JP2005002331A - 脂肪族ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イソシアネート化合物やカーボネート化合物等の鎖延長剤を用いることなく高分子量化され、射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性、熱安定性及び引張特性等の機械物性に優れた脂肪族ポリエステルを提供する。
【解決手段】 脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位を含有するポリエステルであって、該ポリエステル中に含まれるカーボネート結合の含有量が、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、1モル%未満、ウレタン結合の含有量が0.06モル%未満、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位の含有量が0.02モル%未満、有機ホスフィン酸、有機ホスホン酸及びリン酸水素塩から選ばれるリン含有化合物由来のリン原子の含有量が10-9 モル%未満であり、還元粘度(ηsp/C)が1.6以上である脂肪族ポリエステル。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂肪族ポリエステルおよびその製造方法に関する。詳しくは、イソシアネート化合物やカーボネート化合物等の鎖延長剤を用いることなく高分子量化され、射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性、熱安定性及び引張特性に優れ、且つ、優れた生分解性を有する環境に優しい脂肪族ポリエステルおよびその製造方法に関するものである。
生分解性を有する脂肪族ポリエステルは、環境問題に対する意識の高まりから、より環境負荷を回避する樹脂として、繊維、成形品、フィルムやシート等への応用がはかられている。例えば、生分解性を有するポリブチレンサクシネート及び/又はポリブチレンアジピネートは、ポリエチレンと似た力学特性を持つことからポリエチレンの代替ポリマーとして開発されている。
経済的に有利なポリエステルの製造方法としては、触媒の存在下でのジカルボン酸とジオールとの直接エステル化反応、或いは、ジカルボン酸のアルキルエステルとジオールとのエステル交換反応によりエステル低重合体を製造後、これを加熱減圧下でエステル交換反応を行いながら生成するジオールを反応系から留去して高重合度のポリエステルを製造する方法が古くから知られ、採用されている。
しかしながら、一般に脂肪族ポリエステルの熱安定性が低く、重合反応中に熱分解による分子量の低下が引き起こされる為、従来のポリエステルの製造方法では実用上十分な強度を有する高重合度のポリエステルが得られなかった。ポリマーの熱安定性には、ポリマー末端(水酸基やカルボキシル基)濃度、特にカルボキシル基の残存が著しく悪影響を及ぼすと提案されている(例えば、特許文献1参照)。そのような背景から、その製造方法には種々の工夫がなされている。
例えば、チタン化合物やジルコニウム化合物を触媒として溶融重合を行い、鎖延長剤としてジイソシアネート(例えば、特許文献2参照)やジフェニルカーボネート(例えば、特許文献3参照)を添加してポリマー鎖長を延ばすことによりポリマーの溶融粘度を高める方法が提案されている。これらの鎖延長剤を添加する方法は、ポリエステルの分子量を容易に増大させることができるため、一見、脂肪族ポリエステルの有効な製造方法と考えられるが、通常、反応工程が2段階になり工程が煩雑になること、また、得られるポリエステルについては、その結晶性や融点が若干低下することに加えて、分子中にウレタン結合が含まれているので生分解性が低下する傾向にあること、などの問題がある。
また、分岐剤として、ジカルボン酸に対して0.5〜5モル%量の3官能オキシカルボン酸或いは0.1〜3モル%量の4官能オキシカルボン酸を添加してポリエステルの構造を架橋構造にする方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、このように3官能や4官能のオキシカルボン酸を多量に導入して溶融粘度を上げたポリエステルは、熱安定性の低下の要因となるポリマー末端(水酸基やカルボキシル基)濃度が高くなる傾向があり、実用上の物性もまた不十分である。従って、殆どの場合、重合後期に更にジイソシアネートを添加してポリマーの末端数を減少させると共にポリマーの分子量を高める工夫がなされている(例えば、特許文献5参照)。
その他、ヒドロキシル基を有する2塩基酸を脂肪族ポリエステル中に0.05〜5重量%含有させて弾力性を向上させた脂肪族ポリエステルも提案されている(例えば、特許文
献6参照)。この実施例において実際に製造されているポリエステルは、該2塩基酸の含有量が1〜2モル%と多いため、熱安定性が低下する傾向にあると共に、上記と同様、更にジイソシアネートを添加して鎖延長を行っている。
その他、ポリエステルカーボネートとして、原料ジカルボン酸中の3官能オキシカルボン酸であるリンゴ酸を含めた特定のジカルボン酸不純物含有量を0.4重量%以下に低減させると、ポリエステルカーボネートの成型時に、ゲルの発生量、熱安定性、色調ならびに成形性の再現性が向上することが提案されている(例えば、特許文献7参照)。この場合、不純物ジカルボン酸(リンゴ酸、マレイン酸ならびにフマル酸)の合計含有量は、少なければ少ないほど好ましいとされているが、この場合も高重合度のポリエステルが得られないため、依然、鎖延長剤であるカーボネート化合物が添加されている。
一方、イソシアネートやカーボネート等の鎖延長剤を用いることなく高分子量化する方法もいくつか提案されている。
例えば、重合反応速度を高めるために、触媒として錫化合物を用いて有機溶媒中で反応中に生成する水を溶媒と共沸留去させながら脱水縮合を行う方法(例えば、特許文献8参照)、0.005〜0.1mmHgという非常に高真空で重縮合反応を行う方法(例えば、特許文献9参照)が開示されている。しかしながら、これらの製造方法は、特に、後者の方法は、実質ヒドロキシル基末端のポリエステルが製造される為、上記の観点からは耐熱性に優れたポリエステルの製造方法として期待されるが、製造工程が煩雑なばかりでなく極めて高額の設備投資を要する欠点を有する。また、この方法では、高重合度のポリエステル製造に長時間を要する為、製造中のポリマーの熱分解や着色が懸念される。
また、その他の方法としては、有機ホスフィン酸やリン酸水素塩等のプロトン放出性リン化合物と重合触媒とを組み合わせた触媒系が提案されている(例えば、特許文献10参照)。これらのプロトンを放出する酸性化合物は、例えば、原料のブタンジオールからテトラヒドロフランのような副生生物を発生させるばかりか(化学大辞典、7巻、p850、
共立出版(1962))、最終生成物の酸濃度を高くしてポリエステルの熱安定性ならびに耐加水分解性を低下させる恐れがある。
このような種々の課題を克服する手法として、本特許出願人は、重合成分に乳酸等の二官能オキシカルボン酸を加えて3元系(1,4−ブチレングリコール、コハク酸、乳酸)又は4元系(1,4−ブチレングリコール、コハク酸、アジピン酸、乳酸)とし、触媒としてGe系触媒を用いると、高活性で高重合度のポリエステルが製造できることを提案した(例えば、特許文献11参照)。また、更に溶融粘度を高める目的で、上記重合系に3官能脂肪族オキシカルボン酸を加える方法を提案した(例えば、特許文献12参照)。しかしながら、これらの重合成分に乳酸を加える方法は、加熱時に乳酸の環状二量体であるラクチドが発生しやすい為、重合反応中において、反応管の閉塞等の問題を誘発する場合があるばかりか、乳酸成分を含有するポリエステルは、若干の乳酸臭がしたり、高温条件下ではラクチド等の発生による熱分解や着色が引き起こされる場合がある。
更に、このような生分解性を示す脂肪族ポリエステルは、一般に加水分解反応を受けやすい特徴があり、比較的長期の保管や使用に対しても引張り特性等の機械物性の耐久性を向上させる課題が実用上残されていた。耐加水分解性を向上させる手法としては、脂肪族ポリエステルにカルボジイミド化合物を配合させる手法が提案されている(例えば、特許文献13参照)。しかしながら、約4週間の試験後にはその引張り破断伸び率が初期値の5割未満に低下するなど、その効果は充分でなく、実用上大きな問題があった。
特開平7−53700号公報 特開平4−189822号公報 特開平8−301999号公報 特開平5−170885号公報 特開平5−178956号公報 特開平5−271377号公報 特開平11−60709号公報 特開平9−77862号公報 特開平5−310898号公報 特開2002−187943号公報 特開平8−239461号公報 特開平8−259679号公報 特開平11−80522号公報
本発明の目的は、イソシアネート化合物やカーボネート化合物等の鎖延長剤、及び熱安定性等の物性の低下の原因となる多量の分岐剤や酸性リン化合物等を使用することなく、簡便な製造方法により、充分に高分子量化され且つ充分な引張特性、特にフィルム形成時の引張り延び特性、や熱安定性を有するポリエステルを提供することにある。
本発明者らは上記実情に鑑みて検討を行った結果、鎖延長剤や酸性リン化合物などの物性に影響を与える原料を実質的に使用せず、且つ多量の分岐剤を用いずとも、充分に高分子量化され、環境面に優れたポリエステルを製造することが可能となった。
即ち本発明の要旨は、脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位を含有するポリエステルであって、該ポリエステル中に含まれるカーボネート結合の含有量が、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、1モル%未満、ウレタン結合の含有量が0.06モル%未満、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位の含有量が0.02モル%未満、有機ホスフィン酸、有機ホスホン酸及びリン酸水素塩から選ばれるリン含有化合物由来のリン原子の含有量が10-9 モル%未満で
あり、還元粘度(ηsp/C)が1.6以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル、に存する。
