JP2005113127A - 脂肪族ポリエステルの製造方法および脂肪族ポリエステル - Google Patents

脂肪族ポリエステルの製造方法および脂肪族ポリエステル Download PDF

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Abstract

【課題】 高重合度の熱安定性に優れた脂肪族ポリエステル及びその工業的に有利で且つ効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】 ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を有するポリエステルを製造するに際し、触媒として、周期表の第3〜6族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、珪素元素並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する金属酸化物を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂肪族ポリエステルの製造方法及び脂肪族ポリエステルに関する。詳しくは、射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性、熱安定性及び引張特性に優れ、且つ、優れた生分解性を有する環境に優しい高重合度の脂肪族ポリエステルの製造方法および主にその製法により得られる脂肪族ポリエステルに関するものである。
生分解性を有する脂肪族ポリエステルは、環境問題に対する意識の高まりから、より環境負荷を回避する樹脂として、繊維、成形品、フィルムやシート等への応用がはかられている。例えば、生分解性を有するポリブチレンサクシネート及び/又はポリブチレンアジピネートは、ポリエチレンと似た力学特性を持つことからポリエチレンの代替ポリマーとして開発されている。
経済的に有利なポリエステルの製造方法としては、触媒の存在下でのジカルボン酸とジオールとの直接エステル化反応、或いは、ジカルボン酸のアルキルエステルとジオールとのエステル交換反応によりエステル低重合体を製造後、これを加熱減圧下でエステル交換反応を行いながら生成するジオールを反応系から留去して高重合度のポリエステルを製造する方法が古くから知られ、採用されている。
しかしながら、一般に脂肪族ポリエステルの熱安定性が低く、重合反応中に熱分解による分子量の低下が引き起こされる為、従来のポリエステルの製造方法では実用上十分な強度を有する高重合度のポリエステルが得られなかった。ポリマーの熱安定性には、ポリマー末端(水酸基やカルボキシル基)濃度、特にカルボキシル基の残存が著しく悪影響を及ぼすと提案されている(例えば、特許文献1参照)。そのような背景から、その製造方法には種々の工夫がなされている。
例えば、テトラブチルチタネート等の有機アルコキシ金属化合物を触媒として溶融重合を行い、鎖延長剤としてジイソシアネートやジフェニルカーボネートを添加してポリマー鎖長を延ばすことによりポリマーの溶融粘度を高める方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。これらの鎖延長剤を添加する方法は、ポリエステルの分子量を容易に増大させることができるため、一見、脂肪族ポリエステルの有効な製造方法と考えられるが、通常、反応工程が2段階になり工程が煩雑になること、また、得られるポリエステルについては、その結晶性や融点が若干低下することに加えて、分子中にウレタン結合が含まれているので生分解性が低下する傾向にあること、などの問題がある。また、生分解性樹脂として使用する観点からは、ジイソシアネートは分解過程で毒性の強いジアミンが生成され土中に蓄積する恐れがある問題点が残され、ジフェニルカーボネート系についてもやはり毒性の高い副生フェノールならびに未反応ジフェニルカーボネートがポリエステル中に残存する問題点が残されている。
また、高活性な触媒として、有機アルコキシゲルマニウムや酸化ゲルマニウム等のGe化合物(例えば、特許文献3参照)、亜鉛アセチルアセトネートや有機酸亜鉛塩等のZn化合物(例えば、特許文献4参照)、Fe、Mn、Co、Zr、V、Y、La、Ce、Li、Ca等のアセチルアセトネート(例えば、特許文献5参照)、或いは、有機アルコキシチタン化合物(例えば、特許文献6参照)を用いた脂肪族ポリエステルの製造方法が提案されている。しかしながら、これらの製造法を用いても充分に重合度が上がらないため、上記と同様に鎖延長剤が添加されている。また、これらの有機系金属化合物は、通常、加水分解されやすい性質を有するため、高温時の触媒の保管方法や重合時の触媒の導入方法に制約を受けたり、或いは、縮重合反応で発生する水により触媒の一部が失活する為、触媒活性の制御が難しく、製造の再現性が取りにくいという問題がある。例えば、代表的な触媒であるテトラブチルチタネートは、53℃の引火点を有する危険物であるばかりでなく、高温で熱重合したり、光で変色するような熱安定性、加水分解性、光安定性に乏しい化合物として知られている。また、失活した触媒が塊となって製品中に混入して、プラスチック成形過程やその成型品形状などに不具合が生じる問題が残される。
このような種々の課題を克服する手法として、本特許出願人は、重合成分に乳酸等の二官能オキシカルボン酸を加えて3元系(1,4−ブチレングリコール、コハク酸、乳酸)又は4元系(1,4−ブチレングリコール、コハク酸、アジピン酸、乳酸)とし、触媒として酸化ゲルマニウムのようなGe系触媒を用いると、高活性で高重合度のポリエステルが製造できることを提案した(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、資源的にも希少で且つ高価なゲルマニウム金属を用いて製造される脂肪族ポリエステルは、汎用樹脂としての応用の観点からは、資源、コストの面で不利なポリエステルである。さらに、酸化ゲルマニウムを固体状で触媒として用いた場合は重合反応が極めて遅い為、高重合度のポリエステルを製造する上では酸化ゲルマニウムを溶媒に溶解させた状態で反応系に添加する必要があるので、プロセスが煩雑となり工業生産上不利な側面があった。
更に、このような生分解性を示す脂肪族ポリエステルは、一般に加水分解反応を受けやすい特徴があり、比較的長期の保管や使用に対して引張り特性等の機械物性の耐久性を向上させる課題が実用上残されていた。耐加水分解性を向上させる手法としては、脂肪族ポリエステルにカルボジイミド化合物を配合させる手法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、約4週間の試験後にはその引張り破断伸び率が初期値の5割未満に低下するなど、その効果は充分でなく、実用上大きな問題があった。
一方最近になって、芳香族系ポリエステル製造においては、安価な二酸化チタン系固体触媒を用いた製造技術が開発されてきている(例えば、特許文献9参照)。この触媒系は、無機系の金属酸化物触媒であるため、上記のような有機系チタン化合物のような危険性や物質の不安定性に伴う欠点を有さない特徴がある。また、この触媒系は、不均一系の固体触媒であるにもかかわらず、有機系チタン化合物よりも高い触媒活性を有する特徴がある。通常、ポリエステル製造触媒は、ポリマー中で溶融又は溶解している方が反応速度的には有利であるが、この触媒系では、280〜290℃といった極めて高温で重合を行うことで、その重合速度を高めている。ここでは、ポリマーの熱安定性に著しく影響を与えるポリマー中の末端カルボキシル基量は有機系チタン触媒系で製造されるポリマー中の濃度とほぼ同等である。従って、このような特徴を有する触媒は、熱安定性の高い芳香族ポリエステルのような系では高温での重合が可能となり、ポリマーの色調を改善できるが、上記のように熱安定性に乏しい脂肪族ポリエステルの製造においては、通常、その適用が困難で、如何に低温での重合速度を高めるか、或いはポリエステルの熱安定性を高めるかが課題であった。
特開平7−53700号公報 特開平4−189822号公報 特開平5−39350号公報 特開平5−39352号公報 特開平5−39353号公報 特開平5−70566号公報 特開平8−239461号公報 特開平11−80522号公報 特開平8−208822号公報
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、鎖延長剤等を使用することなく、工業的に有利な方法で、充分な引張特性を有する高重合度のポリエステルを提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成するために重縮合触媒につき検討を行った結果、従来の有機基を有する有機系金属化合物を触媒として用いる方法は、生成するオリゴマーやポリマーとの結合性や親和性の高いこれらの触媒を重合系に添加することにより重縮合反応速度を高める方法であるが、一方でこれらの触媒は、特に本発明の対象とする脂肪族ポリエステルにおいては、その結合性・親和性の高さから同時に重合反応中の熱分解による分子量の低下をも促進すると考えられ、そのため高重合度ポリエステルが得られないと推測した。これに対し、特定の無機金属化合物を用いると、ポリマーの熱分解が抑制されたまま重縮合反応が進行する為、高分子量のポリエステルが容易に製造できる知見を得、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の要旨は、ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を有するポリエステルを製造するに際し、触媒として、周期表の第3〜6族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、珪素元素並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する金属酸化物を用いることを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法、に存する。
