JP4169658B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、着色剤が内在するトナー及びそのトナーの製造方法に関し、特にコピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置にて用いられる電子写真技術に要するトナー及びトナーの製造方法に関する。
コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置では、感光体ドラムを均一に帯電させ、帯電させた感光体ドラム上に形成すべき画像に基づく光像を走査して静電潜像を形成し、形成した静電潜像に、着色料を含む粉体のトナーを付着させることで可視画像化させる現像を行い、得られた可視画像をコピー用紙等のシート上に転写し、そして転写したトナーをシートに定着させることにより画像を形成する電子写真技術が用いられている。
電子写真に用いられるトナーの製造方法としては、結着樹脂及び着色剤を機械的に混練した後に粉砕する粉砕法が一般的に行われている。
昨今では、需要が増加している高精細画像化及びトナー低消費量化に対応すべく小粒径のトナーが求められているが、製造すべきトナーが小粒径になる程、トナーの製造工程が複雑化し、コスト面では割高になるという生産性に関する問題があり、しかも粉砕法で小粒径のトナーを製造する場合には、粒径分布をシャープにすることが非常に困難という問題があった。
そこで粉砕法と比べて小粒径化に容易に対応することが可能で、生産性も優れた懸濁重合法及び液中乾燥法等の湿式造粒法が注目されている。
湿式造粒法は、トナーの小粒径化という面では優れているが、粒度分布をシャープにすることは難しく、また形状が球型に近く、ブレードによるクリーニング性の悪化という問題を有している。
粒度分布及び形状に関する問題を解決する方法として、重合体エマルジョンに着色剤を添加した後、加熱及び乾燥することでトナーを作製する乳化凝集法が開示されており、乳化凝集法ではシャープな粒度分布のトナーを容易に得ることができ、しかも加熱時間を調整することで球形及び異形等の様々な形状のトナーを製造することが可能である(例えば特許文献1参照。)。
また乳化凝集法で作製した着色剤を含む微粒子の表面に樹脂含有微粒子を凝集させた後、加熱する方法も開示されている(例えば特許文献2参照。)。
特開昭63−186253号公報 特開平10−26842号公報
しかしながら特許文献1に示す方法で製造されたトナーは、トナー表面における着色剤の一部露出及び着色剤間の凝集等の現象が発生し、このため耐久性低下、帯電特性低下及び透明性低下等の問題に繋がる。
また特許文献2に示す方法で製造されたトナーでは、特許文献1の課題であるトナー表面における着色剤の露出は抑制されるが、着色剤の凝集が生じるため、耐電特性低下及び透明性低下等の問題は解消されず、しかも工程が複雑になるため製造コストが高騰するという問題を有している。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、着色剤及び有機微粒子を液中で分散させて、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させ、有機微粒子を分散させた着色剤の分散体と結着樹脂を液中で分散させた分散体とを混合し凝集させてトナーを製造することにより、製造されるトナーは、着色剤表面が有機微粒子にて覆われているために着色剤がトナー表面に露出することが無く、しかも着色剤間の凝集も少ないため、帯電安定性に優れたトナー及びそのトナーの製造方法の提供を主たる目的とする。
また本発明では、有機微粒子の体積平均粒径を100nm以下とすることにより、顔料分散性の低下及び自身の光散乱による透明性の低下を防止するトナー等の提供を他の目的とする。
本発明のトナーは、着色剤及び体積平均粒径が30〜100nmである有機微粒子を液中で分散させて、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させる工程と、有機微粒子を吸着させた着色剤の分散体、及び結着樹脂を液中で分散させた分散体を混合して、凝集させる工程と、凝集させた分散体を、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱して、粒子化させる工程とを含む製造方法により製造することを特徴とする。
本発明のトナーでは、内在する着色剤の表面を有機微粒子にて被覆することにより、トナー表面への着色剤の露出を防止し、着色剤間の凝集を抑制することができるので、高湿度下においても抵抗値が低下することを防止することが可能であり、特に小粒径、及び高濃度の着色剤等の着色剤が凝集し易い環境下においても、有機微粒子が着色剤に強固に結びつき一定の厚みを形成するので、凝集を防止して帯電安定性を維持することが可能である。
本発明のトナーでは、有機微粒子の体積平均粒径を30nm以上にすることにより、着色剤を被覆する層を厚くして帯電安定性を向上させることが可能であり、有機微粒子の体積平均粒径を100nm以下にすることにより、顔料分散性の低下を防止し、自身の光散乱による透明性の低下を防止することが可能である。
