JPH0777833A - トナー製造方法 - Google Patents

トナー製造方法

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JPH0777833A
JPH0777833A JP5174676A JP17467693A JPH0777833A JP H0777833 A JPH0777833 A JP H0777833A JP 5174676 A JP5174676 A JP 5174676A JP 17467693 A JP17467693 A JP 17467693A JP H0777833 A JPH0777833 A JP H0777833A
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Japan
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toner
weight
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wax
pigment
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JP5174676A
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English (en)
Inventor
Takashige Kasuya
貴重 粕谷
Makoto Kanbayashi
誠 神林
Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
Tatsuya Nishimura
達哉 西村
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染顔料がトナー粒子中に均一に分散されたト
ナーの製造方法を提供すること、懸濁重合の際、重合容
器への付着を防止(スケール防止)し得るトナーの製造
方法を提供すること、更に、低温定着性に優れ、帯電性
がよく、鮮明な色調のフルカラートナーの製造方法を提
供すること。 【構成】 マスターバッチを用いる懸濁重合法によって
直接的に電子写真用トナーを得るトナーの製造方法にお
いて、マスターバッチが少なくとも融点50℃〜100
℃のポリアルキレンワックスと染顔料とからなる原材料
混合物に対して0.5〜10重量部のサリチル酸金属化
合物を添加し、これらを溶融混練して作成されることを
特徴とするトナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用複写装置
(以下電子写真法と略記)に用いられるトナーの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法とは、米国特許第2,29
7,691号明細書に記載されている如く多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、該潜像をトナ
ーを用いて現像し、必要に応じて紙等の記録材にトナー
画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気等により
定着し複写物を得る方法である。又、トナーを用いて現
像する方法或いはトナー画像を定着させる方法として
は、従来各種の方法が提案されており、夫々の画像形成
プロセスに適した方法が採用されている。近年、上記し
た電子写真法に対し、高速複写化及び高画質化が要求さ
れている。
【0003】上記電子写真法に用いられるトナーは、結
着樹脂、染顔料、荷電制御剤及びワックス等を含有する
原材料を混合し、溶融混練し、粉砕、分級して得られ
る。この際重要な点は、染顔料及び荷電制御剤を結着樹
脂中に均一な状態にまで分散させることである。分散不
良が生じると、荷電特性が悪化し、高湿下においてカブ
リやトナー飛散が発生する。特にカラートナーにおいて
は、鮮明な色調を得る為には良好な分散を行う必要があ
る。良好な分散を行う為に、現在では、トナーに使用す
る結着樹脂に染顔料をトナーよりも多量に含有させたマ
スターバッチを作成しておき、これに同じ結着樹脂、荷
電制御剤及びワックス等を加えて希釈混練をする方法が
一般的に行われている。又、マスターバッチの作成は、
結着樹脂と染顔料を前混合し、それを二本ロール等の剪
断力の強い分散機で混練する製造方法が主である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たマスターバッチの作成方法では、染顔料が樹脂に十分
に濡れず、この為、電子写真用カラートナーに要求され
る鮮明な色調及び着色力を満足することが出来ていない
のが現状である。類似した方法としては、例えば、特開
昭62−30259号公報に、上記の方法で作成したマ
スターバッチを微粉砕した後に残りの樹脂を配合し、溶
融混練を行う方法が記載されているが、マスターバッチ
での染顔料の分散の度合いが最終的にトナーの分散性を
大きく左右するものと考えられ、効果のほどは疑問であ
る。又、特開昭63−205664号公報では、マスタ
ーバッチ作成時に二本ロール等を用いて強い剪断力をか
け、希釈練りでは弱い剪断力をかける方法が記載されて
いるが、それだけでは十分な効果が得られるとは思えな
い。その他の方法としては、例えば、溶剤中に原材料を
溶解し混合した後に、溶剤を蒸発させてマスターバッチ