本発明の第2の要旨は、ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を有するポリエステルであって、該ポリエステル中に含まれる周期表の第3〜6族に属する金属酸化物の量が、第3〜6族金属原子に換算した量として1ppm以上3000ppm以下であり、且つ還元粘度(ηsp/C)が1.6以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル、に存する。
本発明の製造方法によれば、充分な引張特性を有する高重合度の脂肪族ポリエステルを容易に製造できる。更に、本発明の製造方法により得られるポリエステルは、ポリエステル中の残留触媒やカルボン酸末端によるポリエステルの熱分解ならびに熱劣化が低減される為、射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性、熱安定性及び引張特性等の機械物性に優れる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
<金属酸化物>
本発明においては、脂肪族ポリエステルの製造触媒として、触媒として、周期表の第3〜6族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、珪素元素並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する金属酸化物を用いる。本発明において、金属酸化物とは複合酸化物、及び水酸基を含有する金属酸化物を含むものとする。
具体的な金属元素としては、周期表第3〜6族の金属元素としては、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステンならびにランタノイド金属が好ましい。環境面ならびに資源面の観点からは、チタン、ジルコニウム、ランタノイド金属、モリブデン、及びタングステンが好ましく、重合活性が特に高い理由からチタンまたは/及びジルコニウムがより好ましく、チタンが最も好ましい。金属元素は2種以上を含有していてもよい。
本発明においては、触媒として上記の金属元素に加えて、珪素並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素(以下、これらの金属元素を「他金属元素」と表す。)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する(複合)酸化物や水酸化物を使用すると高重合度の脂肪族ポリエステルを製造できる。
他金属元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、硼素、アルミニウム、ゲルマニウム、錫、アンチモン等が挙げられ、これらは一種又は二種以上を任意の比率で組み合わせて用いることができる。これらの中では、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ならびにゲルマニウムの群から選ばれる金属の一種又は二種以上組み合わせが好ましく、その中でもマグネシウムが特に好ましい。
本発明において、触媒中に含有される周期表第3〜6族の金属元素と珪素及び他金属元素とのモル比(前者:後者)は、両者の合計に対する後者のモル比として、下限が、通常1モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上であり、上限が通常95モル%以下、好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下である。珪素と他金属元素の両方を含有する場合、珪素と他金属元素とのモル比は、両者の合計に対する他金属元素のモル比として、通常、99モル%以下、好ましくは、80モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下である。
本発明における触媒の製造方法については、特には限定されないが、通常、触媒前駆体となる周期表第3〜6族の金属元素を含有するアルコキシ塩、カルボン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機化合物、或いはハロゲン化物、炭酸塩等の無機化合物を加水分解した後、必要に応じて、脱水乾燥することにより製造される。また、対応する金属水酸化物の脱水反応により重合触媒を製造する方法も好適に使用される。以下に、周期表3〜6族の金属元素のうちチタンとジルコニウムにつき、これらを含有する有機化合物及び無機化合物の具体例を示す。
チタン化合物としては、例えば、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラフェニルチタネート等のアルコキシチタン、チタンビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート等のカルボン酸塩、チタン(オキシ)アセチルアセトネートならびにチタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート等のβ―ジケトナートチタン塩、四塩化チタン、四臭化チタン、三塩化チタン等のハロゲン化チタン、等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン化チタン、アルコキシチタンが好ましく、具体的には、四塩化チタン、テトラプロピルチタネートならびにテトラブチルチタネートが好ましい。
ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等のアルコキシジルコニウム、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムー2―エチルヘキサネート等のカルボン酸塩、ジルコニウムアセチルアセトネート等のβ―ジケトナートジルコニウム塩、四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、二塩化ジルコニウムオキシド等のハロゲン化ジルコニウム等が挙げられる。これらの中では、ハロゲン化ジルコニウム、アルコキシジルコニウムが好ましく、具体的には、四塩化ジルコニウム、ジルコニウムプロポキシド及びジルコニウムブトキシドが好ましい。
その他の金属の有機系又は無機化合物としては、炭酸スカンジウム、スカンジウムアセテート、スカンジウムクロリド、スカンジウムアセチルアセトネート等のスカンジウム化合物、炭酸イットリウム、イットリウムクロリド、イットリウムアセテート、イットリウムアセチルアセトネート等のイットリウム化合物、バナジウムクロリド、三塩化バナジウムオキシド、バナジウムアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネートオキシ
ド等のバナジウム化合物、モリブデンクロリド、モリブデンアセテート等のモリブデン化合物、タングステンクロリド、タングステンアセテート、タングステン酸等のタングステン化合物、セリウムクロリド、サマリウムクロリド、イッテルビウムクロリド等のランタノイド化合物等が挙げられる。
周期表第3〜6族の金属元素に加えて、珪素を含有する金属酸化物を製造する場合には、珪素源として、珪素エステル化合物、ハロゲン化珪素化合物ならびにシロキサン化合物、シラノール化合物、シラノレート化合物等の珪素化合物を使用する。
具体的な珪素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシランおよびテトラベンジルオキシシランなどの珪酸エステル化合物、テトラクロロシラン、メチルジクロロシランなどのハロゲン化珪素化合物、ジシロキサン、トリシロキサン、ジメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ポリジメチルシロキサンなどのシロキサン化合物、シラノール、シランジオール、フェニルシラントリオールなどのシラノール化合物、ナトリウムトリフェニルシラノレートなどのシラノレート化合物等が挙げられる。これらの中では、特に、ケイ酸エステル化合物及びハロゲン化ケイ素化合物が好ましい。珪酸エステル化合物としては、アルコキシシラン化合物が好ましい。
