもよい。
特に水溶性オキソ酸塩が含有されていると、粒径分布がシャープになり好ましい。水溶性オキソ酸塩としては、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩等が挙げられ、好ましくはケイ酸塩、ホウ酸塩又はリン酸塩が、特に好ましくはホウ酸塩が挙げられる。ホウ酸塩としては、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、テトラヒドロホウ酸カリウム;四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム四水和物、ペルオキソホウ酸ナトリウム四水和物、メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム八水和物などが挙げられる。リン酸塩としては、ホスフィン酸ナトリウム一水和物、ホスホン酸ナトリウム五水和物、ホスホン酸水素ナトリウム2.5水和物、リン酸ナトリウム十二水和物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム十二水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、次リン酸ナトリウム十水和物、二リン酸ナトリウム十水和物、二リン酸二水素二ナトリウム、二リン酸二水素二ナトリウム六水和物、三リン酸ナトリウム、cyclo−四リン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、二リン酸カリウム三水和物、メタリン酸カリウムなどが挙げられる。ケイ酸塩としては、、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム9水和物、水ガラス、オルトケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。水溶性オキソ酸塩の量は、難水溶性無機化合物コロイド100重量部に対して、通常0.1〜1000重量部、好ましくは1〜100重量部である。水溶性オキソ酸塩は、溶解させて水系分散媒体中に含有させる。
【0024】
単量体組成物A若しくは重合性組成物Dを水系分散媒体中で液滴にする方法は、特に限定されない。通常は高速撹拌装置などを用いて、単量体組成物を強撹拌して得る。例えば、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)に代表されるタービン型撹拌機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)に代表される同心上に配置された櫛歯形状の回転子及び固定子を高速で回転させて、その回転子内側から固定子外側に分散液を流通させて回転子と固定子との間隙で分散液を撹拌させる装置、クレアミックスCLM−0.8S(エム・テクニック社製)に代表される高速で回転するローターとそれを取り囲むスクリーンにより生じるせん断力、衝突力、圧力変動、キャビテーション及びポテンシャルコアの作用によって造粒する装置、TKフィルミックス(特殊機化工業社製)に代表される液を遠心力によって造粒槽側壁に押し付けて、液膜を形成し、該液膜に超高速で回転する撹拌具の先端が触れることによって造粒する装置などを用いて液滴にされる。液滴粒径は、重合後に得られる着色重合体粒子とほぼ同じ大きさに造粒される。液滴粒径は、通常0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmである。
水系分散媒体中で造粒された組成物A若しくはD中の重合性単量体は重合開始剤で重合され、それによって着色重合体粒子が得られる。重合反応は、通常のポリマー重合条件によって行うことができる。また、粒径を大きくするために、重合反応後、強撹拌して重合体粒子を会合(凝集)させてもよい。
【0025】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーブチルネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1’,3,3’−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。このうち、使用される重合性単量体に可溶な油溶性の開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の開始剤を油溶性開始剤と併用することもできる。上記重合開始剤は、全重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部用いる。重合開始剤は、単量体組成物A若しくは重合性組成物Dに予め添加することができるが、必要に応じて、造粒工程終了後に添加することもできる。
【0026】
着色重合体粒子が得られた後、該粒子表面にさらに重合体(シェル重合体)を被せることができる。重合体を被せる方法としては、着色重合体粒子を得た反応液に、被覆重合に使用する単量体(シェル用単量体)を添加させて、引き続き重合する方法や、一旦、着色重合体粒子を得た後、任意の重合体成分を添加して当該粒子に重合体成分を吸着または固着させる方法などがある。着色重合体粒子をシェル重合体に比較して軟質なもの(例えば、ガラス転移温度の低いもの)にした、コア・シェル型重合体粒子によってトナーを製造した場合には、低温定着性と高温保存性とのバランスが良好な、いわゆるカプセルトナーを得ることもできる。
【0027】
重合若しくはシェル重合体を被覆させた後、該重合体粒子は、洗浄、脱水、乾燥される。洗浄においては、粒子中の残留金属(イオン)量を低減するようにするのが望ましい。特にマグネシウムやカルシウムなどの金属(イオン)が粒子中に残留していると、高湿条件下では吸湿を起こしトナーの流動性を低下させたり画質に悪影響を及ぼすことがある。こうしたトナー中に残留したマグネシウムやカルシウム(以下、単に残留金属という)の含有量が少ないものは、高温高湿条件下でも、1分間に30枚以上を印刷できる高速機で高い印字濃度、カブリのない良好な画質を与えることができる。残留金属量は、好ましくは170ppm以下、より好ましくは150ppm以下、特に好ましくは120ppm以下である。残留金属を低減させるには、例えば、粒子を洗浄脱水するときに、連続式ベルトフィルターやサイホンピーラー型セントリヒュージなどの洗浄脱水機などを用いて脱水、洗浄、そして乾燥する。乾燥後の粒子は、必要に応じて分級することができる。