本発明のトナーは、前記着色剤及び有機微粒子は、帯電する極性が逆であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、着色剤及び有機微粒子を逆の極性に帯電させることにより、着色剤及び有機微粒子間の静電気力により、着色剤に対する有機微粒子の吸着力が増し、有機微粒子が強固に着色剤に吸着することとなり、しかも以降の工程においても有機微粒子が着色剤の表面から脱離し難くなり、特性を維持することが可能である。
本発明のトナーは、前記着色剤は、カラー画像用の着色剤であり、着色剤濃度が、8〜18重量%であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、着色剤を有機微粒子で被覆することにより、着色剤の露出を防止することができるので、帯電安定性を低下させることなく着色剤濃度を8重量%以上にすることが可能であり、また18重量%以下にすることにより定着性の低下を防止することが可能である。
さらに着色剤濃度を18重量%以下にすることにより、カラー画像の色域の低下、特に混合色であるグリーン、レッド及びブルーの透明性及び色再現性の低下、並びに人間の肌色の再現性の低下を防止することが可能である。
本発明のトナーは、前記着色剤は、黒色の着色剤であり、着色剤濃度が、10〜20重量%であることを特徴とする。
本発明のトナーでは、着色剤を有機微粒子で被覆することにより、着色剤の露出を防止することができるので、帯電安定性を低下させることなく着色剤濃度を10重量%以上にすることが可能であり、また20重量%以下にすることにより定着性の低下を防止することが可能である。
本発明のトナーの製造方法は、着色剤及び体積平均粒径が30〜100nmである有機微粒子を液中で分散させて、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させる工程と、有機微粒子を吸着させた着色剤の分散体、及び結着樹脂を液中で分散させた分散体を混合して、凝集させる工程と、凝集させた分散体を、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱して、粒子化させる工程とを含むことを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法では、着色剤及び有機微粒子を液中で分散させて、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させ、有機微粒子を分散させた着色剤の分散体と結着樹脂を液中で分散させた分散体とを混合して凝集させることにより、着色剤表面が有機微粒子にて覆われたトナーを製造することができるので、トナー表面への着色剤の露出を防止し、着色剤間の凝集を抑制することができるので、高湿度下においても抵抗値が低下することを防止することが可能であり、特に小粒径、及び高濃度の着色剤等の着色剤が凝集し易い環境下においても、有機微粒子が着色剤に強固に結びつき一定の厚みを形成するので、凝集を防止して帯電安定性を維持することが可能である。
本発明のトナーの製造方法は、前記有機微粒子をソープフリー乳化重合法により作製する工程を更に含むことを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法では、乳化剤が有機微粒子に固定化されたソープフリー重合法にて、有機微粒子を作製することにより、トナー表面のブリードを少なくし、高温高湿度下での帯電安定性の低下を防止することが可能である。
本発明に係るトナー及びトナーの製造方法では、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させ、有機微粒子を分散させた着色剤の分散体と結着樹脂を液中で分散させた分散体とを混合して凝集させて製造することにより、製造されるトナーは、着色剤表面が有機微粒子にて覆われているために着色剤がトナー表面に露出することが無く、しかも着色剤間の凝集も少ないため、帯電安定性に優れている等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明のトナーを模式的に示す断面図である。
図1中1は、コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置に適用されている電子写真技術に用いられる本発明のトナーであり、本発明のトナー1は、母粒子2の内部に着色剤3が内在し、着色剤3の表面を有機微粒子4により被覆する構造をなしている。
なお着色剤3及び有機微粒子4は、水中等の液中において逆の極性に帯電するため、着色剤3及び有機微粒子4間の静電気力により、有機微粒子4は着色剤3に強固に吸着しており、またトナー1としては高い帯電安定性を示す。
図1に示した本発明のトナーにて用いられる有機微粒子は、乳化剤を使用せずに、反応性乳化剤、親水性モノマーの過硫酸塩系開始剤、共重合させるイオン性又は非イオン性の水溶性エチレン性不飽和単量体、水溶性ポリマー及びオリゴマー、分解型乳化剤、並びに架橋型乳化剤等の薬剤を用いるソープフリー乳化重合法により作製される。
不溶性のエチレン性不飽和単量体を乳化剤により乳化させて可溶性の開始剤で重合させる乳化重合法と比較して、ソープフリー乳化重合法により作製する有機微粒子は、溶媒中への乳化剤の遊離が非常に少なく、また遊離した場合であっても、低分子量の乳化剤が着色剤の表面に付着して有機微粒子が着色剤に付着し難くなるという様な問題の発生を防止することが可能である。