本発明のポリエステルは、イソシアネート化合物やカーボネート化合物等の鎖延長剤を用いることなく高分子量化されたものであるため環境面に優れ、且つ射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性、熱安定性及び引張特性等の機械物性に優れたものである。
以下、本発明につき詳細に説明する。
<脂肪族ジオール単位>
本発明の脂肪族ポリエステルを構成する脂肪族ジオール単位とは、2個のOH基を有する脂肪族及び脂環式化合物成分から誘導されるものであれば特に制限はされないが、炭素数の下限値が2以上であり、上限値が通常10以下、好ましくは6以下の脂肪族ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。
この内、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロピレングリコ−
ル及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルが好ましく、その中でも、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオ−ルが好ましく、更には、1,4−ブタンジオ−ルが特に好ましい。
また、上記の脂肪族ジオールの他に、ジオール成分として芳香族ジオールを併用してもよい。芳香族ジオールとしては、2個のOH基を有する芳香族化合物であれば、特に制限はされないが、炭素数の下限値が6以上であり、上限値が通常15以下の芳香族ジオールが挙げられる。芳香族ジオールの具体例としては、例えば、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン及びビス(p−ヒドロキシフェニル)―2,2―プロパン等が挙げられる。これらの芳香族ジオールの含有量は、ジオール全量中、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
更に、両末端ヒドロキシポリエーテルを上記の脂肪族ジオールと混合して使用してもよい。両末端ヒドロキシポリエーテルとしては、炭素数が下限値が通常4以上、好ましくは10以上であり、上限値が通常1000以下、好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。両末端ヒドロキシポリエーテルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリ1,6−ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合ポリエーテル等を使用することもできる。これらの両末端ヒドロキシポリエーテルの使用量は、ポリエステル中の含量として、通常、90重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは、30重量%以下である。
<脂肪族ジカルボン酸単位>
本発明の脂肪族ポリエステルを構成する脂肪族ジカルボン酸単位は、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体から誘導されるものである。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の、通常、炭素数が2以上12以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等の低級アルキルエステルや例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物も使用できる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。これらの内、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、またはこれらの混合物が好ましく、脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸及びコハク酸のメチルエステル、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステルは、好ましいポリエステルの製造方法の一態様として、後述するように、これらの脂肪族ジカルボン酸及びその酸無水物を反応系から留去しながらポリエステルを製造する形態を採ることができる。この場合、遊離の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を生成させるためには、末端がカルボキシル基である方が有利であるため、上記のジカルボン酸成分としては脂肪族ジカルボン酸を用いるのが好ましい。具体的には、比較的分子量の小さい脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物が減圧下での加熱により比較的容易に留去できる点から、アジピン酸及びコハク酸が好ましく、特にコハク酸が好ましい。
また、上記の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体の他に、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体を併用してもよい。芳香族ジカルボン酸の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びジフェニルジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、前記した芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、
具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として上記脂肪族カルボン酸に加えて使用してもよい。この内、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
これらの他のジカルボン酸成分の使用量は、通常、ジカルボン酸全量中、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは、10モル%以下である。
<25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位>
本発明のポリエステルは、上記のジオール単位とジカルボン酸単位に加えて、25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位を必須とする。一般に、脂肪族ポリエステルは熱安定性が低く、重合反応中に熱分解による分子量の低下が引き起こされるため、容易には実用上十分な強度を有する高重合度のポリエステルが得られないとされてきた。しかしながら、25℃でのpKaの値が3.7以下の有機酸成分を添加することにより、その酸触媒能の発現等の理由から重合速度が向上し、有機酸成分の種類によってはポリマーの熱安定性が向上するため、今まで製造困難であった脂肪族ポリエステルの高重合体が、鎖延長剤や脂肪族モノオキシモノカルボン酸成分を、実質、添加しなくても容易に高重合度のポリエステルが得ることができる。これにより製造困難であった高重合度の脂肪族ポリエステルの中で、特に有害性が低く、熱安定性や色調に優れた高重合度の脂肪族ポリエステルを提供することが可能となる。
25℃でのpKaの値が3.7以下の有機酸としては、例えば、化学便覧(基礎編)p1054 〜 1058、丸善出版(1966)やCRC Handbook of chemistry and Physics、7th Edition、p8-43 〜 8-56、CRC Press (1995)に記載の有機酸が挙げられる。これらの中では、
pKaの値の下限値は、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、特に好ましくは3.1以上であり、上限値は、好ましくは3.5以下である。なお、有機酸の中には2個以上のpKa値を示す化合物があるが、本発明においては、その場合の化合物のpKa値とは、最も低い値である。pKaの値が3.7を越える有機酸を重合時に用いると、実用的に引張り強度に優れた高重合度のポリエステルを製造することが難しく、逆にpKa値が低すぎる有機酸を重合時に用いると生成するポリエステルの熱安定性や耐加水分解性の特性が低下する場合がある。特に後者の場合は、酸触媒能が強すぎるため、重合時にも熱分解が引き起こされ、高重合度のポリエステルが得られない場合がある。
25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸としては、特に限定はされないが、製造後のポリエステル中の酸濃度を低減され、ポリエステルの熱安定性が向上する理由から、ポリエステルの共重合成分になりうる化合物が好ましく、カルボン酸基を含有する化合物が好ましい。その中でも入手のし易さ、ならびに容易に高重合度のポリエステルが得られる理由から、多価のオキシカルボン酸、特に多価の脂肪族オキシカルボン酸が好ましい。具体的にはリンゴ酸(pKa=3.5)、酒石酸(pKa=3.0)、クエン酸(pKa=3.1)、マレイン酸(pKa=1.9)、フマル酸(pKa=3.0)ならびにそれらの混合物が好ましい。ここに示したpKaの値は、化学便覧(基礎編)p1054 〜 1058、丸善出版(1966)に記載された値である。
その中でも、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸ならびにその混合物が好ましく、更にはリンゴ酸、フマル酸ならびにその混合物が好ましく、特にリンゴ酸が好ましい。特にコハク酸を原料とするポリエステルの製造の場合には、コハク酸の製造方法によっては原料コハク酸中にリンゴ酸が微量含有される場合がある。そのような場合、リンゴ酸含有コハク酸を選択し、そのまま或いは必要に応じてリンゴ酸を添加して、ジオール成分との組み合わせでポリエステル製造を行うことができる。このような方法は、原料コハク酸の製造を簡略化できるため、最も好ましい方法である。
