JP2001064378A - ポリエステル製造用触媒、この触媒を用いるポリエステルの製造方法およびこの触媒により製造されるポリエチレンテレフタレート - Google Patents
ポリエステル製造用触媒、この触媒を用いるポリエステルの製造方法およびこの触媒により製造されるポリエチレンテレフタレートInfo
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Abstract
造できるようなポリエステル製造用触媒およびこの触媒
を用いるポリエステルの製造方法を提供すること。 【解決手段】ポリエステル製造用触媒は、(I)チタン
ハロゲン化物を加水分解してなる加水分解物を脱水乾燥
することにより得られる固体状チタン化合物と、(II)
ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、マン
ガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、アンチモンおよ
びリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の
化合物とからなる。
Description
用触媒、この触媒を用いるポリエステルの製造方法およ
びこの触媒により製造されるポリエチレンテレフタレー
トに関し、さらに詳しくは、高い重合速度で芳香族ジカ
ルボン酸類と、脂肪族ジオール類とを重縮合することが
できるようなポリエステル製造用触媒、この触媒を用い
るポリエステルの製造方法およびこの触媒により製造さ
れる特定のポリエチレンテレフタレートに関する。
ンテレフタレートは、機械的強度、耐熱性、透明性およ
びガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭
酸飲料などの飲料充填容器の素材をはじめとしてフィル
ム、シート、繊維などの素材として好適に使用されてい
る。
タル酸などのジカルボン酸と、エチレングリコールなど
の脂肪族ジオール類とを原料として製造される。具体的
には、まず、芳香族ジカルボン酸類と脂肪族ジオール類
とのエステル化反応により低次縮合物(エステル低重合
体)を形成し、次いで重縮合触媒の存在下にこの低次縮
合物を脱グリコール反応(液相重縮合)させて、高分子
量化している。また、場合によっては固相重縮合を行
い、さらに分子量を高めている。
として、従来アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物な
どが使用されている。しかしながら、アンチモン化合物
を触媒として製造したポリエチレンテレフタレートは透
明性、耐熱性の点でゲルマニウム化合物を触媒として製
造したポリエチレンテレフタレートに劣っている。ま
た、得られるポリエステル中のアセトアルデヒド含有量
を低減させることも要望されている。
あるため、ポリエステルの製造コストが高くなるという
問題があった。このため製造コストを下げるため、重縮
合時に飛散するゲルマニウム化合物を回収して再利用す
るなどのプロセスが検討されている。
を促進する作用のある元素であることが知られており、
チタンアルコキシド、四塩化チタン、シュウ酸チタニ
ル、オルソチタン酸などが重縮合触媒として公知であ
り、このようなチタン化合物を重縮合触媒として利用す
るために多くの検討が行われている。
合触媒に用いた場合、アンチモン化合物、ゲルマニウム
化合物に比べ活性が劣り、得られたポリエステルが著し
く黄色に着色するなどの問題があり実用化に至っていな
いのが現状である。またこれらの触媒を用いて工業的に
ポリエステルを製造する場合、四塩化チタンや四塩化チ
タンの部分加水分解物のような塩素を多量に含有する触
媒では塩素分の溶出に伴う腐食性が問題になり、塩素分
の含量の少ない触媒が望まれる。
てポリエステルの製造に用いられる重縮合触媒について
鋭意研究したところ、重縮合触媒として、特定の方法で
調製された固体状チタン化合物または固体状含チタン化
合物を用いることによって、高い触媒活性で優れた品質
のポリエステルを製造できることを見いだして本発明を
完成するに至った。
た品質のポリエステルが製造できるようなポリエステル
製造用触媒およびこの触媒を用いるポリエステルの製造
方法を提供することを目的としている。また、本発明は
この触媒を用いて得られた透明性、色相に優れるなどの
諸特性を有するポリエチレンテレフタレートを提供する
ことを目的とするとともにこのポリエチレンテレフタレ
ートからなる成形体を提供することを目的としている。
は、(I-a)チタンハロゲン化物を加水分解してなる加
水分解物を脱水乾燥することにより得られる固体状チタ
ン化合物と、(II)ベリリウム、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウ
ム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウ
ム、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれる少な
くとも1種の元素の化合物、好ましくはマグネシウム化
合物とからなることを特徴としている。
は、チタンハロゲン化物と、チタン以外の他の元素から
選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合
物の前駆体との混合物を加水分解してなる加水分解物を
脱水乾燥することにより得られる固体状含チタン化合物
(I-b)からなることを特徴としている。
なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体
としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウム、スカンジウム、イットリウ
ム、ランタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングス
テン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウ
ム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、ホウ素、アルミ
ニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アン
チモンおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1