なおソープフリー重合法としては、特に方法を限定するものではなく、公知の技術を用いることが可能である。
本発明のトナーに要する有機微粒子を作製するソープフリー乳化重合法にて用いられる反応性乳化剤としては、例えばHS−5、HS−10、HS−20、RN−20、RN−30、RN−50、H3881、及びH3855(以上第一工業製薬社製)、並びにRA−1022(日本乳化剤社製)等の薬剤を例示列挙することができる。
これらの薬剤は単独で使用しても良く、また2種以上を併用するようにしても良い。
ソープフリー乳化重合法にて用いられる水溶性の開始剤としては、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、及び2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕等の水溶性の薬剤を例示列挙することができる。
ソープフリー乳化重合法にて用いられる水溶性エチレン性不飽和単量体としては、特に制限されるものではなく、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等の化合物を例示列挙することができ、これらの化合物は単独で使用しても良く、また2種以上を併用するようにしても良い。
なお本発明のトナーに要する有機微粒子は、粒子内部を架橋させるようにしても良く、またコア・シェル型の2層構造にするようにしても良い。
有機微粒子内部の架橋構造は、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体、及び相互に反応することが可能な官能基を有する少なくとも2種のエチレン性不飽和単量体等の単量体を有する化合物を、エチレン性不飽和単量体と混合した上で重合させることにより、形成させることが可能である。
ラジカル重合することが可能なエチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する単量体としては、多価アルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩基酸の重合性不飽和アルコールエステル、及び2個以上のビニル基で置換された芳香族化合物等の単量体を例示列挙することができる。
さらに具体的には、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールアリロキシジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレート及びジビニルベンゼン等の単量体を例示列挙することができ、これらは単独で使用しても良く、また2種以上を併用してもよい。
これらの架橋性の単量体の配合量は、全単量体の重量に対して0〜20重量%、好ましくは0〜10重量%が良い。
単量体の配合量が20重量%を超える場合、粒子が硬くなり、定着性に悪影響を及ぼすからである。
なおコア・シェルの2層構造を形成する方法としては、第1の単量体成分を重合させた後、続いて第2の単量体成分を添加して重合させるという2段階の乳化重合により行うことが一般的である。
2段階の乳化重合の方法としては様々な方法を用いることが可能であり、また2段階の乳化重合以外の方法を用いてコア・シェルの2層構造を形成する様にしても良い。
また本発明のトナーに要する有機微粒子は、着色剤に対する吸着力を向上させ、帯電安定性を高くすることを目的として、イオン性の官能基を含む重合性不飽和単量体を配合することにより、極性を高めて求引力を大きくすることが好ましい。
イオン性の官能基を含む重合性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有単量体と、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有単量体と、ビニルスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体と、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドホスフェート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート等の燐酸基含有単量体と等の単量体を例示列挙することができる。
これらのイオン性単量体の配合量は、全単量体の重量に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%が良い。
単量体の配合量が10%を超える場合、吸湿力が高くなり帯電特性に悪影響を及ぼすからである。
本発明のトナーに要する着色剤は、有機系及び無機系を問わず、様々な種類及び様々な色の着色剤を用いることが可能である。
