JP2001255694A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2001255694A
JP2001255694A JP2000068160A JP2000068160A JP2001255694A JP 2001255694 A JP2001255694 A JP 2001255694A JP 2000068160 A JP2000068160 A JP 2000068160A JP 2000068160 A JP2000068160 A JP 2000068160A JP 2001255694 A JP2001255694 A JP 2001255694A
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wheel
toner
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Hiroshi Yamamoto
寛 山本
Takashi Iga
隆志 伊賀
Kazuhiro Sato
一宏 佐藤
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Tokushu Kika Kogyo KK
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Tokushu Kika Kogyo KK
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合性単量体中での着色剤等の分散がより均
一且つ安定で、印字特性が良好なトナーを効率よく製造
する方法を提供する。 【解決手段】 容器と、撹拌部としての撹拌ホイールと
を備え、該撹拌ホイールが、高速回転可能で、その先端
部が容器内側面近傍に達する直径を有し、該ホイールを
先端速度が30m/s以上で高速回転させ、そのホイー
ルの遠心力によって、被撹拌液が容器内側面に回転しな
がら薄膜状に押し付け、該薄膜に前記ホイールの先端部
が接触して、被撹拌液を攪拌する機能を有する高速回転
式ミキサーを用いて、重合性単量体を含む分散媒体中に
着色剤を分散させ単量体組成物を得、該組成物を分散安
定剤を含む水系分散媒体中で液滴に造粒し、該液滴を重
合して着色重合体粒子を得、その粒子に外添剤を添加し
てトナーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等によって形成される静電荷像を現像するための
トナーの製造方法に関し、さらに詳しくは、重合法によ
り印字特性、画質の良好なトナー粒子を効率よく製造す
ることができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置等において
使用されるトナーは、種々の方法で製造されている。例
えば、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、オフセ
ット防止剤等を溶融混練して均一に分散させた後、粉砕
し、所望の粒径になるように分級する方法(いわゆる粉
砕法)や、着色剤などを含有する単量体組成物の液滴を
重合して、直接にトナー粒子を製造する方法(いわゆる
重合法)が知られている。この重合法では、着色剤など
を含有する単量体組成物の液滴を如何に均一微細化する
かによって、得られるトナー粒子の特性が左右される。
単量体組成物を調製する方法として、メディア型分散機
を用いた方法(特開平6−75429号公報)が提案さ
れている。しかし、メディア型分散機で処理した分散液
は着色剤等の分散物が径時で沈降しやすいなど、分散安
定性に劣る傾向がある。また、分散度を向上させる目的
でローター等の周速を上げると、ビーズ等のメディア、
ローター、ステーター等の摩擦による割れや摩耗が生じ
やすくなり、摩耗した金属成分がトナー中に残留して画
質に悪影響を及ぼしたり、分散機自身のメンテナンス性
が悪いといった問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
性単量体中での着色剤等の分散がより均一且つ安定で、
印字特性が良好なトナーを効率よく製造する方法を提供
することにある。本発明者らは、重合法によるトナーの
製造方法における諸問題を克服するために鋭意研究した
結果、重合性単量体中に着色剤等を分散する工程におい
て先端速度が30m/s以上の高速回転式ミキサーを用
いることによって、着色剤等の分散が良く、印字特性の
良いトナー粒子を効率よく安定的に製造し得ることを見
いだし、その知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、攪拌部の先端速度が30m/s以上の高速回転式ミ
キサーを用いて、重合性単量体を含む分散媒体中に着色
剤を分散させ、単量体組成物を得る分散工程と、該組成
物を、分散安定剤を含む水系分散媒体中で、液滴化する
造粒工程と、該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重
合工程を含むトナーの製造方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法は、攪拌部の先
端速度が30m/s以上の高速回転式ミキサーを用い
て、重合性単量体を含む分散媒体中に着色剤を分散さ
せ、単量体組成物を得る分散工程と、該組成物を、分散
安定剤を含む水系分散媒体中で、液滴化する造粒工程
と、該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程を