種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体が挙げられ
る。
は、(II)ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリ
ウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、アン
チモンおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも1
種の元素の化合物、好ましくはマグネシウム化合物を併
用してもよい。
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体と
を、上記ポリエステル製造用触媒の存在下に重縮合させ
てポリエステルを製造することを特徴としている。
は、化合物(II)としてマグネシウム化合物を用いた上
記ポリエステル製造用触媒の存在下に、テレフタル酸ま
たはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール
またはそのエステル形成性誘導体と、必要に応じてテレ
フタル酸以外の芳香族ジカルボン酸および/またはエチ
レングリコール以外の脂肪族ジオールとを重縮合させて
製造されるポリエチレンテレフタレートであって、チタ
ン含量が1〜100ppmであり、マグネシウム含量が
1〜200ppmであり、該ポリエチレンテレフタレー
トに含まれるチタンとマグネシウムとの重量比(Mg/
Ti)が0.01以上であることを特徴としている。
テレフタレートからなり、成形体としては、例えば中空
成形体、フィルムまたはシート、繊維などがある。
製造用触媒、この触媒を用いるポリエステルの製造方法
およびこの触媒により製造されるポリエチレンテレフタ
レートについて説明する。
下記(I-a)固体状チタン化合物と(II)化合物とから
なるか、または、下記(I-b)固体状含チタン化合物と
必要に応じて(II)化合物とからなる。
タン化合物(I-b) 本発明の固体状チタン化合物(I-a)は、チタンハロゲ
ン化物を加水分解した後脱水乾燥することにより得られ
る。
ゲン原子との結合が少なくとも1つ以上分子内に存在す
る化合物であり、具体的には四塩化チタン、四臭化チタ
ン、四ヨウ化チタンなどの四ハロゲン化チタン;三塩化
チタンなどの三ハロゲン化チタン;二塩化チタンなどの
二ハロゲン化物および一ハロゲン化チタンが挙げられ
る。
しては、特に限定されず、例えば水中にチタンハロゲ
ン化物を添加する方法、チタンハロゲン化物中に水を
添加する方法、水中にチタンハロゲン化物の蒸気を含
んだガスを通じる方法、チタンハロゲン化物中に水蒸
気を含んだガスを通じる方法、チタンハロゲン化物を
含んだガスと水蒸気を含んだガスとを接触させる方法な
どが挙げられる。
に限定されないが、いずれの場合でもチタンハロゲン化
物に大過剰の水を作用させて加水分解を完全に進行させ
ることが好ましい。加水分解を完全に進行させず、得ら
れた加水分解物が特公昭51-19477項公報に記載
されているような部分加水分解物となる場合には、重縮
合速度が充分でないことがある。
下、特に0〜70℃の範囲であることが好ましい。この
ような固体状チタン化合物(I-a)は、下記化合物(I
I)と併用される。
b)は、チタンハロゲン化物と、チタン以外の他の元素
から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物またはこの
化合物の前駆体(以下「他の元素の化合物」ということ
がある。)との混合物を加水分解した後、脱水乾燥する
ことにより得られる。すなわち他の元素の化合物を共存
させてチタンハロゲン化物の加水分解を行い、生成した
沈殿物を固液分離することによって固体状含チタン化合
物(I-b)を得る。
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ジルコニ
ウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ク
ロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテ
ニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、
銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、
ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよびリン(以下これ
らの元素を「他の元素」という。)からなる群より選ば
れる少なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の
前駆体が挙げられる。上記他の元素の化合物としては、
例えば、水酸化物などが挙げられる。
または2種以上組み合わせて用いることができる。チタ
ンハロゲン化物と、他の元素の化合物との混合物を加水
分解する方法としては特に限定されず、例えば他の元
素の化合物が溶解または懸濁した水中にチタンハロゲン
化物を添加する方法、水中にチタンハロゲン化物と他
の元素の化合物との混合物を添加する方法、チタンハ
ロゲン化物と他の元素の化合物との混合物中に水を添加
する方法、チタンハロゲン化物中に他の元素の化合物
が溶解または懸濁した水を添加する方法、他の元素の
化合物が溶解または懸濁した水中にチタンハロゲン化物
の蒸気を含んだガスを通じる方法、水中にチタンハロ
ゲン化物の蒸気および他の元素の化合物の蒸気を含んだ
ガスを通じる方法、チタンハロゲン化物と他の元素の
化合物との混合物中に水蒸気を含んだガスを通じる方
法、チタンハロゲン化物中に水蒸気と他の元素の化合
物の蒸気を含んだガスを通じる方法、チタンハロゲン
化物を含んだガスと他の元素の化合物の蒸気を含んだガ
スと水蒸気を含んだガスを接触させる方法などが挙げら
れる。
のチタン(Ti)と、他の元素の化合物中の他の元素
(E)とのモル比(E/Ti)は、1/50〜50/1
の範囲であることが望ましい。また加水分解を行う温度
は、通常100℃以下、好ましくは0〜70℃の範囲で
あることが好ましい。
ン化物と他の元素の化合物との混合物を加水分解する際
には、チタンハロゲン化物の加水分解により発生するハ
ロゲン化水素によって液性が酸性を呈する。この酸性に
よって加水分解が完結しないことがあるので塩基を添加
して中和を行ってもよい。ここで用いられる塩基として
は、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化マグネシウムなどの元素の周期表第1、2族