即ち黒色の着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、及びマグネタイト等の着色剤を例示列挙することができる。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、及びタートラジンレーキ等の着色剤を例示列挙することができる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、及びインダスレンブリリアントオレンジGK等の着色剤を例示列挙することができる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、及びブリリアントカーミン3B等の着色剤を例示列挙することができる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、及びメチルバイオレットレーキ等の着色剤を例示列挙することができる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、及びインダスレンブルーBC等の着色剤を例示列挙することができる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、及びファイナルイエローグリーンG等の着色剤を例示列挙することができる。
なお本発明のトナーにおける着色剤濃度は、カーボンブラック等の黒色の着色剤の場合、10〜20重量%の範囲が好ましく、更には12〜17重量%の範囲がすることがより好ましい。
またカラー画像の場合での着色剤濃度は、8〜18重量%の範囲が好ましく、更には10〜15重量%の範囲とすることがより好ましい。
着色剤濃度が低い場合、形成した画像の濃度の低下及び濃度ムラ等の画質の低下についての問題が発生するため、高画質の画像を形成するためには濃度を上げることが望ましいが、カラー画像用の着色剤の場合には8重量%以上、黒色の着色剤の場合には10重量%以上の濃度にした場合、着色剤が露出して帯電安定性の低下、及び分散性低下による透明性の低下等の問題が発生する。
本発明のトナーでは、着色剤を有機微粒子で被覆することにより、着色剤の露出を防止することができるので、帯電安定性及び分散性を低下させることなく濃度を上げることが可能である。
また黒色の着色剤においては、また20重量%以下にすることにより定着性の低下を防止することが可能であり、カラー画像用の着色剤においては、濃度を18重量%以下にすることにより、カラー画像の色域の低下、特に混合色であるグリーン、レッド及びブルーの透明性及び色再現性の低下、並びに人間の肌色の再現性の低下を防止することが可能である。
なおこれらの着色剤の表面に対しては、必要に応じて着色剤の作製時に、樹脂による処理、及び着色剤骨格へのイオン性の官能基の導入等の表面特性を制御する処理が行われる。
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーの製造方法では、先ず第1工程として、ソープフリー乳化重合法等の製造方法により、有機微粒子を作製する。
乳化剤が有機微粒子に固定化されたソープフリー重合法により、有機微粒子を作製することにより、トナー表面のブリードを少なくし、高温高湿度下での帯電安定性の低下を防止することが可能である。
本発明のトナーの製造方法では、第2工程として、着色剤及び第1工程にて作製した有機微粒子を水中等の液中にて混合し、機械的シェアにより着色剤を分散させ、着色剤表面に有機微粒子を吸着させて、着色剤水分散体を作製する。
このように着色剤及び有機微粒子を予め混合分散し、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させることにより、以降の工程にて結着樹脂粒子とともに凝集し、更に加熱した後も着色剤表面が有機微粒子で被覆された状態となる。
なお機械的シェアにて分散させるための分散機としては、ボールミル及びサンドミル等のメディア入り分散機、高圧分散機、高速旋回型分散機、並びに超音波分散機等の分散機を例示列挙することができる。
本発明のトナーの製造方法では、第3工程として、着色剤水分散体と、結着樹脂を水中等の液中にて分散させた結着樹脂水分散体とを混合して、凝集させる。
結着樹脂水分散体を作製する方法としては、エチレン性不飽和二重結合を乳化剤の存在下で重合を行う乳化重合法を用いる方法、及び結着樹脂を有機溶媒の添加又は加熱によって軟化させた後、水に乳化する方法等の方法を例示列挙することができる。
結着樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に制限されるものではない。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類と、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、及びアクリル酸2−エチルヘキシル等アクリル系単量体と、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、及びメタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体と、アクリル酸、メタクリル酸、及びスチレンスルホン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和酸単量体と、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のビニルニトリル類と、ビニルメチルエーテル、及びビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類と、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、及びビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類と等の化合物を例示列挙することができる。