含むものである。
【0006】本発明に用いる高速回転式ミキサーは、撹
拌部の先端速度が30m/s以上、好ましくは35m/
s以上、特に好ましくは40m/s以上のものである。
先端速度の上限は、駆動装置の能力に依るが、通常、約
90m/sである。高速回転させることによって被撹拌
液と撹拌部とのせん断力を強くして、着色剤等の分散を
均一にすることができる。本発明において、高速回転式
ミキサーの容器内側面と攪拌部先端との間隔(g)は、
通常、0mm<g<15mmであり、撹拌容器の内径
(D)及び攪拌部の径(d)の関係は、通常、0.9<
[d/D]<1であることが、より効率的な分散処理を
行う上で好ましい。また、容器高さ(L)、攪拌部先端
の縦幅(W)及び容器底部と攪拌部先端の最下端との距
離(Lb)の関係が、通常0.1<[W/L]<1、及
び0<[Lb/L]<0.5の関係にあることが、より
効率的に分散処理する上で好ましい。分散工程の時間
(連続式の場合は滞留時間)は、単量体組成物の生産性
を低下させない範囲で長くすることが、着色剤等を均一
かつ安定に微分散させる上で好ましい。処理時間は、通
常、2〜1800秒間、好ましくは5〜1200秒間、
より好ましくは5〜900秒間である。また分散時の被
処理液の温度は、通常、20〜80℃が好ましく、30
〜70℃の範囲であることがより好ましい。
【0007】本発明の好適な高速回転式ミキサーは、容
器と、撹拌部としての撹拌ホイールとを備えるものであ
る。撹拌ホイールは、高速回転可能で、その先端部が容
器内側面近傍に達する直径(d)を有するものが好まし
い。そして、該ホイールを高速回転させると、遠心力に
よって、被撹拌液が容器内側面に回転しながら薄膜状に
押し付けられ、該薄膜に前記ホイールの先端部が接触し
て、被撹拌液を攪拌する機能を有するものであることが
好ましい。このような高速回転式ミキサーの具体例とし
ては、薄膜旋回型高速ミキサーや薄膜旋回型高速粉体溶
解装置のような薄膜旋回型の高速回転分散混合機が挙げ
られる。市販品として、特殊機化工業株式会社製の薄膜
旋回型高速ミキサー(商品名:T.K.フィルミック
ス)や薄膜旋回型高速粉体溶解装置(商品名:T.K.
パウダーフィルミックス)のような分散混合機を挙げる
ことができる。
【0008】図1は、薄膜旋回型高速ミキサーの一例で
ある。該ミキサーは円筒状の撹拌容器と撹拌部としての
撹拌ホイール5とを備えている。撹拌ホイール5は容器
の中心に設けた回転軸6によって駆動装置7と連結され
ており、駆動装置7によって回転駆動される。ホイール
5の形状は、図2で代表される筒状スクリーン型、図3
で代表されるワイヤーブラシ型、図4で代表されるミリ
ング型、図5で代表されるディスパー型などがある。こ
のような撹拌ホイールを用いることによって、キャビテ
ーションを抑えて気泡の巻き込みを抑え、せん断による
発熱を抑えて、効率的に被撹拌液を撹拌することができ
る。被撹拌液となる重合性単量体を含む分散媒体と着色
剤等とは、通常、予備混合された後、ホッパーを経由し
て撹拌容器底部の流入口2から容器に供給される。撹拌
ホイールは高速回転しており、その遠心力によって、流
入口2から供給された被撹拌液は容器の側面の方向へ移
動させられ、容器内側面に回転しながら薄膜状に押し付
けられる。容器内側面の上部には堰8が設けられてい
る。堰8からオーバーフローした被撹拌液は流出口3か
ら容器外へと排出することができる。薄膜の厚みは堰8
の高さによって調整される。撹拌ホイール5の先端は容
器内側面近傍に達する位置にあり、該ホイール先端部は
前記薄膜に接触しており、薄膜内の被撹拌液を撹拌する
ことができる。
【0009】本発明においては、高速回転式ミキサーを
用いて組成物を得ることができればよく、ミキサーの使
用態様は、バッチ式であっても、連続式であってもよ
い。また、着色剤等と重合性単量体を含む分散媒体と
は、上記のごとく予備混合した後に供給してもよいし、
撹拌容器に別々に供給して装置内で初めて接触混合させ
てもよい。図1の高速回転式ミキサーにおいては、ジャ
ケット4が設けられていて、薄膜状に押し付けられた被
撹拌液の温度を調整することができる。薄膜の温度が上
昇しすぎると、好ましくない重合が起きることがあるの
で、このジャケットに水などを流通させて上記範囲に温
度を制御することが好ましい。また図1の高速回転式ミ
キサーでは回転軸に撹拌ホイールが一つだけ設けられて
いるが、回転軸に複数の撹拌ホイールを取り付けて、多
段にして、撹拌効率を挙げることもできる。
【0010】本発明に用いる分散媒体は重合性単量体を
含有するものである。該重合性単量体の主成分としてモ
ノビニル系単量体を挙げることができる。この重合性単
量体が重合され、重合体粒子中の結着樹脂成分となる。
本発明に用いる重合性単量体の主成分としてモノビニル
系単量体を挙げることができる。この重合性単量体を重
合することによって、結着樹脂となる。モノビニル系単
量体の具体例としては、スチレン、4−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリ
ル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸単量体;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどの不飽和カルボ
ン酸エステル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和
カルボン酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン
等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル単量
体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等の
ビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロ
ペニルケトン等のビニルケトン系単量体;2−ビニルピ
リジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等
の含窒素ビニル単量体;等のモノビニル系単量体が挙げ
られる。これらのモノビニル系単量体は、単独で用いて
もよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。
これらのモノビニル系単量体のうち、スチレン系単量
体、不飽和カルボン酸単量体、不飽和カルボン酸エステ
ル、不飽和カルボン酸の誘導体などが好ましく、特にス
チレン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル
が好適に用いられる。
【0011】これらのモノビニル系単量体とともに任意
の架橋性モノマーを重合性単量体として用いると、定着
性、特にオフセット性が向上する。架橋性モノマーとし
ては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ
ン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート等の多官能エチレン性不飽和カル
ボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニル
エーテル;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙
げることができる。これらの架橋性モノマーは、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることが
できる。本発明では、架橋性モノマーを、モノビニル系
単量体100重量部に対して、通常、0.05〜5重量
部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが
望ましい。
【0012】また、本発明では、重合性単量体としてマ
クロモノマーを使用することができる。マクロモノマー
は、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有するもの
で、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000
のオリゴマーまたはポリマーである。マクロモノマー分
子鎖の末端に有するビニル重合性官能基としては、アク
リロイル基、メタクリロイル基などを挙げることがで
き、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好
適である。マクロモノマーの量は、モノビニル系単量体
100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、
好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.05
〜1重量部である。この範囲であれば保存性と定着性と
の良好なバランスが得られる。
【0013】前記分散媒体には着色剤が分散される。着
色剤は、一般にトナー用の着色剤として周知の染料や顔
料を使用することができる。黒色着色剤として、カーボ
ンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、
ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、
酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;などを挙げることができ
る。カーボンブラックを用いる場合、一次粒径が20〜
40nmであるものを用いると良好な画質が得られ、ま
たトナーの環境への安全性も高まるので好ましい。カラ
ートナー用の着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色
剤、シアン着色剤などがある。イエロー着色剤として
は、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ
る。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、
13、14、15、17、62、65、73、83、9
0、93、97、120、138、155、180及び
181等が挙げられる。
【0014】マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮
合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.
I.ピグメントレッド48、57、58、60、63、
64、68、81、83、87、88、89、90、1
12、114、122、123、144、146、14
9、163、170、184、185、187、20
2、206、207、209、251、C.I.ピグメ
ントバイオレット19、等が挙げられる。シアン着色剤
としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、ア
ントラキノン化合物等が利用できる。具体的にはC.