これらの有機酸のポリエステル中の含有量は特に限定されないが、特定の範囲内に制御すると、従来、高重合度のポリエステルを得る為に添加されてきた鎖延長剤や脂肪族モノオキシモノカルボン酸成分の添加量を極微量あるいは添加無しでも容易に高重合度のポリエステルが得られるばかりでなく、例えば、フィルム成型時の引っ張り延び率の異方性が改善されるなどフィルム成型時の引張り特性にも優れたポリエステルを容易に得ることができる。
例えば、25℃におけるpKaの値が3.5以下の有機酸であるリンゴ酸の場合を例にして説明すると、リンゴ酸の含有量が少なすぎると、高重合度のポリエステルが得られにくく鎖延長剤や脂肪族モノオキシモノカルボン酸成分の添加が必要になるのに対し、逆に、その使用量が多すぎるとゲルが生成する危険性が生じたり、たとえゲルの生成を回避したとしても得られるポリエステルは、ポリマーの末端濃度が高いため、加熱時にテトラヒドロフランや環状オリゴマーが生成し易く、加水分解もされやすいなど、熱安定性ならびに耐加水分解性に劣るばかりでなく、フィルム形成時に引張り延び率に異方性が生じフィルムとしての良好な特性が発現しなくなる傾向がある。
そのような理由から、25℃でのpKaの値が3.7以下の有機酸の好ましい使用量は、ジカルボン酸成分全体に対して、下限値が、通常、0.0001モル%以上、好ましくは、0.001モル%以上、更に好ましくは、0.005モル%以上、特に好ましくは0.009モル%以上であり、上限値が通常、0.4モル%以下、好ましくは0.35モル%以下、更に好ましくは、0.30モル%以下、特に好ましくは0.25モル%以下である。
<その他の共重合成分>
本発明においては、上記以外の共重合成分を加えてもよい。
共重合成分の具体的な例としては、2官能のオキシカルボン酸や架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール及び3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物の群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。
2官能のオキシカルボン酸としては、具体的には、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸等が挙げられるが、これらはオキシカルボン酸のエステルやラクトン、或いはオキシカルボン酸重合体等の誘導体であっても良い。また、これらオキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中では、入手の容易な乳酸またはグリコール酸が特に好ましい。しかしながら、これらの2官能のオキシカルボン酸を共重合成分として用いた場合に製造されるポリエステルは、その使用量によっては、着色しやすかったり、加熱時にこのオキシカルボン酸部分が環化して熱分解しやすくなる場合がある為、オキシカルボン酸の使用量は、通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対して0.02モル%未満、好ましくは、0.01モル%以下である。
3官能以上の多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、具体的には、プロパントリカルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
上記の3官能以上の化合物の使用量は、ゲルの発生原因となるため通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対して、通常、5モル%以下、好ましくは、1モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下である。
<鎖延長剤>
本発明の脂肪族ポリエステルは、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできるが、その量は、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が1モル%未満、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下であり、ウレタン結合が、0.06モル%未満、好ましくは0.01モル%以下、より好ましくは0.001モル%以下である。
本発明のポリエステルを生分解性樹脂として使用する観点からは、ジイソシアネートは分解過程で毒性の強いジアミンが生成され土中に蓄積する恐れがある問題点があり、カーボネート化合物として一般に用いられるジフェニルカーボネート系についてもやはり毒性の高い副生フェノールならびに未反応ジフェニルカーボネートがポリエステル中に残存する問題点があるためである。
カーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが例示される。その他、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、または異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
また、その他の鎖延長剤として、ジオキサゾリン、珪酸エステルなどを使用してもよい。 珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。
珪酸エステルは、環境保全ならびに安全性の面の理由からは、特にその使用量に制限はされないが、操作が煩雑になったり、重合速度に影響を与える可能性があるため、その使用量は少ない方が良い場合がある。従って、この含有量は、0.1 モル%以下とするの
が好ましく、10-5 モル%以下とするのが更に好ましい。
本発明においては実質上鎖延長剤を含有しないポリエステルが最も好ましい。但し、溶融テンションを高めるために、毒性の低い化合物を添加する限り、少量のパーオキサイドを添加してもよい。
<脂肪族ポリエステルの製造方法>
本発明における脂肪族ポリエステルの製造方法としては、従来の公知の方法が使用でき、例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合でポリエステルを製造する方法が好ましい。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下に行うのが好ましい。重合触媒の添加時期は、
重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
重合触媒としては、一般には、周期表1〜14族の金属元素のうち少なくとも1種を含む化合物が用いられる。金属元素としては、具体的には、スカンジウム、イットリウム、サマリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびカリウム等が挙げられる。その中では、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉄、ゲルマニウムが好ましく、特に、チタン、ジルコニウム、タングステン、鉄、ゲルマニウムが好ましい。更に、ポリマーの熱安定性に影響を与えるポリマー末端濃度を低減させる為には、上記金属の中では、ルイス酸性を示す周期表3〜6族の金属元素が好ましい。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステンであり、特に、入手のし易さからチタン、ジルコニウムが好ましい。
本発明においては、触媒として、これらの金属元素を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が好ましく用いられる。
更には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)等に記載される公知の層状珪酸塩を単独で或いは上記金属化合物と組み合わせた触媒を使用すると、重合速度が向上する場合があるため、このような触媒系もまた好んで使用される。
層状珪酸塩としては、具体的には、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク及び緑泥石群等が挙げらる。
本発明においては、触媒は、重合時に溶融或いは溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好ましい。また、重縮合は無溶媒で行うことが好ましいが、これとは別に、触媒を溶解させるために少量の溶媒を使用しても良い。この触媒溶解用の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどの前述のジオール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物、水ならびにそれらの混合物等が挙げられ、その使用量は、触媒濃度が、通常0.0001重量%以上、99%重量%以下となるように使用する。
チタン化合物としては、テトラアルキルチタネートが好ましく、具体的には、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート及びこれらの混合チタネートが挙げられる。また、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタン(トリエタノールアミネート)イソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ブチルチタネートダイマー等も好んで用いられる。これらの中では、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチ
タネート及びテトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマーが好ましく、テトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマーがより好ましく、特に、テトラ−n−ブチルチタネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネートが好ましい。