さらに結着樹脂として、エチレン、プロピレン、及びブタジエン等のオレフィン類等の単量体等の単独重合体と、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体と、それら単独重合体及び/又は共重合体の混合物と、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、及びポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂と、それら樹脂及びビニル系樹脂の混合物と、それら樹脂の共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体と等の化合物を例示列挙することができる。
なお上述した様々な樹脂の中でポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂が透明性及び耐久性の点で優れている。
着色剤水分散体と、結着樹脂水分散体とを凝集させる方法としては、塩酸、硫酸、及び酢酸等の酸を添加することによりPhを変化させる方法、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び硫酸カルシウム等の塩を添加する方法、テトラヒドロフラン及びアセトン等の水溶性有機溶剤を添加する方法、並びに水溶液の温度を上げる方法等の方法を例示列挙することができる。
また本発明のトナーの製造方法における第3工程では、上述した着色剤及び結着樹脂以外にも、磁性粉、剥離剤及び帯電制御剤等の薬剤を必要に応じて配合するようにしてもよい。
磁性粉としては、マグネタイト、γ−ヘマタイト、及び各種フェライト等の磁性体を例示列挙することができる。
剥離剤としては、各種剥離剤、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレン、及びポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスを例示列挙することができ、これらの剥離剤を用いることにより本発明のトナーの定着性の向上が図れる。
なお剥離剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜10重量部とすることが好ましい。
帯電制御剤としては、負帯電トナー用及び正帯電トナー用の2種がある。
負帯電トナー用の帯電制御剤としては、クロム・アゾ錯体染料と、鉄アゾ錯体染料と、コバルト・アゾ錯体染料と、サリチル酸と、サリチル酸誘導体のクロム錯体、亜鉛錯体、アルミニウム錯体、及びホウ素錯体と、サリチル酸塩化合物と、ナフトール酸と、ナフトール酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素錯体と、ナフトール酸塩化合物と、ベンジル酸と、ベンジル酸誘導体のクロム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素錯体と、ベンジル酸塩化合物と、長鎖アルキル・カルボン酸塩と、長鎖アルキル・スルホン酸塩と等の界面活性剤を例示列挙することができる。
正帯電トナー用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、ニグロシン染料誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等の誘導体を例示列挙することが可能である。
なお帯電制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましい。
本発明のトナーの製造方法では、第4工程として、凝集させた着色剤水分散体及び結着樹脂水分散体を、結着樹脂のガラス転移点より10〜30度程度高い温度で加熱することにより、有機微粒子が吸着した着色剤及び結着樹脂を一体化させて粒子化させる。
なお加熱温度及び時間は形状及び融着状態に応じて適宜調整することが望ましい。
本発明のトナーの製造方法では、第5工程として、水中に分散された、有機微粒子が吸着した着色剤及び結着樹脂を一体化させた粒子を洗浄し、水中から分離して、乾燥させることによりトナーケークを作製する。
本発明のトナーの製造方法では、第6工程として、トナーケークを乾燥し、篩分し、更に必要に応じて様々な添加剤を添加することにより本発明のトナーの粉体を得ることができる。
なお第6工程における乾燥、篩分及び添加の方法としては、トナーの凝集及び粉砕等の異常が発生しない方法で有れば良く、特定の方法に限定されるものではない。
例えば流動性の調整、感光体上へのトナー・フィルミングの防止、及び感光体ドラム上の残留トナーのクリーニング性の向上を目的として添加する添加剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛等の無機酸化物と、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、及びスチレン等の化合物の単独及び共重合体樹脂微粒子と、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、及びステアリン酸等の高級脂肪酸及びその高級脂肪酸の金属塩と、カーボンブラック、フッ化黒鉛、炭化珪素、及び窒化ホウ素と等の薬剤を例示列挙することができる。