I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、1
5:2、15:3、15:4、16、17、及び60等
が挙げられる。これら着色剤は、重合性単量体100重
量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは
1〜20重量部の割合で用いられる。
【0015】本発明においては、着色剤以外に、帯電制
御剤、分子量調整剤、重合開始剤、離型剤などの他の配
合剤を分散媒体中に分散させることができる。帯電制御
剤として、各種の正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を
用いることが可能である。例えば、カルボキシル基また
は含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染
料、ニグロシン等が挙げられる。より具体的には、スピ
ロンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T−77
(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエン
ト化学社製)ボントロンE−84(オリエント化学社
製)、ボントロンN−01(オリエント化学社製 )、
コピーブルー−PR(クラリアント社製)等の帯電制御
剤及び/または4級アンモニウム(塩)基含有共重合
体、スルホン酸(塩)基含有共重合体等の帯電制御樹脂
を用いることができる。上記帯電制御剤は、重合性単量
体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、
特に0.03〜8重量部用いることが好ましい。
【0016】離型剤としては、例えば、低分子量ポリエ
チレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレ
ンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類;分子末端
酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に
置換した低分子量末端変性ポリプロピレン及びこれらと
低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸
化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換
した低分子量ポリエチレン及びこれらと低分子量ポリプ
ロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフ
ィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、
木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィ
ン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油
系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシ
ン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャート
ロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリ
トールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテト
ラパルミテート、ペンタエリスリトールテトララウレー
トなどのペンタエリスリトールエステルやジペンタエリ
スリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサ
ラウレートなどのジペンタエリスリトールエステル等多
官能エステル化合物;など1種あるいは2種以上が例示
される。
【0017】これらのうち、合成ワックス、末端変性ポ
リオレフィンワックス類、石油系ワックス及びその変性
ワックス、多官能エステル化合物などが好ましい。多官
能エステル化合物のなかでも示差走査熱量計により測定
されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が
30〜200℃、好ましくは50〜180℃、60〜1
60℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、
同吸熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタ
エリスリトールエステルなどの多価エステル化合物が、
トナーとしての定着−剥離性バランスの面で特に好まし
い。とりわけ分子量が1000以上であり、スチレン1
00重量部に対し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が
10mg/KOH以下であるジペンタエリスリトールエ
ステルは、定着温度低下に著効を示す。吸熱ピーク温度
は、ASTM D3418−82によって測定された値
である。上記離型剤は、重合性単量体100重量部に対
して、通常0.1〜20重量部、特に1〜15重量部用
いることが好ましい。
【0018】さらに、着色剤のトナー粒子中への均一分
散化を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の滑
剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助
剤;極性基含有高分子分散助剤;などを重合性単量体組
成物中に存在させてもよい。このような滑剤や分散助剤
は、着色剤の重量を基準として、通常、1/1000〜
1/2程度の割合で用いられる。
【0019】分子量調整剤としては、例えば、t−ドデ
シルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オ
クチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭
素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;を例示す
ることができる。これらの分子量調整剤は、単量体組成
物に含有させてもよいし、重合開始前、あるいは、重合
反応の途中で反応系に添加してもよい。上記分子量調整
剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.0
1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用いる。
【0020】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メ
チル−N−1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−
ヒドロキシエチルプロピオアミド、2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シ
クロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;メチル
エチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ア
セチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーブチルネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシ2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレ
ート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、ジ−イソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパー
オキシイソフタレート、1,1’,3,3’−テトラメ
チルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類など
を例示することができる。また、これら重合開始剤と還
元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることが
できる。このうち、使用される重合性単量体に可溶な油
溶性の開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて
水溶性の開始剤を油溶性開始剤と併用することもでき
る。上記重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対
して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜1
5重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部用いる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物中に予め添加するこ
とができるが、場合によっては、造粒工程終了後の懸濁
液に添加することもできる。本発明における分散工程後
の分散媒体中の着色剤等の平均分散粒径は、1μm以下
であることが好ましく、0.5μm以下であることがよ
り好ましい。
【0021】分散工程によって得られた単量体組成物
は、分散安定剤を含む水系分散媒体中で、液滴化され
る。本発明に用いる水系分散媒は、水を主成分する分散
媒であり、これに分散安定剤が含まれているものであ
る。分散安定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのリ
ン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化
物; 水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸
化第二鉄等の金属水酸化物;ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性
界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等
を挙げることができる。これらのうち、金属化合物、特
に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安
定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、
画像の鮮明性が向上するので好適である。特に架橋性モ
ノマーを共重合させなかった場合には、難水溶性金属水
酸化物のコロイドを含有する分散剤が、重合中の重合体
粒子の分散安定性ならびに、トナーの定着性と保存性と
を改善するために好適である。
【0022】難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有す
る分散安定剤は、その製法による制限はないが、水溶性
多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整すること
によって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、
特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との
水相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物の
コロイドを用いることが好ましい。本発明に用いる難水
溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個
数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D9
0(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下である
ことが好ましい。コロイドの粒径が大きくなると重合の
安定性が崩れ、またトナーの保存性が低下することがあ
る。分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対し
て、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜1
0重量部の割合で使用する。この割合が少ないと充分な
重合安定性を得ることが困難であり、凝集物が生成し易
くなる。逆に、この割合が多いとトナー粒径が細かくな
りすぎるので好ましくないことがある。
【0023】本発明に用いる水系分散媒には、分散安定
剤の他に、水溶性の有機化合物、あるいは無機化合物が
含有されていてもよい。特に水溶性オキソ酸塩が含有さ
れていると、粒径分布がシャープになり好ましい。水溶
性オキソ酸塩としては、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、
炭酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩等が挙げられ、好ましくはホ
ウ酸塩又はリン酸塩が、特に好ましくはホウ酸塩が挙げ
られる。ホウ酸塩としては、テトラヒドロホウ酸ナトリ
ウム、テトラヒドロホウ酸カリウム;四ホウ酸ナトリウ
ム、四ホウ酸ナトリウム十水和物、メタホウ酸ナトリウ
ム、メタホウ酸ナトリウム四水和物、ペルオキソホウ酸
ナトリウム四水和物、メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カ
リウム八水和物などが挙げられる。リン酸塩としては、
ホスフィン酸ナトリウム一水和物、ホスホン酸ナトリウ
ム五水和物、ホスホン酸水素ナトリウム2.5水和物、
リン酸ナトリウム十二水和物、リン酸水素二ナトリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム十二水和物、リン酸二水素
ナトリウム一水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和
物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、次リン酸ナトリウム
十水和物、二リン酸ナトリウム十水和物、二リン酸二水
素二ナトリウム、二リン酸二水素二ナトリウム六水和
物、三リン酸ナトリウム、cyclo−四リン酸ナトリ
ウム、ホスフィン酸カリウム、ホスホン酸カリウム、ホ
スホン酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二
カリウム、リン酸二水素カリウム、二リン酸カリウム三
水和物、メタリン酸カリウムなどが挙げられる。水溶性
オキソ酸塩の量は、難水溶性無機化合物コロイド100
重量部に対して、通常0.1〜1000重量部、好まし
くは1〜100重量部である。水溶性オキソ酸塩は、溶
解させて水系分散媒中に含有させる。
【0024】単量体組成物を水系分散媒体中で液滴にす
る方法は、特に限定されない。通常は高速撹拌装置など
を用いて、単量体組成物を強撹拌して得る。例えば、T
Kホモミキサー(特殊機化工業社製)に代表されるター
ビン型撹拌機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)に