他金属元素を含有した複合酸化物或いは水酸化物を製造する場合は、特には限定されないが、通常、金属源(以下、「触媒補助剤」と表す。)として、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、硼素、アルミニウム、ゲルマニウム、錫、アンチモン等のアルコキシ塩、カルボン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機系化合物或いは水酸化物、ハロゲン化物ならびに炭酸塩等の無機化合物を用いる。これらの中では、入手のし易さならびに高活性な触媒が得られる理由から、カルボン酸塩、アルコキシ塩、ハロゲン化物ならびに炭酸塩が好ましい。
具体的には、リチウム化合物としては、炭酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、リチウムアセテート、リチウムブトキシド等が挙げられる。ナトリウム化合物としては、酢酸ナトリウム、ナトリウムエトキシド、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。カリウム化合物としては酢酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、カリウムブトキシド等が挙げられる。マグネシウム化合物としては、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、マグネシウムエトキシド等が挙げられる。カルシウム化合物としては、酢酸カルシウム、カルシウムエトキシド、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。亜鉛化合物としては、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセトネート塩等が挙げられる。硼素化合物としては、臭化ボロン、ボロン酸、トリブチルボレート等が挙げられる。アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムアセテート等が挙げられる。ゲルマニウム化合物としては、酸化ゲルマニウム、酢酸ゲルマニウム、ゲルマニウムブトキシド等が挙げられる。錫化合物としては、塩化錫、錫アセテート、錫―2―エチルヘキサネート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、酢酸アンチモン等が挙げられる。
本発明において、脂肪族ポリエステル製造用触媒の製造方法としては、周期表の第3〜6族の金属元素を含有する触媒前駆体に、珪素並びに周期表の1,2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物(珪素化合物及び/又は触媒補助剤)を任意の量で混合した後、特に限定されないが、例えば(1)水中に添加する方法、(2)水を添加する方法、(3)水を含んだガスを通じる方法、(4)硫酸銅等の結晶水を有する化合物と反応させる方法等が挙げられる。これらの加水分解は、金属化合物の固体状態または溶融させた状態、或いは溶媒に懸濁させた状態または溶解させた状態等の何れの方法で行っても良い。
加水分解時に溶媒を使用する際の溶媒は、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどのジオール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物などが挙げられる。
加水分解を行う温度は、通常、0℃以上、100℃以下、好ましくは70℃以下である。
加水分解時に、触媒前駆体、珪素化合物ならびに触媒補助剤としてハロゲン化物を使用する場合には、加水分解によりハロゲン化水素が発生して液が酸性を呈する。これにより加水分解が完結しない場合があるので、塩基を添加してpHを調整してもよい。この場合、特に限定はされないが、加水分解後の最終液のpHは4以上であることが好ましく、pHが6以上であることがより好ましい。
pH調整剤としては、アンモニア、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、シュウ酸塩、尿素、塩基性有機化合物などが挙げられるが、これらの中ではアンモニアが好ましい。pH調整剤は被加水分解溶液またはその懸濁液にそのまま加えても良いし、水などの溶媒に溶かして加えても良いが、水などの溶媒に溶かして加えることが好ましい。pH調整剤の添加は、70℃以下で行うことが好ましい。
得られた加水分解物は、必要に応じて固液分離し、洗浄、乾燥、焼成、粉砕等の操作を施すことができる。洗浄液としては、水あるいはエタノールなどの有機溶媒を用いることができるが、水が好ましい。また加水分解物は、一部が加水分解されずに有機基が残存していてもよく、その量は、金属酸化物全量中の炭化水素基の量として、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
上記のようにして製造された加水分解物は、そのまま、脂肪族ポリエステル製造用触媒として使用することも可能であるが、洗浄後の加水分解物は、必要に応じて、乾燥することもでき、加水分解物を乾燥して得られた固体状物であるのが好ましい。乾燥は常圧または減圧下で行うことが出来る。乾燥温度は特に限定されないが、30℃以上200℃以下であることが好ましく、また乾燥は速やかに行うことが好ましい。更に得られた固体を焼成することもできる。焼成温度は、通常200℃以上500℃以下で行われ、焼成により酸化物の形態になる。焼成時間は、1分以上100時間以下程度である。
本発明において、乾燥後、更には焼成後の固体は、粉砕することが好ましい。粉砕後の得られた粉末の平均粒径は、1nm以上、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、10μm以下が特に好ましい。
また、周期表の第3〜6族の金属元素と、珪素化合物並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物或いは水酸化物とは、各成分をそれぞれ別個に加水分解分解後、これらの加水分解物を混合して調製することもできる。混合は加水分解後、固液分離後、乾燥後、焼成後、粉砕前等の任意の段階で実施することができ、混合の時期は特に限定されない。混合の方法としては、加水分解後の加水分解物を特定の溶媒中に存在させた状態で混合する方法、乾燥後の固体状態で混合する方法等が挙げられる。
本発明においては、更に、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)等に記載される公知の層状珪酸塩を上記触媒と組み合わせた触媒を使用すると、重合速度が向上する場合があるため、このような触媒系もまた好んで使用される。
層状珪酸塩としては、具体的には、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク及び緑泥石群等が挙げられる。
以上のように、本発明の製造方法において用いられる触媒は、上記のように周期表第3〜6族の金属元素を含有する触媒前駆体の加水分解によって得られる金属酸化物を主体とする触媒である。その形態は、化合物の種類、加水分解、乾燥或いは焼成条件によっても異なるが、通常、金属(複合)酸化物及びこれらの水酸基を有する化合物である。これらの化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005113127
(式中のM、M‘は、それぞれ、周期表第3〜6族の金属元素、周期表の1、2、12〜14族に属する金属元素を表し、複数の金属元素であっても良い。a、b及びcは各元素の原子比率を示し、b及びcの値は0であっても良い。x及びyは、前記各成分の原子価を満足するのに必要な水酸基及び酸素の原子比率である。)
これらの酸化物は、特には限定されないが、鎖状、環状、層状、梯子状ならびに籠状のようなクラスター構造の二量体以上の多量体となっていてもよい。本発明の製造方法において、特に触媒活性が高いと考えられる形態は、水酸基を有する金属酸化物である。
本発明において、金属酸化物の有する水酸基の数は、用いる金属の種類、その価数ならびに量、乾燥或いは焼成条件等により変動する為、特に限定はされないが、水酸基と
金属元素の総和とのモル比(OH/M)の上限値は、通常、6未満、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり、一方、下限値は、通常、0.0001以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは、0.1以上である。水酸基と金属元素とのモル比は、公知の方法、例えば、特開2001−64377号公報に記載のような付着水分および加熱脱離水分の測定等により決定することができる。
従来、重合反応中に熱分解による分子量の低下が引き起こされ、高分子量化が難しいとされてきた脂肪族ポリエステルが、このような触媒を用いると容易に製造できることが明らかになったが、その理由は、未だ詳らかではないが、以下のよう推察される。