ジルコニウム化合物としては、具体的には、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、ジルコニルジアセテイト、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウムカリウム、ポリヒドロキシジルコニウムステアレート、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシド、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネートならびにそれらの混合物が例示される。これらの中では、ジルコニルジアセテイト、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムカリウム、ポリヒドロキシジルコニウムステアレート、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシドが好ましく、ジルコニルジアセテイト、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドがより好ましく、特にジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレートが着色のない高重合度のポリエステルが容易に得られる理由から好ましい。
ゲルマニウム化合物としては、具体的には、酸化ゲルマニウムや塩化ゲルマニウム等の無機ゲルマニウム化合物、テトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特に、酸化ゲルマニウムが好ましい。
その他の金属含有化合物としては、炭酸スカンジウム、スカンジウムアセテート、スカンジウムクロリド、スカンジウムアセチルアセトネート等のスカンジウム化合物、炭酸イットリウム、イットリウムクロリド、イットリウムアセテート、イットリウムアセチルアセトネート等のイットリウム化合物、バナジウムクロリド、三塩化バナジウムオキシド、バナジウムアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネートオキシド等のバナジウム化合物、モリブデンクロリド、モリブデンアセテート等のモリブデン化合物、タングステンクロリド、タングステンアセテート、タングステン酸等のタングステン化合物、セリウムクロリド、サマリウムクロリド、イッテルビウムクロリド等のランタノイド化合物等が挙げられる。
これらの重合触媒として金属化合物を用いる場合の触媒添加量は、生成するポリエステルに対する金属量として、下限値が通常、0.1ppm以上、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは1ppm以上であり、上限値が通常、30000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは250ppm以下、特に好ましくは130ppm以下である。その中でもポリエステル中の金属量が50ppm以下、より好ましくは10ppm以下であるとポリマー中のカルボキシル基末端濃度が著しく低いポリエステルが製造できる場合がある為好ましい。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるば
かりでなく、理由は未だ詳らかではないが、ポリマー中のカルボキシル基末端濃度が多くなる場合がある為、カルボキシル基末端量ならびに残留触媒濃度の増大によりポリマーの熱安定性や耐加水分解性が低下する場合がある。逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中にポリマーの熱分解が誘発され、実用上有用な物性を示すポリマーが得られにくくなる。
一方、生分解性の機能を有し且つ環境に優しい脂肪族ポリエステルを提供する本発明の趣旨からは、上記の重合触媒の中で、特に、錫含有化合物やアンチモン含有化合物は、毒性が比較的高いため、それらの化合物の使用量を制限するのが好ましい。従って、錫含有化合物やアンチモン含有化合物を重合触媒として使用する場合の使用量は、錫化合物触媒の場合、生成するポリエステルに対する金属量として、通常、60ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下であり、一方、アンチモン化合物触媒の場合は、生成するポリエステルに対する金属量として、通常、100ppm以下、好ましくは50ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。
また、塩酸や硫酸等の鉱酸或いはそれらの塩、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、エチル硫酸等の硫酸エステル、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、燐酸、次亜燐酸、ピロ亜燐酸、亜燐酸、次燐酸、ピロ燐酸、三燐酸、メタ燐酸、ペルオクソリン酸、ポリ燐酸等の無機燐酸、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ポリリン酸水素アンモニウム、ポリリン酸水素マグネシウム、ポリリン酸水素カルシウム等の無機リン酸水素塩、フェニルホスフィン酸、ベンジルホスフィン酸、メチルホスフィン酸、n−ブチルホスフィン酸、シクロヘキシルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、およびフェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸等の有機ホスホン酸を助触媒とした触媒系も使用できる。
しかしながらこれらのプロトンを放出する酸性化合物は、一般には、例えば、原料のブタンジオールからテトラヒドロフランのような副生生物を発生させるばかりか(化学大辞典、7巻、p850、共立出版(1962))、最終生成物の酸濃度を高くしてポリエステ
ルの熱安定性ならびに耐加水分解性を低下させる恐れがあるため、その使用は好ましくない。従って、これらのプロトンを放出する酸性化合物のポリエステル中における含有量は、特に限定はされないが、通常、10-5モル%以下、好ましくは、10-8モル%以下、特に好ましくは10-9モル%以下が好ましい範囲であるが、実質的に含まれないものが最も好ましい。
また、これらの酸性化合物の中でも、特に、有機ホスフィン酸及び/又は有機ホスホン酸を助触媒として用いる場合は、これらの化合物が、上述の酸性化合物の欠点に加えて、金属重合触媒とアダクトを形成し易く、触媒の反応活性点であるルイス酸点を抑える傾向がある為、触媒反応が遅くなり、その結果、高重合度のポリエステルが得られない場合がある。また、リン酸水素塩を助触媒として用いる場合は、やはり同様の酸性化合物としての欠点を有するばかりでなく、例えば、リン酸のような酸とは異なりリン酸水素塩の対カチオンが重合反応後のポリマー中に残存する為、これらの残存カチオンがポリマー中でルイス酸となって働き、ポリエステルの耐加水分解性を低下させる場合がある。従って、本発明のポリエステルにおいては、有機ホスフィン酸、有機ホスホン酸及びリン酸水素塩から選ばれるリン含有化合物由来のリン原子のポリエステル中における含有量の上限は、ポリエステルを構成する全構成単位のモル数に対し、10-9 モル%未満である必要があり
、好ましくは、10-10モル%以下であるが、実質的に含まれないものが最も好ましい。
温度、時間、圧力などの条件は、従来公知の範囲を採用できる。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反
応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
反応時間は、通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×103Pa以上、好ましくは0
.03×103Pa以上であり、上限が通常1.4×103Pa以下、好ましくは0.4×103Pa以下の真空度下として行う。重合製造時の圧力が高すぎると、ポリエステルの
重合製造時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造が難しくなる傾向がある。一方、超高真空重合設備を用いて製造する手法は重合速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要となるため、経済的には不利である。
この時の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。この温度が低すぎると、重合反応速度が遅く、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必要となる為、経済的に不利である。一方、反応温度が高すぎると製造時のポリマーの熱分解が引き起こされ、高重合度のポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。
反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは8時間以下、より好ましくは6時間以下である。反応時間が短すぎると反応が不充分で低重合度のポリエステルが得られ、引張り破断伸び率が低く、また、そのカルボキシル基末端量が多いこともあり、後述のように引張り破断伸び率の劣化も著しくなる場合が多い。一方、反応時間が長すぎると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、引張り破断伸び率が低下するばかりでなく、ポリマーの耐久性に影響を与えるカルボキシル基末端量が熱分解により増加する場合がある。
本発明において、ジカルボン酸成分として脂肪族カルボン酸に加えて芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルを混合して使用する場合は、特に添加順序には限定はなく、例えば、第1として、原料のモノマーを一括に反応釜に入れて反応することもできるし、第2として、ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応又はエステル交換反応させた後、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸又はその誘導体をエステル化反応又はエステル交換反応させ、更に重縮合反応させる方法等種々の方法を採用することができる。