元素の水酸化物、あるいは炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどの元素
の周期表第1、2族元素の炭酸(水素)化合物、尿素、
塩基性有機化合物が挙げられる。中和の終点はpHが4
以上が好ましく、また中和は、70℃以下で行うことが
好ましい。
ン化物の加水分解物またはチタンハロゲン化物と他の元
素の化合物との混合物の加水分解物は、この段階ではオ
ルソチタン酸とも呼ばれる含水水酸化物のゲルまたは含
水複合水酸化物のゲルである。この含水水酸化物のゲル
または含水複合水酸化物のゲルを脱水乾燥することによ
り本発明に係る固体状チタン化合物または固体状含チタ
ン化合物が得られる。
水よりも高沸点の液相に懸濁した状態で行うことがで
き、乾燥温度は特に限定されないが、30℃以上350
℃未満であることが好ましい。なお乾燥の前に含水水酸
化物ゲルまたは含水複合水酸化物ゲルを水洗したり、乾
燥後に固体状チタン化合物、固体状含チタン化合物を水
洗することによって水溶性の成分を除去してもよい。ま
た乾燥は速やかに行うことが好ましい。
物(I-a)および固体状含チタン化合物(I-b)は、その
組成は共存させる他の元素の有無や量、水洗の有無、乾
燥方法、乾燥の程度によって異なるが、水酸基(OH)
とチタン(Ti)とのモル比(OH/Ti)が通常0を
超えて4未満、好ましくは0.001〜3、より好まし
くは0.01〜2の範囲にある。水酸基とチタンとのモ
ル比は、付着水分および加熱脱離水分の測定により求め
ることができる。
以下のようにして求める。固体状含チタン化合物中の水
酸基含量を求めるには、まずカールフィッシャー水分計
により付着水分量を測定する。次に、熱重量分析により
600℃まで加熱することによる加熱減量を測定する。
600℃まで加熱することにより付着水分が脱離し、水
酸基は水として脱離するものと考えられるため、加熱減
量から付着水分量を差し引いた値より水酸基含有量を求
める。固体状含チタン化合物中のチタン含有量は、高周
波プラズマ発光分析装置により求める。上記チタン含有
量と水酸基含有量とからOH/Ti比を求める。
してアンモニアを使用した固体状含チタン化合物であっ
て、固体状含チタン化合物中のチタン含有量が46重量
%であり、付着水分量が6.73重量%であり、600
℃までの加熱減量が9.67重量%であり、窒素含量が
1.3重量%であり、塩素含量が14ppmである場合
OH/Ti比は以下のように計算する。なお、窒素含量
は微量全窒素分析装置(化学発光法)で、塩素含量はク
ロマトグラフィーで分析する。
のモル量は以下のように計算される。
塩素はそれぞれアンモニア、塩化水素として脱離するた
め、加熱脱離水分量(重量%)は以下のように求められ
る。
酸基由来の加熱脱離水分量(重量%)は以下のように求
められる。 8.090−6.73=1.360 これより固体状含チタン化合物100g中に含まれる水
酸基のモル量は以下のように求められる。 (1.360/18)×2=0.1511 以上より、固体状含チタン化合物中のチタン含有量と水
酸基含有量とのモル比(OH/Ti比)が求められる。
体状含チタン化合物(I-b)は、重縮合反応が行われる
温度、例えば約280℃においても水酸基が残留する。
これらのことは、本発明の固体状チタン化合物および固
体状含チタン化合物が、特開昭52-57291号公報
や特公昭47-26597号公報で言及されているオル
ソチタン酸(H4TiO4と表記され、チタンと水酸基の
モル比は1:4である。)と本質的に異なるものである
こと、および特開昭50-156595号公報他でポリ
エステル製造用触媒として用いられている酸化チタンと
は本質的に異なるものであることを示している。
(I-b)は、該化合物中のチタン(Ti)と、他の元素
(E)とのモル比(E/Ti)が、1/50〜50/
1、好ましくは1/40〜40/1、さらに好ましくは
1/30〜30/1であることが好ましい。
および固体状含チタン化合物(I-b)は、塩素含量が通
常0〜10000ppm、好ましくは0〜100ppm
である。
合物(II)と併用され、上記固体状含チタン化合物(I-
b)は、必要に応じて化合物(II)と併用される。化合物(II) 化合物(II)は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウ
ム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウ
ム、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれる少な
くとも1種の元素の化合物である。
ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガ
リウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、ア
ンチモンおよびリンからなる群より選ばれる少なくとも
1種の元素の化合物としては、これらの元素の酢酸塩な
どの脂肪酸塩、これらの元素の炭酸塩、硫酸塩、硝酸
塩、塩化物などのハロゲン化物、これらの元素のアセチ
ルアセトナート塩、これらの元素の酸化物などが挙げら
れるが、酢酸塩または炭酸塩が好ましい。
第1族、第2族、周期表上第4周期の遷移金属、ジルコ
ニウム、ハフニウムおよびアルミニウムから選ばれる少
なくとも1種の金属のリン酸塩、亜リン酸塩が挙げられ
る。
り具体的には、アルミニウム化合物としては、酢酸アル
ミニウムなどの脂肪酸アルミニウム塩、炭酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、アルミニウムのアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸アルミニウムまたは
炭酸アルミニウムが好ましい。
どの脂肪酸バリウム塩、炭酸バリウム、塩化バリウム、
バリウムのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸バリウムまたは炭酸バリウムが好ましい。
どの脂肪酸コバルト塩、炭酸コバルト、塩化コバルト、
コバルトのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸コバルトまたは炭酸コバルトが好ましい。
シウムなどの脂肪酸マグネシウム塩、炭酸マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、マグネシウムのアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸マグネシウムまたは
炭酸マグネシウムが好ましい。
どの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、
マンガンのアセチルアセトナート塩などが挙げられ、特
に酢酸マンガンまたは炭酸マンガンが好ましい。
ロンチウムなどの脂肪酸ストロンチウム塩、炭酸ストロ
ンチウム、塩化ストロンチウム、ストロンチウムのアセ
チルアセトナート塩などが挙げられ、特に酢酸ストロン
チウムまたは炭酸ストロンチウムが好ましい。
酸亜鉛塩、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、亜鉛のアセチルアセト
ナート塩などが挙げられ、特に酢酸亜鉛または炭酸亜鉛
が好ましい。
マニウム、酢酸ゲルマニウムなどが挙げられる。アンチ
モン化合物としては、二酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ンなどが挙げられる。
酸リチウム、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素
カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ストロンチウ
ム、リン酸二水素ストロンチウム、リン酸水素二ストロ
ンチウム、リン酸ジルコニウム、リン酸バリウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛などが挙げられる。このう
ち、特にリン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水
素カリウム、リン酸水素二カリウムが好ましく使用され
る。
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4周期
の遷移金属、ジルコニウム、ハフニウム、およびアルミ
ニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の亜リン酸塩
が使用され、具体的には、亜リン酸リチウム、亜リン酸
ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸ストロンチウ
ム、亜リン酸ジルコニウム、亜リン酸バリウム、亜リン
酸アルミニウム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。この
うち、特に亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウムが、
好ましく使用される。
炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどのマグネシウ
ム化合物が好ましい。これらの化合物(II)は、1種単
独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
タン化合物(I-a)中のチタンと、化合物(II)中の金
属原子とのモル比〔(II)/(I-a)〕、または上記固
体状含チタン化合物(I-b)中のチタンおよび他の元素
と、化合物(II)中の金属原子とのモル比〔(II)/
(I-b)〕で、1/50〜50/1、好ましくは1/4
0〜40/1、より好ましくは1/30〜30/1の範
囲の量で用いられることが望ましい。なお、リン酸塩や
亜リン酸塩などのリン化合物を使用する場合は、リン化
合物に含まれる金属原子換算である。また、化合物(I
I)として、マグネシウム化合物を使用する場合には、
上記固体状チタン化合物(I-a)中のチタンと、マグネ
シウム化合物中のMg原子との重量比〔Mg/(I-
a)〕、または上記固体状含チタン化合物(I-b)中のチ
タンおよび他の元素と、マグネシウム化合物中のMg原
子との重量比〔Mg/(I-b)〕で、0.01以上、好
ましくは0.06〜10、特に好ましくは0.06〜5
の範囲の量で用いられることも望ましい。このような範
囲でマグネシウム化合物を使用すると、得られるポリエ
ステルは透明性に優れる。
下に、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導
体とを重縮合させてポリエステルを製造する。以下、そ
の一例について説明する。
製造方法では、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形
成性誘導体を原料として用いる。
しては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が
挙げられる。
ール、トリメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ヘキサンメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コールなどの脂肪族グリコールが挙げられる。
ともに、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカ
ンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸などを原料
として使用することができ、脂肪族ジオールとともに、
シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、
ビスフェノール、ハイドロキノン、2,2-ビス(4-β-ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパン類などの芳香族ジオ
ールなどを原料として使用することができる。
チロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能性化合
物を原料として使用することができる。
製造するに際して、芳香族ジカルボン酸またはそのエス
テル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステ
ル形成性誘導体とをエステル化させる。
のエステル形成性誘導体と、脂肪族ジオールまたはその
エステル形成性誘導体とを含むスラリーを調製する。こ
のようなスラリーには芳香族ジカルボン酸またはそのエ
ステル形成性誘導体1モルに対して、通常1.005〜
1.4モル、好ましくは1.01〜1.3モルの脂肪族
ジオールまたはそのエステル形成性誘導体が含まれる。
このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給さ