すなわち、通常、金属アルコキシドのような有機基を有する触媒に比べ金属酸化物触媒は、脂肪族ポリエステル(またはエステル低重合体)との親和性が低く、重合活性の点では特性が劣る特徴があるが、一方で、同様の理由から、その逆反応であるポリエステルの熱分解反応が起こりにくい特徴がある。更に驚くべきことに、金属酸化物触媒系を用いると、ポリマーの熱安定性に著しく影響を与える末端カルボキシル基量が少ないポリマーが製造される特徴があることが本発明を完成させる過程で見出されたが、これらの特徴は、金属酸化物触媒で製造されたポリエステルの熱安定性が高いことを意味する。また、通常、金属酸化物触媒を用いた重縮合反応は、不均一触媒反応である場合が多く、このような触媒系では、ポリマーの分子量が上がる程、その立体障害により益々ポリマーは触媒活性点に近づけなくなる特徴がある。この特徴を利用して、高いルイス酸性を有する周期表第3〜6族の金属元素を含む金属酸化物を触媒として用い、必要に応じて後述するような製造方法を適用すると、ポリマーの熱分解反応速度が抑えられたまま重縮合反応速度が向上する為、容易に高重合度のポリエステルが得られると考えられる。この兆候は、水酸基を有する金属酸化物を用いると、オリゴマーとの親和性が高まるため特に顕著となると考えられる。
これらの金属酸化物の添加量は、生成するポリエステルに対する周期表の第3〜6族の金属元素の金属量として、下限値が通常、1ppm以上、好ましくは10ppm以上、より好ましくは50ppm以上であり、上限値が通常、30000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、特に好ましくは250ppm以下である。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなくポリマーの熱安定性が低くなるのに対し、逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリマー製造中に長時間の重合によるポリマーの分解が誘発されやすくなる。
<その他の触媒>
本発明においては、重合触媒として上記金属酸化物に加えて、周期表の第2〜15族から選ばれる金属元素を含有し有機基を有する化合物を添加する方法は、重合速度が高くなる場合がある理由から、好ましい方法である。このような化合物は生成するポリエステルに溶融又は溶解するものであることが好ましい。
これらの周期表2〜15族の金属元素としては、具体的には、スカンジウム、イットリウム、サマリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウムおよびカルシウム等が挙げられる。その中では、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉄、ゲルマニウムが好ましく、特に、チタン、ジルコニウム、タングステン、鉄、ゲルマニウムが好ましい。
これらの金属元素を含む化合物がポリエステルに溶融或いは溶解する形態としては、これらの金属元素を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機基を含む形態が挙げられる。
具体的には、チタン化合物としては、テトラアルキルチタネートが好ましく、具体的には、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート及びこれらの混合チタネートが挙げられる。また、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタン(トリエタノールアミネート)イソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ブチルチタネートダイマー等も好んで用いられる。これらの中では、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート及びテトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマーが好ましく、テトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、ブチルチタネートダイマーがより好ましく、特に、テトラ−n−ブチルチタネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネートが好ましい。
ジルコニウム化合物としては、具体的には、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、ジルコニ
ルジアセテイト、シュウ酸ジルコニウム、シュウ酸ジルコニル、シュウ酸ジルコニウムカリウム、ポリヒドロキシジルコニウムステアレート、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシド、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネートならびにそれらの混合物が例示される。これらの中では、ジルコニルジアセテイト、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジルコニウムカリウム、ポリヒドロキシジルコニウムステアレート、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシドが好ましく、ジルコニルジアセテイト、ジルコニウムテトラアセテイト、ジルコニウムアセテイトヒドロキシド、ジルコニウムトリス(ブトキシ)ステアレート、シュウ酸ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドがより好ましい。
ゲルマニウム化合物としては、具体的には、テトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましい。
その他の金属含有化合物としては、スカンジウムアセテート、スカンジウムブトキシド、スカンジウムアセチルアセトネート等のスカンジウム化合物、イットリウムブトキシド、イットリウムアセテート、イットリウムアセチルアセトネート等のイットリウム化合物、バナジウムブトキシド、バナジウムアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネートオキシド等のバナジウム化合物、モリブデンブトキシド、モリブデンアセテート等のモリブデン化合物、タングステンブトキシド、タングステンアセテート等のタングステン化合物、セリウムブトキシド、サマリウムブトキシド、イッテルビウムブトキシド等のランタノイド化合物等が挙げられる。
また、金属酸化物と併用する触媒として、周期表の第2〜15族から選ばれる金属元素を含有し有機基を有する化合物の他に、無機ゲルマニウム化合物も好ましく使用することができる。具体的には、酸化ゲルマニウム等の水溶液が挙げられる。
これらの周期表の第2〜15族から選ばれる金属元素を含有する化合物を使用する場合の量は、生成するポリエステル中の金属原子量として、下限が通常0.1ppm以上、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは1ppm以上であり、上限が3万ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは250ppm以下である。
また、塩酸や硫酸等の鉱酸或いはそれらの塩、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、エチル硫酸等の硫酸エステル、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸、燐酸、次亜燐酸、ピロ亜燐酸、亜燐酸、次燐酸、ピロ燐酸、三燐酸、メタ燐酸、ペルオクソリン酸、ポリ燐酸等の無機燐酸、リン酸水素アンモニウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸水素カルシウム、ポリリン酸水素アンモニウム、ポリリン酸水素マグネシウム、ポリリン酸水素カルシウム等の無機リン酸水素塩、フェニルホスフィン酸、ベンジルホスフィン酸、メチルホスフィン酸、n−ブチルホスフィン酸、シクロヘキシルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、およびフェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、メチルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸等の有機ホスホン酸を助触媒として添加した触媒系も使用できる。
<ジオール単位>
本発明においてジオール単位とは、芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールから誘導されるものであり、公知の化合物を用いることができるが、脂肪族ジオールを使用するの
が好ましい。脂肪族ジオールとは、2個のOH基を有する脂肪族及び脂環式化合物であれば特に制限はされないが、炭素数の下限値が2以上であり、上限値が通常10以下、好ましくは6以下の脂肪族ジオールが挙げられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、1,4−ブタンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。