代表される同心上に配置された櫛歯形状の回転子及び固
定子を高速で回転させて、その回転子内側から固定子外
側に分散液を流通させて回転子と固定子との間隙で分散
液を撹拌させる装置、クレアミックスCLM−0.8S
(エム・テクニック社製)に代表される高速で回転する
ローターとそれを取り囲むスクリーンにより生じるせん
断力、衝突力、圧力変動、キャビテーション及びポテン
シャルコアの作用によって造粒する装置、TKフィルミ
ックス(特殊機化工業社製)に代表される液を遠心力に
よって造粒槽側壁に押し付けて、液膜を形成し、該液膜
に超高速で回転する撹拌具の先端が触れることによって
造粒する装置などを用いて液滴にされる。液滴粒径は、
重合後に得られる着色重合体粒子とほぼ同じ大きさに造
粒される。液滴粒径は、通常0.5〜15μm、好まし
くは1〜10μmである。
【0025】水系分散媒中に造粒された単量体組成物中
の重合性単量体は重合開始剤で重合され、それによって
着色重合体粒子が得られる。重合反応は、通常のポリマ
ー重合条件によって行うことができる。着色重合体粒子
が得られた後、該粒子表面にさらに重合体を被せること
ができる。重合体を被せる方法としては、着色重合体粒
子を得た反応液に、被覆重合に使用する単量体(シェル
用重合性単量体)を添加させて、引き続き重合する方法
や、一旦、着色重合体粒子を得た後、任意の重合体成分
を添加して当該粒子に重合体成分を吸着または固着させ
る方法などがある。着色重合体粒子をシェル重合体に比
較して軟質なもの(ガラス転移温度の低いもの)にし
た、コア・シェル型重合体粒子によってトナーを製造し
た場合には、低温定着性と高温保存性のバランスの良好
な、いわゆるカプセルトナーを得ることもできる。
【0026】重合後、着色重合体粒子は、洗浄、脱水、
乾燥される。洗浄においては、トナー中の残留金属(イ
オン)量を制限するようにするのが望ましい。特にマグ
ネシウムやカルシウムなどの金属(イオン)がトナー中
に残留していると、高湿条件下では吸湿を起こしトナー
の流動性を低下させたり画質に悪影響を及ぼすことがあ
る。こうしたトナー中に残留したマグネシウムやカルシ
ウム(以下、単に残留金属という)のトナー中の含有量
の少ないものは、高温高湿条件下でも、1分間に30枚
以上を印刷できる高速機で高い印字濃度、カブリのない
良好な画質を与えることができる。残留金属量は、好ま
しくは170ppm以下、より好ましくは150ppm
以下、特に好ましくは120ppm以下である。残留金
属を低減させるには、例えば、粒子を洗浄脱水するとき
に、連続式ベルトフィルターやサイホンピーラー型セン
トリヒュージなどの洗浄脱水機などを用いて脱水、洗
浄、そして乾燥する。乾燥後の粒子は、必要に応じて分
級することができる。
【0027】本発明の製造方法によって得られるトナー
は、実質的に球形であり、体積平均粒径(dv)は1〜
10μm、好ましくは3〜8μmであり、体積平均粒径
と個数平均粒径(dn)の比(dv/dn)は1〜1.
5、好ましくは1〜1.3であり、粒子の絶対最大長を
直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(S
r)で割った値(Sc/Sr)は1〜1.3の範囲であ
り、かつBET比表面積(A)[m/g]、個数平均
粒径(dn)[μm]及び真比重(D)の積(A×dn
×D)は5〜10の範囲のものであるのが望ましい。特
に好ましいトナーは、120℃での溶融粘度が10万ポ
イズ以下、好ましくは0.1〜10万ポイズ、より好ま
しくは1〜8万ポイズである。粘度測定はフローテスタ
ーを用いて測定すればよい。このような溶融粘度を持つ
トナーによれば高速での印刷によっても高画質が実現す
る。
【0028】さらに着色重合体粒子に外添処理を行うこ
とができる。粒子の表面に添加剤(以下、外添剤とい
う)を付着、埋設等させることによって、粒子の帯電
性、流動性、保存安定性などを調整することができる。
外添剤としては、無機粒子、有機酸塩粒子、有機樹脂粒
子などが挙げられる。無機粒子としては、二酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが
挙げられる。有機酸塩粒子としては、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。有機樹
脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、ア
クリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル
共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル共重合体で
シェルがスチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子
などが挙げられる。これらのうち、無機粒子、特に二酸
化ケイ素粒子が好適である。また、これらの粒子表面を
疎水化処理することができ、疎水化処理された二酸化ケ
イ素粒子が特に好適である。外添剤の量は、特に限定さ
れないが、着色重合体粒子100重量部に対して、通
常、0.1〜6重量部である。外添剤は2種以上を組み
合わせて用いても良い。外添剤を組み合わせて用いる場
合には、平均粒子径の異なる無機粒子同士または無機粒
子と有機樹脂粒子を組み合わせる方法が好適である。外
添剤を前記重合体粒子に付着させるには、通常、外添剤
と着色重合体粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合器
に仕込み、撹拌して行う。本発明によれば、外添後の流
動性が20%以上、好ましくは30%以上の実質的に球
形のトナーを得ることができる。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較
例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準であ
る。本実施例において行った評価方法は以下のとおりで
ある。 (分散粒径、粗大粒子有無)分散処理した単量体組成物
を2昼夜放置した後、単量体組成物中の着色剤等の分散
物の粒径(dv1)及び粒径分布(すなわち、体積平均
粒径と数平均粒径(dp1)との比(dv1/dp
1))を、粒径分布測定装置マイクロトラック(日機装
株式会社製)により測定した。また、同様にして粒径2
μm以上の粗大粒子の有無を確認した。 (分散安定性)分散処理した単量体組成物を2昼夜放置
した後、着色剤等の固形物の沈降の状況を観察すること
によって調べた。沈降が認められないもの:○、沈降が
認められるもの×、として評価した。
【0030】(トナー粒径)着色重合体粒子(トナー粒
子)の体積平均粒径(dv2)及び粒径分布(すなわ
ち、体積平均粒径と数平均粒径(dp2)との比(dv
2/dp2))は、マルチサイザー(ベックマン・コー
ルター社製)により測定した。このマルチサイザーによ
る測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソト
ンII、濃度10%、測定粒子個数:100,000個
の条件で行った。 (画像濃度)非磁性一成分現像方式のプリンター(12
枚機)の定着ロール部の温度を変化できるように改造し
たプリンターを用いて印字し、印字濃度が良好:○、や
や劣る:△、劣る:×、として判定した。 (透過像色再現性)前述のプリンターを用いて市販OH
Pシートに印字し、OHPでの投影像における色再現性
を観察し、良好:○、やや劣る:△、劣る:×、として
評価した。
【0031】実施例1 スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.