本発明においてポリエステルを製造する反応装置としては、公知の縦型あるいは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて縮重合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
本発明においては、ポリエステルの製造方法として、従来の、上記の脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下で、ポリエステルのアルコール末端のエステル交換反応により生成するジオールを留去しながらポリエステルの重合度を高める方法、或いは、ポリエステルの脂肪族カルボン酸末端から脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去さ
せながらポリエステルの重合度を高める方法が用いられる。本発明においては、前者の方法でも周期表3〜6族の金属元素を含有する化合物を触媒として用いて高重合度のポリエステルを製造することができるが、鎖延長剤などを用いずとも高重合度のポリエステルが比較的短時間で容易に得られる理由から、後者の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法が好ましい。この場合、脂肪族カルボン酸及び/又はその無水物の除去は、通常、上記溶融重合工程における後段の減圧下での重縮合反応中に脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を加熱留出させる方法が採られるが、重縮合反応条件下では、脂肪族ジカルボン酸は容易に酸無水物になりやすいため、酸無水物の形態で加熱留出させる場合が多い。また、その際、ジオールから誘導される鎖状又は環状エーテル及び/又はジオールもまた脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物と共に除去されてもよい。更に、ジカルボン酸成分とジオール成分の環状単量体を共に留去させる方法は、重合速度が向上するため、好ましい態様である。
ここで、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去させる方法を用いてポリエステルを製造する場合には、留去される脂肪族ジカルボン酸及び/又はその無水物とジオールとの合計量中、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその無水物の量は、通常、30モル%以上であり、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上であると、特に限定はされないが、高重合度のポリエステルが容易に製造できる。特に、ゲルマニウムのような典型元素の場合にはその傾向が著しい。
本発明においては、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法により高重合度のポリエステルを製造する場合には、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管の反応容器側排気口の温度を、脂肪族ジカルボン酸無水物の融点、或いは重縮合反応時の真空度での脂肪族ジカルボン酸無水物の沸点のいずれか低い方の温度以上に保持すると生成する酸無水物が効率よく反応系から除去でき、目的の高重合度のポリエステルが短時間で製造できるため好ましい。更には、反応容器側排気口から凝縮器までの配管温度を酸無水物の融点、或いは重縮合反応時の真空度での沸点のいずれか低い方の温度以上に保持するとより好ましい。
本発明において、目的とする重合度のポリエステルを得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。
更に、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物の留去により高重合度のポリエステルを製造する場合には、末端カルボン酸量が多い方が重合が有利であるため、従来の方法で用いられるような原料としてより過剰なジオールの使用は必要ではない。この場合もやはり目的とするポリエステルの重合度や種類によってジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比の好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上、更に好ましくは0.95以上であり、上限が通常1.15モル以下、好ましくは1.1モル以下、更に好ましくは1.07モル以下である。
一方、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去方法によるポリエステルの製造方法を用いると、製造されたポリエステルは、重合度が低い場合には、従来の方法に比べカルボン酸量末端が多い傾向がある。また、ジオール/ジカルボン酸の仕込み比を低くすることによりこの傾向は顕著となる。このような手法で得られるポリエステルは、最終的には還元粘度(ηsp/C)を高めることで、末端カルボン酸量が低く、耐熱安定性、耐
加水分解性にすぐれたポリエステルとなるが、上記の仕込み比を制御することにより、製造されるポリエステル中のカルボキシル基末端量を調整することも可能である。これにより、ポリエステルの耐加水分解性や生分解性を調整することも可能となる。
<脂肪族ポリエステル及びその用途>
本発明で製造される脂肪族ポリエステルの還元粘度(ηsp/C)値は、実用上十分な力学特性が得られる理由から、1.6以上であり、中でも2.0以上が好ましく、更には2.2以上、特に2.3以上が好ましい。還元粘度(ηsp/C)値の上限は、ポリエステルの重合反応後の抜き出し易さならびに成形のし易さ等の操作性の観点から、通常、6.0以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下である。この因子は、ポリエステル中のカルボキシル基末端濃度にも影響を与える因子であるが、ポリマーの粘度が上昇することにより疎水性が増して耐加水分解性が向上する場合がある。尚、本発明でいう還元粘度は以下の測定条件により測定されたものである。
〔還元粘度(ηsp/C)測定条件〕
粘度管:ウベローデ粘度管
測定温度:30℃
溶媒:フェノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)溶液
ポリエステル濃度:0.5g/dl
1.6以上の還元粘度を有するポリエステルは、上述した脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法によりポリエステルを製造しても、得られるポリエステルの末端COOH基数が50eq/トン以下となり、耐熱安定性にすぐれたポリエステルとなる。本発明のポリエステルの末端COOH基数は、通常、50eq/トン以下、好ましくは35eq/トン以下、より好ましくは25eq/トン以下である。このようなポリエステルは、熱安定性に優れ、成形時の品質の低下が少ない、即ち、溶融成形時に末端基の切断や、主鎖の切断等の副反応が少ないという特徴を有する。
一方、実用上の耐久性の観点からは、本発明の脂肪族ポリエステルは、厚み150±25μmのフィルム状試験片とし、温度50℃、相対湿度90%R.H.の条件で28日間保持したときの還元粘度保持率が80%以上であることが好ましい。ここで還元粘度保持率とは、保持試験後の還元粘度/保持試験前の還元粘度×100(%)をいう。好ましい還元粘度保持率は、80%以上、より好ましくは85%以上で、更に好ましくは90%以上ある。
このような特徴を有する脂肪族ポリエステルは、保持試験前後の引張り破断延び率の維持率(=(試験後の引張り破断延び率/試験前の引張り破断延び率)×100(%))が、通常、50%以上、好ましくは75%以上といった優れた耐久性を示す。すなわち、引張り破断伸び率の劣化の度合いは、使用後や保管後の脂肪族ポリエステルの還元粘度の値ではなく、使用又は保管時の還元粘度の変化率によって決まることを本発明を完成させる過程で見出したが、このような特徴を有する脂肪族ポリエステルは、引張り破断延び率以外にも実用上の機械物性も優れる上にその劣化度合いが少ない樹脂であるため、成形体製品として長期の使用や保管に適した樹脂となり、特に長期の使用を目的としたフィルム材には有用な樹脂となる。
このような脂肪族ポリエステルは、未だ詳細は詳らかにされていないが、以下に示すカルボキシル基末端量、カルボキシル基末端/ヒドロキシル末端比、還元粘度、ポリエステル中の触媒の金属含量などのいくつかの因子が組み合わさることでその耐加水分解性等の耐久性が発現するものと考えられる。
先ず、ポリエステルの熱安定性に著しく影響を与えるとされてきたカルボキシル基末端濃度である。本発明を完成させる過程で、脂肪族ポリエステルの場合においては、ポリマ
ー中のカルボキシル基末端濃度が少ない程、比較的長期の使用・保管時の耐加水分解性に代表される引張り特性の劣化は少なくなる兆候が見られること、そして、ある特定の濃度以下にまでその量が低減されると極端にその引張り特性の維持率が向上することが明らかになった。本発明のポリエステルの引張り破断伸び率の耐久性を著しく向上させる為には、カルボキシル基末端濃度は、通常、10当量/トン以下であり、更には6当量/トン以下、特に、4当量/トン以下が好ましい。
一方、カルボキシル基末端量が実質存在しないようなポリエステル系の製造は、従来の製造法では、重合速度が極めて遅く、極めて高額の超高真空設備投資を要するので、経済的に有利な手法として、イソシアネートやカーボネート化合物を使用する必要が生じる。それに対し、生成するポリエステル及び/又はオリゴエステル中にカルボキシル基末端が存在すると重合速度が早く、容易に高重合度のポリエステルが得られる理由から、本発明における脂肪族ポリエステルには、通常、0.1当量/トン以上、好ましくは0.5当量/トン以上、特に1当量/トン以上濃度のカルボキシル基末端を存在させることが重要である。
これらの末端濃度は、上記の製造時のジカルボン酸/ジオールの仕込みバランスを調整することにより制御することができる。また、これらの末端濃度制御の別法として、ペンタエリスリトール、無水ピロメリット酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の3官能以上の化合物単位を適量重合系へ含有させて制御する方法も好んで用いられる。