れる。
ステル化反応基を直列に連結した装置を用いてエチレン
グリコールが還流する条件下で、反応によって生成した
水を精留塔で系外に除去しながら行う。
れ、第1段目のエステル化反応は、通常、反応温度が2
40〜270℃、好ましくは245〜265℃であり、
圧力が0.2〜3kg/cm2 G、好ましくは0.5〜
2kg/cm2 Gの条件下で行われ、また最終段目のエ
ステル化反応は、通常、反応温度が250〜280℃、
好ましくは255〜275℃であり、圧力が0〜1.5
kg/cm2 G、好ましくは0〜1.3kg/cm2 Gの
条件下で行われる。
は、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそ
れぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合に
は、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応条
件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の
間の条件であればよい。
れる場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度は
通常245〜275℃、好ましくは250〜270℃で
あり、圧力は通常0〜2kg/cm2 G、好ましくは
0.2〜1.5kg/cm2 Gであればよい。
は、特に制限はされないが、各段階におけるエステル化
反応率の上昇の度合いが滑らかに分配されることが好ま
しく、さらに最終段目のエステル化反応生成物において
は通常90%以上、好ましくは93%以上に達すること
が望ましい。
ボン酸と脂肪族ジオールとのエステル化反応物(低次縮
合物)が得られ、この低次縮合物の数平均分子量が50
0〜5000程度である。
次縮合物は、次いで重縮合(液相重縮合)工程に供給され
る。 (液相重縮合工程)液相重縮合工程においては、上記し
た重縮合触媒の存在下に、エステル化工程で得られた低
次縮合物を、減圧下で、かつポリエステルの融点以上の
温度(通常250〜280℃)に加熱することにより重
縮合させる。この重縮合反応では、未反応の脂肪族ジオ
ールを反応系外に留去させながら行われることが望まし
い。
数段階に分けて行ってもよい。例えば、重縮合反応が複
数段階で行われる場合には、第1段目の重縮合反応は、
反応温度が250〜290℃、好ましくは260〜28
0℃、圧力が500〜20torr、好ましくは200
〜30torrの条件下で行われ、最終段の重縮合反応
は、反応温度が265〜300℃、好ましくは270〜
295℃、圧力が10〜0.1torr、好ましくは5
〜0.5torrの条件下で行われる。
は、第2段目から最終段目の1段前間での重縮合反応
は、上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間
の条件で行われる。例えば、重縮合工程が3段階で行わ
れる場合には、第2段目の重縮合反応は通常、反応温度
が260〜295℃、好ましくは270〜285℃で、
圧力が50〜2torr、好ましくは40〜5torr
の条件下で行われる。
化合物(I-a)または固体状含チタン化合物(I-b)を、
低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に対して、金属
原子換算で、0.001〜0.2モル%、好ましくは
0.002〜0.1モル%使用することが望ましい。
られる化合物(II)、または固体状含チタン化合物(I-
b)を用いる際に必要に応じて用いられる化合物(II)
は、低次縮合物中の芳香族ジカルボン酸単位に対して、
金属原子換算で0.001〜0.5モル%、好ましくは
0.002〜0.3モル%の量で使用することが望まし
い。
化合物(II)からなる触媒、または固体状含チタン化合
物(I-b)と、必要に応じて化合物(II)からなる触媒
は、重縮合反応時に存在していればよい。このため触媒
の添加は、原料スラリー調製工程、エステル化工程、液
相重縮合工程等のいずれの工程で行ってもよい。また、
触媒全量を一括添加しても、複数回に分けて添加しても
よい。また、化合物(II)を併用する場合、固体状チタ
ン化合物(I-a)または固体状含チタン化合物(I-b)と
同じ工程で添加しても、別の工程で添加してもよい。
行われることが望ましい。安定剤としては具体的に、ト
リメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ
-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、
トリフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類、ト
リフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイ
ト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸
エステル類、モノメチルホスフェート、ジメチルホスフ
ェート、モノエチルホスフェート、ジエチルホスフェー
ト、モノイソプロピルホスフェート、ジイソプロピルホ
スフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフ
ェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェー
トなどのリン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸など
のリン化合物が挙げられる。
ジカルボン酸に対して、該リン化合物中のリン原子換算
で、0.005〜0.2モル%、好ましくは0.01〜
0.1モル%の量であることが望ましい。
リエステルの極限粘度[IV]は0.40〜1.0dl
/g、好ましくは0.50〜0.90dl/gであるこ
とが望ましい。なお、この液相重縮合工程の最終段目を
除く各段階において達成される極限粘度は特に制限され
ないが、各段階における極限粘度の上昇の度合いが滑ら
か分配されることが好ましい。
V]は、ポリエステル1.2gをo-クロロフェノール1
5cc中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定され
た溶液粘度から算出される。
は、通常、溶融押し出し成形されて粒状(チップ状)に成
形される。 (固相重縮合工程)上記液相重縮合工程で得られるポリ