5部からなるモノビニル系単量体(このモノビニル系単
量体を共重合して得られる共重合体のTgは55℃であ
る。)、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東
亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94
℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシ
ルメルカプタン1.2部、カーボンブラック(三菱化学
社製、商品名「#25B」)7部、帯電制御樹脂(藤倉
化成社製、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド含
有共重合体(MW=20,000、スチレン比率85
%、nブチルアクリレート比率10%、スルホン酸基含
有(メタ)アクリルアミド含有モノマー比率5%))3
部、離型剤(ジペンタエリスリトールヘキサミリステー
ト)3部を攪拌機付き混合タンクで混合し予混合液とし
た。この予混合液を図1に示すようなワイヤーブラシ型
ホイールを設置したTKフィルミックスFM−80−5
0(特殊機化工業株式会社製)の容器内に投入し、先端
速度45m/sで5分間バッチ式分散処理を行なって組
成物を得た。この組成物に離型剤(ジペンタエリスリト
ールヘキサミリステート)2部を加え、2昼夜放置し
て、単量体組成物を得た。
【0032】他方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水5
0部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を攪
拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド液
を調製した。生成した上記コロイドの粒径分布をマイク
ロトラック粒径分布測定器(日機装株式会社製)で測定
したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累
積値)が0.35μmで、D90(個数粒径分布の90
%累積値)が0.84μmであった。このマイクロトラ
ック粒径分布測定器による測定においては、測定レンジ
=0.12〜704μm、測定時間=30秒、媒体=イ
オン交換水の条件で行った。
【0033】水酸化マグネシウムコロイド液に、前述の
単量体組成物(二昼夜放置したもの)を添加し、液滴が
安定するまで攪拌した後、そこにt−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート6部を添加した。この液
を、回転子の回転数が12,000rpmのエバラマイ
ルダーMDM303V(荏原製作所社製)に、流量12
0リットル/Hrで、5回繰り返し、供給して液滴造粒
処理した。この造粒した単量体組成物の水分散液を、攪
拌翼を装着した反応器に入れ、85℃で重合反応を開始
させ、反応温度を90℃に保持して4時間重合を継続し
た後、反応を停止し、重合体粒子の水分散液を得た。重
合体粒子の水分散液を、撹拌しながら、硫酸により洗浄
(25℃、10分間)して、pHを6以下にした。この
水分散液を濾過、水洗浄、脱水し、固形分を濾過分離し
た。固形分を、乾燥機にて45℃で10時間乾燥し、着
色重合体粒子を得た。前記着色重合体粒子100部に、
疎水化処理した平均粒子径14nmのシリカ(日本アエ
ロジル社製;商品名「RX200」)0.8部を添加
し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、電子写真用
トナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 実施例1において、 TKフィルミックスの先端速度を
50m/sに変更し、5分間の分散処理に変更した以外
は実施例1と同様にして、トナーを得た。評価結果を表
1に示す。 実施例3 実施例1において、 TKフィルミックスの先端速度を
45m/sに変更し、15分間の分散処理に変更した以
外は実施例1と同様にしてトナーを得た。評価結果を表
1に示す。 実施例4 実施例2において、着色剤をマゼンタ顔料(クラリアン
ト社製;tonermagenta E−02)に変え
た以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。評価結果
を表1に示す。 実施例5 実施例4において、T.K.フィルミックスの先端速度
を50m/sに変更し、容器内滞留時間が5分となる条
件での連続式分散処理に変更した以外は実施例4と同様
にしてトナーを得た。評価結果を表1に示す。
【0036】比較例1 実施例4において、T.K.フィルミックスの先端速度
を10m/sに変更し、15分間の分散処理に変更した
以外は実施例4と同様にしてトナーを得た。評価結果を
表2に示す。 比較例2 実施例4において、 T.K.フィルミックスをディス
クタービン型の攪拌翼を設置したT.K.ロボミックス
(特殊機化工業株式会社製)に変更し、ディスクタービ
ン先端速度6m/sで30分間の分散処理に変更した以