を作成する方法が特開昭61−156054号公報に記
載されているが、溶液状の混合物を撹拌しただけでは十
分な剪断力がかからない為に、染顔料の十分な分散が達
成出来るかどうか疑問である。
【0005】一方、上記粉砕法によるトナーにおいて
は、ワックス等の離型性物質を添加する場合に制約があ
る。即ち、離型性物質の分散性を十分なレベルとする為
には、離型性物質が、結着樹脂との混練温度におい
て、溶解して液状になっていないこと、含有量を約5
重量部以下にすること等が必要とされる。この様な制約
の為、粉砕法により得られたトナーを用いて形成したト
ナー画像の定着性には限界がある。これに対して、懸濁
重合法により作製されたトナー(以下、重合トナーと略
記)は、上記の制約がないことに加えて、ワックスを内
包化することが出来る為、良好なトナー画像の定着性及
び耐オフセット性が得られる。ここで、懸濁重合法トナ
ーの製法としては、単量体系中にマスターバッチを溶
融、溶解、混合し、開始剤を添加し、懸濁安定剤の存在
下水系媒体中に投入し、懸濁重合を行う。しかしなが
ら、従来までは、上記した重合トナーについて、高速複
写化、高画質化及びフルカラーを意識したトナーの定着
性の検討は十分行なわれておらず、重合トナーの特性が
十分に引き出されているとは言えなかった。又、懸濁重
合法においても染顔料の分散性は重要であり、分散不良
を生じると、懸濁造粒工程における重合トナーの造粒安
定性を損い、重合容器への付着を増加させるという問題
点があった。
【0006】従って、本発明の目的は、上記の如き従来
の問題点を解決したトナーの製造方法を提供することに
ある。即ち、染顔料がトナー粒子中に均一に分散した電
子写真用トナーの製造方法を提供することにある。又、
本発明の別の目的は、低温定着性に優れた電子写真用ト
ナーの製造方法を提供することにある。又、本発明の別
の目的は、懸濁重合の際、重合容器への付着を防止(ス
ケール防止)し得る電子写真用トナーの製造方法を提供
することにある。更に、本発明の別の目的は、帯電性が
よく、鮮明な色調のフルカラートナーの製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決する為の手段】上記の目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、マスターバッチ
を用いる懸濁重合法によって直接的に電子写真用トナー
を得るトナーの製造方法において、マスターバッチが少
なくとも融点50℃〜100℃のポリアルキレンワック
スと染顔料とからなる原材料混合物に対して0.5〜1
0重量部のサリチル酸金属化合物を添加し、これらを溶
融混練して作成されることを特徴とするトナーの製造方
法である。
【0008】
【作用】本発明者らは、上記した従来技術の問題点を解
決する為に鋭意研究の結果、マスターバッチを作製する
際に、ポリアルキレンワックス中に染顔料を分散させ、
更に、サリチル酸金属化合物を加えることにより、従来
のマスターバッチの作製方法と比較してマスターバッチ
の良好な分散性が得られることを知見して本発明に至っ
た。サリチル酸金属化合物による染顔料の分散効果につ
いての詳細は不明であるが、サリチル酸金属化合物と染
顔料の極性基間の作用が関与しているものであると思わ
れる。
【0009】又、本発明では、マスターバッチを用い懸
濁重合法によりトナーを作製する際に、上記したポリア
ルキレンワックス及びサリチル酸金属化合物を用いたマ
スターバッチを使用することにより、重合容器への重合
物の付着を軽減することが出来る。更に、トナー表面に
染顔料が露出しにくくなり、帯電性及び流動性が向上す
る等の効果を発揮する。これは、サリチル酸金属化合物
により染顔料の分散性が向上したこと、及びポリアルキ
レンワックスにより染顔料を見かけ上覆っていること等
に起因するものと考えられる。即ち、懸濁重合法によ
り、水という極性の大なる分散媒中で単量体組成物の液
滴を生成せしめる為、単量体組成物に含まれる極性基を
有する成分は水相との界面である表層部に存在し易く、
非極性の成分は表層部に存在しないという、所謂、疑似
カプセル構造をとる点を活用し、他の粉砕法では使用出
来ない低融点のワックスを多量に含有させることを可能
とした。
【0010】従って、本発明方法により作製された重合
トナーは、この低融点のワックスの内包化により、耐ブ
ロッキング性と低温定着という相反する性能を両立する
ことが可能となる。即ち、低融点ワックスが内包化され
ていることにより、耐ブロッキング性能を低下させるこ
となく、低温で溶融するワックスによりトナー中の熱伝
導性が向上し、その結果、トナー画像の低温定着が可能
となる。更に好ましいことには、トナー画像の定着時に
融解したワックスが離型剤としても働く為、定着ローラ
ーにオイル等の離型剤を塗付することなく高温オフセッ
トを防止することが可能となる。
【0011】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて、
本発明を更に詳細に説明する。本発明の特徴は、マスタ
ーバッチの作成時に、特定量のサリチル酸金属化合物
を、融点50〜100℃のポリアルキレンワックスと染
顔料からなる原材料混合物に対して添加することであ
る。本発明で使用されるサリチル酸金属化合物は、クロ
ム化合物及び亜鉛化合物が好ましいが、より好ましくは
クロム化合物である。又、係る化合物の添加量は、0.