なおこれらの各種添加剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましい。
上述した方法により製造した本発明のトナーは、コピー装置及びプリンタ装置等の画像形成装置にてコピー用紙等のシート上に画像を形成すべく用いられる。
本発明のトナーを使用した画像形成装置では、シート上に画像を形成する場合に、感光体ドラムを均一に帯電させ、帯電させた感光体ドラム上に形成すべき画像に基づく光像を走査して静電潜像を形成し、形成した静電潜像に、本発明のトナーを付着させることで可視画像化させる現像を行い、得られた可視画像をシート上に転写し、そして転写したトナーをシートに定着させることにより画像を形成する。
次に各種条件を変えて作製した本発明のトナー及び比較サンプル用のトナーの作製条件及び評価を実施例として説明する。
先ずトナーに要する有機微粒子の作製方法について説明する。
(有機微粒子MG−1)
攪拌機、温度計、窒素導入管を有するセパラブルフラスコにイオン交換水900mlを投入し、窒素置換を行った後、摂氏75度まで加熱する。
これにメチルメタクリレート5重量部及び亜硫酸ナトリウム(和光純薬社製)1.5重量部を加えた10分後に、スチレン70重量部、n−ブチルアクリレート28重量部、エチレングリコールジメタクリレート1.0重量部、及びアクリル酸1.0重量部からなるモノマー混合液(プレエマルジョン)を2時間かけて滴下し、更に3時間攪拌を継続した後、反応を終了させることにより体積平均粒径が65nmの有機微粒子MG−1を作製する。
(有機微粒子MG−2)
有機微粒子MG−1の製造方法において、亜硫酸ナトリウム及びイオン交換水の量を変更することにより、体積平均粒径が38nmの有機微粒子MG−2を作製する。
(有機微粒子MG−3)
有機微粒子MG−1の製造方法において、亜硫酸ナトリウム及びイオン交換水の量を変更することにより、体積平均粒径が92nmの有機微粒子MG−3を作製する。
(有機微粒子MG−4)
有機微粒子MG−1の製造方法において、亜硫酸ナトリウム及びイオン交換水の量を変更することにより、体積平均粒径が120nmの有機微粒子MG−4を作製する。
(有機微粒子MG−5)
有機微粒子MG−1の製造方法において、亜硫酸ナトリウム及びイオン交換水の量を変更することにより、体積平均粒径が25nmの有機微粒子MG−5を作製する。
(有機微粒子MG−6)
攪拌加熱装置、温度計、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器に、3重量部のRA−1022(アニオン性反応乳化剤、日本乳化剤社製)、及び450重量部のイオン交換水を投入し、窒素置換を行った後、摂氏80度まで加熱する。
これに2重量部のRA−1022、250重量部のイオン交換水、64.5重量部のスチレン、30重量部のn−ブチルアクリレート、及び0.5重量部のエチレングリコールジメタクリレートからなるモノマー混合液(プレエマルジョン)と、0.5重量部のペルオキソ二硫酸アンモニウム及び100重量部のイオン交換水からなる開始剤水溶液56重量部とを同時に110分かけて滴下し、更に3時間攪拌を継続した後、反応を終了させることにより体積平均粒径が68nmの有機微粒子MG−6を作製する。
(有機微粒子MG−7)
有機微粒子MG−6の製造方法において、RA−1022をドデシル酸ナトリウムに変更することにより、体積平均粒径が55nmの有機微粒子MG−7を作製する。
次にトナーに要する有機微粒子及び着色剤を水中で分散させて作製する、有機微粒子が表面に吸着した着色剤の分散体の作製方法について説明する。
(分散体P−1)
固形分濃度が10重量%の有機微粒子MG−1を1000部の水溶液と、着色剤として塩基性処理顔料であるフタロシアニンブルー100部とを仕込み、ガラスビーズを加えてSG分散機を用い、室温で3時間分散することにより分散体P1を作製する。
(分散体P−2)
分散体P−1の作製方法において、有機微粒子としてMG−2を用いることにより、分散体P−2を作製する。
(分散体P−3)
分散体P−1の作製方法において、有機微粒子としてMG−3を用いることにより、分散体P−3を作製する。
(分散体P−4)
分散体P−1の作製方法において、有機微粒子としてMG−4を用いることにより、分散体P−4を作製する。
(分散体P−5)
分散体P−1の作製方法において、有機微粒子としてMG−5を用いることにより、分散体P−5を作製する。
(分散体P−6)
固形分濃度が10重量%の有機微粒子MG−6を1000部の水溶液と、着色剤として塩基性処理顔料であるカーボンブラック75部とを仕込み、ガラスビーズを加えてSG分散機を用い、室温で3時間分散することにより分散体P6を作製する。
(分散体P−7)
分散体P−6の作製方法において、有機微粒子としてMG−7を用いることにより、分散体P−7を作製する。
(分散体P−8)
分散体P−6の作製方法において、有機微粒子であるMG−6の替わりに、ドデシル酸ナトリウム25部を用いることにより、分散体P−8を作製する。