エステルは、所望によりさらに固相重縮合することがで
きる。
テルは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温
度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に
供給してもよい。
ステルを乾燥状態で通常、120〜200℃、好ましく
は130〜180℃の温度に1分から4時間加熱するこ
とによって行うことができる。またこのような予備結晶
化は、粒状ポリエステルを水蒸気雰囲気、水蒸気含有不
活性ガス雰囲気下、あるいは水蒸気含有空気雰囲気下
で、120〜200℃の温度で1分間以上加熱すること
によって行うこともできる。
度が20〜50%であることが望ましい。なお、この予
備結晶化処理によっては、いわゆるポリエステルの固相
重縮合反応は進行せず、予備結晶化されたポリエステル
の極限粘度は、液相重縮合後のポリエステルの極限粘度
とほぼ同じであり、予備結晶化されたポリエステルの極
限粘度と予備結晶化される前のポリエステルの極限粘度
との差は、通常0.06dl/g以下である。
り、温度が190〜230℃、好ましくは195〜22
5℃であり、圧力が1kg/cm2 G〜10Torr、
好ましくは常圧から100Torrの条件下で、窒素、
アルゴン、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下で行われ
る。使用する不活性ガスとしては窒素ガスが望ましい。
粒状ポリエステルには、例えば特公平7-64920号
公報記載の方法で、水処理を行ってもよく、この水処理
は、粒状ポリエステルを水、水蒸気、水蒸気含有不活性
ガス、水蒸気含有空気などと接触させることにより行わ
れる。
の極限粘度は、通常0.60〜1.00dl/g、好ま
しくは0.75〜0.95dl/gであることが望まし
い。上記のようなエステル化工程と重縮合工程とを含む
ポリエステルの製造工程はバッチ式、半連続式、連続式
のいずれでも行うことができる。
に固体状チタン化合物(I-a)または固体状含チタン化
合物(I-b)と、化合物(II)とからなり、化合物(I
I)がマグネシウム化合物である触媒は、ポリエチレン
テレフタレートの製造用触媒として好適である。このよ
うな固体状含チタン化合物(I-a)または固体状含チタ
ン化合物(I-b)と、マグネシウム化合物とからなる触
媒を用いてポリエチレンテレフタレートを製造するに
は、例えば原料としてテレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステ
ル形成性誘導体と、必要に応じてテレフタル酸以外の芳
香族ジカルボン酸および/またはエチレングリコール以
外の脂肪族ジオールを用いて、上述したような方法でエ
ステル化、液相重縮合、所望によりさらに固相重縮合を
行う。
形成性誘導体は、芳香族ジカルボン酸100モル%に対
して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上とな
るような量で用いられ、エチレングリコールまたはその
エステル形成性誘導体は脂肪族ジオール100モル%に
対して、80モル%以上、好ましくは90モル%以上と
なるような量で用いられる。
フタレートは、チタン含量が1〜200ppm、特に1
〜100ppmの範囲にあることが好ましく、マグネシ
ウム含量が1〜200ppm、特に1〜100ppmの
範囲にあることが好ましい。また、該ポリエチレンテレ
フタレートに含まれるチタンとマグネシウムとの重量比
(Mg/Ti)が0.01以上、好ましくは0.06〜
10、特に好ましくは0.06〜5の範囲にあることが
望ましい。さらに該ポリエチレンテレフタレートは、塩
素の含量が0〜1000ppm、好ましくは0〜100
ppmの範囲にある。
テレフタレートは、275℃の成形温度で厚さ4mmの
板状に成形して得られる板状成形体のヘイズが通常20
%以下、好ましくは0〜10%である。
まず、原料として粒状ポリエチレンテレフタレート2k
gを温度140℃、圧力10torrの条件で16時間
以上棚段式の乾燥機を用いて乾燥させ、粒状ポリエチレ
ンテレフタレートの水分含有率を50ppm以下にす
る。
タレートを名機製作所(株)製M−70A射出成形機に
よりシリンダー温度275℃、金型冷却水温度15℃の
条件で射出成形して、段付き角板状成形体を製造する。
射出60秒となるように成形条件が調整された射出成形
機に、乾燥された粒状ポリエチレンテレフタレートをホ
ッパより供給して成形する。また、成形機内の溶融樹脂
の滞留時間は、約72秒とする。なお、段付き角板状成
形体1個当たりの使用樹脂重量は75gである。ヘイズ
測定量試料としては、射出成形開始後11〜15個目の
いずれか1個の試料が採用される。
形状を有しており、A部の厚さは約6.5mmであり、
B部の厚さは約5mmであり、C部の厚さは約4mmで
ある。本発明においては、ヘイズメーター(スガ試験
機)HGM−2DPを用いて、段付き角板状成形体のC
部のヘイズを測定する。
は、色相に優れ、特に透明性に優れ、アセトアルデヒド
の含有量が少なく、ボトル用途に用いることが特に好ま
しい。
は、従来から公知の添加剤、例えば、安定剤、離型剤、
帯電防止剤、分散剤、染顔料等の着色剤などが添加され
ていてもよく、これらの添加剤はポリエステル製造時の
いずれかの段階で添加してもよく、成形加工前、マスタ
ーバッチにより添加したものであってもよい。
各種成形体の素材として使用することができ、例えば溶
融成形してボトルなどの中空成形体、シート、フィル
ム、繊維などに使用されるが、ボトルに使用することが
好ましい。
えば上記ポリエチレンテレフタレートからボトル、シー
ト、フィルム、繊維などを成形する方法としては従来公
知の方法を採用することができる。
ポリエチレンテレフタレートを溶融状態でダイより押出
してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所
望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、金型に着
装することにより中空成形体を製造する方法、上記ポリ
エチレンテレフタレートから射出成形によりプリフォー
ムを製造し、該プリフォームを延伸適正温度まで加熱
し、次いでプリフォームを所望形状の金型中に保持した
後空気を吹き込み、金型に着装することにより中空成形
体を製造する方法などがある。
ては、従来公知の押出装置および成形条件を採用し、溶
融したポリエチレンテレフタレートをTダイなどから押