上記の製造時のジカルボン酸/ジオールの仕込みバランスや、3官能以上の化合物の種類や量を適宜調整することにより、製造するポリエステルのカルボキシル基末端/ヒドロキシル基末端量比の上限を、通常、0.20以下、好ましくは、0.15以下、より好ましくは、0.10以下に、一方、その下限を、通常、0.001以上、好ましくは、0.01以上、より好ましくは、0.02以上に制御することが出来る。
この末端量比が少なすぎる重合系は、ポリエステルの重合製造時間が長くなり、それに伴うポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされるので、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造する為には、超高真空設備の使用など極めて高額な設備投資を必要とする。一方、その量比が多すぎる重合系は、重合反応後の抜き出しや成形性等の操作性が適当なポリエステルを製造する際に耐加水分解性が低いポリエステルが製造され、耐加水分解性を向上させたポリエステルを製造する際には、ポリエステルの粘度が高すぎて、重合反応後の抜き出しや成形性等の操作性に弊害が生じる傾向がある。
本発明の脂肪族ポリエステル中に含まれる触媒の金属量は、使用する触媒の金属種にもよるが、その使用量が少ない程、ポリエステルの加水分解性や熱分解性が低減できるばかりでなく、ポリマー中のカルボキシル基末端濃度が低いポリマーが得られる場合が多い。例えば、触媒としてチタン含有触媒を用いた場合に生成する脂肪族ポリエステル中に含有するチタン量を10ppm以下とすると、理由は未だ詳らかになっていないが、上記のカルボキシル基末端数が10当量/トン以下の優れた耐久性を示すポリエステルが容易に製造できる。
本発明の製造方法の途中又は得られるポリエステルには、特性が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を重合時に添加してもよい。
また、成形時に上に示した各種の添加剤の他に、ガラス繊維、炭素繊維、チタンウィスカー、マイカ、タルク、CaCO3、TiO2、シリカ等の強化剤及び増量剤を添加して成
形することもできる。
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、耐熱性、色調に優れ、更に耐加水分解性や生分解性にも優れ、しかも安価に製造できるので、各種のフィルム用途や射出成形品の用途に適している。
具体的な用途としては、射出成型品(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの
容器、野外レジャー製品など)、押出成型品(フィルム、シート等、例えば釣り糸、漁網、植生ネット、保水シートなど)、中空成型品(ボトル等)等が挙げられ、更にその他農業用のフィルム、コーティング資材、肥料用コーティング材、ラミネートフィルム、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポスト袋、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材フィルム及び合成紙などに利用可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
<末端カルボキシル基量>
得られたポリエステルをベンジルアルコールに溶解し0.1N NaOHにて滴定した値であり、1×106 g当たりのカルボキシル基当量である。
<末端OH基量>
1H NMRにより求めた値であり、1×106 g当たりのOH基当量である。
実施例1:リンゴ酸含量が脂肪族ジカルボン酸に対し0.33モル%であるポリエステルの製造
実施例1−A
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール78.8g(0.87mol)及び触媒として二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液1.34g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で2.5時間反応させたところ白色
のポリエステルが得られた。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を110℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、末端カルボキシル基量は18eq/トン、末端OH基量は44eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、無水コハク酸(3.8g)、水及びテトラヒドロフランの混合液(32g)ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。
実施例1−B
原料の仕込みを、0.33重量%の二酸化ゲルマニウム水溶液(15.15g)を、コハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール78.8g(0.87mol)およびリンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.33mol%)の混合物に仕込んだ以外は実施例1−Aと同様の重縮合反応条件によってポリエ
ステルを得た。0.07×103Paの減圧下での重合反応時間は3時間であった。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.3、末端OH基量は60eq/トン
であり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、無水コハク酸(3.6g)、水及びテトラヒドロフランの混合液(45g)ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。
実施例1−C
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール80.35g
(0.89mol)およびリンゴ酸0.37g(2.8×10- 3mol、コハク酸に対し
て0.33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、0.107gのテトラ−n−ブチルチタネートを0.4gのブタノールに希釈した触媒液を反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で3.5時間反応を行い、ポリエステルを得た。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4、末端カルボキシル基量は16eq/トン、末端OH基量は55eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフラン、コハク酸とブタンジオールの環状単量体ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。
実施例1−D
原料として、コハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール81
.12g(0.90mol)およびリンゴ酸0.37g(2.8×10- 3mol、コハク
酸に対して0.33mol%)を用い、触媒として0.107gのテトラ−n−ブチルチ
タネートを3.1gの1,4−ブタンジオールに希釈した触媒液を使用した以外は実施例1−Cと同様の重縮合反応条件によってポリエステルを得た。0.07×103Paの減
圧下での重合反応時間は7時間であった。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4、末端カルボキシル基量は23eq/トン、末端OH基量は63eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、1,4−ブタンジオール、コハク酸とブタンジオールの環状単量体ならびにテトラヒドロフランであった。
実施例1−E
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール81.1g(
0.90mol)およびリンゴ酸0.37g(2.8×10- 3mol、コハク酸に対して
0.33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、0
.36gのオルガチックスZB−320(ジルコニウムトリブトキシステアレート、(株)マツモト交商製)を反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で4時間反応を行い、ポリエステルを得た。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.6、末端カルボキシル基量は19eq/トン、末端OH基量は43eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフラン、コハク酸とブタンジオールの環状単量体ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。
実施例1−F
仕込量を、コハク酸3420g(29.0mol)、1,4−ブタンジオール2689
g(29.8mol)および触媒として二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた2
7.7重量%リンゴ酸水溶液45.6g(9.4×10-2mol)とした以外は実施例1
−Aと同様に行った。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4、末端カルボキシル基量は29eq/トン、末端OH基量は39eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムを得た。得られたプレスフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて引張り破断伸び率の測定を行った結果(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)、引張り延び率は400%であった。
また、別途、得られたペレットを160℃にて直径75mmの丸ダイから押しだし、50μ