この内、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロピレングリコ−ル及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルが好ましく、その中でも、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオ−ルが好ましく、更には、1,4−ブタンジオ−ルが特に好ましい。全ジオール成分中の脂肪族ジオールの割合は、通常、全ジオール成分中、70モル%以上、好ましくは80モル%以上である。
芳香族ジオールとしては、2個のOH基を有する芳香族化合物であれば、特に制限はされないが、炭素数の下限値が6以上であり、上限値が通常15以下の芳香族ジオールが挙げられる。芳香族ジオールの具体例としては、例えば、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン及びビス(p−ヒドロキシフェニル)―2,2―プロパン等が挙げられる。
また、両末端ヒドロキシポリエーテルを上記の脂肪族ジオールと混合して使用してもよい。両末端ヒドロキシポリエーテルとしては、炭素数が下限値が通常4以上、好ましくは10以上であり、上限値が通常1000以下、好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。
両末端ヒドロキシポリエーテルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール及びポリ1,6−ヘキサメチレングリコール等が挙げられる。また、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合ポリエーテル等を使用することもできる。これらの両末端ヒドロキシポリエーテルの使用量は、ポリエステル中の含量として、通常90重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下に計算される量である。
<脂肪族ジカルボン酸単位>
本発明において脂肪族ジカルボン酸単位とは、脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体から誘導されるものである。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の、通常、炭素数が2以上12以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等の低級アルキルエステルや例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物も使用できる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。これらの内、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、またはこれらの混合物が好ましく、脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸及びコハク酸のメチルエステル、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明のポリエステルは、好ましいポリエステルの製造方法の一態様として、後述するように、これらの脂肪族ジカルボン酸及びその酸無水物を反応系から留去しながらポリエステルを製造する形態を採ることができる。この場合、遊離の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を生成させるためには、末端がカルボキシル基である方が有利であるため、上記のジカルボン酸成分としては脂肪族ジカルボン酸を用いるのが好ましい。具体的
には、比較的分子量の小さい脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物が減圧下での加熱により比較的容易に留去できる点から、アジピン酸、コハク酸、またはそれらの混合物が好ましく、特にコハク酸が好ましい。
また、上記の脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体の他に、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体を併用してもよい。芳香族ジカルボン酸の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びジフェニルジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、前記した芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として上記脂肪族カルボン酸に加えて使用してもよい。この内、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
これらの他のジカルボン酸成分の使用量は、通常、ジカルボン酸全量中、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは、10モル%以下である。
<その他の共重合成分>
本発明においては、上記のジオール成分とジカルボン酸成分に加えて、共重合成分を加えてもよい。
共重合成分の具体的な例としては、2官能のオキシカルボン酸や架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール及び3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物および3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。これらの共重合成分の中では、高重合度のポリエステルが容易に製造できる傾向があるためオキシカルボン酸が好適に使用される。
2官能のオキシカルボン酸としては、具体的には、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸等が挙げられるが、これらはオキシカルボン酸のエステルやラクトン、或いはオキシカルボン酸重合体等の誘導体であっても良い。また、これらオキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中では、入手の容易な乳酸またはグリコール酸が特に好ましい。形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。この場合、オキシカルボン酸の使用量は、通常、原料モノマーに対して下限が通常、0.02モル%以上、好ましくは0.5モル%以上、より好ましくは1.0モル%以上であり、上限が、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
3官能以上の多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、具体的には、プロパントリカルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
3官能以上のオキシカルボン酸としては、具体的には、リンゴ酸、ヒドロキシグルタル酸、ヒドロキシメチルグルタル酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。特に、入手のし易さから、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が好ましい。
上記の3官能以上の化合物の使用量は、ゲルの発生原因となるため通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対して、通常、5モル%以下、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.2モル%以下である。
<鎖延長剤>
本発明の方法においては、本発明のポリエステルは、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできるが、その量は、通常、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合ならびにウレタン結合が10モル%以下である。しかしながら、本発明のポリエステルを生分解性樹脂として使用する観点からは、ジイソシアネートは分解過程で毒性の強いジアミンが生成され土中に蓄積する恐れがある問題点があり、カーボネート化合物として一般に用いられるジフェニルカーボネート系についてもやはり毒性の高い副生フェノールならびに未反応ジフェニルカーボネートがポリエステル中に残存する問題点があるため、その使用量は、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が1モル%未満、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%であり、ウレタン結合が、0.06モル%未満、好ましくは0.01モル%以下、より好ましくは0.001モル%以下である。
カーボネート化合物としては、具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジアミルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが例示される。その他、フェノール類、アルコール類のようなヒドロキシ化合物から誘導される、同種、または異種のヒドロキシ化合物からなるカーボネート化合物が使用可能である。