出す方法がある。これらのフィルムまたはシートは公知
の延伸方法により延伸してもよい。
エチレンテレフタレートを、紡糸口金を通して押出す方
法がある。このようにして得られた繊維を、さらに延伸
してもよい。
は、従来から重縮合触媒として使用されていたゲルマニ
ウム化合物、アンチモン化合物に比べて高い触媒活性で
ポリエステルを製造することができる。また、本発明の
方法によれば、アンチモン化合物を重縮合触媒として用
いる場合に比べて、透明性、色相に優れ、アセトアルデ
ヒドの含有量の少ないポリエステルを得ることができ
る。さらに本発明に係るポリエチレンテレフタレートお
よびこれからなる成形体は、透明性、色相に優れ、アセ
トアルデヒドの含有量が少ない。
明はこれら実施例に限定されるものではない。
を秤取し、氷浴にて冷却した後攪拌しながら四塩化チタ
ン5gを滴下した。塩化水素の発生が止まったら氷浴よ
り取り出し、攪拌しながら25%アンモニア水を滴下
し、液のpHを8にした。生成したチタン水酸化物の沈
殿は2500回転、15分間の遠心沈降で上清と分離し
た。その後、得られたチタン水酸化物の沈殿を脱イオン
水で5回洗浄した。洗浄後の固液分離は2500回転、
15分間の遠心沈降で行った。洗浄後のチタン水酸化物
を70℃、10torr、18時間の減圧乾燥で水分を
除去し、固体状チタン化合物を得た。
として使用する前に10ミクロン程度の粒子に粉砕し
た。このようにして得られた固体状チタン化合物の付着
水分量をカールフィッシャー水分計により測定したとこ
ろ、6.73重量%の水分を含有していることがわかっ
た。また熱重量測定により加熱減量を測定したところ、
280℃までに当初重量の7.50重量%、280℃か
ら600℃までにさらに2.17重量%が減量し、この
減量は水分および窒素化合物の脱離によるものであるこ
とが分かった。触媒に含まれる窒素は1.3重量%であ
り、塩素は14ppmしか含まれていないことから、窒
素は塩化アンモニウムに由来するものではなく、アンモ
ニアに由来するものであると考えられる。また高周波プ
ラズマ発光分析装置により求めた固体状チタン化合物中
のチタン含有量は46重量%であった。 これらのこと
から、得られた固体状チタン化合物はチタン対水酸基が
モル比で1:0.157であることがわかった。なお、
窒素は微量全窒素分析装置(化学発光法)で、塩素はク
ロマトグラフィーで分析し、それぞれアンモニア、塩化
水素として脱離するとして計算した。
を秤取し、無水水酸化マグネシウム0.15gを加えて
分散させた。氷浴にて冷却した後攪拌しながら四塩化チ
タン5gを滴下した。液性が酸性になり、水酸化マグネ
シウムが溶解した。塩化水素の発生が止まったら氷浴よ
り取り出し、攪拌しながら25%アンモニア水を滴下
し、液のpHを8にした。生成した含チタン複合水酸化
物の沈殿は2500回転、15分間の遠心沈降で上清と
分離した。その後、得られた含チタン複合水酸化物の沈
殿を脱イオン水で5回洗浄した。洗浄後の固液分離は2
500回転、15分間の遠心沈降で行った。洗浄後の含
チタン複合水酸化物を70℃、10torr、18時間
の減圧乾燥して水分を除去し、固体状含チタン化合物を
得た。
ネシウムの原子比は、チタン原子91モルに対しマグネ
シウム原子9モルであった。得られた含チタン化合物は
重縮合触媒と使用する前に10ミクロン程度の粒子に粉
砕した。
を秤取し、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックス
OXS)0.16gを加えて分散させた。氷浴にて冷却
した後攪拌しながら四塩化チタン5gを滴下した。液性
が酸性になり、コロイダルシリカが溶解した。塩化水素
の発生が止まったら氷浴より取り出し、攪拌しながら2
5%アンモニア水を滴下し、液のpHを8にした。生成
した含チタン複合水酸化物の沈殿は2500回転、15
分間の遠心沈降で上清と分離した。その後、得られた含
チタン複合水酸化物の沈殿を脱イオン水で5回洗浄し
た。洗浄後の固液分離は2500回転、15分間の遠心
沈降で行った。洗浄後の含チタン複合水酸化物を70
℃、10torr、18時間の減圧乾燥して水分を除去
し、固体状含チタン化合物を得た。この固体状含チタン
化合物中のチタンとケイ素の原子比はチタン原子94モ
ルに対しケイ素原子6モルであった。得られた固体状含
チタン化合物は重縮合触媒と使用する前に10ミクロン
程度の粒子に粉砕した。
る反応器内に、攪拌下、窒素雰囲気で260℃、0.9
kg/cm2 Gに維持された条件下に、6458重量部
/時の高純度テレフタル酸と2615重量部/時のエチ
レングリコールとを混合して調製されたスラリーを連続
的に供給し、エステル化反応を行った。このエステル化
反応では、水とエチレングリコールとの混合液が留去さ
れた。
滞留時間が3.5時間になるように制御して、連続的に
系外に抜き出した。上記で得られたエチレングリコール
とテレフタル酸との低次縮合物の数平均分子量は、60
0〜1300(3〜5量体)であった。
体状チタン化合物を用い、上記で得られた低次縮合物の
液相重縮合反応を行った。触媒添加量としては、固体状
チタン化合物をチタン原子として、低次縮合物中のテレ
フタル酸単位に対して、0.005モル%を加え、28
5℃、1torrの条件下で重縮合反応を行った。
[IV]が0.58dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)は95分であった。
例2で調製した固体状含チタン化合物を用いた以外こと
は参考例1と同様にして重縮合反応を行った。
[IV]が0.58dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)は76分であった。
例3で調製した固体状含チタン化合物を用いたこと以外
は参考例1と同様にして重縮合反応を行った。
[IV]が0.58dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)は85分であった。
例1で調製した固体状チタン化合物に加えて炭酸マグネ
シウムを用いたこと以外は参考例1と同様にして重縮合
反応を行った。炭酸マグネシウムの添加量は、低次縮合
物中のテレフタル酸単位に対して、マグネシウム原子換
算で0.005モル%とした。
[IV]が0.58dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)は75分であった。
レングリコール86.03モルを100℃、常圧下でエ
ステル化反応槽に供給し、さらに触媒として実施例2で