厚みのフィルムを得た。得られたフィルムの引張り破壊延びを試験を実施した結果、MD、TD方向の方向の引張り延び率は、それぞれ、390%、60%であり、フィルムの引張り延びに異方性が観測された。
実施例1−G
仕込量を、コハク酸68.8g(0.58mol)、アジピン酸36.6g(0.25
mol)、1,4−ブタンジオール77.3g(0.86mol)および触媒として二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液1.3g(2.7×10-3mol)とした以外は実施例1−Aと同様に行った。尚、0.07×103Paの減圧下での重合時間は4.5時間であった。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4、末端カルボキシル基量は23eq/トン、末端OH基量は55eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
実施例1−H
仕込量を、コハク酸2662g(22.5mol)、アジピン酸825g(5.7mol)、1,4−ブタンジオール2608g(28.9mol)および触媒として二酸化ゲル
マニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液43.3g(9.2×10-2mol)とした以外は実施例1−Aと同様に行った。尚、0.07×103Paの減
圧下での重合時間は5時間であった。
得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.8、末端カルボキシル基量は35eq/トン、末端OH基量は37eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
得られたペレットを160℃にて直径75mmの丸ダイから押しだし、50μ厚みのフィル
ムを得た。得られたフィルムの引張り破壊延びを試験を実施した結果、MD、TD方向の方向の引張り延び率は、いずれも700%であった。
実施例2:リンゴ酸含量がコハク酸に対し0.16モル%であるポリエステルの製造
実施例2−A
原料の仕込みを、二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液0.65g(1.3×10-3mol、コハク酸に対して0.16mol%)を、
コハク酸100.3g(0.85mol)および1,4−ブタンジオール78.8g(0.87mol)の混合物に仕込んだ以外は実施例1−Aと同様の重縮合反応条件によって還元粘度(ηsp/C)が2.2のポリエステルを得た。0.07×103Paの減圧下で
の重合反応時間は7時間であった。
得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は23eq/トン、末端OH基量は82eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフランならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムを得た。得られたプレスフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて引張り破断伸び率の測定を行った結果(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)、引張り延び率は500%であった。
実施例2−B
実施例1−Fと同スケールで実施例2−Aと同等のポリエステル製造を実施した。得られたフィルムの引張り破壊延びを試験を実施した結果、MD、TD方向の方向の引張り延び率は、それぞれ、560%、400%であり、フィルムの引張り延びの異方性が改善された。
実施例3:リンゴ酸含量がコハク酸に対し8.8×10-3モル%であるポリエステルの製造
実施例3−A
リンゴ酸を0.01重量%含むコハク酸100.3g(0.85mol)ならびに1,4−ブタンジオール76.6g(0.85mol)を仕込み、リンゴ酸を添加しなかった以外は実施例1−Cと同様の重縮合反応条件によって還元粘度(ηsp/C)は2.04のポリエステルを得た。0.07×103Paの減圧下での重合反応時間は5時間であった

得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は11eq/トン、末端OH基量は50eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
実施例3−B
リンゴ酸を0.01重量%含むコハク酸100.3g(0.85mol)ならびに1,4−ブタンジオール76.6g(0.85mol)を仕込み、リンゴ酸を添加しなかった以外は実施例1−Eと同様の重縮合反応条件によって還元粘度(ηsp/C)は2.8のポリエステルを得た。0.07×103Paの減圧下での重合反応時間は5.5時間であっ
た。
得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は20eq/トン、末端OH基量は33eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムを得た。得られたプレスフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて引張り破断伸び率の測定を行った結果(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)、引張り延び率は500%であった。
実施例4:リンゴ酸含量がコハク酸に対し0.64モル%であるポリエステルの製造
実施例1−Aにおいて、原料の仕込み時にコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール80.4g(0.89mol)、リンゴ酸を0.37g(2.8×10-3mol)および触媒として二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液1.34g(2.8×10-3mol、全体としてコハク酸に対して0.64mol%)を加えた以外は実施例1−Aと同様にしてポリエステルの製造を行った結果、還元粘度(ηsp/C)は2.8のポリエステルを得た。0.07×103Pa
の減圧下での重合反応時間は1.5時間であった。末端カルボキシル基量は22eq/トン
、末端OH基量は60eq/トンであり、カーボネート結合、ウレタン結合、脂肪族モノオ
キシモノカルボン酸単位、及びリン含有化合物由来のリン原子の含有量は0であった。
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムを得た。得られたプレスフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて引張り破断伸び率の測定を行った結果(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)、引張り延び率は300%であった。
実施例5 ポリエステルの耐久性試験
実施例5−A
<ポリエステルAの製造>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol、1,4−ブタンジオ−ル80.35g(0.89mol)、リンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.3
3mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、オルガチックスTC−401(チタンテトラアセチルアセトネ−ト、(株)マツモト交商製)0.017g(製造ポリマ−中のTi含量:8ppm)を含む0.4gのブタノール液をシリンジで反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で6.5時間反応させポリエステルを得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.5であり、末端カルボキシル基量は3eq/トン、末端OH基量は59eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムを得た。得られたプレスフィルムを50℃、90%R.H.の恒温恒湿機に入れ、一定間隔毎にサンプリングし、溶液粘度の測定ならびに引張り破断伸び率の測定を行った。
引っ張り試験は、このフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて行った。(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)。
結果を表−1に示した。
実施例5−B
<ポリエステルBの製造>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸3420g(29.0mol)、1,4−ブタンジオール2689g(29.8mol)及び触媒として二酸化ゲルマニウムを予め4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液45.64g(9.4×10-2mol、コハク酸に対して0.33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で2.5時間反応させたところ白色
のポリエステルが得られた。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を110℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、末端カルボキシル基量は29eq/トン、末端OH基量は39eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
実施例5―Aと同様に行った。結果を表−1に示した。
実施例5−C
<ポリエステルCの製造>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオ−ル80.35g(0.89mol)、リンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.