5〜10重量部であることが好ましく、0.5重量部未
満であると染顔料の分散性及びトナー帯電性が劣化し、
10重量部を超えるとトナー帯電の環境安定性を損う。
【0012】又、本発明に用いるポリアルキレンワック
スは、融点が50℃〜100℃であることが好ましく、
50℃未満においてはトナーのブロッキング性を損い、
又、100℃を超えると低温定着性を損う為、好ましく
ない。融点50℃〜100℃のポリアルキレンワックス
としては、パラフィン及びポリオレフィン系ワックスが
使用されるが、モノマーに溶解し得るものであれば特に
問題ない。本発明においては特に好ましくは、非極性の
パラフィン系ワックスが用いられるが、カラートナーの
定着における耐オフセット性を考慮すると、該ポリアル
キレンワックスを10重量部以上含有させることが好ま
しい。
【0013】更に、本発明に使用される染顔料として
は、公知ものであればいずれも使用することが出来る。
例えば、カーボンブラック、鉄黒の他、C.I.ダイレ
クトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.
アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.
I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー
1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブ
ルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシ
ックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.
モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、
C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグ
リーン6等の染料、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラ
ルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイ
エローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローN
CG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パー
マネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カド
ミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチング
レッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファ
ストバイオレッドB、メチルバイオレッドレーキ、紺
青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリ
アブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンB、フタロ
シアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメント
グリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイ
エローグリーンG等が挙げられる。又、本発明の懸濁重
合法を用いてトナーを得る場合には、染顔料の持つ重合
阻害性及び水相移行性に注意を払う必要があり、好まし
くは、表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎
水化処理を施しておくとよい。
【0014】本発明において使用されるマスターバッチ
の製造方法としては、先ず始めに、ポリアルキレンワッ
クスを溶融させておき、そこに染顔料及び0.5〜10
重量部のサリチル酸金属化合物を加え、混練する。混練
には、公知の技術、例えばニーダー、ボールミル、ロー
ルミル及びサンドミル等を使用することが出来るが、よ
り好ましくはメディア分散型、例えば、アトライター
(三井三池工機(株))等を使用する。又、使用するメ
ディアとしては、アルミナ、ジルコニア、ガラス及び鉄
等が好ましいが、メディア汚染が極めて少ないジルコニ
アがより好ましい。その際のビーズ径は、2mm〜5m
mが分散性に優れており好ましい。更に、溶融混練温度
は、ポリアルキレンワックスの融点(50〜100℃)
以上+20℃の範囲が好ましい。
【0015】本発明の更なる特徴は、懸濁重合法により
トナーを直接的に製造することにある。懸濁重合法によ
るトナーの製造方法としては、先ず、上記の如く作成し
たマスターバッチを溶融状態で加温した単量体系に添加
し、マスターバッチを単量体系中に溶解分散させる。次
にこれに重合開始剤を添加したものを、分散安定剤を含
有する単量体系と同温の水相(分散媒体)中に、通常の
撹拌機、ホモミキサー又はホモジナイザー等を使って分
散せしめる。この際、好ましくは単量体液滴が所定のト
ナー粒子のサイズ(一般に30μm以下の粒径)を有す
る様に撹拌速度及び撹拌時間を調整し、その後は分散安
定剤の作用により、粒子状態が維持され且つトナー粒子
の沈降が防止される程度の撹拌を行えばよい。反応終了
後、生成されたトナー粒子から分散安定剤を除去する為
に洗浄し、濾過により回収し、乾燥するとトナーが直接
得られる。本発明においては、通常、単量体系100重
量部に対し、水300〜3,000重量部を分散媒体と
して使用するのが好ましい。