ジイソシアネート化合物としては、具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
また、その他の鎖延長剤として、ジオキサゾリン、珪酸エステルなどを使用してもよい。 珪酸エステルとしては、具体的には、テトラメトキシシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジフェニルジヒドロキシラン等が例示される。
更に、溶融テンションを高めるために、少量のパーオキサイドを添加してもよい。
<ポリエステルの製造方法>
本発明におけるポリエステルの製造方法としては、従来の公知の方法が使用でき、例えば、上記の脂肪族ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行った後、減圧下での重縮合反応を行うといった溶融重合の一般的な方法や、有機溶媒を用いた公知の溶液加熱脱水縮合方法によっても製造することができるが、経済性ならびに製造工程の簡略性の観点から、無溶媒下で行う溶融重合でポリエステルを製造する方法が好ましい。
金属酸化物及び上述した必要に応じて併用する触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。本発明の触媒は、安定性が高く、触媒の失活が殆ど無いため、製造工程が簡便な原料仕込み時に添加する方法が好適に用いられる。
温度、時間、圧力などの条件は、従来公知の範囲を採用できる。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反
応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
反応時間は、通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×103Pa以上、好ましくは0
.01×103Pa以上であり、上限が通常1.4×103Pa以下、好ましくは0.4×103Pa以下の真空度下として行う。重合製造時の圧力が高すぎると、ポリエステルの
重合製造時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造が難しくなる傾向がある。一方、超高真空重合設備を用いて製造する手法は重合速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要なばかりでなく、それでも未だポリエステルの重合製造時間が長くなる傾向があるため、それに伴うポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が懸念される。
反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下の範囲である。この温度が低すぎると、特に本発明においては重合反応速度が極めて遅くなり、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必要となる為、経済的に不利である。一方、反応温度が高めすぎると、重合速度は向上するが、同時に製造時のポリマーの熱分解が引き起こされ、結果的に高重合度のポリエステルの製造が難しくなる。本発明においては、この反応温度の制御が極めて重要である。
反応時間は、下限が通常2時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは8時間以下、より好ましくは6時間以下である。反応時間が短すぎると反応が不充分で低重合度のポリエステルが得られ、引張り破断伸び率が低く、また、そのカルボキシル基末端量が多いこともあり、引張り破断伸び率の劣化も著しくなる場合が多い。一方、反応時間が長すぎると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、引張り破断伸び率が低下するばかりでなく、ポリマーの耐久性に影響を与えるカルボキシル基末端量が熱分解により増加する場合がある。
本発明において、ジカルボン酸成分として脂肪族カルボン酸に加えて芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルを混合して使用する場合は、特に添加順序には限定はなく、例えば、第1として、原料のモノマーを一括に反応釜に入れて反応することもできるし、第2として、ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応又はエステル交換反応させた後、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸又はその誘導体をエステル化反応又はエステル交換反応させ、更に重縮合反応させる方法等種々の方法を採用することができる。
本発明においてポリエステルを製造する反応装置としては、公知の縦型あるいは横型撹拌槽型反応器を用いることができる。例えば、溶融重合を同一又は異なる反応装置を用いて、エステル化及び/又はエステル交換の工程と減圧重縮合の工程の2段階で行い、減圧重縮合の反応器としては、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管を具備した攪拌槽型反応器を使用する方法が挙げられる。また、真空ポンプと反応器とを結ぶ減圧用排気管の間には、凝縮器が結合されており、該凝縮器にて縮重合反応中に生成する揮発成分や未反応モノマーが回収される方法が好んで用いられる。
本発明においては、ポリエステルの製造方法として、従来の、上記の脂肪族ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分と脂肪族ジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル
交換反応を行った後、減圧下で、ポリエステルのアルコール末端のエステル交換反応により生成するジオールを留去しながらポリエステルの重合度を高める方法、或いは、ポリエステルの脂肪族カルボン酸末端から脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去させながらポリエステルの重合度を高める方法が用いられる。
本発明においては、特に限定はされないが、不均一でポリマーとの親和性が低い金属酸化物触媒でも、より低温でも重合速度が高く、鎖延長剤などを用いずとも高重合度のポリエステルが容易に得られる理由から、後者の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法が特に好ましい。この場合、脂肪族カルボン酸及び/又はその無水物の除去は、通常、上記溶融重合工程における後段の減圧下での重縮合反応中に脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を加熱留出させる方法が採られるが、重縮合反応条件下では、脂肪族ジカルボン酸は容易に酸無水物になりやすいため、酸無水物の形態で加熱留出させる場合が多い。また、その際、ジオールから誘導される鎖状又は環状エーテル及び/又はジオールもまた脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物と共に除去されてもよい。更に、ジカルボン酸成分とジオール成分の環状単量体を共に留去させる方法は、重合速度が向上するため、好ましい態様である。
ここで、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去させる方法を用いてポリエステルを製造する場合には、留去される脂肪族ジカルボン酸及び/又はその無水物とジオールとの合計量中、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその無水物の量は、通常、30モル%以上であり、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上であると、特に限定はされないが、高重合度のポリエステルが容易に製造できる。
本発明においては、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去する方法により高重合度のポリエステルを製造する場合には、真空ポンプと反応器を結ぶ減圧用排気管の反応容器側排気口の温度を、脂肪族ジカルボン酸無水物の融点、或いは重縮合反応時の真空度での脂肪族ジカルボン酸無水物の沸点のいずれか低い方の温度以上に保持すると生成する酸無水物が効率よく反応系から除去でき、目的の高重合度のポリエステルが短時間で製造できるため好ましい。更には、反応容器側排気口から凝縮器までの配管温度を酸無水物の融点、或いは重縮合反応時の真空度での沸点のいずれか低い方の温度以上に保持するとより好ましい。
本発明において、目的とする重合度のポリエステルを得るためのジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比は、その目的や原料の種類により好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。