【0028】
本発明の製造方法によって得られる好適なトナーは、実質的に球形であり、体積平均粒径(dv)は1〜10μm、好ましくは3〜8μmであり、体積平均粒径と個数平均粒径(dn)の比(dv/dn)は1〜1.5、好ましくは1〜1.3であり、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(Sc/Sr)は1〜1.3の範囲であり、かつBET比表面積(A)[m/g]、個数平均粒径(dn)[μm]及び真比重(D)の積(A×dn×D)は5〜10の範囲のものであるのが望ましい。
特に好ましいトナーは、120℃での溶融粘度が10万ポイズ以下、好ましくは0.1〜10万ポイズ、より好ましくは1〜8万ポイズである。粘度測定はフローテスターを用いて測定すればよい。このような溶融粘度を持つトナーによれば高速での印刷によっても高画質が実現する。
【0029】
さらに着色重合体粒子に外添処理を行うことができる。粒子の表面に添加剤(以下、外添剤という)を付着、埋設等させることによって、粒子の帯電性、流動性、保存安定性などを調整することができる。
外添剤としては、無機粒子、有機酸塩粒子、有機樹脂粒子などが挙げられる。無機粒子としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。有機酸塩粒子としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、シェルがメタクリル酸エステル共重合体でコアがスチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子などが挙げられる。これらのうち、無機粒子、特に二酸化ケイ素粒子が好適である。また、これらの粒子表面を疎水化処理することができ、疎水化処理された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤の量は、特に限定されないが、着色重合体粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。外添剤は2種以上を組み合わせて用いても良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子径の異なる無機粒子同士または無機粒子と有機樹脂粒子を組み合わせる方法が好適である。外添剤を前記重合体粒子に付着させるには、通常、外添剤と着色重合体粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合器に仕込み、撹拌して行う。
【0030】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
本実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
(粒径、粗粉と微粉の割合)
重合体粒子(トナー粒子)の体積平均粒径(dv)、個数平均粒径(dp)、粗粉割合および微粉割合は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製))により測定した。この測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度:10%、測定粒子個数:100000個の条件で行った。この測定装置を用いて得られる体積平均粒径の積算カーブより16μm以上の割合を粗粉割合(体積%)として求め、個数平均粒径の積算カーブより5μm以下の割合を微粉割合(個数%)として求めた。
(画像評価)
非磁性一成分現像方式のプリンター(12枚機)を環境条件:23℃、50%湿度の条件下でー昼夜放置後、初期から連続印字を行い、一定枚数になった時点でハーフトーンの印字をさせて、印字濃度とカブリを評価した。最終印字枚数は10000枚行った。印字濃度が良好:○、やや劣る:△、劣る:×、として判定した。また、カブリ評価=良好:○、やや劣る:△、劣る:×、として判定した。
【0031】
実施例1
スチレン80部に、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)20部を添加し混合した後、該混合液を、図1に示すようなオーバーフロー型の横置円筒式メディア型分散機を用いて、撹拌体の先端速度を約9m/s、滞留時間を0.1時間で、メディアとして直径1.5mm、密度7.4g/cmのスチール製ビーズを、充填量75容積%で充填し、メディア型分散機を通過する混合液の供給量を分散機内のみかけ線速で0.16m/分、分散機内温度を約35℃の条件で、分散する前の粘度(初期粘度)の約4倍の粘度になるように分散して単量体組成物Aを得た。分散前と後の単量体組成物Aの粘度はそれぞれ22mPa・sと86mPa・sであった。
別個に、スチレン90部に、帯電制御剤(保土ヶ谷化学社製、商品名:スピロンブラックTRH)10部を上記と同じ条件で分散し単量体組成物Bを得た。
さらに別個に、スチレン90部に、離型剤(フィッシャートロプシュワックス、サゾール社製、商品名「パラフリント スプレイ 30」、吸熱ピーク温度:100℃)10部を上記と同じ条件で分散し単量体組成物Cを得た。
【0032】
単量体組成物A 35部(#25Bを7部含有)、単量体組成物B 10部(スピロンブラックTRHを1部含有)及び単量体組成物C 20部(パラフリント スプレイ 30を2部含有)を混合し、スチレン28部、n−ブチルアクリレート17部、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部及びt−ドデシルメルカプタン1.2部を添加し、混合タンクで混合した。この時の初期粘度は10mPa・sであった。次いで上記と同じ条件で分散処理を行なって重合性組成物Dを得た。処理後の粘度は41mPa・sであった。