【0016】又、本発明で使用する単量体としては、重
合性α,β−不飽和エチレン系単量体が好ましく、例え
ば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリ
ル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアク
リル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸−
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−
n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−
2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタク
リル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、
メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エ
ステル類その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。
【0017】これらの単量体は、単独又は2種類以上を
混合して使用し得る。本発明においては、上述の単量体
の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で使用す
るか、或は他の単量体と混合して使用することがトナー
の現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0018】又、本発明で使用される分散媒体には、い
ずれか適当な分散安定剤、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプ
ロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその
塩、デンプン、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸
バリウム、ベントナイト等を水相に分散させて使用する
ことが出来る。又、これらの分散安定剤は、重合性単量
体100重量部に対して、0.2〜20重量部を使用す
ることが好ましい。
【0019】更に、分散媒中の分散安定剤の微細な分散
の為に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用
してもよい。これは、上記した分散安定剤の所期の作用
を促進する為のものであり、その具体例としては、ドデ
シルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリ
ウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナト
リウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウ
ム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が
挙げられる。
【0020】又、本発明に使用する単量体系には、添加
剤として極性基を有する重合体・共重合体を添加して重
合することがより好ましい。更に、本発明においては、
極性基を有する重合体・共重合体又は環化ゴムを添加し
た単量体系を、該極性重合体と逆荷電性の分散剤を分散
せしめた水相中に懸濁させて重合することがより好まし
い。即ち、単量体系中に含まれるカチオン性又はアニオ
ン性の重合体・共重合体、又は環化ゴムは、水相中に分
散している逆荷電性のアニオン性又はカチオン性の分散
剤と、重合進行中のトナーとなる粒子表面で静電気的に
引き合い、粒子表面を分散剤が覆うことにより粒子同士
の合一を防ぎ安定化せしめると共に、重合時に添加した
極性重合体がトナーとなる粒子表層部に集まる為、一種
の殻の様な形態となり、得られた粒子はカプセル構造を
とる。従って、比較的高分子量の極性重合体・共重合体
又は環化ゴムを用い、トナー粒子にブロッキング性、現
像耐摩耗性の優れた性質を付与する一方で、内部では比
較的低分子量で定着特性向上に寄与する様に重合を行う
ことにより、定着性とブロッキング性という相反する要
求を満足するトナーを得ることが出来る。
【0021】本発明で使用することが出来る極性重合体
・共重合体及び逆荷電性分散剤を以下に例示する。 (1)カチオン性重合体としては、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル及びメタクリル酸ジエチルアミノエチル
等の含窒素単量体の重合体若しくはスチレン・不飽和カ
ルボン酸エステル等との共重合体が挙げられる。 (2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸及びメタクリル酸等の不飽和カルボン
酸、その他不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水物、ニ
トロ系単量体の重合体若しくはスチレン系単量体等との
共重合体、及びポリエステル樹脂等が挙げられる。又、
これらの極性重合体の代わりに環化ゴムを使用してもよ
い。 (3)アニオン性分散剤としては、シリカ微粉末が好ま
しく用いられ、特に、BET比表面積が200m2/g
以上のコロイダルシリカが適している。 (4)カチオン性分散剤としては、アミノアルキル変性
コロイダルシリカ(好ましくは、BET比表面積が20
0m2/g以上)等の親水性正帯電性シリカ微粉末、水
酸化アルミニウム及び、リン酸カルシウム等が挙げられ
る。上記の分散剤は、重合性単量体100重量部に対し