33mol%)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、オルガチックスTC−401(チタンテトラアセチルアセトネ−ト、(株)マツモト交商製)0.214g(製造ポリマ−中のTi含量:1×102ppm)を含む0.4gのブタ
ノール液をシリンジで反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で3.5時間反応させポリエステルを得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、末端カルボキシル基量は15eq/トン、末端OH基量は69eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
実施例5―Aと同様に行った。結果を表−1に示した。
Figure 2005002331
比較例1:25℃でのpKa値が3.7以下の有機酸成分を含まないポリエステルの製造
比較例1−A
実施例1−Aにおいて、原料の仕込み時に0.33重量%の二酸化ゲルマニウム水溶液(15.15g)を、コハク酸100.3g(0.85mol)および1,4−ブタンジオール76.5g(0.85mol)の混合物に仕込んだ以外は実施例1−Aと同様な方法で重縮合反応を行った。0.07×103Paの減圧下での重合反応を4.5時間行っ
たが、低粘度のポリエステル(還元粘度(ηsp/C):0.63)しか得られなかった。
比較例1−B
実施例1−Aにおいて、原料の仕込み時に0.33重量%の二酸化ゲルマニウム水溶液(15.15g)を、コハク酸100.3g(0.85mol)および1,4−ブタンジオール78.8g(0.87mol)の混合物に仕込んだ以外は実施例1−Aと同様な方法で重縮合反応を行った。0.07×103Paの減圧下での重合反応を4.5時間行っ
たが、比較例1−Aで得られた粘度以上のポリエステルは得られなかった。
比較例2:コハク酸に対するリンゴ酸含量が、0.33モル%であるポリエステル製造
実施例1−Aにおいて、78.8g(0.87mol)の1,4−ブタンジオールの代わりに、88.8g(0.98mol)の1,4−ブタンジオールを仕込んだ以外は実施例1−Aと同様な方法で重縮合反応を行った。0.07×103Paの減圧下での重合反
応を4.5時間行ったが、比較例1−Aで得られた粘度以上のポリエステルは得られなかった。
比較例3:コハク酸に対するリンゴ酸含量および乳酸含量が、それぞれ、0.03モル%および6.2モル%であるポリエステル製造
実施例1−Aにおいて、触媒として二酸化ゲルマニウムを予め1.0重量%溶解させた90%乳酸水溶液(5.31g、0.053mol)を、コハク酸100.3g(0.85mol)、リンゴ酸を0.035g(2.6×10-4mol、全体としてコハク酸に対して0.04mol%)および1,4−ブタンジオール84.18g(0.93mol)の混合物に仕込んだ以外は実施例1−Aと同様の方法で重縮合反応を行った。0.07×103Paの減圧下での重合反応が約4時間までは撹拌トルクの上昇が観測されたが(経
験的にはポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は約1.9)、それ以降は乳酸成分の留出と共に撹拌トルクの低下が観測され、更に1時間反応させた後に得られたポリエステルの
還元粘度(ηsp/C)は1.5であった。

Claims (13)

  1. 脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位及び25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位を含有するポリエステルであって、該ポリエステル中に含まれるカーボネート結合の含有量が、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、1モル%未満、ウレタン結合の含有量が0.06モル%未満、脂肪族モノオキシモノカルボン酸単位の含有量が0.02モル%未満、有機ホスフィン酸、有機ホスホン酸及びリン酸水素塩から選ばれるリン含有化合物由来のリン原子の含有量が10-9 モル%未満であり、還元粘度(ηsp
    /C)が1.6以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル。
  2. 25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位の含有量が、脂肪族ジカルボン酸単位に対し0.0001〜0.4モル%である、請求項1に記載の脂肪族ポリエステル。
  3. 脂肪族ジオール単位が、エチレングリコール単位及び/又は1,4−ブタンジオール単位である、請求項1又は2に記載の脂肪族ポリエステル。
  4. 脂肪族ジカルボン酸単位が、アジピン酸及び/又はコハク酸である、請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  5. 25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸単位が、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  6. 脂肪族ポリエステルの末端COOH基数が、50eq/トン以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  7. 脂肪族ポリエステルを、厚み150±25μmのフィルム状試験片とし、温度50℃、相対湿度90%R.H.の条件で28日間保持したときの還元粘度保持率が80%以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の脂肪族ポリエステル。
  8. 25℃におけるpKa値が3.7以下の有機酸、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体、並びに脂肪族ジオールをエステル化及び/又はエステル交換反応させ、その後、溶解又は溶融させた重合触媒の存在下、無溶媒下で溶融重縮合することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  9. 触媒が、周期表3〜6族の元素を含有するものである、請求項8に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  10. 重合触媒の使用量が、生成する脂肪族ポリエステルに対する金属量として5ppm以上30000ppm以下である、請求項8または9に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  11. 溶融重縮合を、0.03×103Pa以上1.4×103Pa以下の減圧下、180℃以上250℃以下の温度で行う、請求項8〜10のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  12. 溶融重縮合を、脂肪族ジカルボン酸及びその酸無水物のうち少なくとも1種を留去しながら行う、請求項8〜11のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  13. 溶融重縮合を、減圧用排気口を具備した攪拌槽型反応器を用い、且つ、該減圧用排気口
    の温度を、脂肪族ジカルボン酸無水物の融点又は重縮合反応時の真空度における脂肪族ジカルボン酸無水物の沸点のいずれか低い方の温度以上に保持しながら行う、請求項12に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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