【0033】
他方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド液を調製した。生成した上記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器(日機装株式会社製)で測定したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.35μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.84μmであった。このマイクロトラック粒径分布測定器による測定は、測定レンジ=0.12〜704μm、測定時間=30秒、媒体=イオン交換水の条件で行った。
【0034】
水酸化マグネシウムコロイド液に、前述の重合性組成物Dを添加し、液滴が安定するまで攪拌した後、そこにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部を添加した。この液を、回転子の回転数が12,000rpmのエバラマイルダーMDM303V(荏原製作所社製)に、流量120リットル/Hrで、5回繰り返し、供給して液滴造粒処理した。この造粒した重合性組成物水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、85℃で重合反応を開始させ、反応温度を90℃に保持して4時間重合を継続した後、反応を停止し、重合体粒子の水分散液を得た。
重合体粒子の水分散液を、撹拌しながら、硫酸により洗浄(25℃、10分間)して、pHを6以下にした。この水分散液を濾過、水洗浄、脱水し、固形分を濾過分離した。固形分を、乾燥機にて45℃で2日間乾燥し、着色重合体粒子を得た。
前記着色重合体粒子100部に、疎水化処理した平均粒子径14nmのシリカ(日本アエロジル社製;商品名「RX200」)0.8部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、電子写真用トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004122690
【0036】
実施例2
実施例1において、撹拌体の先端速度を約17m/s、滞留時間を0.26時間に変更して分散させた。単量体組成物Aの初期粘度は22mPa・s、処理後の粘度は180mPa・sであった。重合性組成物Dの初期粘度は15mPa・s、処理後の粘度は86mPa・sであった。評価結果を表1に示す。
【0037】
比較例1
実施例1において、撹拌体の先端速度を約22m/s、滞留時間を0.02時間に変更して分散させた。単量体組成物Aの初期粘度は22mPa・s、処理後の粘度は54mPa・sであった。重合性成組成物Dの初期粘度は8mPa・s、処理後の粘度は28mPa・sであった。評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、撹拌体の先端速度を約2m/s、滞留時間を0.70時間に変更して分散させた。単量体組成物Aの初期粘度は22mPa・s、処理後の粘度は38mPa・sであった。重合性組成物Dの初期粘度は8mPa・s、処理後の粘度は21mPa・sであった。評価結果を表1に示す。
【0038】
【発明の効果】
本発明の製法によれば、帯電量分布に優れ、印字カブリを起こさないトナーを効率よく得ることができる。このトナーは高速印刷機や高速複写機に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 横置型円筒式メディア型分散機の一例を示す概念図である。
【図2】 縦置型円筒式メディア型分散機の一例を示す概念図である。
【図3】 アニュラー式メディア型分散機の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1・・導入口
2・・ステーター
6・・排出口
7・・撹拌体

Claims (5)

  1. 重合性単量体を含む分散媒体中に、メディア型分散機を用いて、撹拌体3〜20m/s、滞留時間を0.03〜0.5時間で、着色剤を分散させ単量体組成物Aを得る分散工程と、
    単量体組成物Aに帯電制御剤および離型剤を分散若しくは溶解させる工程と、
    次いで、分散安定剤を含む水系分散媒体中で該組成物Aを液滴化する造粒工程と、
    該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程とを含むトナーの製造方法。
  2. 分散後に得られる単量体組成物Aの粘度が、分散前の粘度の10倍未満である請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 分散機内で分散される単量体組成物Aの温度を0〜50℃にする請求項1記載のトナーの製造方法。
  4. 重合性単量体を含む分散媒体(A)中に、メディア型分散機を用いて、撹拌体3〜20m/s、滞留時間を0.03〜0.5時間で、着色剤を分散し単量体組成物Aを得る分散工程と、
    重合性単量体を含む分散媒体(B)中に帯電制御剤を分散若しくは溶解し単量体組成物Bを得る工程と、重合性単量体を含む分散媒体(C)中に離型剤を分散若しくは溶解し単量体組成物Cを得る工程と、単量体組成物Aと単量体組成物Bと単量体組成物Cとを重合性単量体を含む分散媒体(D)に分散し重合性組成物Dを得る工程と、
    分散安定剤を含む水系分散媒体中で該重合性組成物Dを液滴化する造粒工程と、
    該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程とを含むトナーの製造方法。
  5. 分散後に得られる重合性組成物Dの粘度が、分散前の粘度の10倍未満である請求項4記載のトナーの製造方法。
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