て、0.2〜20重量部を使用することが好ましい。更
に好ましくは、0.3〜15重量部である。
【0022】又、本発明に使用される重合開始剤として
は、いずれか適当な重合開始剤を使用することが出来、
具体的には、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−
1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベ
ンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシ
ド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒ
ドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開
始剤が挙げられる。
【0023】又、レドックス開始剤として先に挙げた過
酸化物と、ジメチルアニリン、メルカプタン類、第三ア
ミン類、鉄(II)塩、亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤
とを組み合わせて用いてもよい。これらの重合開始剤は
所望の分子量を得る為に好適に使用されるが、一般に
は、重合性単量体の0.1〜10重量%の添加量で充分
である。
【0024】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的
に説明する。 <マスターバッチの作成>下記の処方例1〜処方例6に
示す夫々の成分をアトライター(三井三池工機(株))
(ジルコニアビーズ使用)で混練し、マスターバッチを
夫々作製した。この際、処方例1〜処方例5については
90℃で、又、処方例6では30℃で、夫々1時間、回
転速度200rpmで混練を行った。
【0025】マスターバッチ処方例1 パラフィンワックス(融点70℃) 100重量部 銅フタロシアニン顔料(C.I.pigment Blue 15) 17重量部 サリチル酸クロム化合物 3重量部
【0026】マスターバッチ処方例2 パラフィンワックス(融点80℃) 100重量部 銅フタロシアニン顔料(C.I.pigment Blue 15) 25重量部 サリチル酸クロム化合物 5重量部
【0027】マスターバッチ処方例3 パラフィンワックス(融点70℃) 100重量部 ジスアゾ系顔料(C.I.pigment Yellow 17) 25重量部 サリチル酸クロム化合物 5重量部
【0028】マスターバッチ処方例4 パラフィンワックス(融点70℃) 100重量部 銅フタロシアニン顔料(C.I.pigment Blue 15) 25重量部 サリチル酸クロム化合物 0.1重量部
【0029】マスターバッチ処方例5 パラフィンワックス(融点70℃) 100重量部 銅フタロシアニン顔料(C.I.pigment Blue 15) 25重量部 サリチル酸クロム化合物 11重量部
【0030】マスターバッチ処方例6 スチレンモノマー 100重量部 銅フタロシアニン顔料(C.I.pigment Blue 15) 25重量部 サリチル酸クロム化合物 5重量部
【0031】<実施例1>イオン交換水709重量部
に、0.1M−Na3PO4 水溶液を451重量部を投
入し60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機
化工業製)を用い、撹拌速度12,000rpmにて撹
拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液67.7重
量部を徐々に添加し、分散安定剤としてCa3(PO4)2
を含む分散媒体を得た。一方、スチレン:170重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート:30重量部及
び、スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重
合体:3重量部を溶解混合して単量体系とした。この様
にして得られた単量体系を60℃に加温した後、処方例
1に挙げたマスターバッチを60重量部、単量体系に溶
融状態で投入した。その後、撹拌混合し、単量体系の温
度を65℃とし、重合開始剤であるジメチル−2,2’
−アゾビスイソブチレート10重量部を加えて溶解し、
単量体組成物とした。TKホモミキサーのフラスコ中で
調製した上記の分散媒体中に、上記で得られた単量体組
成物を投入した。投入後、温度80℃、窒素雰囲気とし
たTKホモミキサーを用いて、撹拌速度10000rp
mで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後
パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で更に13時間反応
させた。重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩酸を
加えて、Ca3(PO4)2 を溶解し、濾過、水洗乾燥する
ことにより重合トナーを得た。
【0032】得られたトナーの粒径をコールターカウン
ターで測定したところ、重量平均径8.2μmでシャー
プな粒度分布を有していた。更に、粒子の断面を染色超
薄切片法により透過型電子顕微鏡で観察したところ、ス
チレン−アクリル樹脂を主体とする表層部とワックスを
主体とする中心部に分かれており、所謂、カプセル構造
を確認することが出来た。
【0033】又、得られたトナー100重量部に対し
て、BET法による比表面積200m2 /gである疎水
性シリカ0.7重量部を外添した。このトナー7重量部
に対し、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体で表面