調製した固体状含チタン化合物0.0045モルを添加
した。次いで、上記反応槽を260℃に昇温し、圧力
1.7kg/cm2G、窒素雰囲気にて340分間反応
をさせた。この反応により生成した水は、常時系外に留
去した。
じめ260℃とした重縮合反応槽に移した後、さらに常
圧で上記反応槽にエチレングリコールを6.44モルに
溶解したリン酸トリブチル0.0073モルを添加し、
60分間かけて260℃から280℃まで昇温するとと
もに常圧から2torrまで減圧した。
行った後、反応物を重縮合反応槽外にストランド状に抜
き出し、水中に浸漬し冷却し、ストランドカッターにて
粒状に裁断しポリエチレンテレフタレートを得た。該ポ
リエチレンテレフタレートの固有粘度は0.65dl/
gであり、原子吸光分析により測定したチタン、マグネ
シウム含有量は、それぞれ25ppm、2ppmであ
り、Mg/Ti重量比は0.08であった。
チレンテレフタレートを固相重合塔に移し、窒素雰囲気
下、170℃で2時間結晶化させた後、210℃で13
時間固相重合を行い、粒状ポリエチレンテレフタレート
を得た。該ポリエチレンテレフタレートの固有粘度は
0.825dl/gであった。該ポリエチレンテレフタ
レートを用いて、上記と同様な方法で成型した段付角板
のC部におけるヘイズは17.8%であった。
1に記載したように変更したこと以外は、実施例7と同
様にしてポリエチレンテレフタレートを製造した。結果
を表1に示す。
化物を100℃、2時間煮沸した後、乾燥してチタン化
合物を得た。
を用いたこと以外は実施例7と同様にして重縮合反応を
行った。
[IV]が0.65dl/gに達するまでに要した時間
(液重時間)は263分であった。チタン水酸化物は水
中で加熱するとメタチタン酸に転化することが知られて
おり、メタチタン酸を経由して得られたチタン化合物は
重縮合活性が低いことがわかる。
のチタン含量は25ppmであり、マグネシウム含量は
16ppmであり、Mg/Ti比(重量比)は0.64
であった。また、該ポリエチレンテレフタレートの塩素
含量は1ppm以下であった。
を示す斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】(I-a)チタンハロゲン化物を加水分解し
てなる加水分解物を脱水乾燥することにより得られる固
体状チタン化合物と、(II)ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、
アルミニウム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、
ゲルマニウム、アンチモンおよびリンからなる群より選
ばれる少なくとも1種の元素の化合物とからなることを
特徴とするポリエステル製造用触媒。 - 【請求項2】上記化合物(II)がマグネシウム化合物で
ある請求項1に記載のポリエステル製造用触媒。 - 【請求項3】チタンハロゲン化物と、チタン以外の他の
元素から選ばれる少なくとも1種の元素の化合物または
この化合物の前駆体との混合物を加水分解してなる加水
分解物を脱水乾燥することにより得られる固体状含チタ
ン化合物からなることを特徴とするポリエステル製造用
触媒。 - 【請求項4】上記チタン以外の他の元素から選ばれる少
なくとも1種の元素の化合物またはこの化合物の前駆体
が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム、スカンジウム、イットリウム、ラン
タン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マ
ンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケ
ル、パラジウム、銅、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、ガ
リウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、アンチモンおよ
びリンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の
化合物またはこの化合物の前駆体である請求項3に記載
のポリエステル製造用触媒。 - 【請求項5】(I-b)請求項3または4に記載の固体状
含チタン化合物と、(II)ベリリウム、マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アル
ミニウム、ガリウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ゲル
マニウム、アンチモンおよびリンからなる群より選ばれ
る少なくとも1種の元素の化合物とからなることを特徴
とするポリエステル製造用触媒。 - 【請求項6】上記化合物(II)がマグネシウム化合物で
ある請求項5に記載のポリエステル製造用触媒。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の触媒の存
在下に、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体と、脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘
導体とを重縮合させてポリエステルを製造することを特
徴とするポリエステルの製造方法。 - 【請求項8】請求項2または6に記載のポリエステル製
造用触媒の存在下に、テレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステ
ル形成性誘導体と、必要に応じてテレフタル酸以外の芳
香族ジカルボン酸および/またはエチレングリコール以
外の脂肪族ジオールとを重縮合させて製造されるポリエ
チレンテレフタレートであって、チタン含量が1〜10
0ppmであり、マグネシウム含量が1〜200ppm
であり、該ポリエチレンテレフタレートに含まれるチタ
ンとマグネシウムとの重量比(Mg/Ti)が0.01
以上であることを特徴とするポリエチレンテレフタレー
ト。 - 【請求項9】請求項8に記載のポリエチレンテレフタレ
ートからなることを特徴とする成形体。 - 【請求項10】上記成形体が中空成形体である請求項9
に記載の成形体。 - 【請求項11】上記成形体がフィルムまたはシートであ
る請求項9に記載の成形体。 - 【請求項12】上記成形体が繊維である請求項9に記載
の成形体。
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