上述した方法により作製した分散体中の着色剤の表面状態を透過型電子顕微鏡にて観察したところ、分散体P−1〜P−6では着色剤の表面全体に有機微粒子が吸着していることが観察され、そして分散体P−7では着色剤の表面の一部に有機微粒子が吸着していることが観察された。
なお分散体P−8中の着色剤の表面には、有機微粒子の吸着は観察されなかった。
次にトナーに要する結着樹脂粒子水溶液の作製方法について説明する。
結着樹脂粒子水溶液は、ポリエステル樹脂(日本カーバイド社製;二から緯度VE−30)200部、テトラヒドロフラン300部、荷電調整剤部、及び40%の水酸化カルシウム水溶液10部を混合溶解後、水750ml中に投入して、ポリトロン(キネマティカ社製)により所定の粒子径になるまで分散操作を行う。
得られた分散体をエバポレータにより、減圧してテトラヒドロフランの除去を行うことにより、体積平均粒径が380nmである結着樹脂粒子の水溶液を作製する。
次にトナーの作製方法について説明する。
(トナーT−1)
作製した結着樹脂粒子の水溶液を250部(固形分で100部)と、分散体P−1を166部(固形分で30部)とを混合し、食塩水150mlを加えて、摂氏65度で0.5時間撹拌することにより凝集させた後、摂氏70度で1時間撹拌して粒子間の融着を促進させ、洗浄、濃縮、そして乾燥を行ってトナーケークを作製する。
作製したトナーケーク100部と、シランカップリング剤及びジメチルシリコーンオイルにより表面処理した疎水性シリカ微粉末(BET比表面積120m2 /g)1.0重量部とを混合して負摩擦帯電性のトナーT−1を作製する。
(トナーT―2)
トナーT−1の作製方法において、分散体としてP−2を用いることにより、トナーT−2を作製する。
(トナーT―3)
トナーT−1の作製方法において、分散体としてP−3を用いることにより、トナーT−3を作製する。
(トナーT―4)
トナーT−1の作製方法において、分散体としてP−4を用いることにより、トナーT−4を作製する。
(トナーT―5)
トナーT−1の作製方法において、分散体としてP−5を用いることにより、トナーT−5を作製する。
(トナーT−6)
トナーT−1の作製方法において、結着樹脂粒子の配合量及び分散体P−1の配合量を変更することにより、トナーT−6を作製する。
(トナーT−7)
トナーT−2の作製方法において、結着樹脂粒子の配合量及び分散体P−2の配合量を変更することにより、トナーT−7を作製する。
(トナーT−8)
トナーT−1の作製方法において、結着樹脂粒子の配合量及び分散体P−3の配合量を変更することにより、トナーT−8を作製する。
(トナーT−9)
トナーT−1の作製方法において、結着樹脂粒子の配合量及び分散体P−4の配合量を変更することにより、トナーT−9を作製する。
(トナーT−10)
トナーT−1の作製方法において、分散体を、着色剤がカーボンブラックであるP−6に変更することにより、トナーT−10を作製する。
(トナーT−11)
トナーT−1の作製方法において、分散体を、着色剤がカーボンブラックであるP−7に変更することにより、トナーT−11を作製する。
(トナーT−12)
トナーT−1の作製方法において、分散体を、着色剤がカーボンブラックであるP−8に変更することにより、トナーT−12を作製する。
(トナーT−13)
トナーT−10の作製方法において、結着樹脂水溶液及び分散体P−6の配合量を変更することにより、着色剤濃度の異なるトナーT−13を作製する。
(トナーT−14)
トナーT−10の作製方法において、結着樹脂水溶液及び分散体P−6の配合量を変更することにより、着色剤濃度の異なるトナーT−14を作製する。
(トナーT−15)
トナーT−10の作製方法において、結着樹脂水溶液及び分散体P−6の配合量を変更することにより、着色剤濃度の異なるトナーT−15を作製する。
(トナーT−16)
トナーT−10の作製方法において、結着樹脂水溶液及び分散体P−6の配合量を変更することにより、着色剤濃度の異なるトナーT−16を作製する。
そして作製したトナーT−1〜T−16を用いて画像形成装置により画像形成処理を行い、以下の評価を行った。
なお各評価における画像サンプルはプロセススピード88mm/secのシャープ社製ARC−150機を用いて未定着画像を作製した後、オイル塗布タイプの外部定着器にて摂氏190度の温度で定着を行った。
なお試験紙には75g/m2 紙を用いる。
(評価1:有機微粒子の体積平均粒径測定)
レーザー光散乱粒子径測定装置DLS−700(大塚電子社製)を用いて有機微粒子の体積平均粒径の測定を行う。
(評価2:トナー粒子の体積平均粒径測定)
コールターマルチタイザーII(コールター社製)を用い、100μmアパーチャを用いてトナー粒子の体積平均粒径の測定を行う。
(評価3:環境帯電測定による帯電安定性評価)
フェライト粒子(パウダーテック社性60μm)及びトナーを95:5の割合で混合し、摂氏30度、相対湿度80%(環境条件HH)及び摂氏10度、相対湿度20%(環境条件LL)の環境下でボールミルにて30分撹拌後、帯電量を測定する。
環境条件HHでの帯電量/環境条件LLでの帯電量の値を百分率で算出して、80%以上を「◎」、70%以上を「○」、そして70%未満を「×」とする3段階の評価を行い、「◎」及び「○」を実使用上問題が無いレベルとする評価を行う。
(評価4:透明性評価)
オーバーヘッドプロジェクター専用シート(シャープ社製CX−7A4C)に対して画像濃度が1.7となる様にマゼンタ色のトナー付着量を調整して画像形成する。