更に、本発明において、特には限定されないが、高重合度のポリエステルを製造する上で特に好ましい態様である脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物の留去により高重合度のポリエステルを製造する方法では、末端カルボン酸量が多い方が重合が有利であるため、従来の方法で用いられるような原料としてより過剰なジオールの使用は必要ではない。この場合もやはり目的とするポリエステルの重合度や種類によってジオール成分とジカルボン酸成分とのモル比の好ましい範囲は異なるが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上、更に好ましくは0.95以上であり、上限が通常1.15モル以下、好ましくは1.1モル以下、更に好ましくは1.08モル以下である。
一方、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその酸無水物を留去方法によるポリエステルの製造方法を用いると、製造されたポリエステルは、重合度が低い場合には、従来の方法に比
べカルボン酸量末端が多い傾向がある為、ポリマーの熱安定性に著しく悪影響を与えるカルボン酸末端量の増大が懸念されるが、重合度の尺度である還元粘度(ηsp/c)値が高いポリエステルは、末端カルボン酸量が低く、耐熱安定性にすぐれたポリエステルとなる。
<ポリエステル及びその用途>
本発明で製造される好ましいポリエステルは、ポリエステル中に含まれる周期表第3〜6族に属する金属酸化物の量は、金属原子に換算した量として、下限が1ppm以上、好ましくは、10ppm以上、より好ましくは50ppm以上であり、上限が通常30000ppm以下、好ましくは3000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、特に好ましくは250ppm以下である。
このようなポリエステルは、金属アルコキシドのような有機置換基を有する触媒が含有されたポリエステルに比べて、残留触媒のポリエステルへの結合性・親和性が低く、残留触媒による加水分解や熱分解の加速効果を抑制できるので、耐加水分解性や熱安定性に優れたポリエステルとなる。同様に残留触媒による加水分解や熱分解を抑制させた本発明のポリエステルは、従来の有機基を有する触媒を用いてポリエステルを製造後、ポリエステル中の残留触媒を水で処理する方法によっても製造できるが、この方法は、通常、ポリエステルの加水分解による解重合が併発される為、好ましい方法ではない。
本発明の方法で製造されたポリエステルは、通常、ポリマーの熱安定性に著しく悪影響を与えるカルボン酸末端量が少ない特徴があるため、熱安定性に優れ、成形時の品質の低下が少ない、即ち、溶融成形時に末端基の切断や、主鎖の切断等の副反応が少ないという特徴を有する。本発明によって得られるポリエステルの末端COOH基数は、ポリエステルの重合度にもよるが、通常、20eq/トン以下となる。従って、本発明において製造される好ましいポリエステルの末端COOH基数は、通常、20eq/トン以下、好ましくは15eq/トン以下、より好ましくは10eq/トン以下である。一方、カルボキシル基末端量が極端に少なくなると、重合速度が極めて遅くなり、高重合度のポリマーが製造できない。そのような理由から、ポリエステルの末端COOH基数の下限は、通常、0.1eq/トン以上、より好ましくは1eq/トンである。
本発明で製造されるポリエステルの還元粘度(ηsp/C)値は、実用上十分な力
学特性が得られる理由から、1.6以上であり、中でも2.0以上が好ましく、更には、2.2以上がより好ましく、特に2.3以上が好ましい。還元粘度(ηsp/C)値の上限は、ポリエステルの重合反応後の抜き出し易さならびに成形のし易さ等の操作性の観点から、通常、6.0以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下である。
本発明でいう還元粘度は以下の測定条件により測定されたものである。
〔還元粘度(ηsp/C)測定条件〕
粘度管:ウベローデ粘度管
測定温度:30℃
溶媒:フェノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)溶液
ポリエステル濃度:0.5g/dl
本発明の製造方法の途中又は得られるポリエステルには、特性が損なわれない範囲において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤及び紫外線吸収剤等を重合時に添加してもよい。
また、成形時に上に示した各種の添加剤の他に、ガラス繊維、炭素繊維、チタンウィスカー、マイカ、タルク、CaCO3、TiO2、シリカ等の強化剤及び増量剤を添加して成形することもできる。
本発明の製造方法により得られるポリエステルは、耐熱性、色調に優れ、更に耐加水分解性や生分解性にも優れ、しかも安価に製造できるので、各種のフィルム用途や射出成形品の用途に適している。
具体的な用途としては、射出成型品(例えば、生鮮食品のトレーやファーストフードの
容器、野外レジャー製品など)、押出成型品(フィルム、シート等、例えば釣り糸、漁網、植生ネット、保水シートなど)、中空成型品(ボトル等)等が挙げられ、更にその他農業用のフィルム、コーティング資材、肥料用コーティング材、ラミネートフィルム、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体、ショッピングバッグ、ゴミ袋、コンポスト袋、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材フィルム及び合成紙などに利用可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えな
い限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
<末端カルボキシル基量>
得られたポリエステルをベンジルアルコールに溶解し0.1N NaOHにて滴定
した値であり、1×106 g当たりのカルボキシル基当量である。
<末端OH基量>
1H NMRにより求めた値であり、1×106 g当たりのOH基当量である。
実施例1
<触媒の調製>
1Lのビーカーに300mlのイオン交換水を秤取し、このビーカーを氷浴にて冷却した後攪拌しながら四塩化チタン(TiCl4)20mlを滴下し、滴下終了後、塩化水素
の発生が止まったらビーカーを氷浴より取り出した。そこへ塩化マグネシウム六水和物(MgCl2・6H2O)を4.1g加えて溶解させ、更にテトラエトキシシラン(Si(OC254)を22.2g加え、撹拌して分散させた。引き続いてこのビーカーを撹拌しながら、4Nアンモニア水をビーカー内の液のpHが7.4になるまで滴下した。この滴下により生成した沈殿物を吸引濾過し、水洗後、80℃で減圧乾燥して、100μm以下に粉砕して複合酸化物触媒を得た。本実施例の仕込みのTi:Mg:Si原子比は60:7:33である。
<溶融重縮合>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール81.9g(0.91mol)、リンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol、コハク酸に対して0.33mol%)及び触媒として実施例1で製造した複合酸化物触媒0.06gを仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で6.7時間反応させポリエステル
を得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフラン、コハク酸とブタンジオールの環状単量体ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.1であり、得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は8eq/トン、末端OH基量は77eq/トンであった。
実施例2
<触媒の調製>
実施例1において、四塩化チタン(TiCl4)を4.1ml、塩化マグネシウム六水
和物(MgCl2・6H2O)を7.6g、テトラエトキシシラン(Si(OC254
を40.8gにしたこと以外は同様に行った。本実施例の仕込みのTi:Mg:Si原子比は14:14:72である。得られた複合酸化物触媒の平均粒径は、44μmであった。
<溶融重縮合>
実施例1の原料仕込みにおいて、触媒として実施例2で製造した複合酸化物触媒0.18gを使用する以外は同様にした。窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で5.5時間反応させポリエステル
を得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフラン、コハク酸とブタンジオールの環状単量体ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.6であり、得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は7eq/トン、末端OH基量は75eq/トンであった。
実施例3
<溶融重縮合>
実施例1の原料仕込みにおいて、触媒としてAcordis Industrial Fibers社製,製品名