被覆したCu−Zu−Fe系フェライトキャリア93重
量部を混合し、二成分系現像剤とした。この現像剤を用
いて市販のカラー複写機(CLC−500キヤノン製)
を用いて画出し試験を行った。この際の現像条件は、2
3℃/65%の環境下で現像コントラスト320Vとし
た。その結果、得られた画像は着色力が高い鮮明なもの
となった。又、懸濁重合時における重合容器への重合物
等の付着は少なかった。評価結果を表1に示す。
【0034】<実施例2〜実施例3>実施例2では、処
方例2に挙げたマスターバッチを40重量部、実施例3
では処方例3に挙げたマスターバッチを40重量部、夫
々用いた以外は、実施例1と同様の製法にて、重合法ト
ナーを得た。評価についても実施例1と同様に行い、そ
の結果を表1に示す。
【0035】<比較例1〜比較例3>比較例1では、処
方例4に挙げたマスターバッチを40重量部、比較例2
では処方例5に挙げたマスターバッチを40重量部を夫
々用いた以外は、実施例1と同様の製法にて、比較用の
重合法トナーを得た。比較例3については、単量体系と
して、スチレン:139重量部、2エチルヘキシルアク
リレート:30重量部、スチレンメタクリル酸−メタク
リル酸メチル共重合体:3重量部に対し、マスターバッ
チ処方例6を40重量部添加し、その後60℃加温した
系に、パラフィンワックス30重量部を溶融混合した。
その後の製法は、実施例1に準じた。評価についても実
施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】 表1 評価結果
【0037】評価項目としては、懸濁重合時の容器への
スケール付着量、着色力及び現像性とし、評価方法は以
下のものを用いた。又、夫々の評価基準は、下記の様に
した。 ・懸濁重合時の容器へのスケール付着量 ○;わずかな付着であり、容器の連続使用可能である。 ○△;若干付着が見られるが、容器の使用可能レベルで
ある。 △;付着が見られる為、容器の再使用の際除去が必要で
ある。 ×;付着量が多く、容器の再使用不可能である。 ・着色力 カラー複写機(CLC−500 キャノン製)により、
同一トナー量(0.5mg/cm2)となる様に現像条
件を選択し、画出しを行い、この画像の定着後(同一条
件)の画像濃度を測定することにより、評価を行った。 ・現像性 カラー複写機(CLC−500 キャノン製)を用い、
23℃/65%の環境下で3000枚画出しを行い、そ
の画像濃度推移及び画質により以下の様に評価した。 ○;画像濃度及び画質共に安定、良好であった。 ○△;画像濃度は安定であるが、画質に若干の劣化が生
じる。 △;画像濃度がやや低下し、画質に若干の劣化が生じ
る。 △×;画像濃度の低下及び画質の劣化が生じる。 ×;500枚程度で画像濃度及び画質共に低下する。
【0038】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、マ
スターバッチを作製する際に、ポリアルキレンワックス
中に染顔料を分散させ、更に、サリチル酸金属化合物を
加えることにより、従来のマスターバッチの作製方法と
比較して得られるマスターバッチの良好な分散性が達成
される為、これを用いて懸濁重合法によりトナーを直接
的に作製した場合に、重合トナーの造粒安定性に優れ、
且つ重合容器への付着を防止することが出来る。又、本
発明によれば、得られるトナーが染顔料がトナー中に均
一に分散されたものとなる為、帯電性に優れ、鮮明な色
調の高速複写化、高画質化に対応することの出来るフル
カラートナーとなる。又、本発明で得られるトナーは、
低融点のワックスの内含化が可能となる為、耐ブロッキ
ング性及び低温定着性に優れたトナーとなり、トナー表
面に染顔料が露出しにくくなる為、帯電性及び流動性が
向上する。更に、本発明で得られるトナーは、定着時に
溶解したワックスが離型剤として働く為、定着ローラー
に離型剤を付与することがなく、高温オフセットを防止
することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスターバッチを用いる懸濁重合法によ
    って直接的に電子写真用トナーを得るトナーの製造方法
    において、マスターバッチが少なくとも融点50℃〜1
    00℃のポリアルキレンワックスと染顔料とからなる原
    材料混合物に対して0.5〜10重量部のサリチル酸金
    属化合物を添加し、これらを溶融混練して作成されるこ
    とを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアルキレンワックスを10重量部以
    上含有する請求項1に記載のトナー製造方法。
JP5174676A 1993-06-23 1993-06-23 トナー製造方法 Pending JPH0777833A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0934287A (ja) * 1995-07-21 1997-02-07 Canon Inc 画像形成方法
US6399266B1 (en) 2001-02-06 2002-06-04 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Developing agent and method for manufacturing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0934287A (ja) * 1995-07-21 1997-02-07 Canon Inc 画像形成方法
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