外は実施例4と同様にして単量体組成物及びその液滴分
散液を得た。分散直後の単量体組成物には粗大粒子が多
量に存在し、分散安定性も非常に悪かった。そのため、
単量体組成物液滴の重合は行わなかった。評価結果を表
2に示す。 実施例6 実施例4において、造粒した単量体組成物の水分散液に
更に四ホウ酸ナトリウム十水和物の4%水溶液25部を
添加した他は実施例4と同様にして、トナーを得た。そ
の評価結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】比較例3 実施例4において、 T.K.フィルミックスを、メデ
ィア型分散機であるDYNO−MILL KDL型(W
AB社製)に変更し、メディアとして1.6mm径のス
チールビーズを用い、ローター先端速度16m/s、滞
留時間5分、ビーズ充填率75%の条件で連続式分散処
理を行った以外は実施例4と同様にしてトナーを得た。
分散直後の単量体組成物中の分散物の体積平均粒径は
0.56μm、体積平均粒径/数平均粒径の比は2.2
6であり、粗大粒子は認められなかった。しかし、2昼
夜放置後、単量体組成物に沈降分離が見られ分散状態は
保持できていなかった。放置後の単量体組成物のdv1
は0.87μm、dv1/dp1は2.82であり、若
干の粗大粒子が認められた。その他の評価結果を表2に
示す。
【0039】
【発明の効果】本発明の製法によれば、着色剤等の重合
性単量体中での分散状態が均一且つ安定であり、その結
果として、分散処理後の単量体組成物を重合するまでの
待ち時間のバラツキによる、着色重合体粒子の粒径バラ
ツキが抑えられ、画像濃度や透過色再現性に優れた静電
荷像形成用トナーを安定的に効率よく提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜旋回型高速ミキサーの一例を示す断面
図である。
【図2】 筒状スクリーン型ホイールの一例を示す斜
視図である。
【図3】 ワイヤーブラシ型ホイールの一例を示す図
である。(a)は上面、(b)は側面を示す図である。
【図4】 ミリング型ホイールの一例を示す図であ
る。(a)は上面、(b)は側面を示す図である。
【図5】 ディスパー型ホイールの一例を図である。
(a)は上面、(b)は側面を示す図である。
【符号の説明】
2:流入口 3:流出口 4:ジャケット 5:撹拌ホイール 8:堰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊賀 隆志 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 佐藤 一宏 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 2H005 AB06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 攪拌部の先端速度が30m/s以上の高
    速回転式ミキサーを用いて、重合性単量体を含む分散媒
    体中に着色剤を分散させ、単量体組成物を得る分散工程
    と、 該組成物を、分散安定剤を含む水系分散媒体中で、液滴
    化する造粒工程と、 該液滴を重合して着色重合体粒子を得る重合工程とを含
    むトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 高速回転式ミキサーが、容器と、撹拌部
    としての撹拌ホイールとを備え、 該撹拌ホイールは、高速回転可能で、その先端部が容器
    内側面近傍に達する直径を有し、該ホイールを高速回転
    させると、遠心力によって、被撹拌液が容器内側面に回
    転しながら薄膜状に押し付けられ、該薄膜に前記ホイー
    ルの先端部が接触して、被撹拌液を攪拌する機能を有す
    るものであることを特徴とする請求項1記載のトナーの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005129482A (ja) * 2003-09-30 2005-05-19 Sanyo Electric Co Ltd 非水電解液二次電池用電極の製造方法及び非水電解液二次電池
JP2006164596A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 二次電池およびその多孔膜の製造方法
US7488513B2 (en) * 2002-03-22 2009-02-10 Toyo Ink Mfg. Co., Ltd. Process for producing microcapsule enclosing electrophoretic particle dispersion, microcapsule enclosing electrophoretic particle dispersion and reversible display medium containing the same

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