:C−94を0.067g使用する以外は同様にした。窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で4時間15分反応させポリエステ
ルを得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。減圧用排気口から重合中に留出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフラン、コハク酸とブタンジオールの環状単量体ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は8eq/トン、末端OH基量は62eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
得られたポリマーを卓上プレス機を用いて150℃、3min.で溶融させ、さらに150℃、20MPa、2min.でプレスして厚さ約150μmのフィルムAを得た。得られたプレスフィルムを50℃、90%R.H.の恒温恒湿機に入れ、7日後にサンプリングし、溶液粘度の測定ならびに引張り破断伸び率の測定を行った。
引っ張り試験は、このフィルムからダンベル形状(長さ10cm)に打ち抜いた試験片を用いて行った。(引張速度=200mm/min、標線間距離=10mm、チャック間距離=60mm)。結果を表−1に示した。
また、別途同様の方法で製造したポリエステルペレットを160℃にて直径75mmの丸ダイから押しだし、50μm厚みのフィルムを作成した結果、均質な良好なフィルムが得られた。
実施例4
<溶融重縮合>
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸73.2g(0.62mol)、アジピン酸31.8g(0.21mol)、1,4−ブタンジオール75.57g(0.84mol)、触媒としてAcordis Industrial Fibers社製,製品名C−94を0.067g(製造ポリマー中のTi含量:2×102ppm)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、ジルコニウムトリブトキシステアレート((株)マツモト交商製)0.36g(製造ポリマー中のZr含量:3×102ppm)を反応系へ添加後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で4.5時間反応させポリエステルを得た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。減圧用排気口から重合中に流出した主な揮発成分は、水、無水コハク酸、テトラヒドロフラン、コハク酸或いはアジピン酸とブタンジオールとの環状単量体ならびに少量の1,4−ブタンジオールであった。得られた白色のポリエステルの還元粘度(ηsp/c)は2.9であり、得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は19eq/トン、末端OH量は26eq/トンであった。
比較例1
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸100.3g(0.85mol)、1,4−ブタンジオール82.7g(0.92mol)、リンゴ酸0.37g(2.8×10-3mol)、コハク酸に対して0.33mol%)、チタンテトラ−n−ブトキシド0.107g(製造ポリマー中のTi含量:1×102ppm)を仕込み、窒素−減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。
次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。その後、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paにな
るように減圧し、更に0.07×103Paの減圧下で5時間反応させポリエステルを得
た。尚、減圧下での重縮合反応中は、反応容器の減圧用排気口を130℃に加熱し続けた。得られたポリエステルの還元粘度(ηsp/C)は2.4であり、得られたポリエステルの末端カルボキシル基量は16eq/トン、末端OH基量は55eq/トンであった。
<フィルムの作成・評価方法>
実施例3と同様に行いフィルムBを得た。結果を表−1に示した。これらの結果から金属酸化物触媒を用いて製造したポリエステルは、引張り特性が優れていることが判る。
また、別途同様の方法で製造したポリエステルペレットを160℃にて直径75mmの丸ダイから押しだし、50μm厚みのフィルムを作成した結果、フィルム中には触媒の分解物と考えられる白い塊(微少なものから数mmオーダーの白色固体まで)がフィルム全面に5〜6個/cm2の割合で観測された。
Figure 2005113127
本発明によれば、工業的に有利で且つ効率的な製造方法で、触媒として特定の金属酸化物を用いることにより、充分な引張特性を有する高重合度の脂肪族ポリエステルを容易に製造できる。更に、本発明のポリエステルは、ポリエステル中の残留触媒やカルボン酸末端によるポリエステルの熱分解ならびに熱劣化が低減されるため、射出成形、中空成形および押出し成形などによる成形性、熱安定性及び引張特性等の機械物性に優れたポリエステルである。

Claims (12)

  1. ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を有するポリエステルを製造するに際し、触媒として、周期表の第3〜6族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素と、珪素元素並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する金属酸化物を用いることを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
  2. 金属酸化物が、水酸基を有するものである、請求項1に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  3. 金属酸化物が、周期表の第3〜6族から選ばれる金属元素を含有する無機化合物及び/又は珪素元素並びに周期表の1、2、12、13及び14族に属する金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含有する混合物の加水分解物である、請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  4. 触媒として、周期表の第2〜15族から選ばれる金属元素を含有し有機基を有する化合物を併用する、請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  5. 脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体並びに脂肪族ジオールを、触媒存在下で溶融重縮合する、請求項1〜4のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  6. 溶融重縮合を、脂肪族ジカルボン酸及びその酸無水物のうち少なくとも1種を留去しながら行う、請求項5に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  7. 溶融重縮合を、減圧用排気口を具備した攪拌槽型反応器を用い、且つ、該減圧用排気口の温度を、脂肪族ジカルボン酸無水物の融点又は重縮合反応時の真空度における脂肪族ジカルボン酸無水物の沸点のいずれか低い方の温度以上に保持しながら行う、請求項5または6に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  8. 溶融重縮合を、180℃以上250℃以下の温度で行う、請求項5〜7のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  9. 得られるポリエステルの還元粘度(ηsp/c)が1.6以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  10. ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位を有するポリエステルであって、該ポリエステル中に含まれる周期表の第3〜6族に属する金属酸化物の量が、第3〜6族金属原子に換算した量として1ppm以上3000ppm以下であり、且つ還元粘度(ηsp/C)が1.6以上であることを特徴とする脂肪族ポリエステル。
  11. ポリエステル中に含まれるカーボネート結合の含有量が、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し1モル%未満であり、ウレタン結合の含有量が0.06モル%未満である、請求項10に記載の脂肪族ポリエステル。
  12. 脂肪族ポリエステルの末端COOH基数が、20eq/トン以下である、請求項10または11に記載の脂肪族ポリエステル。
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