オーバーヘッドプロジェクター専用シート上に形成された画像を試料として、直読ヘーズコンピュータC光源用HGM−2DP(スガ試験機社製)を使用して、拡散透過光量及び全透過光量を測定し、ヘーズ値を算出することにより透明性の評価を行う。
なおヘーズ値とは、透明な試料に平行光線を入射させ、試料を透過した光線のうち拡散する光線の光量を拡散透過光量Tdとし、試料を透過した拡散光線及び平行光線の全光量を全透過光量Ttとした場合、下記の式1にて示される様に透明な試料を透過した光線が拡散する程度を示す指標であり、ヘーズ値が小さいほど拡散透過光量が少なく透明性が高いことを示す。
ヘーズ値(%)=(Td/Tt)×100 ……式1
但し、Td:拡散透過光量
Tt:全透過光量
算出したヘーズ値が20以下を「◎」、25以下を「○」、そして25以上を「×」とする3段階の評価を行い、「◎」及び「○」を実用上問題がないレベルとする評価を行う。
(評価5:トナー消費量評価)
転写材上に1cm2 当たり0.35mgのトナーが定着したトナー画像を形成し、定着後の画像の光沢度が10%以上の定着画像を形成する。
なお光沢度は光沢度計(東洋精機社製GLOSSMETER UD)を使用し、入射光の角度を75度にした時の、75度の反射光を用いて測定する。
画像濃度は、マクベス濃度計を用いて測定する。
カラー画像の場合、画像濃度1.5以上を「◎」、1.4以上を「○」、そして1.4以上を「×」とする3段階の評価を行い、「◎」及び「○」を実使用上問題が無いレベルとする評価を行う。
黒色の着色剤によるモノクローム画像の場合、画像濃度1.6以上を「◎」、1.5以上を「○」、そして1.5未満を「×」とする3段階の評価を行い、「◎」及び「○」を実使用上問題が無いレベルとする評価を行う。
評価1乃至評価5の評価方法により夫々のトナー粒子を「◎」、「○」及び「×」の三段階で評価した結果を下記の表1に示す。
なお表1中シアンとは、カラー画像用の着色剤であるフタロシアニンブルーを示し、CBとは、黒色の画像用の着色剤であるカーボンブラックを示す。
Figure 0004169658
表1に示す様に本発明のトナーは、有機微粒子の体積平均粒径を30nm以上とすることにより、帯電安定性の評価にて良好な結果が得られ、またフタロシアニンブルーを着色剤として用いた場合、有機微粒子の体積平均粒径を100nm以下とすることにより、透明性の評価にて良好な結果が得られる。
なお着色剤を有機微粒子にて被覆していない比較サンプルのトナーT−12では、帯電安定性が悪く、このことからも着色剤を有機微粒子にて被覆することにより帯電安定性を向上させる効果は明白であることが示される。
前記実施の形態に示した原料及び操作手順等の製造条件は、本発明を実現する無数の形態の中の一部を例示して列挙したものであり、本発明はこれらの例に制限されるものではない。
本発明のトナーを模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 トナー
2 母粒子
3 着色剤
4 有機微粒子

Claims (6)

  1. 着色剤及び体積平均粒径が30〜100nmである有機微粒子を液中で分散させて、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させる工程と、
    有機微粒子を吸着させた着色剤の分散体、及び結着樹脂を液中で分散させた分散体を混合して、凝集させる工程と、
    凝集させた分散体を、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱して、粒子化させる工程と
    を含む製造方法により製造することを特徴とするトナー。
  2. 前記着色剤及び有機微粒子は、帯電する極性が逆であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記着色剤は、カラー画像用の着色剤であり、
    着色剤濃度が、8〜18重量%である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載のトナー。
  4. 前記着色剤は、黒色の着色剤であり、
    着色剤濃度が、10〜20重量%である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載のトナー。
  5. 着色剤及び体積平均粒径が30〜100nmである有機微粒子を液中で分散させて、着色剤の表面に有機微粒子を吸着させる工程と、
    有機微粒子を吸着させた着色剤の分散体、及び結着樹脂を液中で分散させた分散体を混合して、凝集させる工程と、
    凝集させた分散体を、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で加熱して、粒子化させる工程と
    を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 前記有機微粒子をソープフリー乳化重合法により作製する工程を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
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